JP3808912B2 - 焦点検出センサ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動焦点一眼レフカメラなどに使用される、CCDを利用した焦点検出センサ装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
オートフォーカス(AF)一眼レフカメラでは一般に、CCDセンサを利用した焦点検出センサユニットが使用されている。CCDセンサは、被写体光をフォトダイオードからなる受光素子で受光して電荷信号に光電変換し、電荷を積分(蓄積)する。そして各フォトダイオードで蓄積した電荷を転送部を介して逐一転送し、増幅回路で増幅し、増幅した信号をクランプ回路により、外部から入力される基準電圧を基準レベルとしてレベルシフトさせて、レベルシフト後の出力電圧をA/D 変換していた。ここで、従来のCCDセンサは電荷の転送、掃き出し用に12V程度の高電圧が必要とされていたので、バッテリ電圧を昇圧して12Vを生成し、基準電圧用の5Vと12Vの2系統の電源電圧を供給していた。
【0003】
しかしながら、最近では5Vの単一電源電圧で駆動できるCCDセンサが開発されている。これらのCCDセンサの基準電圧は5V以下の電圧となり、一般的には4V程度が用いられる。
ところが、電源電圧が降下すると、この電源電圧で動作するオペアンプなどの回路の出力振幅も減少するため、必然的にビデオ信号の出力振幅(ダイナミックレンジ)も減少することになる。されに基準電圧レベルも降下しているので、一層ビデオ信号の出力振幅が減少してしまう。
【0004】
このように、ダイナミックレンジの小さいCCDセンサにおいて、出力を基準電圧にクランプすると、オフセット電圧によるビデオ信号のレベルシフトの影響が大きくなる。例えば、受光素子表面を遮光したオプティカルブラック時のレベルを基準電圧にクランプするので、オプティカルブラックレベルが基準レベルになるはずであるが、回路のオフセットによりクランプ回路からの出力信号は、基準レベルから上下変動する。もしも信号レベルが基準レベルよりも低い場合には基準レベルをフルスケールとして使用できず、ダイナミックレンジが低下してしまう。一方、信号レベルが基準レベルよりも高い場合には、基準レベルよりも高い信号は無効になってしまう。その結果、CCDセンサの飽和出力電圧、つまりダイナミックレンジが低下し、オートフォーカス検出輝度範囲の低下、特に低コントラスト時のオートフォーカス作動限界が低下してしまう、という問題を生じる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、低電圧駆動可能なCCDセンサにおいて、外部基準電圧をCCDセンサの出力基準レベルおよびA/D 変換器の基準電圧レベルとした場合、CCDセンサの出力電圧をA/D 変換器のフルスケール内で最大限にダイナミックレンジのとれる構成とした焦点検出センサ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
この目的を達成する請求項1に記載の発明は、結像レンズを介して被写体光を受光し、電気信号に変換して積分する複数の受光手段を有する一対のセンサ部と、前記一対のセンサ部の各受光手段が積分した積分信号を逐次転送して出力する転送手段と、この転送手段が出力した前記積分信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段により増幅された前記積分信号を補正基準電圧に基づいてクランプするクランプ手段と、外部基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、この外部基準電圧に基づいて、前記一対のセンサ部の積分終了を制御する積分制御基準電圧を生成する積分制御基準電圧出力手段と、前記外部基準電圧を補正して補正基準電圧を生成する基準電圧補正手段と、を備え、該基準電圧補正手段は、前記外部基準電圧をVS、前記積分制御基準電圧をVAGC、とすると、(VS−VAGC)の信号を生成し、さらに、前記補正基準電圧をVS′とすると、式、VS′=VS+(VS−VAGC) の関係が成立する補正基準電圧VS′を生成すること、に特徴を有する。
【0008】
【実施例】
以下図示実施例に基づいて本発明を説明する。第1実施例は、ビデオ信号が基準レベル以下に出力される場合を想定したものである。図1は、この第1実施例を搭載した自動焦点(AF)一眼レフカメラの主要構成を示したブロック図である。このAF一眼レフカメラは、カメラボディ10と、このカメラボディ10に着脱可能な撮影レンズ51とを備えている。撮影レンズ51からカメラボディ10内に入射した被写体光束は、大部分がメインミラー13によってファインダ光学系を構成するペンタプリズム15に向かって反射され、さらにペンタプリズム15を透過した被写体光束はアイピース17から出射する。一方、メインミラー13のハーフミラー部14に入射した被写体光束の一部はハーフミラー部14を透過し、サブミラー19で下方に反射されて焦点検出用CCDセンサユニット(AFセンサユニット)20に入射する。
【0009】
このカメラボディ10は、カメラ全体の処理を統括的に制御するメインCPU31と、周辺部制御回路33を備えている。メインCPU31は、被写体の輝度情報およびフィルム感度情報に基づいて所定の露出演算を実行し、露出用の適正シャッタ速度および絞り値を算出する。そして、これらのシャッタ速度および絞り値に基づいてレリーズ、つまり、シャッタ機構(図示せず)および絞り機構(図示せず)を駆動してフィルムに露光する。周辺部制御回路33は、メインCPU31の制御下で、レリーズに際して、ミラーモータ(図示せず)を駆動してメインミラー13のアップ/ダウン処理を行ない、露光終了後にはフィルム巻き上げモータを駆動してフィルムの巻き上げ処理を行なう。
【0010】
メインCPU31は、AFセンサユニット20から出力される輝度データに基づいて所定の演算(プレディクタ演算)によりデフォーカス量を算出し、そのデフォーカス量に基づいて、AFモータ39の回転方向および回転数(エンコーダ41のパルス数)を算出する。そしてメインCPU31は、その回転方向およびパルス数に基づき、AFモータドライブ回路37を介してAFモータ39を駆動する。AFモータ39の回転は、カメラボディ10のマウント部に設けられたジョイント47と撮影レンズ51のマウント部に設けられたジョイント57との接続を介して撮影レンズ51側に伝達される。
【0011】
またメインCPU31は、図示しないが、プログラム等をメモリしたROM、演算用、制御用の所定のデータを一時的にメモリするRAMを内蔵し、外部メモリ手段としてのE2PROM43が接続されている。このE2PROM43には、カメラボディ10特有の各種定数のほかに、本発明の焦点検出処理に必要な各種関数、定数などがメモリされている。
【0012】
さらにメインCPU31には、レリーズボタン(図示せず)の半押しから全押しされている間はオンしている測光スイッチSWS、および全押しでオンするレリーズスイッチSWRが接続されている。
【0013】
このメインCPU31は、カメラシステム全体を総括的に制御する制御手段として機能するほかに、CCDセンサユニット20および周辺部制御回路33等とで測距手段、デフォーカス量測定手段を構成している。
【0014】
一方撮影レンズ51には、フォーカシングレンズ群53を光軸に沿って前後動させる焦点調節機構55、撮影レンズ51のマウント部に設けられ、カメラボディ10のジョイント47と連結してAFモータ39の回転を焦点調節機構55に伝達するレンズ側ジョイント57と、撮影レンズ51の各種データをメモリしたレンズROM61とを備えている。レンズROM61は、電気接点群59、49の接続を介してカメラボディ10の周辺部制御回路33と接続されていて、この周辺部制御回路33を介してメインCPU31との間で所定のデータ通信を実行する。レンズROM61から周辺部制御回路33に伝達されるデータとしては、制御可能な開放絞り値Av 、最大絞り値Av 、最長・最短焦点距離、現焦点距離、Kバリュー情報などがある。なお、本実施例のKバリュー情報は、撮影レンズにより結像された像面が光軸に沿った方向に単位距離(例えば1mm)移動するときにエンコーダ41が出力するパルス数(AFモータ39の回転数)データである。
【0015】
本発明の特徴を備えたCCDセンサユニット20の構成について、さらに図2から図6を参照して詳述する。図2は、CCDセンサユニット20の回路構成を示すブロック図である。
【0016】
AFセンサユニット20は、いわゆる位相差方式の測距センサであって、図示しないが、被写体光束を二分割する分割光学系と、二分割された被写体光束をそれぞれ受光して積分(光電変換およびその電荷を蓄積)するCCDラインセンサ201を備えている。CCDラインセンサ201は、1列のCCD転送部202と、受光手段として1組の第1、第2センサ部203、204を備えている。第1、第2センサ部203、204に、分割光学系で分割された被写体光束がそれぞれ結像される。
【0017】
各センサ部203、204は、お互いに独立した多数の受光素子(光電変換素子)を備えていて、各受光素子で発生した電荷は隣接した一組のストレージ部208、209に電荷として積分(蓄積)される。積分が終了すると、蓄積された電荷は、さらに隣接した一組のメモリー部215、216に一時的にメモリーされる。その後、メモリー部215、216にメモリーされた電荷は、一斉に転送部202に転送され、転送部202を段階的に転送されて、転送部202の端部から画素単位で第1の焦点検出信号として出力される。そしてアンプ251で増幅されてビデオ信号Vo (第2の焦点検出信号)として出力され、さらに波形整形手段としてのS/Hクランプ回路253(レベルシフト手段、クランプ手段)において、ビデオ信号Vo のレベルがサンプル&ホールドされ、クランプされて、ビデオ信号出力Vout (第3の焦点検出信号)として出力される。
【0018】
また、第1センサ部203に隣接してモニタセンサ205、206(M1、M2)が設けられ、第2センサ部204に隣接して、遮光されたモニタダークセンサ207(MD)が設けられている。モニタセンサ205、206は、被写体の明るさに応じて積分時間(積分終了)をコントロールするためのセンサであって、被写体光束を受光する。一方モニタダークセンサ207は、モニタセンサ205、206の暗電流成分を除去するためのセンサであって、アルミ幕により遮光されている。
【0019】
第1、第2センサ部203、204の積分動作(電荷蓄積)、ストレージ部208、209からメモリー部215、216への電荷の転送、メモリー部215、216から転送部202への電荷の転送、転送部202における電荷の転送、およびS/Hクランプ回路253によるクランプ処理などは、ドライバー&タイミング発生回路23が出力する信号によってコントロールされる。また、ドライバー&タイミング発生回路23は、積分動作時には、モニタセンサ205、206、およびモニタダークセンサ207の出力をそれぞれ積分し、モニタセンサ205、206の一方の積分値が一定値(積分終了レベルVRM)に達すると、第1、第2センサ部203、204の積分を終了する積分制御手段として動作する。
【0020】
図4には、S/Hクランプ回路253の一例を示してある。S/Hクランプ回路に入力されたビデオ信号Vo は、サンプルホールド信号φSHによりコントロールされるスイッチSWSHによって、コンデンサC1の一方の端子およびオペアンプ233の非反転入力端子に入力される。コンデンサC1の他方の端子はグランドに接地されている。また、オペアンプ233の反転入力端子は、同オペアンプ233の出力端子と接続され、ボルテージフォロワーを形成し、全体としてサンプルホールド回路を形成している。すなわち、サンプルホールド信号φSHが“H”(ハイ)レベルのときにスイッチSWSHがオンし、ビデオ信号Vo はコンデンサC1に電荷の形で蓄えられると同時に、オペアンプ233からもビデオ信号Vo と同一の電圧が出力される。サンプルホールド信号φSHが“L”(ロー)レベルのときはスイッチSWSHがオフし、コンデンサC1に蓄えられた電荷によりスイッチSWSHがオフする直前のデータ(電圧)が保持(ホールド)され、出力される。
【0021】
さらにオペアンプ233の出力はコンデンサC2の一方の端子に接続され、コンデンサC2の他方の端子はオペアンプ235の非反転入力端子、およびオプティカルブラック(OB)信号φOBにより制御されるスイッチSWOBに接続される。オペアンプ235の反転入力端子は同オペアンプ235の出力と接続され、オペアンプ235からはビデオ信号出力Vout が出力される。これらの回路により、OBクランプ回路を形成している。
【0022】
OB信号φOBが“H”レベルでスイッチSWOBがオンしているときにビデオ信号出力Vout には、S/Hクランプ回路253の出力ではなく、補正基準電圧VS′の電圧が出力される。このときコンデンサC2には、補正基準電圧VS′とビデオ信号Vo がサンプルホールドされた電圧が印加され、充電される。その後、OB信号φOBが“L”レベルになり、スイッチSWOBがオフすると、ビデオ信号Vo として、コンデンサC2の端子間電圧が加えられたビデオ信号出力Vout が出力される(図7参照)。図7では、オペアンプ235のオフセット電圧によりクランプレベルが外部基準電圧VSより下がっている。一般にCMOSタイプのオペアンプでは、数10mVから100mV程度のオフセット電圧が発生する。そこで、補正基準電圧VS′を外部基準電圧VSよりもオフセット分高くセットすれば、ビデオ信号出力Vout は外部基準電圧VSにより近い値が得られることになる。
【0023】
ここで、図示実施例における主な信号は、下記の通りである。
VS:外部基準電圧
φM:外部基準クロック
φ1、φ2:内部基準クロック(転送用クロック)
φINT :積分スタート信号
φR:リセット信号
φOB:オプティカルブラック(OB)信号
φSH:サンプルホールド信号
φCL:リセットフィールドスルークランプ信号
φAD:積分終了信号兼ビデオ出力タイミング信号
VAGC :積分制御基準電圧
Vo :ビデオ信号
Vout :ビデオ信号出力
VRM:モニタ基準電圧(AGC レベル)
M1、M2:モニタセンサ信号
MD:モニタダークセンサ信号
S/HCTL :サンプルホールド制御信号
VSCTL:基準電圧コントロール信号
【0024】
本実施例では、CCD測距センサユニット20のモニタ基準レベル(AGC レベル)VRMを、
VRM=MD−(VS−VAGC ) ……▲1▼
により設定する。
そしてS/Hクランプ回路253に入力する補正基準電圧VS′を、
VS′=VS+(VS−VAGC )……▲2▼
にレベルアップすることに特徴がある。
【0025】
ここで、積分制御基準電圧VAGC は、AFモニターセンサ205、206の積分終了レベルを決定する電圧である。つまり、モニタダークセンサ信号MDから(VS−VAGC )だけ下げたレベルをモニタ基準レベルVRMとしてセットし、AFモニターセンサ205、206のモニタセンサ信号M1、M2レベルがモニタ基準レベルVRMに達するまで積分を行なう。
【0026】
また、モニタ基準レベルVRMを、積分制御基準電圧VAGCだけを使用してVRM=VAGC としないのは、モニタダークセンサ信号MDのレベルは変動することがあるためである。VRM=MD−(VS−VAGC)とすれば、モニタダークセンサ信号MDのレベルが不明であっても、積分制御基準電圧VAGCは、外部基準電圧VSを基準としてD/Aコンバータ235によって生成され、しかも積分制御基準電圧VAGCは0〜VSの間で可変できるからである。
【0027】
外部基準電圧VSは、S/Hクランプ回路253の出力の基準電圧となるレベルであるが、ビデオ信号出力Vout のレベルが基準レベルよりも下がってしまう。そこで本実施例では、この外部基準電圧VSを、(2)式のようにアップ補正することにより、飽和出力電圧の上昇、言い替えれば、積分レンジ(ダイナミックレン)の拡大を図っている。
【0028】
本実施例では、外部基準電圧VSにより、CPU31とD/Aコンバータ235により積分制御基準電圧VAGC を作っているので、これらの差電圧を、式▲2▼を実現する回路により作り出している。
【0029】
図5に示した実施例では、この補正基準電圧VS′を、コンデンサC5により生成している。図5は、補正基準電圧VS′を生成するアナログ回路の一例である。図5において、符号SW1〜SW7で示した方形の箱はアナログスイッチ(スイッチ)であって、スイッチSW1〜SW7はそれぞれ、入出力ラインの内、一直線状の2本のラインが信号ラインであって、これらと直交する方向の1本のラインがON/OFFを制御するコントロールラインである。そしてスイッチSW1〜SW7はそれぞれ、このコントロールラインが“H”レベルのときにオンし、“L”レベルのときにオフする。
【0030】
CPU31およびD/Aコンバータ235で生成された積分制御基準電圧VAGC は、アナログスイッチSW4を介してモニタ基準電圧VRM生成用のコンデンサC4の出力側端子およびオペアンプ237の非反転端子、およびアナログスイッチSW5を介して補正基準電圧VS′生成用のコンデンサC5の入力側端子に入力される。コンデンサC4の入力側端子には、アナログスイッチSW1、SW2を介してモニタダークセンサ信号MDおよびアナログスイッチSW3を介して外部基準電圧VSが入力される。コンデンサC5の出力側端子には、アナログスイッチSW7を介して外部基準電圧VSが入力される。
【0031】
また、さらに図5に示したモニタダークセンサ信号MDは、電界効果トランジスタTr1のソースに入力され、バッファとアナログスイッチSW1を通して一旦コンデンサC3に電荷として蓄積されてから、アナログスイッチSW2を介してコンデンサC4の入力側端子に入力される。コンデンサC4の出力は、オペアンプ237により増幅され、モニタ基準レベル(AGCレベル)VRMとして出力される。電界効果トランジスタTr1のドレインには正電圧Vccが接続され、ゲートにはCPU31の積分コントロールポートPφINTがインバータ233を介して接続されている。
【0032】
以上の処理を実現する制御を、さらに図8に示したフローチャートを参照して説明する。なお、この回路の動作タイミングチャートして、図6には積分開始から読出しまでの全体タイミングチャートを、図7には積分出力電圧Voutの波形を拡大して示してある。このフローチャートにかかる処理は、CPU11のROMにメモリされたプログラムに基づいてCPU11によって実行される。また、このフローチャートには、測光スイッチSWSがオンされていることを条件として入る。
【0033】
この積分処理に入ると、先ず、CPU31は積分コントロールポートPΦINT、サンプルホールドポートPS/HCTL、オートゲインポートPAGCS/H、基準電圧ポートPVSCTL 、ポートP0〜P7を初期化する(S101)。初期状態では、基準電圧ポートPVSCTLが“H”レベルであるが、他のポートPは“L”レベルである。この状態では、スイッチSW1、SW2、SW5、SW7がオンし、スイッチSW3、SW4、SW6がオフする。コンデンサC3は、モニタダークセンサ信号MDのレベルがトランジスタTr1により正電圧Vccにプルアップされているので、コンデンサC4は入力側にのみ正電圧Vccが印加され、Vccレベルで充電される。一方、コンデンサC5の両端には積分制御基準電圧VAGCと外部基準電圧VSが印加される。
【0034】
次に、オートゲインポートPAGCS/Hを“H”レベルに立ち上げるので(S103)、アナログスイッチSW3、SW4がオンし、アナログスイッチSW2がオフする。これにより、コンデンサC4には−(VS−VAGC )の電圧がメモリされる。
【0035】
この状態でポートP0〜P7に第1積分制御基準電圧VAGC1レベルに相当するデジタル信号を出力することにより、第1積分制御基準電圧VAGC1を出力する(S105)。これにより、コンデンサC4には−(VS−VAGC1)レベルが蓄積される。
【0036】
オートゲインポートPAGCS/Hを“L”レベルに落す(S107)。コンデンサC3はモニタダークセンサ信号MDレベルなので、コンデンサC4にモニタダークセンサ信号MDが加算される。これにより、トランジスタTr1はモニタダークセンサ信号MDを切り放して、積分を開始する。不図示のモニタセンサおよび光センサも同時に積分を開始し、被写界光を受光する。その後、不図示の積分終了信号ポートが“L”レベルに落ちるのを待ち(S111)、落ちたらサンプルホールドポートPS/HCTLを“H”レベルに立ち上げる(S113)。これにより、アナログスイッチSW1がオフして、モニタダークセンサ信号MDがコンデンサC3から切り離される。
【0037】
次に、第2積分制御基準電圧VAGC 2をセットする(S115)。これにより、コンデンサC5の両端子間電圧は、(VS−VAGC 2)になる。そして、積分終了信号ポートPφADから出力されるパルス(積分終了信号φAD)の立ち下がりをカウントして、この立ち下がりが2回来るのを待つ(S117、S119)。積分終了信号φADの立ち下がりを2回待つのは、第2センサ部204の先頭にある遮光センサ204dが3ビットあるので、2ビット分の信号を無視するためである。
【0038】
次に、基準電圧ポートPVSCTLを“L”レベルに落すことにより、補正基準電圧VS′は、VS′=VS+(VS−VAGC2)になる(S121)。これにより、遅れ時間を入れても遮光センサ204dの3ビット目から基準電圧が元の外部基準電圧VSから(VS−VAGC2)分上昇したことになる。次に、第1、第2センサ部203、204が積分した電荷を転送部201に転送し、読み出してS/Hクランプ回路253でクランプする。ここでS/Hクランプ回路253はレベルシフト手段として作用し、補正基準電圧VS′を基準電圧として各積分値を積分出力電圧に変換、つまりレベルシフトする。そして、S/Hクランプ回路253から出力される画素単位の積分出力電圧(ビデオ信号出力)を図示しない A/D 変換器でA/D 変換し、それぞれをメモリする(S123)。以上の処理によりメモリされた画素信号は、公知のプレディクタ演算等を行なうアルゴリズムによって処理され、デフォーカス量が検出される。
【0039】
図9には、補正基準電圧VS′生成回路の第2実施例を示してある。この第2実施例は、ビデオ信号出力Vout が外部基準電圧VSを越えて出力される場合に対処したことに特徴を有する。基準電圧コントロールポートPVSCTLが“L”レベルのときには、積分制御電圧VAGC がアナログスイッチSW8を通って補正基準電圧VS′として出力され、基準電圧コントロールポートPVSCTLが“H”レベルのときには外部基準電圧VSがそのままアナログスイッチSW9を通って補正基準電圧VS′として出力される。
【0040】
第2実施例の処理は、第1実施例の処理と同様である。ただし、図8に示したフローチャートにおいて、S115の第2積分制御電圧VAGC は、絶対値で設定する。その後、S121において基準電圧コントロールポートPVSCTLを“L”レベルにすることにより、VS′=VAGC が出力される。ここでVAGC は、外部基準電圧VSを元にしてD/Aコンバータ235により生成しているので、
0≦VAGC ≦VSになる。したがってビデオ信号出力Vout が外部基準電圧VSを越えて出力される本実施例においては、例えば外部基準電圧VSを越えて出力される電圧をΔVとすると、VS′=VAGC =VS−ΔVと設定することにより、ビデオ信号出力Vout は外部基準電圧VSを基準に出力することができる。
【0041】
図10には、補正基準電圧VS′生成回路の第3の実施例を示してある。この第3の実施例は、ビデオ信号出力Vout が外部基準電圧VSを越えても越えなくてもいずれの場合にも対処できることに特徴を有する。外部基準電圧VSは、抵抗r1を介してオペアンプの373の反転入力端子に入力されている。さらにオペアンプの373反転入力端子は、抵抗r3を介して接地され、同オペアンプ373の出力が抵抗r2を介して入力されている。一方、オペアンプ373の反転入力端子には、積分制御電圧VAGC が入力されている。この第3の実施例では、オペアンプ373の出力が補正基準電圧VS′となる。
【0042】
この第3の実施例では補正基準電圧VS′を、下記式により表わすことができる。
Figure 0003808912
ここで、r1=100(KΩ)、r2=20(KΩ)、r3=80(KΩ)、VS=4(V)とすると、VS′=1.45×VAGC −0.2 ×VSとなる。つまり、図11に示すように、この回路の入出力特性は、VAGC =0(V)のときにVS′=-0.2×VS=-0.8(V)、VAGC =VS=4(V)のときにVS′=1.25×VS=5(V)の点を通る直線で表わされる。また、VS′=4(V)になるVAGC は3.31(V)となる。
【0043】
実際には、片電源で使用した場合には、オペアンプの出力は負電圧には振れないので、図11に点線で示した様に1V程度の出力を持つ。
そこで、VAGC =3.31(V)を基準に考えると、VS′は4Vを中心にプラスマイナスに振れることができるので、ビデオ信号出力Vout が外部基準電圧VSに対してプラスに出てもマイナスに出ても補正することが可能である。なお、本実施例においては、図8のフローチャート中、S121に基準電圧コントロールポートPVSCTLの操作は不要である。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明の焦点検出センサ装置は、一対のセンサ部が積分し、増幅手段により増幅された積分信号を、予め設定された基準レベルを、モニタダークセンサ信号によって補正した補正基準レベルに基づいてクランプしますから、積分出力電圧の飽和出力電圧範囲やダイナミックレンジの拡大が可能になり、コントラストの低い被写体や、高輝度の被写体に対しても、センサ部の積分出力電圧が飽和し難くなり、正確な焦点調整動作を実行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一眼レフカメラの要部構成をブロックで示す図である。
【図2】同一眼レフカメラのAFセンサユニットの駆動回路構成を示すブロック図である。
【図3】同AFセンサユニットのセンサ部およびモニタ部の構成の概要を説明する図である。
【図4】積分時間終了電圧および基準電圧を生成する回路の一例を示す回路図である。
【図5】AFセンサユニットの駆動回路に含まれるクランプ回路の一例を示す回路図である。
【図6】同AFセンサユニットの全体タイミングチャートを示す図である。
【図7】同AFセンサユニットの積分出力電圧の波形を拡大したタイミングチャートを示す図である。
【図8】同AFセンサユニットの処理に関するフローチャートを示す図である。
【図9】第2実施例の回路構成を示す図である。
【図10】第3実施例の回路構成を示す図である。
【図11】積分制御電圧VAGC と補正基準電圧VS′との関係をグラフで示す図である。
【符号の説明】
10 カメラボディ
20 CCD焦点検出センサユニット
201 CCDラインセンサ
202 CCD転送部
203 第1センサ部
204 第2センサ部
205 モニタセンサ部
206 モニタセンサ部
207 モニタダークセンサ
215 メモリー部
216 メモリー部
23 ドライバー&タイミング発生回路
253 S/Hクランプ回路
31 CPU

Claims (3)

  1. 結像レンズを介して被写体光を受光し、電気信号に変換して積分する複数の受光手段を有する一対のセンサ部と、
    前記一対のセンサ部の各受光手段が積分した積分信号を逐次転送して出力する転送手段と、
    この転送手段が出力した前記積分信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段により増幅された前記積分信号を補正基準電圧に基づいてクランプするクランプ手段と、
    外部基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、
    この外部基準電圧に基づいて、前記一対のセンサ部の積分終了を制御する積分制御基準電圧を生成する積分制御基準電圧出力手段と、
    前記外部基準電圧を補正して補正基準電圧を生成する基準電圧補正手段と、を備え、
    該基準電圧補正手段は、前記外部基準電圧をVS、前記積分制御基準電圧をVAGC、とすると、(VS−VAGC)の信号を生成し、さらに、
    前記補正基準電圧をVS′とすると、式、
    VS′=VS+(VS−VAGC) の関係が成立する補正基準電圧VS′を生成することを特徴とする焦点検出センサ装置。
  2. 請求項1に記載の焦点検出センサ装置において、前記基準電圧補正手段は、補正基準電圧VS′を式、
    VS′=VAGC (但し、基準電圧0≦VAGC≦VS)
    の関係が成立するレベルに設定する機能を有すること、を特徴とする焦点検出センサ装置。
  3. 請求項1に記載の焦点検出センサ装置において、前記基準電圧補正手段は、補正基準電圧VS′を、基準電圧補正手段が備えたゲイン設定用抵抗値をそれぞれr1、r2、r3、前記基準電圧をVS、補正基準電圧をVS′とすると、補正基準電圧VS′を式、
    VS′=(1+r2/r1+r2/r3)・VAGC−(r2/r1)・VS
    が成立するレベルに設定すること、を特徴とする焦点検出センサ装置。
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