JP3806745B2 - 運搬車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、履帯式走行装置上に、前部を動力部、後部を荷箱搭載部とする本体部を配設してなり、エンジンよりHST、減速機を介して履帯式走行装置の駆動軸に動力伝達する構成の運搬車における動力部関連部品のレイアウト構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、履帯式走行装置上に、前部を動力部、後部を荷箱搭載部とする本体部を配設し、エンジンよりHST、減速機を介して履帯式走行装置の駆動軸に動力伝達してなる運搬車は公知となっている。
この公知例を、図19乃至図21より説明する。
図19は従来の運搬車の側面図、図20は同じく平面図、図21は同じく正面図である。
まず、履帯式走行装置上に配設される本体部は、本体フレーム47より形成され、該本体フレーム47の前部は、動力部を形成する動力フレーム部となっている。動力フレーム部の前端には、ヘッドランプ49やフロントグリル50等を具備するフロントフレーム48を配し、その後方にエンジンカバー51を配設し、更にその後方に、各種コントロール装置を具備するコントロールパネル52(コントロール部)を配している。
また、コントロールパネル52の側方(本実施例では左側)に運転席53を配している。このように形成された動力部の後方に、荷箱54が上下回動可能に搭載されている。
【0003】
エンジンカバー51内は、エンジンルームとして、エンジン(エンジン)が内設されており、その後部にHSTを形成するHSTポンプ及びHSTモーターを連設し、該HSTモーターに連接して、コントロールパネル52の下方位置にて減速機が配設されている。減速機の入力軸は、HSTモーターのモーター軸である。該減速機から左右に出力軸が延設され、履帯式走行装置の前端の駆動スプロケット55に付設される終末減速機に動力伝達される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の運搬車では、動力部の上部において、エンジンカバー51とコントロールパネル52が前後に配設されている。従って、運転席53への乗降は、反対側からは、エンジンカバー51及びコントロールパネル52を跨ぐので、困難或いは不可能であり、実際上、運転席53の配設側からしかできない。これでは、運搬車の停止位置によっては、乗降が非常に不便になる。
【0005】
また、内部構成としては、エンジンの後方に減速機を配設する関係上、減速機は上下方向に長く配設する必要がある。減速機には、操向用或いは停止用に左右各車軸即ち減速機の出力軸を制動するブレーキクラッチ機構や、HSTモーター軸自体を制動するブレーキ機構等が設けられているが、これが上下に配設されると、特に下方に位置する機構のメンテナンス作業がやりづらくなる。
【0006】
また、運搬車では、荷箱が空の状態と積載状態で、かなり前後に重心が移動するが、以上のように、エンジン、減速機を前後方向に配設すると、重心は前後方向に一層移動しやすくなり、操作がしづらくなったり、操向や走行操作が不安定になったりする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、該課題を解決するために次の如く構成したものである。
請求項1においては、履帯式走行装置上に、前部に動力部Aを、後部に荷箱搭載部Bを搭載する本体フレーム1を配置し、該動力部Aに運転席12とエンジンEと減速機Gを配置し、該エンジンEより、HSTポンプPaとHSTモーターMより構成されたHST変速装置、減速機Gを介して、履帯式走行装置を駆動する出力軸37L・37Rに動力伝達する駆動構成の運搬車において、該動力部AにエンジンEと減速機Gを左右に並設し、該減速機Gは前後方向に長く構成して、該減速機Gを略水平に配設し、各軸の位置を略一定の高さで前後方向に配設し、該エンジンEの前方で、該減速機Gの前端内側面にHSTモーターMを左右方向に固設し、該エンジンEの後端の出力軸の位置で、荷箱搭載部Bにおける荷箱22下方位置にHSTポンプPaを連設し、該HSTポンプPaとHSTモーターMの間を油圧管で圧油供給し、該減速機Gの出力軸37L・37Rを、エンジンEの下部前方で、該エンジンEの下部のオイルパンEaの前方を通過させて配置したものである。
【0008】
請求項2においては、請求項1記載の運搬車において、該動力部Aにて、エンジンE上方にエンジンカバー6を、減速機G上方にコントロールパネル7を配設し、その側方に運転席12を並設し、該エンジンカバー6とコントロールパネル7と運転席12の前で、本体フレーム1の前端に配置したフロントコラム5との間に空間を構成し、該空間に通路板8を貼設して、運転席12の前に貼設するステップ板9に連結し、運転席12の配設側の反対側からの乗降を可能にしたものである。
【0009】
請求項3においては、請求項1記載の運搬車において、左右の各履帯式走行装置には、転輪を懸架する前後2個のイコライザー26F・26Rを支持し、前記荷箱22が空の状態の時も積載状態の時も、本体部全体の重心が、前後のイコライザー26F・26Rの枢支点26Fa・26Raの間の移動範囲L間に位置すべく構成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付の図面より説明する。
図1は本発明の運搬車の左側面図、図2は同じく部分右側面図、図3は同じく正面図、図4は同じく平面図、図5は動力部の各部品の配置構成を示す平面図、図6は同じく左側面図、図7は同じく正面図、
【0011】
図8は減速機Gの内部平面図、図9は本体フレーム1及び前部フレーム2よりなる運搬車のフレーム構造を示す平面図、図10は同じく左側面図、図11は本体フレーム1の左側面図、図12は同じく右側面図、図13は同じく正面図、図14は同じく後面図、
【0012】
図15はコントロールパネル7におけるレバー類の配置構成を示す左側面図、図16は同じく正面図、図17はアクセルペダル及びブレーキペダルの配置構成を示す左側面図、図18は同じく平面図である。
【0013】
まず、本発明の運搬車のフレーム構成を、図9乃至図14より説明する。
本体フレーム1は、前端に左右方向の前板フレーム1aを配し、該前板フレーム1aより、前後方向の平行な縦板状の左側板フレーム1b・右側板フレーム1cを配しており、また、両側板フレーム1b・1cの更に各外側には、サイドフレーム1d・1eを配している。
【0014】
この前板フレーム1a、両サイドフレーム1d・1eにて囲まれる部分を動力部Aとしている。また、両サイドフレーム1d・1eより後方にクローラフレーム1f・1fを延設しており、両クローラフレーム1f・1fの途中部間に左右方向の連結フレーム1gを、後端間に後端フレーム1hを横設している。
【0015】
動力部Aにおける両側板フレーム1b・1c間には、後記の如く、エンジンEや減速機G、また、HST等の油圧系統部材が配設される。クローラフレーム1f・1fは、両側板フレーム1b・1cよりも外側に位置しており、後記のように、クローラフレーム1fに支持される車輪やスプロケットにクローラ29を巻装した場合に、クローラ29にて巻き上げられる土砂は、両側板フレーム1b・1cにて遮断されて、両側板フレーム1b・1c間のエンジンE、減速機G、油圧系統部材等の配設部分には侵入しないのである。
【0016】
右の側板フレーム1cの内側には、エンジン支持フレーム1iが形成されている。即ち、該エンジン支持フレーム1iは、動力部Aにおいて右寄りに位置しており、更に、前板フレーム1aとの間に距離をおいて後方寄りに位置している。また、両側板フレーム1b・1cは、動力部A後端でかつ、サイドフレーム1c・1d後端より後方に延出して、その後端を、該連結フレーム1gに立設された荷箱受け支柱1j・1jに連結している。該側板フレーム1b・1cは、荷箱受け支柱1j・1jの補強材ともなるので、その分、荷箱受け支柱1j・1jを小型軽量化できる。後端フレーム1h上には、荷箱昇降シリンダー23を枢支するためのシリンダーブラケット1kと、荷箱22を枢支するための荷箱ブラケット1m・1mを立設している。
【0017】
連結フレーム1gより後端フレーム1hにかけての上方部分は、荷箱搭載部Bとなっている。即ち、荷箱ブラケット1m・1mに荷箱22の後端を枢支し、シリンダーブラケット1kには、荷箱昇降シリンダー23の基端を枢支し、該荷箱昇降シリンダー23のピストンロッド先端を荷箱22の底部の略中央部に枢結する。荷箱22は、通常の下降位置においては、前端部分が該荷箱受け支柱1j・1j上に載置された状態となっており、荷箱昇降シリンダー23が伸長駆動すると上方に回動するのである。
【0018】
本体フレーム1の前端には、更に、図9及び図10のように、前部フレーム2を固設している。前部フレーム2内には、左右にヘッドランプ支持用ブラケット2a・2aが配設されており、この中に、ヘッドランプ3・3を嵌入配設する。また、該前部フレーム2の前部には、バンパ4を付設することができ、その上部には、フロントコラム5を搭載するものとなっている。
【0019】
このようなフレーム構成を基に、本発明に係る運搬車の動力部Aの内部構成について、図5乃至図8より説明する。本体フレーム1の両側板フレーム1b・1c間において、前記エンジン支持フレーム1iの右側板フレーム1c寄りは、図5や図7のように、エンジンEの下端に垂設されるオイルパンEaを囲って、エンジンEを下方より支持するものとなっている。該エンジンEの後端は出力側で、フライホイルハウジングEbを介して油圧ポンプPを連接している。該油圧ポンプPは、動力部Aの後端よりも後方に延出して、荷箱搭載部Bに配されている。この上方には、荷箱22が搭載されるものである。該油圧ポンプPは、前部にHSTポンプPaを、後部に作業用ポンプPb即ち、後記サイドクラッチアクチュエーター43及び荷箱昇降シリンダー23の制御用圧油を吐出するポンプ、及びブーストポンプPc即ち、HSTポンプの吐出圧を補填するポンプを連接してなっている。
【0020】
また、該エンジンEの側方で、左側板フレーム1b寄りの部分には、前後方向に長く、略水平に減速機Gを配設している。該減速機Gの前端には、HSTモーターMを左右方向に取り付けている。前記の如く、エンジン支持フレーム1iは後方寄りになっていて、これにて支持するエンジンEの前端と前板フレーム1aとの間には一定の空間を有している。この空間部分に該HSTモーターMが配設されているのである。この位置は、エンジン前部に配設されるラジエータRの前方位置に当たるので、HSTモーターMに配管する油圧管を含め、該ラジエータRに対峙することで、作動油の冷却効果を得ることができる。
【0021】
減速機Gの内部構成について、図8より説明する。
HSTモーターMは、HSTポンプPより圧油供給されて、そのモーター軸を減速機G内の入力軸30として入軸しており、該入力軸30の左端寄り位置にはサービスブレーキ31が環設されている。該サービスブレーキ31のサービスブレーキアーム31aが、減速機Gの左側に突設されている。該サービスブレーキアーム31aは、運転部における後記のブレーキペダル18またはパーキングブレーキレバー16の操作にて回動し、サービスブレーキ31を圧接して入力軸30を制動し、左右両クローラ走行装置の駆動スプロケット21・21を制動するものである。
【0022】
入力軸の後方には、カウンター軸32が軸支されていて、入力軸30とギア噛合しており、該カウンター軸32の後方には、サイドクラッチ軸33が軸支されている。サイドクラッチ軸33付設の伝動ギア33aは、カウンター軸32付設のカウンターギア32aにギア噛合するとともに、該サイドクラッチ軸33上に摺動可能に外嵌されたサイドクラッチギア34L・34Rと嵌合可能となっている。サイドクラッチギア34L・34Rは、減速機Gの上部に枢支されたサイドクラッチアーム36L・36Rの回動にて摺動する構成となっていて、この摺動により、伝動ギア33aに係合・離脱する。また、左右の各サイドクラッチギア34L・34Rの外側には、サイドブレーキ35L・35Rが各々設けられており、サイドクラッチギア34(34L・34R)が伝動ギア33aと離脱して外側に一定以上摺動すると、サイドブレーキ35(35L・35R)が圧接され、サイドクラッチギア34が制動される。
【0023】
減速機Gの上方には、図5や図7の如く、ステアリング用ブラケット41が本体フレーム1の前板フレーム1aに固設されていて、サイドクラッチアクチュエーターケース42が搭載されている。該サイドクラッチアクチュエーターケース42には、左右二個の油圧駆動式サイドクラッチアクチュエーター43L・43Rを後方に突設して、各サイドクラッチアーム36L・36Rに枢結している。サイドクラッチアーム36(36L・36R)は、サイドクラッチアクチュエーター43(43L・43R)の伸縮駆動にて回動するものである。例えば前方直進から右旋回する時には、サイドクラッチアクチュエーター43Lを作動して、サイドクラッチアーム36Lを制動側に回動し、左サイドクラッチギア34Lを離脱させ、更には左サイドブレーキ35Lを制動状態にするのである。
【0024】
減速機G内におけるサイドクラッチ軸33の後方には、左右の出力軸37L・37R(総称して出力軸37)を軸支しており、各出力軸37に付設する出力ギア37La・37Raに、それぞれサイドクラッチギア34L・34Rを噛合させている。各出力軸37L・37Rは、減速機Gの左右側より左右方向に突設されており、右出力軸37Rには、継手37Rbを連結・延長して、エンジンE下部のオイルパンEa前方を通過している。
従来、減速機の出力軸は、オイルパンよりも下方に配設していたので、エンジンの取付高さを高くしなければならなかったが、図13のように、正面視で出力軸37(継手37Rb)とオイルパンEaとが重合するほどに、エンジンEの取付高さが低くなっている。
【0025】
これは、後記の運転席12から右側への視界向上に貢献する他、機体の重心位置が低くなり、安定性を向上するという効果も奏する。一方、両サイドフレーム1d・1eの下側にて、各クローラフレーム1f・1fの前端に、終末減速機FG・FGを固設しており、各終末減速機FGからは外側に駆動スプロケット24を突設、軸支している。各駆動スプロケット24の後方位置にて、各終末減速機FG・FGより内側に突設する入力軸FGa・FGaに、出力軸37L・継手37Rbの各外端を連結している。
なお、各入力軸FGaへの連結部分や、右出力軸37Rと継手37Rbとの連結部分には、ジョイント部材37aを介設している。こうして、出力軸37の回転が、終末減速機FG内のギア機構を介して駆動スプロケット24に伝動されるものである。
【0026】
減速機G内にて、出力軸37の軸支部分より後方には、芯地旋回(スピンターン)用のギア機構が内設されている。即ち、後端に芯地旋回クラッチ軸39を軸支しており、これには、二連の逆転用ギア39a・39bが環設されている。逆転用ギア39aは、該芯地旋回クラッチ軸39に固設されている。一方、逆転用ギア39bは、芯地旋回クラッチ40を介して芯地旋回クラッチ軸39に係合・離脱可能となっている。逆転用ギア39aと右出力軸37Rの出力ギア37Raとの間には、カウンター軸38付設のカウンターギア38aが介装・噛合されている。
一方、逆転用ギア39bは直接左出力軸37Lに噛合している。通常は、芯地旋回クラッチ40が切られていて、右出力軸37Rからギア37Ra・38a・39aを介しての芯地旋回クラッチ軸39への伝動と、左出力軸37Lの出力ギア37Laから逆転用ギア39bへの伝動は独立している。そして、例えば右側に芯地旋回すべく、左サイドクラッチギア34Lを離脱状態とした上で、芯地旋回クラッチ40を係合すると、係合状態の右サイドクラッチギア34Rにギア噛合する右出力軸37Rから芯地旋回用ギア機構を介して、離脱状態の左サイドクラッチギア34Lにギア噛合する左出力軸37Lへと伝動され、該左出力軸37Lを右出力軸37Rの回転方向と逆に回転させるのである。
【0027】
減速機Gにおけるサービスブレーキ31やサイドブレーキ35の摩擦板、或いは出力軸37等の各軸は、時としてメンテナンス作業を必要とするが、従来は減速機が縦方向、即ち、上下に長く配設されていて、各軸に高低差があり、低い方に位置する軸に関しては、例えばブレーキの摩擦板の交換等のメンテナンス作業を施すのが困難であった。しかし、本実施例では減速機Gは前後に長く、略水平方向に配設され、入力軸30、サイドクラッチ軸33、出力軸37等は、略一定の高さで前後方向に配設されるので、いずれにも容易にメンテナンス作業を施すことができるようになっている。
【0028】
次に、動力部Aの上部は、運転部となっている。この構造について、図1乃至図4より説明する。
前記の如く、動力部Aにおいては、エンジンE、HSTポンプP、HSTモーターM、及び減速機Gを前記の如く配設したことに基づき、エンジンカバー6、コントロールパネル7即ちコントロール部が図、3のように配設されている。つまり、エンジンカバー6とコントロールパネル7が、左右に配列されている。エンジンカバー6は、図16のように、右端を回動軸として上方に回動可能な蓋体6aを上面に取り付けている。
そして、該コントロールパネル7の更に左側に、運転席12が配設されている。運転席12は、運転席上台11に一体状に取り付けられており、該運転席上台11は、運転席下台10に対して、回転可能に取り付けられていて、該運転席12を前後に反転することができる。運転席12の後方には安全フレーム13が立設されていて、その上部に、後方を照射するランプ14を付設しており、夜間に荷箱22の積荷を視認できるようにしている。
【0029】
従来、エンジンカバーとコントロールパネルは前後に配設されていたので、運転席をそれらの左右いずれかに配設すれば、その反対側からの乗降ができないという不具合があったが、エンジンEと減速機Gとが左右に配設された関係で、エンジンカバー6とコントロールパネル7とが左右に配設され、更にエンジンEの後部に連接するHSTポンプPは、荷箱搭載部Bに配設されているので、エンジンカバー6及びコントロールパネル7と、前部フレーム2上に搭載したフロントコラム5との間には空間ができ、ここに通路板8を貼設して、運転席下台10の周囲に貼設するステップ板9に連結している。こうして、通路板8を介して、車体の右側、即ち、運転席12の配設側の反対側からの乗降もできるようになったのである。
【0030】
また、前記の如く、右出力軸32Rの配設位置を、オイルパンEaの前方としたことにより、エンジンEの取付高さが低くなっているので、エンジンカバー6自体も低くなっており、従って、その左側に配設される運転席12から右側への視界が向上しているのである。
【0031】
コントロールパネル7には、図15及び図16の如く、前記のサイドクラッチアクチュエーター43操作用の操向レバー15、該操向レバー15の頭頂部には芯地旋回設定スイッチ16、HSTポンプPの作動油吐出方向を切り換える前後進切換レバー17、及び荷箱昇降シリンダー23を油圧制御操作する荷箱昇降レバー18を配設している。操向レバー15は、運転席12を前後どちらに向けていても同様の操作感覚で操作できるよう、左側面視において、図15の如く、運転席上台11の回転中心軸、即ち運転席下台10の垂直中心軸SL上に配置している。
図15及び図16において、操向レバー15基端のステアリングスイッチ44L・44Rは、操向レバー15の左右傾倒によってON・OFFするサイドクラッチアクチュエーター43制御用油圧バルブの電磁ソレノイドのスイッチである。芯地旋回スイッチ45は、操向レバー15がストロークエンドの時にONし、芯地旋回設定スイッチ16もONの時に、前記芯地旋回クラッチ40が入って、芯地旋回するものである。更に、前後進切換レバー17基端の前後進切換スイッチ46F・46Rは、HSTポンプPaの可動斜板の傾きの切換用スイッチである。
【0032】
ステップ板9における前後には、図17及び図18の如く、座席12を前後いずれに反転しても操作できるように、エンジン回転数操作をするアクセルペダル20F・20R(総称して20)、前記のサービスブレーキアーム31aの操作を行うブレーキペダル21F・21R(総称して21)を配設し、また、座席上台11には、同じくサービスブレーキアーム31aを操作するパーキングブレーキレバー19を配設している。
【0033】
最後に、クローラ走行装置について、図1、図6等より説明する。
左右のクローラ走行装置はそれぞれ、前記の如く、クローラフレーム1fの前端に、終末減速機FGが付設されていて、駆動スプロケット24を軸支しており、クローラフレーム1fの後端には、前後摺動可能にアイドラ28を支持している。クローラフレーム1fの下方には、前後6個の転輪25が支持されているが、最前及び最後の転輪25を除いて、イコライザー26F・26Rにて支持されている。また、クローラフレーム1fの上部には、テンションローラー27が軸支されており、これらにクローラ29を巻装して、クローラ走行装置を形成している。
【0034】
従来のようにエンジンEと減速機Gとが前後に配設された場合には、重心が前後に移動しやすい。運搬車は、荷箱6が空の状態と積載状態では、重心位置が前後にかなり移動し、ダンプ作業や走行時の不安定さに繋がる。
しかし、この点で本実施例では、エンジンEと減速機Gとを左右に配設しているので、重心は横方向に分散され、前後方向への重心の移動が低減される。重心は、図1の如く、前後のイコライザー26F・26Rのクローラフレーム1fへの枢支点26Fa・26Ra間を移動範囲Lとするように設定されている。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1の如く、履帯式走行装置上に、前部に動力部Aを、後部に荷箱搭載部Bを搭載する本体フレーム1を配置し、該動力部Aに運転席12とエンジンEと減速機Gを配置し、該エンジンEより、HSTポンプPaとHSTモーターMより構成されたHST変速装置、減速機Gを介して、履帯式走行装置を駆動する出力軸37L・37Rに動力伝達する駆動構成の運搬車において、該動力部AにエンジンEと減速機Gを左右に並設し、該減速機Gは前後方向に長く構成して、該減速機Gを略水平に配設し、各軸の位置を略一定の高さで前後方向に配設し、該エンジンEの前方で、該減速機Gの前端内側面にHSTモーターMを左右方向に固設し、該エンジンEの後端の出力軸の位置で、荷箱搭載部Bにおける荷箱22下方位置にHSTポンプPaを連設し、該HSTポンプPaとHSTモーターMの間を油圧管で圧油供給し、該減速機Gの出力軸37L・37Rを、エンジンEの下部前方で、該エンジンEの下部のオイルパンEaの前方を通過させて配置したので、減速機に軸支する各軸が前後に略一定高さで配列されることとなる。
つまり、従来、減速機の各軸に高低差があり、低い位置の軸に関しては、ブレーキの摩擦板の交換等のメンテナンス作業がやりづらかったが、このように各軸が一定高さで前後に並べられれば、各軸に容易に均等なメンテナンス作業を施すことができるのである。
【0036】
また、HSTモーターMをエンジンEの前部に配置したので、作動油の冷却効果を増すという効果を得ることができる。
【0037】
また、HSTポンプPaを荷箱22の下方に配置したので、HSTポンプPaが荷箱22の搭載部に位置する分だけ、動力部Aの自由スペースの拡大に繋がるのである。
【0038】
また、減速機の出力軸とエンジンの下部とが前後に配設される(正面視では重合する)分だけ、エンジンの取付高さを低くすることができる。これは、前記の如く、機体の片側に運転席を配設した場合に、側方のエンジンカバー上端の高さを低くすることに繋がるので、運転席からその配設側の反対側への視界が向上するのである。また、エンジンの取付高さを低くする分だけ、重心が低下して、機体の安定度が増す。
【0039】
請求項2の如く、該動力部Aにて、エンジンE上方にエンジンカバー6を、減速機G上方にコントロールパネル7を配設し、その側方に運転席12を並設し、該エンジンカバー6とコントロールパネル7と運転席12の前で、本体フレーム1の前端に配置したフロン トコラム5との間に空間を構成し、該空間に通路板8を貼設して、運転席12の前に貼設するステップ板9に連結し、運転席12の配設側の反対側からの乗降を可能にしたので、エンジンカバーとコントロール部は、後方に寄せて、前方に空間を空けることができ、該コントロール部の片側に運転席を配設した状態において、この空間を利用して、該運転席配設側の反対側に連通する左右方向の通路を確保することができる。
従って、機体の片側に運転席を配設した状態でも、エンジンカバー等を跨ぐことなく、通路を介して、その反対側における乗降が可能となるのである。
【0040】
また、請求項3の如く、左右の各履帯式走行装置には、転輪を懸架する前後2個のイコライザー26・26を支持し、前記荷箱22が空の状態の時も積載状態の時も、本体部全体の重心が、前後のイコライザー26・26の両支点間に位置するよう設定したので、荷箱の空の時と積載時とで、機体の重心があまり前後に移動せず、安定性が向上するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の運搬車の左側面図である。
【図2】 同じく部分右側面図である。
【図3】 同じく正面図である。
【図4】 同じく平面図である。
【図5】 動力部の各部品の配置構成を示す平面図である。
【図6】 同じく左側面図である。
【図7】 同じく正面図である。
【図8】 減速機Gの内部平面図である。
【図9】 本体フレーム1及び前部フレーム2よりなる運搬車のフレーム構造を示す平面図である。
【図10】 同じく左側面図である。
【図11】 本体フレーム1の左側面図である。
【図12】 同じく右側面図である。
【図13】 同じく正面図である。
【図14】 同じく後面図である。
【図15】 コントロールパネル7におけるレバー類の配置構成を示す左側面図である。
【図16】 同じく正面図である。
【図17】 アクセルペダル及びブレーキペダルの配置構成を示す左側面図である。
【図18】 同じく平面図である。
【図19】 従来の運搬車の側面図である。
【図20】 同じく平面図である。
【図21】 同じく正面図である。
【符号の説明】
E エンジン
Ea オイルパン
P 油圧ポンプ
Pa HSTポンプ
Pb 作業用ポンプ
Pc ブーストポンプ
1 本体フレーム
1a 前板フレーム
1b・1c 側板フレーム
1d・1e サイドフレーム
1f クローラフレーム
1g 連結フレーム
1i エンジン支持フレーム
1j 荷箱受け支柱
5 フロントコラム
6 エンジンカバー
7 コントロールパネル
8 通路板
9 ステップ板
10 運転席下台
11 運転席上台
12 運転席
24 駆動スプロケット
25 転輪
26 イコライザー
Claims (3)
- 履帯式走行装置上に、前部に動力部Aを、後部に荷箱搭載部Bを搭載する本体フレーム1を配置し、該動力部Aに運転席12とエンジンEと減速機Gを配置し、該エンジンEより、HSTポンプPaとHSTモーターMより構成されたHST変速装置、減速機Gを介して、履帯式走行装置を駆動する出力軸37L・37Rに動力伝達する駆動構成の運搬車において、
該動力部AにエンジンEと減速機Gを左右に並設し、該減速機Gは前後方向に長く構成して、該減速機Gを略水平に配設し、各軸の位置を略一定の高さで前後方向に配設し、
該エンジンEの前方で、該減速機Gの前端内側面にHSTモーターMを左右方向に固設し、該エンジンEの後端の出力軸の位置で、荷箱搭載部Bにおける荷箱22下方位置にHSTポンプPaを連設し、該HSTポンプPaとHSTモーターMの間を油圧管で圧油供給し、
該減速機Gの出力軸37L・37Rを、エンジンEの下部前方で、該エンジンEの下部のオイルパンEaの前方を通過させて配置したことを特徴とする運搬車。 - 請求項1記載の運搬車において、
該動力部Aにて、エンジンE上方にエンジンカバー6を、減速機G上方にコントロールパネル7を配設し、その側方に運転席12を並設し、該エンジンカバー6とコントロールパネル7と運転席12の前で、本体フレーム1の前端に配置したフロントコラム5との間に空間を構成し、該空間に通路板8を貼設して、運転席12の前に貼設するステップ板9に連結し、運転席12の配設側の反対側からの乗降を可能にしたことを特徴とする運搬車。 - 請求項1記載の運搬車において、
左右の各履帯式走行装置には、転輪を懸架する前後2個のイコライザー26F・26Rを支持し、前記荷箱22が空の状態の時も積載状態の時も、本体部全体の重心が、前後のイコライザー26F・26Rの枢支点26Fa・26Raの間の移動範囲L間に位置すべく構成したことを特徴とする運搬車。
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