JP3921623B2 - 走行車輌の駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、履帯式走行装置上に、前部を動力部、後部を荷箱搭載部とする本体フレームを配設してなり、履帯式走行装置を駆動するHST変速装置や荷箱を駆動する油圧シリンダーに送油する油圧駆動部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、履帯式走行装置上に、前部を動力部及び運転部とし、後部を荷箱搭載部とする本体部を配設し、内燃機関よりHST変速装置、減速機を介して履帯式走行装置の駆動軸に動力伝達してなる運搬車は公知となっている。
【0003】
この公知例を説明する。まず、左右のクローラ(履帯式)走行装置上に配設される本体部は本体フレームより形成され、該本体フレームの前部は、動力部を支持するとともに、その上部においては、前端にヘッドランプ等を具備するフロントコラムを搭載し、また、その後方にエンジンカバーを搭載し、更にその後方に、各種コントロール装置を具備するコントロールパネルを配している。また、コントロールパネルの側方に座席を配している。このように、動力部の上方には運転部が形成されており、その後方に荷箱が上下回動可能に搭載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構造において、運転部は減速機の上方にコントロールパネルを配置し、該コントロールパネルをエンジンカバーの後部に配置しており、側方視界を悪くする配置構成となっていた。その為に、減速機の配置を変更する必要が生じており、それに伴われて、HSTモーターの位置も変更されるので、HSTポンプから送油される圧油に油圧損失の無い位置であり、圧油を送油するための油圧配管を通す空間を確保することのできる位置にHSTモーターと減速機を配置することが望まれてきている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するため、次のような手段を用いる。
【0006】
エンジンEより、HST変速装置、減速機Gを介して、クローラ29の走行装置に動力伝達する走行車輌の駆動装置において、エンジンEの後部にHST変速装置のHSTポンプPaを連接し、エンジンEの側部に減速機Gを配置し、減速機Gから左右方向にHST モーターMを突設し、該HSTモーターMをエンジンEの前方に配置し、該HSTモーターMと減速機Gと油圧ポンプPにより、平面視でエンジンEをコ字状に囲み、前記HSTポンプPaとHSTモーターMの間に、作動油管78・79を配管して閉回路を構成し、該HSTモーターMとHSTポンプPaとは、略同一水平面上に配置し、送油される圧油の高さを略同じとし、油圧損失を少なくし、前記HSTモーターMは、エンジンEの前部で、更にラジエータRの前方に配置し、HSTモーターM及び油圧配管を、該ラジエータRに対峙させ、HSTモーターMの作動油をラジエータRの冷却風で冷却し、前記HSTポンプPaとHSTモーターMを連結する作動油管78・79を、減速機Gと、クローラ29の内側に配置した側板フレーム1bとの間を通して配管したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付の図面より説明する。
図1は本発明に係る運搬車の左側面図、図2は同じく部分右側面図、図3は同じく平面図、図4は同じく正面図、図5は本体フレーム1及び前部フレーム2よりなる運搬車のフレーム構造を示す平面図、図6は運搬車の動力部配置構造を示す側面図、図7は同じく平面図、図8は同じく正面図、図9は減速機Gの内部平面図、図10は運搬車の油圧系統図、図11は運転部に配設するレバー類のリンク機構を示す側面図、図12は運搬車の運転部における操作ペダルの配設構造を示す左側面図である。
【0008】
まず、本発明を適用した運搬車の概略構成を図1〜図4より説明する。
本体フレーム1の左右に履帯走行装置を支持しており、本体フレーム1の前端には、前部フレーム2が付設されていて、該前部フレーム2上にはフロントコラム5を立設し、その後方において、本体フレーム1上には、エンジンカバー6を搭載し、その右上部にはコントロールパネル7を形成している。該エンジンカバー6の右方には、前後反転可能な運転席12が搭載されている。このように、エンジンカバー6や運転席12を搭載する運転部の後方において、本体フレーム1上には、昇降可能に荷箱22が搭載されている。
【0009】
前記本体フレーム1は、図5に示すように、前端に左右方向の前板フレーム1aを配し、該前板フレーム1aより、前後方向の平行な左側板フレーム1b・右側板フレーム1cを配し、また、両側板フレーム1b・1cの更に各外側には、サイドフレーム1d・1eを配している。この前板フレーム1a、両サイドフレーム1d・1eにて囲まれる部分を動力部としており、動力機関の関連部品が配設される。また、両サイドフレーム1d・1eより後方にクローラフレーム1f・1fを延設しており、両クローラフレーム1f・1fの途中部間に左右方向の連結フレーム1gを、後端間に後端フレーム1hを横設している。
【0010】
また、両側板フレーム1b・1cは、サイドフレーム1c・1d後端より後方に延出して、その後端を、該連結フレーム1gに立設された荷箱受け支柱1j・1jに連結している。後端フレーム1h上には、荷箱昇降シリンダー23を枢支するためのシリンダーブラケット1kと、荷箱22を枢支するための荷箱ブラケット1m・1mを立設している。
【0011】
連結フレーム1gより後端フレーム1hにかけての上方部分は、荷箱搭載部となっている。即ち、荷箱ブラケット1m・1mに荷箱22の後端を枢支し、シリンダーブラケット1kには、荷箱昇降シリンダー23の基端を枢支し、該荷箱昇降シリンダー23のピストンロッド先端を、荷箱22の底部の略中央部に枢結する。荷箱22は、通常の下降位置においては、前端部分が該荷箱受け支柱1j・1j上に載置された状態となっており、荷箱昇降シリンダー23が伸長駆動すると上方に回動するのである。
【0012】
本体フレーム1の前端には、前部フレーム2を固設している。前部フレーム2内には、ヘッドランプを配設している。また、該前部フレーム2の前部には、バンパ4を付設し、その上部には、フロントコラム5を搭載するものとなっている。
【0013】
このようなフレーム構成を基に、運搬車の動力部構造について、図6〜図8より説明する。前記動力部Aにおける両側板フレーム1b・1c間には、エンジンEや減速機G、また、HST変速装置等の油圧系統部材が配設される。即ち、右の側板フレーム1cの内側には、エンジン支持フレーム1iが形成され、該エンジン支持フレーム1iは、動力部Aにおいて右寄りに位置しており、更に、前板フレーム1aとの間に距離をおいて後方寄りに位置している。
【0014】
前記のエンジン支持フレーム1i(右側板フレーム1c寄り)は、エンジンEの下端に垂設されるオイルパンEaを囲い、エンジンEを下方より支持するものとなっている。該エンジンEの後端は、出力側であって、フライホイルハウジングEbを介して油圧ポンプPが連設されている。該油圧ポンプPは、動力部の後端よりも後方に延出して、荷箱搭載部に配されている。この上方には荷箱22が搭載されるものである。また、前記エンジンEの前部にラジエーターRを配設し、前板フレーム1aより後方に一定の空間を開け、この空間部分にHSTモーターMを配設している。
【0015】
また、該エンジンEの左側方で、左側板フレーム1b寄りの部分には、前後方向に長く、略水平に減速機Gを配設している。該減速機Gの前端には、HSTモーターMを左右方向に取り付けている。これらのHSTモーターMと減速機Gと油圧ポンプPは平面視でエンジンEをコ字状に囲み、側面視においてその上端は略平坦として配置されており、本体フレーム1の上端より上方に突出することのないように配設して、出来るだけ低く配置して、側方の視界を良好としている。
また、前記HSTモーターMとHSTポンプPaとを連結する油圧配管は図7に示す平面視の如くに、減速機Gと前後方向のシャーシ即ち、左側板フレーム1bとの間の空間に配設しており、この両者の間を通して配管するので、油圧配管を保護することができる。また、前記HSTモーターMとHSTポンプPaとは略同一水平面上に配したことにより、送油される圧油の高さが略同じとなり、油圧損失を少なくできる配管構成としている。
更に、前記HSTモーターMは、ラジエータRの前方に配置されるので、HSTモーターMに配管する油圧管を含め、該ラジエータRに対峙することで、作動油が冷却されて冷却効果を高めることができる。
【0016】
前記動力部Aの上部は、運転部となっており、エンジンEと運転席12が並設されている。エンジンカバー6、コントロールパネル7が図3のように左右に配置し、左右側板フレーム1b・1cの上部の運転部の配置空間を広くしている。また、前部フレーム2上に搭載したフロントコラム5とエンジンEとの間に設けた空間には、前述したHSTモーターMを配置し、この空間の上方のフロントコラム5とエンジンカバー6の間には、ステップ9の高さに合わせて通路板8を配置してHSTモーターMを被装し、その上方の左右側方は開放された床面としている。
そして、該通路板8は前部若しくは後部が枢支されて、該通路板8は上方に回動可能に構成して、床面を上方に開放状態にすることによって、HSTモーターMのメンテナンスを容易にしている。更に、前記コントロールパネル7の左側に、ステップ板9を貼設し、該ステップ板9はコントロールパネル7の左側方においてフロントコラム5の後部より後方に水平状に延出し、エンジンEと並設した減速機Gの上方を被装している。
【0017】
更に、前記ステップ板9上に運転席12を配置している。該運転席12は、ステップ板9上より運転席下台10を突出し、該運転席下台10に回転可能に運転席上台11を取り付け、運転席上台11の上部に運転席12の下面を固設しており、該運転席12を前後に反転できるようにしている。該運転席12の回動支点である運転席下台10と運転席上台11をステップ板9の前後中央部に配置しており、運転席12を反転させた場合に、前向き操作と後ろ向き操作に係わりなく同じ平坦面上の操作空間を設けている。前記回動支点は後述する減速機Gの出力軸68Rの略上方位置となっており、クローラ走行装置の前後長さ内に収められており、旋回操作をする際に、運転席12に搭乗するオペレーターが旋回方向と逆方向に振られることがないようにしている。
【0018】
次に、前記減速機Gの内部構成を図9を用いて説明する。
HSTモーターMは、HSTポンプPaより圧油供給されて、そのモーター軸を減速機G内の入力軸60としており、該入力軸60の左端寄り位置にはサービスブレーキ61が環設されている。該サービスブレーキ61のサービスブレーキアーム62が減速機Gの左側に突設されており、該サービスブレーキアーム62は、運転部における後記のブレーキペダル21またはパーキングブレーキレバー19の操作にて回動し、サービスブレーキ61を圧接して入力軸60を制動し、減速機Gの左右側面より側方に突出する出力軸68L・68Rを介して左右両クローラ走行装置の駆動スプロケット24・24を制動するものである。
【0019】
入力軸60の後方には、カウンター軸63、サイドクラッチ軸64、出力軸68L・68R、カウンター軸69、芯地旋回クラッチ軸70が平行に軸支されている。前記入力軸60上にはギア60aが刻設され、カウンター軸63上に固設した歯車63aとギア噛合しており、該カウンター軸63に固設した歯車63bはサイドクラッチ軸64上に固設した伝動ギア64aとギア噛合するとともに、伝動ギア64aの両側には歯部を設けて、該サイドクラッチ軸64上に摺動可能に外嵌されたサイドクラッチギア65L・65Rの内側面に設けた歯部と噛合可能となっている。
サイドクラッチギア65L・65Rは、減速機Gの上部に枢支されたサイドクラッチアーム67L・67Rの回動にて摺動する構成となっていて、この摺動により、伝動ギア64aに係合・離脱する。また、左右の各サイドクラッチギア65L・65Rの外側には、サイドブレーキ66L・66Rが各々設けられており、サイドクラッチギア65(65L・65R)が伝動ギア64aと離脱して外側に一定以上摺動すると、サイドブレーキ66(66L・66R)の摩擦板が圧接されて制動される。
【0020】
サイドクラッチ軸64の後方に、左右の出力軸68L・68Rを軸支し、各出力軸68に付設する出力ギア68La・68Raがそれぞれサイドクラッチギア65L・65Rと噛合させている。各出力軸68L・68Rは、減速機Gの左右より左右方向に突設されており、また、減速機Gは機体左寄りに位置しているため、右出力軸68Rには継手68Rbを連結して延長している。該右出力軸68R及び継手68Rbは、エンジンE下部のオイルパンEa前方を通過している。一方、両サイドフレーム1d・1eの下側で、各クローラフレーム1f・1fの前端に、終末減速機FG・FGを固設しており、各終末減速機FGからは外側に駆動スプロケット24を軸支している。各駆動スプロケット24の後上方位置にて、出力軸68L及び継手68Rbの各外端が、各終末減速機FGの入力軸FGaに連結されており、出力軸68(68L・68R)の回転が、終末減速機FG内のギア機構を介して駆動スプロケット24に伝動されるものである。
なお、右出力軸68Rと継手68Rbとの連結部分、また、左右終末減速機FGの各入力軸FGaへの左出力軸68L及び継手68Rbの連結部分には、各々、ジョイント部材68aを介装している。そして、機器間を連結して動力を伝達する駆動軸である各入力軸60、出力軸68、スプロケット軸3は図6に示すように、側面視において略逆三角形状に配置され、車軸となるスプロケット軸3の前後両側に変速部が配置されて前後重量バランスが向上される。これらの入力軸60、出力軸68、スプロケット軸3はクローラ走行装置の間位置に配置され、クローラ走行装置の上端よりも下方に位置させて、重心を低くして安定性を保つ配置構成としている。
【0021】
また、減速機G内において、出力軸68L・68Rの軸支部分より後方には、芯地旋回(スピンターン)用のギア機構が内設されている。即ち、後端に芯地旋回クラッチ軸70を軸支しており、これには、二連の逆転用ギア70a・70bが環設されている。逆転用ギア70aは、該芯地旋回クラッチ軸70に固設されている。一方、逆転用ギア70bは、芯地旋回クラッチ71を介して、芯地旋回クラッチ軸70に係合・離脱可能となっている。逆転用ギア70aと右出力軸68Rの出力ギア68Raとの間には、カウンター軸69付設のカウンターギア69aが介装・噛合されている。一方、逆転用ギア70bは直接左出力軸68L上の出力ギア68Laに噛合している。通常は芯地旋回クラッチ71が切られていて、右出力軸68Rからギア68Ra・69a・70aを介しての芯地旋回クラッチ軸70への伝動と、左出力軸68Lの出力ギア68Laから逆転用ギア70bへの伝動は独立している。
そして、例えば右側に芯地旋回すべく、左サイドクラッチギア65Lを離脱状態とした上で、芯地旋回クラッチ71を係合すると、係合状態の右サイドクラッチギア65Rにギア噛合する右伝動軸68Rから、芯地旋回用ギア機構を介して、離脱状態の左サイドクラッチギア65Lにギア噛合する左出力軸68Lへと伝動されて、左出力軸68Lを右出力軸68Rの回転方向と逆に回転させるのである。
【0022】
このように、前記減速機Gは、サイドクラッチ、サイドブレーキ等を用いた旋回機構と、芯地旋回用のギア機構とを有する構成となっており、出力軸68に対して前方位置に旋回機構を配置し、出力軸68の後方位置に芯地旋回用のギア機構を配置して、水平前後方向に重量バランスの優れた配置とした減速機Gとなっている。また、この減速機Gは、左右の出力軸68L・68Rの回転の係合・離脱と回転方向を切り換える操向機構を行う構成とし、出力軸68L・68Rの回転数はHSTポンプPaとHSTモーターHによる圧油の送油量の調整により無段階に変速するシンプルな変速機構を構成している。また、変速機構を減速機Gから分離して、減速機G上の操作リンクを減らしており、サイドクラッチギア65の操作リンクを余裕を持たせて配置している。
【0023】
また、図6に示すように、減速機Gの上方には、ステアリングバルブブラケット72が本体フレーム1の前板フレーム1aに固設されていて、ステアリングバルブケース73が搭載されている。該ステアリングバルブケース73には、左右二個の油圧駆動式サイドクラッチアクチュエーター74L・74Rを後方に突設して、各サイドクラッチアーム67L・67Rに枢結している。サイドクラッチアーム67(67L・67R)は、サイドクラッチアクチュエーター74(74L・74R)の伸縮駆動にて回動するものである。例えば前方直進から左旋回する時には、左側のサイドクラッチアクチュエーター74Lを作動して、左サイドクラッチアーム67Lを制動側に回動し、左サイドクラッチギア65Lを離脱させ、更には左サイドブレーキ66Lを制動状態にするのである。
【0024】
なお、ステアリングバルブケース73には、サイドクラッチアクチュエーター74からのリリーフ圧を制御する可変リリーフバルブ75を内設しており、また該サイドクラッチアクチュエーター74に圧油の供給制御をするための電磁パイロット油圧弁であるステアリングバルブ76を付設している。ステアリングバルブ76は、後記の操向レバー15の操作によって、中立、左旋回、右旋回の三位置に切換制御され、例えば左旋回時には、左旋回位置にセットされ、左サイドクラッチアクチュエーター74Lを作動させることとなる。また、可変リリーフバルブ75は、後記の操向レバー15の傾倒角度に比例して開弁度(即ちリリーフ圧)が変わり、ステアリングバルブ76のセットによって作動しているサイドクラッチアクチュエーター74の伸縮量を、操向レバー15の傾倒角度に比例させる機能を有する。
【0025】
更に、ステアリングバルブケース73内には、電磁パイロット油圧弁である芯地旋回バルブ77が内設されている。芯地旋回バルブ77は、後記のスイッチ機構(図20乃至図23参照)に基づき、芯地旋回設定されて、パイロット電圧がON(芯地旋回バルブソレノイド77aが作動)すると、後記の油圧の芯地旋回クラッチ71を係合させ(芯地旋回バルブ77のパイロット電圧がOFFの場合は、離脱状態である。)、左右の出力軸68L・68Rを相互に逆回転させるものである。
【0026】
ここで、油圧系統について図10より説明する。
油圧ポンプPのHSTポンプPaからは、HSTモーターMに対して、作動油管78・79を配管して閉回路を構成している。該HSTポンプPaは可動斜板を有しており、後記前後進切換レバー15にて、電磁パイロット弁である斜板制御弁80を三段に切り換え、これに基づき、油圧の斜板制御アクチュエーター81を三つの状態に切り換えて、可動斜板を中立位置、前進位置、及び後進位置の三位置に切り換えることができる。HSTモーターMは可変容量モーターとなっていて、モーター軸を変速可能となっている。また、HSTポンプPaを中立にして(斜板制御アクチュエーター40を中立位置にして)作動油管78・79の作動油流通を停止した時には、自動的にモーター軸が制動されるよう油圧機構を設けている。
【0027】
ところで、斜板制御弁80から斜板制御アクチュエーター81への供給圧油は、油圧ポンプPにおいて、エンジンEの出力軸をポンプ軸とする固定容量型のブーストポンプPcより(ラインフィルターLFを介して)HSTポンプPa内の各作動油管78・79への連通油路R1・R2に作動油を補填する油路R3から、インチングバルブ82を介して抽出する。インチングバルブ82を通過することで、流量が調整され、エンジン回転数の変動にかかわらず一定の流量で圧油が斜板制御アクチュエーター81へと供給されるので、エンジン回転数の変動にかかわらず、前後進切換レバー15の操作による前後進切換や停車の反応速度が一定になる。
【0028】
また、インチングバルブ82は、後記ブレーキペダル21の踏み操作によって前記サービスブレーキ61を圧接(入力軸60を制動)する際に、油路R3から斜板制御弁39への油路を閉弁し、油戻しする状態となる。これにより、斜板制御弁39がどの位置にセットされているかに関わらず、斜板制御アクチュエーター81への圧油供給が停止し、該斜板制御アクチュエーター81は、戻しバネの力で中立状態に復帰する。これにより、HSTポンプPaは中立となって、作動油管78・79の作動油流通は停止し、HSTモーターMのモーター軸駆動も停止する。このように、モーター軸及びそれに連接される入力軸60が駆動停止した状態で、サービスブレーキ61が制動状態になるのである。
【0029】
HSTモーターM以外の油圧駆動装置として、本構成例の運搬車は、前記のサイドクラッチとサイドクラッチブレーキを作動させるアクチュエーター74と、作業機として荷箱昇降シリンダー23を有している。前記の如く、ステアリングバルブケース73内には、ステアリングバルブ76を内設しており、また、荷箱昇降シリンダー23に対して、荷箱昇降制御弁84を備えている。油圧ポンプPにおいて、同じくエンジン出力軸をポンプ軸とする固定容量ポンプの作業用ポンプPbが設けられており、該作業用ポンプPbからの吐出油路は、フローディバイダー83を介して、ステアリングバルブ76への油路と荷箱昇降制御弁84への油路とに分岐される。フローディバイダー83内には、各分岐油路に流量調整用の絞り弁を設けており、いずれへの分岐油路にも一定の流量で圧油供給するようにしており、前記ステアリングバルブ76への圧油は、操向性を一定に保持することが重要なことから、流量を一定にするために、このステアリングバルブ76への分岐油路にリリーフ弁83aを接続し、ステアリングバルブ76への余剰油を荷箱昇降制御弁84へ送油する構成としている。
【0030】
次に、運転部に配置した各操作レバーについて図3を用いて説明する。
前記コントロールパネル7には、サイドクラッチ操作用の操向レバー15や、前後進切換レバー17、荷箱昇降レバー18が配設され、更に、座席上台11には、パーキングブレーキレバー19が配設されている。図11において、前記操向レバー15は、運転席12を前後どちらに向けても同様の操作間隔で操作できるよう、左側面視で、座席下台10の垂直中心線SL上に配置している。前記操向レバー15基端のステアリングスイッチ44・44は操向レバー15の左右傾倒によってON・OFFするサイドクラッチアクチュエーター43制御用油圧バルブの電磁ソレノイドのスイッチであり、芯地旋回スイッチ45は、操向レバー15がストロークエンドの時にONし、芯地旋回設定スイッチ16もONの時に、前記芯地旋回クラッチ40がはいって、芯地旋回するものである。更に前後進切換レバー17基端の前後進切換スイッチ46F・46Rは、HSTポンプPaの可動斜板の傾きの切換用スイッチである。
【0031】
前記ステップ板9における前後には、図12の如く、座席12を前向きにした状態と後向きにした状態の両方の状態で、足元にて変速操作とブレーキ操作ができるように、座席12の前方には前アクセルペダル20F・前ブレーキペダル21Fを、また、後方には後アクセルペダル20R・後ブレーキペダル21Rを配設している。アクセルペダル20(20F・20R)は、その踏み代に比例してエンジン回転数を制御し、HST機構及び減速機G(更に終末減速機FG)を介してエンジン出力軸より伝動される駆動スプロケット24の回転数を制御する。
また、ブレーキペダル21(21R・21R)は、前記の如く、サービスブレーキ61を作動して減速機Gの入力軸60を制動するとともに、インチングバルブ82を切り換えて、HSTポンプPaを中立にし、HSTモーターMのモーター軸の回転を停止するものである。また、運転席上台11には、同じくサービスブレーキアーム31aを操作するパーキングブレーキレバー19を配設している。
【0032】
最後に、クローラ走行装置について、図1、図2、図6等より説明しておく。左右のクローラ走行装置は、それぞれ、前記の如く、クローラフレーム1fの前端に終末減速機FGが付設されていて、駆動スプロケット24を軸支しており、クローラフレーム1fの後端には、前後摺動可能にアイドラ28を支持している。クローラフレーム1fの下方には、前後6個の転輪25が支持されているが、最前及び最後の転輪25を除いて、イコライザー26F・26Rにて支持されている。また、クローラフレーム1fの上部には、テンションローラー27が軸支されており、これらにクローラ29を巻装して、クローラ走行装置を形成している。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
エンジンEより、HST変速装置、減速機Gを介して、クローラ29の走行装置に動力伝達する運搬車において、エンジンEの後部にHST変速装置のHSTポンプPaを連接し、エンジンEの側部に減速機Gを配置し、減速機Gから左右方向にHSTモーターMを突設し、該HSTモーターMをエンジンEの前方に配置し、該HSTモーターMと減速機Gと油圧ポンプPにより、平面視でエンジンEをコ字状に囲み、前記HSTポンプPaとHSTモーターMの間に、作動油管78・79を配管して閉回路を構成し、該HSTモーターMとHSTポンプPaとは、略同一水平面上に配置し、送油される圧油の高さを略同じとし、油圧損失を少なくし、前記HSTモーターMは、エンジンEの前部で、更にラジエータRの前方に配置し、HSTモーターM及び油圧配管を、該ラジエータRに対峙させ、HSTモーターMの作動油をラジエータRの冷却風で冷却し、前記HSTポンプPaとHSTモーターMを連結する作動油管78・79を、減速機Gと、クローラ29の内側に配置した側板フレーム1bとの間を通して配管したので、HST変速装置用の油圧ポンプと油圧モータが略同じ高さに配置できるようになり、位置エネルギーによる油圧損失を減少することができる。
また、前記HSTポンプとHSTモーターを連結する油圧配管を、クローラ29の内側に配置した側板フレーム1bと減速機の間を通しているので、走行路面上の障害物に当接して損傷することが無く、油圧配管を保護する構成とすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る運搬車の左側面図である。
【図2】 同じく部分右側面図である。
【図3】 同じく平面図である。
【図4】 同じく正面図である。
【図5】 本体フレーム1及び前部フレーム2よりなる運搬車のフレーム構造を示す平面図である。
【図6】 運搬車の動力部配置構造を示す側面図である。
【図7】 同じく平面図である。
【図8】 同じく正面図である。
【図9】 減速機Gの内部平面図である。
【図10】 運搬車の油圧系統図である。
【図11】 運転部に配設するレバー類のリンク機構を示す側面図である。
【図12】 運搬車の運転部における操作ペダルの配設構造を示す左側面図である。
【符号の説明】
A 動力部
E エンジン
Pa HSTポンプ
M HSTモーター
G 減速機
1 本体フレーム
23 荷箱昇降シリンダー
65 サイドクラッチギア
74 サイドクラッチアクチュエーター
83 フローディバイダー

Claims (1)

  1. エンジンEより、HST変速装置、減速機Gを介して、クローラ29の走行装置に動力伝達する走行車輌の駆動装置において、エンジンEの後部にHST変速装置のHSTポンプPaを連接し、エンジンEの側部に減速機Gを配置し、減速機Gから左右方向にHSTモーターMを突設し、該HSTモーターMをエンジンEの前方に配置し、該HSTモーターMと減速機Gと油圧ポンプPにより、平面視でエンジンEをコ字状に囲み、前記HSTポンプPaとHSTモーターMの間に、作動油管78・79を配管して閉回路を構成し、該HSTモーターMとHSTポンプPaとは、略同一水平面上に配置し、送油される圧油の高さを略同じとし、油圧損失を少なくし、前記HSTモーターMは、エンジンEの前部で、更にラジエータRの前方に配置し、HSTモーターM及び油圧配管を、該ラジエータRに対峙させ、HSTモーターMの作動油をラジエータRの冷却風で冷却し、前記HSTポンプPaとHSTモーターMを連結する作動油管78・79を、減速機Gと、クローラ29の内側に配置した側板フレーム1bとの間を通して配管したことを特徴とする走行車輌の駆動装置。
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