JP3461417B2 - フルクローラ型車両のブレーキ構造 - Google Patents

フルクローラ型車両のブレーキ構造

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JP3461417B2
JP3461417B2 JP07236596A JP7236596A JP3461417B2 JP 3461417 B2 JP3461417 B2 JP 3461417B2 JP 07236596 A JP07236596 A JP 07236596A JP 7236596 A JP7236596 A JP 7236596A JP 3461417 B2 JP3461417 B2 JP 3461417B2
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光幹 佐藤
宏光 末吉
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CHIKUSHI CANYCOM CO.,LTD.
Daihatsu Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、公道とオフロード
(畑地、田、雪道等)を走行可能であって、走行部が全
長にわたってクローラであるフルクローラ型車両のブレ
ーキ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にフルクローラ型車両は、車輪型車
両の前後車輪をクローラベルトに置き換えて構成してお
り、例えば、実開平6−47082号公報に開示された
ものがある。前記従来技術は、車両上部をクローラ走行
部の上部に備えており、車両上部は、前後に各左右一対
のサスペンションを有し、左右後サスペンションで左右
後車軸用の後車軸ケースを支持しており、下部クローラ
走行部は、左右一対のトラックフレームを前後の連結体
で連結して四角枠体に形成し、各トラックフレームに前
後スプロケット及びトラックローラを支持すると共にこ
れらにクローラを巻き掛け、前記車両上部の前後サスペ
ンションを左右トラックフレームの前後に連結すると共
に後車軸から後スプロケットへ動力伝達可能にしてい
【0003】右後車軸のブレーキ装置を作動して操舵
を行うために、駐車ブレーキ装置のイコライザ部材と左
右ブレーキ装置とを繋ぐワイヤの中途部を、ハンドル操
作で揺動するピットマンアームに連結している。また、
フットペダルで前車軸に設けたブレーキ装置を左右同時
に作動するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、左
右各トラックフレームをナックルに連結した後でなけれ
ば、左右トラックフレームを前後の連結体で連結して四
角枠体に構成することができなく、クローラ走行部を車
両上部に対して独立して組立てておくことが困難である
ため、組立て作業性が低いものになっている。また、従
来技術のブレーキ装置は左右後車軸に対して1つずつし
か設けられていなく、その制動能力及び耐久性が低いも
のとなっており、ステアリング用及び駐車用のブレーキ
装置はクローラより外方に突出していて、故障及び破損
し易い構造となっている。
【0005】さらに、走行用ブレーキ装置が前車軸に設
けられているために前のめり停車することがあり、一方
これを後車軸側に設けることは、ステアリング用及び駐
車用のブレーキ装置がクローラより外方に突出している
ために困難になっている。本発明は、車両上部とクロー
ラ走行部とを別個に組立てておいて、車両上部をクロー
ラ走行部に上方から載置連結すると共に、後車軸と後ス
プロケットとを連動連結する伝動手段の伝動ケース、後
車軸のブレーキ装置及び後スプロケットをクローラの幅
内に納めることにより、簡単に車両全体の組立てがで
き、かつクローラ走行部のコンパクト化と構成部材の破
損防止ができるようにした上で、左右各後車軸に2つの
ブレーキ装置を設けて、これら計4つのブレーキ装置で
ステアリング作用と、走行時ブレーキ作用と、駐車ブレ
ーキ作用とを行わせることができるようにしたフルクロ
ーラ型車両のブレーキ構造を提供することを目的とす
る。
【0006】本発明は、後車軸の左右各2つのブレーキ
装置で1つのブレーキディスクを共有させることによ
り、コンパクト化とコストダウンを図れるようにしたフ
ルクローラ型車両のブレーキ構造を提供することを目的
とする。本発明は、左右各2つのブレーキ装置にワイヤ
油圧両操作可能なブレーキ装置を用い、ステアリング操
作と駐車ブレーキ操作とをワイヤ連動で行い、走行ブレ
ーキ操作を油圧で行い、適性かつ効果的なブレーキ操作
ができるようにしたフルクローラ型車両のブレーキ構造
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための第1の具体的手段は、車両上部Uをクローラ走
行部Dの上部に備えており、車両上部Uは、前後に各左
右一対のサスペンション2、3を有し、左右後サスペン
ション3で左右後車軸4用の後車軸ケース5を支持して
おり、クローラ走行部Dは、左右一対のトラックフレー
ム6を前後の連結体7、8で連結して四角枠体9に形成
し、各トラックフレーム6に前後スプロケット11、1
2及びトラックローラ13を支持すると共にこれらにク
ローラ10を巻き掛け、前記車両上部Uの前サスペンシ
ョン2及び後車軸ケース5を四角枠体9の前後連結部9
F、9Rに連結すると共に左右各後車軸4から後スプロ
ケット12へ動力伝達可能にしたフルクローラ型車両で
あって、前記左右各後車軸4から後スプロケット12へ
動力を伝達する伝動手段14を伝動ケース15に内蔵
し、この伝動ケース15を後スプロケット12及び左右
各後車軸4に設けられるブレーキ装置16の左右外側方
に配置し且つ後スプロケット12及びブレーキ装置16
と共にクローラ10の幅内に納めており、前記伝動手段
14は、後車軸4に対して外側方から着脱自在な駆動伝
動体19と、後スプロケット12に対して外側方から着
脱自在で且つ駆動伝動体19から動力が伝達される従動
伝動体21とを有し、前記駆動伝動体19と従動伝動体
21とを異径に形成して且つ駆動伝動体19を後スプロ
ケット12に対して従動伝動体21を後車軸4に対して
それぞれ装着可能にすべく前記伝動ケース15を前後反
転可能に形成しており、前記ブレーキ装置16を左右各
後車軸4に2つずつ設け、左右各2つのブレーキ装置1
6A、16Bに、ピットマンアーム24の揺動によって
左右片方ずつ作動させるステアリング装置25と、左右
同時に作動させる駐車ブレーキ装置28及び走行ブレー
キ装置65とを連動連結していることである。
【0008】これによって、伝動ケース15、後スプロ
ケット12及びブレーキ装置16をクローラ10の幅内
に納めて保護し、左右の各2つの計4つのブレーキ装置
16でステアリング作用と、走行時ブレーキ作用と、駐
車ブレーキ作用との3つの作用を行わせる。本発明にお
ける課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体
的手段に加えて、前記左右各2つのブレーキ装置16
A、16Bは後車軸4に設けたブレーキディスク17を
共有し、周方向に位相をずらして配置していることであ
る。
【0009】これによって、左右各2つのブレーキ装置
16A、16Bの構造が簡単かつ安価になり、左右方向
の配置がコンパクトになる。本発明における課題解決の
ための第3の具体的手段は、第1の具体的手段に加え
て、前記車両上部Uは、ピットマンアーム24を揺動す
るステアリング装置25、イコライザ部材27を引くこ
とにより左右ブレーキ装置16を同時作動する駐車ブレ
ーキ装置28、前記ピットマンアーム24と左右ブレー
キ装置16との間にピットマンアーム24の左右揺動に
よって左右ブレーキ装置16を独立作動させるステアリ
ング連動手段29、及びフットペダル66を踏み込むこ
とにより左右ブレーキ装置16を同時作動する走行ブレ
ーキ装置65を有し、前記ステアリング連動手段29
は、ピットマンアーム24の左右各揺動でイコライザ部
材27の端部を引っ張るべく、2本の連動ワイヤ30で
ピットマンアーム24とイコライザ部材27の両端とを
連結しており、前記左右ブレーキ装置16にワイヤ油
圧両操作可能な2つのブレーキ装置16A、16Bを設
け、左右各2つのブレーキ装置16A、16Bにイコラ
イザ部材27の両端に設けたワイヤ取り付け具72の上
下端をそれぞれワイヤ26を介して連結すると共に走行
ブレーキ装置65を4本の油圧配管71を介して連結し
ていることである。
【0010】これによって、左右各2つの計4つのワイ
ヤ油圧両操作可能なブレーキ装置16A、16Bを、ワ
イヤ26を介してステアリング操作と駐車ブレーキ操作
とを適正に行い、油圧を介して走行ブレーキ操作を効果
的かつ強力的に行う。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜16において、1はフルク
ローラ型車両で、大別して車両上部Uとクローラ走行部
Dとを有し、これらは互いに独立して組立てられた後
に、車両上部Uをクローラ走行部Dの上部に載置装着し
ている。車両上部Uは車輪型車両の軽四トラックを利用
しており、軽四トラックの前後輪及び前輪ナックル等を
外した状態であり、ボディ、エンジン、駆動系、シャー
シー及びサスペンション等をそのまま流用しており、前
部には前サスペンション2としてストラット型縣架装置
(マクファーソン型サスペンション)のストラットアセ
ンブリ36とスタビライザ37とが存在し、後部には後
サスペンション3としてリジッドリーフスプリング式縣
架装置(縦置板バネ38のみ図示)が存在し、縦置板バ
ネ38に後輪デフ装置39から突出した左右後車軸ケー
ス5が支持され、左右各後車軸4と後車軸ケース5との
間にブレーキ装置16が配置されている。
【0012】また、車両上部Uには、ステアリング装置
25としてハンドル40、ギヤボックス41及びピット
マンアーム24等が存在し、駐車ブレーキ装置28とし
て駐車ブレーキレバー43、イコライザ部材27、この
イコライザ部材27とピットマンアーム24、駐車ブレ
ーキレバー43及び左右ブレーキ装置16とを接続する
ワイヤ等が存在し、走行ブレーキ装置65としてフット
ペダル66、マスタシリンダ67及び弁68を有し、ま
た、走行ブレーキ装置65と左右各ブレーキ装置16と
を接続する油圧配管等が存在している。
【0013】クローラ走行部Dは、左右一対のトラック
フレーム6を前後の連結体7、8で連結して四角枠体9
に形成し、各トラックフレーム6に前後スプロケット1
1、12及びトラックローラ13を支持すると共にこれ
らにクローラ10を巻き掛けている。図4〜8におい
て、左右トラックフレーム6は断面略逆U字状のフレー
ム材44の前後部に、パイプ材製の前後の連結体7、8
を貫通固着して平面視矩形状に形成し、左右トラックフ
レーム6の内側後端及び後連結体8に後上方向に延びる
支持板45を固着して四角枠体9を構成しており、フレ
ーム材44にブラケット46を介してトラックローラ1
3が支持され、テンション調整手段47を介して前スプ
ロケット11が前後位置調整自在に支持されている。
【0014】トラックローラ13は、揺動ブラケット4
6Aを介して各2個づつ支持された転輪13Aと、フレ
ーム材44の前後下部と中央上部とに固定ブラケット4
6Bを介して支持されたガイド輪13Bとを有する。前
記支持板45の後端には外向きに突出した軸22が固着
され、この軸22に後スプロケット12が回転自在に支
持されている。なお、前記後スプロケット12、前スプ
ロケット11及び複数個のトラックローラ13に巻き掛
けられるクローラ10は、鉄クローラでもよいが、圃場
で使用する場合はゴムクローラが好ましい。
【0015】前記四角枠体9の左右前部、すなわち前連
結体7の左右両側には、図2、5〜7、9に示すよう
に、前サスペンション2のストラットアセンブリ36と
スタビライザ37とを連結するために、ブラケット48
A、48Bを上方及び前方に突出して前連結部9Fを形
成している。前記四角枠体9の左右後部、すなわち支持
板45の中途部には、図2、5、6、10〜12に示す
ように、後車軸ケース5を受持する切欠49Aが形成さ
れ、かつUボルト50を止める受けブラケット49Bが
固着されていて、後連結部9Rを形成している。
【0016】したがって、前述のように組立てて構成さ
れたクローラ走行部Dは、上方から組立て後の車両上部
Uを載置して、ストラットアセンブリ36及びスタビラ
イザ37を前連結部9Fのブラケット48A、48Bに
それぞれボルト等を介して連結し、後車軸ケース5を切
欠49Aに係合し、かつ後車軸ケース5を挟むようにU
ボルト50を嵌合して受けブラケット49Bに固定する
だけで、車両上部Uとクローラ走行部Dとは組立てられ
る。なお、フルクローラ型車両1の分解も、前後連結部
9F、9Rのボルトを外し、車両上部Uを上方へ持ち上
げるだけでできる。また、分解・組立て時、クローラ走
行部Dのクローラ10は、取り外しておいても、巻き付
けておいてもどちらでもよい。
【0017】前記クローラ走行部Dの後部には、図1
0、11に示すように、後車軸4から後スプロケット1
2へ動力を伝達するための伝動手段14が配置されてい
る。後車軸ケース5の外端のブレーキ装置16は支持板
45の外面側に位置し、前記伝動手段14と共にトラッ
クフレーム6の幅内に配置されている。前記伝動手段1
4は、駆動軸18に設けられた駆動伝動体19と、從動
軸20に設けられていて駆動伝動体19から動力が伝達
される從動伝動体21とを有し、前記駆動伝動体19及
び從動伝動体21は異径のスプロケットであってチェー
ン52が巻き掛けられ、チェーン伝動手段を構成してい
る。
【0018】前記駆動軸18は軸取り付け体18Aを有
し、後車軸4の外端に固定のディスク取り付け体23に
ブレーキディスク17を介在して外側方からボルト等で
着脱自在に固定されており、從動軸20は軸取り付け体
20Aを有し、後スプロケット12にボルトを介して外
側方から着脱自在に固定されている。前記駆動伝動体1
9及び從動伝動体21は2つ割り状の伝動ケース15で
包囲されており、また逆に伝動ケース15は駆動軸18
及び從動軸20に軸受を介して相対回転自在に支持され
ている。
【0019】前記伝動手段14はクローラ走行部Dの本
体部分とは別個に、伝動ケース15に内蔵された状態に
組立てておくことができ、組立てた状態で軸取り付け体
18Aをディスク取り付け体23に、軸取り付け体20
Aを後スプロケット12に、それぞれ軸方向外側方から
ボルトを介して固定する。図10、11では、駆動伝動
体19を大径に從動伝動体21を小径に設定して、後車
軸4から後スプロケット12に増速動力を伝達するよう
に設定しているが、前記軸取り付け体18A及び軸取り
付け体20Aのボルト孔位置を同一にしておくと、図1
2に示すように、伝動ケース15を前後に反転して、軸
取り付け体18Aを後スプロケット12に、軸取り付け
体20Aをディスク取り付け体23にそれぞれ固定する
ことができ、後車軸4から後スプロケット12へ減速動
力を伝達するように設定することができる。
【0020】フルクローラ型車両1は、路上走行最高速
度が時速15km/h未満の場合は小型特殊車両とな
り、時速45km/h未満の場合は大型特殊車両とな
る。そこで、エンジン回転数を最大トルク付近に制限し
て、前記伝動手段14の反転取り付けにより得られる減
速と増速の2態様で、路上走行最高速度を時速15km
/hと時速45km/hとに設定変更できるようにする
ことにより、1種のフルクローラ型車両1を2車種に共
用できることになる。また、伝動手段14は、軸取り付
け体18A及び軸取り付け体20Aに、2種類の位置の
異なるボルト孔を形成しておいてもよく、チェーン伝動
手段の代わりにギヤ伝動手段を用いてもよく、また、1
車種専用の場合は等速伝動をしてもよい。
【0021】前記伝動手段14を内蔵した伝動ケース1
5は左右方向の幅が薄く形成されており、図11に示す
ように、それより内方に配置された後スプロケット12
及びブレーキ装置16と共にクローラ10の幅内に納め
てられていて、クローラ走行部Dが走行しても、外部障
害物と接触しないようになっている。前記左右各後車軸
4と後車軸ケース5との間のブレーキ装置16は2つず
つ設けられており、ブレーキ装置16A、16Bは例え
ば、ビルトインディスクブレーキ装置が採用されてお
り、合計4つのブレーキ装置16A、16Bはステアリ
ング操作、駐車ブレーキ操作及び走行ブレーキ操作に使
用される。
【0022】左右各ブレーキ装置16A、16Bはディ
スク取り付け体23に取り付けられたブレーキディスク
17を共有し、ブレーキディスク17の周方向に位相を
ずらして配置されている。図1、11〜16において、
ステアリング装置25のピットマンアーム24は、車両
上部Uの前下構成部材53に支軸55を介して枢支され
ており、前輪ナックルと連結されるタイロッドは外され
ており、代わりに連結体56が固定されている。
【0023】この連結体56には左右一対の長孔57と
ピン58とが設けられている。前記左右長孔57には復
帰手段31を構成する左右一対のエアーダンパの各ピス
トンロッド先端が係合され、ハンドル40の操舵により
ピットマンアーム24が揺動したときに、同方向のエア
ーダンパを圧縮し、その復元力でピットマンアーム24
が揺動位置から中央側に復帰されるようになっている。
前記エアーダンパの基部は前下取付部材54に枢支され
ている。連結体56の左右ピン58にはそれぞれ、イン
ナワイヤ30Aの一端の連結具60が長孔60Aを介し
て嵌合連結している。連動ワイヤ30はボーデンワイヤ
又はプッシュプルワイヤで、アウタワイヤ30Bの両端
は前下取付部材54と車両上部Uに固定の支持板61に
固定され、インナワイヤ30Aの他端はイコライザ部材
27の左右端部に連結されている。
【0024】イコライザ部材27は中央が駐車ブレーキ
用のワイヤ42の端部に枢支され、左右両端に前記イン
ナワイヤ30Aとワイヤ取り付け具72が枢支連結され
ている。前記左右各ワイヤ取り付け具72には上下端に
ワイヤ26の一端が連結され、左2本のワイヤ26の他
端が左ブレーキ装置16A、16Bに連結され、右2本
のワイヤ26の他端が右ブレーキ装置16A、16Bに
連結されている。前記ハンドル操舵によるピットマンア
ーム24の揺動は一方のインナワイヤ30Aを引っ張
り、図15に示すように、イコライザ部材27を揺動し
て左右一方の2本のワイヤ26を介して操舵側のブレー
キ装置16A、16Bを作動し、左右一方のクローラ1
0の走行に制動力を与え、これによりフルクローラ型車
両1を操向する。
【0025】前記図15の操舵状態で、駐車ブレーキレ
バー43を操作してワイヤ42を引っ張ると、イコライ
ザ部材27は中央が引っ張られ、前記操舵側のワイヤ2
6は引っ張り状態であるのでその状態が保持され、イコ
ライザ部材27が揺動して非操舵側の2本のワイヤ26
も引っ張り、これにより左右計4つのブレーキ装置16
が総て制動状態になる。前記ワイヤ42によるイコライ
ザ部材27の引っ張り方向は連動ワイヤ30と同一方向
であって喧嘩しないので、両ワイヤ30、42によるワ
イヤ26の引っ張りが可能になっている。
【0026】また、走行ブレーキ装置65は、車両上部
Uに枢支されたフットペダル66にマスタシリンダ67
が連結され、このマスタシリンダ67と弁68が油圧配
管69を介して接続され、弁68と左右の各2つのブレ
ーキ装置16A、16Bが油圧配管71を介して接続さ
れている。前記弁68(又はマスタシリンダ67)は油
圧ポンプ73と接続されている。従って、フットペダル
66を踏み込むことにより、弁68を介して左右計4つ
のブレーキ装置16を同時に同圧で作動させる。弁68
は分配弁の他、メータリング弁等でもよい。
【0027】左右各2つのブレーキ装置16A、16
B、テアリング装置25、駐車ブレーキ装置28並びに
走行ブレーキ装置65は、クローラ走行部Dとは関係な
く車両上部Uに組付けられる。なお、本発明は前記実施
の形態に限定されるものではなく、種々変形することが
できる。例えば、前記走行ブレーキ装置65には、マス
タシリンダ67に4本の油圧配管71を接続するもの、
2個のマスタシリンダ67に各2本の油圧配管71を接
続するもの、油圧ポンプ73からの圧油供給をオープン
式又はクローズ式にするもの、その他従来のブレーキ操
作系の技術を使用することができる。
【0028】また、左右各2つのブレーキ装置16
A、、16Bは、軽四トラックの前輪用ブレーキ装置を
後輪用ブレーキ装置に併設することにより構成すること
ができ、ビルトインディスクブレーキを示したが、ワイ
ヤと油圧の両方で作動するその他のブレーキ装置でもよ
く、2シリンダ式キャリパブレーキの2つのピストンを
2本のワイヤで操作するようにしておいて、2本のワイ
ヤの一方をワイヤ26とし、他方をフットペダル66に
イコライダを介して連結してもよい。ブレーキ装置16
A、16Bはそれぞれ独自のブレーキディスク17を持
っていてもよく、ソリッドタイプ又はベンチレーテッド
タイプのディスクブレーキが好ましいが、ドラムブレー
キでもよい。また、ブレーキ装置16A、16Bを1個
のキャリパ内に納めてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、伝動ケー
ス15、後スプロケット12及びブレーキ装置16をク
ローラ10の幅内に納めて保護することができ、後車軸
4に左右の各2つの計4つのブレーキ装置16でステア
リング作用と、走行時ブレーキ作用と、駐車ブレーキ作
用との3つの作用を行わせることができ、制動能力及び
耐久性を高くでき、全ブレーキ装置16とその関連装置
を車両上部Uに組付けておけるので、車両の組立て作業
性を向上できる。
【0030】また、左右各2つのブレーキ装置16A、
16Bの構造を簡単かつ安価にでき、左右方向の配置を
コンパクトにできる。さらに、左右各2つの計4つのワ
イヤ油圧両操作可能なブレーキ装置16A、16Bを、
ワイヤ26を介してステアリング操作と駐車ブレーキ操
作とを適性に行い、油圧を介して走行ブレーキ操作を効
果的かつ強力的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すフルクローラ型車両
の説明斜視図である。
【図2】フルクローラ型車両の分解斜視図である。
【図3】フルクローラ型車両の全体側面図である。
【図4】クローラ走行部の側面図である。
【図5】四角枠体の側面図である。
【図6】四角枠体の平面図である。
【図7】四角枠体の正面図である。
【図8】四角枠体の背面図である。
【図9】クローラ走行部の前部の断面正面図である。
【図10】クローラ走行部の後部の側面図である。
【図11】クローラ走行部の後部の断面背面図である。
【図12】伝動手段を減速状態にしたクローラ走行部の
後部の側面図である。
【図13】ステアリング装置の平面図である。
【図14】ステアリング装置、駐車ブレーキ装置及び走
行ブレーキ装置の平面説明図である。
【図15】図14の操舵状態を示す平面説明図である。
【図16】左右ブレーキ装置の説明図である。
【符号の説明】
1 フルクローラ型車両 4 後車軸 5 後車軸ケース 16 ブレーキ装置 17 ブレーキディスク 24 ピットマンアーム 25 ステアリング装置 28 駐車ブレーキ装置 65 走行ブレーキ装置 66 フットペダル U 車両上部 D クローラ走行部
フロントページの続き (72)発明者 末吉 宏光 大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイ ハツ工業株式会社内 (72)発明者 寺田 喬 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭63−235171(JP,A) 実開 平6−47082(JP,U) 実開 平3−96921(JP,U) 実開 昭63−189885(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 1/06 B60T 11/04 B62D 11/08 B62D 55/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両上部(U)をクローラ走行部(D)
    の上部に備えており、車両上部(U)は、前後に各左右
    一対のサスペンション(2、3)を有し、左右後サスペ
    ンション(3)で左右後車軸(4)用の後車軸ケース
    (5)を支持しており、クローラ走行部(D)は、左右
    一対のトラックフレーム(6)を前後の連結体(7、
    8)で連結して四角枠体(9)に形成し、各トラックフ
    レーム(6)に前後スプロケット(11、12)及びト
    ラックローラ(13)を支持すると共にこれらにクロー
    ラ(10)を巻き掛け、前記車両上部(U)の前サスペ
    ンション(2)及び後車軸ケース(5)を四角枠体
    (9)の前後連結部(9F、9R)に連結すると共に
    右各後車軸(4)から後スプロケット(12)へ動力伝
    達可能にしたフルクローラ型車両であって、前記左右各 後車軸(4)から後スプロケット(12)へ
    動力を伝達する伝動手段(14)を伝動ケース(15)
    に内蔵し、この伝動ケース(15)を後スプロケット
    (12)及び左右各後車軸(4)に設けられるブレーキ
    装置(16)の左右外側方に配置し且つ後スプロケット
    (12)及びブレーキ装置(16)と共にクローラ(1
    0)の幅内に納めており、前記伝動手段(14)は、後車軸(4)に対して左右外
    側方から着脱自在な駆動伝動体(19)と、後スプロケ
    ット(12)に対して左右外側方から着脱自在で且つ駆
    動伝動体(19)から動力が伝達される従動伝動体(2
    1)とを有し、前記駆動伝動体(19)と従動伝動体
    (21)とを異径に形成し且つ駆動伝動体(19)を後
    スプロケット(12)に対して従動伝動体(21)を後
    車軸(4)に対してそれぞれ装着可能にすべく前記伝動
    ケース(15)を前後反転可能に形成しており、 前記ブレーキ装置(16)を左右各後車軸(4)に2つ
    ずつ設け、左右各2つのブレーキ装置(16A、16
    B)に、ピットマンアーム(24)の揺動によって左右
    片方ずつ作動させるステアリング装置(25)と、左右
    同時に作動させる駐車ブレーキ装置(28)及び走行ブ
    レーキ装置(65)とを連動連結していることを特徴と
    するフルクローラ型車両のブレーキ構造。
  2. 【請求項2】 前記左右各2つのブレーキ装置(16
    A、16B)は後車軸(4)に設けたブレーキディスク
    (17)を共有し、周方向に位相をずらして配置してい
    ることを特徴とする請求項1に記載のフルクローラ型車
    両のブレーキ構造。
  3. 【請求項3】 前記車両上部(U)は、ピットマンアー
    ム(24)を揺動するステアリング装置(25)、イコ
    ライザ部材(27)を引くことにより左右ブレーキ装置
    (16)を同時作動する駐車ブレーキ装置(28)、前
    記ピットマンアーム(24)と左右ブレーキ装置(1
    6)との間にピットマンアーム(24)の左右揺動によ
    って左右ブレーキ装置(16)を独立作動させるステア
    リング連動手段(29)、及びフットペダル(66)を
    踏み込むことにより左右ブレーキ装置(16)を同時作
    動する走行ブレーキ装置(65)を有し、前記ステアリ
    ング連動手段(29)は、ピットマンアーム(24)の
    左右各揺動でイコライザ部材(27)の端部を引っ張る
    べく、2本の連動ワイヤ(30)でピットマンアーム
    (24)とイコライザ部材(27)の両端とを連結して
    おり、前記左右ブレーキ装置(16)にワイヤ油圧両
    操作可能な2つのブレーキ装置(16A、16B)を設
    け、左右各2つのブレーキ装置(16A、16B)にイ
    コライザ部材(27)の両端に設けたワイヤ取り付け具
    (72)の上下端をそれぞれワイヤ(26)を介して連
    結すると共に走行ブレーキ装置(65)を4本の油圧配
    管(71)を介して連結していることを特徴とする請求
    項1に記載のフルクローラ型車両のブレーキ構造。
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