JP3802614B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はその全体或いはその表面部分に中密度木質繊維板(以下、MDFと言う。)を用いた耐水性、化粧層の密着性や強度、化粧性に優れた化粧板製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水分を含む木質材料や表面化粧材料の接着には在来よりジイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールのプレポリマーや、ポバール水溶液とイソシアネートのエマルジョンの2液型接着剤が古くから使用されている。しかしこれらの接着剤は高粘度でありそのまま表面加工用接着剤として使用すると、MDFヘの投錨効果がなく、MDFの表層を引き裂いて被着物が剥離する欠点がある。
【0003】
これを防止するために、このプレポリマーを溶剤で希釈してMDFに予め浸透せしめることも行えるが、この場合は溶剤の蒸発が必要でエネルギーと資源のロスがあり、環境的にも好ましいものではない。
【0004】
又、エマルジョン型の水性塗料をMDFの表面に塗装して化粧することも行われているが、そのままでは毛羽立ちが目立ち、密着性も悪く、MDFの表層が剥離する。このようなMDFの表層剥離を防止したり、強度を向上させるために、ポリメリックイソシアネート、あるいは粗MDIをMDFの表層にしみ込ませてMDFの強化を行うことも提案されているが、この場合も浸透には長時間を必要とし特にエポキシ樹脂との併用系では高粘度のために浸透困難で不活性溶剤の使用が行われている。
【0005】
しかも、現状では前記ポリメリックイソシアネート、あるいは粗MDIの浸透はMDF自体の強化が目的であり、化粧層の強化を図るものでなく、ポリメリックイソシアネート、あるいは粗MDIの浸透・硬化による強化の後に塗装などを行うので、水性塗料や水性接着剤では密着が悪くなり、表面サンディングなどの必要性が出てきて工業的には必ずしも有利な方法と言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は先行技術の現状を改善し、MDFの表層の強化と同時に表面化粧の可能な、省エネルギー、省資源的で環境的にも問題のないMDFの表面加工技術を確立することである。なお発明者らは先にポリメリックMDIと、分子量200〜1000のポリプロピレングリコール、またはそのグリシジルエーテルを必須成分とする組成物をMDFに浸透せしめ、その表面に化粧生単板を接着したり、感熱ゲル型エマルジョン塗料を塗布してエンボス加工を行うMDFの表面化粧技術を発明して出願中であるが、これら先行発明と本発明の効果の差違はMDFの強靭性の向上のみならず、化粧層の強化や化粧層とMDFとの接着力の向上を図るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
『請求項1』の化粧板の製造方法は「その全体或いはその表面部分が中密度木質繊維板(2a)にて形成されている基板(2)に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、分子量1000以上、6000以下のポリオキシアルキレンポリオールと、アルキレンカーボネートとを必須成分とするイソシアネート組成物を塗布・浸透せしめた後、未硬化の状態で、化粧層(1)を形成し、加熱・加圧して一体化する」ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、分子量1000〜6000という比較的分子量の大きいポリオキシアルキレンポリオールを使用してもMDF(2a)に容易に浸透して行き、MDF(2a)を強化するだけでなく、化粧層(1)との接着力の向上並びに化粧層(1)そのものも強化され、耐摩耗性に優れ且つ紙間剥離のない化粧板(A)とする事ができる。
【0009】
『請求項2』は「化粧層(1)が、水分10%以上を含有する木質化粧単板(1a)で構成されている」事を特徴とするもので、これにより、木質化粧単板(1a)の持つ天然木の質感が直接化粧層(1)に付与され且つイソシアネート組成物の存在により化粧層(1)が著しく強化され、天然木材のような質感を持ち強度の非常に高い化粧層(1)を有する化粧板(A)を得る事ができる。
【0010】
『請求項3』は「化粧層(1)が、化粧薄葉紙(1b)である」事を特徴とするもので、これによれば自由に印刷される化粧薄葉紙(1b)を利用する事ができるので、化粧板(A)に自由な模様を形成する事ができ且つイソシアネート組成物の存在により著しく強化された化粧層(1)を有する化粧板(A)を得る事ができる。
【0011】
『請求項4』は「その全体或いはその表面部分が中密度木質繊維板(2a)にて形成されている基板(2)に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、分子量1000以上、6000以下のポリオキシアルキレンポリオールと、アルキレンカーボネートとを必須成分とするイソシアネート組成物を塗布・浸透せしめた後、未硬化の状態で、水性塗料を塗布してゲル化させ、加熱・加圧して硬化させること」を特徴とする。
【0012】
これによれば、水性塗料を使用するので、従来のように溶剤の揮散もないので作業環境もよく且つイソシアネート組成物との親和性もよいので、MDF(2a)との密着性に著しく優れた化粧層(1)が得られる。
また、イソシアネート組成物の存在により前述同様MDF(2a)の浸透層の強化が図られる。
【0013】
『請求項5』は「加熱・加圧時に、化粧層(1)の表面に表面押圧部材(4)を配設し、基板(2)の裏面に弾性クッション部材(5)を配設する」ことを特徴とするもので、これによれば、基板(2)の裏面に配置された弾性クッション部材(5)の弾性と硬質の表面押圧部材(4)の協働により、表面押圧部材(4)が化粧層(1)の表面全体に均等に接触して化粧面(1d)を押圧する事になるので、MDF(2a)の繊維の絡まり部分が化粧層(1)の表面に表れず、美しい化粧面(1d)を得る事ができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。本発明の基板(2)の実施例は、図1又は3に示すように、基板(2)全体がMDF(2a)にて構成される場合や、図2又は4に示すように基板(2)が、基板本体(3)の表面にMDF(2a)が接着剤にて貼着されたものなどがある。
この場合の基板本体(3)としては、例えば合板、パーティクルボード等の木質板の他、珪カル板、木質セメント板、比重が0.5以上の鉱物質繊維板等の無機質板等、各種のものを使用する事が出来る。
【0015】
化粧層(1)は木質化粧薄単板(1a)や化粧薄葉紙(1b)をMDF(2a)の表面に接着して形成したり(図1、2)、水性塗料を塗装して形成される(図3、4)のであるが、MDF(2a)の木質化粧薄単板(1a)や化粧薄葉紙(1b)を接着しようとする面にポリメリックイソシアネート、分子量1000〜6000のポリオキシアルキレンポリオール及びアルキレンカーボネートを必須成分とする組成物を浸透せしめ、前者にあっては、それらが未硬化の状態で水分10%以上を含有する木質化粧薄単板(1a)や化粧薄葉紙(1b)を載置・接着し、後者にあっては水性塗料を塗布してゲル化させ、然る後、化粧面(1d)に表面押圧部材(4)を載置し《例えば、鏡面の硬質板(4a)、エンボス板(4b)を接触せしめ、或いはエンボスロール(4c)など接触させつつ転動させ》、基板(2)の裏面には弾性クッション部材(5)を接触せしめ、この弾性クッション部材(5)を介して加熱・加圧して木質化粧薄単板(1a)や化粧薄葉紙(1b)をMDF(2a)の表面に接着して硬化させたり、水性塗料を硬化させて化粧層(1)を形成する。
【0016】
本発明で使用されるポリメリックイソシアネートとは、4,4'―ジフェニルメタンでイソシアネートの精製前処理した縮合体であり、通称、ポリメチレン・ポリフェニレンイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート、粗MDIなどと称されたり、P―MDIなどと表示されるものである。
【0017】
分子量1000〜6000のポリオキシアルキレンポリオールとは、ポリプロピレンオキサイド、プロピレンオキシドとエチレンオキサイドよりなるグリコール類、トリメチロールプロパンを起点としてプロピレンオキサイドが付加したトリオール類などで、分子量が1000〜6000のポリオールを指す。
分子量が1000以下ではイソシアネートとの反応物が硬質になり過ぎ、分子量が6000以上では軟質になり過ぎ且つ粘度が高すぎてMDFヘの浸透が不良になる。通常、最も好ましいのは2000〜4000である。
【0018】
アルキレンカーボネートとは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどであり、プロピレンカーボネートが最も好ましいものである。これはイソシアネートとポリオールの相溶化剤であり、イソシアネートが水と反応すると加水分解されイソシアネートとの反応を行う。又、部分的に揮散しても無臭・無毒の化合物として知られているものである。
【0019】
MDF(2a)の水分は通常7〜8%であり、これによっても浸透性組成物はウレタン鎖の鎖長が延長されるが、被接着物である化粧薄単板(1a)や化粧薄葉紙(1b)も水分は10%以上含む方が、加熱・加圧・硬化後の化粧性において優れたものとなる。なお、この水分(化粧薄単板(1a)や化粧薄葉紙(1b))は120%程度になっても充分に接着硬化をするので厳密な管理は不要である。
【0020】
本発明に使用される化粧層(1)形成用の水性塗料は、水性感熱ゲル化エマルジョン型塗料用樹脂で、水性塗料のため溶剤の揮散もないので作業環境もよく、感熱ゲル化エマルジョン型であるから水分を含んだ状態であっても低温、短時間で均一にゲル化するので、予備乾燥工程が簡略化でき、省エネルギー的であり生産性が向上する。
【0021】
しかも水性感熱ゲル化エマルジョン型塗料は、MDF(2a)に塗布した場合、前述のように水分を含んだ状態でもゲル化するので、水性塗料であるにも拘わらず、木質繊維の“膨れ”や“毛羽立ち”などが生じにくい。そして、水性塗料であるから水分を含んでおり、その塗布により塗料の水分を木質繊維が吸収して柔軟になるため、加圧する場合、低圧かつ短時間で非常にシャープな表面加工層が得られる。また、水分含有によりMDF(2a)が柔らかくなるので加工度が大きくなり、深絞りのような加工も可能となる。
【0022】
本発明方法の実施に使用しうる水性感熱ゲル化エマルジョン型塗料には、イオン性がアニオン型のエマルジョン、例えばカルボキシル基を持つようなエチレン−酢ビ−アクリル、(メタ)アクリル、スチレン−(メタ)アクリル、エチレン−(メタ)アクリル系などのエマルジョンが好ましい。これは、感熱ゲル化剤との反応性を良くするためである。
【0023】
感熱ゲル化剤としては、金属アンモニウム錫塩があり、例えば、亜鉛アンモニア硫酸塩、亜鉛アンモニア酢酸塩、亜鉛アンモニア炭酸塩などで、これらはエマルジョンのカルボキシル基と反応しやすい。
また、亜鉛アンモニアオレイン酸塩などの高級脂肪酸塩などを用いることにより、塗料に抗菌性を付与することも可能である。
【0024】
これらの感熱ゲル化剤は、上記エマルジョンを40〜70℃でゲル化するものが望ましい。40℃以下でゲル化するものでは、室温でエマルジョンの粘度が上昇して作業性が悪く、70℃以上ではMDF(2a)の反りや寸法変化の原因となる。また両者の反応はイオン架橋型の反応であるため、加熱により予備ゲル化したエマルジョンは流動化して型に倣い、低圧かつ短時間の加熱下でシャープな化粧層(1)が形成される。
【0025】
加熱・加圧による硬化時の構成はMDF化粧板(A)の化粧層(1)の仕上がりを良好にするための必須の要件であり、化粧面(1d)を鏡面の硬質板(4a)、艶消し鏡面板(図示せず)、エンボス板(4b)、エンボスロール(4c)などの表面押圧部材(4)を用いる。通常は金属製(クロムメッキ仕上げ)で、MDF化粧板(A)の非化粧面(=裏面)は弾性クッション部材(5)を配置する。弾性クッション部材(5)としてはシリコンゴム、フッ素樹脂ゴム、ウレタンゴムなどで耐熱性に優れ且つ弾性復元力に富むクッション部材が使用される。
このようにMDF化粧板(A)の化粧面(1d)には表面押圧部材(4)を、裏面には弾性クッション部材(5)を接触せしめて加熱・加圧する。これによって化粧面(1d)は均一な仕上げ状態となる。ただし、この弾性クッション部材(5)を欠いたり両面にクッション部材(5)を用いたりするとMDF化粧板(A)の化粧面(1d)にMDF(2a)を構成する木繊維の部分的なからまりの斑点模様が生じ、化粧性が著しく損なわれる。
【0026】
イソシアネート組成物は接着剤としての役目も果たすので、水性エマルジョン型塗料による化粧層(1)とMDF(2a)との密着性は著しく向上する。
また、分子量1000〜6000のポリオキシアルキレンポリオールとアルキレンカーボネートとを必須成分とするので、イソシアネート組成物は水との親和性が良好で且つMDF(2a)を構成する木質繊維との親和性にも優れ、若干の膨潤性もあり、木質繊維に浸透させたときの反応性の調節も容易で、硬化後は木質繊維の吸水による寸法変化防止に役立ち、耐煮沸性のある製品の供給を可能とするものである。
【0027】
(発明実施の態様)
本発明実施の態様には様々な仕様があるが、要はポリメリックイソシアネートのイソシアネート官能基に対し、イソシアネート反応性官能基が等モル以下、0.5モル以上程度になるように分子量1000〜6000のポリオキシアルキレンポリオールとアルキレンカーボネート、及びその他必要な反応薬剤を配合し、この際アルキレンカーボネートは、相溶化、粘度コントロールに必要な最小量としておいて、この用意された配合物をMDF基板(2)の一面または両面に、或いは基板(2)表面のMDF(2a)の一面に塗布・浸透させるが、塗布量は5〜20g/m2が適当である。少なすぎると接着効果、補強効果が劣り、使用量が多すぎるとその分だけ材料費が高価になる。
次いで塗布・浸透剤が未硬化の状態で(塗布後直ちでもよい。)、含水木質薄単板(1a)、化粧薄葉紙(1b)をMDF(2a)の被接着面に載置し、含水木質薄単板(1a)又は化粧薄葉紙(1b)の化粧面(1d)にクロムメッキした鏡面硬質板(4a)を当て、裏面に弾性クッション部材(5)を当てて加圧・加熱・硬化する。加圧力は5〜20kgf/cm2、加熱は80〜140℃程度、時間は2〜20分程度がよい。
又、水性塗料による化粧では、前記塗布・浸透剤をMDF基板(2)の一面または両面に、或いは基板(2)表面のMDF(2a)の一面に塗布・浸透させ、然る後、塗布・浸透剤が未硬化の状態で(塗布後直ちでもよい。)、感熱ゲルタイプの水性塗料を塗布し、60〜80℃の炉中に入れる。前記加熱により感熱型水性塗料は数秒〜数分でゲル化するので化粧面(1d)に金属のエンボスロール(4c)を当て、裏面にはウレタンゴムロール(5a)が当たるようにしてロール(4c)(5a)間を通過させながら硬化を行う。
化粧薄葉紙(1b)の場合も、このような構造のラミネートマシーン(図示せず)を用いて連続的に化粧薄葉紙(1b)をMDF(2a)の被接着表面に接着しながら硬化を完了することができる。
次いで得られたMDF化粧板(A)は通常の塗装法によって必要に応じて表面強化や、美化を行うことができる。以下実施例により更に詳細に説明するが、これらが本発明の全てを代表する物ではない。
【0028】
[実施例1]
MDFへの浸透性接着剤として分子量1000のポリプロピレングリコール22.7wt%、エポキシ化アマニ油(EP8.8%)22.7wt%、プロピレンカーボネート9.1wt%、ポリメリックMDI(NCO約36%)45.5wt%を調整し、この組成物を厚さ6mmで30cm角の乾式製法によるMDFの化粧単板の被接着表面に10g塗布した。塗布液は直ちにMDFの被接着表面から内部に浸透したので、その上に厚さ0.15mm、水分41%を含むチンチャンの化粧単板を載置し、その上に離型処理を施したクロームメッキ鏡面硬質板を配置し、MDFの裏面にシリコンゴムシートを当て、平板プレスで、120℃、l0kgf/cm2、5分間のプレス条件で接着して化粧単板貼りMDF化粧板を得た。
次にこの化粧面を1400メッシュのサンドペーパで軽く研磨して、クリヤの2液ウレタン樹脂塗装を行って床材としても使用可能な化粧板を得た。なお、この化粧板の性能は(表―1)に示す。
【0029】
(実施例1に対する比較例)
[実施例1]においてプロビレンカーボネートを欠くものは粘度が高くMDFへの浸透が不充分であり、長時間を要するため生産性を欠いた。又、[実施例―1]と同じ組成物を用いた場合に積層構造を両面クッション部材としたものと、化粧面にクッション部材を用いたものは、化粧面が傷肌となり#400のサンディングでは消去できず、後加工が極めて困難であった。
【0030】
[実施例2]
[実施例1]において化粧単板の代わりに木目模様を印刷した薄葉化粧紙(水分約15%)を用いた他は全く同じようにしてMDF化粧板を得た。性能は(表―1)にまとめて示すが、紙間剥離も生じない耐水性に浸れた床材として用い得るMDF化粧板を得た。
【0031】
(実施例2に対する比較例)
通常化粧紙の接着には酢ビ、または酢ビ−尿素エマルジョンが使用されるが、本発明の接着条件で接着したものは紙間ないしMDFの表面材破壊を生じ性能的には劣るものであった。
【0032】
[実施例3]
MDFヘの浸透性接着剤として分子量1000のポリプロビレングリコール20wt%、ひまし油2Owt%、ポリメリックMDI(NCO約36%)40wt%、プロピレンカーボネート10wt%を調整し、他は実施例―1と同様にして化粧単板貼り化粧板を得た。外観は[実施例1]と同様に優れたものであった。性能は(表―1)にまとめて示す。
【0033】
(実施例3に対する比較例)
[実施例3]においてプロピレンカーボネートを欠くものは相溶性が無く、白濁し高粘度でありMDFヘの含浸、接着目的には使用不能であった。
【0034】
[実施例4]
MDFへの浸透性接着剤として分子量2000のポリプロビレングリコール42wt%、ポリメリックMDI(NCO約36%含有品)41wt%、ポリプロピレンカーボネート17wt%を調整した。この組成物は透明に相溶し、MDFヘの浸透性に優れ、可使時間も1日以上と長い。この組成物を厚さ6mmで30cm角のMDFに約10g塗布・浸透させ、[実施例2]と同様に木目模様を印刷した薄葉化粧紙を載置し、120℃、l0kgf/cm2、5分間で接着硬化し、次いでその表面に減摩剤2Owt%を含有する2液ウレタン塗料を塗布し耐摩耗性に優れ紙間剥離などのない床材として用いられるMDF化粧板を得た。
【0035】
[実施例5]
[実施例4]の浸透性接着剤を厚さ6mmで30cm角のMDFへ12g塗布・浸透させ、次いでナラの木目模様を印刷した薄葉化粧紙を載置し(化粧紙の水分は約50%)その上にエンボス板を起き、裏面にシリコンゴムクッション部材をおいて120℃、l0kgf/cm2、7分間の加圧・加熱を行って、エンボスと同時に化粧紙を接着した。化粧紙は含水状態にあって伸びがあり、又、接着剤自身にも強靭性があるので化粧紙に亀裂などを生ずることもなかった。次いでこのエンボス面にオイルスティンによるワイピングを施し、[実施例4]同様に2液ウレタン塗装を行って天然木観に富んだ化粧紙を得た。性能などは(表―1)にまとめて示す。
【0036】
Figure 0003802614
【0037】
[実施例6]
MDFへの浸透性接着剤として、分子量2000のポリプロピレングリコール420wt%、ポリメリックMDI(NCO約30%含有品)41wt%、ポリプロピレンカーボネート17wt%を混合・調製した。この組成物は透明に相溶し、MDFへの浸透性に優れており、可使時間も1日と長かった。この組成物を厚さ6mmで30cm角のMDFに10g塗布・浸透させた。次いでこの塗布面に、木目模様の印刷を施した薄葉化粧紙(含水率約15%)を載置し、その上にクロムメッキ鏡面板を起き、MDFの裏面にシリコンゴムクッション部材をおいて平板プレスによって120℃、l0kgf/cm2、5分間の加圧・加熱を行って、化粧紙を接着した。さらに、化粧面を#400のサンドペーパで軽く研磨し、クリヤーの2液型ウレタン樹脂塗料にて塗装仕上げをして化粧紙貼りMDF化粧板を得た。
【0038】
[実施例6に対する比較例1]
MDFへの浸透性接着剤のポリプロピレングリコールとして分子量400のものを使用する他は実施例6と同様にして化粧紙貼りMDF化粧板を得た。
【0039】
[実施例6に対する比較例2]
MDFへの薄葉化粧紙を接着する際の接着剤として、酢ビ−尿素エマルジョン接着剤を使用し、熱圧時間を1分間とした他は実施例6と同様にして化粧紙貼りMDF化粧板を得た。
【0040】
Figure 0003802614
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量1000〜6000という比較的分子量の大きいポリオキシアルキレンポリオールを含むイソシアネート組成物をMDFに浸透させることにより、堅すぎることもなく且つ柔らかすぎる事もない適度な堅さでMDFの浸透層を強化するだけでなく、木質化粧単板や化粧薄葉紙或いは水性塗料の塗布による化粧層との接着力の向上並びに化粧層そのものの強化を図り、耐摩耗性に優れ且つ紙間剥離や化粧層とMDFとの層間剥離のない化粧板を極めて簡単に形成する事ができ、本発明方法は従来例に比較して工業的に桑めて有意義な方法であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板の全体がMDFで形成され、化粧層が木質化粧単板或いは化粧薄葉紙にて形成された本発明にかかる化粧板の断面図
【図2】基板が基板本体の表面にMDFを接着して形成され、化粧層が木質化粧単板或いは化粧薄葉紙にて形成された本発明にかかる化粧板の断面図
【図3】基板の全体がMDFで形成され、化粧層が水性塗料の塗布にて形成された本発明にかかる化粧板の断面図
【図4】基板が基板本体の表面にMDFを接着して形成され、化粧層が水性塗料の塗布にて形成された本発明にかかる化粧板の断面図
【図5】本発明にかかる化粧板を鏡面硬質板と弾性クッション部材とで熱圧・硬化させている状態の断面図
【図6】本発明にかかる化粧板をエンボス板と弾性クッション部材とで熱圧・硬化させている状態の断面図
【図7】本発明にかかる化粧板をエンボスロールと弾性クッションロールの間に通し熱圧・硬化させている状態の断面図
【符号の説明】
(A)…化粧板
(1)…化粧層
(2)…基板
(2a)…MDF
(3)…基板本体

Claims (5)

  1. その全体或いはその表面部分が中密度木質繊維板にて形成されている基板に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、分子量1000以上、6000以下のポリオキシアルキレンポリオールと、アルキレンカーボネートとを必須成分とするイソシアネート組成物を塗布・浸透せしめた後、未硬化の状態で、化粧層を形成し、加熱・加圧して一体化することを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 化粧層が、水分10%以上を含有する木質化粧単板で構成されている事を特徴とする請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  3. 化粧層が、化粧薄葉紙で構成されている事を特徴とする請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  4. その全体或いはその表面部分が中密度木質繊維板にて形成されている基板に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、分子量1000以上、6000以下のポリオキシアルキレンポリオールと、アルキレンカーボネートとを必須成分とするイソシアネート組成物を塗布・浸透せしめた後、未硬化の状態で、水性塗料を塗布してゲル化させ、加熱・加圧して硬化させることを特徴とする化粧板の製造方法。
  5. 加熱・加圧時に、化粧面に表面押圧部材を配設し、基板の裏面に弾性クッション部材を配設することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板の製造方法。
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