JP3801231B2 - フィルタエレメントおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、フィルタエレメントに関し、例えば自動車の内燃機関用エアクリーナなどに利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、濾過面積の向上や、強度向上、あるいは低価格化、さらにはリサイクルの容易化などを目的として種々のフィルタエレメントが提案されている。
例えば特公平6−57293号には、波板状の濾材と、綿状の濾材とを積層したエレメントが開示されている。この技術では、綿状濾材によって波板側面の閉塞を行なうとともに、綿状濾材を圧縮してフィルタ支持用のつば部を成形することが提案されている。
【0003】
また、特開平6−315604号には、波板状の濾材の側面において波を倒して波板側面の閉塞を行なうことが提案されている。
さらには、欧州特許公報049016B1には、波板状の濾材に対し、別体のつば部を接着または溶着により接合することが提案されている。
これらの技術は、波板状の濾過部と、それを取り囲む部分とを同様の材料で製造しているため、リサイクルの容易化を図る上で有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−57293号の技術では、異なる2種類の濾材を必要とするため製造工程が複雑化するという問題点があった。また、綿状濾材が上流側に位置する構成のため、十分に広い濾過面積を確保することが困難であるという問題点を有している。さらには波板状濾材と2重に積層される綿状濾材のみを加圧してつば部を成形しているためつば部に高い剛性を期待できないという問題点があった。
【0005】
また、特開平6−315604号の技術では、フィルタエレメントをハウジング内に支持するための突起、あるいはつば部を別体として用意し、これを接着する必要があった。
また、欧州特許公報049016B1の技術においても、つば部を別体として用意し、これを接着しているため、製造工程の複雑化、部品点数の増加といった不具合があった。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、製造が容易なフィルタエレメントを提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、濾過部を支持するために濾過部の周囲に広がるつば部の成形が容易なフィルタエレメントを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、高剛性のつば部を有するフィルタエレメントを提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、フィルタエレメントの簡単な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するために、
同一の濾材から成形され、波板状の濾過部と、この濾過部の各山部の側面を閉塞する閉塞部と、前記濾過部を取り囲んで取付け平面に沿って広がり、前記濾過部を支持するつば部とを有するフィルタエレメントにおいて、
前記濾材は熱により溶融する繊維を含み、前記濾材には、前記繊維を加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように形成された補強部が部分的に成形され、
前記つば部は、前記濾過部から連続する濾材を折り重ねて多層に積層して板状に形成されるとともに、前記つば部の外周に弾力性のあるシール部分と該シール部分の内側に該シール部分より薄く成形された前記補強部とを備えていることを特徴とするフィルタエレメントという技術的手段を採用する。
【0009】
なお、前記つば部は、前記濾過部の山部の側部において、前記濾過部から連続する前記濾材が折り重ねて積層されて成形されていることが望ましく、加えて前記つば部は、前記濾過部のために成形された山部をその高さ方向に押しつぶして積層されていることが望ましい。
なお、前記つば部は、濾過部の波に対する端部において、前記濾材を折り重ねて均一の厚さに積層されていることが望ましい。
【0010】
なお、前記濾材は熱により溶融する接着繊維を含み、前記つば部の積層された濾材間が少なくとも前記接着繊維の溶融により接着されていることが望ましい。
さらに、前記補強部は、前記濾過部の山部の稜線部において加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように形成されていることが望ましい。
【0011】
また本発明は上記問題点を解決するために、波板状の濾過部と、この濾過部の各山部の側面を閉塞する閉塞部と、前記濾過部を取り囲んで取付け平面に沿って広がり、前記濾過部を支持するつば部とを有するフィルタエレメントの製造方法において、濾材を波板状の中間体に加工する第1工程と、前記中間体の両方の側部を変形させて波の側部を閉塞するとともに、前記側部の閉塞に要する濾材よりさらに外側に位置する濾材を折り曲げ変形させて積層して前記つば部を成形する第2工程と、
加工することで前記接着繊維を溶融させ前記つば部の積層された濾材間を接着させる第3工程と、
前記つば部の外周に弾力性のあるシール部分および該シール部分の内側に該シール部分より薄い補強部となるように加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように前記補強部を成形する第4工程とを有することを特徴とするフィルタエレメントの製造方法という技術的手段を採用する。
【0012】
お、前記濾過部の山部の稜線部において加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように補強部成形する第5工程をさらに有することが望ましい。
【0013】
【作用および発明の効果】
以上に述べた本発明の構成によると、濾過部を取り囲み、この濾過部の取付け平面に沿って広がり、濾過部を支持するつば部が、前記濾過部から連続する濾材を積層して板状に成形されているため、濾過部を支持するつば部を簡単な構成で作ることができる。特に、濾過部と同一の濾材を折り重ねて多層に積層し、濾材に含まれている熱により溶融する繊維を加熱圧縮することにより溶融させて前記濾過部よりも薄くなるように形成された補強部をつば部に成形しているため、異質材料の付加を最小に抑えてつば部における高い剛性を得ることができる。
また、つば部の外周を弾力性のあるシール部分とするようにつば部の内側をシール部分より薄い補強部として成形したので、シールゴムのような特別なシール部品を必要とせずにハウジングに対して組み付けることができる。
【0014】
なお、濾過部の山部の側部において、濾過部から連続する濾材が積層されてつば部が成形されることで、簡単な構成で、濾過部と強固に結合したつば部を得ることができる。
加えて濾過部のために成形された山部をその高さ方向に押しつぶして積層された濾材によりつば部を成形することで、より簡単につば部を成形することができる。
【0015】
なお、濾過部の波に対する端部において、折り重ねて多層に均一の厚さに折り重ねて積層した濾材によりつば部を成形することで、濾過部の端部においても高い剛性を持ったつば部を得ることができる。なお、つば部の積層された濾材間が濾材中に含まれる熱により溶融する接着繊維により接着される構成によると、溶融する接着繊維の接着作用で積層して成形されたつば部を良好に成形することができるとともに、濾材本体内の繊維間の接着、あるいは濾過部の成形に用いることができ、簡単な構成で複雑な形状の濾材を成形することができる。
【0016】
た、補強部は、濾過部の山部の稜線部において加熱圧縮することにより熱により溶融する繊維を溶融させ濾過部よりも薄くなるように形成することができる。
【0017】
以上に述べた本発明の製造方法によると、濾材を波板状の中間体に加工した後に、中間体の両方の側部を変形させて山部の側部を閉塞するとともに、つば部を成形するから、波状の広い濾過面積を持ち、しかも濾過部とつば部とが一体化されたフィルタエレメントを簡単な製造工程で製造することができる。この工程によると、複雑な形状の濾過部を確実に成形しながら、その外周に簡単につば部を成形することができる。
それに加えて、つば部を、山部の閉塞に要する濾材よりさらに外側に位置する濾材を多層に積層して成形するとともに、加熱することで接着繊維を溶融させつば部の積層された濾材間を接着させることで、高い剛性のつば部を良好に簡単な製造工程で製造することができる。
さらに、つば部の外周に弾力性のあるシール部分および該シール部分の内側に該シール部分より薄い補強部となるように加熱圧縮することにより加熱することで溶融する繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように前記補強部を成形することで、より高い剛性のつば部とすることができるとともに、シールゴムのような特別なシール部品を付加する必要がない。
【0018】
また、濾過部の山部の稜線部において加熱圧縮することにより熱により溶融する繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように補強部成形することで、被濾過流体の流れに対する強度を高めたフィルタエレメントを簡単な製造工程で製造することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を空気用フィルタに適用した実施例を説明する。この空気用フィルタは、例えば内燃機関用エアクリーナとして利用することができ、例えば自動車、船舶などに利用可能である。
第1実施例を図1、図2、図3、図4、図5 に基づいて説明する。
【0020】
図1は第1実施例のエアクリーナエレメントの斜視図である。エレメント100は、波板状の濾過部120と、この濾過部120を取り囲むつば部140とを有している。これら濾過部120とつば部140とは同一の、しかも連続した濾材110から作られている。濾材110は、化繊の不織布である。しかも濾材110は、主繊維と接着繊維とを混合して製造されている。この主繊維としては、例えばポリエステル繊維を用いることができる。一方、接着繊維としては、加熱環境下で溶融して接触する他の繊維と接着される繊維であることが製造上の利点から望ましい。例えば主繊維より低融点の材料を主繊維表面にコーティングした接着繊維を用いることができる。例えば接着繊維としては、ポリエステル繊維表面にポリエステル繊維より低融点の変成ポリエステルをコーティングした接着繊維が好適である。また、濾材110は、図中矢印101で示される空気流れ方向に対して上流側ほど繊維密度が粗く、下流に向かうほど繊維密度が密になる多層構造となっている。
【0021】
濾過部120はその濾過面積を確保するために波板状に成形されている。各波は、つば部140の広がる平面から突出して成形された袋状の袋部122により成形されている。各袋部122は、山部124の両側部面126、128を濾材で閉塞して成形されている。濾過部120は複数の袋部122を並列に並べて成形されている。
【0022】
つば部140は濾過部120の外周4辺を取り囲んでおり、濾過部120と同一の濾材110により構成されている。波板状濾過部120の波の並び方向側の端部の辺142、144においては、濾材110が2重に重ねられている。また、波板状濾過部120の波の両側部の辺146、148においては、濾過部120の波と同じピッチで折られた濾材110が多層に重なっている。これら各辺142、144、146、148の特徴は、後述の製造方法の中でより詳細に説明する。
【0023】
図2はエアクリーナエレメント100の濾材110の各部における厚さを模式的に示した断面図である。図2は図1のII−II断面を示す。
濾材110は、各山部124の両斜面130、132および山部間の谷底134において最も厚く成形されている。これらの部分の厚さは濾材110の成形前の厚さとほぼ同じか僅かに薄い厚さである。なお、各山部124の両端の閉塞面126、128もほぼ同様の厚さをもっており、これらの部分はエアクリーナとして要求される通気性をもっている。
【0024】
図2には、つば部140が広がる仮想の平面が平面102として図示されている。各山部124の頂上の稜線に沿って濾材110は加熱圧縮されて高密度化されており、薄く固い補強部136を成形している。この補強部136は濾材110本来の通気性をほぼ完全に失う程度の密度まで圧縮されている。
つば部140は、外周を囲むシール部分150と、このシール部分150の内側に設けられた補強部152とを有する。シール部分150は、加熱圧縮によって斜面130、132より薄く成形されている。このシール部分150は、弾力性を残しながらに斜面130、132より硬く硬化されており、ほとんど通気性を持たないように成形されている。一方、補強部152は加熱圧縮によりシール部分150よりさらに薄く成形されており、この補強部152は濾材110本来の通気性をほぼ完全に失う程度の密度まで圧縮されている。
【0025】
図3は、内燃機関用エアクリーナの分解斜視図である。なお、矢印103、104は、内燃機関への吸入空気の流れ方向を示している。
エアクリーナ160は、ダスティサイドハウジング161と、クリーンサイドハウジング162とを有する。ダイスティサイドハウジング161に成形された入口としての管163には吸気ダクトが接続される。一方、クリーンサイドハウジング162に成形された出口としての管164には吸気ダクトが接続され、内燃機関に導かれる。ダスティサイドハウジング161とクリーンサイドハウジング162との間には、上述のエレメント100が収容される。エレメント100の外周のつば部140は両ハウジング161、162の挟持部165、166の間に挟まれて、保持、固定される。この実施例では、挟持部165、166が取り付け平面を規定しており、上述のフィルタエレメントのつば部はこの取り付け平面に対応して広がる形状である。
【0026】
次に上記エレメント100の製造方法を説明する。
図4はエレメント100の製造工程を説明する工程流れ図である。図5は製造工程の要部を説明する斜視図である。図6ないし図11は成形工程の経過を説明する断面図である。
まず、ステップ170では、濾材110が製造される。濾材110は、繊維密度の異なる層を積層し、ニードルパンチ製法などで各層間の繊維結合を図って製造される。この濾材110は、板状に成形され、次の工程に供給される。
【0027】
次に、ステップ171では、板状の濾材110を波板状に加工する。この工程では、板状濾材110の両端部を残してその中間部が波板状に折り曲げられる。この工程では、濾材110の接着繊維のみが溶融し、主繊維が溶融しない程度の温度への加熱下で波板への折り曲げ加工がなされる。これにより波板形状が固定化される。この工程を経た濾材110は、図5に図示される中間体180のような形状となる。
【0028】
次に、ステップ172では中間体180を成形型に装着する。この工程では、下型182に中間体180を装着する。下型182には、中間体180の山部124の内側に挿入される複数の突起板183が並列に成形されている。また、この下型182への装着時に、中間体180の両端の平板部181、181を図5に破線で図示されるように2重に折り曲げて重ねる。
【0029】
次のステップ173では中間体180を変形させ、フィルタエレメントとしての最終形状とほぼ同じ形状に成形する。この工程では、下型182に装着された中間体180を上型184で成形する。下型182と上型184とが装着されたプレス装置186を操作して中間体を加圧変形させるとともに、加熱装置188によって両型182、184を加熱する。この加熱温度は、濾材110の接着繊維のみが溶融し、主繊維が溶融しない程度の温度である。上型184には、中間体180の山部124の長さより短い長さの複数の溝185が並列に成形されている。このため、中間体180の長方形の中央部は濾過部として残され、外周4辺が圧縮されてつば部140とされる。このとき、中間体180の二点鎖線105、106より外側の両側部は、山部124の側面に沿うように折り曲げられるとともに、それよりさらに外側に広がる部分は、両型182、184の間に挟まれて徐々に押しつぶされる。また、平板部181、181も押しつぶされる。これにより、つば部140が成形される。
【0030】
この成形工程をさらに詳細に説明する。
図6、図8、図10は、図5のVI−VI断面矢視図である。図7、図9、図11は、各段階での濾材形状を示す断面図である。
図6は中間体180の成形開始直前の状態を示す。中間体180の側部は成形型182、184から大きくはみ出している。この状態でのVII−VII断面方向での濾材形状は図7のようである。この状態から上型184が徐々に下動する。
【0031】
図8は、中間体180の成形開始直後の状態を示す。上型184の溝185を規定する側面185aと下型182の突起板183の側面183aとの間に、成形型182、184の両側に突出していた濾材の側部が挟み込まれている。この図示状態に達するには、上型184と下型182との接近により、まず側面185aと側面183aとの間に濾材110が折り込まれ、その後側面185aと側面183aとの間に濾材110が徐々に引きずり込まれてゆく。このとき、側面185aと側面183aとの間の空間は三角形の空間を成形しており、濾材はこの三角形の空間内に押し込まれる。このとき、濾材は繊維間の隙間を小さくしながら圧縮されることはもちろん、小さな襞を伴いながら成形され、閉塞面126、128となる。このとき、IX−IX断面方向での濾材形状は図9のようにΩ状に押しつぶされている。
【0032】
さらに上型184が下動すると、図10の状態に達する。図10は、中間体180の成形終了直前の状態を示す。側面185aと側面183aとの間の空間に濾材が押し込まれている。しかも、XI−XI断面方向での濾材形状は図11のように折り重なって押しつぶされる。
しかもこの工程では、成形型182、184が加熱されているため、濾材は成形型内の空間の形状に成形され、その形状を維持する。さらに、成形型182、184は、成形部の外周において型間の隙間が小さくされており、つば部140に相当する部分を強く圧縮する。特に、辺146、148に相当する部位では、山部124が押しつぶされて図11に図示されるように少なくとも3層に濾材が重なるので高い剛性が得られる。また、辺142、144に相当する部位でも図5で説明したように濾材が2つ折りにされているので濾材が2層に重なり、高い剛性が得られる。
【0033】
以上に説明した成形過程を経たあと、成形品は成形型から取り出され、ステップ174の補強工程へ進む。この補強工程では、山部124の稜線に沿って補強部136を成形し、つば部140の内周全周にわたって補強部152を成形する。各補強部は、成形品を加熱された型で圧縮することにより成形される。ここでは、型は主繊維も溶融する程度の高温に加熱され、濾材を溶融させることで補強部を成形する。
【0034】
その後、ステップ175の整形工程では、つば部140に相当する外周部分を図1図示の形状になるよう切除し、形状を整形する。
こうして図1図示のエレメント100が製造される。
以上に述べたエレメント100は、濾過部と、この濾過部をハウジング内に支持するつば部とが連続した同一材料で成形されており、構成が簡単である。しかも濾過部120は波板状を呈し広い濾過面積を確保している。
【0035】
しかも波状の中間体を経たあとに成形型による加圧成形を採用し、山部124の両側部を押しつぶしてつば部140を成形しているから、簡単な製造工程でつば部140を成形することができる。しかも、濾材の折り込みと濾材の圧縮とにより山部124の両側部126、128の閉塞を行なうため、簡単な製造工程で濾過面積の広いエレメント形状が得られる。このような濾材の剪断を伴わない成形工程を採用したことで、濾材本来の濾過性能を部分的に損なうことを防止できる。
【0036】
また、付加的な異質材料、例えばインサート成形される硬質樹脂などを全く必要とせずに所要の形状を維持することができる。この効果は、つば部140が多層の濾材の積層により成形される構成としたことと、補強部136、152を設けたこととにより顕著な効果として現れる。また、補強部136は空気通路中に横断配置される濾過部120の変形防止に有効である。
【0037】
また、つば部140の外周に弾力性のあるシール部150を濾材110で成形したため、シールゴムのような特別のシール部品を必要とせずにハウジング161、162に対して組み付けることができる。
なお、以上に述べた実施例では、長方形濾材の波状部の各山部の両側を押しつぶしてつば部を成形するものを説明したが、波状濾材を環状、扇状に湾曲させた後に、その周辺に位置する山部の側部を押しつぶしてつば部を成形してもよい。
【0038】
また、上記実施例ではつば部を濾過部の外周に設けられたハウジング内における濾過部の保持部としてだけでなく、シール部としての機能も付与しているが、シールゴムなどの付加的なシール部材を設けてもよい。その場合、つば部にシール部材を装着した構成と、ハウジング側にシール部材を装着した構成とのいずれかを採用することができる。
【0039】
さらに、エレメントの強度を向上する構造として、図12に図示されるような形状を採用してもよい。図12は、エレメントの一部のみを示す部分破断図である。この図12に図示されるエレメント190は、波状の濾過部の波の並び方向に沿って補強部191を有している。なお、この補強部191は、図12の断面部に図示されるように濾過部192の濾材の厚さより薄くされており、主繊維が溶融して硬化されている。
【0040】
さらに、エレメントの強度を向上する構造として、図13に図示されるような形状を採用してもよい。図13は、エレメントの一部のみを示す部分破断図である。この図13に図示されるエレメント194は、波状の濾過部の各山部195の両閉塞側面196、197の主繊維を溶融させ圧縮して硬化させて補強部としている。なお、このエレメント195の各部の濾材の厚さは、図13の断面部に図示されるように、濾過部198、つば部199、閉塞側面196、197の順で薄くされている。
【0041】
なお、以上に述べた補強部136、152、191、196、197を単独もしくは組み合わせて採用して適宜エレメントの補強を図ってもよい。
また、上記実施例では、濾過部内とつば部内とに各々独立して補強部を設けたが、つば部から濾過部内にかけて連続した補強部を成形してもよい。
また、上記実施例では、つば部の広がる平面から片面側にのみ袋部が突出する構成としたが、つば部の広がる平面から両側に向けて袋部が交互に突出して波状の濾過部を構成するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施例では、濾過部の波の高さ方向に沿って中間体の側部を押しつぶして、山部両側の閉塞とつば部の成形とを同時に行ったが、山部の閉塞を波の並び方向に沿った濾材の変形により行ってもよい。また、濾過部の両側は、上記実施例では山部の頂上から谷底までが両側に開放された形状であったが、中間体を成形する過程で、山部間の谷部の両側を閉塞するように濾材を変形させてもよい。このような構成を採用すると、濾過部の波方向に沿った柔軟性が損なわれる反面で、濾過部の剛性が高まるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、エレメントの斜視図である。
【図2】図2は、エレメントの断面図である。
【図3】図3は、エアクリーナの分解斜視図である。
【図4】図4は、製造工程を説明する流れ図である。
【図5】図5は、成形工程を説明する分解斜視図である。
【図6】図6は、成形過程を説明する断面図である。
【図7】図7は、成形過程を説明する断面図である。
【図8】図8は、成形過程を説明する断面図である。
【図9】図9は、成形過程を説明する断面図である。
【図10】図10は、成形過程を説明する断面図である。
【図11】図11は、成形過程を説明する断面図である。
【図12】図12は、変形例を示す部分破断図である。
【図13】図13は、変形例を示す部分破断図である。
【符号の説明】
100 エレメント
110 濾材
120 濾過部
122 袋部
124 山部
126 閉塞端面
128 閉塞端面
130 斜面
132 斜面
134 谷底
136 補強部
140 つば部
142 端部の辺
144 端部の辺
146 側部の辺
148 側部の辺
150 シール部
152 補強部
160 エアクリーナ
161 ダスティサイドハウジング
162 クリーンサイドハウジング
180 中間体
182 下型
184 上型

Claims (8)

  1. 同一の濾材から成形され、波板状の濾過部と、この濾過部の各山部の側面を閉塞する閉塞部と、前記濾過部を取り囲んで取付け平面に沿って広がり、前記濾過部を支持するつば部とを有するフィルタエレメントにおいて、
    前記濾材は熱により溶融する繊維を含み、前記濾材には、前記繊維を加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように形成された補強部が部分的に成形され、
    前記つば部は、前記濾過部から連続する濾材を折り重ねて多層に積層して板状に形成されるとともに、前記つば部の外周に弾力性のあるシール部分と該シール部分の内側に該シール部より薄く成形された前記補強部とを備えていることを特徴とするフィルタエレメント。
  2. 前記つば部は、前記濾過部の山部の側部において、前記濾過部から連続する前記濾材が折り重ねて積層されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタエレメント。
  3. 前記つば部は、前記濾過部のために成形された山部をその高さ方向に押しつぶして積層されていることを特徴とする請求項2記載のフィルタエレメント。
  4. 前記つば部は、濾過部の波に対する端部において、前記濾材を折り重ねて均一の厚さに積層されていることを特徴とする請求項1または3記載のフィルタエレメント。
  5. 前記濾材は熱により溶融する接着繊維を含み、前記つば部の積層された濾材間が少なくとも前記接着繊維により接着されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のフィルタエレメント。
  6. 前記補強部は、前記濾過部の山部の稜線部において加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項5に記載のフィルタエレメント。
  7. 熱により溶融する接着繊維と熱により溶融する繊維とを含む、同一の濾材から成形され、波板状の濾過部と、この濾過部の各山部の側面を閉塞する閉塞部と、前記濾過部を取り囲んで取付け平面に沿って広がり、前記濾過部を支持するつば部とを有するフィルタエレメントの製造方法において、
    濾材を波板状の中間体に加工する第1工程と、
    前記中間体の両方の側部を変形させて波の側部を閉塞するとともに、前記側部の閉塞に要する濾材よりさらに外側に位置する濾材を折り曲げ変形させて積層して前記つば部を成形する第2工程と
    加熱することで前記接着繊維を溶融させ前記つば部の積層された濾材間を接着させる第3工程と、
    前記つば部の外周に弾力性のあるシール部分および該シール部分の内側に該シール部分より薄い補強部となるように加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように前記補強部を成形する第4工程とを有することを特徴とするフィルタエレメントの製造方法。
  8. 前記濾過部の山部の稜線部において加熱圧縮することにより前記繊維を溶融させ前記濾過部よりも薄くなるように補強部を成形する第5工程をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のフィルタエレメントの製造方法。
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