JP3800760B2 - 自動販売機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のコラムを備えた自動販売機(以下、自販機)の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自販機の商品収納庫(コラム)の商品搬出機構には、売切スイッチやモータ作動スイッチなどのスイッチ類がコラムごとに設置されている。このスイッチ類の信号線(制御線)は、搬出機構を制御する搬出ボックスに設けられた端子板などの入力ポートに接続される。このとき、各制御線は搬出機構ごとに割り付けられたコラムNOに従って接続され、各コラムNOに対応する入力ポートは各コラムNO専用として固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自販機の制御装置には次の問題がある。
上述のように、入力ポートに対し各スイッチのコラムNOの割り付けが固定されているため、スイッチ類と搬出ボックス間の配線構成は、コラムの配置条件つまりコラムと搬出ボックスとの位置関係などの構造的な要因により大きく左右される。すなわち、配線構成が、入力ポートの端子割り付けと複数コラムの構成や、配線スペースなどの物理的条件により決まることが多い。
【0004】
一方、コラムの構成を決めるときは、各コラムと入力ポート間の配線の都合などよりも、商品の収納や搬出位置などのほうが優先されることが多いので、配線構成に設計上の自由度が少なかった。このため、ワイヤハーネスの引き回しが複雑になり、例えば共通線が利用できないなど効率の悪い配線になり、配線の肥大化、コスト増加の要因になっていた。この不都合は、例えば、たばこ自販機などのようにコラムNOが自販機の機種ごとに異なる自販機では大きくなる。
【0005】
この発明の課題は、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けを任意に選べ、搬出ボックスなどの制御ユニットと各コラム間との配線の設計自由度を向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1による自販機の制御装置は、制御コラムNOに基づいて販売制御を行うマスタ制御部と、実コラムNOに基づいて複数の各コラムに設置されたスイッチの制御を行うスレーブ制御部とで構成される自販機の制御装置において、各コラムのスイッチ入力はスレーブ制御部のコラムごとに定められた入力ポートに電線でマトリックス方式にて接続され、スレーブ制御部は、各スイッチの実コラムNOをマスタ制御部へ伝送するとともに、マスタ制御部から伝送された各スイッチの実コラムNOを受信して各コラムのスイッチを制御し、マスタ制御部は、各スイッチの実コラムNOと制御コラムNOとの対応を示す複数の変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、スレーブ制御部から伝送された各スイッチの実コラムNOを前記複数の変換テーブルの中より選択された変換テーブルに従って制御コラムNOに変換するとともに、制御コラムNOを変換テーブルに従って実コラムNOに変換してスレーブ制御部へ伝送する。
【0007】
これにより、マスタ制御部に置かれた変換テーブルによって、実コラムNOと制御コラムNOとの対応を任意に決められるので、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けが任意に選べる。発明2による自販機の制御装置は、制御コラムNOに基づいて販売制御を行うマスタ制御部と、実コラムNOに基づいて複数の各コラムに設置されたスイッチの制御を行うスレーブ制御部とで構成される自販機の制御装置において、各コラムのスイッチ入力はスレーブ制御部のコラムごとに定められた入力ポートに電線でマトリックス方式にて接続され、スレーブ制御部は、各スイッチの実コラムNOと制御コラムNOとの対応を示す複数の変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、各スイッチの実コラムNOを前記複数の変換テーブルの中より選択された変換テーブルに従って制御コラムNOに変換してマスタ制御部へ伝送するとともに、マスタ制御部から伝送された各スイッチの制御コラムNOを変換テーブルに従って実コラムNOに変換して各コラムのスイッチを制御する。
【0008】
これにより、スレーブ制御部に置かれた変換テーブルによって、実コラムNOと制御コラムNOとの対応を任意に決められるので、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けが任意に選べる。また、発明1及び発明2によれば複数種類の変換テーブルが記憶できるので、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けが任意に選べるとともに、例えばコラム割り付けの異なる自販機に対応した運用などが容易に行なえる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態を示す構成図である。
1は自販機全体を制御するマスタボックス(マスタ制御部)であり、2はマスタボックス1との間でデータを送受してコラムの商品搬出を制御する搬出ボックス(スレーブ制御部)である。
【0012】
マスタボックス1は、CPU3、制御プログラムや後記する変換テーブルなどを記憶するROM4、および種々のデータを記憶するRAM5を備えている。また、マスタボックス1には、データ設定入力用のキーボード6、貨幣処理装置7、および商品選択ボタン8(この図では♯1,♯2,♯3)が接続される。
搬出ボックス2は、搬出ボックス側CPU9、搬出ボックス側ROM10、搬出ボックス側RAM11を備えている。また、搬出ボックス2には、後記する変換テーブルのパターンを切り替えるための構造モード切替スイッチ12、コラムの商品を搬出する搬出機構13、およびその他の販売機構14が接続される。
【0013】
搬出機構13は、コラム搬出装置,売切/自走スイッチ,ベンドモータなどで構成される。また、搬出ボックス2の入力ポート15には、搬出機構13内のスイッチ類と搬出ボックス2間でデータを送受する制御線が、後記する搬出スイッチ入力回路(図1には示していない)を介して接続される。
なお、構造モード切替スイッチ12には、通常の機械的な切替スイッチを用いてもいいが、マスタボックス1に接続されているキーボード6から変換テーブルのパターンを選択入力するようにしてもいい。また、構造モード切替スイッチ12はマスタボックス1側に接続することもできる。
【0014】
図2は、搬出機構13のコラム構成と、各コラムのスイッチ類と搬出ボックス2との接続を示す例である。各数字は各コラムNO(実コラムNO)を表わす。この図2では、コラム構成は、コラム群13A,13B,13Cで構成されている。また、配線のレイアウトが自販機の構造上の制約から、配線A,B、Cに区分された場合を示す。すなわち、例えばコラム群13AのコラムNO1からNO4、およびコラムNO13からNO16の各コラムが、配線Aとして同じワイヤハーネスを用いている。なお、図中の括弧付き数字は、後記する変換テーブルで読み替えるときのコラムNOであり、マスタ制御部が自販機の制御を行うときの制御コラムNOとなる。
【0015】
図3は、図2に示したコラム構成のとき、搬出ボックス2の入力ポート15(図1)へのスイッチ読み込み回路の例である。スイッチ入力は、前方搬出側の売切スイッチ(前)入力、後方搬出側の売切スイッチ(後)入力、および自走スイッチ入力の場合を示す。このスイッチ入力回路は、通常用いられるいわゆるマトリクス方式であり、例えば、比較的コラム数の多いたばこ自販機などでも用いられる。この図3で、制御線に示した数字はコラムNOを示し、各スイッチに対し図のように割り当てられているものとする。また、縦線はそれぞれの共通制御線を示す。
【0016】
図4は、上記の読み込み回路の場合の、図1のマスタボックス1のROM4に記憶される変換テーブルの例である。ここでは、売切スイッチデータとコラムNO変換テーブル、および搬出指令によるコラムNO変換テーブルを示す。例えば、売切れスイッチで実際のコラムがコラムNO9で読み込まれたときは、CPU3は、売切スイッチデータとコラムNO変換テーブルに従って、この制御コラムNOはコラムNO2と認識する。
【0017】
変換テーブルは、自販機の構造や機種によって異なるので、変換テーブルとして複数種類のパターンを記憶させておき、構造モード切替スイッチ12またはキーボード6によりあらかじめその機種用に設定しておく。
なお、図4で、RAM5に記憶されたデータは、上記のようにして変換テーブルによりCPU3が認識したコラムNOの売切状態を例示したものである。
【0018】
以上のような構成の場合、従来の接続方法のようにコラムNOそのままに結線すると、配線A,配線B,配線C部の制御線は最低26本必要になる(図2)。すなわち、図2,3を参照すると、例えば配線A部についての制御線本数は、図3によりコラムNO1から4までについて4本(横線)であり、これが前方搬出側と後方搬出側の売切れスイッチ入力、および自走スイッチ入力それぞれに対して必要なので合計12本必要となる。さらに、これに対しての共通線(縦線)が1本必要なので合計13本必要である。同様にして、コラムNO13から16までについても13本必要なので、総計26本となる。
【0019】
ところが、この発明では、上述の変換テーブル(図4)に従って実際のコラムNOと入力ポートに接続された制御線のコラムNOとを、図2に示した括弧付き数字を参照して上述と同様に読み替えることによって、配線A,配線B,配線C部のスイッチ制御線が11本で済むことが分かる。
このように変換テーブルを用いれば、搬出機構のコラムNOを任意に変換して自販機の販売制御ができる。例えば、搬出ボックス2から送信されるNO9コラムの売切れスイッチデータを、NO2コラムのデータとしてRAM5に記憶し売切ランプなどの制御データとする。また、NO2コラムの商品を搬出させるには、搬出ボックス2に対してNO9コラムを搬出させる指令を出せばいい。
【0020】
なお、上記より分かるように、変換テーブルは、上記のようにマスタボックス1側(ここでは、ROM4)に持たせてもいいが、搬出ボックス2側(搬出ボックス側ROM10)に持たせてもいい。図5は、変換テーブルを搬出ボックス2側に持たせたときの変換テーブルの例である。ここでは、搬出リレーNOに対する、前方と後方搬出側の売切れスイッチ、および自走スイッチNOの変換テーブル、および売切れスイッチデータのコラムNOのマスタボックス1への送信時変換テーブルを示す。
【0021】
このように、変換テーブルを搬出ボックス2側に持たせた場合は、上述の例で説明すれば、搬出ボックス2はNO9コラム用の売切れスイッチ入力ポートから読み込んだデータを、NO2コラムのデータとしてマスタボックス1へ送信すればいい。また、搬出ボックス2に対してマスタボックスからNO2コラムの搬出指令が出たときは、NO9コラム(搬出リレーNO)を搬出する。
【0022】
なお、上述したように変換テーブルを複数パターン用意したとき、構造モード切替スイッチ12として機械的な切替スイッチを用いれば、RAMのバックアップ用の電池切れなどで記憶データが消えることに対応できる。
図6、図7は、この発明による制御装置の主要動作を示すフローチャートである。図1から図5を参照して動作を説明する。ここで、変換テーブルを、図6ではマスタボックス1(ROM4)に、図7では搬出ボックス2(搬出ボックス側ROM10)に持たせた場合の動作を示す。なお、上述したように、変換テーブルとして、構造モード切替スイッチ12により、対象自販機用のパターンの変換テーブルを選択しておく。また、ここでは、売切スイッチについての動作を説明するが、他のスイッチでも同様である。
(1)発明1,3,4について
図6において、マスタボックス1のCPU3は、構造モード切替スイッチ12により選択されている変換テーブルのパターンを読み取り(ステップS61)、ROM4からその変換テーブルを選択しRAM5へ記憶させる(ステップS62)。
【0023】
搬出ボックス2から売切データ入力があったときは(ステップS63,分岐Y)、その入力データのコラムNOを上記変換テーブルに従って変換し(ステップS64)、その売切れデータをRAM5に記憶して(ステップS65)、ステップS66へ進む。このRAM5のデータに基づいて、例えば売切ランプ(図示していない)を点灯させたりする。売切れデータ入力がないときは(ステップS63,分岐N)、そのままステップS66へ進む。
【0024】
ステップS66では、CPU3は、商品選択ボタン8により販売要求があったかどうかを判断し、あれば(分岐Y)、RAM5に記憶した変換テーブルに従ってコラムNOを変換し(ステップS67)、変換したコラムNOにより搬出ボックス2に商品搬出を指令して(ステップS68)、一連の動作を終了する。販売要求がなければ(ステップS66,分岐N)、そのまま終了する。
【0025】
以上の動作により、変換テーブルによってコラムNOを設定することにより、実コラムNOを変えることなく、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けを任意に選べるようになる。
(2)発明2,3,4について
図7において、搬出ボックス2の搬出ボックス側CPU9は、構造モード切替スイッチ12により選択されている変換テーブルのパターンを読み取り(ステップS71)、搬出ボックス側ROM10からその変換テーブルを選択し搬出ボックス側RAM11へ記憶させる(ステップS72)。
【0026】
次に、搬出ボックス2は、売切れスイッチのデータを読み込み(ステップS73)、その入力データのコラムNOを上記の変換テーブルに従って変換し(ステップS74)、その売切れデータをマスタボックス1へ送信する(ステップS75)。
次に、マスタボックス1から商品搬出要求があるかどうかを判断し(ステップS76)、なければ(分岐N)そのまま終了し、あれば(分岐Y)、要求のあった搬出コラムNOを、ステップS72で選択した変換パターンで変換したコラムNOの入力ポートで読み込み、そのコラムNOの商品を搬出する(ステップS77)。なお、その際、ベンドモータなどの搬出アクチュエータは指令されたコラムNOそのままで搬出するが、自走スイッチは搬出コラムNOをS72で選択した変換パターンで変換したコラムNOの入力ポートで読み込む。
【0027】
以上の動作により、変換テーブルを搬出ボックス側に持っても、変換テーブルのコラムNO設定により、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けを任意に選べるようになる。
【0028】
【発明の効果】
この発明によれば、マスタ制御部またはスレーブ制御部に実コラムNOと制御コラムNOとの変換テーブルを複数パターン用意してあらかじめ選択して置くことにより、実コラムNOと制御コラムNOとの対応を任意に決められるので、入力ポートに対して固定されていたコラムNOの割り付けを任意に選ぶことができ、搬出ボックスなどの制御ユニットと各コラム間との配線の設計自由度が向上する。
【0029】
この結果、スイッチ類と搬出ボックス間の配線構成が、入力ポートの端子割り付けと複数コラムの構成や、配線スペースなどの物理的条件に左右されにくくなる。したがって、ワイヤハーネスの引き回しが簡素化でき、省線化、小型化した配線設計ができるようになり、低価格化や省資源化にも結びつく。また、上記配線の設計自由度の向上とともに、自販機の機種により異なるコラム割り付けの違いに容易に対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す構成図
【図2】コラム構成とスイッチ類/搬出ボックスの接続例を示す図
【図3】スイッチ入力回路の例を示す図
【図4】マスタボックスに置かれた変換テーブルの例を示す図
【図5】搬出ボックスに置かれた変換テーブルの例を示す図
【図6】発明1の動作を示すフローチャート
【図7】発明2の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1…マスタボックス、2…搬出ボックス、3…CPU、4…ROM、5…RAM、6…キーボード、7…貨幣処理装置、8…商品選択ボタン、9…搬出ボックス側CPU、10…搬出ボックス側ROM、11…搬出ボックス側RAM、12…構造モード切替スイッチ、13…搬出機構、14…その他の販売機構、15…入力ポート。

Claims (2)

  1. 制御コラムNOに基づいて販売制御を行うマスタ制御部と、実コラムNOに基づいて複数の各コラムに設置されたスイッチの制御を行うスレーブ制御部とで構成される自動販売機の制御装置において、
    各コラムのスイッチ入力はスレーブ制御部のコラムごとに定められた入力ポートに電線でマトリックス方式にて接続され、
    スレーブ制御部は、各スイッチの実コラムNOをマスタ制御部へ伝送するとともに、マスタ制御部から伝送された各スイッチの実コラムNOを受信して各コラムのスイッチを制御し、
    マスタ制御部は、各スイッチの実コラムNOと制御コラムNOとの対応を示す複数の変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、スレーブ制御部から伝送された各スイッチの実コラムNOを前記複数の変換テーブルの中より選択された変換テーブルに従って制御コラムNOに変換するとともに、制御コラムNOを変換テーブルに従って実コラムNOに変換してスレーブ制御部へ伝送することを特徴とする自動販売機の制御装置。
  2. 制御コラムNOに基づいて販売制御を行うマスタ制御部と、実コラムNOに基づいて複数の各コラムに設置されたスイッチの制御を行うスレーブ制御部とで構成される自動販売機の制御装置において、
    各コラムのスイッチ入力はスレーブ制御部のコラムごとに定められた入力ポートに電線でマトリックス方式にて接続され、
    スレーブ制御部は、各スイッチの実コラムNOと制御コラムNOとの対応を示す複数の変換テーブルを記憶する記憶手段を備え、各スイッチの実コラムNOを前記複数の変換テーブルの中より選択された変換テーブルに従って制御コラムNOに変換してマスタ制御部へ伝送するとともに、マスタ制御部から伝送された各スイッチの制御コラムNOを変換テーブルに従って実コラムNOに変換して各コラムのスイッチを制御することを特徴とする自動販売機の制御装置。
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