JP3800486B2 - 車両用音響装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用電子機器に関し、例えば、カセットテープ、CD及びMD等のプレーヤ(再生装置)の動作を、操作者が操作パネルにて集中的に操作できるようにした車両用音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば代表的な車両である自動車においては、各種の電子機器が搭載されており、このような車両用音響装置の一例として、本願出願人による先行する特開平11−31087号には、エアコン制御モジュールやカーオーディオ制御モジュール等の複数の電装ユニットを統括制御するセンターモジュールにおいて、それら電装ユニットの故障診断を行い、故障を検出したときにはその旨を表示する電子機器が開示されている。
【0003】
また、特公昭61−32173号には、アンチスキッド制御、エンジン燃焼制御、車速制御等の車両の挙動を制御する複数の制御ユニットがそれぞれ自己診断を行うと共に、それら制御ユニットにて検出された故障情報が管理装置に伝達され、その管理装置において各制御ユニットの故障情報の集中的な記憶・表示を行う異常表示装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のうち前者によれば、故障が発生した時点でその旨を乗員に報知することは可能であるが、発生した故障の状態は保存されないため、ディーラ等のサービス拠点においては、顧客からの口頭の情報によっては、発生している障害を迅速に発見できないことも想定される。
【0005】
これに対して、上記従来例のうち後者によれば、管理装置内のメモリにおいて故障情報が集中的に記憶されるため、そのメモリ内の記憶情報を読み出せばメンテナンス時の障害原因の追求を容易に行うことができる。しかしながら、メモリの記憶容量には制限があるので、メンテナンスのためにサービス員によって行われる故障診断操作の結果、当該メモリ内に新たに故障情報が記憶される場合には、本来必要な故障情報が削除されてしまうことも想定され、メンテナンス時の故障診断の支援性に優れる装置とは言えない。また、故障情報の記憶だけのためにメモリを設けるのでは、コスト低減の障害になる。
【0006】
また、発生した故障が同一の事象であっても、サービス員に必要な情報が全て乗員にとって必要な訳ではない。
【0007】
また、ある機能が故障した状態であっても、その他の機能が動作可能であれば、その故障に関する情報を常時表示するとかえって利便性を損なうことになる。このことは、監視対象の電子装置が車両が安全に走行する上で致命的な障害とはならない、例えばカーステレオ等の音響装置の場合に顕著になると言える。
【0008】
そこで、上記従来例に提案されている技術に対して、本願では、車両用電子装置の中でも最も一般的な、カセットテープ等の再生装置やラジオ受信機等からなる音響装置に着目し、その音響装置に起こった故障状態の迅速な把握、並びに故障診断の支援性の向上を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両用音響装置は、以下の構成を特徴とする。
【0010】
即ち、所定の第1動作制御機能に故障が発生したときに、その故障に関する情報を不揮発性メモリに記憶する自己診断手段と、操作スイッチに対して所定の第1操作が行われるのに応じて、前記不揮発性メモリに記憶された故障に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段と、所定の第2動作制御機能に故障が発生しているか否かの判断を支援すべく、前記操作スイッチに対して所定の第2操作が行われるのに応じて、前記第2動作制御機能の動作状態を表わす出力信号を、所定の出力装置に出力する故障診断支援手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記の装置構成において、前記故障診断支援手段は、前記動作状態を表わす出力信号を前記所定の出力装置に出力するに際して、その動作状態を表わす情報は前記不揮発性メモリに記憶しないほうが良い。
【0012】
また、例えば前記車両用音響装置は、前記所定の第1及び第2操作を、入力された前記操作スイッチの組み合わせ操作によって判別すると良い。
【0013】
また、例えば前記所定の出力装置は、前記表示装置またはスピーカであって、前記故障診断支援手段は、前記所定の第2動作制御機能に故障が発生しているか否かの判断を支援すべく、
所定の表示機能を判断可能に前記表示装置を表示させる、
ファンクションスイッチの機能を判断可能に前記スピーカを駆動する、
ラジオ信号の受信強度を判断可能に前記表示装置を表示させる、
アンテナの動作制御機能を判断可能に前記表示装置を表示させる、
或いは、アンプの出力動作制御機能を判断可能に前記表示装置を表示させると良い。
【0014】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、過去に起こった故障状態の迅速な把握、並びに故障診断の支援性の向上が可能な車両用音響装置の提供が実現する。
【0015】
即ち、請求項1の発明によれば、所定の第1操作に応じた表示により、過去に起こった故障状態の迅速に把握できると共に、所定の第2操作に応じた出力動作により、故障診断の支援性の向上させることができる。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、既に記憶している故障情報が削除されるのを防止することができると共に、記憶容量の比較的小さい不揮発性メモリを採用することができる。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、車両用音響装置として設けられている操作スイッチを利用して、多様なパターンの入力操作を行うことができる。
【0018】
また、請求項4乃至請求項6の発明によれば、故障診断作業時の利便性が向上する。
【0019】
また、請求項7の発明によれば、作業員は、特別な検査装置を試用することなく、故障判断を容易に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用音響装置の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
<装置構成>
図1は、本実施形態における車両用音響装置の分解図である。図2は、本実施形態における車両用音響装置の操作パネルの正面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両用音響装置は、カセットテープ或いはミニディスク(MD)等の所定の情報形態の音響情報が格納された記憶媒体から音響情報を読み出し、音声や楽曲等として再生する第1音響再生ユニット20と、コンパクトディスク(CD)等の記憶媒体に記憶された情報を読み出して再生する第2音響再生ユニット30と、これら第1及び第2音響再生ユニット20,30を統括して制御すると共に、AMやFM等の周波数帯域の一般的なラジオチューナ機能を音響再生機能の1つとして有する制御ユニット40と、第1及び第2音響再生ユニット20,30、並びに制御ユニット40を車両の乗員により集中的に操作可能な操作パネル10とを備え、これらの各ユニットは、操作パネル10を車室内側に臨ませて操作パネル10の裏側に配置されている。
【0023】
より具体的に説明すれば、第1音響再生ユニット20は、カセットテーププレーヤ、MDプレーヤ、或いは同じサイズの音響再生装置であり、カセットテープやMD等の所定の情報形態の音響情報が格納された記憶媒体から音響情報を読み出し、音響信号として再生すると共に、その音響信号を通信ライン(バス)を介して制御ユニット40に出力する。
【0024】
また、第2音響再生ユニット30は、第1音響再生ユニット20の記憶媒体より大きなサイズの記憶媒体に記憶された音響情報を読み出し、音響信号として再生すると共に、その音響信号を通信ライン(バス)を介して制御ユニット40に出力する。この第2音響再生ユニット30としては、CDプレーヤや複数のCDを収納可能なCDチェンジャ機能付きCDプレーヤ等が想定される(複数のMDを収納可能なMDチェンジャ機能付きMDプレーヤであっても良い)。
【0025】
尚、第1及び第2音響再生ユニット20,30は、記憶媒体に情報を書き込む機能を有する場合もある。
【0026】
操作パネル10の車室内側に臨む一側面には、図2に示すように、ラジオ、CD、カセットテープ、MD等の各機能の操作を乗員が行うことができる操作スイッチ11、それら各機能の動作モードを表示するLCD等のパネル表示装置12、並びに、第2音響再生ユニット30に記憶媒体を挿入または排出するためのパネル連通孔14が配設されている。
【0027】
また、パネル表示装置12には、各ユニットの表示データ、後述する故障情報及び故障診断を支援するための情報が、セグメント及びキャラクタで表示される。
【0028】
操作パネル10には、車体に着脱可能に固定されるベースシャシー1が着脱自在に取り付けられ、第1及び第2音響再生ユニット20,30、並びに制御ユニット40は、ベースシャシー1に着脱自在に固定され、かつ操作パネル10の他側面に配設されている。
【0029】
また、ベースシャシー1は、図3に示すインストルメントパネルPの取付凹部P1に着脱自在に取り付けられている。
【0030】
制御ユニット40は、ベースシャシー1に着脱自在に固定され、かつ操作パネル10に設けられた各種操作スイッチ11における入力操作に対応した制御信号を、第1及び第2音響再生ユニット20,30に適宜選択して出力する。
【0031】
制御ユニット40は、操作パネル10と第1及び第2音響再生ユニット20,30との間で通信ラインによって通信可能に接続されており、制御ユニット40は、本実施形態では一例として操作パネル10の他側面において第1及び第2音響再生ユニット20,30の間に配置されている。
【0032】
第1音響再生ユニット20は、筐体部20Aと、この筐体部20Aから車室内側に突出する車室側面部20Bとから構成されている。
【0033】
操作パネル10には、当該パネルに一体的に一対の突出部15が形成され、この一対の突出部15は、車室内側から見て第1音響再生ユニット20の車室側面部20Bの周縁部やテキスト表示装置22を取り囲むと共に、車室内に臨ませるための凹部を形成し、一対の突出部15の少なくとも一方には操作スイッチ11として音響機能における音量を調整するための音量スイッチが配設される。
【0034】
これにより、第1音響再生ユニット20の車室側面部20Bの両側に存在するデッドスペースに操作スイッチを配設して省スペース化が図れ、操作パネル10との一体感を醸し出して外観の見栄えが向上する。
【0035】
図3は、本実施形態の車両用電子制御ユニットの車室内への取付構造を示す図である。
【0036】
図3に示すように、ベースシャシー1により固定された操作パネル10、第1及び第2音響再生ユニット20,30、並びに制御ユニット40は、例えばスピードメータ等の計器類が配設される車室内前方のインストルメントパネルPにおける運転席と助手席の間の取付凹部P1に取り付けられ、操作パネル10の操作スイッチ11及びテキスト表示装置22は、乗員により操作可能となっている。操作パネル10は、一般的なカーオーディオシステムに採用されているところの、音響機器単位で設けられている操作スイッチ類を廃止し、代わりに各音響再生機能を統括して操作可能となっている。
【0037】
図4は、本実施形態に係る車両用音響装置の電気的な制御機能を示すブロック構成図である。
【0038】
同図に示すように、操作パネル10と制御ユニット40とは、操作パネル10側のコネクタ13と制御ユニット40のコネクタ43の間を接続する通信ライン(バス)により電気的に結線され、操作スイッチ11より入力された操作信号は、制御ユニット40の動作を司るCPU46に入力される。CPU46は、操作スイッチ11より入力された操作信号に対応した制御信号により、操作パネル10のパネル表示装置12の表示制御を行う。
【0039】
また、制御ユニット40と第2音響再生ユニット30とは、制御ユニット40側のコネクタ44と第2音響再生ユニット30側のコネクタ31aとの間を接続する通信ラインにより電気的に結線され、操作スイッチ11より入力された操作信号は、制御ユニット40のCPU46に入力され、その操作信号に対応した制御信号が、第2音響再生ユニット30に対して出力される。このとき、CPU46は、第2音響再生ユニット30の動作モードに応じて、パネル表示装置12の表示を制御する。第2音響再生ユニット30は、入力された制御信号に応じて、自音響再生ユニットにおける一般的な再生動作を行い、再生された音声信号は、制御ユニット40に対して出力される。
【0040】
また、制御ユニット40と第1音響再生ユニット20とは、制御ユニット40側のコネクタ45と第1電子制御ユニット20側のコネクタ21aとの間を接続する通信ラインにより電気的に結線され、操作スイッチ11より入力された操作信号は、制御ユニット40のCPU46に入力され、その操作信号に対応した制御信号が、第1音響再生ユニット20に対して出力される。このときCPU46は、第1音響再生ユニット20の動作モードに応じて、パネル表示装置12の表示を制御する。第1音響再生ユニット20は、入力された制御信号に応じて、自音響再生ユニットにおける一般的な再生動作を行い、再生された音声信号は、制御ユニット40に対して出力される。
【0041】
また、制御ユニット40のCPU46は、操作スイッチ11のスイッチ操作に応じて、一般的な増幅器(アンプ)の機能をも有するラジオチューナ47を制御する。ラジオチューナ47が選局すべき周波数に関する情報は、記憶保持のための電源回路を必要としない所謂、不揮発性メモリ(例えばEEPROM)48に記憶されている。そして、当該ラジオチューナにて再生されたラジオの音声(音響)信号、上記の各通信ラインを介して制御ユニット40に入力されたところの、第1及び/または音響再生ユニット20,30にて再生された音声信号の中の何れかの音声信号がCPU46にて選択され、ラジオチューナ47のアンプ機能によって適宜増幅された後、車室内の所定位置に配設された複数のスピーカ50に対して出力される。
【0042】
そして、第1音響再生ユニット20は、操作パネル10と直接的に若しくは間接的に、電気的かつ物理的に着脱可能に構成され、第1音響再生ユニット20が離脱状態のときであっても、本実施形態の車両用音響装置は、少なくとも第2音響再生ユニット30の制御機能を達成し得るように構成されている。これにより、第1音響再生ユニット20がオプション設定されて取り付けられたときであっても、他のユニットに関する表示データの表示エリアもしくは表示時間が必要以上に制限されることがなくなる。
【0043】
また、本実施形態に係る車両用音響装置の特徴的な動作として、第1及び第2音響再生ユニット20,30、並びに制御ユニット40内のラジオチューナ47は、それぞれ所定の周期で、所定の診断項目に対する自己診断を行っており、その診断結果を表わす情報のうち故障情報だけが制御ユニット40内の不揮発性メモリ48に自動的に記憶される(詳細は後述する)。記憶された故障情報は、その故障情報が記憶されたとき(即ち、故障発生時)、或いは、操作パネル10からの所定のスイッチ操作に応じてCPU46によって読み出され、その故障情報を表わす表示内容がパネル表示装置12に表示される(詳細は後述する)。
【0044】
尚、故障情報を記憶するための不揮発性メモリは、そのためだけに別途設けても良いが、本実施形態においては、周波数に関する情報が格納されている不揮発性メモリ48と共用することにより、記憶保持動作が必要なメモリと比較して一般的に価格が高い不揮発性メモリを複数使用することによりコストアップを抑制している。
【0045】
また、当該車両用音響装置の盗難を未然に防止すべく、制御ユニット40内の不図示の不揮発性メモリに予め任意の暗証コードを記憶しておき、所定のタイミング(例えば、イグニッションキースイッチ投入後の初回操作時、或いは車両用音響装置の主電源オン操作時等)に操作パネル10より乗員によって入力されたコードが、当該暗証コードと一致したときだけ動作する防犯システムを採用している場合には、当該暗証コードを記憶するための不揮発性メモリに、故障情報を記憶することにより、コストアップを抑制しても良い。
【0046】
更に、本実施形態に係る車両用音響装置の他の特徴的な動作として、制御ユニット40のCPU46は、操作スイッチ11のスイッチ操作に応じて故障診断支援モードに遷移し、その故障診断支援モードにおいて、制御ユニット40の所定の機能項目に対する故障診断を支援する(詳細は後述する)。
【0047】
尚、本実施形態において、前述した不揮発性メモリ48に記憶された故障情報の表示操作、並びに故障診断支援モードにおける操作は、ディーラ等のサービス拠点における専門知識を有するサービス員に対してのみ開放されるものとするが、ユーザに配布される取り扱い説明書に開放(記載)しても良い。
【0048】
また、第2音響再生ユニット30の記憶媒体に文字情報が含まれる場合には、その文字情報を第1音響再生ユニット20を介してテキスト表示装置22に表示させる。これにより、第2音響再生ユニット30の記憶媒体に文字情報が含まれる場合でも表示を適切に行なえる。
【0049】
<各ユニットの判別>
上述した各ユニットには、当該音響装置の商品性を考慮して、ユーザによる所望のシステム構成を実現させると共に、そのシステム構成を制御ユニット40のCPU46にて識別可能にすべく、デバイスコードとプロダクトコードが付与されている。
【0050】
即ち、デバイスコード(以下の説明または図面において、ユニットコードと称する場合がある)は、例えば、第2音響再生ユニット30としてCDプレーヤが選択されている場合は”03”、MDプレーヤが選択されている場合は”07”等のように、当該音響装置を構成する第1及び第2音響再生ユニット20,30、並びに制御ユニット40として、どのデバイスが選択されているかを認識可能にすべく、それぞれ固有のデバイスコードが付与されている。
【0051】
そしてプロダクトコード(以下の説明または図面において、メーカコードと称する場合がある)は、上記のデバイスコードが同一のグループに属するところの、所定の記憶媒体を再生可能なある種類の音響再生ユニットにおいても、ユーザの所望のシステム構成を実現させるべく、製造元、或いは仕様の異なる型式を判別可能なコードである。より具体的には、このプロダクトコードによれば、例えば第2音響再生ユニット30としてデバイスコード”03”のCDプレーヤが選択されている場合においても、そのCDプレーヤとして、ごく一般的な性能を有する製造元(メーカ)または型式のCDプレーヤが選択されても、或いは豊富なオプション機能を有する高性能な型式のCDプレーヤまたはそのCDプレーヤを製造する製造元(メーカ)が選択されても、CPU46は認識することができる。
【0052】
本実施形態において、これらデバイスコード及びプロダクトコードは、各ユニットが後述する自己診断にて故障を検出したときに、その故障を表わす情報(以下、エラーコード)と共にCPU46に対して送出される。そして、デバイスコード、プロダクトコード、並びにエラーコードを受信したCPU46は、それらのコードを、不揮発性メモリ48に格納する。
【0053】
尚、不揮発性メモリ48には、故障情報と共に、その故障情報が記憶された時刻情報(即ち、故障発生時刻)を格納すると良い。
【0054】
また、当該車両用音響装置を構成する各ユニットのデバイスコード及びプロダクトコードは、CPU46にシステム構成を認識させるべく、制御ユニット40に予め記憶しておき、そのデータを利用しても良い。
【0055】
<各ユニットにおける自己診断機能及び故障情報表示機能>
次に、上述した本実施形態に係る車両用音響装置の装置構成にて概説した各ユニットにおける自己診断機能及び故障情報表示機能の詳細について説明する。
【0056】
(自己診断機能)
図5は、本実施形態に係る車両用音響装置を構成可能な各ユニットにおける自己診断機能を説明する図である。
【0057】
図5の縦の欄には、一例として、制御ユニット40として選択可能な制御ユニット、第2音響再生ユニット30として選択可能なCDプレーヤ(CDーP)ユニット及びCDチェンジャ(CD−C)ユニット、並びに、第1音響再生ユニット20として選択可能なカセットテーププレーヤ(TAPEーP)ユニット及びMDプレーヤ(MDーP)ユニット、の各ユニットに関する故障区分が記載されていると共に、それら各ユニットに共通の区分が記載されている。
【0058】
また、図5の横の欄には、一例として、上記の各ユニットがそれぞれ自ユニット内で所定の時間周期で行うところの所定の自己診断項目、それら自己診断項目にて故障(障害)として検出すべき症状(事象)、その故障の検出方法、並びに、検出した故障を表わす情報(故障情報)が制御ユニット40内の不揮発性メモリ48に格納されるか否か、の各項目が記載されている。
【0059】
各ユニットに共通な事項としては、当該各ユニット毎に所定の自己診断を、所定の時間周期で行い、故障を検出したときには、その故障を特定するエラーコードを、上述したデバイスコード及びプロダクトコードと共に制御ユニット40に対して送出する。そして、制御ユニット40のCPU46は、それら受信したコードを、不揮発性メモリ48に格納する。好適な実施形態においては、当該各ユニットにて故障が検出されなかったときにおいても、制御ユニット40にてシステム全体の作動状況を把握すべく、正常である旨を表わすコードを、デバイスコード及びプロダクトコードと共に制御ユニット40に対して送出すべきである。しかしながら、本実施形態では、受信したコードが自己診断結果が正常である旨を表わすときには、不揮発性メモリ48のメモリ容量を考慮してそれらのコードの記憶は行わない。
【0060】
次に、各ユニットの個別の自己診断項目について説明する。図5に示す各診断項目は、例えばCDプレーヤとしてどの製造元または型式が選択されたとしても共通の項目である。但し、図5に記載した各ユニットの自己診断項目及びその故障診断方法自体は、それぞれ現在では一般的な手法であるため、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0061】
・制御ユニット:
(1)PLL LOCK ERROR検出:ラジオチューナ47による自動選局動作において所定時間が経過してもラジオ信号が受信できない(選局できない)ことを検出する。
【0062】
(2)異常電源電圧検出:ラジオチューナ47内の不図示のアンプモジュール等への電源電圧の変動を検出する。
【0063】
(3)BUS LINE ERROR検出:制御ユニットに接続された他ユニットへの通信ラインの障害を、他ユニットに対して所定時間周期で行っている確認信号の送信に対して、レスポンス信号が未検出になることを検出する。
【0064】
・CDプレーヤユニット、CDチェンジャユニット、MDプレーヤユニット:
(1)MECHANISM ERROR:記憶媒体(CD、MD)の挿入動作または排出動作を所定回数行っても、その動作に移行できないことを検出する(チェンジャユニットの場合は、読み取るべき記憶媒体の変更ができないことも検出する)。
【0065】
(2)SERVO ERROR:挿入されたCDディスクを読み取るに際して、トラックチェンジができないことを検出する。
【0066】
(3)DISC READ ERROR:挿入されたCDディスクを、ピックアップが読み取れないことを検出する。
【0067】
・カセットテーププレーヤユニット
(1)MECHANISM ERROR:テープの挿入動作または排出動作を所定回数行っても、その動作に移行できないことを検出する。
【0068】
(2)TIGHT TAPE ERROR:テープ再生中に回転部品が停止し、音声を再生できないことを検出する。
【0069】
(3)TAPE CUT ERROR:テープ送り中または再生中に、テープが切れたことを検出する。
【0070】
(故障情報表示機能)
次に、故障情報表示機能について説明する。
【0071】
制御ユニット40のCPU46は、第1及び第2音響再生ユニット20,30、或いは図5を参照して上述した制御ユニット40自身の自己診断項目において故障が発生したことを、デバイスコード、プロダクトコード、エラーコードを受信することによって認識すると、それらのコードを上述したように不揮発性メモリ48に記憶すると共に、発生した故障を乗員にリアルタイムに報知すべく、パネル表示装置12に所定のパターンを所定時間にわたって表示する。
【0072】
また、リアルタイムな表示は、運転等により乗員が気がつかない場合が多いので、本実施形態では、故障中の音響再生ユニットを操作するための入力操作が操作パネル10にて行われたことを制御ユニット40にて検出したとき、或いは、故障中の音響再生ユニットへの記憶媒体(CD等)の挿入動作に応じて、その故障中の音響再生ユニットが送信した所定の制御信号を制御ユニット40にて検出したとき等には、その故障中の音響再生ユニットの動作制御を禁止する、或いは、受信した制御信号に応じて正常時には行うべき所定の処理を禁止すると共に、発生している故障を報知するための所定のパターンを、所定時間にわたって改めて表示する。
【0073】
上記の表示処理及び動作制御の規制は、制御ユニット40の不揮発性メモリ48に故障情報を集中的に記憶しているから行える処理であり、これにより、乗員による無理な操作によって故障状態が更に悪化することを防止することができると共に、無駄な操作を繰り返すことなく、利用可能(動作可能)な他の機能を、乗員は迅速に選択することができ、故障発生時における操作性の悪化を最小限にすることができる。
【0074】
上述した2つの場合(故障発生時、該当する操作検出時)におけるパネル表示装置12への故障情報の表示態様は、乗員を対象とするものなので、不揮発性メモリ48に記憶されたコードをそのまま全て表示する訳ではなく、例えば、CDプレーヤが故障している場合、「CHECK CD」等と表示すれば良い。また、パネル表示装置12の表示エリアが小さいときには、前記の例の場合、「CHECK」、「CD」等と複数回に分けて表示する、或いは表示するキャラクタを右端から左端に向かって流す等しても良い。但し、故障情報の表示を行うとかえって乗員を困惑させるであろう故障情報(例えば制御ユニット40にて発生した電源電圧異常やPLL LOCK ERROR等)は表示を行わない。
【0075】
また、不揮発性メモリ48に記憶されたデバイスコード、プロダクトコード、エラーコードの各コードは、操作パネル10に入力された所定の第1操作に応じて当該メモリから読み出され、パネル表示装置12に表示される。表示に際しては、パネル表示装置12の表示エリアの大きさを考慮して、それらのコードを、所定のキー操作(後述する制御処理では第9操作と称し、例えば周波数シークキーの操作等)が行われる度に、例えば新しいデータから順に、パネル表示装置12に表示する。これらのコードの表示は、サービス拠点におけるサービス員を対象とするものであり、表示態様としては、「05 03:Er30」等と同時に表示しても、上記の如く複数回に分けて表示しても良い。これにより、サービス員は、過去に起こった故障状態の迅速に把握できる。尚、所定の第1操作は、操作パネル10に設けられた複数のスイッチの操作の順番、押下継続時間等の組み合わせとして設定すれば良い。
【0076】
本実施形態では、所定の第1操作に応じた表示に際して、プロダクトコードも表示される。このため、サービス拠点におけるメンテナンス時において、個々のユーザによって異なる当該車両用音響装置のシステム構成の確認が迅速に行える。
【0077】
<故障診断支援機能>
次に、上述した本実施形態に係る車両用音響装置の装置構成にて概説した故障診断支援機能(故障診断支援モード)の詳細について説明する。この機能は、サービス拠点における専門知識を有するサービス員が故障診断作業を行うに際して、その作業を支援することを目的とした機能であり、この機能は、操作パネル10に設けられた複数のスイッチの操作の順番、押下継続時間等の組み合わせで予め設定されている所定の第2操作(後述する制御処理では第2乃至第8操作と称し、上述した第1操作とは組み合わせパターンが異なる)が入力されたときに、その入力操作に応じた動作を、制御ユニット40が行うことによる。係る故障診断支援機能によれば、作業員は、特別な検査装置を試用することなく、目視または音声により、故障判断を容易に行うことができる。
【0078】
図6は、本実施形態に係る車両用音響装置にて実行可能な故障診断支援機能を説明する図であり、同図の横の欄には、サービス員による診断項目、検出すべき故障の症状、支援動作として制御ユニット40が行う故障診断の方法(動作)、並びに不揮発性メモリ48への情報記憶の有無、の各項目が記載されている。以下、各診断項目に対応させて説明する。
【0079】
・LCD表示:
パネル表示装置12の動作状態を、サービス員が目視にて確認できるように、パネル表示装置12の表示素子を全てアクティブにする。
【0080】
・ファンクションスイッチ:
操作パネル10に設けられた複数のスイッチの操作認識が正しく行われるかを、サービス員が音声にて確認できるように、何れかのスイッチの操作信号が制御ユニット40に入力されたら、スピーカ50からビープ音等を報知させる。
【0081】
・スピーカ結線:
スピーカ50としての複数のスピーカへの結線の接続不良や断線を、サービス員が音声にて確認できるように、各スピーカに順次ビープ音等を報知させる。
【0082】
・ラジオチューナ:
ラジオチューナ47のRF入力電圧の状態を、サービス員が目視にて確認できるように、当該チューナのS−METER電圧を、パネル表示装置12内の例えば表示素子12aのバー表示の長さ(個数)にて表示する。
【0083】
・ダイバーシティ機能:
ラジオチューナ47に接続された不図示のメインアンテナ及びサブアンテナの切り替え機能を、サービス員が所定の第2操作によって手動にて切り替え可能とする。この場合サービス員は、ダイバーシティ機能動作時との受信性能差をスピーカ50から出力される音声状態によって判断する。
【0084】
・アンテナ制御機能:
ラジオチューナ47に接続された不図示のアンテナがラジオモードにおいて自動的に昇降するかを、サービス員が目視にて確認できるように、パネル表示装置12にアンテナ制御出力を数値またはバー表示によって表示する。
【0085】
・アンプ制御機能:
本実施形態ではラジオチューナ47内に設けられたアンプモジュールの作動状態を、サービス員が目視にて確認できるように、パネル表示装置12にアンテナ制御出力を数値またはバー表示によって表示する。
【0086】
上述した診断項目は一例であり、これらの項目に限られるものではないが、何れの場合も、不揮発性メモリ48への情報記憶は行わない。これは、故障診断支援機能における動作は、上述したように何れもサービス員が非定常な動作状態で行うものであり、その場で判断できる事項なので、不揮発性メモリ48への記憶を特に必要としないことが主な理由であるが、その他に、自己診断機能によって当該メモリに既に記憶されている故障情報が削除されてしまうことを防止すると共に、書き込み/消去回数に制限があるEEPROMの書き込み回数を抑制することを目的としている。
【0087】
次に、上述した動作を実現する制御ユニット40、第1及び第2音響再生ユニット20,30の制御処理について説明する。
【0088】
<制御ユニット40の制御処理>
図7及び図8は、本実施形態における制御ユニット40の制御処理を示すフローチャートであり、操作パネル10にて電源スイッチが投入されることにより、CPU46が実行を開始する制御プログラムの手順を表わす。
【0089】
まず、図7に示すステップS1からステップS25は、上述した故障情報表示機能を実現するための処理である。
【0090】
ステップS1,ステップS2:今回の制御周期が、電源投入後の1回目の処理(イニシャルスタート)かを判断し、この判断でNOのとき(イニシャルスタートではないとき)にはステップS3に進み、YES(イニシャルスタート)のときには、制御ユニット40に接続された他ユニットの接続状態を検出し、その検出結果を不図示のRAM等に記憶(ステップS2)し、ステップS3に進む。ステップ2では、例えば、他ユニットに対して所定時間周期で行っている確認信号の送信に対して、レスポンス信号が検出できないときには、制御ユニット40に接続されていないと判断し、その接続状態を表わす情報を記憶すれば良い。
【0091】
ステップS3:上述したPLL LOCK ERROR検出を行う。
【0092】
ステップS4,ステップS5:PLL LOCK ERRORが発生しているかを判断し(ステップS4)、この判断でNO(当該エラーが発生)のときにはステップS6に進み、YES(当該エラー発生)のときには、制御ユニット40のデバイスコード、プロダクトコード、PLL LOCK ERRORを表わすエラーコードを、不揮発性メモリ48に記憶し(ステップS5)、ステップS6に進む。
【0093】
ステップS6:上述した異常電源電圧検出を行う。
【0094】
ステップS7,ステップS8:異常電源電圧が発生しているかを判断し(ステップS7)、この判断でNO(当該エラーが発生)のときにはステップS9に進み、YES(当該エラー発生)のときには、制御ユニット40のデバイスコード、プロダクトコード、異常電源電圧を表わすエラーコードを、不揮発性メモリ48に記憶し(ステップS8)、ステップS9に進む。
【0095】
ステップS9:上述したバスラインエラー検出を行う。
【0096】
ステップS10,ステップS11:バスラインエラーが発生しているかを判断し(スップS10)、この判断でNO(当該エラーが発生)のときにはステップS16に進み、YES(当該エラー発生)のときには、ステップS11においてバスラインエラーが発生している通信ラインに応じて、CDプレーヤへの通信ラインにエラーが発生しているときにはステップS12、CDチェンジャ機能付きプレーヤへの通信ラインにエラーが発生しているときにはステップS13、テーププレーヤへの通信ラインにエラーが発生しているときにはステップS14、そしてMDプレーヤへの通信ラインにエラーが発生しているときにはステップS15に分岐する。
【0097】
ステップS16,ステップS17:他ユニットから通信ラインを介して各種コード(デバイスコード、プロダクトコード、エラーコード)を受信したかを判断し(ステップS16)、この判断でNO(受信したコードなし)のときにはステップS20に進み、YES(受信したコード有り)のときには、それら受信したコードを、不揮発性メモリ48に記憶し(ステップS17)、ステップS18に進む。
【0098】
ステップS18,ステップS19:ステップS17にて記憶したエラーコードが、所定の表示パターン(上述した「CKECK CD」等)にてパネル表示装置12にエラーが発生したことを表示すべきエラーコードであるかを判断し(ステップS18)、この判断でNOのとき(所定のコードではないとき)にはステップS20に進み、YESのとき(所定のコードのとき)には、そのエラーコードに対応する所定の表示パターンを、パネル表示装置12に表示し(ステップS19)、ステップS20に進む。
【0099】
ステップS20〜ステップS22:操作パネル10にて所定の第1操作が入力されたかを判断し(ステップS20)、この判断でNO(入力なし)のときにはステップS31に進み、YES(入力有り)のときには、不揮発性メモリ48に記憶されたデバイスコード、プロダクトコード、エラーコードの各コードを不図示のRAM等に読み出し(ステップS21)、所定のキー操作(例えば周波数シークキーの操作等)に応じて、それらのコードをパネル表示装置12に順次表示する(ステップS22)。
【0100】
ステップS23,ステップS24:操作パネル10にて所定の第9操作が入力されたかを判断し(ステップS23)、この判断でNO(入力なし)のときにはステップS25に進み、YES(入力有り)のときには、不揮発性メモリ48に記憶されたデバイスコード、プロダクトコード、エラーコードの各コードをクリアし(ステップS24)、ステップS25に進む。
【0101】
ステップS25:操作パネル10にて電源スイッチがオフにされたかを判断し、この判断でNO(電源スイッチはオン状態)のときにはステップS21に戻り、YES(電源スイッチのオフを検出)のときには処理を終了する。
【0102】
次に、図8に示すステップS31からステップ49は、上述した自己診断支援機能を実現するための処理である。
【0103】
ステップS31〜ステップS44:操作パネル10にて所定の第2乃至第8操作が入力されたかを判断し(ステップS31,ステップS32)、この判断に応じて、ステップS35乃至ステップS44に分岐し、それぞれのステップにおいては、自己診断支援機能として上述したLCD表示等の動作を行う。
【0104】
ステップS45,ステップS46:他ユニットから通信ラインを介して各種コード(デバイスコード、プロダクトコード、エラーコード)を受信したかを判断し(ステップS45)、この判断でNO(受信したコードなし)のときにはステップS47に進み、YES(受信したコード有り)のときには、それら受信したコードを、不揮発性メモリ48に記憶し(ステップS46)、ステップS47に進む。
【0105】
ステップS32:不揮発性メモリ48に記憶されているデバイスコード、プロダクトコード、エラーコードを参照すると共に、故障したユニットを操作するための入力操作が操作パネル10にて行われたときは、上述したように故障を知らせるための「CHECK CD」等と表示を行う。また、故障していないユニットを操作するための入力操作が操作パネル10にて行われたとき、或いは何れのユニットも故障していないときには、その操作に応じた制御信号を当該ユニットに送信することにより、スピーカ50より音声出力を行う等の通常時の動作を行う。
【0106】
ステップS33:ラジオチューナ47に、通常の一般的なラジオチューナとしての動作を行わせる。
【0107】
ステップS47:不揮発性メモリ48に記憶されているデバイスコード、プロダクトコード、エラーコードを参照すると共に、故障したユニットを操作するための入力操作が操作パネル10にて行われたときは、上述したように故障を知らせるための「CHECK CD」等と表示を行う。また、故障していないユニットを操作するための入力操作が操作パネル10にて行われたとき、或いは何れのユニットも故障していないときには、その操作に応じた制御信号を当該ユニットに送信することにより、スピーカ50より音声出力を行う等の通常時の動作を行う。
【0108】
ステップS48:ラジオチューナ47に、通常の一般的なラジオチューナとしての動作を行わせる。
【0109】
ステップS49:操作パネル10にて電源スイッチがオフにされたかを判断し、この判断でNO(電源スイッチはオン状態)のときにはステップS34に戻り、YES(電源スイッチのオフを検出)のときには処理を終了する。従って、本実施形態では、故障診断支援モードに移行したときには、電源スイッチをオフにするまで通常の動作には戻れない処理構成としている。
【0110】
<第1及び第2音響再生ユニット20,30の制御処理>
次に、第1及び第2音響再生ユニット20,30として選択可能なCDプレーヤユニット、CDチェンジャ機能付きプレーヤユニット、カセットテーププレーヤユニット、MDプレーヤユニットの、各CPUが行う制御処理について説明する。
【0111】
図9は、CDプレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートであり、一般的なCDプレーヤとしての動作と、図5を参照して上述したCDプレーヤユニットの自己診断機能とを実現する処理手順を例示している。
【0112】
同図において、ステップS101〜ステップS103:CDプレーヤユニットのメカニズムエラーを検出処理を行うと共に、その処理の結果当該エラーが発生している化を判断し(ステップS101,ステップS102)、その判断でNOのときにはステップS104に進み、YESのときにはメカニズムエラーを表わすエラーコードと共に、CDプレーヤユニットのデバイスコード及びプロダクトコードを、制御ユニット40に対して送信し(ステップS103)、ステップS104に進む。
【0113】
ステップS104〜ステップS106:上記のメカニズムエラーに対する処理と同様な処理を、サーボエラーについて行う。
【0114】
ステップS107〜ステップS109:上記のメカニズムエラーに対する処理と同様な処理を、リードエラーについて行う。
【0115】
ステップS110:通常のCDプレーヤユニットとしての一般的な動作制御(再生、停止、早送り等)を、制御ユニット40から受信する制御信号に応じて行い、リターンする。
【0116】
図10は、CDチェンジャ機能付きプレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートであり、図5を参照して上述したように、図9に示したCDプレーヤユニットの制御処理と略同様な処理構成であるため、重複する説明は省略するが、メカニズムエラーとしてステップS201にて検出すべき項目として、読み取るべきディスクの変更が可能か否かがあり、ステップS210の動作制御においては、読み取るべきディスクの変更が追加される。
【0117】
図11は、カセットテーププレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートであり、図9に示したCDプレーヤユニットの制御処理に準じた処理構成であるが、読み取るべき記憶媒体がテープであるため、各ステップにおける判断事項として、図5を参照して上述したように、テープタイトエラー及びテープカットエラーが検出される。
【0118】
図12は、MDプレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートであり、図5を参照して上述したように、読み取るべき記憶媒体がMDであることを除いて、図9に示したCDプレーヤユニットの制御処理と略同様な処理構成であるため、重複する説明は省略する。
【0119】
尚、上述した本実施形態では、音響再生ユニットととして第1及び第2音響再生ユニット20,30の2つを選択可能な音響装置を例に説明したが、この構成に限られるものではなく、3種類以上選択可能なシステムであっても、或いは1種類だけ選択可能なシステムであっても良い。
【0120】
また、上述した本実施形態では、制御ユニット40内に音響再生ユニットの1つとしてラジオチューナ47を備える場合を例に説明したが、この構成に限られるものではなく、ラジオチューナ機能を1つの音響再生ユニットとして選択可能なシステム構成であっても、或いは他の音響再生機能(例えばカセットテープの再生機能)が制御ユニット40内に備えられたシステム構成であっても良い。
【0121】
また、上述した本実施形態では、各ユニット間の通信ラインを、図4に示すように、制御ユニット40のCPU46を中心とする形態としたが、この構成に限られるものではなく、通信ラインの形態として所謂車内LANを採用する場合に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における車両用音響装置の分解図である。
【図2】本実施形態における車両用音響装置の操作パネルの正面図である。
【図3】本実施形態の車両用電子制御ユニットの車室内への取付構造を示す図である。
【図4】本実施形態に係る車両用音響装置の電気的な制御機能を示すブロック構成図である。
【図5】本実施形態に係る車両用音響装置を構成可能な各ユニットにおける自己診断機能を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る車両用音響装置にて実行可能な故障診断支援機能を説明する図である。
【図7】本実施形態における制御ユニット40の制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態における制御ユニット40の制御処理を示すフローチャートである。
【図9】CDプレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートである。
【図10】CDチェンジャ機能付きプレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートである。
【図11】カセットテーププレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートである。
【図12】MDプレーヤユニットの制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:ベースシャシー,
10:操作パネル,
11:操作スイッチ,
12:パネル表示装置,
20:第1音響再生ユニット,
22:テキスト表示装置,
30:第2音響再生ユニット,
40:制御ユニット,
46:CPU,
47:ラジオチューナ,
48:不揮発性メモリ,
50:スピーカ,
Claims (5)
- 複数の動作制御機能を実現しつつ音響出力を行なう車両用音響装置であって、
第1診断項目としての第1動作制御機能に故障が発生したときに、その故障に関する情報を不揮発性メモリに記憶する自己診断手段と、
操作スイッチに対して第1操作が行われるのに応じて、前記不揮発性メモリに記憶された故障に関する情報を表示装置に表示させる表示制御手段と、
第2診断項目としての第2動作制御機能に故障が発生しているか否かの判断を支援すべく、前記操作スイッチに対して第2操作が行われるのに応じて、前記第2動作制御機能の動作状態を表わす出力信号を、所定の出力装置に出力する故障診断支援手段と、
を有し、
前記故障診断支援手段は、前記第2操作として前記操作スイッチの組み合わせ操作が行われたときに、その組み合わせ操作に応じて、前記複数種類の第2動作制御機能の中から何れかの第2動作制御機能の動作状態を表わす出力信号を出力すると共に、その出力信号を出力しているときに、前記第2操作として前記操作スイッチの異なる組み合わせ操作が更に行われたときには、その異なる組み合わせ操作に応じた第2動作制御機能の動作状態を表わす出力信号を出力することを特徴とする車両用音響装置。 - 前記故障診断支援手段は、前記動作状態を表わす出力信号を前記所定の出力装置に出力するに際して、その動作状態を表わす情報は前記不揮発性メモリに記憶しないことを特徴とする請求項1記載の車両用音響装置。
- 前記車両用音響装置は、前記所定の第1及び第2操作を、入力された前記操作スイッチの組み合わせ操作によって判別することを特徴とする請求項1記載の車両用音響装置。
- 前記表示制御手段による前記故障に関する情報の表示中に前記所定の第2操作が行われても、前記故障診断支援手段は動作しないことを特徴とする請求項1記載の車両用音響装置。
- 前記所定の出力装置は、前記表示装置またはスピーカであって、
前記故障診断支援手段は、前記所定の第2動作制御機能に故障が発生しているか否かの判断を支援すべく、
所定の表示機能を判断可能に前記表示装置を表示させる、
ファンクションスイッチの機能を判断可能に前記スピーカを駆動する、
ラジオ信号の受信強度を判断可能に前記表示装置を表示させる、
アンテナの動作制御機能を判断可能に前記表示装置を表示させる、
或いは、アンプの出力動作制御機能を判断可能に前記表示装置を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用音響装置。
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