JP3799467B2 - 締結具及び車両用締結構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルト又はナットを微少な遊びを有して保持し、ボルトとナットとの締結に供される、締結具、及び、この締結具を用いた車両用締結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、板金を重合させて結合する場合、ボルトやナット等の締結具を用いて行なうが、ボルト,ナットのうちの一方を予め締結箇所に保持させておき、所要の板金を重合させた上で、ボルト,ナットのうちの他方を螺合させて締結する締結構造が開発されている。このような技術の一例としては、例えば、図10(a),(b)及び図11(a),(b)に示すようなものがある。図10(a),(b)は、自動車の車体前部においてフロントサスペンションを支持する部分の締結構造を示し、図11(a),(b)は、自動車の車体後部においてリヤサスペンションを支持する部分の締結構造を示す。
【0003】
まず、フロントサスペンション支持部分について説明すると、車体前部の左右両側には、フロントサイドメンバがそれぞれ設けられ、これらのフロントサイドメンバに、フロントサスペンションが取り付けられたフロントクロスメンバが掛け渡される構造になっている。フロントサイドメンバとフロントクロスメンバとは重合状態で締結され、これによりフロントサスペンションが車体に取り付けられる。
【0004】
さらに、上述の締結構造を説明すると、フロントサイドメンバ1は、図10(a)に示すように、アウタメンバ2と、コ字形状の横断面を有しアウタメンバ2の内面上方に溶接等により固設されるインナメンバ3とをそなえて構成される。図10(a)に示すように、アウタメンバ2の下方には、パイプ支持部材4とブラケット5とが固設されており、これらのパイプ支持部材4とブラケット5とを貫通するようにパイプリテーナボルト(締結具)110が設けられている。このパイプリテーナボルト110は、パイプ支持部材4及びブラケット5に上下端近傍を溶接等により固設されたパイプ112と、パイプ112に上方から挿入されパイプ112の内径よりも大きな矩形のヘッド部111aをそなえたボルト111と、パイプ112の上方でパイプ支持部材4に溶接され矩形ヘッド部111aを収容する矩形ボックス形状のリテーナ113とをそなえて構成されている。
【0005】
そして、ボルト111の軸部111bの下端は、ブラケット5よりも下方に突出しており、フロントサスペンションが取り付けられたフロントクロスメンバの一端が、下方からこの軸部111bに差し込まれ、さらにこのフロントクロスメンバの下方から図示しないナットがこの軸部111bに締結され、これにより、フロントサスペンションがフロントサイドメンバ1を通じて車体に取り付けられる。
【0006】
ところで、リテーナ113内において、ヘッド部111aは、ボルト111の軸線方向にも回転方向にも微少隙間(遊び)をもって収容されているが、これらの遊びは、フロントクロスメンバとフロントサイドメンバ1との製作誤差や組付誤差等を吸収できるようにするためである。そして、ナットの締結時には、ボルト111の下方からナットがねじ込まれるため、ボルト111にはナットから回転力及び上方への押付力が入力されるが、矩形ヘッド部111aを収容するリテーナ113内において、矩形ヘッド部111aの角部とリテーナ113の内周面とが当接することによりボルト111の回転が規制され、矩形ヘッド部111aの上面がリテーナ113内上部の下向き面に当接することによりボルト111の上方への移動が規制される。つまり、ナットの締結時に、ナットと一体にボルト111が回転してしまうことの防止(空転防止)とともに、ボルト111が上方に抜けてしまうことの防止(抜き止め)が行なわれるようになっているのである。
【0007】
すなわち、ボルト111のヘッド部111aは、図10(a),(b)に示すようにフロントサイドメンバ1,パイプ支持部材4及びブラケット5により形成される閉空間に位置するため、ボルト111のヘッド部111aを工具により固定してナットを締結することは極めて困難であるが、このようにリテーナ113によりヘッド部111aの移動を規制することにより、ボルト111とナットとの締結が可能となっているのである。
【0008】
次に、リヤサスペンションの締結構造について説明すると、車体後部の左右両側には、リヤサイドメンバがそれぞれ設けられ、これらのリヤサイドメンバに、リヤサスペンションが取り付けられたリヤクロスメンバが掛け渡されるようにして締結され、これにより、リヤサスペンションが車体に取り付けられる。
さらに締結構造を説明すると、図11(a)に示すように、リヤサイドメンバ6はコ字形状の横断面を有しており、リヤサイドメンバ6には、上方の開口部よりブラケット7が挿設される。このブラケット7には、図11(b)に示すように、対角線上に2つのパイプリテーナナット(締結具)120が貫設されており、各パイプリテーナナット120は、図11(a),(b)に示すように、ブラケット7の上面7a及び下面7bに上下端近傍を固設されたパイプ112と、パイプ112上に載置されパイプ112の内径よりも大きな外形を有する矩形のナット121と、パイプ112の上方に溶接され矩形ナット121を収容する矩形ボックス形状のリテーナ113とをそなえてそれぞれ構成されている。
【0009】
そして、リヤサイドメンバ6の下方にはリヤサスペンションが取り付けられたリヤクロスメンバ(図示略)の一端が重合され、リヤクロスメンバに設けられたネジ穴及び各パイプリテーナナット120に図示しないボルトが下方からねじ込まれて、リヤフロントサスペンションが、リヤサイドメンバ6を介して車体に取り付けられる。
【0010】
この場合も、リテーナ113は、ナット121の外周及び上面との間に微少の隙間を有するようにこのナット121を収容しており、これにより、車両構成部材の製作誤差や組付誤差等を吸収しながら、ボルトの締結時には、ナット121の空転の防止と抜き止めとがなされるようになっている。
すなわち、車体にリヤサスペンションを組み付ける際には、リヤサイドメンバ6に下方からリヤクロスメンバを取り付けることになるが、リヤサイドメンバ6の上方にはこの他の車両構成部材が既に取り付けられており、ナット121を保持するための作業スペースを確保できないため、リヤサイドメンバ6上方に置かれたナット121を工具で固定することは極めて困難であるが、このようにリテーナ113によりナット121の移動を規制することにより、ボルトとナット121との締結が可能となっているのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のパイプリテーナボルト110及びパイプリテーナナット120では、リテーナ113をパイプ支持部材4又はブラケット7に溶接して取り付けるため、製作に手間が掛かってしまい、これにより製作費が高くなってしまうという課題がある。
【0012】
また、リテーナ113の取り付けられる部分は一般に狭隘であり、リテーナ113の一部分しか溶着することができない場合が多い。
例えば、パイプリテーナボルト110のリテーナ113は、図10(b)に示すようにブラケット5の側壁部5a,5bに近接して取り付けられており、このため、リテーナ113とパイプ支持部材4との当接部のうち、ブラケット5の側壁部5a,5bに面しない側の当接部〔図10(b)に太線で示す部分〕のみしか溶接することができない。
【0013】
このため、リテーナ113とパイプ支持部材4との結合力が十分に得られず不具合を来たすことがある。例えば、メンテナンスや修理時にパイプリテーナボルト110に螺合されたナットを取り外そうとすると、ボルト111とナットとが錆び付いているような場合には、ボルト111を介してリテーナ113に車体製作時(ナット締結時)よりも大きな力が加えられる。このような場合、リテーナ113のパイプ支持部材4に溶接されていない側の面が、ボルト111側から加えられた力を受けて外側に膨らんでしまい、リテーナ113はボルト111の回転を規制できなくなってしまうことがある。つまり、ボルト111がナットとともに回転して、ボルト111からナットを取り外せなくなってしまう虞があるのである。
【0014】
また、パイプリテーナナット120についても、図11(b)に示すように、リテーナ113は、ブラケット7から部分的にはみだして取り付けられているため、リテーナ113とブラケット7との溶接部は、図11(b)中に太線で示す部分に限られてしまうため、パイプリテーナボルト110と同様に、ナット121からボルトを取り外す際、リテーナ113のブラケット7に溶接されていない部分が変形して、ナット121とボルトとを取り外せなくなってしまう虞がある。
【0015】
ところで、実開平5−1670号公報,特開平6−329047号公報及び特開平6−336180号公報には、サイドメンバに、サスペンションボルトが挿入されたブラケットを取り付けるとともに、このブラケットにサスペンションボルトの頭部を係止する回り止め部材や切欠を設けた締結構造が開示されているが、いずれも構造が複雑で、上述の技術と同様に製作に手間が掛かるという課題がある。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、取り外しを確実に行なえるとともに、容易且つ安価に製作できるようにした、締結具及び車両用締結構造を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の締結具では、ボルトの軸部は、筒状部材の筒部に、ボルトの軸方向に沿って移動可能に挿通され、軸部よりも大きな多角形状のボルトの頭部は、内周形状がこのボルトの頭部の外形と略同形状に形成された筒状部材の収容部に微少隙間を有して収容されるとともに筒状部材の規制部によりボルトの軸方向の変位を微少量に規制される。また、収容部は、筒状部材の原材料となる管状部材を筒状部材と同一軸心線状に配設された工具で上方からプレスすることにより形成される。したがって、ボルトは、筒状部材により、軸心線中心の回転及び軸方向に沿った移動を規制されながらも、筒状部材から突出するボルトの軸部の先端は微少に揺動可能となる。また、このような収容部が容易に形成されることになる。
また、該収容部は、該多角形状の頭部の外形と同形状、且つ、制作誤差や組付誤差を吸収する大きさの微少量だけ径方向に大きく形成されていることが好ましい(請求項2)。これにより、制作誤差や組付誤差を吸収しながら締結することができ、且つ、収容部の変形を防止して空回りを防止することができる。
【0018】
請求項3記載の本発明の締結具では、ナットは、このナットの多角形状の外形と略同形状に内周形状が形成された筒状部材の収容部に微少隙間を有して収容されるとともに、筒状部材の規制部によりナットの軸方向の変位を微少量に規制される。また、収容部は、筒状部材の原材料となる管状部材を筒状部材と同一軸心線状に配設された工具で上方からプレスすることにより形成される。したがって、締結時にボルトが筒状部材の筒部に挿通されるが、このボルトと螺合するナットは、筒状部材の収容部により軸心線中心の回転及び軸方向に沿った移動を規制されながらも、収容部内で微少に変位可能となる。また、このような収容部が容易に形成されることになる。
また、該収容部は、該ナットの外形と同形状、且つ、制作誤差や組付誤差を吸収する大きさの微少量だけ径方向に大きく形成されていることが好ましい(請求項4)。これにより、制作誤差や組付誤差を吸収しながら締結することができる。
【0019】
請求項記載の本発明の車両用締結構造では、車両構成部材の少なくとも1つに穿設した孔に沿って上記の請求項1〜5の何れか1項に記載の締結具を固設するとともに、車両構成部材のその他に形成した貫通孔に上記の請求項1〜5の何れか1項に記載のボルトを挿入して2つ以上の車両構成部材を重合させて結合する。
なお、請求項1〜5の何れか1項に記載の締結具では、筒状部材の規制部を、筒状部材の収容部の多角形状の内周面において外側(筒部側でない側)の縁部をかしめて形成することが望ましい。これにより、かしめという簡単な加工により規制部を形成することができ、製作が容易になる
【0020】
さらに、筒状部材を構成する収容部の多角形状の内周面を、かかる多角形状の外形を有する工具でプレスして形成するとともに、その後、この工具を筒状部材の軸心線中心に所定角度回転させて、先に行なったプレスよりも低いプレス圧或いは短いストロークで筒状部材をプレスすることにより、工具の各頂角部分で収容部の内周面をかしめて規制部を形成することが望ましい(請求項)。これにより、同一の工具により、筒状部材の収容部及び規制部を一体形成することができ、製作が一層容易になり、部品数,制作費を低減させることができる。また、一体形成により、十分な強度を確保することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態としての締結具及び車両用締結構造について説明する。図1〜図6は本実施形態の締結具及び車両用締結構造について示す図である。
【0022】
本実施形態の締結具及び車両用締結構造は、フロントサスペンションの取り付けに適用される。本実施形態の締付具としてのパイプリテーナボルト10は、図4に示すように、自動車(以下、車両ともいう)50の前部左右に配設されるフロントサイドメンバ(車両構成部材)1に取り付けられる。フロントサイドメンバ1,1は、図4及び図5に示すように車両50の前部に車幅方向に沿って設けられるフロントクロスメンバ(車両構成部材)51の両端部にそれぞれ取り付けられる(図5では片側のフロントサイドメンバ1のみ示す)。
【0023】
車両50の組立時には、車両50のボディー(以下、車体という)50aに取り付けられたフロントサイドメンバ1,1に、図示しないフロントサスペンションが両端に組み付けられたフロントクロスメンバ51を下方より組み付けるようになっている。この組付時には、各フロントサイドメンバ1,1に取り付けられたパイプリテーナボルト10は、図5に示すようにフロントクロスメンバ51のボルト穴(貫通孔)51a,51aに挿通され、これらのパイプリテーナボルト10の下端にナット51bをそれぞれねじ込むことにより、フロントクロスメンバ51とフロントサイドメンバ1,1との締結、即ち車体50aとフロントサスペンションとの締結が行なわれるようになっている。
【0024】
ここで、フロントサイドメンバ1の構造(本実施形態の車両用締結構造)について説明すると、フロントサイドメンバ1は、図1,図5及び図6に示すように、車体50a(図4参照)の内側壁側に設けられるアウタブラケット2と、アウタブラケット2よりも内側(車幅方向中心側)に設けられるインナブラケット3と、パイプリテーナボルト10を支持するブラケット5及びパイプ支持部材4とをそなえて構成される。
【0025】
図1に示すように、フロントサスペンションの締結部分において、アウタブラケット2はプレート形状であり、インナブラケット3は、コ字形状の断面を有するとともに上下両辺にフランジ3a,3bをそなえたハット材により形成されるものである。これらのアウタブラケット2とインナブラケット3とを、フランジ3a,3bで溶接することによりフロントサイドメンバ1がボックス形状に形成される。
【0026】
そして、アウタブラケット2には、インナブラケット3よりも下方に延びる延出部2aが設けられ、この延出部2aに、上述のブラケット5とパイプ支持部材4とを溶接して取り付けることにより、これらのブラケット5及びパイプ支持部材4を介してパイプリテーナボルト10がフロントサイドメンバ1に取り付けられる。
【0027】
パイプ支持部材4は、車体内側(図1中右側)及び外側(図1中左側)にそれぞれフランジ部をそなえ、これらのフランジ部を、ブラケット5の対応箇所にそれぞれそなえられたフランジ部に溶接されることでブラケット5の上方に取り付けられている。また、パイプリテーナボルト10は、これらのパイプ支持部材4及びブラケット5に穿設された孔に略同軸上に沿うように固設して取り付けられている。パイプリテーナボルト10を構成するパイプ(筒状部材)12は、CO2溶接により固着されるが、図6に示すように、ブラケット5の側壁部5a,5bに近接して取り付けられているため、パイプ12とパイプ支持部材4との接合部のうち、これらの側壁部5a,5bに面しない側(図6に太線で示す部分)においてのみCO2溶接が施工されている。もちろん、可能であれば、パイプ12とパイプ支持部材4との接合部の全域又は全域近くを溶接することが好ましい。
【0028】
また、ブラケット5とパイプリテーナボルト10とは、ブラケット5の下方の上面5cとパイプリテーナボルト10を構成するパイプ12の下面12gとを、図1中に▲1▼で示すようにプロジェクション溶接することにより接合される。このような溶接の際には、ブラケット5の上面5cとパイプ下面12gとを面一にすることにより、ブラケット5及びパイプ支持部材4に対するパイプリテーナボルト10の高さ方向の位置決めが行なわれる。
【0029】
ここで、本発明の要部であるパイプリテーナボルト10について説明すると、パイプリテーナボルト10は、図1及び図2に示すように、先端にネジが切られた軸部11b及び軸部11bの外径よりも大きな多角形状(ここでは六角形)のヘッド(頭部)11aを有するボルト11と、上方からこのボルト11が挿通されるパイプ(筒状部材)12とをそなえて構成される。
【0030】
パイプ12は、ボルト11のヘッド11aを収容する収容部12aと、ボルト11の軸部11bを挿通される筒部12bと、収容部12aの内周面に設けられる複数(ここでは6つ)の規制部12cとをそなえて構成されている。
収容部12aの内周面は、図1及び図2に示すように、ヘッド11aの外形と略同形状の(同形状で且つ微少量だけ径方向に大きい)六角形状に形成されており、ヘッド11aを、微少隙間(遊び)12dを有して収容しうるようになっている。したがって、収容部12a内でヘッド11a(ボルト11)が回転しようとすると、ヘッド11aの頂角部分が周囲の収容部12aの内周面に当接し、これにより、ヘッド11a(ボルト11)の回転が規制されるようになっている。なお、ボルト11のヘッド11aは六角形状のものに限定されず、例えば四角形状のものでも良い。もちろん、この場合は、収容部12aの内周面は、ヘッド11aの形状に対応して四角形状に形成される。
【0031】
また、筒部12bは、その内周径がボルト11の軸部11bの外径よりも僅かに大きく形成されており、この軸部11bを微少隙間12eを有して挿通自在に収容している。
また、各規制部12cは、図1に示すように、収容部12aの内周面の上部にボルト11のヘッド11aよりも微少隙間12fだけ上方に配設されている。また、本実施形態では、各規制部12cは、図2に示すように、収容部12aの六角形状の内周面の各辺の中央に設けられ、各規制部12cの先端が、図1及び図2に示すように収容部12a内のヘッド11aの外形よりも内側に位置するように突設されている。したがって、ヘッド11aが微少隙間12fよりも上方に移動しようとすると、各規制部12cがヘッド11aと当接して、これによりボルト11の軸方向の変位が微少量に規制されるようになっている。
【0032】
なお、収容部12aと規制部12cとは、共通の工具により形成される。つまり、まず、パイプ12の原材料を、パイプ12と同一軸心線上に配設された六角形状の工具で上方からプレスすることにより収容部12aが形成され、このときの収容部12aの内周面形状は、図3中に二点鎖線で示すようになる。そして、かかる六角形状の工具を、軸心線を中心に所定角度回転させた後、この工具で、先に行なった収容部12aの形成時よりも低いプレス圧及び短いストロークで上方からプレスすることにより、工具の各頂角部分が、収容部12aの上縁と当接して図3中に二点鎖線で示す部分を塑性変形させる(これを、かしめるという)。これにより、収容部12aの内周面の上縁且つ六角形を形成する各辺の中央に規制部12cがそれぞれ形成されるのである。
【0033】
但し、パイプ12の材質によっては、加工量が大きいため、収容部12aをこのようなプレス加工により行なうのは難しい場合もあるが、規制部12cは僅かな加工量であるので、少なくとも、規制部12cについては、収容部12aをかしめることにより形成することが好ましい。また、管理精度が十分確保されれば、ストローク管理及びプレス圧管理のいずれか一方のみで、規制部12cを加工することも可能と考えられる。
【0034】
本発明の第1実施形態としての締結具及び車両用締結構造は上述のように構成されているので、以下のように車体50aとフロントサスペンションとの締結が行なわれる。
つまり、図5に示すように、既に車体50a(図4参照)に取り付けられたフロントサイドメンバ1,1に、図示しないフロントサスペンションが両端に取り付けられたフロントクロスメンバ51が、下方から組み付けられる(図5では片側のフロントサイドメンバ1のみ示す)。この際、各フロントサイドメンバ1,1に取り付けられたパイプリテーナボルト10の軸部11bの下端が、フロントクロスメンバ51のネジ穴51a,51aに差し込まれ、その後、これらのパイプリテーナボルト10の軸部11bにナット51bをそれぞれねじ込むことにより、フロントサイドメンバ1,1とフロントクロスメンバ51との締結が行なわれ、同時に、車体50aとフロントサスペンションとの締結が行なわれる。
【0035】
この時、パイプリテーナボルト10のボルトヘッド11aは、フロントサイドメンバ1,パイプ支持部材4及びブラケット5により形成される閉空間に位置するため、ボルトヘッド11aを工具により固定することはできないが、このボルトヘッド11aは、ボルトヘッド11aを収容する収容部12aの内周面により回転移動が規制されて空転が防止されるとともに、複数の規制部12cにより軸方向の移動が規制されて抜き止めされているので、ボルト11とナット51bとを締結することができる。また、図1及び図2に示すように、ボルト11のヘッド11aは、収容部12a内に、軸方向に微少隙間12fを、径方向に微少隙間12dを有して収容され、また、ボルト11の軸部11bは、筒部12b内に径方向に微少隙間12eを有して挿通されているので、これらの微少隙間12d〜12fより形成される遊びにより、フロントサイドメンバ1やフロントクロスメンバ51の製作誤差や組付誤差等を吸収しながら締結を行なえる。
【0036】
そして、かかる遊びにより、ボルト11の軸部11bの下端は、軸方向への移動及び揺動を微少に行なうことができるので、本実施形態のパイプリテーナボルト(締付具)10及び締付構造によれば、軸部11bの下端にナット51b(図5参照)を接続するときには、軸部11bの位置及び姿勢を作業の行ない易いように調整することができ、これにより、ボルト11(軸部11b)とナット51bとの位置決めを容易に行なえるという利点がある。
【0037】
むしろ、ボルト11とナット51bとの締結時には、パイプリテーナボルト10(パイプ12)に対するボルト11の遊びとパイプリテーナボルト10(パイプ12)のボルト11への回転規制及び軸方向位置(上下位置)規制とによって、締結に伴ってボルト11とナット51bとが自動的に最良の締結姿勢となり、特に軸部11bの姿勢を微妙に調整しなくても、極めて容易な作業で適切な締結を行なえるという利点もある。
【0038】
また、上述したが、図6に示すように、パイプリテーナボルト10のパイプ12は、パイプ12とパイプ支持部材4との当接部のうち、ブラケット5の側壁部5a,5bに面しない側の部分(図6中に太線で示す部分)においてのみ溶接が施工されている。これは、図10(a),(b)に示す従来のパイプリテーナ110のリテーナ113と同じ片側溶接となるが、従来のパイプリテーナ110では、リテーナ113が、パイプ支持部材4に載置された状態でパイプ支持部材4に溶接されるのに対し、本パイプリテーナボルト10では、リテーナ113と同機能を有する(ボルト11の回転移動を規制する)収容部12bがパイプ12と一体に形成されるとともに、このパイプ12は、パイプ支持部材4を貫通した状態でパイプ支持部材4に強固に接合されている。
【0039】
したがって、メンテナンスや修理の際にパイプリテーナボルト10に螺合されたナット51bを取り外す時、これらのパイプリテーナボルト10やナット51bが錆び付いてしまって、取り外しに車体製作時(ナット締結時)よりも大きなトルクが必要となるような場合でも、パイプ12がパイプ支持部材4に対して傾斜してしまったり、収容部12bが変形してナットが空回りしてしまうことがなく、これにより、パイプリテーナボルト10とナット51bとの取り外しを確実に行なえるという利点がある。
【0040】
さらに、規制部12cを、収容部12a内周の上縁部をかしめることにより容易に形成できるという利点がある。また、規制部12cはパイプ12と一体に形成されるので、リテーナ(規制部)をパイプと別部品により構成する従来のパイプリテーナボルト〔図10(a),(b)参照〕に比べて部品数が少なくなって、容易に製作できるという利点がある。また、これにより、製作費を低減させることができ、さらに、部品管理にかかる作業を減少させることができるという利点もある。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態としての締結具及び車両用締結構造について説明する。図7〜図9は本実施形態の締結具及び車両用締結構造について示す図である。なお、本実施形態では、第1実施形態で説明に用いた図4についても流用して説明する。また、第1実施形態で説明した構成部と同一の構成部については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0042】
本実施形態の締結具及び車両用締結構造は、自動車のリヤサスペンションの取り付けに適用される。本実施形態の締付具としてのパイプリテーナナット20は、図4に示すように、自動車50の後部左右に配設されるリヤサイドメンバ(車両構成部材)6x,6yに取り付けられる。リヤサイドメンバ6x,6yは、図8では片側のリヤサイドメンバ6xのみ示すが、車幅方向に沿って設けられるリヤクロスメンバ(車両構成部材)52の上面の両端部にそれぞれ一個づつ取り付けられ、また、各リヤサイドメンバ6x,6yの上部には、図8及び図9に示すようにリヤフロアパネル53が取り付けられる。
【0043】
また、図9に示すように、一方のリヤサイドメンバ6xには、その上面に1つのパイプリテーナナット20と内周面にネジが切られた位置決め用パイプ30とが対角線上に設けられ、他方のリヤサイドメンバ6yには、その上面に2つのパイプリテーナナット20が対角線上に設けられている。車体50aの組立時には、図8に示すように、車体50aに取り付けられたリヤサイドメンバ6x,6yに、図示しないリヤサスペンションが組み付けられたリヤクロスメンバ52を下方より組み付ける。
【0044】
つまり、各リヤサイドメンバ6x,6yのパイプリテーナナット20の下端及び位置決め用パイプ30の下端が、リヤクロスメンバ52のボルト穴(貫通孔)に整合され、これらのパイプリテーナナット20及び位置決め用パイプ30にボルト52aをそれぞれ挿入して螺合することにより、リヤクロスメンバ52とリヤサイドメンバ6x,6yとの締結、即ち車体50aとリヤサスペンションとの締結が行なわれるようになっているのである。この際、位置決め用パイプ30と、位置決め用パイプ30に螺合されたボルトとが密に結合されることにより、リヤクロスメンバ52とリヤサイドメンバ6x,6yとが位置決めされ、また、後述するようにパイプリテーナナット20とパイプリテーナナット20に螺合されるボルト52aとの間には微少隙間(遊び)があるので、この遊びにより、リヤクロスメンバ52とリヤサイドメンバ6x,6yにかかる製作誤差や組付誤差が吸収されるようになっている。
【0045】
ここで、リヤサイドメンバ6x,6yの構造(本実施形態の車両用締結構造)について、リヤサイドメンバ6xに着目して説明すると、リヤサイドメンバ6xは、車体50aの内側に車体50aの前後方向に沿って取り付けられ、図7(a)に示すようにコ字形状の横断面を有するとともに車幅方向の両辺にフランジをそなえたハット材により形成されるものであり、リヤサイドメンバ6xには、図7(a),(b)に示すように、パイプリテーナナット20又は位置決め用パイプ30を支持するブラケット7が挿設されている。図7(b)に示すように、ブラケット7の車両前後方向の縁部には、挿入部7a,7aが設けられており、この挿入部7a,7aに穿設された孔に略同軸上に沿うようにしてパイプリテーナナット20及びパイプ30が固設されている。そして、図7(a)に示すように、ブラケット7が挿設されるリヤサイドメンバ6xの下面には、ブラケット7に挿設されたパイプリテーナナット20及びパイプ30にボルトを挿入するためのボルト穴6aがそれぞれ設けられている。
【0046】
ここで、本発明の要部であるパイプリテーナナット20について説明すると、パイプリテーナナット20は、先述した第1実施形態のパイプリテーナボルト10においてボルト11をナット21に置き換えた構成のものである。つまり、パイプリテーナナット20は、図7(a),(b)に示すように、多角形状の外形(ここでは六角形)を有するナット21と、外方よりボルトが挿通されるパイプ12とをそなえて構成され、パイプ12は、ナット21を収容する収容部12aと、ボルトの軸部を挿通される筒部12bと、収容部12aの内周面に設けられる複数(ここでは6つ)の規制部12cとをそなえて構成されている。
【0047】
収容部12aの内周面は、図7(b)に示すように、ナット21の外形と略同形状に(同形状で且つ微少量だけ径方向に大きく)形成されており、ナット21を、微少隙間(遊び)12dを有して収容しうるようになっている。また、本実施形態では、各規制部12cは、図7(a),(b)に示すように、収容部12aの六角形の内周面の上部且つ六角形を形成する各辺の中央に設けられ、収容部12a内に収容されるナット21の外形よりも微少隙間12fだけ上方に位置するように形成されている。
【0048】
なお、収容部12aと各規制部12cとは、第1実施形態と同様に共通の工具でプレス加工することにより形成される。つまり、パイプ12の原材料を六角形状の工具で上方からプレスして収容部12aが形成され、その後、この工具を軸心線中心に所定角度回転させて上方からプレスすることにより収容部12aの上縁がかしめられて規制部12cが形成されるのである。
【0049】
また、ナット21の外形は六角形状のものに限定されず、例えば四角形状のものでも良く、この場合、収容部12aの内周面も四角形状に形成される。
本発明の第2実施形態としてのパイプリテーナナット(締結具)20及び車両用締結構造は上述のように構成されているので、以下のように車体50aとリヤサスペンションとの締結が行なわれる。
【0050】
つまり、既に車体50aに取り付けられたリヤサイドメンバ6x,6yに、図示しないリヤサスペンションが両端に取り付けられたリヤクロスメンバ52が、図8に示すように下方から組み付けられる(リヤサイドメンバ6yは図示略)。この際、リヤサイドメンバ6x,6yに取り付けられた位置決め用のパイプ30にボルト52aがリヤクロスメンバ52の下方からねじ込まれてリヤサイドメンバ6とリヤクロスメンバ52とが密に締結され、これにより、リヤサイドメンバ6x,6yとリヤクロスメンバ52とが位置決めされる。そして、リヤクロスメンバ52の下方からリヤクロスメンバ52のボルト穴を貫通させてパイプリテーナナット20にボルト52aがねじ込まれ、リヤサイドメンバ6x,6yとリヤクロスメンバ52との締結が行なわれ、同時に、車体50aとリヤサスペンションとの締結が完了する。
【0051】
この時、パイプリテーナナット20のナット21は、ナット21を収容する収容部12aの内周面により回転移動が規制されて空転が防止されるとともに、複数の規制部12cにより軸方向の移動が規制されて抜き止めされているので、ナット21とボルト52aとを締結することができる。
このように、本実施形態のパイプリテーナナット(締結具)20及び車両用締結構造によれば、第1実施形態のパイプリテーナボルト(締結具)10及び車両用締結構造と同様の効果を得ることができる。
【0052】
つまり、パイプリテーナナット20内のナット21は、微少隙間12d,12fからなる遊びを有して収容部12a内に収容されているので、下方から差し込まれるボルト52aに応じて姿勢が調整されるので、これにより、作業の行ない易いようにボルト52aの姿勢を調整しつつ、ナット21とボルト52aとの位置決めを容易に行なえるという利点がある。むしろ、締結時には、パイプリテーナナット20に対するナット21の遊びとパイプリテーナナット20のナット21への回転規制及び軸方向位置(上下位置)規制とによって、締結に伴ってナット21とボルト52aとが自動的に最良の締結姿勢となり、極めて容易な作業で適切な締結を行なえるという利点もある。
【0053】
また、規制部12cを、収容部12a内周の上縁部をかしめることにより容易に形成できるという利点がある。また、規制部12cはパイプ12と一体に形成されるので、従来のパイプリテーナナット120〔図11(a),(b)参照〕に比べて部品数が少なくなって、容易且つ安価に製作できるという利点がある。また、部品管理にかかる作業を減少させることができるという利点もある。
【0054】
また、ナット21の回転移動を規制する収容部12aがパイプ12と一体に形成されるとともに、このパイプ12がブラケット7に貫通されて強固に支持されるので、取り外し作業の際に大きなトルクが掛けるような場合でも、収容部12aの変形等が防止され、これにより、パイプリテーナナット20とボルト52aとの取り外しを確実に行なえるという利点がある。
【0055】
なお、本発明の締結具及び車両用締結構造は上述の各実施形態のものに限定されない。例えば、上述の各実施形態では、収容部12aの多角形状の内周面において、多角形を形成する各辺の中央に規制部12cを設けるようにしているが、ボルト11のヘッド11a又はナット21の軸方向変位を規制できるのであれば、各辺に設けなくてもよいし、各辺の中央に設けなくても良い。
【0056】
また、パイプリテーナボルト10又はパイプリテーナナット20のパイプ12の上部に、図1及び図7(a)中に二点鎖線で示すように拡径したヘッド12hを設け、このヘッド12hと、パイプ支持部材4又はブラケット7とを係合させて、これらの部材の高さ方向の位置決めを行なうようにしても良い。
また、本発明は上述のように自動車に適用されるだけでなく、ボルト,ナットのうちの一方を予め締付箇所に微少な遊びを有して保持させておき、ボルト,ナットのうちの他方を螺合させて構成部材を結合する構造のものであれば、自動車のような車両は勿論、機械や建物等のあらゆる構造物に適用しうるものである。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の締結具では、ボルトは、筒状部材により、軸心線中心の回転及び軸方向に沿った移動を規制されるので、ボルトの軸部にナットを締結することができ、さらに、筒状部材から突出するボルトの軸部の先端は微少に軸方向への移動及び揺動が可能となるので、かかるナットの締結の際、ボルト軸部の先端の位置及び姿勢を調整しながら、ボルトとナットとの位置決めを容易に行なえるという利点がある。
【0058】
また、締結時には、筒状部材に対するボルトの隙間(遊び)と筒状部材のボルトへの回転規制及び軸方向位置(上下位置)規制とによって、締結に伴って、ボルトとこのボルトに締結されるナットとが自動的に最良の締結姿勢となるため、この点からも、容易な作業で適切な締結を行なえる。
また、筒状部材が収容部と規制部とをそなえて構成されているので、構造が簡素化されて、容易に且つ安価に製作できるという利点もある。
また、筒状部材と同一軸心線状に配設された工具を用いて、筒状部材の原材料となる管状部材(パイプ)を上方からプレスするため、収容部の形成が容易であるという利点もある。
【0059】
また、ボルトとナットとの取り外しの際にはボルトを介して収容部及び規制部に力が掛かるが、収容部と規制部とを筒部と一体形成することにより、収容部及び規制部の強度を十分なものとすることができ、これにより、収容部及び規制部の変形が防止され、ボルトとナットとの取り外しを確実に行なえるようになるという利点もある。
また、請求項2,4記載の本発明の締結具では、制作誤差や組付誤差を吸収しながら締結することができる。
【0060】
請求項記載の本発明の締結具では、締結時にボルトの軸部が筒状部材の筒部に挿通されるが、このボルトと螺合するナットは、筒状部材の収容部により、軸心線中心の回転及び軸方向に沿った移動を規制されるので、ナットにボルトの軸部を締結することができ、さらに、ナットは、収容部内で微少に変位可能なので、筒部を介して収容部に差し込まれるボルトの軸端に応じて姿勢が調整されるので、かかるボルトとの締結の際、収容部内のナットの位置及び姿勢を調整しながら、ナットとボルトとの位置決めを容易に行なえるという利点がある。
【0061】
また、締結時には、筒状部材に対するナットの隙間(遊び)と筒状部材のナットへの回転規制及び軸方向位置(上下位置)規制とによって、締結に伴って、ナットとこのナットに締結されるボルトとが自動的に最良の締結姿勢となるため、この点からも、容易な作業で適切な締結を行なえる。
また、請求項1記載の締結具と同様に、筒状部材が収容部と規制部とをそなえて構成されているので、構造が簡素化されて、容易に且つ安価に製作できるという利点もある。また、収容部と規制部とを筒部と一体形成することにより、取り外しの際に収容部及び規制部が変形してしまうことを防止でき、これにより、ボルトとナットとの取り外しを確実に行なえるようになるという利点もある。
また、筒状部材と同一軸心線状に配設された工具を用いて、筒状部材の原材料となる管状部材(パイプ)を上方からプレスするため、収容部の形成が容易であるという利点もある。
また、請求項記載の本発明の締結具では、筒状部材の収容部及び規制部を一体形成することができ、製作が一層容易となり、部品数,制作費を低減させることができる。また、一体形成により、十分な強度を確保することができる。
【0062】
請求項記載の本発明の車両用締結構造では、車両構成部材の少なくとも1つに穿設した孔に沿って上記の請求項1〜5の何れか1項に記載の締結具を固設するとともに、車両構成部材のその他に形成した貫通孔に上記の請求項1〜5の何れか1項に記載のボルトを挿入して2つ以上の車両構成部材を重合させて結合するので、各車両構成部材の位置決めを容易に行なえるとともに、車両構成部材の取り外しを確実に行なえ、さらに、容易な作業で適切な締結を行なえるという利点がある。また、容易に且つ安価に製作できるようになるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態としての締結具及び車両用締結構造の構成を示す模式的な断面図であり、図5のX5−X5断面図であるとともに図6のX6−X6断面図に対応する図である。
【図2】 本発明の第1実施形態としての締結具の構成を示す模式的な平面図(図1のX1矢視に対応する図)である。
【図3】 本発明の第1実施形態としての締結具における規制部の加工方法を説明するための側面視に応じた模式的な縦断面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態としての締結具及び車両用締結構造の適用位置を示す模式的な側面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態としての車両用締結構造の全体構成を示す模式的な斜視図である(但し、片側のフロントサイドメンバは図示略)。
【図6】 本発明の第1実施形態としての車両用締結構造の構成を示す模式的な斜視図であり、図5のY5部の拡大図に対応する図である(但し、アウタメンバは図示略)。
【図7】 本発明の第2実施形態としての締結具及び車両用締結構造の構成を示す模式図であり、(a)は(b)のX7−X7断面図、(b)は上面視からの平面図(図8のX8矢視に対応する図)である。
【図8】 本発明の第2実施形態としての車両用締結構造の全体構成を示す模式的な斜視図である(但し、片側のリヤサイドメンバは図示略)。
【図9】 本発明の第2実施形態としての車両用締結構造の全体構成を示す上面視からの模式的な平面図である。
【図10】 従来のフロントサスペンションの締結構造を示す模式図であり、(a)は(b)のX10−X10断面図に対応する図、(b)は斜視図である(但し、アウタメンバ2及びインナメンバ3は図示略)。
【図11】 従来のリヤサスペンションの締結構造を示す模式図であり、(a)は(b)のX11−X11断面図、(b)は上面視からの平面図である。
【符号の説明】
1 フロントサイドメンバ(車両構成部材)
6x,6y リヤサイドメンバ(車両構成部材)
10 パイプリテーナボルト(締結具)
11 ボルト
11aヘッド(頭部)
11b 軸部
12 パイプ(筒状部材)
12a 収容部
12b 筒部
12c 規制部
12d 微少隙間(遊び)
20 パイプリテーナナット(締結具)
21 ナット
50 車両
51 フロントクロスメンバ(車両構成部材)
51a ボルト穴(貫通孔)
52 リヤクロスメンバ(車両構成部材)

Claims (6)

  1. 軸部及び該軸部よりも大きな多角形状の頭部を有するボルトと、
    該ボルトが挿通され該ボルトの先端部が突出可能に設けられた筒状部材とをそなえて構成され、
    該筒状部材が、
    該軸部を挿通自在の筒部と、
    内周形状が上記多角形状の頭部の外形と略同形状に形成され、該頭部を、微少隙間を有して収容する収容部と、
    該ボルトの軸方向の変位を微少量に規制する規制部とから構成されるとともに、
    該収容部が、該筒状部材の原材料となる管状部材を該筒状部材と同一軸心線状に配設された工具で上方からプレスすることにより形成されている
    ことを特徴とする、締結具。
  2. 該収容部は、該多角形状の頭部の外形と同形状、且つ、制作誤差や組付誤差を吸収する大きさの微少量だけ径方向に大きく形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の締結具。
  3. 外形が多角形状のナットと、
    該ナットが一端側に配置されるとともに、該ナットに螺合するボルトが挿通される筒状部材とをそなえて構成され、
    該筒状部材が、
    該ボルトの軸部を挿通自在の筒部と、
    内周形状が上記ナットの多角形状の外形と略同形状に形成され、該ナットを、微少隙間を有して収容する収容部と、
    該ナットの軸方向の変位を微少量に規制する規制部とから構成されるとともに、
    該収容部が、該筒状部材の原材料となる管状部材を該筒状部材と同一軸心線状に配設された工具で上方からプレスすることにより形成されている
    ことを特徴とする、締結具。
  4. 該収容部は、該ナットの外形と同形状、且つ、制作誤差や組付誤差を吸収する大きさの微少量だけ径方向に大きく形成されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の締結具。
  5. 該規制部は、該工具を、該軸心線を中心に所定角度回転させた後、該収容部の形成時よりも低いプレス圧及び短いストロークで上方からプレスして形成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は3記載の締結具。
  6. 2つ以上の車両構成部材を重合させて結合する車両用締結構造において、
    該車両構成部材の少なくとも1つに穿設した孔に沿って上記の請求項1〜5の何れか1項に記載の締結具を固設するとともに、該車両構成部材のその他に形成した貫通孔に上記の請求項1〜5の何れか1項に記載のボルトを挿入して該車両構成部材を結合する
    ことを特徴とする、車両用締結構造。
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