JP3798812B2 - パワーステアリングギヤのロータリバルブ - Google Patents
パワーステアリングギヤのロータリバルブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3798812B2 JP3798812B2 JP53286696A JP53286696A JP3798812B2 JP 3798812 B2 JP3798812 B2 JP 3798812B2 JP 53286696 A JP53286696 A JP 53286696A JP 53286696 A JP53286696 A JP 53286696A JP 3798812 B2 JP3798812 B2 JP 3798812B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- return
- orifice
- input shaft
- bridge
- sleeve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D5/00—Power-assisted or power-driven steering
- B62D5/06—Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
- B62D5/08—Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by type of steering valve used
- B62D5/083—Rotary valves
- B62D5/0835—Rotary valves characterised by means for actively influencing the deflection angle of the valve, e.g. depending on driving parameters
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D5/00—Power-assisted or power-driven steering
- B62D5/06—Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
- B62D5/08—Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by type of steering valve used
- B62D5/083—Rotary valves
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T137/00—Fluid handling
- Y10T137/8593—Systems
- Y10T137/86493—Multi-way valve unit
- Y10T137/86574—Supply and exhaust
- Y10T137/86638—Rotary valve
- Y10T137/86646—Plug type
- Y10T137/86654—For plural lines
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T137/00—Fluid handling
- Y10T137/8593—Systems
- Y10T137/86493—Multi-way valve unit
- Y10T137/86574—Supply and exhaust
- Y10T137/86638—Rotary valve
- Y10T137/86646—Plug type
- Y10T137/86662—Axial and radial flow
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
- Details Of Valves (AREA)
Description
本発明は、車両の液圧パワーステアリングギヤに使用するロータリバルブに関するものである。特に、本発明は、ブースト特性を設計に融通性のある低ノイズロータリバルブを提供するものである。
背景技術
このようなロータリバルブは、外周にランド部で互いに分離しかつ端部を閉鎖した軸線方向に延びる複数個の溝を設けた入力軸を有するのが代表的である。この入力軸の周りにスリーブを支承し、このスリーブの孔には入力軸のランド部に周方向に整列しかつ端部を閉鎖した軸線方向に延びる複数個の溝孔のアレイを設ける。互いに連携する入力軸溝とスリーブ溝孔との間のインターフェースにより入力軸とスリーブとの間で相対回転を生ずるときに開閉する軸線方向に延びるオリフィスを画定する。入力軸の溝の側面には特定オリフィス形状をなす調量端縁輪郭と称される輪郭を形成する。これらオリフィスは、並列に動作する液圧ホイートストンブリッジのセットを形成するネットワークとして連通させる。このような液圧ホイートストンブリッジは通常の電気的ホイートストンブリッジの動作に類似する。
入力軸及びスリーブに設けたドリル形成した通路は、スリーブの周囲の周縁溝とともに、入力軸の溝とスリーブの溝孔との間、液圧ポンプ、及びステアリングギヤに組み込んだ右側及び左側の液圧アシストシリンダ室にオイルを連通させる作用を行う。
入力軸に組み込んだトーションバーは、パワーアシストが不要のとき入力軸及びスリーブを中立の中心位置に向けて押圧する作用を行う。入力トルクがドライバによってステアリングホイールに加わるとき、トーションバーは偏位してスリーブと入力軸の中立位置からの相対回転を生ずる。このいわゆる「バルブ動作角度」は、液圧ホイートストンブリッジのセットに不均衡状態を発生し、右側と左側のシリンダ室間に差圧を発生する。ロータリバルブの「ブースト特性」即ち、上述の入力トルクと差圧との間の機能的関係は、或るステアリングギヤの用途に対して大部分が調量端縁輪郭のジオメトリによって決定される。
ロータリバルブのオリフィスのネットワークは2,3又は4個のホイートストンブリッジを使用するのが一般的であり、これには4,6又は8個の入力軸溝及びスリーブ溝孔を必要とする。各ホイートストンブリッジは、右側及び左側のオイル流経路(以下に用語「脚」を使用する)を有し、各右側及び左側の脚はそれぞれ上側部分及び下側部分を有する。各右側及び左側の脚の上側部分及び下側部分は、右側及び左側のシリンダ室への接続ポイント(以下にバルブの右側及び左側の「シリンダポート」の用語を使用する)で合流する。
ロータリバルブの中立位置では、液圧ポンプからのオイルを分配し、バルブの「入口ポート」で各ホイートストンブリッジに流入する。このポイントにおいて、オイルの流れは、更に分配されてそれぞれ「入口オリフィス」を有する上側の右側及び左側の脚に流入する。このような入口オリフィスを経て調量された後、オイルは対応のシリンダポート及び下側脚の接続部に連通する。シリンダ室のピストンの移動により引き込まれる内部シリンダの流量に基づいて、オイルは下側の右側及び左側の脚を流れ続け、各脚の「復帰オリフィス」の調量を受け、ロータリバルブの「復帰ポート」のすぐ上流で集油される。
各ホイートストンブリッジを構成する2個の入口オリフィス及び2個の復帰オリフィスのネットワークは、入力軸及びスリーブの中立位置からの相対角度移動に対して、各ホイートストンブリッジにおける互いに対向するオリフィスが同時に開閉するようロータリバルブにおいて連通させる。例えば、左側入口オリフィス及び右側復帰オリフィスの双方は閉じ(即ち、オイル流に対する制限即ち、絞りが増大する)るとともに、右側入口オリフィス及び左側復帰オリフィスの双方は開く(即ち、オイル流に対する制限即ち、絞りが減少する)。古典的なホイートストンブリッジの理論によれば、各ホイートストンブリッジを通過する或るオイル流に対し、右側及び左側のシリンダポート間に差圧を発生し、バルブ動作角度の各値に対して必要なレベルのパワーアシストを生ずる。
このような伝統的なロータリバルブの一般的な動作方法は、パワーステアリングの従来の設計においてよく知られており、例えば、ロータリバルブの概念を記述した「原」特許として一般的に認められている(ジーグラー氏等の特許である)米国特許第3,022,772号に詳細に説明されている。この特許の形態のロータリバルブを以下に「ダイレクトモードバルブ」と称する。即ち、バルブ内のすべてのホイートストンブリッジがシリンダポートに直接的に液圧的に列するからである。
ロータリバルブは、今日では、通常、隔壁(ファイアウォール)に取り付けたラックアンドピニオン式のステアリングギヤに組み込んでおり、この状況ではバルブから発生するヒスノイズのような騒音がドライバに知覚される。このヒスノイズは、調量端縁輪郭と隣接のスリーブ溝孔の端縁とによって画定されるオリフィスを液圧オイルが流れるときのキャビテーション、特に、8〜10MPa又はそれ以上の差圧が発生するパーキング中におけるようなバルブの高圧動作時のキャビテーションが原因である。パワーステアリングバルブの技術においては、調量端縁輪郭が半径方向深さに対する軸線方向長さの比のアスペクト比が高い場合には、従って、1個の調量端縁輪郭の軸線方向長さの全体にわたり深さが一定の薄いシートとしてオイルを流すことができる場合、また並列動作するよう互いに連通した数個の調量端縁輪郭にオイル流を均等に分配する場合、更に、各個のオリフィスを通過するオイルの流量を効率よく減少する場合には、オリフィスはキャビテーションが少ないことがよく知られている。更に、入力軸の外径に交差する調量端縁輪郭がこの入力軸の外径にほぼ正接する、従って、約4°〜8°の間の角度で傾斜する浅い面取りを構成する場合にもキャビテーションを生ずることが少ないことが知られている。
このような浅い面取りは20年にもわたりノイズ抑制のためにロータリバルブに使用されてきた。必要な深さ及び形状精度を得るため、これらの面取りを特別な角度割り出し可能なタイプ又はカムタイプの研磨機により研磨するのが一般的であり、従って、全体のサイクルタイムが長くなり、装置の費用も高く、従って、全体の製造コストも高くなる。
ロータリバルブの設計において最近容認されてきている他の装置も、リニアなブースト特性を得るために必要である。車両のコーナリング中は、ドライバの入力トルクとコーナリング操舵に関連する差圧との間にほぼリニアな関係が存在すると有利である。このことは、パワーアシストにおける「増進」の感覚を導き、このような注意を要する状況下でのステアリング感覚を最大にする。リニアなブースト特性のための必要条件に関連して、リニア領域の範囲を大きくとり、この後、最大のパーキングトルク(従って、パーキング圧力)に達するようにすることが極めて望ましい。このことは、リニアブースト特性から、パーキングに使用される一層高い差圧に関連するより一層急峻な傾斜領域への急激な移行又は「転回」を必要とする。これにより、コーナナング中のロータリバルブのリニアブースト特性の所定の傾斜及び範囲に対して、パーキング中にドライバによって加えられることが必要なトルクは減少する。
面取りタイプの調量端縁輪郭は、例えば、(ビショップ氏等の特許)米国特許第5,267,588号に記載のような渦巻き状、又は(芳賀等の特許)米国特許第4,460,016号に記載のような平坦ファセットのシリーズとして設計する場合、或る限定された範囲で、低ノイズのリニアブースト特性を発生する。しかし、いずれの場合でも、ニリアなブースト領域の範囲は比較的短く、ブースト特性における急峻なパーキング領域への移行が長くなり、従って、パーキングトルクを減少する点で最適ではない。
パワーステアリングバルブにおけるバルブノイズ低減のためのよく知られている他の従来技術としては、キャビテーションオリフィスに背圧を加え、これにより、オリフィス内の圧力を液圧オイルの蒸発圧力よりも高くし、従って、キャビテーションの誘発を防止する。面取りタイプの調量端縁輪郭は、このノイズ抑制方法を使用する場合には、必ずしも入力軸に適用する必要はない。また一層急峻で軸線方向の長さが短い調量端縁輪郭を使用することもできる。ただし、このような輪郭は背圧がないと過度のノイズを発生する。このような急峻で一層複雑な形状の調量端縁輪郭はコイニング加工、ロールインプリンティング加工、又は伝統的なホビング加工によって製造することができ、適切に設計する場合、急激転回を有する上述の好ましいリニアブースト特性を生ずることができる。
米国特許第4,335,749号(ワルター氏の特許)は、各ブリッジの左側及び右側脚の下方部分に(第2の)オリフィスを追加したダイレクトモードバルブについて記載している。このオリフィスは、一定オリフィス領域に達するまでバルブ動作角度が増加するにつれて徐々に閉じ、このことはブリッジの脚を通過することに基づいて、所定の背圧を閉じつつある上流側の入口オリフィスに加える。このようなバルブの形式はブリッジあたり6個のオリフィスを有することに基づいており、3個のブリッジをバルブに使用する場合には、9個の入力軸溝及び9個のスリーブ溝孔を必要とする。4個のブリッジを使用する場合には(通常の8個の溝/溝孔を有するロータリバルブの場合のように)、12個の入力軸溝及び12個のスリーブ溝孔を必要とする。従って、この形式は標準的ではなく、製造コストも余分にかかる。
しかし、実験の結果、例えば、10MPaの差圧を発生するオリフィスのキャビテーションノイズを排除するには、1MPa又はそれ以上の下流側背圧を加えることが必要であることが分かった。このような高いレベルの背圧を米国特許第4,335,749号(ワルター特許)に記載の方法で形成した復帰オリフィスにより発生させる場合には、この追加の圧力をシリンダ室に個別に加えることなしに、液圧ポンプにより供給すべき入口圧力を同じ1MPaだけ増加させる。これは、このダイレクトモードバルブの構成が、各ブリッジ毎にシリンダポート接続部を有し、背圧発生に使用する復帰オリフィスがこのような接続部の下流側に存在するためである。バルブ入口圧力における1MPaの増加は、パワーアシスト力を発生する上で全体的なムダとなり、液圧ポンプの動作圧力を単に増加させるだけである。この状況は極めて好ましくないものである。即ち、液圧系におけるエネルギ損失が比例的に増加するからである。増加した例えば、この場合10MPaから11MPaに増加させたバルブ動作圧力を吸収するためにポンプリリーフバルブの設定を増加させねばならないとき、ポンプノイズ、漏れ、及び潜在的な液圧ラインの故障は、すべて大きな問題となる。
この理由のため、従来技術の発明による復帰オリフィスによって加えることができる背圧の実用的なレベルは、パワーステアリングバルブの動作圧力範囲にわたりキャビテーションノイズをほぼ排除するに必要な1MPaにははるかに及ばない約300〜400kPaに制限される。
他のタイプのロータリバルブ(以下「バイパスモードバルブ」と称する)は、上述のダイレクトモードバルブとは明確に異なる。バイパスモードバルブもホイートストンブリッジの並列構成を使用するが、すべてのブリッジが入口オリフィスと復帰オリフィスとの間にシリンダポートとの液圧的接続部を持つわけではない。シリンダ接続部を使用するブリッジを以下に「一次ブリッジ」と称し、シリンダ接続部を持たないブリッジを以下に「二次ブリッジ」と称する。この二次ブリッジの場合、左側及び右側の脚に1個またはそれ以上の入口オリフィス及び復帰オリフィスを設けるが、シリンダポート接続部を介在させない。このようにして、或るバルブ動作角度に対して、液圧オイルの少なくとも一部がシリンダヘの接続部を組み込んだ一次ブリッジをバイパスする。
このようなバイパスモードバルブは、速度感応パワーステアリングの用途として提案された。例えば、米国特許第4,570,735号(ダフィー特許)、同第4,570,736号(ワルドルフ特許)及び特開平4−031175号(鈴木氏等)に記載の構成は、二次ブリッジへの入口に属し、車両速度の関数として変調した電気変調可変オリフィスを設けたバイパスモードバルブを有する。特開平02−306878号(鈴木)及び米国特許第5,092,418号(鈴木氏等の特許)に記載のような他の構成は、二次ブリッジからの復帰ラインに属する電気変調可変オリフィスを使用する。このような速度感応用途では、二次ブリッジを通過する液圧オイルのバイパス量を使用して車両速度の関数としてブースト特性を制御する。
バイパスモードバルブは、非速度感応タイプにも使用されており、リニア特性を向上し、また面取り調量端縁輪郭を使用するバルブのブースト特性の急激な転回を発生するようにしている。例えば、特開平04−031176号公報、同05−042880号公報及び同06−278623号公報(すべて鈴木氏等)、並びに米国特許第4,470,432号(ケルバゴレット特許)は、二次ブリッジの上流又は下流のいずれにおいても電気的変調可変オリフィスが固定の「ドリル孔」スタイルのオリフィスである点を除いて、上述の速度感応型と同様のオリフィスネットワークを記載している。普通の調量端縁を二次ブリッジのオリフィスに使用する状況では、このような構成は二つの理由でノイズを発生し易い。先ず、固定オリフィスのアスペクト比が極めて小さい(即ち、ドリル孔の単一性)ため、比較的多量のオイル流に対してキャビテーション源となる。第2に、これらの装置において、高いバルブ動作圧力に対してすべてのポンプ流が、2段階のみの圧力低下即ち、関連の閉鎖しつつある二次オリフィス及び固定のオリフィスによって(又はその逆の順序で)生ずる制限を経て復帰ポートに連通する点である。
米国特許第4,577,660号は、8個の溝孔を有するバイパスバルブであり、急激な転回ポイントを有するリニアブースト特性を発生することを意図するバルブについて記載している。この場合、二次入口オリフィスはオーバーラップしており、実際オンセンターで閉鎖し、ブースト特性の必要な非連続性を発生するようオフセンターで急激に開く。しかし、バルブの大部分がオンセンター閉鎖であるこの構成は、通常のオンセンター背圧よりも高い背圧を示し、このことはエネルギ効率が悪い。
特開平04−292265号公報(鈴木氏等)は、10個の入力軸溝と10個のスリーブ溝孔を使用した若干複雑なバイパスモードバルブについて記載している。追加のオリフィスを各二次ブリッジの脚の下側部分に配置し、この追加のオリフィスが閉じるとき、上述の固定オリフィスに対する同様の流れ再分配機能を発揮する。このようなバルブ構成は、より多くの入力軸溝及びスリーブ溝孔並びにこのような溝孔/溝に対する液圧的連通のための関連の相互接続ポート(例えば、ドリル孔)を形成する必要があるため費用がかかる。更に、10個の入力軸溝及び10個のスリーブ溝孔は、標準の入力軸外径(又はこれに対応するスリーブの内径)例えば、19.0〜22.5mmの標準外径を使用し、しかも相互接続ポートを収容するのに十分な溝孔/溝間隔を保持しつつユニット品にするのは困難である。
しかし、一次ブリッジ及び二次ブリッジ間のバイパスモードバルブにおけるオイル流の分配の性質は、このようなバルブがシリンダで大きな差圧を発生するとき、ほとんど二次ブリッジのみオイル流の伝達を行うことを意味する。このことは、二次ブリッジにおける個々のオリフィスが、たとえ従来技術による調量端縁輪郭のように浅い面取りを使用したとしても、キャビテーションノイズを発生し易いことを意味する。特開平05−310136号公報(鈴木氏等)は、バイパスモードバルブの復帰ポートに電気変調可変オリフィスを使用して感知したバルブ入口圧力の関数として制限を生ずる(従って、背圧を発生する)ようにすることによってこの問題を減少することを提案している。上述の理由から、このような構成はエネルギ効率が悪く、更に、この場合、パワーステアリング装置のコストが著しく増大する。
しかし、バイパスモードバルブはダイレクトモードバルブよりも大きな利点がある.即ち、各オリフィスで発生するキャビテーションノイズを抑制するための二次ブリッジネットワークに加わる背圧が、例えば、シリンダに所定の差圧を加えるため液圧ポンプによって加えられる全体的なバルブ入口圧力を増加させることがない点で有利である。従って、このような背圧はエネルギのムダにはならず、実際シリンダにおけるパワーアシストの一部として関与する。従って、ポンプのリリーフ弁セッティングを高くする必要はなく、バルブ機能の大きな欠点を生ずることなく、上述の高いレベルの背圧(例えば、1MPa)をキャビテーションノイズを排除するのに使用することが理論的に可能である。
本発明における第1及び第2の発明は、バイパスモードバルブの上述の利点を利用しかつ入力軸溝又はスリーブ溝孔の数を増やすことなくロータリバルブのキャビテーションノイズのレベルを低くすることを意図する。本発明の他の目的は、これらの低レベルのキャビテーションノイズを、より傾斜のきつい調量端縁輪郭を使用して達成できるようにすることである。このような調量端縁輪郭は、コイニング加工、ロールインプリンティング加工又はホビング加工で製造することができ、研磨することが必要ない浅い面取りに比べてこのような加工方法はコストを大幅に低減できるだけでなく、ブースト特性、特に、急激転回ポイントを有するリニアブースト特性にする上でより一層融通性がある。更に、きつい傾斜の調量端縁輪郭は、浅い面取りよりも軸線方向の長さを短くする設計にすることができ、このことはロータリバルブの完成ユニットの長さを短いものにできる。
本発明の第1の発明は、ポンプから液圧流体を受ける入口ポート、ポンプに液圧流体を帰還させる復帰ポート、パワーステアリングギヤの左側及び右側のシリンダ室に液圧流体を連通させるシリンダポートを設けたバルブハウジングを具え、更に、ランド部によって互いに分離した軸線方向に延びる複数個の溝を設けた入力軸と、この入力軸の周りに支承したスリーブであって、スリーブ孔には入力軸のランド部に周方向に整列する軸線方向に延びる溝孔の列を設けたスリーブとを具え、互いに連携動作する入力軸の溝とスリーブの溝孔との間のインターフェースにより、バルブ内の流体の流れを制御する軸線方向に延びるオリフィスを画定し、前記入力軸と前記スリーブとの間に中立位置から相対回転するとき前記オリフィスが開閉するようにし、前記オリフィスが互いに並列に接続した1個又はそれ以上の一次ブリッジ及び1個又はそれ以上の二次ブリッジよりなる液圧ホイートストンブリッジを形成するネットワークを構成するよう連通させ、各ブリッジには、前記入口ポート及び復帰ポートに液圧的に連通する2個の脚を設け、各脚には、前記入口ポートに液圧的に連通する入口オリフィス及び前記復帰ポートに液圧的に連通する復帰オリフィスを設け、各ブリッジを通過する液圧流体の流量を、前記ブリッジにおける前記入口オリフィス及び復帰オリフィスにより生ずる制限によって変化するようにし、前記一次ブリッジの脚には、入口オリフィスと復帰オリフィスとの相互接続ポイントで一方のシリンダポートに液圧的に連通する手段を組み込み、前記二次ブリッジの脚にはシリンダポートに液圧的に連通する手段を設けないようにした液圧パワーステアリングギヤのロータリバルブにおいて、前記二次ブリッジの各脚の復帰オリフィスを、この復帰オリフィスに関連する二次復帰溝の端縁に形成した調量端縁輪郭によって設け、前記調量端縁輪郭を、前記ロータリバルブが中立位置にあるとき隣接のスリーブ孔のランド部に周方向にオーバーラップし、前記中立位置からバルブ動作角度にわたり相対回転して同一のブリッジ脚における上流側の入口オリフィスが閉じるとき前記復帰オリフィスが液圧流体流に対する制限を生ずるようにし、前記復帰オリフィスにより、上流側の入口オリフィスに対して、前記入口オリフィスにおけるキャビテーショインノイズの発生を大幅に抑止するに十分な背圧を加えるようにしたことを特徴とする。
好適には、前記中立位置からバルブ動作角度にわたり相対回転して同一のブリッジ脚における上流側の入口オリフィスが閉じるとき、ほぼ一定の制限領域を前記復帰オリフィスによって生ずるようにする。
更に好適には、前記復帰オリフィスに使用した調量端縁輪郭を、部分的に減少した調量端縁深さの領域が、互いに連携動作する入力軸の調量端縁輪郭と隣接のスリーブ孔のランド部とのオーバーラップ領域、即ち、隣接のスリーブのランド部の半径方向内側の領域に存在するよう断面に形成する。復帰オリフィスによって生ずるほぼ一定の制限領域は、液圧オイル流が隣接スリーブ端縁を通過しまた復帰オリフィスに流入するときのキャビテーションノイズ又は乱流を大幅に抑制する液圧スロートを構成すると考えられる。
二次復帰オリフィスの下流側の背圧を増大させることによってもキャビテーション及び他のフローノイズを減少させることができる。
好適には、一次ブリッジからの液圧流体流を復帰ポートに一次復帰経路を介して液圧的に連通し、二次ブリッジからの液圧流体流を復帰ポートに二次復帰経路を介して液圧的に連通し、この二次復帰経路に制限部を設ける。
本発明の第1の発明の第1及び第2の実施例において、二次復帰経路は前記入力軸の孔を通過する構成とすると好適である。
本発明の第1の発明の第1の実施例において、前記二次復帰溝を前記入力軸の孔に液圧的に連通する半径方向孔の直径を減少させ、これにより、二次復帰オリフィスの下流側の二次復帰溝に背圧を発生するようにする。
ノイズの問題を生ずることなくこのような背圧を加えるこれら半径方向孔は、前記半径方向孔に円錐形又はテーパ付きの入口部を設けると一層効果的である。これらの孔を加工するのに使用するドリルのステップ形状により又はレーザ浸食加工によって容易かつ安価に得ることができる。
本発明の第1の発明の第1の実施例において、更に、前記一次復帰経路も前記入力軸の孔を通過する構成とすると好適である。しかし、前記一次復帰溝を前記入力軸の孔に液圧的に連通する半径方向孔の大きさを、ほとんど制限を発生しないことを保証する直径にする。
本発明の第1の発明の第2の実施例において、また以下に述べる第5の実施例において、前記二次復帰経路に存在する制限部を環状のジオメトリとする。好適には、前記環状の制限部を、流れに対してキャビテーションノイズの発生を抑止するよう高いアスペクト比を有する断面形状とする。この第2の実施例において、二次復帰経路のみが入力軸の孔を通過するように形成するのが好適である。上述の半径方向孔を経て入力軸の孔に流入するオイルは、直径が拡大した直径拡大部を使用することにより制限される。この直径拡大部は、入力軸の孔に対して小さい半径方向クリアランスを有し、従って、液圧オイルがバルブハウジングの復帰ポートに向かってこの入力軸の孔内で軸線方向に流れるときに液圧オイルに対して環状の制限(絞り)を生ずる。
この実施例によれば、一次ブリッジからの液圧オイルを、前記入力軸の孔を流れる必要がないよう、従って、前記トーションバーの直径拡大部により生ずる制限を受けないように前記復帰ポートに直接連通させる。このことは、一次ブリッジを、チャンネル形状の一次復帰オリフィスに関連する入力軸の溝を軸線方向に経て前記復帰ポートに直接連通させ、一次ブリッジにおける液圧オイル流が前記入力軸の溝から前記チャンネルを経て直接軸線方向に流れるようにすることによって行うことができる。
トーションバーの直径拡大部は、トーションバーの製造中にトーションバーの一部を一体的に加工することによって形成することができる。しかし、トーションバーの直径減少部の動作長さを最大にするため、従って、所定の動作直径及びねじりばね率に対してトーションバーが耐える最大応力を低下するため、トーションバーの直径拡大部は、別の後工程としてトーションバーの金属部分の周りにプラスチック成形した環状ブッシュとして形成すると好適である。このプラスチック材料は、登録商標名「デルリン」又は「ルラサン」のような液圧オイルに対する化学的耐性を有するエンジニアリングプラスチックにより形成しなければならない。
環状ブッシュを軸線方向に延長し、入力軸の二次復帰半径方向孔にオーバーラップさせる場合、このブッシュのための服従性のあるプラスチック材料を使用すると、入力軸の孔内に半径方向にオイルが流入し、従って、この入力軸の孔において、入力軸の軸線方向に流れ続けるよう直角に転向しなければならないときに二次復帰オイルによって発生する液圧乱流ノイズを減衰するのに役立つことが分かった。
本発明の第1の発明の第3の実施例においては、二次復帰経路を入力軸の孔に通過させないようにすると好適である。この場合、軸線方向に延びる二次復帰チャンネルを前記スリーブの孔に形成し、前記スリーブの孔を前記二次復帰溝に周方向に整列させる。前記チャンネルを前記スリーブの孔の軸線方向端部まで延長させて液圧流体を前記復帰ポートに連通させる構成とする。前記チャンネルの半径方向深さを小さくし、前記入力軸の隣接する外径との連携により、前記二次復帰溝の下流側で前記二次復帰経路に高いアスペクト比の制限部を生ずるようにする。少なくとも1個の二次復帰チャンネルを前記スリーブの孔の軸線方向両側の端部まで延長させる。
更に、好適には、軸線方向の延びる一次復帰チャンネルを前記スリーブの孔に形成しかつ前記一次復帰溝に周方向に整列するよう配列する。これらの追加のチャンネルも、前記スリーブの孔の軸線方向端部まで延長させかつ前記復帰ポートに液圧的に連通させる。前記一次復帰チャンネルの半径方向深さを前記二次復帰チャンネルの半径方向深さよりも大きくする。これは即ち、一次復帰経路には制限(絞り)を発生する必要がないためである。更に、好適には、少なくとも1個の復帰チャンネルを前記スリーブの孔の両側の軸線方向端部まで延長して形成する。
製造を簡単にするため、すべての一次及び二次の復帰チャンネルをスリーブ孔の両側の軸線方向端部まで延長して形成し、23.前記スリーブの孔の両側の軸線方向端部まで延長し、これらのすべてのチャンネルを単独の多数歯付きブローチング工具により形成することができるようにするとよい。
本発明の第1の発明の第4の実施例においては、二次復帰経路を入力軸の孔に通過させない。この実施例において、前記二次復帰溝を、隣接のスリーブの孔との連携による高いアスペクト比の浅いチャンネルとして軸線方向に延長して形成する。これらのチャンネルは、前記スリーブの孔の軸線方向端部まで延長し、これにより、二次復帰経路に制限部を生ずる構成とする。更に、好適には、前記一次復帰溝を半径方向の深さが前記二次復帰溝よりも深いチャンネルとして軸線方向に延長して形成し、これにより、それ程制限を生じない一次復帰経路を容易に形成することができる。
本発明の第1の発明の第5実施例において、二次復帰経路は入力軸の孔に通過させない。前記二次復帰溝を、少なくとも一方向に軸線方向に延長して形成し、前記入力軸の外周の直径減少部と前記スリーブの孔との連携によって生ずる環状キャビティに連通させ、前記環状キャビティが前記復帰オイル流を集めるマニホルドとして作用し、環状制限部を経て前記復帰ポートに連通するよう形成する。前記環状制限部を、前記入力軸の直径減少部と前記スリーブの孔の半径方向内方に突出する部分の内径との間に存在する所定の小さい半径方向クリアランスによって形成すると好適である。更に、好適には、前記スリーブの孔の前記半径方向内方に突出する部分を、前記スリーブの孔の軸線方向端部をシールするよう前記スリーブに圧嵌した正確な内径及び外径を有するプレス加工した環状の金属カップとして形成する。また、前記所定の半径方向クリアランスは、このクリアランスによって生ずる環状制限部が高いアスペクト比を有してキャビテーションノイズの発生を抑止するようにするとよい。更にまた、第1の実施例につき説明したと同様に、前記一次復帰経路を前記入力軸の孔に通過させ、これにより、途中で前記環状制限部をバイパスして前記復帰ポートにいたるようにすると好適である。
好適には、8個の入力軸の溝を設ける。
更に、好適には、8個のスリーブ溝孔を設ける。
本発明の第2の発明は、ポンプから液圧流体を受ける入口ポート、ポンプに液圧流体を帰還させる復帰ポート、パワーステアリングギヤの左側及び右側のシリンダ室に液圧流体を連通させるシリンダポートを設けたバルブハウジングを具え、更に、ランド部によって互いに分離した軸線方向に延びる複数個の溝を設けた入力軸と、この入力軸の周りに支承しかつ被駆動部材に回転自在に取り付けたスリーブであって、スリーブ孔には入力軸のランド部に周方向に整列する軸線方向に延びる溝孔の列を設けたスリーブとを具え、互いに連携動作する入力軸の溝とスリーブの溝孔との間のインターフェースにより、バルブ内の流体の流れを制御する軸線方向に延びるオリフィスを画定し、前記入力軸と前記スリーブとの間に中立位置から相対回転するとき前記オリフィスが開閉するようにし、前記入力軸の孔内に設けたトーションバーにより前記入力軸と前記被駆動部材とを追随的に連結しかつ前記スリーブ及び入力軸を中立位置に偏位する構成とし、前記オリフィスが互いに並列に接続した1個又はそれ以上の一次ブリッジ及び1個又はそれ以上の二次ブリッジよりなる液圧ホイートストンブリッジを形成するネットワークを構成するよう連通させ、各ブリッジには、前記入口ポート及び復帰ポートに液圧的に連通する2個の脚を設け、各脚には、前記入口ポートに液圧的に連通する入口オリフィス及び前記復帰ポートに液圧的に連通する復帰オリフィスを設け、各ブリッジを通過する液圧流体の流量を、前記ブリッジにおける前記入口オリフィス及び復帰オリフィスにより生ずる制限によって変化するようにし、前記一次ブリッジの脚には、入口オリフィスと復帰オリフィスとの相互接続ポイントで一方のシリンダポートに液圧的に連通する手段を組み込み、前記二次ブリッジの脚にはシリンダポートに液圧的に連通する手段を設けないようにした液圧パワーステアリングギヤのロータリバルブにおいて、前記一次ブリッジからの液圧流体流を一次復帰経路を介して前記復帰ポートに液圧的に連通させ、また前記二次ブリッジからの液圧流体流を二次復帰経路を介して前記復帰ポートに液圧的に連通し、前記二次復帰経路に環状の制限部を設けたことを特徴とする。
前記二次復帰経路に設けた環状制限部の流れに対する断面形状を、高いアスペクト比を有する形状に形成すると好適である。
アクペクト比は10以上にすると好適である。
一次復帰経路又は二次復帰経路のどちから一方を、入力軸の孔を通過する構成とすると好適である。
本発明の第2の発明の第1の実施例において、二次復帰経路を入力軸の孔に通過させ、環状制限部をこの入力軸の孔内に形成する。
好適な実施例においては、入力軸の孔に形成した環状制限部を、トーションバーの直径拡大部と入力軸の孔との間の小さい半径方向クリアランスによって形成する。
更に、好適には、一次復帰オリフィスに関連した入力軸溝の軸線方向延長部として形成したチャンネルを介して、ブリッジを復帰ポートに直接連通させるとよい。この液圧流体流は入力軸の孔に連通しないため、上述の環状制限部による制限(絞り)を受けない。
トーションバーの直径拡大部のジオメトリ及び構造に対して種々の好適な実施例が可能であり、このことは本発明の第1の発明につき既に説明した。
本発明の第2の発明の第2の実施例においては、二次復帰経路を入力軸の孔に通過させず、環状制限部を入力軸/スリーブ間インターフェースに形成する。前記二次復帰溝を、少なくとも一方向に軸線方向に延長して形成し、前記入力軸の外周の直径減少部と前記スリーブの孔との連携によって生ずる環状キャビティに連通させ、前記環状キャビティが前記復帰オイル流を集めるマニホルドとして作用し、環状制限部を経て前記復帰ポートに連通するよう形成する。前記環状制限部を、前記入力軸の直径減少部と前記スリーブの孔の半径方向内方に突出する部分の内径との間に存在する所定の小さい半径方向クリアランスによって形成すると好適である。更に、好適には、前記スリーブの孔の前記半径方向内方に突出する部分を、前記スリーブの孔の軸線方向端部をシールするよう前記スリーブに圧嵌した正確な内径及び外径を有するプレス加工した環状の金属カップとして形成する。また、前記所定の半径方向クリアランスは、このクリアランスによって生ずる環状制限部が高いアスペクト比を有してキャビテーションノイズの発生を抑止するようにするとよい。更にまた、第1の実施例につき説明したと同様に、前記一次復帰経路を前記入力軸の孔に通過させ、これにより、途中で前記環状制限部をバイパスして前記復帰ポートにいたるようにすると好適である。
本発明の第2の発明の第1及び第2の実施例の双方において、二次ブリッジからの液圧流体を環状の制限部に通過させ、この制限部の上流側のすべての二次オリフィスに背圧を加えるようにする。従って、制限部の領域はほぼ一定で、またすべてのバルブ動作角度にわたりこれら二次オリフィスにおけるキャビテーションを発生を抑制するに十分な背圧を生ずる。
好適には、8個の入力軸の溝を設ける。
更に、好適には、8個のスリーブ溝孔を設ける。
【図面の簡単な説明】
本発明による第1の発明及び第2の発明をよく理解するために、以下に添付図面に付き種々の実施例を、例として説明する。
図1は、本発明による第1の発明の第1の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図2のI-I平面上の軸線方向の縦断面図、
図2は、図1のII-II平面上のロータリバルブの入力軸及びこの入力軸を包囲するスリーブの縦断面図、
図3は、図2に示す縦断面の上側半部の一次ブリッジ及び二次ブリッジにおけるオリフィスを示す拡大図、
図4は、並列接続した1個の一次ブリッジ及び1個の二次ブリッジ即ち、ロータリバルブ液圧回路全体の半分に対応するオリフィスネットワークの液圧「流れ図」、
図5は、一次入口オリフィスの詳細図、
図6は、一次リターンオリフィスの詳細図、
図7は、二次入口オリフィスの詳細図、
図8は、二次リターンオリフィスの詳細図、
図9は、ロータリバルブの角度ブースト特性をプロットしたグラフ、
図10は、ロータリバルブにおける一次ブリッジと二次ブリッジとの間のバルブ動作角度の関数としてのフロー分配をプロットしたグラフ、
図11は、ロータリバルブにおける一次ブリッジと二次ブリッジとの間の差圧の関数としてのフロー分配をプロットしたグラフ、
図12は、ブースト特性のコーナリング及びパーキング領域でのバルブ動作の理解を助けるための図4に示す液圧「流れ図」の簡素化した説明図、
図13は、ロータリバルブにおけるオリフィス341b,46によりそれぞれ生ずるバルブ動作角度の関数としての背圧Pb,Prをプロットしたグラフ、
図14は、ロータリバルブにおけるオリフィス341b,46によりそれぞれ生ずる差圧の関数としての背圧Pb,Prをプロットしたグラフ、
図15a〜dは、図3の領域Gにおける半径方向孔25への入口部分の種々の実施可能な実施例を示す部分拡大図、
図16は、本発明による第1の発明の第2の実施例によるパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図18のXVI-XVI平面上の縦断面図、
図17は、本発明による第1の発明の第2の実施例によるパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図18のXVII-XVII平面上の縦断面図、
図18は、本発明による第1の発明の第2の実施例によるロータリバルブの入力軸及びこの入力軸を包囲するスリーブの図16及び図17のXVIII-XVIII平面上の縦断面図、
図19a〜dは、トーションバーの線図的に拡大した部分の種々の実施例をシール図16及び図26の領域Eの部分拡大図、
図20は、図19cのXX-XX平面上の断面図、
図21は、図1に示す本発明による第1の発明の第1の実施例の変更例であって、プラスチック成形体によりトーションバーを包囲する実施例の説明図、
図22は、本発明による第1の発明の第3の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図24のXXII-XXII平面上の軸線方向の縦断面図、
図23は、本発明による第1の発明の第3の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図24のXXIII-XXIII平面上の軸線方向の縦断面図、
図24は、本発明による第1の発明の第3の実施例のロータリバルブの入力軸及びこの入力軸を包囲するスリーブの図22及び図23のXXIV-XXIV平面上の軸線方向の縦断面図、
図25は、本発明による第2の発明の第1及び第2の実施例の二次リターンオリフィスの詳細図、
図26は、本発明による第2の発明の第1の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図28のXXVI-XXVI平面上の軸線方向の縦断面図、
図27は、本発明による第2の発明の第1の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの図28のXXVII-XXVII平面上の軸線方向の縦断面図、
図28は、本発明による第2の発明の第1の実施例のロータリバルブの入力軸及びこの入力軸を包囲するスリーブの図26及び図27のXXVIII-XXVIII平面上の軸線方向の縦断面図、
図29は、本発明による第1の発明の第5の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの二次リターン経路を示す軸線方向の縦断面図、
図30は、二次リターン経路の詳細を示す図29の一部の部分拡大図、
図31は、本発明による第1の発明の第5の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの一次リターン経路を示す軸線方向の縦断面図、
図32は、一次リターン経路の詳細を示す図31の一部の部分拡大図、
図33は、本発明による第2の発明の第2の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの二次リターン経路を示す軸線方向の縦断面図、
図34は、二次リターン経路の詳細を示す図33の一部の部分拡大図、
図35は、本発明による第2の発明の第2の実施例のパワーステアリングギヤのバルブハウジングに組み込んだロータリバルブの一次リターン経路を示す軸線方向の縦断面図、
図36は、一次リターン経路の詳細を示す図35の一部の部分拡大図である。
最適な実施の態様
図1〜図15及び図21は、本発明による第1の発明の第1の実施例に関するものである。図1につき説明すると、バルブハウジング1には、ポンプからの入口ポート2及びポンプへのリターンポート3と、右側シリンダポート4及び左側シリンダポート5とをそれぞれ設ける。バルブハウジング1を取り付けるステアリングギヤハウジング6は、機械的ステアリング素子、例えば、ニードルローラ軸受8により支承しかつシール9を設けたピニオン7の形式の被駆動部材を有する。3個の主要なロータリバルブ素子として、入力軸10と、この入力軸に支承したスリーブ11、及びトーションバー12とを有する。トーションバー12は一方の端部をピン13により入力軸10に固定し、他方の端部をスウェージング14によりピニオン7に固定する。トーションバー12は、入力軸10とのオーバーラップ部分で入力軸10のためのジャーナル部をなす。スリーブ11には、ピニオン7から半径方向に突出するピン17に掛合する孔16を有する環状延長部を有する。
次に図2につき説明すると、入力軸10の外径20にランド部81によって互いに分離された8個の軸線方向に延びる端部が塞がった溝18a〜c即ち、第1のタイプの4個の溝18aと、第2のタイプの2個の溝18bと、第3のタイプの2個の溝18cとを設ける。スリーブ11の孔21には、ランド82によって互いに分離された8個の軸線方向に延びる端部が塞がった溝孔19a〜b即ち、第1のタイプの4個の溝孔19aと、第2のタイプの4個の溝孔19bとを設ける。溝孔19a〜bは入力軸10のランド部81に周方向に整列する。同様に、溝18a〜cはスリーブ11の孔21のランド部82に周方向に整列する。8個の溝18a〜cのすべての側方に調量輪郭を形成し、溝孔19a〜bの隣接する端縁に接触させ、入力軸10とスリーブ11との間で相対回転を生ずるときに開閉する16個の軸線方向に延びるオリフィスを画定する。
スリーブ11の外周には、更に、高圧シール23により互いに軸線方向に分離された3個の周方向溝22a〜cを設ける(図1参照)。入力軸10における半径方向孔24,25により溝18b及び18cをそれぞれ入力軸10の孔26に液圧的に連通させ、帰還オイルがリターンポート3を経てポンプリザーバ(図示せず)に還流できるようにする。
スリーブ11の半径方向孔27によって、入力軸10の残りの4個の一つ置きの溝18aを中心の周方向溝22bに液圧的に連通させ、入口ポート2を介して液圧ポンプ(図示せず)からの供給源に連通させる。
スリーブ11の半径方向孔28によって、スリーブ11の隣接する溝孔19aの対を周方向溝22a,22cに液圧的に連通させ、従って、それぞれ右側シリンダポート4及び左側シリンダポート5を介して右側シリンダ室及び左側シリンダ室(図示せず)に連通させる。
ロータリバルブにおける上述の16個の軸線方向に延びるオリフィスは、4個の液圧ホイートストンブリッジのセット、即ち、バルブのセクタ29に存在する2個の一次ブリッジ及びセクタ30に存在する2個の二次ブリッジを形成するようネットワークとして連通させる。同一タイプの直径方向に対向するブリッジの並列的な動作により、バルブの圧力分布に起因して入力軸に対するサイドフォースが確実にほぼゼロとなり、入力軸/スリーブ間のジャーナルインターフェースにおける摩擦を減少する。2個の一次ブリッジ29は、半径方向孔28を介してシリンダポート4,5に液圧連通し、この特徴は2個の二次ブリッジ30には存在しない。
4個のスタイルの調量輪郭(以下「調量端縁」と称する)を入力軸10に使用し、ロータリバルブに4個のタイプのオリフィスを画定する。即ち、以下にそれぞれ一次入口オリフィス及び一次リターンオリフィスと称する一次ブリッジにおける入口及び及びリターンオリフィスと、及び以下にそれぞれ二次入口オリフィス及び二次リターンオリフィスと称する二次ブリッジにおける入口及び及びリターンオリフィスを画定する。
図3は、図2の上側半部を拡大して示し、従って、この部分は1個の一次ブリッジ29及び1個の二次ブリッジ30を有する。一次入口オリフィス31a,31bが互いに連携動作する入力軸の溝18aとスリーブの溝孔19aとのインターフェースに形成される。一次復帰オリフィス32a,32bが互いに連携動作する入力軸の溝18bとスリーブの溝孔19aとのインターフェースに形成される。二次入口オリフィス33a,33bが互いに連携動作する入力軸の溝18aとスリーブの溝孔19bとのインターフェースに形成される。二次復帰オリフィス34a,34bが互いに連携動作する入力軸の溝18cとスリーブの溝孔19bとのインターフェースに形成される。
オリフィスのこのネットワークの液圧的「流れ図」を図4に示す。図2から明らかなように、図3のロータリバルブの下側半部(隠れている)は軸線に対して上側半部と対称的になっており、これら半部は互いに並列的に機能する。図4に示すポンプ供給の流量Qは、ポンプ供給流量全体の半分である。
ロータリバルブの動作を以下に入力軸の溝の側部において形成した調量端縁(輪郭)につき説明する。これらの調量端縁(輪郭)は、隣接のスリーブの端縁と連携動作し、バルブ動作角度θの関数としての必要とされる開度変動特性を生ずる。
一次入口オリフィス31a,31bは、溝18aの一方の側面に形成した一次入口調量端縁35(図5参照)によって生ずる。一次復帰オリフィス32a,32bは、溝18bの両側の側面に形成した一次復帰調量端縁36(図6参照)によって生ずる。二次入口オリフィス33a,33bは、一次入口調量端縁35に対向する溝18aの一方の側面に形成した二次入口調量端縁37(図7参照)によって生ずる。二次復帰オリフィス34a,34bは、溝18cの双方の側面に形成した二次復帰調量端縁38(図8参照)によって生ずる。
図5〜図8は、ロータリバルブの中立状態即ち、θ=0°のときの4個のタイプのオリフィスのジオメトリを示す。上述の説明において、入力軸10のスリーブ11に対する時計方向の回転(正のバルブ動作角度θに等しい)を生ずることが考えられる(図3の太矢印参照)。従って、各タイプのオリフィス対の各々は、中立位置から一方のオリフィスが閉じようとし、他方のオリフィスは開こうとする。例えば、図6につき説明すると、一次復帰オリフィス32aは閉じようとし、スリーブの溝孔19aが位置40に達するときθ=1.5°でほぼ完全に閉鎖する。他方、一次復帰オリフィス32bは中立位置から開こうとし、同一のバルブ動作角度のθ=1.5°に対して端縁39は位置41に達する。この説明に示す図面を分かり易くするため、入力軸10及びスリーブ11の相対角度回転を、静止入力軸の調量端縁に関する端縁39の側方移動として線図的に示す。
図9は、ロータリバルブの角度ブースト特性をX軸上のバルブ動作角度θの関数としてプロットしたY軸上の差圧ΔPとして表す。上述の入力トルクに基づくブースト特性(ロータリバルブの基本「フィンガプリント(指紋)」)は、横座標とトーションバー12のねじり剛性との積をとることによってX軸を入力トルク単位に変換することによって得られる。例えば、2Nm/degのトーションバー剛性に対して、θ=4のバルブ動作角度は4×2=8Nmの入力トルクに対応する。
図9のブースト特性は、3つの領域を有すると考えられる。即ち、オンセンタードライビング特に、高速道路における高速オンセンタードライビングに関連し、この場合、約1.5°(deg)までのバルブ動作角度に対応する傾斜のゆるいオンセンター領域42と、曲がりくねった田舎の道路でのコーナリング中に必要とされるアシスタント圧力に関連し、この場合、約1.5°〜4°の間のバルブ動作角度に対応する中くらいの傾斜のコーナリング領域43と、静止した乾燥路面でのパーキングに必要な相当大きなアシスタント圧力に関連し、この場合、約4°以上のバルブ動作角度に対応する傾斜のきついパーキング領域44を有する。このブースト特性は、上述の増加容認スタイル即ち、ほぼリニアなコーナリング領域43であり、この領域から急激な転向ポイント45を境にしてパーキング領域44に移行する。
図10は、バルブ動作角度θの関数として一次ブリッジ29と二次ブリッジ30との間のフロー分配を示す。図11は、差圧ΔPの関数としての一次ブリッジ29と二次ブリッジ30との間のフロー分配を示す。
図4に戻って説明すると、ロータリバルブの中立位置において、二次ブリッジ30におけるオリフィスプラス二次ブリッジ30と直列に接続した付加的オリフィス46(以下に詳細に説明する)によって生ずる全体的な流れの制限は、一次ブリッジ29により生ずる制限の約3倍になる。流量Qは、この制限に反比例して分配し、この結果、一次ブリッジ29を通過する流量Qの約75%即ち、図10におけるQp/Q=0.75となる。一次入口オリフィス31a,31bは中立位置では一次復帰オリフィス32a,32bと同様に、ジオメトリ的に等価であるため、流量Qpは、一次の左側のリム47における流量Qp1と一次の右側のリム48におけるQprとの間で均等に分配され、シリンダ49には差圧ΔPがゼロになる。
図10につき説明すると、ブースト特性のオンセンター領域42では流量の分配量75%が一次ブリッジ29にほぼ一定に維持され、この結果、主に二次復帰オリフィス34a,34bでの制限が生ずることになる。図8に示すように、二次復帰オリフィス34a,34bは、二次復帰調量端縁38とスリーブ孔21のランド部82との周方向のオーバーラップ部分によって生ずるスロート50によりほぼ一定な制限を生ずる。しかし、オンセンター領域42では、それほど制限されていない一次入口オリフィス31a,31b及び二次復帰オリフィス32a,32b、並びにすべてのブリッジリム47,48,51及び52が開放して流れを生じているため、ロータリバルブにより生ずる入口圧力Pはこれらのの条件の下では低く、オンセンタードライビングではエネルギ損失が少ない。
オンセンター領域42におけるバルブ動作角度が増加すると、一次入口オリフィス31b及び一次復帰オリフィス32aが次第に閉鎖するとともに、一次入口オリフィス31a及び一次復帰オリフィス32bが次第に開き、従って、一次リムの流量Qp1及びQrがほぼ等しい上述の条件が維持され、ブースト特性の傾斜のゆるいオンセンター領域42を発生する。
しかし、バルブ動作角度が1.5°に近づくにつれ、一次復帰オリフィス32aは図6のスリーブ端縁位置40で示すように完全に閉じ、すべての一次流量Qpが一次右側リム48に流れ込む。同時に、増加するバルブ動作角度に対して徐々に閉じつつあった二次復帰オリフィス34aも、図8の溝端縁位置53に示すように風に閉じ、二次流量Qsのすべてが二次右側リム52に流れ込む。図5,図6及び図7から明らかなように、1.5°又はそれ以上のバルブ動作角度において開くオリフィス31a,32b,及び33aにより流れの制限は少なく、オリフィスのネットワークの動作方法を理解するために、無視することができる。1.5°以上のバルブ動作角度では、図4に示すネットワークは図12に示す構成のように簡略化することができる。右側のシリンダポート4は実質的に入口ポート2及びポンプ供給源に直接液圧的に連通する。同様に、左側のシリンダポート5はリターンポート3及びポンプリザーバに直接液圧的に連通する。
このような状況では、すべてのポンプ供給源の圧力(従って、バルブ入口圧力P)はシリンダ49に加わり(P=ΔP)、4個の残りの主要なオリフィス31b,33b,34b及び46の制限によって決定される。オリフィス31b,33bのジオメトリは、バルブ動作角度が1.5°を越えて増加するとき、一次入口オリフィス31bは、二次入口オリフィス33bよりも一層速い速度で閉じ、従って、一次流量Qpが二次ブリッジに流れ込み、従って、Qsが増加する。このようにして、コーナリング領域43においては、図10及び図11から明らかなように、1.5°のバルブ動作角度では流量比Qp/Qが約0.75から減少し、一次入口オリフィス31bは完全に閉じる4°のバルブ動作角度ではほぼ0(ゼロ)になる。従って、主にオリフィス31b,33bのジオメトリが、コーナリング領域43のブースト特性、この場合、リニアなブースト特性の形状を決定する。コーナリング領域43では、差圧Pが増大し、この差圧がオリフィス31bの両側に直接加わると、上述の機構によって徐々にオリフィス31bから転向する。例えば、図11から明らかなように、Qpは約差圧Pが1MPaに達すると、オンセンター値の約半分の値に低下する。この作用は、オリフィス31bが決して大きなキャビテーションノイズを発生しないことを意味する。即ち、従来技術で周知のように、或るオリフィスで発生するバルブキャビテーションノイズは、或る一定の圧力低下に対してオリフィスを流れる流量に伴って減少するためである。
オリフィス34b,46がないとした場合、オリフィス33bを通過する二次流量Qsが増加してこのオリフィス33bにおけるキャビテーションノイズを発生することになる。このノイズ増大は、二次流量Qsの増大によって生ずるだけでなく、バルブ動作角度の増大に伴うオリフィス33bの増加する制限によっても発生する。しかし、二次流量Qsの増大、この実施例の場合、例えば、4倍の増大(図10及び図11参照)は、オリフィス34b及び46入力ってそれぞれ発生する背圧Pb及びPrを大幅に増大する。図示の実施例において、二次流量Qsが最大値に達するときPb及びPrは、それぞれ1MPa及び200kPaに達する。背圧Pb及びPrのこの増大を図13及び図14のグラフに示す。
オリフィス31bがコーナリング領域43の最後の部分で完全に閉じると、すべてのポンプ流量はオリフィス33b,34b及び46に直列的に流れる。このとき背圧Pb及びPrは、バルブ動作角度4°〜4.5°にわたるパーキング領域44で一定に保持され、差圧は2MPaから8MPaまで増加する。コーナリング領域43とパーキング領域44との間の急激な転向ポイント45は、二次ブリッジ30及びオリフィス33bへの流れの全体的な転向、並びに領域60(図7参照)におけるような調量端縁37の比較的急峻な「閉鎖角度」によって促進される。
このようにして、直列的なオリフィス34b,46(即ち、Pb+Pr)によって発生する背圧は、コーナリング領域43中に潜在的なキャビテーションオリフィス33bの両側に加わる圧力が2MPaの最大差圧までの増大を「追跡(追従)」する。このとき、2MPaのうちの1.2MPaが、実際的にオリフィス34b,46の背圧に関与する(図13及び図14参照)。差圧が8MPaまで増大する残りのパーキング領域44に対してこの背圧は1.2MPaに一定に保持される。出口オリフィス33bに発生する背圧は、パーキングに使用される最大差圧8MPaに達するまで、このオリフィスから発生するすべてのキャビテーションノイズを抑止するのに十分である。
図8につき説明すると、中立位置から溝端縁位置61に対応する4.5°の最大バルブ動作角度にいたるすべてのバルブ動作角度にわたり、スリーブ孔21の隣接のランド部82に周方向にオーバーラップする調量端縁38によってオリフィス34bを生ずる。半径方向の「スロート」(又は流れに対する最小断面ポイント)50は、バルブ動作角度のこの範囲及びロータリバルブのフェールセーフ角度に適合する7°を越えてオイルの流れに対するほぼ一定の制限領域をオリフィス34bがなすよう作用する。このフェールセーフ角度では、入力軸10とピニオン7とのインターフェースに設けた機械的止め部によって入力軸10とスリーブ11との間のそれ以上の相対回転を阻止する。
領域62(スリーブ孔21のランド部82との組み合わせでスロート50を形成する深さが局部的に減少した調量端縁)を含む調量端縁38の形状は、オイルがスリーブの溝孔端縁63を通過するときの通常のオイル乱流を滑らかにするのに役立つ。この乱流の問題がバルブノイズとして必ずしも伝播しないそれほど要求の厳しくない用途では、調量端縁38は底面(ボトム)形状64を簡単な平坦面(即ち、調量端縁の深さがほぼ一定)にして形成することができ、これでもオリフィス34bに対してほぼ一定の制限領域を形成する。スリーブの溝孔端縁63でキャビテーションノイズが発生する場合、下流域の固定オリフィス46の存在によりオリフィス34bに背圧を加えることができる。本発明の第1の発明の第1の実施例において、入力軸10の二次復帰孔25を一次復帰孔24よりも小さい直径にし、最大二次流量Qsで200kPaの背圧Prを発生する(図13及び図14参照)。これらの孔における乱流の発生は、孔25の入口を円錐形(図15a)、窪み付き円錐形(図15b)、回転対称の凸面テーパ形状(図15c)、又は窪んだ回転対称形状のテーパ形状(図15d)にすることにより、減少することができる。このような入口のプロファイル(形状)及び他の形状も、「段差ドリル」装置により容易に機械加工し、孔25への流入フローを滑らかにすることができる。
直列状態のオリフィス34b及び46は、大きなキャビテーションノイズを発生することなしに大きな背圧をこの二次入口オリフィスに加えて、オリフィス33bの下流で段差の付いた圧力減少を生ずることができる。例えば、8MPaの最大パーキング差圧では、オリフィス33bによって発生する圧力低下は6.8MPaであり、オリフィス34bによって発生する圧力低下は1MPaであり、オリフィス46によって発生する圧力低下は200kPaである。本発明の重要な特徴は、このバイパスモードのバルブ構成により、一次復帰オリフィス32aの閉鎖領域に対応する1.5°を越えるすべてのバルブ動作角度に対して(即ち、コーナリング領域43及びパーキング領域44にわたり)背圧Pb+Prをシリンダ49に加えることができる点である。このことは、一次入口オリフィス31bが閉鎖しており、背圧Pb+Prが最大の1.2MPaとなる4°を越えるバルブ動作角度に対応するパーキング領域44において特に有益である。この高い背圧は、熱として無駄にエネルギが消失するよりもシリンダ49のピストンに力を発生するのに有効に使用される。
中心軸の調量端縁35,36,37及び38は、当業界で既知のコイニング加工又はロールインプリンティング加工により容易に製造することができる。このような比較的急峻な(即ち入力軸10の隣接ランド部81に対する大きな傾斜)調量端縁によれば、ブースト特性、従って、ステアリング力レベルを良好に制御することができ、また本発明によればロータリバルブの騒音レベルを55dBA以下に減少することができる潜在能力を有する。
図16,図17,図18,図19a〜d,図20には、本発明の第1の発明の第2実施例を示し、この実施例では、固定オリフィス46を直径を小さくした半径方向孔25によって形成するのではなく、入力軸10の孔26内で軸線方向オイル流に対する制限(絞り)によって生ずるようにしている。この第2実施例における二次復帰孔70は制限することは意図せず、二次ブリッジ30から入力軸10の孔26に液圧オイルを連通させる作用のみ行い、従って、オイルの流れは直角に曲がり、孔26に沿って軸線方向に流れる(図16参照)。しかし、復帰ポート3に達する前に、トーションバー73の直径拡大部72と入力軸の孔26のリーマ加工部74との間に形成される環状制限部71を通過しなければならない。この環状制限部71は、本発明の第1実施例につき説明した2個の固定オリフィス46を構成する。この第2実施例によれば、一次ブリッジ29からの液圧オイルは一層直接的に復帰ポート3に連通し(図17参照)、従って入力軸10の孔26を流れる必要がなく、またこのため環状制限部71の制限(絞り)を受けない。この絞りは、一次復帰オリフィス32a,bに関連する入力軸10の軸一線方向に延びて軸線方向のチャンネル75を形成する溝18bによって受ける。チャンネル75(この第2実施例では2個のチャンネルを必要とする)は、例えば、ミリング加工又はプランジグラインディング加工等の既知の加工方法によって容易に製造することができる。これらの2個のチャンネル75のうちの少なくとも一方は、主な流れの方向とは反対方向に軸線方向に延長し、スリーブ11の入力側(図17の右側)におけるキャビティから漏れたオイルを逃がすことができるようにする。
図19a〜dに、トーションバー73の直径拡大部分72の種々の実施例を示す。
図19aは、トーションバー73の直径拡大部72を詳細に示し、この直径拡大部72は、入力軸10の孔26のリーマ加工した(又は他の方法で正確に直径寸法を形成した〉部分74との相互作用による環状制限部71を形成する。二次ブリッジ30からの復帰オイル流の主な方向を太矢印で示し、図示のように、環状制限部71はオリフィス46を形成し、上述の200kPaの背圧Pbを発生する。環状制限部71の周方向の長さが長いことにより(代表的には20〜30mm)、用途によってはこの流れのノイズは本発明の第1実施例に使用した直径が減少した半径方向孔25によって発生する流れノイズよりも少ない。
図19bの実施例では制限部71は段階的に設けており、即ち、直径拡大部72は、軸線方向に互いに分離した一連の周方向ランド部により構成する。この段階的制限は、制限部71により発生する背圧が互いに分離した段階毎に発生し、図19bの実施例では3個の段階で発生する。この構成の主な利点は、図19aに示すトーションバー73の拡大部72の単純な円筒形形状に比べると、段階制限部71により発生する背圧がオイルの粘度及びオイル温度の関数として変動を受けることが少なくなる点である。これは背圧発生の大部分が、周方向ランド部に関連する鋭利な端縁の周りで生ずるためである。
トーションバー73が最大耐久限界まで応力を受けるような用途では、直径拡大部72は、図19cに示すように、別個の次工程加工として普通のトーションバーの周りにプラスチック成形で設ける。この実施例において、直径拡大部72の外径に符号79で示すように縦溝を形成し(図20参照)、孔26のリーマ加工部74にしまり嵌めし、環状制限部71の半径方向の深さの精度を高める。この実施例では、プラスチック成形した直径拡大部72は、図19bに示した実施例のように段階的制限を発生するよう構成することもできる。
図19dは、直径拡大部72を二次復帰孔70にオーバーラップするまで軸線方向に延長した実施例である。更に、この実施例においては、円錐形部分76を設けることによって流れを滑らかにし、孔70の半径方向から孔26の軸線方向に転向させる。トーションバー73を包囲するプラスチック材料を使用することにより、孔70を流れる半径方向のオイルの流れがトーションバー73に衝突するときに発生する乱流ノイズを減衰させるのに役立つこともわかった。
この目的のため、本発明の第1の発明の第1実施例のトーションバー12の周りにプラスチック成形体77を使用することもできる。この場合には、直径拡大部72が付加的な背圧発生能力を有し、直径が減少するようドリル加工した半径方向孔25の作用を増大する。この構成を図21に示し、この場合、円錐形部分78は本発明の第1の発明の第2実施例における円錐形部76と同一の機能を果たす。
図22,図23,及び図24に、本発明の第1の発明の第3実施例を示し、この実施例においては、固定オリフィス46を入力軸10の孔26の外側で軸線方向のオイル流を制限することによって形成し、実際二次復帰経路は孔26を通過しない。軸線方向に延びる一次復帰チャンネル90及び二次復帰チャンネル91は、スリーブの孔21にブローチ加工で形成すると好適であり、これらのチャンネルは、それぞれ一次復帰溝18b及び二次復帰溝18cに周方向に整列し(また液圧的に連通し)、従って、入力軸10の孔26と液圧的に連通する必要なく復帰ポート3に液圧的に連通する。二次復帰チャンネル91の半径方向深さは、幅の大きさに比べると小さく、従って、隣接の入力軸の外径20との連携動作による二次復帰経路において高いアスペクト比の制限部46を生ずる。一次復帰チャンネル90の半径方向深さは、二次復帰チャンネル91の深さよりも大きく、従って、一次復帰チャンネル90は一次復帰経路において最小の制限を発生する。
本発明の第1の発明の第4の実施例(別個の図面としては示さない)においては、二次復帰溝18cを、浅くアスペクト比の大きいチャンネルとして軸線方向に延長させることができ、隣接のスリーブの孔21と連携動作するようにする。二次復帰溝18cのこのようなチャンネル状の延長部は、上述の図17につき説明したチャンネル75と同様に、当業界でよく知られているミリング加工又はグラインディング加工により容易に形成することができ、ただし、二次復帰経路における必要な制限部46を生ずるために半径方向の深さを小さくする点が上述の一実施例とは異なる。一次復帰溝18bは、半径方向の深さが深いチャンネルとして軸線方向に延長し、復帰ポート3へのそれ程制限されない一次復帰経路を形成するようにすることができる。
本発明の第1の発明の第3及び第4の実施例の双方において、一次復帰経路及び二次復帰経路の双方はチャンネルによって容易に形成することができる場合には入力軸に孔をドリルで形成する必要はないという利点がある。この特徴は、この構成部材の製造を簡素化し、製造コストを低減することができることを意味する。
図29,図30,図31及び図32に、本発明の第1の発明の第5の実施例を示し、この実施例においては、上述の固定オリフィス46を、入力軸10とスリーブ11とのインターフェースに形成した環状制限部100によって形成する。二次復帰溝18cを、入力軸10の外周の直径減少部102とスリーブ11の孔82との相互作用によって形成される環状窪み101に連通するよう軸線方向に延長して形成する。環状キャビティは、二次復帰流を集合するマニホルドとして作用し、この環状キャビティが環状制限部100を経て復帰ポート3に連通する。環状制限部100は、入力軸10の直径減少部102と、プレス成形しかつスリーブの孔82の軸線方向の端部をシールするようスリーブのスカート105の内側に圧嵌した半径方向内方に突出する環状金属カップ104の内径部103との間に存在する所定の小さい半径方向クリアランスによって形成すると好適である。図31及び図32に示すように、一次復帰経路は、第1の実施例につき説明したのと同様に、入力軸10の孔26を通過し、環状制限部100の絞りは受けない。
本発明による第2の発明によれば、二次復帰オイル流に対する環状の制限部は、本発明による第1の発明につき説明した二次復帰オリフィス34a,bの機能の大部分を代替する。この実施例の二次復帰オリフィスは、本発明の第1の発明の実施例につき説明したほぼ一定の制限領域(例えば、スロート50によって形成されるような領域)を設ける必要はなく、この機能は環状制限部によって十分達成される。本発明の第2の発明の双方の実施例によれば、二次帰還オリフィス34a,bは1.5°の角度で閉鎖するオリフィスであり、この機能はより簡単な調量端縁83(図25参照)によって制御することができる。一次入口オリフィス31a,b、一次復帰オリフィス32a,b、及び二次入口オリフィス33a,bは本発明の第1の発明と変わらない(図5,図6及び図7参照)。一次復帰オリフィス32a,b及び二次復帰オリフィス34a,bは、本発明の第2の発明のこれらの実施例におけるジオメトリは同一であり、また本発明の第1の発明につき説明した実施例とは異なる。
図26,図27及び図28には本発明の第2の発明の第1の実施例を全体的に示す。本発明の第1の発明の第2の実施例と同様に、二次復帰経路における背圧を、トーションバー73の直径拡大部72とこれに連携動作する入力軸の孔26の正確な直径寸法に形成した領域74との間に生ずる環状制限部71によって発生する。図26及び図27は、図16及び図17と実質的に同一である。図28は、図18と二次復帰オリフィス34a,bのジオメトリが異なる点を除いて同一である。本発明の第2の発明の第1の実施例は、本発明の第1の発明の第2の実施例につき説明した図19及び図20のものと同一と考えることができる。
図33,図34,図35及び図36は、本発明の第2の発明の第2実施例を示し、この実施例では、二次復帰経路における背圧を入力軸10とスリーブ11とのインターフェースに形成した環状制限部100によって発生する。二次復帰溝18cを、入力軸10の外周の直径減少部102とスリーブ11の孔82との相互作用で生ずる環状キャビティ101に連通するよう軸線方向に延長させる。環状キャビティは二次復帰流を集合するマニホルドとして作用し、このマニホルドは環状制限部100を経て復帰ポート3に連通する。環状制限部100は、入力軸10の直径減少部102と、スリーブの孔82の軸線方向端部をシールするようスリーブスカート105の内側に圧嵌したプレス成形した金属カップの半径方向内方に突出する内径部103との間に存在する所定の小さい半径方向クリアランスにより形成すると好適である。図35及び図36に示すように、一次復帰経路は、本発明の第1の発明の第1実施例につき説明したと同様に入力軸10の孔26を通過し、従って、環状制限部100の絞りを受けない。
本発明の第2の発明の第1及び第2の実施例によれば、二次入口オリフィス33a,bが閉じているときに二次復帰オリフィス34a,bによる大きな背圧発生がないと、この二次入口オリフィス33a,bにおけるキャビテーションノイズを抑止するすべての背圧を、環状制限部71及び100によってそれぞれ発生するようにしなければならない。従って、これらの環状制限部は、本発明の第1の発明の第2及び第5の実施例によるオリフィス46によって供給することが必要とされる200kPaに対向する1.2MPa又はそれ以上にも達する背圧を供給しなければならない。
このような状況において、環状制限部71,100におけるノイズ発生は、高いアスペクト比によって減少する。本明細書中この用語「アスペクト比」は制限部の断面の全体的なプロポーションの比を意味し、この比は常に「1」又はそれ以上の数値として数値的に表現される。第1の実施例においては、このアスペクト比は、環状制限部71の周方向長さ(即ち、Dを直径拡大部72の直径とした場合のπD)を制限部の半径方向深さ(即ち、直径拡大部72の外径と正確な直径に寸法決めした領域74との間の半径方向クリアランス)で割ったものと規定することができる。第2実施例では、このアスペクト比は、環状制限部100の周方向長さ(即ち、Dを直径減少部102の直径とした場合のπD)を制限部の半径方向深さ(即ち、直径減少部102の直径と内径103との間の半径方向クリアランス)で割ったものと規定することができる。これらの実施例における制限部71,100がキャビテーションノイズを発生しないようにするためには、50以上のアスペクト比とすることが必要であることを本発明の発明者は見出した。しかし、低いレベルの背圧をこれらの環状制限部によって発生させることが必要な用途では10程度のアスペクト比が実用的である。
図19bに示す制限部71の段階付けは、第1の実施例にとって特に有利である。即ち、大きな背圧を発生するために比較的小さい断面積にしたこの制限部の粘度感受性を著しく減少するためである。環状制限部71の段階付けは、このオリフィスにおけるノイズ発生を抑えるのに役立つ。
本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変更を加えることができることは当業者にとっては理解することができるであろう。
Claims (4)
- ポンプから液圧流体を受ける入口ポート、ポンプに液庄流体を帰還させる復帰ポート、パワーステアリングギヤの左側及び右側のシリンダ室に液圧流体を連通させるシリンダポートを設けたバルブハウジングを具え、更に、ランド部によって互いに分離した軸線方向に延びる複数個の溝を設けた入力軸と、この入力軸の周りに支承したスリーブであって、スリーブ孔には入力軸のランド部に周方向に整列する軸線方向に延びる溝孔の列を設けたスリーブとを具え、互いに連携動作する入力軸の溝とスリーブの溝孔との間のインターフェースにより、バルブ内の流体の流れを制御する軸線方向に延びるオリフィスを画定し、前記入力軸と前記スリーブとの間に中立位置から相対回転するとき前記オリフィスが開閉するようにし、前記オリフィスが互いに並列に接続した1個又はそれ以上の一次ブリッジ及び1個又はそれ以上の二次ブリッジよりなる液圧ホイートストンブリッジを形成するネットワークを構成するよう連通させ、各ブリッジには、前記入口ポート及び復帰ポートに液圧的に連通するオイル流経路としての2個の脚を設け、各脚には、前記入口ポートに液圧的に連通する入口オリフィス及び前記復帰ポートに液圧的に連通する復帰オリフィスを設け、各ブリッジを通過する液圧流体の流量を、前記ブリッジにおける前記入口オリフィス及び復帰オリフィスにより生ずる制限によって変化するようにし、前記一次ブリッジの脚には、入口オリフィスと復帰オリフィスとの相互接続ポイントで一方のシリンダポートに液圧的に連通する手段を組み込み、前記二次ブリッジの脚にはシリンダポートに液圧的に連通する手段を設けないようにした液圧パワーステアリングギヤのロータリバルブにおいて、前記二次ブリッジの各脚の復帰オリフィス(34a,34b)を、この復帰オリフィスに関連する二次ブリッジにおける入力軸外周面に設ける二次復帰溝(18c)の端縁に形成した調量端縁輪郭(38)によって設け、前記調量端縁輪郭(38)を、前記ロータリバルブが中立位置にあるとき隣接のスリーブ孔(21)のランド部(82)に周方向にオーバーラップし、前記中立位置からバルブ動作角度にわたり相対回転して同一のブリッジ脚における上流側の入口オリフィスが閉じるとき前記復帰オリフィス(34a,34b)によって液圧流体流に対するほぼ一定の制限領域(62)を生ずるようにし、前記復帰オリフィスにより、上流側の入口オリフィスに対して、前記入口オリフィスにおけるキャビテーショインノイズの発生を大幅に抑止するに十分な背圧を加えるようにしたことを特徴とするロータリバルブ。
- 前記復帰オリフィス(34a,34b)に使用した調量端縁輪郭(38)を、部分的に減少した調量端縁深さ(50)の領域(60)が、互いに連携動作する入力軸の調量端縁輪郭(38)と隣接のスリーブ孔(21)のランド部(82)とのオーバーラップ領域に存在するよう断面に形成した請求項1記載のロータリバルブ。
- 前記背圧を増大させる他の制限手段を前記復帰オリフィスの下流側に設けた請求項1記載のロータリバルブ。
- 一次ブリッジからの液圧流体流を復帰ポートに一次復帰経路を介して液圧的に連通し、二次ブリッジからの液圧流体流を復帰ポートに二次復帰経路を介して液圧的に連通し、この二次復帰経路に制限部を設けた請求項1記載のロータリバルブ。
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
AU3436 | 1992-07-09 | ||
AU6876 | 1994-07-15 | ||
AUPN2835A AUPN283595A0 (en) | 1995-05-05 | 1995-05-05 | Improvements in valves |
AUPN3436A AUPN343695A0 (en) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | Improvements in valves |
AUPN6876A AUPN687695A0 (en) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | Improvements in valves |
AU2835 | 1995-11-30 | ||
PCT/AU1996/000266 WO1996034788A1 (en) | 1995-05-05 | 1996-05-03 | Rotary valve for power steering gear |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11504881A JPH11504881A (ja) | 1999-05-11 |
JP3798812B2 true JP3798812B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=27157862
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53286796A Ceased JPH11504882A (ja) | 1995-05-05 | 1996-05-03 | パワーステアリングギヤバルブ |
JP53286696A Expired - Fee Related JP3798812B2 (ja) | 1995-05-05 | 1996-05-03 | パワーステアリングギヤのロータリバルブ |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53286796A Ceased JPH11504882A (ja) | 1995-05-05 | 1996-05-03 | パワーステアリングギヤバルブ |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US5878780A (ja) |
EP (2) | EP0824437B1 (ja) |
JP (2) | JPH11504882A (ja) |
KR (2) | KR100351207B1 (ja) |
CN (2) | CN1111482C (ja) |
BR (2) | BR9608710A (ja) |
CA (2) | CA2220054C (ja) |
DE (2) | DE69631757T2 (ja) |
ES (1) | ES2214537T3 (ja) |
WO (2) | WO1996034789A1 (ja) |
Families Citing this family (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5934405A (en) * | 1997-11-17 | 1999-08-10 | Trw Inc. | Power steering control valve |
JP2001018816A (ja) * | 1999-07-08 | 2001-01-23 | Showa Corp | パワーステアリング装置 |
ES2277100T3 (es) * | 2002-05-03 | 2007-07-01 | Trw Automotive U.S. Llc | Valvula de control de direccion asistida. |
US7693741B2 (en) * | 2003-11-24 | 2010-04-06 | At&T Intellectual Property I, L.P. | Methods for providing communications services |
US7152627B2 (en) * | 2004-04-05 | 2006-12-26 | R. H. Sheppard Co., Inc. | Control valve for a hydraulic power steering system |
KR100657298B1 (ko) * | 2004-12-18 | 2006-12-14 | 삼성전자주식회사 | 미러 지지 장치, 이를 구비하는 광주사장치 및 전자사진방식 화상형성장치 |
WO2008022370A1 (en) * | 2006-08-24 | 2008-02-28 | Bishop Innovation Limited | Hydraulic power steering valve |
US8087101B2 (en) | 2007-01-19 | 2012-01-03 | James Riddell Ferguson | Impact shock absorbing material |
KR101028279B1 (ko) * | 2008-09-11 | 2011-04-11 | 현대자동차주식회사 | 동력조향장치의 토션 강성 제어장치 |
CN102336216A (zh) * | 2011-07-06 | 2012-02-01 | 天津市松正电动汽车技术股份有限公司 | 一种常压式液压转向阀及转向系统 |
EP2610142B1 (en) | 2011-12-27 | 2014-03-05 | Sauer-Danfoss ApS | Hydraulic steering device |
EP2610137B1 (en) * | 2011-12-28 | 2014-03-05 | Sauer-Danfoss ApS | Hydraulic steering device |
GB201310452D0 (en) | 2013-06-12 | 2013-07-24 | Blagdon Actuation Res Ltd | Fluid Manifolds |
US9435446B1 (en) * | 2014-07-24 | 2016-09-06 | Google Inc. | Rotary valve with brake mode |
CN104443019A (zh) * | 2014-12-19 | 2015-03-25 | 镇江液压股份有限公司 | 一种低噪音液压转向器 |
CN104806592B (zh) * | 2015-03-16 | 2016-11-30 | 西安交通大学 | 一种流量可调的双边板式三位四通转阀 |
DE102017109799B4 (de) * | 2017-05-08 | 2019-01-17 | Danfoss Power Solutions Aps | Hydraulische Lenkeinheit |
DE102020106438B4 (de) | 2020-03-10 | 2022-03-31 | Danfoss Power Solutions Aps | Fluidsteuereinrichtung, insbesondere als Teil einer hydraulischen Lenkeinheit |
DE102020106440A1 (de) | 2020-03-10 | 2021-09-16 | Danfoss Power Solutions Aps | Hydraulische Lenkeinheit |
DE102021000182A1 (de) | 2021-01-16 | 2022-07-21 | Gpi Gesellschaft Für Prüfstanduntersuchungen Und Ingenieurdienstleistungen Mbh | Steuereinheit |
CN113417598B (zh) * | 2021-07-22 | 2021-12-24 | 齐冬雪 | 一种防冻堵单管井口流程装置 |
Family Cites Families (26)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3022772A (en) | 1957-10-02 | 1962-02-27 | Gen Motors Corp | Rotary power steering valve with torsion bar centering |
DE2835815C2 (de) | 1978-08-16 | 1986-09-18 | Zahnradfabrik Friedrichshafen Ag, 7990 Friedrichshafen | Drehschieberlenkventil für Hilfskraftlenkungen |
US4460016A (en) | 1980-05-30 | 1984-07-17 | Toyoda Koki Kabushiki Kaisha | Rotary servovalve |
DE3126040C2 (de) * | 1981-07-02 | 1985-12-12 | Danfoss A/S, Nordborg | Hydraulische Steuervorrichtung |
FR2520066A1 (fr) * | 1982-01-18 | 1983-07-22 | Dba | Distributeur pour servomecanisme hydraulique |
US4570735A (en) | 1982-09-30 | 1986-02-18 | Ford Motor Company | Dual rotary valve for variable assist power steering gear for automotive vehicles |
JPS6015265A (ja) | 1983-07-04 | 1985-01-25 | Toyoda Mach Works Ltd | サ−ボバルブ |
AU568946B2 (en) * | 1984-08-08 | 1988-01-14 | Bishop Steering Technology Limited | Power steering control valve |
US4570736A (en) | 1985-01-07 | 1986-02-18 | Ford Motor Company | Dual flow variable assist power steering gear mechanism |
EP0196172B1 (en) | 1985-03-26 | 1990-11-14 | Arthur Ernest Bishop | Improved rotary valve |
JPS62502396A (ja) * | 1985-04-06 | 1987-09-17 | ツア−ンラトフアブリク フリ−トリツヒシヤフエン アクチエンゲゼルシヤフト | 回転すべり弁 |
GB2207896B (en) * | 1987-08-07 | 1991-07-31 | Trw Cam Gears Ltd | A power assisted steering system |
US4924910A (en) * | 1988-04-12 | 1990-05-15 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Hydraulic pressure control valve |
JP2855446B2 (ja) * | 1989-05-22 | 1999-02-10 | カヤバ工業株式会社 | パワーステアリング装置 |
JP2951363B2 (ja) | 1990-05-25 | 1999-09-20 | カヤバ工業株式会社 | パワーステアリングの操舵力制御装置 |
JP2951364B2 (ja) | 1990-05-25 | 1999-09-20 | カヤバ工業株式会社 | パワーステアリングの操舵力制御装置 |
JP2898363B2 (ja) | 1990-06-26 | 1999-05-31 | カヤバ工業株式会社 | パワーステアリング装置 |
JP2634344B2 (ja) * | 1990-11-29 | 1997-07-23 | エイ イー ビショップ アンド アソシエイツ プロプライエタリー リミテッド | 回転弁 |
JP2912036B2 (ja) | 1991-01-18 | 1999-06-28 | カヤバ工業株式会社 | パワーステアリングの操舵力制御装置 |
JPH0542880A (ja) | 1991-08-09 | 1993-02-23 | Kayaba Ind Co Ltd | パワーステアリングの操舵力制御装置 |
JP2719861B2 (ja) * | 1991-12-13 | 1998-02-25 | 自動車機器株式会社 | 流体制御弁装置 |
JPH05310136A (ja) | 1992-05-01 | 1993-11-22 | Kayaba Ind Co Ltd | パワーステアリング装置 |
DE69319990T2 (de) * | 1992-10-22 | 1998-12-10 | Toyoda Machine Works Ltd | Hydraulische Servolenkung |
JP3345148B2 (ja) * | 1993-02-26 | 2002-11-18 | 光洋精工株式会社 | 油圧パワーステアリング装置 |
JPH06278623A (ja) | 1993-03-29 | 1994-10-04 | Toyoda Mach Works Ltd | サーボバルブ |
JPH0856812A (ja) * | 1994-08-22 | 1996-03-05 | Torakichi Umeda | 荷物受取函 |
-
1996
- 1996-05-03 ES ES96911851T patent/ES2214537T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1996-05-03 BR BR9608710A patent/BR9608710A/pt not_active IP Right Cessation
- 1996-05-03 WO PCT/AU1996/000267 patent/WO1996034789A1/en active IP Right Grant
- 1996-05-03 JP JP53286796A patent/JPH11504882A/ja not_active Ceased
- 1996-05-03 DE DE1996631757 patent/DE69631757T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1996-05-03 EP EP96911852A patent/EP0824437B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1996-05-03 CN CN96195066A patent/CN1111482C/zh not_active Expired - Fee Related
- 1996-05-03 BR BR9608711A patent/BR9608711A/pt not_active IP Right Cessation
- 1996-05-03 CA CA 2220054 patent/CA2220054C/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-05-03 EP EP96911851A patent/EP0820398B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1996-05-03 CA CA 2220041 patent/CA2220041C/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-05-03 JP JP53286696A patent/JP3798812B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1996-05-03 WO PCT/AU1996/000266 patent/WO1996034788A1/en active IP Right Grant
- 1996-05-03 DE DE1996635016 patent/DE69635016T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1996-05-03 CN CN96195063A patent/CN1064612C/zh not_active Expired - Fee Related
- 1996-05-03 KR KR1019970707798A patent/KR100351207B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1996-05-03 KR KR1019970707821A patent/KR100351209B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1996-05-03 US US08/945,274 patent/US5878780A/en not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-04-29 US US08/848,070 patent/US5881771A/en not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-12-09 US US09/207,616 patent/US5996626A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2220041C (en) | 2005-08-09 |
BR9608711A (pt) | 1999-12-07 |
US5878780A (en) | 1999-03-09 |
CA2220041A1 (en) | 1996-11-07 |
JPH11504881A (ja) | 1999-05-11 |
EP0824437B1 (en) | 2005-08-03 |
KR19990008272A (ko) | 1999-01-25 |
DE69635016D1 (de) | 2005-09-08 |
EP0820398B1 (en) | 2004-03-03 |
JPH11504882A (ja) | 1999-05-11 |
WO1996034788A1 (en) | 1996-11-07 |
CA2220054C (en) | 2004-07-27 |
US5881771A (en) | 1999-03-16 |
KR100351209B1 (ko) | 2002-10-19 |
EP0820398A1 (en) | 1998-01-28 |
BR9608710A (pt) | 1999-12-07 |
CN1202859A (zh) | 1998-12-23 |
DE69631757D1 (de) | 2004-04-08 |
DE69635016T2 (de) | 2006-06-01 |
CA2220054A1 (en) | 1996-11-07 |
EP0824437A4 (en) | 2000-09-13 |
KR19990008295A (ko) | 1999-01-25 |
CN1064612C (zh) | 2001-04-18 |
CN1189134A (zh) | 1998-07-29 |
CN1111482C (zh) | 2003-06-18 |
EP0824437A1 (en) | 1998-02-25 |
ES2214537T3 (es) | 2004-09-16 |
US5996626A (en) | 1999-12-07 |
DE69631757T2 (de) | 2005-01-27 |
EP0820398A4 (en) | 2000-09-13 |
KR100351207B1 (ko) | 2002-10-19 |
WO1996034789A1 (en) | 1996-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3798812B2 (ja) | パワーステアリングギヤのロータリバルブ | |
CA1280668C (en) | Control device for hydrostatic steering means or the like | |
JPH0629035B2 (ja) | 流体圧作動制御弁 | |
EP0196172B1 (en) | Improved rotary valve | |
US5133384A (en) | Hydraulic pressure control valve | |
AU659917B2 (en) | Rotary valve for hydraulic power steering with reduced noise and linear boost characteristic | |
US5244012A (en) | Hydraulic pressure control valve | |
AU699681B2 (en) | Power steering gear valve | |
AU699334B2 (en) | Rotary valve for power steering gear | |
JP2000001174A (ja) | 液圧流体制御弁装置 | |
JPS60203580A (ja) | 動力舵取り装置 | |
US5937728A (en) | Power steering control valve with noise reduction | |
JP3420687B2 (ja) | 可変絞り弁 | |
JPH0143977Y2 (ja) | ||
JPH0642935Y2 (ja) | 車両用動力舵取装置 | |
JPH02169371A (ja) | 動力舵取装置 | |
JPH08282516A (ja) | 動力舵取装置 | |
JPH0618149U (ja) | 油圧制御弁 | |
JPH0834356A (ja) | 油圧パワーステアリング装置用制御弁およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050426 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20050726 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20050829 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060418 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060421 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |