JP3798591B2 - 吊り足場構築方法及び吊り足場用大引材 - Google Patents

吊り足場構築方法及び吊り足場用大引材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、橋梁その他の構築物に取り付けられる吊り足場の構築方法と、この構築方法を採用するに当たって最適な吊り足場用大引材の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、橋梁等の塗り替え工事や構造物の外装工事等に使用する吊り足場を構築するには、予め安全な地上で組み上げた作業床を大型の重機で所定の高さまで吊り上げ、高所作業車に乗った作業員が構造物の桁材等に適宜間隔で吊りチェーンを取付て、その吊りチェーンに前記作業床を固定するといった方法が採用されている。
【0003】
しかしながら、場所の関係で、地上に作業床を組み立てるスペースが確保できない場合や高所作業車が使えない場合には、この方法は採用できなかった。
【0004】
そのような場合には、桁材等の高所部分に小規模な足場を組み、作業者がその足場の上で少しずつ吊り足場を組み立てていくといったいわゆる在来工法を採用することになる。このような在来工法にあっては、熟練者が危険な作業を行わなければならず、組立作業にも多くの時間を要していた。
【0005】
そこで、橋梁等の塗り替え工事に使用する吊り足場を在来工法によって構築する方法について、次に説明する。
【0006】
図1乃至図5は、在来工法による橋梁の吊り足場の構築手順を示す概略図である。
【0007】
まず、図1に示したように、橋梁の左右の主桁1,1の下フランジ部2,2に鋼材3を渡して、この鋼材3の上に足場板4を敷き、作業者が足場板4の上に乗って組立作業を行う。最初に、作業者は前屈みの姿勢になって、ループ状の吊りチェーン5を必要な個数だけ取付クランプ6を介して前記主桁1,1の下フランジ部2,2に取り付ける。
【0008】
次に、図2に示したように、橋脚7の上から左右の主桁1,1の下フランジ部2,2に取り付けた吊りチェーン5,5,・・・のループ状部に親パイプ8,8を通す。
【0009】
左右の親パイプ8,8を通したら、図3に示したように、この左右の親パイプ8,8を連結するコロバシパイプ9を取り付ける。親パイプ8とコロバシパイプ9との結合部は、緊結金具10にてしっかりと固定する。この場合には、作業者は親パイプ8又はコロバシパイプ9の上に乗って不安定な状態での作業となるため熟練者に限られる。
【0010】
親パイプ8にコロバシパイプ9を取り付けたら、図4に示したように、作業しやすいように足場板4を隙間を明けた状態でコロバシパイプ9の上に敷いて、番線で足場板4をコロバシパイプ9に縛り付ける。次に、足場板4と足場板4との隙間から手を伸ばして落下防止ネット11の左右の端を親パイプ8又はコロバシパイプ9に紐で縛り付ける。
【0011】
落下防止ネット11が張り終えたら、図5に示したように、足場板4をコロバシパイプ9の上の全面に隙間なく敷きつめ、足場板4の上には防炎シート(図示せず)を釘付けにより全面に張って養生して吊り足場が完成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来は、橋梁その他の構築物に取り付けられる吊り足場を構築する場合には、大型の重機と高所作業車といった大がかりな機械を使って大きな面積の足場を一度に完成するか、機械に頼らず熟練者が高所で手組しながら少しずつ足場を完成していくといった方法によっていた。
【0013】
しかしながら、大型の重機と高所作業車を使う場合には、地上に作業床を組み立てるスペースを確保しなければならず、交通規制の問題や地形上の問題で、どこでも採用できる方法ではなかった。また、機械のリース代や運転コスト等の費用が足場の仮設工事のコスト高を招いていた。
【0014】
これに対して、在来工法は、人手による作業のため、どのような場所でも作業ができる他、機械を使用しないため機械のリース代や運転コストも不要であるという利点がある。しかし、上述した構築手順のように、在来工法にあっては不安定な場所で不安定な姿勢で組立作業を行わなければならず、高所作業の熟練者でなくては作業ができないため、人手の確保が難しいく組立作業にも多くの時間を要し、人件費によるコスト高を招いていた。
【0015】
さらに、在来工法では、高所作業車が使えない状況があり、作業者を守る安全帯を引っかけるための親綱も張ることができない場合もあり、非常に危険な作業を強制され、安全管理の面からも問題が多かった。
【0016】
そこで、この発明は、大がかりな機械を必要とすることなく構築コストを低減すると共に安全な作業環境において吊り足場を構築できる方法を提供することを課題とする。
【0017】
この発明の他の課題は、前記課題の対象である吊り足場の構築方法を採用するに当たって最適な吊り足場用大引材を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、構造物より垂下する吊材により支持されて平行に配設される複数の大引材と、該大引材間に横架する根太と、これら大引材及び根太が形成する格子枠体に載置する床材とからなる吊り足場の構築方法において、前記構築物の吊り足場を構築する高さよりも高い位置に、前記吊り足場を構築していく水平方向に沿って予め前記構造物に複数のメインワイヤを張設しておき、該各メインワイヤに取付金具を介して小型揚重装置を移動可能に吊り下げ、前記吊り足場に先行して構築されている足場の先端にある既設大引材から1スパン分前方に前記小型揚重装置を配置させるようにして、前記小型揚重装置から繰り出される吊りワイヤによって地上から大引材を吊り上げ、該大引材と前記既設大引材と間に根太を横架して格子枠体を形成した後、前記小型揚重装置で吊り上げた大引材を前記吊材にて前記構造物に取り付けてから前記小型揚重装置の吊りワイヤを取り外し、前記格子枠体に床材を載置することにより1スパンずつ吊り足場を構築していくことを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記小型揚重装置は、モータと吊りワイヤを巻き取るための巻き取りドラムとが一体となった揚重装置本体と、該揚重装置本体を前記メインワイヤに吊り下げるための取付金具と、前記吊りワイヤの先端に設けられた吊りフックからなるものであって、前記取付金具は、前記吊りフックに負荷が加わり前記揚重装置本体が下方へ引っ張られる荷重が作用した際には前記メインワイヤにおける吊り下げ位置が移動不能に固定され、前記吊りフックへの負荷が除かれ前記揚重装置本体が下方へ引っ張られる荷重が作用しない状態では前記メインワイヤにおける吊り下げ位置が移動自在となる構造を有していることを特徴としている。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の構成に加え、前記大引材は、複数の大引材要素をその長手方向に突き合わせて接続し構築する吊り足場の幅に対応させた大引材において、その接続部を前記大引材要素の横断面の外形より大きな内寸の横断面を有し前記大引材要素の向かい合った端面を中心として各大引材要素の中央部へ向かう補強腕部を設けた外包部材にて補強したことを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の吊り足場構築方法に使用する大引材であって、該大引材の長さを複数の大引材要素をその長手方向に突き合わせて接続し構築する吊り足場の幅に対応させ、その接続部を前記大引材要素の横断面の外形より大きな内寸の横断面を有し前記大引材要素の向かい合った端面を中心として各大引材要素の中央部へ向かう補強腕部を設けた外包部材にて補強したことを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図6は、橋梁に吊り足場を構築する場合の小型揚重装置の動きを示す説明図である。
【0024】
この発明に係る吊り足場の構築方法を適用する場合には、手前(図面の右側)の橋脚7から前方(図面の左側)の橋脚8までの間に、最初に橋梁下面の主桁1の内側に沿って小型揚重装置11を吊り下げるためのメインワイヤ12を張設しておく。このとき、主桁1の下フランジ部2に小型揚重装置11が接触しないように、メインワイヤ12は主桁1の内面より所定の間隔離した位置に張設される。
【0025】
メインワイヤ12は、左右一対の主桁1,1の内側に1本ずつ張設され、それぞれのメインワイヤ12には小型揚重装置11が吊り下げられる。したがって、図7に示したように、1本の大引材13は左右の小型揚重装置11,11によって吊り上げられるものである。
【0026】
大引材13は、大引材要素14同士をその長手方向に向かい合わせて連結して長尺の大引材を構成するものであり、吊り上げる前に地上で必要な長さに組み立てられるものである。
【0027】
次に、大引材要素の集合体である大引材の構造について説明する。
【0028】
図8乃至図11は、大引材と外包部材との取付状態を示している。
【0029】
図8は、大引材要素に外包部材を取り付ける状態を示した分解斜視図であり、図9は、外包部材が取り付けられている大引材要素に新たな大引材要素を取り付ける状態を示した分解斜視図である。
【0030】
図10は、大引材の連結部の横断面図であって、根太が大引材に掛けられた状態を示している。図11は、大引き材の連結部の正面図である。
【0031】
大引材要素14は、要素本体14aの上面中央に一条の開口部14bを形成した横断面が略リップ溝形をしたものである。要素本体14aには、略リップ溝形の向かい合う壁面を連結する軸材31が所定間隔に固着され、大引材要素14の補強と大引材13を吊り下げるために使用する吊り金具30がこの軸材31に係止し固定できるようになっている。
【0032】
図10に示したように、開口部14bには一対の補強リブ14c,14cを設け、根太15の先端部15aを係止できるようになっている。
【0033】
大引材要素14は、要素本体14aの両端にエンドプレート14dを備えており、このエンドプレート14dは段差を備えた2つの垂直面14e,14fを傾斜面14gで結ぶ形状で、各垂直面14eには突起体14hと孔部14iを設けている。
【0034】
エンドプレート14dは、接続する大引材要素14,14の端部同士が衝合し得る一対の構造で、各孔部14iには対向する突起体14hが嵌入して位置決めをワンタッチで行えるようにしている。
【0035】
大引材要素14の連結手段は、対向する2枚の傾斜面14g,14gを上方より貫通する連結ボルト16と下側傾斜面14gの内部に固着するナット14jで構成されており、連結ボルト16を要素本体14aの開口部14bを利用して上方よりねじ込んでナット14jに螺合することでしっかりと固定できるようになっている。
【0036】
大引材要素14に作用する軸方向の圧縮荷重はエンドプレート14の衝合面で伝達し、引張荷重は連結ボルト16の引張力で保持する。
【0037】
この発明の実施の形態に適用する大引材13は、高所での吊り足場の組立作業を簡単なものにするため、必要とする吊り足場の幅に合わせた長さとすることが望まれる。そのため、大引材13は大引材要素14をその長手方向に複数本連結して使用されるが、橋梁の種類によっては吊り足場を吊り下げる主桁1,1同士の間隔が20mにもなるものがあり、この場合には大引材13の自重によるたわみがかなり大きくなる。
【0038】
そこで、この発明の実施の形態に適用する大引材13では、前述した連結手段に加えて、連結部を補強するための外包部材17を設けている。
【0039】
外包部材17は、大引材要素14同士を組み合わせた状態において、その接続部を大引材要素14の横断面の外形より大きな内寸の横断面を有しており、大引材要素14の向かい合った端面を中心として各大引材要素14の中央部へ向かう補強腕部18を設けている。
【0040】
補強椀部18は、底面材19とこの底面材19の左右から直角に立設して向かい合う壁面材20,20とからなり、横断面が上方が開放したコ字形をしている。
【0041】
補強椀部18の長手方向の中央からいずれか一方に僅かずらした位置には、前記開放部分を跨いで両方の開放端部を連結する拘束部材21が一体に固着されている。この拘束部材21の上面には、ナット22が固着されており、拘束部材21を貫通し補強椀部18の底面材19の内側へ向かう押しネジ23が螺合されている。
【0042】
補強椀部18の拘束部材21が固着されている側の壁面材20,20の一方の端部近傍には、固定ボルト24が貫通するボルト取付孔25が設けられている。
【0043】
ボルト取付孔25と反対側の補強椀部18の端部近傍には、固定ピン26が貫通するピン取付孔27が設けられている。固定ピン27は紛失をしないように、補強椀部18の一部に鎖28で繋がれている。
【0044】
次に、この発明の実施の形態である吊り足場の構築方法の作業手順を説明する。
【0045】
大引材13は、吊り足場の組み立て作業を始める前に、地上で大引材要素14同士を必要な長さになるように組み立てておく。
【0046】
大引材13の組立は、一方の大引材要素14の一端に外包部材17を固定ボルト24で取り付け、その外包部材17の反対側から他方の大引材要素14を差し込むようにして互いの大引材要素14,14の端面を突き合わせ、連結ボルト16をナット14jに締め込んで大引材要素14,14同士を連結すると共に、前記外包部材17の固定ピン孔27に固定ピン26を挿入して係止片29を本体18の補強リブ14cに係合させる。最後に、押しネジ23をねじ込んで大引材要素14を外包部材17の内面に押しつけて、大引材要素14と外包部材17とのがたつきをなくす。
【0047】
したがって、このような大引材13を吊り足場の大引材として使用する場合には、1本の大引材13の長さを必要とする吊り足場の幅寸法に対応させたものであっても、大引材13の自重によって大引材要素14同士の接続部が外包部材17によって大引材要素14の外形を包んだ形で強固に固定されることになるため、自重による撓みに抗しうる剛性が十分に確保される。
【0048】
大引材13の組立が完成したら、この大引材13を主桁1等の桁材に吊材(吊りチェーン)5を介して吊り下げるための吊り金具30を大引材13に取り付ける。吊り金具30は大引材13の軸材31に引っかけて固定するが、その取り付け位置は吊り荷重等により計算された所定間隔に従って決められる。
【0049】
次に、組み立てられた大引材13を橋梁の主桁1等の桁材に取り付ける手順を説明する。
【0050】
図6において、まず、橋梁等の下方全面に渡って吊り足場を構築するには、開始位置に当たる橋脚7に基準となる1スパン分の足場32を高所作業車等を使用して構築しておく。
【0051】
そして、この先行して構築されている足場32の先端に設けてある既設大引材33を基準として、吊り足場を構築していく方向に向かって1スパン(通常、900mm〜1800mm)Pだけ隔てた前方に新しい大引材13が来るように、左右の主桁1,1に張設したメインワイヤ12,12に吊り下げられた小型揚重装置11,11の位置をセットする。
【0052】
小型揚重装置11,11を所定の位置にセットするには、小型揚重装置11,11の吊りワイヤ34に負荷が掛かっていないことを確認してから、小型揚重装置11,11の取付金具35を1スパン分を規定する定尺定規(目印を付した単管等)で前方に押し出すようにして、メインワイヤ12,12上を移動させればよい。
【0053】
次に、左右の小型揚重装置11,11の吊りワイヤ34の先端に付いている吊りフック36を地上まで下げていき、地上に置いてある大引材13の両端近傍の軸材31に吊りフック36を引っ掛けて吊り上げていく。
【0054】
この新しい大引材13は、図12に示したように、前記既設大引材33の高さより僅かHだけ高い位置まで吊り上げる。この状態で、吊り上げた大引材13と先行して構築されている足場32の既設大引材33との間に、所定間隔を置いて複数の根太37,37,・・・を架け渡す。これにより、大引材13と根太37と既設大引材33とで格子状の枠体が構成されるため、小型揚重装置11,11によって吊り下げられている大引材13が安定する。
【0055】
その後、図13に示したように、先行して構築されている足場32側から大引材13側へ足場板4を掛け渡して、作業者が吊り上げた大引材13側に移って、予め大引材13に取り付けられている吊り金具30の箇所に吊材(吊りチェーン)5を掛けて、この吊材(吊りチェーン)5の取付クランプ6を直上の桁材38の下部フランジ部2に固定する。
【0056】
吊材(吊りチェーン)5で大引材13が桁材38に取り付けられたら、ゆっくりと小型揚重装置の11,11の吊りワイヤ34を下げていき、大引材13の軸材31から吊りフック36を取り外す。この状態で既設大引材33の高さと新しく取り付けた大引材13の高さが一致する。
【0057】
後は、大引材13と根太37と既設大引材33とで構成された格子状の枠体の上に足場板4等の床材を敷き詰めれば隙間のない作業床39が完成する。
【0058】
以後、構築すべき方向へ順次同様の操作を繰り返していくことで、橋桁と橋桁との間に所望の吊り足場が構築できる。
【0059】
なお、逆の手順を経ることで、吊り足場を解体することも容易にできる。
【0060】
ここでは、橋梁の下面に設ける吊り足場を構築する場合について説明したが、この発明はこれに限られるものではなく、その他野外と屋内とを問わず構造物の工事に使用する吊り足場を構築場合にも適用できるものである。
【0061】
次に、この発明の実施の形態に使用する小型揚重装置について説明する。
【0062】
図14は、小型揚重装置がメインワイヤに吊り下げられた状態を示した斜視図である。
【0063】
小型揚重装置11は、モータ(図示せず)と吊りワイヤ34を巻き取るための巻き取りドラム40とが一体となった揚重装置本体41と、この揚重装置本体41をメインワイヤ12に吊り下げるための取付金具35と、前記吊りワイヤ34の先端に設けられた吊りフック36からなっている。
【0064】
取付金具35は、吊りワイヤ34に負荷が加わり揚重装置本体41が下方へ引っ張られる荷重が作用した際には、メインワイヤ12における吊り下げ位置が移動不能に固定され、吊りワイヤ34への負荷が除かれ揚重装置本体41が下方へ引っ張られる荷重が作用しない状態では、メインワイヤ12における吊り下げ位置が移動自在となる構造を採用している。
【0065】
図15は、小型揚重装置の取付金具の構造を示した一部断面とした説明図である。
【0066】
取付金具35は、メインワイヤ12を跨ぐ横断面がU字状の取付本体42と、この取付本体42のU字状の溝43に入り込んで揺動自在に軸着された吊下アーム44とからなる。吊下アーム44の上部は、取付本体42のU字状の溝43と向かい合う係止歯45を設けており、前記U字状の溝43と係止歯45との間にはメインワイヤ12が挿通できる隙間ができるようになっている。
【0067】
吊下アーム44の下部は、小型揚重装置11を吊り下げるための吊下孔46を形成したフック部47を有しており、このフック部47に重量物が引っ掛けられて荷重Wが働くと、回転軸48を中心とする反時計回りの回転モーメントが生じる。
【0068】
そのため、吊下アーム44の上部の係止歯45の部分が図15に示した矢印(反時計回り)の方向へ動いて、係止歯45の先端が取付本体42のU字状の溝43へより接近することになる。これにより、取付本体42のU字状の溝43と係止歯45とに挟まれているメインワイヤ12に、係止歯45が食い込むこととなり、取付金具35がメインワイヤ12に対して移動不能の状態となる。
【0069】
吊下アーム44に小型揚重装置11のみが吊り下げられ、小型揚重装置11の吊りワイヤ34に吊り荷の荷重が掛かっていない状態では、係止歯45に働く回転モーメントが僅かに作用して、小型揚重装置11はメインワイヤ12上の現在位置から動くことはない。
【0070】
この状態にあっては、メインワイヤ12の長手方向に沿って取付金具35のフック部47をパイプのようなもので手前から前方に押してやれば(図15の右側から左側の方向へ移動させる)、吊下アーム44の下部が時計回りに動いて係止歯45に働いていた回転モーメントが解除されるため、取付金具35はメインワイヤ12上を前方に移動させることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1乃至3に記載された発明に係る吊り足場の構築方法及び請求項4に記載の発明に係る吊り足場用大引材によれば、大がかりな機械を必要とすることなく構築コストを低減すると共に安全な作業環境において吊り足場を構築できる(以下、第1の効果という)。
【0072】
請求項2に記載された発明によれば、第1の効果に加え、小型揚重装置を移動させるための特別の設備を必要とせずに、人手だけで1スパン毎の組み立て作業が迅速に行える。
【0073】
請求項3に記載された発明によれば、第1の効果に加え、吊り足場の必要な幅に見合った大引材を一度に吊り上げることが可能となり、1スパン毎の作業が簡素化されると共に、大引材要素を高所で組み立てるといった危険作業がなくなるので、安全に作業が行える。
【0074】
請求項4に記載された発明によれば、現場で容易に1本の大引材13の長さを必要とする吊り足場の幅寸法に対応させることができ、しかも大引材13の自重による撓みに対する接続部の剛性も十分に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】在来工法による橋梁の吊り足場における吊りチェーンの取付作業を示す概略斜視図である。
【図2】在来工法による橋梁の吊り足場における親パイプの取付作業を示す概略斜視図である。
【図3】在来工法による橋梁の吊り足場におけるコロバシパイプの取付作業を示す概略斜視図である。
【図4】在来工法による橋梁の吊り足場における落下防止ネットの取付作業を示す概略斜視図である。
【図5】在来工法による橋梁の吊り足場にける防炎シート取付前の状態を示す概略斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態に係る吊り足場を構築する場合の小型揚重装置の動きを示す説明図である。
【図7】同実施の形態に係る吊り足場を構築する場合の小型揚重装置による大引材の吊り上げ状態を示す斜視図である。である。
【図8】同実施の形態に係る大引材の大引材要素に外包部材を取り付ける状態を示す分解斜視図である。
【図9】同実施の形態に係る大引材において外包部材が取り付けられている大引材要素に新たな大引材要素を取り付ける状態を示した分解斜視図である。
【図10】同実施の形態に係る大引材に根太が掛けられた状態を示した大引材の連結部の横断面図である。
【図11】同実施の形態に係る大引き材の連結部の正面図である。
【図12】同実施の形態に係る吊り足場を構築する場合の根太の組み付け状態を示した斜視図である。
【図13】同実施の形態に係る吊り足場を構築する場合の大引材の桁材への吊り下げ作業を示した斜視図である。
【図14】同実施の形態に係る吊り足場構築方法に使用する小型揚重装置がメインワイヤに吊り下げられた状態を示した斜視図である。
【図15】同実施の形態に係る吊り足場構築方法に使用する小型揚重装置の取付金具の構造を示した一部断面の説明図である。
【符号の説明】
1 主桁
2 下フランジ部
4 足場板(床材)
5 吊りチェーン(吊材)
6 取付クランプ
11 小型揚重装置
12 メインワイヤ
13 大引材
14 大引材要素
17 外包部材
30 吊り金具
31 軸材
32 足場
33 既設大引材
34 吊りワイヤ
35 取付金具
36 吊りフック
37 根太
38 桁材

Claims (4)

  1. 構造物より垂下する吊材により支持されて平行に配設される複数の大引材と、該大引材間に横架する根太と、これら大引材及び根太が形成する格子枠体に載置する床材とからなる吊り足場の構築方法において、前記構築物の吊り足場を構築する高さよりも高い位置に、前記吊り足場を構築していく水平方向に沿って予め前記構造物に複数のメインワイヤを張設しておき、該各メインワイヤに取付金具を介して小型揚重装置を移動可能に吊り下げ、前記吊り足場に先行して構築されている足場の先端にある既設大引材から1スパン分前方に前記小型揚重装置を配置させるようにして、前記小型揚重装置から繰り出される吊りワイヤによって地上から大引材を吊り上げ、該大引材と前記既設大引材と間に根太を横架して格子枠体を形成した後、前記小型揚重装置で吊り上げた大引材を前記吊材にて前記構造物に取り付けてから前記小型揚重装置の吊りワイヤを取り外し、前記格子枠体に床材を載置することにより1スパンずつ吊り足場を構築していくことを特徴とする吊り足場構築方法。
  2. 前記小型揚重装置は、モータと吊りワイヤを巻き取るための巻き取りドラムとが一体となった揚重装置本体と、該揚重装置本体を前記メインワイヤに吊り下げるための取付金具と、前記吊りワイヤの先端に設けられた吊りフックからなるものであって、前記取付金具は、前記吊りワイヤに負荷が加わり前記揚重装置本体が下方へ引っ張られる荷重が作用した際には前記メインワイヤにおける吊り下げ位置が移動不能に固定され、前記吊りワイヤへの負荷が除かれ前記揚重装置本体が下方へ引っ張られる荷重が作用しない状態では前記メインワイヤにおける吊り下げ位置が移動自在となる構造を有していることを特徴とする請求項1記載の吊り足場構築方法。
  3. 前記大引材は、複数の大引材要素をその長手方向に突き合わせて接続し構築する吊り足場の幅に対応させた大引材において、その接続部を前記大引材要素の横断面の外形より大きな内寸の横断面を有し前記大引材要素の向かい合った端面を中心として各大引材要素の中央部へ向かう補強腕部を設けた外包部材にて補強したことを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り足場構築方法。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載の吊り足場構築方法に使用する大引材であって、該大引材の長さを複数の大引材要素をその長手方向に突き合わせて接続し構築する吊り足場の幅に対応させ、その接続部を前記大引材要素の横断面の外形より大きな内寸の横断面を有し前記大引材要素の向かい合った端面を中心として各大引材要素の中央部へ向かう補強腕部を設けた外包部材にて補強したことを特徴とする吊り足場用大引材。
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