JP3797770B2 - 感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素及びそれを用いた感熱転写記録用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素転写型感熱転写記録に使用されるベンゾチアゾールアゾ系色素及びそれを用いた感熱転写記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年要望が高まっているプリンター、複写機、ファクシミリなどのカラー記録には、電子写真、インクジェット、感熱転写等によるカラー記録技術が検討されている。
感熱転写方式は、装置の保守や操作が容易で、装置や消耗品が安価であるため、他の方法に比べ有利である。
感熱転写方式には、ベースフィルム上に熱溶融性インク層を形成させた転写シートを、熱ヘッドで加熱して、該インクを溶融し、被記録体上に転写記録する溶融転写方式と、ベースフィルム上に熱移行性色素を含有するインク層(色材層)を形成させた感熱転写シートを、熱ヘッドで加熱して、色素を昇華及び/又は熱拡散させ、被記録体上に転写記録する色素転写方式とがあるが、色素転写方式は熱ヘッドに与えるエネルギーを変えることにより、色素の転写量を制御することができるので、階調記録が容易となり、フルカラー記録には特に有利である。
【0003】
色素をこの記録方式に適用する場合、色素としては以下のような条件が具備される必要がある。
▲1▼ 熱記録ヘッドの作動条件で容易に昇華又は熱拡散すること。
▲2▼ 熱記録ヘッドの作動条件で熱分解しないこと。
▲3▼ 色再現上、好ましい色相を有すること。
▲4▼ 分子吸光係数が大きいこと。
▲5▼ 熱、光、湿気、薬品などに対し安定なこと。
▲6▼ 合成が容易なこと。
▲7▼ インク化適性が優れていること。
▲8▼ 安全性上問題のないこと。
本記録方式に用いられる色素として本発明者らは、先に、ベンゾチアゾールアゾ系色素を提案した(特開平1−263082)。
また、類似のベンゾチアゾールアゾ系色素が開示されているものとして、特公平8−15814や、特表平8−505820がある。しかし、感熱転写に求められる特性の要求は厳しく、これらの色素よりも、さらに色濃度、耐光性及び色調に優れた色素の開発が要求されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、ベンゾチアゾールアゾ系色素について更に検討を重ねた結果、本願に示す特定の置換基を有する色素が、従来、好ましいと示唆されているベンゾチアゾールアゾ系色素と比べて、マゼンタ色色素として、特にすぐれた性能を有することを見出した。
本発明は色素転写型感熱転写記録用の色素として、色濃度、耐光性及び色調の優れた性能を有する、マゼンタ色色素及びそれを用いた感熱転写シートの提供をその目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構造式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1は、β位で分岐したC3〜C8 のアルキル基を表し、R2は置換又は非置換のアルキル基を表し、Xは水素原子、C 1 〜C 4 のアルキル基、ホルミルアミノ基、アルキル部分がC 1 〜C 4 のアルキル基であるアルキルカルボニルアミノ基、アルキル部分がC 1 〜C 4 のアルキル基であるアルコキシカルボニルアミノ基又はベンゾイルアミノ基を表し、Yは塩素原子又は臭素原子を表し、Zは水素原子、塩素原子、又は臭素原子を表す)で示される感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素及び、基材上に該色素と結着剤とを含む色材層を有する感熱転写シートをその要旨とする。
【0008】
本発明の色素は前記一般式(I)で示されるものであって、R1で示される、β位で分岐したC3〜C8 のアルキル基とR2で示される置換又は非置換のアルキル基を有し、かつ、Yで示される塩素原子又は臭素原子を有していることが特徴である。一般式(I)に於いてR1で示される、β位で分岐したアルキル基としては、炭素数3〜8のものが用いられ、例えば以下の分岐アルキル基が挙げられる。−CH2CH(CH3)2 、−CH2CH(C2H5)C4H9(n)。α位で分岐したアルキル基に比べて、−CH2CH(CH3)2、−CH2CH(C2H5)C4H9(n)等、β−位で分岐したアルキル基の方が合成が容易であるという点でより好ましい。
【0009】
一般式(I)に於いてR2 で示されるアルキル基としては、C1 〜C8 の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。これらアルキル基はヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、C1 〜C8 のアルコキシ基、C2 〜C8 のアルコキシアルコキシ基、フェノキシ基、アリルオキシ基、C2 〜C8 のアシルオキシ基、C2 〜C8 のアルコキシカルボニル基、C2 〜C8 のアルコキシカルボニルオキシ基、フェニル基もしくはヘテロ環で置換されていてもよい。
ヒドロキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基などが挙げられる。
【0010】
また、アミノ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−アミノエチル基、2−メチルアミノエチル基、2−ジメチルアミノエチル基などが挙げられる。
また、ハロゲン原子で置換されたアルキル基の具体例としては、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
【0011】
また、C1 〜C8 のアルコキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−i−ブトキシエチル基、2−i−プロポキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシブチル基、1−エチル−2−メトキシエチル基などが挙げられる。
【0012】
また、C2 〜C8 のアルコキシアルコキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−n−プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2−i−プロポキシエトキシ)エチル基などが挙げられる。
フェノキシ基、アリルオキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−フェノキシエチル基、2−アリルオキシエチル基などが挙げられる。
【0013】
また、C2 〜C8 のアシルオキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−i−ブチリルオキシエチル基、2−n−ブチリルオキシエチル基、2−トリフルオロアセチルオキシエチル基などのハロゲン原子などの置換基を有していてもよい低級アルキルカルボニルオキシ基で置換されたアルキル基などが挙げられる。
【0014】
また、C2 〜C8 のアルコキシカルボニル基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−n−ブトキシカルボニルエチル基などが挙げられる。
また、C2 〜C8 アルコキシカルボニルオキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、2−メトキシカルボニルオキシエチル基、2−エトキシカルボニルオキシエチル基、2−n−ブトキシカルボニルオキシエチル基、2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、2−ベンジルオキシカルボニルオキシエチル基、2−フルフリルオキシカルボニルオキシエチル基などが挙げられる。
【0015】
また、フェニル基で置換されたアルキル基の具体例としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基などが挙げられる。
また、ヘテロ環で置換されたアルキル基の具体例としては、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、2−チエニル基などの酸素原子、硫黄原子を含むヘテロ単環で置換されたアルキル基が挙げられる。
【0017】
本発明のベンゾチアゾールアゾ系色素の内、特に好ましいものとしては、前記一般式(I)に於いてR1 がC3 〜C8 の分岐鎖状アルキル基、R2 がC2 〜C8 のアルキル基又はC1 〜C4 のアルコキシ基、アリルオキシ基若しくはフェノキシ基で置換されたC2 〜C4 のアルキル基、Xがメチル基又はアセチルアミノ基、Yが塩素原子、Zが水素原子又は塩素原子で示されるものが挙げられ、就中、R1 がイソブチル基または2−エチルヘキシル基のものが好ましく、R2 が分岐状アルキル基であるものが好ましい。
前記式(I)で示されるベンゾチアゾールアゾ系色素は例えば下記一般式(II)
【0018】
【化3】
【0019】
(式中、Y及びZは前記一般式(I)と同じ意味を表す)で示される2−アミノベンゾチアゾール類を常法によりジアゾ化し、下記一般式(III )
【0020】
【化4】
【0021】
(式中、R1 、R2 、Xは前記一般式(I)と同じ意味を表す)で示されるアニリン類と常法によりカップリングすることにより製造される。
一般式(II)で示される2−アミノベンゾチアゾール類の具体例としては、2−アミノ−6−クロロベンゾチアゾール、2−アミノ−5,6−ジクロロベンゾチアゾール、2−アミノ−6,7−ジクロロベンゾチアゾール、2−アミノ−4,6−ジクロロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−ブロモベンゾチアゾール、2−アミノ−4,6−ジブロモベンゾチアゾール、2−アミノ−5,6−ジブロモベンゾチアゾール、2−アミノ−6,7−ジブロモベンゾチアゾールなどが挙げられる。
一般式(I)で表される色素の具体例を第1表に示すが、本発明色素はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
本発明のベンゾチアゾールアゾ系色素を感熱転写記録用色素として用いる場合、通常、色素を結着剤と共に媒体中に溶解あるいは微粒子状に分散させたインクを調製し、該インクをベースフィルム上に塗布、乾燥して作成した転写シートとして用いる。
インク調製のための結着剤としては、セルロース系、アクリル酸系、澱粉系、エポキシ系などの水溶性樹脂及びアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、アセチルセルロース、ポリエステル、AS樹脂、フェノキシ樹脂などの有機溶剤に可溶性の樹脂を挙げることができる。
【0026】
インク調製のための媒体としては水の他に、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどの塩素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの有機溶剤を挙げることができる。
【0027】
上記のインク中には上記の成分の他に必要に応じて有機、無機の非昇華性微粒子、分散剤、帯電防止剤、消泡剤、酸化防止剤、離型剤、粘度調整剤などを添加することができる。
感熱転写シート作製のためのインクを塗布するベースフィルムとしては、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミドのような耐熱性の良好なプラスチックのフィルムが適しており、それらの厚さとしては3〜50μmの範囲が挙げられる。
【0028】
上記のベースフィルムのうちポリエステル、特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、耐溶剤性、経済性などを考慮すると特に有利である。しかし、場合によってはポリエチレンテレフタレートフィルムは必ずしも耐熱性が充分でなく、サーマルヘッドの走行性が不十分であるので色材層の反対面に湿潤剤、滑性の高い耐熱性粒子などを含む耐熱性樹脂の層を設けることにより、サーマルヘッドの走行性を改良したものを用いることができる。
【0029】
インクをベースフィルムに塗布する方法としては、グラビアコーター、リバースロールコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターなどを使用して実施することができ、インクの塗布層の厚さは乾燥後0.1〜5μmの範囲となるように塗布すれば良い。
感熱転写シートは、受像シートを重ね合わせ、加熱手段により熱エネルギーを与えることにより、色材層の色素を色素受像層に転写し、記録画像を形成する。
【0030】
受像シートは、支持体上に色素受像層を有する。該色素受像層はバインダー樹脂、該樹脂に色素を受容しうる化合物を添加したものである。
色素受像層に使用するバインダー樹脂としては、塩・酢ビ樹脂や前記のインキ調製に使用するバインダー樹脂が挙げられ、該樹脂に添加する色素を受容しうる物質としては、特開昭62−174754等に記載されている高沸点有機溶剤を挙げることが出来る。色素受像層の厚さは0.2〜40μmが好ましく、特に、1〜15μmが好ましい。
【0031】
また、受像シートの支持体としては、合成紙(ポリオレフィン、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド製のフィルム等や、これらの積層体を使用出来る。
【0032】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
2−アミノ−6−クロロベンゾチアゾール18.5gを濃硫酸100mlに溶解した溶液を、水200ml中に添加し、懸濁状とした。その懸濁液を0℃に冷却し、ニトロシル硫酸溶液(95%硫酸60mlと亜硝酸ソーダ7.1gより調製)を0〜5℃で滴下し、同温度で2時間撹拌し、ジアゾ化した。一方、3−アセチルアミノ−N,N−ジイソブチルアニリン26.2gを15%硫酸水溶液に溶解し、水1000mlを加え0℃に冷却した溶液に、上記のジアゾ化液を0〜5℃で滴下し、同温度で3時間撹拌してカップリング反応を行った。析出した結晶を濾過し、水及びメタノールで洗浄後、乾燥して、第1表No.1色素の赤色結晶35gを得た。この色素の融点は153〜154℃、アセトン中のλmaxは535nmであった。
実施例2
実施例1と同様にして、下記の色素を合成した。その融点及びアセトン中のλmaxを示す。なお、色素No.は第1表のNo.に対応する。
【0033】
【表4】
【0034】
実施例3
第1表No.1の色素を使用して以下の転写記録試験を実施した。
a)インクの調製
色 素 6重量部
AS樹脂 10重量部
(製品名:デンカAS−S;電気化学工業株式会社製品)
メチルエチルケトン 24重量部
トルエン 60重量部
合 計 100重量部
上記組成の混合物をペイントコンディショナーで10分間処理し、インクの調製を行った。
【0035】
b)感熱転写シートの作製
上記のインクをワイヤバーを用いて背面が耐熱滑性処理のされたポリエチレンテレフタレートフィルム(6μm厚)上に塗布、乾燥し(乾燥膜厚約1μm)転写シートを得た。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性処理は、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル樹脂(商品名:BR−80;三菱レーヨン株式会社製品)10重量部、アミノ変性シリコンオイル(商品名:KF393;信越化学工業株式会社製品)1重量部、トルエン89重量部からなる液を塗布、乾燥(乾燥膜厚約1μm)することにより行った。
【0036】
c)受像シートの作製
ポリビニルフェニルアセタール樹脂70重量部、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合樹脂(商品名:エスレックA;積水化学工業株式会社製品)30重量部、シリコーンワニス(商品名:TSR−160、固形分濃度60%、キシレン40%;東芝シリコーン株式会社製品)30重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物(商品名:マイテックNY−710A、固形分濃度75%、酢酸エチル25%;三菱化学株式会社製品)15重量部、アミノ変性シリコーン(製品名:KF393;信越化学工業株式会社製品)2.5重量部、メチルエチルケトン600重量部、トルエン600重量部からなる液を合成紙(製品名:ユポFPG150;王子油化株式会社製品)にワイヤバーで塗布、乾燥し(乾燥膜厚約5μm)、更にオーブン中で80℃で30分間処理して受像シートを作成した。
【0037】
d)転写記録試験
上記感熱転写シートのインク塗布面を受像シートと重ね、サーマルヘッドを用いて下記条件で記録し、マゼンタ色の記録物を得た。記録物の色濃度をマクベス社製デンシトメーターTR−927を用いて測定した。色濃度は2.5であった。
記録条件
主走査、副走査の記録密度 :6ドット/mm
記録電力 :0.2W/ドット
通電時間 :13ミリ秒
【0038】
f)耐光性試験
上で得られた記録物の耐光性試験をキセノンランプフェードメーター(スガ試験機株式会社製)を用いて実施し(ブラックパネル温度:63±2℃)、80時間照射後の記録物の変退色の程度{ΔE(L*a*b*)}を測定した。結果は5.0であった。
【0039】
実施例4
第1表No.1の色素の代りにNo.2の色素を用いた他は実施例3と同様に転写記録試験及び耐光性試験をした結果、記録物の色濃度は2.7で、記録物の変退色の程度は5.5であった。
実施例5
第1表No.1の色素の代りにNo.3の色素を用いた他は実施例3と同様に転写記録試験及び耐光性試験をした結果、記録物の色濃度は2.6で、記録物の変退色の程度は6.5であった。
【0040】
実施例6
第1表No.1の色素の代りにNo.7の色素を用いた他は実施例3と同様に転写記録試験及び耐光性試験をした結果、記録物の色濃度は2.8で、記録物の変退色の程度は6.5であった。
実施例7
第1表No.1の色素の代りにNo.5の色素(アセトン中のλmax:540nm、本色素は2−アミノ−5,6−ジクロロベンゾチアゾールと2−アミノ−6,7−ジクロロベンゾチアゾールの1:1混合物をジアゾ化し、N,N−ジイソブチル−m−トルイジンにカップリングし、合成した)を用いた他は実施例3と同様に転写記録試験及び耐光性試験をした結果、記録物の色濃度は2.5で、記録物の変退色の程度は5.0であった。
【0041】
実施例8
第1表No.1の色素の代りにNo.6の色素(アセトン中のλmax:538nm、本色素は2−アミノ−5,6−ジクロロベンゾチアゾールと2−アミノ−6,7−ジクロロベンゾチアゾールの1:1混合物をジアゾ化し、m−N,N−ジイソブチルアミノアセトアニリドにカップリングし、合成した)を用いた他は実施例1と同様に転写記録試験及び耐光性試験をした結果、記録物の色濃度は2.3で、記録物の変退色の程度は4.5であった。
【0042】
実施例9
第1表No.1の色素の代りにNo.41の色素(アセトン中のλmax:530nm)を用いた他は実施例3と同様に転写記録試験及び耐光性試験をした結果、記録物の色濃度は2.3で、記録物の変退色の程度は5.5であった。
実施例3〜9の結果を、下記第3表に示した。
【0043】
【表5】
【0044】
また、上記実施例3〜9においては、記録物の色調は、全て鮮明なマゼンタ色であった。
比較例1〜6
実施例3と同様に特開平1−263082の実施例に記載の下記色素を用いて、転写記録試験及び耐光性試験を実施した。その結果を第4表に示す。
【0045】
【表6】
【0046】
なお、比較試験(比1〜比6)に用いた色素の構造は次の通りである。
【0047】
【化5】
【0048】
第3表及び第4表の結果より、No.7の色素(実施例6)と、比5の色素を比較すると、本発明の一般式(I)で示される色素において、R1 として、炭素数8の分岐鎖状アルキル基を有し、R2 として、アルキル基を有する色素を使用することにより、記録物の色濃度と耐光性が著しく向上することが分かる。
【0049】
比較例7及び8
実施例3と同様に下記色素(比7及び比8)を用いて、転写記録試験及び耐光性試験を実施した。その結果を、No.2の色素を用いた場合の結果(実施例4)とあわせて、第5表に示す。
【0050】
【表7】
【0051】
なお、比較試験(比7及び比8)に用いた色素の構造は、次の通りである。
【0052】
【化6】
【0053】
第5表の結果より、本発明のNo.2の色素(実施例4)と比7及び比8の色素を比較すると、本発明の一般式(I)で示される色素において、Yが、塩素原子である色素を使用することにより、記録物の色濃度、耐光性及び色調の全てについて優れた性能を示すことが分かる。
従来公知のアゾ系色素に関しては、例えば、特公平8−15814号公報等には、ベンゾチアゾリル基を有する色素を用いた場合、その6位の置換基としては、チオシアノ基が好ましい置換基であることが示唆されている。しかしながら、本発明者らは、一般式(I)で示されるような、ベンゾチアゾイル基の6位にチオシアノ基ではなく塩素原子又は臭素原子を有し、かつ、R1 として、C3 〜C8 の分岐鎖状アルキル基を有し、R2 としてアルキル基を有する特定構造の色素が、感熱転写用の色素として、色濃度、耐光性及び色調の全ての性能を満たす、優れた色素であることを見出したのである。
【0054】
【発明の効果】
本発明の感熱転写シートを用いた場合、低エネルギーで高濃度の鮮明なマゼンタ色の記録物を得ることができ、更に記録物の耐光性が良好である。本発明色素は、R1 で示されるC3 〜C8 の分岐状アルキル基及びR2 で示される置換または非置換のアルキル基を有し、かつ、Yで示される塩素原子又は臭素原子を有することにより、類似構造の色素に比し、著しく優れた性能を有する。
Claims (8)
- R2が、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、C1〜C8のアルコキシ基、C2〜C8のアルコキシアルコキシ基、フェノキシ基、アリルオキシ基、C2〜C8のアシルオキシ基、C2〜C8のアルコキシカルボニル基、C2〜C8のアルコキシカルボニルオキシ基、フェニル基若しくはヘテロ環からなる群から選ばれる基で置換されていてもよいC1〜C8のアルキル基である請求項1に記載の感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素。
- R2が、C1〜C4のアルコキシ基、アリルオキシ基若しくはフェノキシ基、からなる群から選ばれる基で置換されていてもよいC2〜C4のアルキル基である請求項2に記載の感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素。
- R2が、C2〜C8の分岐状アルキル基である請求項2に記載の感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素。
- R1が、イソブチル基又は2−エチルヘキシル基である請求項1〜4のいずれかに記載の感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素。
- Xが、C1〜C4のアルキル基又はアルキル部分がC1〜C4のアルキル基であるアルキルカルボニルアミノ基である請求項1〜5のいずれかに記載の感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素
- Yが、塩素原子である請求項1〜6のいずれかに記載の感熱転写用ベンゾチアゾールアゾ系色素。
- 基材上に請求項1〜7のいずれか1項に記載のベンゾチアゾールアゾ系色素の少なくとも一種及び結着剤を含む色材層を有する感熱転写シート。
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