JP3669170B2 - 感熱転写用ジスアゾ系色素、感熱転写用シート及び感熱転写用インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱転写記録用、特に色素転写型感熱転写記録用に用いられる特定の構造を有するジスアゾ系色素、それを用いた感熱転写用シート及び感熱転写用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
色素転写型感熱転写記録は、ベースフィルム上に熱移行性の色素を含む色材層を有する感熱転写シートと、色素受容層を表面に有する受像シートを重ね合わせ、感熱転写シートを加熱することにより感熱転写シート中の色素を受像シートに転写することにより記録を行う記録方法である。本記録方法は加熱エネルギーの大きさにより色素の転写量を制御し、階調表現ができるため、ビデオプリンター等のフルカラー画像記録用に応用されている。
【0003】
そして、該色素転写型感熱転写用記録においては、転写シート及び転写シート用のインキ組成物に用いられる色素が転写記録のスピード、記録物の画質、保存安定性等に大きな影響を与えるので非常に重要であり、このような色素としては、以下のような条件を満たすことが必要である。
▲1▼熱記録ヘッドの作動条件で容易に昇華及び/又は熱拡散すること。
▲2▼熱記録ヘッドの作動条件で熱分解しないこと。
▲3▼色再現上、好ましい色相を有すること。
▲4▼分子吸光係数が大きいこと。
▲5▼熱、光、湿気、薬品等に対して安定であること。
▲6▼合成が容易なこと。
▲7▼インク化適性が優れていること。
▲8▼安全性上問題のないこと。
このような条件を満たす感熱転写用ジスアゾ系色素として、本発明の一般式(I)において、−OR1 基が−OH基である色素が特開昭60−180889号公報に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の色素については、シート上又は記録物上における安定性及び色相の点で更なる改良が必要とされる。
本発明の目的は、色素転写型感熱転写記録用の色素として、上記の全ての特性に優れた性能を有するジスアゾ系色素、それを使用した感熱転写用シート及び感熱転写用インクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造を有するジスアゾ系色素が前記の条件を満足し、且つ耐光性、感度等が良好な橙色色素であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
1.下記一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、R1は置換もしくは非置換のアルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立し
て、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基又はヒドロキシル基を表し、環Aはベンゼン環又は置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル基及びアシルアミノ基より成る群から選ばれた置換基を有するベンゼン環を表す)で示される感熱転写用ジスアゾ系色素。
2.基材上に1項に記載の一般式(1)で示されるジスアゾ系色素及び結着剤を含む色材層を有することを特徴とする感熱転写用シート。
3.1項に記載の一般式(1)のジスアゾ系色素及び有機溶剤を含有することを特徴とする感熱転写用インク、
にある。
本発明の色素は、製造が容易であり、また、記録物の色濃度及び耐光性の両方が優れている。中でも、公知の感熱転写用色素に比べて特にブラック用の配合成分として好ましい色相を有しており、シート又は記録物の保存安定性が優れている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一般式(I)で示されるジスアゾ系色素は、下記一般式(II)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R2 、R3 及びAは式(I)と同義である)
で示されるジスアゾ化合物を通常の方法に従ってアルキル化剤で処理することにより合成することができる。
次に、本発明の式(I)の色素について具体的に説明する。
式(I)において、R1 で表される非置換のアルキル基としては、C1 〜C12、好ましくはC1 〜C8 の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
【0011】
なお、アルキル基の炭素数については、多すぎると色濃度が低く、転写感度が悪くなる傾向があり、また、炭素数が小さすぎるとシート又は記録物上で結晶化しやすい傾向があるため、最も好ましい炭素数は4〜8である。
また、R1 で表される置換アルキル基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アシルオキシ基等で置換されたC1 〜C8 の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0012】
R2 及びR3 で表される非置換のアルキル基としては、通常C1 〜C6 の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。また、置換アルキル基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アシルオキシ基等で置換されたC1 〜C6 の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0013】
またR2 及びR3 で表される非置換のアルコキシ基としては、C1 〜C6 の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。また、置換アルコキシ基としては、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されたC1 〜C6 の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。
【0014】
また、R2 及びR3 で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、R2 及びR3 で表されるアシルアミノ基としてはC1 〜C4 のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
環Aの置換基において、非置換のアルキル基としてはC1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状の非置換のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。置換アルキル基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アシルオキシ基等で置換されたC1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0015】
環Aの置換基において、非置換のアルコキシ基としては、C1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。また、置換アルコキシ基としては、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されたC1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。
環Aの置換基において、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0016】
環Aの置換基において、非置換のアルコキシカルボニル基としては、C1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシカルボニル基が挙げられ、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。また、置換アルコキシカルボニル基としてはアルコキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されたC1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0017】
環Aの置換基において、非置換のアルキルスルホニル基としては、C1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキルスルホニル基が挙げられ、具体的にはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基等が挙げられる。また、置換アルキルスルホニル基としてはアルコキシ基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されたC1 〜C6 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキルスルホニル基が挙げられる。
環Aの置換基においてアシルアミノ基としてはC1 〜C4 のアルキルカルボニル基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
【0018】
上記において、アルコキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−i−ブトキシエチル基、1−メトキシ−2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基等が挙げられる。
また、アラルキルオキシ基で置換されたアルキル基の具体例としては、ベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシエチル基、1−エチル−2−ベンジルオキシエチル基等が挙げられる。
【0019】
また、アリールオキシ基で置換されたアルキル基としては、フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基等が挙げられる。
また、アルコキシアルコキシ基で置換されたアルキル基としては、メトキシメトキシメチル基、(2′−メトキシエトキシ)メチル基、2−(2′−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2′−エトキシエトキシ)エチル基、4−(2′−メトキシエトキシ)ブチル基等が挙げられる。
【0020】
また、シアノ基で置換されたアルキル基としては、シアノメチル基、2−シアノエチル基等が挙げられる。
また、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基等が挙げられる。
【0021】
また、アルコキシカルボニル基もしくはアリルオキシカルボニル基で置換されたアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルエチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
【0022】
また、アシルオキシ基で置換されたアルキル基としては、アセトキシメチル基、2−アセトキシエチル基、ベンゾイルオキシメチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、3−アセトキシプロピル基等が挙げられる。
また、アリール基で置換されたアルキル基としては、ベンジル基、p−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。
【0023】
上記において、アルコキシ基で置換されたアルコキシ基の具体例としては、メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−n−プロポキシエトキシ基、2−n−ブトキシエトキシ基、2−i−ブトキシエトキシ基、1−メトキシ−2−メトキシエトキシ基、3−メトキシプロポキシ基、3−n−ブトキシプロポキシ基等が挙げられる。
また、アラルキルオキシ基で置換されたアルコキシ基の具体例としては、ベンジルオキシメトキシ基、2−ベンジルオキシエトキシ基、1−エチル−2−ベンジルオキシエトキシ基等が挙げられる。
【0024】
また、アリールオキシ基で置換されたアルコキシ基としては、フェノキシメトキシ基、2−フェノキシエトキシ基等が挙げられる。
また、シアノ基で置換されたアルコキシ基としては、シアノメトキシ基、2−シアノエトキシ基等が挙げられる。
また、ヒドロキシ基で置換されたアルコキシ基としては、ヒドロキシメトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、1−メチル−2−ヒドロキシエトキシ基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子で置換されたアルコキシ基としては、クロロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基等が挙げられる。
【0025】
また、アルコキシカルボニル基もしくはアリルオキシカルボニル基で置換されたアルコキシ基としては、メトキシカルボニルメトキシ基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメトキシ基、アリルオキシカルボニルエトキシ基、n−ブトキシカルボニルメトキシ基等が挙げられる。
また、アシルオキシ基で置換されたアルコキシ基としては、アセトキシメトキシ基、2−アセトキシエトキシ基、ベンゾイルオキシメトキシ基、2−ベンゾイルオキシエトキシ基、3−アセトキシプロポキシ基等が挙げられる。
また、アリール基で置換されたアルキル基としては、ベンジルオキシ基、p−クロロベンジルオキシ基、2−フェニルエトキシ基等が挙げられる。
【0026】
上記において、アルコキシ基で置換されたアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシメトキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカルボニル基、2−エトキシエトキシカルボニル基、2−n−プロポキシエトキシカルボニル基、2−n−ブトキシエトキシカルボニル基、2−i−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メトキシ−2−メトキシエトキシカルボニル基、3−メトキシプロポキシカルボニル基、3−n−ブトキシプロポキシカルボニル基等が挙げられる。また、アラルキルオキシ基で置換されたアルコキシカルボニル基の具体例としては、ベンジルオキシメトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−エチル−2−ベンジルオキシエトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0027】
また、アリールオキシ基で置換されたアルコキシカルボニル基としては、フェノキシメトキシカルボニル基、2−フェノキシエトキシカルボニル基等が挙げられる。
また、シアノ基で置換されアルコキシカルボニル基としては、シアノメトキシカルボニル基、2−シアノエトキシカルボニル基等が、ヒドロキシ基で置換されたアルコキシカルボニル基としては、ヒドロキシメトキシカルボニル基、2−ヒドロキシエトキシカルボニル基、3−ヒドロキシプロポキシカルボニル基、1−メチル−2−ヒドロキシエトキシカルボニル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子で置換されたアルコキシカルボニル基としては、クロロメトキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2−ブロモエトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0028】
また、アシルオキシ基で置換されたアルコキシカルボニル基としてしは、アセトキシメトキシカルボニル基、2−アセトキシエトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシメトキシカルボニル基、2−ベンゾイルオキシエトキシカルボニル基、3−アセトキシプロポキシカルボニル基等が挙げられる。
また、アリール基で置換されたアルキルカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、2−フェニルエトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0029】
上記において、アルコキシ基で置換されたアルキルスルホニル基の具体例としては、メトキシメチルスルホニル基、2−メトキシエチルスルホニル基、2−エトキシエチルスルホニル基、2−n−プロポキシエチルスルホニル基、2−n−ブトキシエチルスルホニル基、2−i−ブトキシエチルスルホニル基、1−メトキシ−2−メトキシエチルスルホニル基、3−メトキシプロピルスルホニル基、3−n−ブトキシプロピルスルホニル基等が挙げられる。
また、アラルキルオキシ基で置換されたアルキルスルホニル基の具体例としては、ベンジルオキシメチルスルホニル基、2−ベンジルオキシエチルスルホニル基、1−エチル−2−ベンジルオキシエチルスルホニル基等が挙げられる。
【0030】
また、アリールオキシ基で置換されたアルキルスルホニル基としては、フェノキシメチルスルホニル基、2−フェノキシエチルスルホニル基等が挙げられる。また、シアノ基で置換されたアルキル基としては、シアノメチルスルホニル基、2−シアノエチルスルホニル基等が、ヒドロキシ基で置換されたアルキルスルホニル基としては、ヒドロキシメチルスルホニル基、2−ヒドロキシエチルスルホニル基、3−ヒドロキシプロピルスルホニル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチルスルホニル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子で置換されたアルキルスルホニル基としては、クロロメチルスルホニル基、2−クロロエチルスルホニル基、2−ブロモエチルスルホニル基等が挙げられる。
【0031】
また、アシルオキシ基で置換されたアルキルスルホニル基としては、アセトキシメチルスルホニル基、2−アセトキシエチルスルホニル基、ベンゾイルオキシメチルスルホニル基、2−ベンゾイルオキシエチルスルホニル基、3−アセトキシプロピルスルホニル基等が挙げられる。
また、アリール基で置換されたアルキルスルホニル基としては、ベンジルスルホニル基、p−クロロベンジルスルホニル基、2−フェニルエチルスルホニル基等が挙げられる。
なお、本発明において、環Aの置換基の数は二個以上あってもよい。その場合、置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
【0032】
また、本発明において、環Aは非置換のフェニル基、又は塩素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルスルホニル基、アセチルアミノ基から選ばれる基により置換されていることが特に好ましい。
R1 はC1 〜C8 の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、2−(C1 〜C4 アルコキシ)エチル基、3−(C1 〜C4 アルコキシ)プロピル基、等のC1 〜C4 アルコキシ置換アルキル基、2−フェニルエチル基、ベンジル基等のアリール置換アルキル基であることが好ましく、中でも、C1 〜C8 のアルキル基であるのが最も好ましい。
R2 及びR3 は水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、アセチルアミノ基、ヒドロキシ基であることが特に好ましい。
式(I)で示される色素の具体例を第1表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
本発明の感熱転写シートは、通常、色材層に式(I)の色素を少なくとも一種含有するものである。また、式(I)の色素を他の構造の色素と併用してもよい。 本発明の感熱転写シートに上記の色素を用いて色材層を形成する場合、その方法は特に限定されず、通常、色素を結着剤と共に媒体中に溶解或いは微粒子状に分散させることによりインクを調製し、該インクを基材としてベースフィルムに塗布、乾燥することにより実施することができる。
【0037】
インクの調製のための結着剤としては、セルロース系、アクリル酸系、澱粉系、エポキシ系等の水溶性樹脂及びアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、アセチルセルロース、ポリエステル、AS樹脂、フェノキシ樹脂等の有機溶剤に可溶性の樹脂を挙げることができる。
結着剤と色素の使用比率は、1:2〜2:1の範囲が適当である。
【0038】
インク調製のための媒体としては水の他に、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の有機溶剤を挙げることができる。
上記のインク中には上記の成分の他に必要に応じて有機、無機の非昇華性微粒子、分散剤、帯電防止剤、消泡剤、酸化防止剤、粘度調製剤等を添加することができる。
【0039】
転写シート作成のためのインクを塗布するベースフィルムとしては、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミドのような耐熱性の良好なプラスチックのフィルムが適しているが、それらの厚さとしては3〜50μmの範囲を挙げることができる。
【0040】
上記のベースフィルムのうちポリエチレンテレフタレートフィルムが機械的強度、耐溶剤性、経済性等を考慮すると特に有利である。しかし、場合によってはポリエチレンテレフタレートフィルムは必ずしも耐熱性が十分でなく、サーマルヘッドの走行性が不十分であるので色材層の反対面に潤滑剤、滑性の高い耐熱性微粒子、界面活性剤及び結着剤等を含む耐熱性樹脂の層を設けることにより、サーマルヘッドの走行性を改良したものを用いることができる。このうち、潤滑剤としては、例えばアミノ変性シリコーン化合物、カルボキシ変性シリコーン化合物等が挙げられ、耐熱性微粒子としては、シリカ等の微粒子、結着剤としてはアクリル系樹脂等が挙げられる。
【0041】
インクをベースフィルムに塗布する方法としては、グラビアコーター、リバースロールコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター等を使用して実施することができ、インクは色材層の厚さが乾燥後0.1〜5μmの範囲となるように塗布すればよい。
更に、本発明の感熱転写シートは加熱手段としてサーマルヘッドのみならず赤外線、レーザー光等も利用することができる。また、ベースフィルムそのものに電気を流すことによって発熱する通電発熱フィルムを用いて、通電型染料転写シートとして用いることができる。
【0042】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、かかる実施例により限定されるものではない。
実施例1
a)第1表No.1の色素の合成
4−[{4−(フェニルアゾ)ナフチル}アゾ]フェノール3.52g(0.01モル)をメチルエチルケトン40mlに仕込み、炭酸カリウム3.04gと臭化n−ブチル4.52gを添加し加熱還流を4時間行った。反応液を室温まで冷却した後濾過、水洗、乾燥し橙色結晶を3.08g得た。
このもののマススペクトルは親イオンピークが408で第1表のNo.1の構造式の分子量と一致した。また、アセトン中の吸収極大波長は428nmであった。
【0043】
b)インクの調製
第1表No.1の色素 3重量部
ポリビニルブチラール樹脂 5重量部
(積水化学(株)製 BX−1)
トルエン 60重量部
テトラヒドロフラン 60重量部
──────────────────────────────
合計 128重量部
上記組成の混合物を超音波洗浄機で30分間処理し、インクの調製を行った。
【0044】
c)感熱転写シートの作成
上記のインクをワイヤバーを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(6μm厚)上に塗布、乾燥(乾燥膜厚約1μm)した後、背面にアクリル樹脂(商品名:BR−80;三菱レイヨン株式会社製品)10重量部、アミノ変性シリコーンオイル(商品名:KF393;信越化学工業株式会社製品)1重量部、トルエン89重量部からなる液を塗布、乾燥(乾燥膜厚約1μm)することにより感熱転写シートを得た。
【0045】
d)受像体の作成
ポリビニルフェニルアセタール樹脂70重量部、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体樹脂(商品名:エスレックA;積水化学工業株式会社製品)30重量部、シリコーンワニス(商品名:TSR−160 固形分濃度60%;東芝シリコーン株式会社製品)30重量部、ヘキサメチレンジアミンイソシアネート化合物(商品名:マイテックNY−710A、固形分濃度75%;三菱化学株式会社製品)15重量部、アミノ変性シリコーン(製品名:KF−393;信越化学工業株式会社製品)2.5重量部、メチルエチルケトン600重量部、トルエン600重量部からなる液を合成紙(製品名:ユポFPG150;王子油化株式会社製品)にワイヤーバーで塗布、乾燥し(乾燥膜厚約5μm)、更にオーブン中で80℃で30分間処理することにより作製した。
【0046】
e)転写記録
上記の感熱転写シートのインク塗布面を受像体と重ね、サーマルヘッドを用いて下記条件で記録し、第2表に示す色調の色濃度の優れた記録物を得た。
記録条件
主走査、副走査の記録密度 :6ドット/mm
記録電力 :0.21W/ドット
通電時間 :10ミリ秒
色濃度はマクベス社製デンシトメーターTR−927型でイエロー用フィルターを用いて測定した。
【0047】
f)耐光性試験
得られた記録物(記録濃度約1.0のもの)の耐光性試験をキセノンランプフェードメーター(スガ試験機株式会社製品)を用いて実施し(ブラックパネル温度:63±2℃)、80時間照射後の記録物の変退色の程度(ΔE(L* a* b* ))を後記第2表に示した。
実施例2〜5
実施例1で用いた色素の代わりに後記第2表に示す色素を用い、実施例1と同様の方法により色素の合成、インクの調製、転写シートの作製、受像体の作製及び転写記録、耐光性試験を行い、後記第2表に示す結果を得た。
【0048】
【表4】
【0049】
実施例6
実施例1で用いたインクの代わりに下記方法で調製したインクを用いて、実施例1と同様の方法により転写シートを作製、受像体の作製及び転写記録、耐光性試験を行った結果、均一な色濃度の記録を得ることができた。また、得られた記録の耐光性及び転写シートの暗所保存安定性はいずれも良好であった。
上記実施例以外の第1表に例示した本発明の色素についても、上記実施例で得られたのと同様に良好な性能を有すると予想される。
【0050】
【発明の効果】
本発明の感熱転写シートを用いた場合、耐熱性が良好で、また低エネルギーで高い濃度の鮮明な橙色の記録物を得ることができ、特にブラック用の配合成分として好適に使用することができる。更にこの感熱転写シートにより得られた記録物は、従来公知の感熱色素に比べて特に結晶化しにくく、保存安定性が良好である。
Claims (7)
- 一般式(1)において環Aが、ベンゼン環又はメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、シアノ基、メチルスルホニル基、及びアセチルアミノ基
より成る群から選ばれた置換基を有するベンゼン環であることを特徴とする請求項1又は2記載の感熱転写用ジスアゾ系色素。 - 一般式(1)において、R1が炭素数1〜8のアルキル基であることを特
徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の感熱転写用ジスアゾ系色素。 - 一般式(1)において、R2及びR3がそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アセチルアミノ基又はヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の感熱転写用ジスアゾ系色素。
- 基材上に請求項1ないし5のいずれかに記載のジスアゾ系色素及び結着剤を含む色材層を有することを特徴とする感熱転写用シート。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のジスアゾ系色素及び有機溶剤を含有することを特徴とする感熱転写用インク。
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