JP3797667B2 - 缶入り固形油脂類の加熱融解装置 - Google Patents
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Description
本発明は、缶入り固形油脂類の加熱融解装置及びその温度制御方法に関する。
背景技術
従来より、ヤシ油、パーム油、ラードなどの動植物油、及びそれらの硬化油、極度硬化油あるいは、マーガリン、ショートニング、チョコレートなど主として常温で固形の油脂類が一斗缶などの金属缶に入れられて広く保管、運搬、流通しているが、多くの場合その使用に際しては取り扱い上容易であるように加熱融解して流動化する必要がある。加熱融解方法としては、湯煎などによる方法が行われているが、湯煎の場合は、加熱温度が100℃を上回らないため、油脂類の過熱劣化の問題が無いというメリットがあるものの、湯煎の熱源として通常、ガスコンロ等の直火を使用するため火気の危険がある他、取り扱い中に誤って油脂中へ湯煎の水が混入してしまうおそれもある。この他、蒸気庫を使用する方法もあるが、その場合は装置が大掛かりとなってしまう。また、温風庫を採用する例もあるが、電力コストがかさむという問題がある。
更に、これら従来型の加熱融解方法では、内容物が完全に融解するまでに通常、3〜4時間程度を要するため作業性に不便があるばかりでなく、温風庫の場合を除いて温度管理が大雑把なため、融解後もそのまま必要以上の加熱を続け無駄なエネルギーを消費してしまっているというのが実態である。このことは、特に、斗缶1個ないし数個といった少量を使用するユーザー、例えばレストラン、ファーストフード店、揚げ物店などにおいて問題であった。
一方、鉄系容器の加熱手段として、容器に近接させて配置した加熱コイルに高周波電流を流して容器に渦電流を誘導し、そのジュール熱により容器を発熱させるIH(電磁誘導加熱)が知られている。この電磁誘導加熱は、容器自体を発熱させるためハイスピードで加熱することができ、作業時間の短縮が図れる他、熱効率が高い、安全性が高く清潔、制御が容易で操作が簡単などの利点を備えている。
電磁誘導加熱の加熱コイルには、巻線をらせん状に巻回した円筒状コイルと、円盤状に巻回した渦巻形コイルとがある。円筒形コイルは、例えば缶入り飲料自動販売機において、コーヒー缶の加熱などに用いられている。しかし、この円筒形コイルは被加熱容器を加熱コイルの軸方向に出し入れする必要があるため、本発明が主として対象とする18リットル缶(斗缶)に適用しようとすると、加熱作業時の容器の出し入れに負担が生じるという問題がある。ちなみに、食材の入った斗缶の重量は20kg近くある。また、横断面が方形の缶は、誘導電流による発熱を均等にすることが難しく、特に缶の角部が過熱しやすい。
これに対して、渦巻形コイルは形状が円盤状で側方が開放されているため容器の出し入れのじゃまにならず、なべ底を発熱させて食材を調理する電磁調理器などに用いられている。この渦巻形コイルは斗缶の加熱にも好適であり、電磁調理器と同様に、水平に設置した加熱コイルの上方に缶を載置することにより缶を容易に加熱することができる。
ところが、渦巻形コイルを用いて缶の底面を誘導加熱する方法を実際に試してみたところ、加熱の進行に伴なって缶が膨張し、更に加熱を続けると破裂してしまうということが判明した。
本発明は、内容物の品質劣化がなく急速かつ高効率で加熱融解することが可能な缶入り固形油脂類の加熱融解装置を得ることを課題とした。
発明の開示
発明者らは加熱実験を繰り返し、上記した缶の膨張について原因の究明に努めた結果、次のような現象を突き止めた。本発明は、その知見に基づいてなされたものである。
すなわち、固形油脂類が充填された缶の底面を加熱すると、この底面からの熱伝達により固化物は底部から融解を始めるが、その際の油脂の体膨張により底部の融解層の体積を増大させる。加えて、固形油脂類中に気泡として含まれていた空気や固化物の成分の中で比較的沸点の低い成分が気体となって膨張し、更に体積を増大させる。ところが、固形油脂類の上部は未だ固化したままであり、融解層の上方をいわば栓をした状態で密閉している。そのため、膨張した油脂及び気体は行き場がなく缶を膨張させるとともに、ついには破裂させるに至るのである。そこで、発明者らは、融解の過程で膨張した油脂及び気体を上方に逃がすことを思い立ち、以下の手段を講じたところ、缶の膨張を解消することができたものである。
つまり、本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究の結果、電気的な加熱手段を採用した斗缶1個用のコンパクトな加熱融解装置の開発に着手し、当該装置における加熱手段の設置位置及び当該加熱手段の制御を工夫することにより効率良く斗缶内の固形油脂類を加熱融解できるとの知見を得、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、金属缶の少なくとも側面の一部を加熱する側面加熱手段と、前記金属缶の底面を加熱するための底面加熱手段と、前記側面加熱手段による加熱により前記金属缶内側面に接する固形油脂類が側面底部から側面上部に渡って連続融解相を形成する程度まで融解した後に、前記底面加熱手段による加熱を開始する加熱制御手段とを有することを特徴とする缶入り固形油脂類の加熱融解装置を骨子とする。
加熱手段は、電熱ヒーター、IHなどを採用することができるが、IHを採用する場合はIHの加熱効率上、金属缶の素材としては、斗缶に代表されるようなブリキなどの磁性板からなるものが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の装置を用いて斗缶入りの固形油脂を融解することを例として、本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示したものである。6は底面加熱手段としての渦巻形の底面用誘導加熱コイル、5は側面加熱手段としての渦巻形の側面用誘導加熱コイル、4は磁気透過性の斗缶載置プレート(底板)、3は磁気透過性素材のプレート(側板)であり、4の中央付近には垂直に小さな孔を設けてプレートとは熱的に絶縁した状態で斗缶表面温度検出用のセンサー(底面用温度センサ)8が固定されている。同様にして側板3にも斗缶側面の表面温度検出用センサー(側面用温度センサ)7が固定されている。底面及び側面加熱手段5,6は20〜25kHzの高周波発生装置9と接続しており、高周波発生装置9で発生する高周波エネルギーを投入することができる。10は側面用誘導加熱コイル5及び底面用誘導加熱コイル6に対する通電を別個に制御する通電制御部であり、筐体11の上部には操作パネル(図示せず)が設置してある。
操作パネルには、油脂の種類の応じ、底面加熱手段によって加熱する加熱温度、加熱時間、側面加熱手段によって加熱する加熱温度、加熱時間ならびに保温温度と保温時間をプリセットするための操作ボタン及び表示手段の他、加熱開始を指示するための手段を設けてある。尚、プリセットデータは、装置に設置した半導体不揮発メモリに記憶することができる。
斗缶載置プレート(底板)に固形油脂2として極度硬化菜種油約18Lを入れた斗缶1を開栓して載置した後、操作パネルより極度硬化菜種油用のプリセットデータを呼び出してプリセットし、加熱開始を指示すると、先ず側面加熱手段5に5KWの電力(高周波)が供給される。側面加熱手段5に供給される電力は、側面用温度センサ8によって検出された側面斗缶表面温度に応じPID制御されるため、斗缶表面温度は、短時間でプリセットされた加熱温度(プリセット温度)に達した後、一定に維持されるが、当該加熱手段5によって加熱される斗缶内側面に接する固形油脂類が側面底部から側面上部に渡り連続融解相を形成する程度まで融解した後は側面加熱手段5に供給する電力を止めて底面加熱手段6への電力供給へと切替える。止めるタイミングはプリセット値で決定され、その値は約1分程度と短時間でよい。尚、両加熱手段5,6への電力供給を両方同時に行ったり、側面加熱手段5に供給する電力を止めずに微弱な電力を供給し続けることもできるが、回路設計上、上記のように側面加熱手段5から底面加熱手段6への電力の切替えを行うことが簡便である。
一旦当該連続融解相が形成されると、底面の加熱されて融解したある程度高温の油脂が当該連続融解相側面を伝って上部に流れるため側面の加熱を止めても当該連続融解相は維持される。
底面加熱手段6に供給される電力は、底面用温度センサ8の検出値によってPID制御され、斗缶底面の表面温度はプリセット値に維持される。
底面の加熱融解された油脂が上部へ流れた後は、底面の加熱面付近には未加熱の固形油脂がその自重(一般に油脂の比重は固体の方が大きいことに加えて温度差によって比重差が生じる)によって底面へ移動するために、効率の良い加熱が行える。すなわち、常に未加熱の固形油が加熱面近傍に存在することにより、斗缶の底面に供給された熱エネルギーが効率良く被加熱体に伝導することとなり、無駄な輻射熱によるエネルギー損失が抑えられて熱効率が良い。
側面加熱手段5による加熱を全く行わない場合あるいは加熱を行っても連続融解相が形成されない場合は、底面付近の油脂が過熱されてしまい、油脂の品質(風味の劣化を含む)をきたすばかりか、ひどい場合は膨張した油脂の行き場がなくなり斗缶が破裂(接合部が破損)することもある。一方、前記連続融解相が形成された後も、側面加熱手段5によってそのまま加熱を続ける場合は発熱体となる斗缶側面に接する油脂が既に融解しているため当該油脂の必要以上の温度上昇により熱効率の低下及び油脂の品質劣化をきたす。側面加熱手段5による加熱を続ける場合は必要最小限に抑えるべきである。
側面加熱手段5は、意外にも金属缶側面の周囲全体を加熱するように設置する必要はなく、上記のように少なくとも1部を加熱するように設けることでその目的を達成することができる。斗缶のように横断面方形の缶の場合は、1面を短時間加熱すれば足り、これにより加熱コイルの数が減るとともに、高周波電源の容量が小さくて済む。また、側面の加熱コイルが少なければ、それだけ缶の出し入れのじゃまにもならない。
側面に連続融解相が形成されて程なく、斗缶内部での融解相の対流が活発となり、固形相と融解相との間は熱的な定常状態となりながら固形相は融解していく。かかる定常状態を維持するために底面加熱手段に投入する電力量をいかなる値にするかが重要であるが、これについては後述する。
全体が融解した後は、底面加熱手段6に供給する電力を低下させて保温状態に遷移する。但し、融解をそれほど急ぐ必要がない場合は、全体が完全に融解するのを待たずして保温状態に遷移させて完全溶解することもできる。保温温度及び保温時間は、前記したようにプリセット値に従って決定される。当該プリセット値(温度)は、被融解物の融点以上であって作業性に支障を生じない温度以上、かつ品質劣化のない温度を設定する。
なお、空炊き防止のため、温度センサー7及び8の検出値に基づいて加熱上限値(180℃)以上になると加熱手段5及び6に供給する電源を切断する回路を有している。
次に、図2〜図5に基づいて、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1及び各図において、同一符号をつけるものはおよそ同一機能を有し、重複説明を省くこともある。
図2は融解装置の縦断面図、図3は図2の平面図、図4は図2の左正面図である。図2〜図4において、本体11はステンレス板からなり、水平部11aと垂直部11bとからなるL形の箱状に形成されている。水平部11aは斗缶1の置き台として、斗缶1の側面が垂直部11bに接するように斗缶1が図示の通り支持される。水平部11aの斗缶1が置かれる部分は、厚さが数mmのセラミック板(底板)4で形成され、その裏面に近接して直径が約300mmの渦巻形の底面用誘導加熱コイル6が配置されている。また、垂直部11bの斗缶1と接する部分も同様のセラミック板(側板)3で形成され、その裏面に近接して同様の側面用誘導加熱コイル5が配置されている。本体11は、ジャッキ11cによりレベル調整される。
水平部11aの上面には、斗缶1を図示位置に導く左右一対の案内部材21が設けられている。案内部材21はやはりステンレス板からなり、その入口側(図3の左側)の間隔は底面用誘導加熱コイル6の影響を避けるように広げられ、奥側(図3の右側)の端部の間隔は、斗缶1の幅に定められるとともに、この端部は垂直なセラミック板3に突き当てられている。この案内部材21により、斗缶1を図2及び図3に鎖線で示すように置き台11aの端部に載せ、これを滑らせて垂直部11bに突き当たるまで押し込むだけで、斗缶1の左右位置は案内部材21で幅寄せされて位置決めされる。
ここで、本体水平部11aは上下に分離可能に2分割され、平箱状の下部箱体内には加熱コイル5及び6に20〜25kHzの高周波電流を供給する誘導加熱インバータ(IHインバータ)等の高周波発生装置9が、通電制御部10(図5参照)とともに納められている。なお、図示では水平部11aは上下部分が一体に重ねられているが、下部を分離して別置することもできる。一方、本体垂直部11bの上面は斜めに形成され、この部分にタッチキーからなる操作パネル12が配置されている。
図5は上記装置の制御ブロック図を示すものである。図5に示すように、セラミック板3及び4の中心には、斗缶1の側面及び底面の温度を検知するサーミスタからなる温度センサ7及び8がそれぞれ埋め込みにより取り付けられ、その検知信号はCPUからなる通電制御部10に入力されている。操作パネル12からは、斗缶1の内容物の種類に応じた制御データが通電制御部10に設定入力され、通電制御部10はこの制御データに基づき、定められたプログラムに従って加熱コイル5及び6に対する通電を別個に制御する。なお、13は側面用誘導加熱コイル5と底面用誘導加熱コイル6との通電を切り換えるコンタクタである。
図2〜5に示した第2の実施の形態における運転方法は、図1に示す第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略するが、第2の実施の形態においても、先ず側面用誘導加熱コイル5に電力を供給し、側面用誘導加熱コイル5によって加熱される斗缶1内側面に接する固形油脂類が側面底部から側面上部に渡り連続融解相を形成する程度まで融解した後に、側面用誘導加熱コイル5に供給する電力を止めて底面用誘導加熱コイル6への電力供給へと切替えて、固形油脂類の溶解を行なう。
なお、図2〜図5の装置は単機式のものであるが、図6に示すように、複数機を横方向に並べて連装した構成とすることも可能である。また、図5に示した制御ブロック図に基づく上記した通電制御はいうまでもなく一つの例示であり、特に図6に示した連装機を対象として、更に複雑な自動化制御をすることが可能であり、あるいは小規模使用者用として側面用誘導加熱コイル5と底面用誘導加熱コイル6とを手動で切り換えるような簡素な仕様のものも構成可能である。
最後に、本発明の温度制御及びプリセット値並びに本発明の装置を用いた場合の被融解物の融解の様子について、テスト機を用いて詳細に説明する。
図7及び図8にテスト機を示す。31〜35は温度計(測温抵抗体)であり、それぞれ図示するように31は斗缶中央上部、32は斗缶中心、33は斗缶中央底面、34は斗缶中部コーナー(非加熱側面側)、35は加熱側面中部の油脂の温度を測定することができる。なお、36は温度計31〜35の抵抗値を温度に変換する温度変換器であり、測定した温度は、CPU37を介してプリンタ38で出力される。このテスト機を用い、底面加熱手段及び側面加熱手段に与える電力量と時間を変化させて定常状態を求めた結果を図9(グラフ)に示す。また、そのときの被融解物の融解の様子を図10に模式的に示す。図9は、被融解物として極度硬化油を用いた場合のグラフである。
まず、側面用誘導加熱コイル5に電力が投入されると(この時間をグラフの起点とする 00:00)斗缶側面の加熱が開始され急速(約1分)にその側面付近の油脂は融解して150℃を超える(グラフにおいて温度計35の値に示される)。この時点で、固形油脂は側面底部から側面上部に渡って連続融解相を形成する程度まで融解し(状態1)、融解物の一部は熱膨張によって固形油脂の上部へ流れる(状態2)。
そこで電力投入を止め、底面用誘導加熱コイル6へ電力投入を切り替える。側面加熱の目的はできるだけ急速に当該連続融解相を形成することにあるため、被融解物の種類、品質に与える温度の影響にもよるが通常、連続融解相の温度として150〜200℃程度の高温かつ短時間(1分程度)となるように側面加熱のプリセット値を選択する。
一旦、状態1乃至2の状態が形成されると、底面で加熱融解された融解物は側面を通って上部へ流れ、しばらくすると斗缶側面のすべてに連続融解相が形成されるようになり(状態3)、固形油脂は比重が大きいため下に沈み、常に加熱面近傍に存在することにより、斗缶の底面に供給された熱エネルギーが効率良く被加熱体に伝導し油脂(固形相)を融解する融解エネルギーとして消費される。程なく、斗缶内部での融解相の対流が活発となって(状態4)、固形相と融解相との間は熱的な定常状態となる(グラフにおいて100℃付近に平坦部が表れていることから理解できる)。
但し、当該定常状態は、投入エネルギー量と、固形相の融解速度によって左右され、融解速度(残固形相の表面積、熱伝導率、液体相の粘度、融解相との温度差等によって決る単位時間当りの融解量)を超えるエネルギーを投入すると定常状態が崩れやすく、融解相の温度のみが急上昇し品質劣化の原因となる。定常状態の温度は、油脂の種類に応じ、定常状態が維持され、かつ、品質(風味を含む)劣化の問題とならない上限付近の温度を設定する。
今回の実験により極度硬化菜種油(融点61.5℃)の場合、定常状態の温度として100℃を設定した。このように斗缶内部が定常状態の温度となるように底面加熱手段のプリセット値(温度)を設定する。プリセット値(時間)は、被融解物が全量融けるのに必要な時間を目安とし、外気温による補正を行って設定するとよい。それ程急速融解が必要でない場合は、早目に保温状態に遷移することもできる。
産業上の利用可能性
以上のようにして、本発明の装置及び融解方法によれば、IHの特長を生かして、安全、清潔で簡単な操作によりきわめて迅速に(固形油脂類の種類にもよるが、約20分程度)缶入り固形油脂類の全体を融解することができ、しかも融解油脂への過熱が抑えられるため油脂の品質及び風味を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す缶入り固化物融解装置の縦断面図である。
図2は、本発明の第2の実施の形態を示す缶入り固化物融解装置の縦断面図である。
図3は、図2の平面図である。
図4は、図2の左正面図である。
図5は、図2の装置の制御ブロック図である。
図6は、本発明の第3の実施の形態を示す缶入り固化物融解装置の斜視図である。
図7は、本発明においてプリセット値を決定するために用いたテスト機の縦断面図である。
図8は、図7における測温抵抗体の位置を示す上面図である。
図9は、図7のテスト機によって測定した結果を示すグラフである。
図10は、本発明の装置を用いたときの被融解物の融解の様子を模式的に示す縦断面図である。
Claims (5)
- 金属缶の少なくとも側面の一部を加熱する側面加熱手段と、前記金属缶の底面を加熱するための底面加熱手段と、前記側面加熱手段による加熱により前記金属缶内側面に接する固形油脂類が側面底部から側面上部に渡って連続融解相を形成する程度まで融解した後に、前記底面加熱手段による加熱を開始する加熱制御手段とを有することを特徴とする缶入り固形油脂類の加熱融解装置。
- 前記加熱制御手段は、前記側面加熱手段による加熱を停止した後に、前記底面加熱手段による加熱を開始することを特徴とする請求の範囲第1項記載の缶入り固形油脂類の加熱融解装置。
- 前記加熱手段は電磁誘導加熱手段であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の缶入り固形油脂類の加熱融解装置。
- 前記電磁誘導加熱手段は渦巻形の加熱コイルを備えることを特徴とする請求の範囲第3項記載の缶入り固形油脂類の加熱融解装置。
- 前記金属缶を支持する置き台と、この置き台上に置かれた前記金属缶の底面に対面するように配設された渦巻形の底面加熱コイルと、同じく前記金属缶の側面に対面するように配設された渦巻形の側面加熱コイルと、これらの加熱コイルに通電する高周波電源と、前記底面加熱コイル及び側面加熱コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備えたことを特徴とする請求の範囲第4項記載の缶入り固形油脂類の加熱融解装置。
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