JP3797492B2 - 遊技機および獲得価値補償装置 - Google Patents
遊技機および獲得価値補償装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3797492B2 JP3797492B2 JP05189995A JP5189995A JP3797492B2 JP 3797492 B2 JP3797492 B2 JP 3797492B2 JP 05189995 A JP05189995 A JP 05189995A JP 5189995 A JP5189995 A JP 5189995A JP 3797492 B2 JP3797492 B2 JP 3797492B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- state
- gaming machine
- game
- balls
- predicted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pinball Game Machines (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、遊技機および獲得価値補償装置に係わり、詳しくは遊技不可能状態が生じたとき、その直前に大当り終了までの獲得価値の予測分を補償するようにした遊技機およびその獲得価値の予測分を補償する遊技機とは別体で構成される獲得価値補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、遊技媒体を用いた遊技装置としては、例えばパチンコ機、アレンジボール機、雀球機、コインを用いたスロットマシン、球を用いたスロットマシン等がある。
従来、遊技媒体として玉を用いた遊技機としては、例えばパチンコ機が代表的である。そして、遊技機によって遊技を行う過程で、大当り遊技状態(特別遊技状態のことで、以下、単に適宜大当り状態という)が発生する機種があり、これによると玉の賞球数が多く、遊技者の興味を誘っている。
従来の遊技機、例えばいわゆる第1種に属する遊技機では、可変表示装置の表示図柄を可変し、その表示図柄は乱数を抽出することによって大当り等の役を決定し、ゲームを演出している。この場合、遊技盤上に設けられた特定の入賞口への遊技球の入賞又は特定の通過ゲートを遊技球が通過することにより可変表示装置が可変表示を開始し、予め定められた所定の時間が経過することに基づいて可変表示を停止させ、その停止態様に基づき大当り等の役を決定している。
大当りが発生すると、変動入賞装置(アタッカー)を作動(オープン)させ、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能な遊技が行えるようになっている。この場合、変動入賞装置内に玉を1個貯留させるものがある。
【0003】
また、例えばいわゆる第2種に属する遊技機では、始動入賞口への遊技球の入賞を検出し、入賞があると変動入賞装置に備えられた可動部材(以下、適宜羽根部材という)を開閉する補助遊技を行い、そのとき変動入賞装置内の特別入賞口へ入賞すると、遊技者に有利な特別遊技状態(以下、適宜大当たり状態という)を発生させ、その特別遊技状態中に再度特別入賞口へ入賞することにより、予め定められた最高継続回数になるまで特別遊技を継続可能な遊技機が知られている。
さらに、最近の第2種に属する遊技機においては、補助遊技中、変動入賞装置内の特別入賞口への入賞に基づいて、可変表示されている可変表示図柄を停止し、停止図柄が特定停止図柄の場合に、変動入賞装置の内部構造を変換したり、あるいは、特別遊技状態の最高継続回数を変化させる遊技機等が出現している。
また、この他に第3種に属する遊技機あるいは電動役物装置を備えた遊技機等があり、何れも大当り状態を発生可能な機種が多い。
さらに、特定の入賞口への遊技球の入賞率を変更可能な補助変動入賞装置(いわゆる普通電動始動口)と、補助可変表示装置(いわゆる普通図柄表示器)とを備え、補助可変表示装置における特定図柄(例えば、「7」)の出現により補助変動入賞装置をオープンさせ、結果的に始動入賞しやすくして大当りの発生頻度を高くすることも行われている。
このような背景下、従来、複数回の大当り発生を1セットにした遊技機が知られている。例えば、大当り3回で1セットの遊技機がある。これは、大当りが発生すると、その後、大当り確率がアップする等して合計で3回の大当りチャンスがあるものである。
大当り3回で1セットを実現するには、大当り確率(大当り図柄の出現率)をアップする方法、補助可変表示装置の当り確率をアップする方法、大当り確率のアップと補助可変表示装置の当り確率のアップとを組み合せた方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遊技機にあっては、以下の問題点があった。
(イ)従来の遊技機で、複数回の大当り発生を1セットにしたものでは、複数回の全ての大当りが終了するまでに長時間を要するため、例えば閉店直前に大当りが発生した場合には最後まで遊技を続けられない場合(例えば、ホールが時間通りに閉店する場合)があり、複数回の大当り発生が1セットという権利にも拘らず、出玉を獲得できず、遊技者が不利になることがあった。したがって、閉店直前には遊技者は安心して遊技ができなかった。
(ロ)また、閉店直前でなくても、遊技者に用事があって短時間だけ遊技者が遊技を楽しもうとした場合に、大当りが発生した場合にも同様に最後まで遊技を続けられないことがあるが、そのような場合、やはり複数回の大当り発生の権利による出玉を全て獲得することができず、遊技者が不利になることがあった。
【0005】
(ハ)そのため、遊技者は閉店直前に複数回の大当り発生が1セットという権利のある遊技機での遊技を避けることになるため、ホールにとって閉店間際の売上が低下してしまい、ホールが不利になるという問題点があった。
(ニ)ホールによっては、複数回の大当り発生を1セットにした遊技機における大当り中であれば、閉店時間になっても遊技の継続を許可する所もあるが、その場合、閉店時間後まで係員が働かなければならず、係員の作業負担が大きかった。
また、この場合はホールにとって閉店時間後も遊技者に遊技をさせる必要があるため、時間通りの閉店ができず、ホールの機能を維持しておくための管理負担(例えば、電気、暖房、冷房等の管理負担)も大変であった。
(ホ)また、ホールによっては、複数回の大当り発生を1セットにした遊技機における大当り中であれば、閉店間際のときに遊技者の獲得予測分を係員が予測して、それに応じた賞球を出す作業(例えば、入賞球を強制的に変動入賞装置に入れて賞球を排出させる作業)を行って獲得予測分を補償することもあるが、その場合、係員の作業が余分に必要であった。
【0006】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、遊技不可能状態の直前に、特別遊技状態が終了するまでの獲得価値を予測して補償するようにした遊技機および獲得価値補償装置を提供することを目的としている。
【0007】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、始動入賞口に玉が入賞したとき、特別図柄表示器の表示図柄を可変させ、その停止図柄が特定の利益状態になると、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能な大当り状態を発生させ、当該大当り状態の発生を複数回1セットとした遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
当該遊技機を遊技不可能状態とさせる、管理装置からの遊技不可能信号を検出する遊技不可能状態検出手段と、
該遊技不可能状態検出手段が、前記特別遊技状態下で遊技不可能信号を検出したことに基づいて、当該遊技機を遊技不可能状態とするとともに、当該特別遊技状態下で獲得し得る獲得価値を予測する予測手段と、
該予測手段によって予測された獲得価値に基づいて、当該予測された獲得価値を遊技者に補償する補償手段と、
前記予測手段によって予測された獲得価値の情報を管理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記予測手段は、
管理装置によって、当該遊技機での出玉に基づき予め自動設定された当該特別遊技状態下で獲得可能な出玉設定数を受信し、該出玉設定数から、遊技者が現遊技状態までに獲得した獲得出玉数を差し引いた、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの出玉数を予測出玉として予測し、
前記補償手段は、前記予測手段により予測された、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの予測出玉を強制的に排出するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明による獲得価値補償装置は、始動入賞口に玉が入賞したとき、特別図柄表示器の表示図柄を可変させ、その停止図柄が特定の利益状態になると、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能な大当り状態を発生させ、当該大当り状態の発生を複数回1セットとした遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機が複数設置された島設備の各遊技機に対応してそれぞれ設けられる獲得価値補償装置であって、
前記遊技機から遊技に関する信号を受信する受信手段と、
前記遊技機を遊技不可能状態とさせる遊技不可能信号を検出する遊技不可能状態検出手段と、
前記受信手段により受信した受信信号に基づき、前記遊技機が特別遊技状態下であると判断しているときに、前記遊技不可能状態検出手段が遊技不可能状態を検出した場合、前記遊技機を遊技不可能とするとともに、当該特別遊技状態下で獲得し得る獲得価値を予測する予測手段と、
該予測手段によって予測された獲得価値に基づいて、当該予測された獲得価値を遊技者に補償する補償手段と、
前記予測手段によって予測された獲得価値の情報を管理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記予測手段は、
管理装置によって、当該遊技機での出玉に基づき予め自動設定された当該特別遊技状態下で獲得可能な出玉設定数を、前記遊技機を介して受信し、該出玉設定数から、遊技者が現遊技状態までに獲得した獲得出玉数を差し引いた、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの出玉数を予測出玉として予測し、
前記補償手段は、前記予測手段により予測された、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの予測出玉を書き込んだレシートを、レシート発行器により発行して補償するようにしたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明では、遊技不可能状態検出手段が特別遊技状態下で遊技不可能信号を検出した場合、遊技機を遊技不可能状態とするとともに、当該特別遊技状態下で獲得し得る獲得価値を予測し、予測手段によって予測された獲得価値に基づいて予測された獲得価値を補償手段により遊技者に補償し、予測手段によって予測された獲得価値の情報を送信手段によって管理装置に送信し、予測手段は管理装置によって、当該遊技機での出玉に基づき予め自動設定された当該特別遊技状態下で獲得可能な出玉設定数を受信し、該出玉設定数から、遊技者が現遊技状態までに獲得した獲得出玉数を差し引いた、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの出玉数を予測出玉として予測し、補償手段は、予測手段により予測された、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの予測出玉を強制的に排出して補償することが行われる。この場合、実球を排出して補償したり、あるいはカード式の遊技機であれば、予測した獲得価値を遊技カードのカード情報に加算することが行われる。また、遊技機でなく、獲得価値補償装置で同様の補償を行うことも可能である。
したがって、遊技者が不利になることなく、閉店直前等であっても遊技者は安心して遊技ができる。
一方、ホールにとっても、閉店間際等における係員の作業や管理負担を軽減できるとともに、閉店間際等の売上低下を防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
第1実施例
A.島設備の構成
図1は本発明の第1実施例を示す遊技店内の島設備の構成図である。図1において、島設備1には多数の遊技機2a、2b、・・・(以下、適宜単に2の符号で表す)が配置されており、これらの遊技機2a、2b、・・・は複数回の大当り発生が1セットという権利のあるものである。例えば、3回の大当り発生が1セットになっており、最初の1回目の大当りが発生すると、以後、大当り確率が変動してアップし、3回目まで大当りが発生しやすくなるものである。遊技機2としては、いわゆる第1種に属するものが配置され、実球を用いて遊技を行うようになっている。
【0012】
また、島設備1には遊技者が見やすい位置に、呼出表示ユニット(獲得価値補償装置)3a、3b、・・・・・(以下、適宜単に3の符号で表す)が設けられている。呼出表示ユニット3a、3bは各遊技機2a、2bに対応してそれぞれ1つずつ設けられており、係員の呼び出し、必要な情報の表示、閉店前等において大当りが発生した場合の出玉の予測情報、各種メッセージの表示、獲得価値の補償処理等を行う機能を有している。なお、各呼出表示ユニット3a、3bは係員によって操作されるリモコン装置によって、遠隔的に動作させることを可能にしてもよい。
島設備1にはホールの係員等が見やすい位置に呼び出しランプ等の配置された表示器4a、4bが設けられており、表示器4a、4bは呼出表示ユニット3a、3b、・・・・・で係員を呼び出す操作が行われると、点滅する。
【0013】
B.呼出表示ユニットの構成
図2は呼出表示ユニットにおける主要部(特に、正面側の表示器周辺部)の構成を示す図である。図2において、呼出表示ユニット3の正面側にはほぼ矩形状の表示器11、押し釦式の呼出スイッチ12、押し釦式のレシート発行スイッチ13、レシートを発行するレシート発行器14(レシート発行口を示している)が図3に示すように配置されるとともに、上側には左から閉店前表示ランプ21、大当りランプ22、呼出ランプ23が順次配置されている。
表示器11は必要な情報の表示、閉店前等において大当りが発生した場合の出玉の予測情報、各種メッセージの表示等を行うものである。呼出スイッチ12はホールの係員を呼び出すときに操作されるもので、呼出スイッチ12が押されると、呼出ランプ23が点灯するととともに、島設備1に配置されている表示器4bが点滅する。レシート発行スイッチ13は遊技者の獲得した玉を景品と交換するためにレシートを発行してもらうときに操作されるもので、レシート発行スイッチ13を操作すると、レシート発行器(補償手段:レシート発行手段)14のレシート発行口からレシートが発行される。閉店前表示ランプ21はホールの閉店前になると、点灯して遊技者に知らせるものである。大当りランプ23は島設備1の遊技機2に大当りが発生したとき点灯する。
【0014】
C.遊技機の制御系
図3は遊技機2および呼出表示ユニット3のブロック図である。
図3において、遊技機2の制御系は大きく分けると、パチンコ遊技等に必要な制御を行うCPUを有する役物用IC101と、役物用IC101に内蔵されワークエリアの設定や制御に必要なデータの一時記憶等を行うRAM102と、制御プログラム等を格納しているROM103と、データ等の書換え保持が可能なEEPROM104と、水晶の発振周波数を分周して役物用IC101の基本クロックを得る分周回路105と、役物用IC101等に必要な電源を供給する電源回路106と、各種情報信号を受け入れるローパスフィルタ107と、ローパスフィルタ107からの信号をバス108を介して役物用IC101に出力するバッファゲート109と、役物用IC101からの信号をバス108を介して受ける出力ポート110と、出力ポート110を介して入力される制御信号をドライブして各種駆動信号を生成して各表示器等に出力するドライバ111と、遊技に必要な効果音を生成する(あるいは音声合成を行ってもよい)サウンドジェネレータ112と、サウンドジェネレータ112からの音声信号を増幅するアンプ113とによって構成される。
【0015】
役物用IC101を含む上記各回路は、遊技機の裏側の所定位置に配置したマイクロコンピュータを含む役物制御回路盤のボードユニットによって実現されている。
サウンドジェネレータ112は遊技に必要な効果音を生成し、生成された効果音はアンプ113により増幅されてスピーカ114から放音される。なお、サウンドジェネレータ112の他に、例えば音声合成ICを設け、遊技に必要な音声合成(例えば、ゲームの途中や大当り時等に遊技者への期待感を高める音声、“ヤッタッー”、“始動入賞だ”)を行うようにしてもよい。
【0016】
ローパスフィルタ107には始動スイッチ121、カウントスイッチ122、継続スイッチ(V入賞スイッチ)123、確率設定装置124、普図始動スイッチ125からの信号が入力されている。なお、ローパスフィルタ107から役物用IC101に取り込まれる信号については、役物用IC101でソフト的に2回読み込む処理を行うことにより、ノイズの時定数等を考慮し、チャタリング防止を図っている。
始動スイッチ121は始動入賞口に玉が入賞したことを検出する。カウントスイッチ122はアタッカー(大入賞口)に玉が入賞したことを検出し、継続スイッチ123はアタッカーのV入賞に玉が入賞したことを検出する。普図始動スイッチ125は普図始動ゲートを玉が通過したことを検出する。ここで、普図始動ゲートは遊技盤面に設けられ、玉が1個分だけ通過可能なゲートを有している。そして、玉がゲートを通過すると、普通電動始動口に配置された普通図柄表示器(以下、普図という)の図柄(例えば、数字)を変化させ、この数字が予め定めた特定図柄(例えば、「7」)になると、普通電動始動口のチューリップタイプの普通電動補助装置(補助変動入賞装置に相当)を電動動作させて一定時間だけ開くようになっている。
【0017】
確率設定装置124は特別図柄表示器132(特図)の大当り確率を変更、設定するもので、その設定内容は、例えば次の通りである。
大当り確率の設定内容
大当り確率:設定3…………1/200
大当り確率:設定2…………1/210
大当り確率:設定1…………1/220
遊技盤に普図がある場合には、その普図当り確率を設定するようにしてもよい。なお、上記設定率はホールの管理室に配置されている管理装置150によっても設定可能であり、その場合、管理装置150における選択指令信号発生回路からの選択指令信号に基づいて各確率が遠隔的に設定される。各確率の設定内容は、上記と同様である。なお、各確率の設定内容は上記例に限らず、他の設定内容であってもよいのはもちろんである。
【0018】
ドライバ111からは大入賞口(アタッカー)のソレノイド131、特別図柄表示器132、装飾ランプ・LED133、始動記憶表示器134、普電ソレノイド135、普通図柄表示器136に制御信号が出力される。大入賞口のソレノイド131は大入賞口(アタッカー)をオープンさせるもので、特別図柄表示器132が大当り状態になると、1サイクル目以後はV入賞を条件に各サイクルで一定時間あるいは一定の玉数だけ大入賞口ソレノイド131が励磁されて大入賞口が開く。
特別図柄表示器132は始動入賞口に玉が入賞したとき、その図柄を変化させ、停止図柄が特定の利益状態(すなわち、特別態様遊技状態で、例えば、大当りのゾロ目状態:「777」など)になると、大入賞口が開放するようになっている。大入賞口の開放は、遊技者に有利な特別遊技状態の発生に相当し、適宜単に大当り状態という。
装飾ランプ・LED133としては、サイドランプ、大当りランプ、リーチランプ等があり、ゲームの進行状況に応じて点灯制御される。
始動記憶表示器134は始動入賞口に玉が入賞したとき、4個の範囲内でその入賞玉数を記憶したことを表示する。
【0019】
普電ソレノイド135は普通電動始動口のチューリップタイプの普通電動補助装置をオープンさせるもので、普通図柄表示器136の図柄が予め定めた特定図柄(例えば、「7」)になると、普通電動補助装置(補助変動入賞装置)を電動動作させて一定時間だけ開く。普通図柄表示器136は、例えば普通電動始動口の近傍に配置され、可変表示可能な図柄(例えば、数字)を有し、普図始動ゲートを玉が通過すると、この図柄の可変表示を開始し、一定時間後に停止させて普図遊技を行うものである。なお、普通図柄表示器136の側方には4つの普図スイッチ記憶表示器(いわゆる普図メモリ表示器に相当)が設けられており、普図スイッチ記憶表示器により普図始動ゲートを玉が通過したとき、4個の範囲内でその通過玉数を記憶したことを表示する。
【0020】
また、役物用IC101は遊技機の裏側に設置されている遊技盤用および枠用の外部情報端子141を介してホールの管理装置150および呼出表示ユニット3との間で制御信号やデータの授受を行うことができるようになっている。上記役物用IC101、ROM103は全体として遊技制御手段200を構成し、遊技不可能状態受信手段の機能を実現する。そして、遊技制御手段200は始動入賞口に玉が入賞したとき特別図柄表示器132の表示図柄を可変させ、その表示図柄は乱数を抽出することによって大当り等の役を決定し、特別図柄表示器132の停止図柄が特定の利益状態(例えば、大当りのゾロ目状態:「777」)になると、変動入賞装置(アタッカー)を作動(オープン)させ、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能にするような制御を行う。
【0021】
ここで、遊技機2の外部に情報を出力する外部情報端子141には、通常の情報(例えば、従来と同様の大当り信号とか、賞球信号、入賞個数信号、継続回数信号、セット信号等)を出力する通常端子141aと、呼出表示ユニット3を作動させるような専用の出力端子に相当する予備端子141bとを備えている。これは、以下の理由による。すなわち、呼出表示ユニット3を遊技機2から管理装置150へ送信される各種信号線の間に配置する場合は、別個の出力端子は必要ないが、呼出表示ユニット3を遊技機2から管理装置150へ送信される各種信号線の間に配置しない場合(例えば、通常の呼び出しランプの更に上部に呼出表示ユニット3を配置するようなケース)には、呼出表示ユニット3を作動させる専用の出力端子が必要になるからである。また、ホールによっては、呼出表示ユニット3を使用する場合と、使用しない場合とがある。その場合、遊技機製造メーカーでホール毎に外部情報端子141の仕様内容をいちいち変えて製造するのは効率が悪く、本実施例のように呼出表示ユニット3を作動させるような専用の出力端子である予備端子141bを予め予備的に設けておくことにより、後述する優れた効果を得ることができる。なお、専用の予備端子141bを設けないようにしてもよく、その場合でも後述の本実施例の効果は得られる。
【0022】
呼出表示ユニット3を作動させるような専用の予備端子141bの種類としては、以下のものがある。
(1)閉店前信号端子
ホールの閉店直前(例えば、10分前)になったら管理装置150から遊技機2に対して閉店前信号が送信され、その閉店前信号を遊技機2から呼出表示ユニット3に送信するための専用の出力端子である。
(2)大当り信号端子
大当り発生を知らせる大当り信号を遊技機2から呼出表示ユニット3に送信するための専用の出力端子である。
(3)遊技不可能信号端子
これは、呼出表示ユニット3あるいは管理装置150から送信された遊技不可能信号を遊技機2で受信するための専用の端子である。
(4)入賞個数信号、継続回数信号、セット信号、打込み球数信号等の遊技状態信号端子
これは、入賞個数信号、継続回数信号、セット信号、打込み球数信号等を呼出表示ユニット3に送信して獲得価値を演算するための専用の端子である。
なお、その他に後述の実施例のように遊技機2側で出玉予測処理を行うものでは、出玉予測信号端子が設けられる。これは、ホールの閉店直前になったとき、大当りが継続中であれば、大当り終了までの出玉を遊技機2側で予測し、その出玉予測信号を遊技機2から呼出表示ユニット3に送信するための専用の出力端子である。
【0023】
このような専用の予備端子141bを設けることにより、以下の効果がある。
呼出表示ユニット3を作動させるような専用の予備端子141bを予備的に備えることにより、ホールによって呼出表示ユニット3を使用する場合と、使用しない場合とがあっても、遊技機製造メーカーでホール毎に外部情報端子141の仕様内容をいちいち変えて製造する必要がなく、製造効率が高まる。また、ホール毎に外部情報端子141の仕様内容をいちいち変える必要がなく設計仕様が簡単になるから、遊技機のコストも低下させることができる。一方、遊技店側では専用の出力端子(予備端子141b)があるか無いかをいちいち調べる必要がなく、単に必要に応じて出力端子(予備端子141b)を選択して利用できるので、遊技機2の管理等に便利である。
なお、本実施例の遊技機は特別図柄表示器132を使用したいわゆる第1種に属する遊技機であるが、本発明の適用対象となる遊技機は第1種タイプに限らず、複数回の大当り発生を1セットにして遊技を行うことが可能なものであれば、全てに適用が可能である。例えば、可変表示装置の停止図柄に基づき大当りを発生させる第3種に属する遊技機、可変表示装置の停止図柄に基づき大当りを発生させる一般電動役物装置タイプ(いわゆる他種に属する一般電役遊技機)等にも適用できる。
【0024】
管理装置150はホール全体の管理を行うもので、管理コンピュータを備えている。管理コンピュータはコンピュータ本体、ディスプレイ、プリンタ、店内放送装置、端末装置(例えば、キーボード)、データ記憶装置等を有している。また、管理装置150は伝送路を介して店内の島設備1、玉計数器(ジェットカウンタ)、遊技機等に接続され、相互に必要なデータの授受が行われるようになっている。管理装置150はホールの島設備1に設置された多数の遊技機2a、2b・・・から必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させたり(例えば、大当りの多い台番号順、大当り発生率の高い台番号順に表示させたり)、各遊技機の動作状態を監視したりしてホールの管理に必要な制御を行う。また、端末装置を操作することにより、遊技種類別、機種別、島単位別、製造メーカー別に大当りデータ、賞球データ等を収集したり、ホールの管理に必要な制御の指令を出力したりする。
【0025】
さらに、管理装置150はホールの閉店直前(例えば、10分前)になったら各遊技機2に対して閉店前信号を送信する処理を行う。管理装置150は遊技不可能状態を検出する遊技不可能状態検出手段および遊技不可能状態検出手段の検出結果を外部に送信する遊技不可能状態送信手段を構成する。ここでいう遊技不可能状態とは、ホールの閉店によって遊技が不可能になる状態をいう。そして、各遊技機2から各呼出表示ユニット3に対してその閉店前信号や大当り信号等が送信され、呼出表示ユニット3では閉店直前に大当りが継続中であれば、大当り終了までの出玉を予測し必要な処理を行う。
出玉の予測処理では、例えば1セット(例えば、大当り3回が1セットの場合)で遊技者が獲得する出玉を予め設定しておくようにする。この出玉設定数は管理装置150で手動で入力する方法、あるいは同じく管理装置150でそれまでのその台での出玉に基づき自動設定するという方法がある。そして、閉店時に、これらの方法で設定した出玉データを遊技機2や呼出表示ユニット3に送信する。
【0026】
また、出玉の予測処理を行うにあたり1セットで遊技者が獲得する出玉を予め設定しておく場合、出玉設定数を手動で入力する方法、あるいはそれまでのその台での出玉に基づき自動設定するという方法を呼出表示ユニット3で実現するようにしてもよい。
ここで、管理装置150は外部情報端子141のうち、通常端子141aを介して役物用IC101との間で通常のデータや信号の転送(すなわち、通常の遊技データ転送等)が行われるとともに、予備端子141bを介して同様に役物用IC101との間でデータや信号の転送(この場合は出玉の予測処理に必要なデータの転送)が行われるようになっている。一方、呼出表示ユニット3は外部情報端子141のうち、予備端子141bを介して役物用IC101との間で出玉の予測処理に必要なデータの転送が行われるようになっている。また、管理装置150は呼出表示ユニット3に対して閉店前信号等を直接に送信することも可能であり、かつ呼出表示ユニット3から管理装置150に対しても必要なデータや信号等を直接に送信することが可能になっている。
【0027】
D.呼出表示ユニットのブロック構成
次に、呼出表示ユニット3のブロック構成について説明すると、呼出表示ユニット3は制御回路161、表示器11、レシート発行器14、操作装置162、表示ランプ21〜23を有している。表示器11は例えばLCDからなり、前述したように必要な情報の表示、閉店前等において大当りが発生した場合の出玉の予測情報、各種メッセージの表示等を行う。操作装置162は押し釦式の呼出スイッチ12、押し釦式のレシート発行スイッチ13からなる。表示ランプ21〜23の機能は前述した通りである。
制御回路(受信手段、遊技不可能状態検出手段、予測手段、補償制御手段)161は呼出表示ユニット3全体を制御するもので、遊技機2から閉店前信号や大当り信号を受信すると、閉店直前に大当りが継続中であれば、大当り終了までの出玉を予測し、予測した出玉の表示をしたり、操作装置162が操作された場合に予測した出玉数を書き込んだレシートを発行したり、表示ランプ21〜23の点灯処理等の制御を行う。遊技機2から閉店前信号を受信する機能は遊技不可能状態検出手段に相当する。
【0028】
E.遊技制御
次に、遊技機2の遊技制御について説明する。遊技機2の遊技制御は役物用IC101を初めとする各制御回路によって行われ、その各種制御の手順は図4のプログラムで示される。役物用IC101等による制御は、遊技機2の電源の投入と同時に開始され、電源が投入されている限り繰り返してその処理が実行されるメインルーチンと、その他の各サブルーチンがある。
図4は役物用IC101のメインルーチン(いわゆるゼネラルフロー)であり、このメインルーチンは、前述したように遊技機2の電源の投入後、繰り返して行われ、具体的には後述のリセット待ち処理で2ms毎にハード的に割込みがかかって繰り返される。
【0029】
メインルーチンが起動すると、まずステップS10で電源投入か否かを判別する。また、このステップではRAM102の状態をチェックする。そして、初回の電源投入時であれば、ステップS12に分岐し、初期化処理を行う。これは、RAM102のワークエリアを設定したり、役物用IC101内のCPUのレジスタの初期化、フラグの初期化等を行うものである。
次いで、ステップS14で確率設定処理を行う。これは、大当り確率等の各設定処理を順次実行するものである。具体的には、大当り確率の設定を行うとともに、普図当り確率の設定を同時に行う。なお、各確率の設定に変更がなければ、このステップS14をスルーする。ステップS14を経ると、リセット待ちとなる。
【0030】
一方、ステップS10で初回の電源投入時でなければ、例えば2回目以降(あるいは所定時間経過後も含まれる)のルーチンでは既に電源を投入した後であるから、今度はNOに分岐し、ステップS16でスイッチ入力処理を行う。これは、始動入賞に伴って必要な処理を行うものである。また、ステップS16では外部信号受信処理を行う。これは、管理装置150から送信される閉店前信号を受信したり、呼出表示ユニット3から送信される遊技不可能信号を受信したりするものである。ここで、閉店前信号について説明すると、ホールの管理装置150は時間管理を行っており、ホールの開店、閉店時間を予めセットしている。そして、閉店時間10分前になると、管理装置150から各遊技機2に対して閉店前信号が送信され、次いで、各遊技機2を経由して各呼出表示ユニット3に対して閉店前信号が送信されることになる。
【0031】
次いで、ステップS18で処理NO.による分岐判断を行う。分岐先としては、ステップS20の普段処理、ステップS22の図柄変動処理、ステップS24の大当り処理、ステップS26の外れ処理がある。
普段処理は特別図柄表示器132の図柄が変動を開始する前のゲーム状態で、呼込み画面を表示するものである。図柄変動処理は特別図柄表示器132の図柄を変動させるものである。大当り処理は大当りの発生に伴って必要な処理(例えば、特別図柄表示器132の停止図柄が大当りのゾロ目状態(「777」等)になると、変動入賞装置(アタッカー)を作動(オープン)させ、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能にするような処理)を行うものである。外れ処理は特別図柄表示器132の図柄変動の結果、外れとなった場合の処理をするものである。
【0032】
上記分岐処理を経ると、続くステップS28で普図普電処理を行う。これは、普図の図柄変動、普図の当り/外れに応じた処理を行うものである。次いで、ステップS30で出力処理を行う。これは、遊技機2の内部で発生させる音を制御するもので、例えば各種内部音として不正音、始動入賞音などを生成して出力する。なお、その他の各種内部音(例えば、賞球排出音、玉貸音、打ち止め音、補給音、ガラス枠開放音等)は排出・発射制御装置の信号に基づいて生成される。また、出力処理ではその他に、遊技盤の各種表示器に信号を出力する処理も行う。さらに、出力処理では管理装置150から送信された閉店前信号を呼出表示ユニット3に送信する処理を行う。ただし、閉店前信号を送信するのは、ホールの閉店前10分になったときで、管理装置150から閉店前信号を受け取った場合に限られる。また、出力処理では呼出表示ユニット3に対して出玉の予想に必要な信号として入賞個数信号、継続回数信号、セット信号を送信する処理を行う。次いで、ステップS32で乱数更新処理を行う。これは、大当りを決める特図の乱数を更新するものである。なお、ラッキーナンバー(ラッキー図柄)を決める停止図柄用乱数を更新するようにしてもよい。また、普図乱数更新処理を行って、普図当りを決める普図の乱数を更新してもよい。その後、リセット待ちになり、例えば2ms毎のハード割込によりメインルーチンが繰り返される。
【0033】
F.閉店前処理プログラム
次に、呼出表示ユニット3によって実行される閉店前処理プログラムについて説明する。本実施例は呼出表示ユニット3でレシートを発行して大当り終了までの予測分の獲得価値を補償する例であり、そのために必要な情報の表示等を呼出表示ユニット3側で行う。なお、大当り終了までの予測分の獲得価値の補償を実球で補償する例は後述する。
図5は呼出表示ユニット3によって実行される閉店前処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムは一定時間毎に繰り返して実行される。まず、ステップS50で外部からの信号を受信する処理を行う。外部からの信号としては、例えば遊技機2から送信される大当り信号、閉店前信号がある。次いで、ステップS51で閉店前信号を遊技機2から受信したか否かを判別する。ステップS51で閉店前信号を受信していなければ今回のルーチンを終了してループを繰り返す。一方、閉店前信号を受信すると、ステップS52に進み、現遊技状態から権利終了までの出玉を予測し、計数する。例えば、3回の大当りが1セットになっている遊技機2であって、現在、2回目の大当りの中程であれば、以後、2回目の大当り終了までの出玉と、3回目の大当り終了までの出玉を予測し、予測出玉を計数する。この場合、予測出玉の予測処理では、遊技機2から受信した入賞個数信号、継続回数信号、セット信号から、大当り中におけるアタッカーへの入賞個数、大当りサイクルの継続回数、打込み球数、大当りが何セット目であるか等によって予測出玉を演算する。また、出玉の予測演算では、遊技店側で予め設定された1セットの獲得球数から現在の出玉を引いて、予測出玉を算出する。
【0034】
次いで、ステップS54で図6に示すように、予測出玉の計数結果を表示器11に表示(例えば、「あと4100個の出玉が予想されます」という表示)するとともに、「レシート発行スイッチを押して下さい」という表示をする。これにより、遊技者は大当り終了までの予測獲得価値に相当する出玉があと4100個だけあることを知ることができ、レシート発行スイッチ13を押す。レシート発行スイッチ13が押されると、呼出表示ユニット3はステップS56に進み、4100個の玉数を記入したレシート(例えば、景品レシート:景品カードでもよい)をレシート発行器14から発行する。ステップS56ではレシート発行スイッチ13が押されるまで待機しておいて、レシート発行スイッチ13が押されると、レシート発行処理を行う。なお、ステップS54の後に、レシート発行スイッチ13が押されたか否かを判別する判別処理を行うステップを設け、YESのときステップS56に進み、NOのときはループを繰り返すようにしてもよい。次いで、ステップS58で遊技機2を遊技不可能状態にする。これは、例えば呼出表示ユニット3から遊技機2に対しては遊技不可能信号を送信し、遊技機2では呼出表示ユニット3からの遊技不可能信号を受信すると、玉の発射を停止するようにして行う。次いで、ステップS60で閉店前処理の結果を管理装置150に送信する。これにより、管理装置150では呼出表示ユニット3によって予測された予測出玉の計数結果等のデータを収集し、営業管理を行う。このように呼出表示ユニット3によって予測された予測出玉の計数結果等のデータを収集することにより、ホール全体としても出玉データの演算を正確なものにすることができる。ステップS60を経ると、ルーチンを繰り返す。
【0035】
このように、本実施例では複数回の大当り発生が1セットという権利のある遊技機2で閉店10分前に大当りが発生した場合(遊技不可能状態を検出した場合に相当)、呼出表示ユニット3が以後の大当り終了までの予測分の獲得価値(出玉)を予測し、その予測結果を記入したレシートをレシート発行器14から発行する処理を行い、同時に遊技機2を遊技不可能状態にすることが行われる。そのため、遊技者はいままでの出玉を玉計数器でカウントし、カウント結果を記入した印字紙および予測分の獲得価値(出玉)を記入したレシートを持って景品カウンタに行き、そこで所望の景品と交換することができる。したがって、本実施例では以下の効果を得ることができる。
(1)呼出表示ユニット3で以後の大当り終了までの予測分の獲得価値(出玉)を補償しているので、複数回の大当り発生が1セットという権利を発生可能な遊技機2であっても、遊技者が不利になることがなく、閉店直前でも遊技者が安心して遊技をすることができる。
(2)閉店直前に複数回の大当り発生が1セットという権利のある遊技機での遊技を遊技者が避けないようになり、ホールにとって閉店間際の売上の低下を防止することができる。
【0036】
(3)ホールで複数回の大当り発生を1セットにした遊技機における大当り中であれば、閉店時間になっても遊技の継続を許可する所であっても、閉店時間後まで係員が働く必要がなくなり、係員の作業や管理負担を軽減することができる。(4)また、この場合はホールにとって閉店時間後は遊技者に遊技をさせる必要がなくなり、時間通りに閉店することが可能になる。したがって、ホールの機能を維持しておくための管理負担(例えば、電気、暖房、冷房等の管理負担)が軽減する。
(5)ホールで複数回の大当り発生を1セットにした遊技機における大当り中であれば、閉店間際のときに遊技者の獲得予測分を係員が予測して、それに応じた賞球を出す作業(例えば、入賞球を強制的に変動入賞装置に入れて賞球を排出させる作業)を行っていた場合には、呼出表示ユニット3で自動的に以後の大当り終了までの予測分の獲得価値(出玉)を補償することができ、係員の作業を軽減することができる。
(6)本実施例のように呼出表示ユニット3側で閉店前処理プログラムを実行することにより、遊技機2からの信号を単に受信するだけでよいから、遊技機2の構成が簡単で製造コストがかからず、既設の遊技機2に呼出表示ユニット3を組み合せるようにすることも可能で、低コストで獲得価値を補償可能な装置を実現することができる。
(7)管理装置150では遊技不可能信号(閉店前信号)を送信すれば遊技機2でその遊技不可能信号に基づいて以後の処理が制御されるので、管理装置150側の処理負担が少なくて済むという利点がある。
なお、閉店直前でなくても、遊技者に用事があって短時間だけ遊技者が遊技を楽しもうとした場合に、大当りが発生した場合にも同様の処理を行うようにしてもよい。その場合、例えば係員に告げて係員がリモコンによって閉店前信号と同様の機能を有する類似信号を出して呼出表示ユニット3に図5のプログラムを実行させるようにする。そのようにすると、遊技者に用事があって最後まで遊技を続けられない場合であっても、複数回の大当り発生の権利による出玉を全て補償することができ、遊技者が不利になることを避けることができる。
【0037】
第2実施例
次に、本発明の第2実施例について説明する。
第2実施例は遊技機で自動的に獲得価値を補償するものである。すなわち、閉店前に実球によって大当り終了までの予測分の獲得価値を補償する例であり、そのために必要な情報の表示等を遊技機2側で行うものである。
図7は役物用IC101のメインルーチン(いわゆるゼネラルフロー)であり、このメインルーチンにおいて図4と同様の処理を行うステップには同一番号を付して重複説明を省略する。図7のプログラムでは、ステップS10で初回の電源投入時でなければ、例えば2回目以降(あるいは所定時間経過後も含まれる)のルーチンでは既に電源を投入した後であるから、今度はNOに分岐し、ステップS16でスイッチ入力処理を行う。これは、始動入賞に伴って必要な処理を行うものである。
【0038】
また、ステップS16では外部信号受信処理を行う。これは、管理装置150から送信される閉店前信号を受信するものである。閉店前信号について説明すると、ホールの管理装置150は時間管理を行っており、ホールの開店、閉店時間を予めセットしている。そして、閉店時間10分前になると、管理装置150から各遊技機2に対して閉店前信号が送信される。
次いで、ステップS18、ステップS20〜ステップS26の何れかを経た後、ステップS28、ステップS30、ステップS32を順次経てステップS34に進む。ステップS34では閉店前処理を行う。これは、閉店前信号を受信した場合に実球によって大当り終了までの予測分の獲得価値を補償する処理を行うもので、詳細はサブルーチンで後述する。その後、リセット待ちになり、例えば2ms毎のハード割込によりメインルーチンが繰り返される。
【0039】
A.閉店前処理プログラム
図8はメインルーチンにおけるステップS34の閉店前処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS100で閉店前信号を受信したか否かを判別する。ホールの管理装置150は時間管理を行っており、ホールの開店、閉店時間を予めセットしている。そして、閉店時間10分前になると、管理装置150から各遊技機2に対して閉店前信号が送信される。したがって、ステップS100で閉店前信号を受信していなければ今回のルーチンを終了してメイルーチンにリターンする。
一方、ステップS100で閉店前信号を受信すると、ステップS102に進み、現遊技状態から権利終了までの出玉を予測し、計数する。例えば、3回の大当りが1セットになっている遊技機2であって、現在、2回目の大当りの中程であれば、以後、2回目の大当り終了までの出玉と、3回目の大当り終了までの出玉を予測し、予測出玉を計数する。この場合、予測出玉の予測処理では、大当り中におけるアタッカーへの入賞個数、大当りサイクルの継続回数、大当りが何セット目であるか等によって予測出玉を演算する。
【0040】
次いで、ステップS104で図9(A)に示すように、予測出玉の計数結果を特別図柄表示器132に表示(例えば、「あと4100個の出玉が予想されます」という表示)するとともに、「玉を強制排出します」という表示をする。これにより、遊技者は大当り終了までの予測獲得価値に相当する出玉があと4100個だけあることを知ることができるとともに、その分の出玉が4100個だけ強制排出されることを知ることができる。
次いで、ステップS106で遊技機2の玉排出装置(ここでは補償手段に相当)を作動させて大当り終了までの予測獲得価値に相当する出玉を4100個だけ強制排出する。次いで、ステップS108で遊技機2を遊技不可能状態にする。これは、例えば玉の発射を行っている発射制御回路の作動を停止させて行う。次いで、ステップS110で閉店前処理の結果を管理装置150に送信する。これにより、管理装置150では遊技機2によって予測された予測出玉の計数結果等のデータを収集し、営業管理を行う。このように遊技機2によって予測された予測出玉の計数結果等のデータを収集することにより、ホール全体としても出玉データの演算を正確なものにすることができる。ステップS110を経ると、メインルーチンにリターンする。
【0041】
このように、第2実施例では複数回の大当り発生が1セットという権利のある遊技機2で閉店10分前に大当りが発生した場合、遊技機2自体で大当り終了までの予測分の獲得価値(出玉)を予測し、その予測結果に応じた実球を強制排出し、同時に遊技機2を遊技不可能状態にすることが行われる。そのため、遊技者はいままでの出玉に加えて強制排出された玉を加算したものを獲得することができる。以後、それらの出玉を玉計数器でカウントし、カウント結果を記入した印字紙を持って景品カウンタに行き、そこで所望の景品と交換することができる。したがって、第2実施例においても第1実施例と同様の効果を得ることができる。また、第2実施例では呼出表示ユニット3側で閉店前処理プログラムを実行する必要がなく、遊技機2自体で全て獲得価値の補償を行うことができ、管理が容易である。遊技者にしても、レシート発行スイッチを操作する必要がなく、わかりやすいという利点がある。
また、実球によって獲得価値の補償を行うので、遊技者に満足感を与えることができる。
【0042】
B.変形態様
次に、第2実施例の変形態様について説明する。
第2実施例では遊技機2で閉店10分前に大当りが発生した場合、遊技機2自体で大当り終了までの予測分の獲得価値(出玉)を予測し、その予測結果に応じた実球を強制排出し、同時に遊技機2を遊技不可能状態にしているが、これに限らず、例えば実球を強制排出せずに、図9(B)に示すように、特別図柄表示器132に予測分の獲得価値(出玉)を表示(例えば、「あと4100個の出玉が予想されます」)し、かつその下に「係員をお呼び下さい」という表示をするのみにしてもよい。その場合、遊技者は係員を呼び出すための呼出スイッチ12を押して係員を呼び出す。これにより、係員は特別図柄表示器132の表示を見て、予測分の景品(レシートに印字してもよい)を遊技者に渡すか、あるいはその予測分に対応した入賞球をいれるようにしてもよい。このようにすると、実球の排出に要する時間が不要になり、極めて迅速に遊技者の獲得価値を補償することができる。
【0043】
第3実施例
次に、本発明の第3実施例について説明する。
第3実施例は管理装置側で獲得価値の補償演算を行い、例えば景品カウンタで補償を行うものである。
図10管理装置を含む制御系のブロック図である。図10において、役物用IC101は遊技機の裏側に設置されている遊技盤情報基盤(図示略)の遊技盤用の外部情報端子141を介してホールの管理装置250との間で制御信号やデータの授受を行うことができるようになっている。役物用IC101は閉店10分前に大当りが発生した場合、大当り終了までの予測分の出玉数を演算して管理装置250に出力する処理を行うようになっている。
また、遊技機の外部に情報を出力する外部情報端子141からは通常の情報(例えば、従来と同様の大当り信号とか、賞球信号、入賞個数信号、継続回数信号、セット信号等)が出力されるとともに、遊技機側で演算した獲得価値情報(すなわち、遊技機2で閉店10分前に大当りが発生した場合、大当り終了までの予測分の出玉数)が出力される。役物用IC101および外部情報端子141は送信手段251を構成する。
管理装置250は第1実施例と同様の機能の他に、遊技機から送信された獲得価値情報を受信する受信回路(受信手段)261と、受信した予測獲得価値情報に応じて予測獲得価値を補償するように景品カウンタの景品POS263に補償信号を送る補償回路(補償手段)262を新たに有している。
【0044】
以上の構成において、管理装置250は時間管理を行っており、ホールの開店、閉店時間を予めセットしている。そして、閉店時間10分前になると、管理装置250から各遊技機に対して閉店前信号が送信される。遊技機(特に、役物用IC101)は閉店前信号を受信を受信すると、現遊技状態から権利終了までの出玉を予測し、計数する。例えば、3回の大当りが1セットになっている遊技機であって、現在、2回目の大当りの中程であれば、以後、2回目の大当り終了までの出玉と、3回目の大当り終了までの出玉を予測し、予測出玉を計数する。この場合、予測出玉の予測処理では、大当り中におけるアタッカーへの入賞個数、大当りサイクルの継続回数、大当りが何セット目であるか等によって予測出玉を演算する。
【0045】
次いで、遊技機は図11に示すように、特別図柄表示器132に予測分の獲得価値(出玉)を表示(例えば、「あと4100個の出玉が予想されます」)するとともに、「景品カウンタまで来て下さい」という表示を行い、管理装置250にその結果(すなわち、予測分の獲得価値(出玉)および台番号)を送信する。次いで、管理装置250では受信した予測分の獲得価値(出玉)を補償するように景品カウンタの景品POS263に補償信号を送る。これにより、景品カウンタの係員が景品POS263に送られてきた補償信号に基づいて予測分の獲得価値(4100個の出玉)に応じた所望の価値物体(例えば、景品)を遊技者に渡す。したがって、遊技者はこの第3実施例においても前記実施例と同様の効果を得ることができる。また、第3実施例では呼出表示ユニット3側で閉店前処理プログラムを実行する必要がなく、管理装置250で獲得価値の補償を行うことができ、管理が容易である。遊技者にしても、レシート発行スイッチを操作する必要がなく、わかりやすいという利点がある。さらに、ホールにとっても係員が実球で補償するわけではないから、作業性が良く、便利である。
【0046】
なお、以上の第1〜第3実施例では管理装置側で出玉の予測を行っていないが、管理装置側で出玉の予測演算を行うようにしてもよい。その場合、例えばアウト球数とセーフ球数、大当り信号、大当り継続信号等に基づいて現遊技状態から権利終了までの出玉を予測する。このようにすると、遊技機の演算処理負担が軽減するという利点がある。
また、前記第1〜第3実施例では閉店直前に管理装置から閉店前信号を各遊技機に送信しているが、これに限らず、例えば各台(各遊技機)に係員スイッチを配置し、閉店前に大当りした台があった場合、係員が係員スイッチを押して現遊技状態から権利終了までの出玉の予測処理を遊技機(あるいは呼出表示ユニット)で開始するようにしてもよいし、あるいは係員スイッチに変えてリモコン操作によって出玉の予測処理を遊技機で開始するようにしてもよい。そのようにすると、確実に係員が目視して確認しながら出玉の補償を行うことができ、防犯上も有利である。
【0047】
第4実施例
次に、本発明の第4実施例について説明する。
第4実施例はカード方式の封入球式遊技機に本発明を適用した例である。図12はカード方式の封入球式遊技機300を示す正面図である。図12において、封入球式遊技機300は機枠301と、前面枠302と、ガラス303aを支持する金枠303と、遊技領域の形成された遊技盤304と、前面操作パネル305とを有している。なお、遊技盤304にはいわゆる第1種に属する遊技領域が形成され、第1種パチンコ遊技が可能になっている。
機枠301は封入球式遊技機300の本体の外枠を構成するもので、樹脂(プラスチック)を素材として矩形状に成形されている。なお、機枠301は木製でもよい。前面枠302は樹脂製で、機枠301に対して支持部材(例えば、蝶番)によって開閉可能に支持されてる。金枠303は金属製(例えば、ステンレス)で、遊技領域前面に対応する透光性のガラス303a(クリア部材)の周辺を補強部材として補強する構成になっており、金枠303の周囲は前面枠302に固定されている。したがって、金枠303は前面枠302と一体的に開閉する。なお、クリア部材はガラスに限らず、透明な樹脂を用いてもよい。
【0048】
前面枠302の上部には煙草の煙等を吸引可能なスリット状の排煙口311が、下部両側にはステレオで効果音を出力可能なスピーカ312、313がそれぞれ配置されている。また、前面枠302は、通常は施錠装置314に連動するフック(図示略)によって機枠301に対して施錠されている。前面枠302を開く場合には、施錠装置314の施錠孔に所定のキーを挿入して回動操作することにより、施錠装置314のロック状態が解除されてオープンする。
【0049】
前面操作パネル305には遊技価価情報が記録された遊技カード(図示略:例えば、ICカード)が挿入/排出されるカード挿入口321と、遊技に必要な各種の操作スイッチが集合した操作スイッチ群322と、遊技カードの残高を1度数(例えば、1度=100円)単位で表示するカード度数表示部(カード残高表示部)323と、遊技者の持ち玉数を表示する持玉数表示部324と、封入球式遊技機300の前に遊技者がいるか否かを検出する人体検出センサ325と、灰皿326と、コーヒカップ、財布、鍵等を置けるトレイ327とが配置されている。
カード度数表示部323および持玉数表示部324は、操作スイッチ群322とともに、LCDからなる一画面内で構成され、このLCD画面の上に、例えばシートスイッチというようなスタイルで各種スイッチがそれぞれ配置されている。
【0050】
操作スイッチ群322は遊技価値情報が記録された遊技カードをカード挿入口321に挿入した後、1度数単位で玉を購入するときに操作される購入スイッチ341と、遊技カードをカード挿入口321に挿入したまま遊技を中断(例えば、遊技者がトイレに行くような場合)するときに操作される中断スイッチ342と、遊技を精算するときに操作される精算スイッチ343と、遊技領域に発射される玉の弾発力を強くするときに操作される発射強スイッチ344と、玉の弾発力を弱くするときに操作される発射弱スイッチ345と、遊技領域に向けて玉を発射するときに操作される発射スイッチ346とからなる。なお、操作スイッチ群322の各種スイッチは、例えばLCD画面の上のシートスイッチによって構成される。
発射スイッチ346を操作すると、発射装置(図示略)が作動して自動的に玉が1個宛て遊技領域に発射され、発射スイッチ346をもう1回操作すると、発射が停止する。
また、前面操作パネル305には遊技カードを購入するために紙幣を挿入する紙幣挿入口361と、遊技カードの購入のためのスイッチ群362と、釣銭(紙幣)を排出する紙幣排出口363とが形成されている。新規の遊技カードはカード挿入口321から排出される。
【0051】
ここで、封入球式遊技機300の動作を概略説明すると、本実施例では封入球式遊技機300の内部には20個の球が封入され、遊技価値情報および金額情報(例えば、残り度数あるいは遊技カードの新規購入の場合には新規に付加された金額)が記録された遊技カードをカード挿入口321に挿入し、遊技者が購入スイッチ341を押すと、購入度数に応じて遊技者の持ち球数を増加させ、この持ち球数の範囲内で封入された遊技球を遊技領域内に発射可能にする。そして、封入球の発射に応じて行われる遊技に対して、遊技結果が特定の利益状態(セーフ球)であるかあるいはそれ以外の状態(アウト球)であるかの判定を行ない、特定の利益状態の場合には、所定数の賞品球(例えば、13個賞球あるいは7個賞球)に対応させて、遊技者の利益(持ち球数)を増加させるべく制御が行われる。また、遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して第1種のパチンコ遊技が行われる。
【0052】
そして、上述の封入球の発射時点で、持玉数表示部324に表示された数値から”1”を減算し、その結果に基づき持玉数表示部324の表示を更新する。このとき、遊技領域内を落下する封入球に対して入賞球か否かを判定し、入賞と判定された場合には、設定された賞球数(例えば、13個賞球あるいは7個賞球)が持玉数表示部324に表示された球数に加算されるとともに、その結果に基づき持玉数表示部324の表示が更新される。遊技者は、この持玉数表示部324の数値データにより、現在の持ち玉数の確認ならびに増減を確認することになる。遊技者が遊技を精算しようとするときは、精算スイッチ343を押すことにより持玉数表示部324の数値データ分の遊技価値が遊技機内部のカードリーダライタによって遊技カードに書き込まれ、その遊技価値を受け取ることになる。その後、遊技者は排出された遊技カードを持って景品カウンタに行き景品と交換したりできる。また、景品と交換しない場合には、次回の遊技まで遊技カードを所持することになる。
【0053】
この第4実施例では、管理装置が時間管理を行っており、ホールの開店、閉店時間を予めセットしている。そして、閉店時間10分前になると、管理装置から各封入球式遊技機300に対して閉店前信号が送信される。封入球式遊技機300(例えば、内部の役物用IC101)は閉店前信号を受信を受信すると、現遊技状態から権利終了までの出玉を予測し、計数する。例えば、3回の大当りが1セットになっている封入球式遊技機300であって、現在、2回目の大当りの中程であれば、以後、2回目の大当り終了までの出玉と、3回目の大当り終了までの出玉を予測し、予測出玉を計数する。この場合、予測出玉の予測処理では、大当り中におけるアタッカーへの入賞個数、大当りサイクルの継続回数、打込み球数、大当りが何セット目であるか等によって予測出玉を演算する。次いで、その予測出玉を遊技盤340に配置された特別図柄表示器に表示して遊技者に確認させるとともに、カードリーダライタにより遊技カードのカード情報(遊技者持ち玉数データ)に加算する。また、その予測出玉のデータを管理装置に送信する。管理装置では遊技カードの補償内容を参照して履歴管理等の営業管理を行う。
したがって、いままで持玉数表示部324に表示されていた数値データ分の遊技価値に対して大当り終了までの予測出玉が加えられることになる。その後、遊技者は排出された遊技カードを持って景品カウンタに行き景品と交換したり、あるいは景品と交換しない場合には、次回の遊技まで遊技カードを所持することになる。
【0054】
このような第4実施例であっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。特に、第4実施例では遊技カードに補償価値を記憶させることにより、簡単に補償処理を行うことができるという利点がある。
なお、カード方式の封入球式遊技機では遊技カードとしてICカードを使用しているが、このICカードに現在の遊技状態(例えば、持ち玉数等)を記憶可能にするとともに、封入球式遊技機に記憶スイッチを配置し、閉店直前に大当りした遊技者が記憶スイッチを操作することにより、その時点の遊技状態をICカードに記憶させ、次に、ホールに来たときには記憶しておいた時点からの遊技データで遊技を行うことができるようにしてもよい。このようにすると、短時間の時間潰しに遊技をするような遊技者にとっては、極めて好都合であり、便利である。
また、出玉の管理を管理装置側で行うようにしてもよい。このようにすると、ICカードに記憶データと管理装置側の記憶データとをダブルメモリ方式として制御することができ、出玉管理のデータの信頼性を向上させることができる。
【0055】
なお、獲得価値補償装置は呼出表示ユニットで実現する例に限らず、例えば島設備で獲得価値補償装置の機能を実現するようにしてもよいし、本発明の実施に必要な部分で管理装置が行っている機能を島設備に持たせるようにしてもよい。また、本発明はカードリーダを備えた遊技機あるいはカードリーダを備えていない遊技機の何れにも適用できるのは勿論である。また、本発明に係わる遊技機はプリペイドカード方式の遊技機に適用できるし、あるいはクレジット方式のパチンコ機にも適用することができる。
プリペイドカード方式でなく、全くカードを使用しないパチンコ機についても幅広く適用することが可能である。
本発明の適用対象となる遊技機の機種はどのようなものでもよく、いわゆる第1種に属する遊技機、第2種に属する遊技機、第3種に属する遊技機、他種に属する遊技機、その他の電動役物装置を有する遊技機等の何れであってもよい。
また、獲得価値補償装置はどのような態様で実現してもよく、その配置場所、大きさ、固定方法は本発明の目的の範囲内でどのような態様で実施をしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機を遊技不可能状態とするとともに、当該特別遊技状態下で獲得し得る獲得価値を予測し、予測手段によって予測された獲得価値に基づいて予測された獲得価値を補償手段により遊技者に補償し、予測手段によって予測された獲得価値の情報を送信手段によって管理装置に送信し、予測手段は管理装置によって、当該遊技機での出玉に基づき予め自動設定された当該特別遊技状態下で獲得可能な出玉設定数を受信し、該出玉設定数から、遊技者が現遊技状態までに獲得した獲得出玉数を差し引いた、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの出玉数を予測出玉として予測し、補償手段は、予測手段により予測された、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの予測出玉を強制的に排出して補償したり、あるいは予測出玉数を書き込んだレシートをレシート発行手段により発行して補償するようにしたので、以下の効果を得ることができる。
(1)遊技不可能状態が発生すると、以後の大当り終了までの予測分の獲得価値を補償しているので、複数回の大当りの発生可能な遊技機であっても、遊技者が不利になることがなく、閉店直前でも遊技者が安心して遊技をすることができる。
(2)閉店直前に複数回の大当り発生が1セットという権利のある遊技機での遊技を遊技者が避けないようになり、ホールにとって閉店間際の売上の低下を防止することができる。
【0057】
(3)ホールで複数回の大当りの発生可能な遊技機における大当り中であれば、閉店時間になっても遊技の継続を許可する所であっても、閉店時間後まで係員が働く必要がなくなり、係員の作業や管理負担を軽減することができる。
(4)また、この場合はホールにとって閉店時間後は遊技者に遊技をさせる必要がなくなり、時間通りに閉店することが可能になる。したがって、ホールの機能を維持しておくための管理負担(例えば、電気、暖房、冷房等の管理負担)が軽減する。
(5)ホールで複数回の大当りの発生可能な遊技機における大当り中であれば、閉店間際のときに遊技者の獲得予測分を係員が予測して、それに応じた賞球を出す作業を行っていた場合には、遊技機あるいは獲得価値補償装置で自動的に以後の大当り終了までの予測分の獲得価値を補償することができ、係員の作業を軽減することができる。
(6)獲得価値補償装置側で閉店前処理プログラムを実行することにより、遊技機からの信号を単に受信するだけでよいから、遊技機の構成が簡単で製造コストがかからず、既設の遊技機に獲得価値補償装置を組み合せるようにすることも可能で、低コストで獲得価値を補償可能な装置を実現することができる。
(7)管理装置では遊技不可能信号を送信すれば遊技機でその遊技不可能信号に基づいて以後の処理が制御されるようにすることにより、管理装置側の処理負担を少なくすることが可能になる。
(8)遊技不可能状態としては閉店直前でなくても、例えば遊技者に用事があって短時間だけ遊技者が遊技を楽しもうとした場合に、大当りが発生した場合にも同様の処理を行うようにすることにより、遊技者に用事があって最後まで遊技を続けられないこと場合であっても、複数回の大当り発生の権利による出玉を全て補償することができ、遊技者が不利になることを避けることができる。
(9)管理装置で獲得価値補償装置によって予測された予測出玉の計数結果等のデータを収集し、営業管理を行うことにより、ホール全体としても出玉データの演算を正確なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の島設備の構成図である。
【図2】同実施例の呼出表示ユニットにおける主要部の構成を示す図である。
【図3】同実施例の遊技機および呼出表示ユニットのブロック図である。
【図4】同実施例の遊技制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】同実施例の閉店前処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】同実施例の呼出表示ユニットの表示例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例の遊技制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図8】同実施例の閉店前処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】同実施例の特別図柄表示器の表示例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例の制御系統を示す図である。
【図11】同実施例の特別図柄表示器の表示例を示す図である。
【図12】本発明の第3実施例の遊技機を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 島設備
2 遊技機
3 呼出表示ユニット(獲得価値補償装置)
11 表示器
14 レシート発行器(補償手段:レシート発行手段)
101 役物用IC
132 特別図柄表示器
150、250 管理装置(遊技不可能状態検出手段)
161 制御回路(受信手段、遊技不可能状態検出手段、予測手段、補償手段)
200 遊技制御手段
261 受信回路(受信手段)
262 補償回路(補償手段)
300 カード方式の封入球式遊技機
Claims (2)
- 始動入賞口に玉が入賞したとき、特別図柄表示器の表示図柄を可変させ、その停止図柄が特定の利益状態になると、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能な大当り状態を発生させ、当該大当り状態の発生を複数回1セットとした遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
当該遊技機を遊技不可能状態とさせる、管理装置からの遊技不可能信号を検出する遊技不可能状態検出手段と、
該遊技不可能状態検出手段が、前記特別遊技状態下で遊技不可能信号を検出したことに基づいて、当該遊技機を遊技不可能状態とするとともに、当該特別遊技状態下で獲得し得る獲得価値を予測する予測手段と、
該予測手段によって予測された獲得価値に基づいて、当該予測された獲得価値を遊技者に補償する補償手段と、
前記予測手段によって予測された獲得価値の情報を管理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記予測手段は、
管理装置によって、当該遊技機での出玉に基づき予め自動設定された当該特別遊技状態下で獲得可能な出玉設定数を受信し、該出玉設定数から、遊技者が現遊技状態までに獲得した獲得出玉数を差し引いた、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの出玉数を予測出玉として予測し、
前記補償手段は、前記予測手段により予測された、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの予測出玉を強制的に排出するようにしたことを特徴とする遊技機。 - 始動入賞口に玉が入賞したとき、特別図柄表示器の表示図柄を可変させ、その停止図柄が特定の利益状態になると、遊技者に対して多くの出玉を獲得可能な大当り状態を発生させ、当該大当り状態の発生を複数回1セットとした遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機が複数設置された島設備の各遊技機に対応してそれぞれ設けられる獲得価値補償装置であって、
前記遊技機から遊技に関する信号を受信する受信手段と、
前記遊技機を遊技不可能状態とさせる遊技不可能信号を検出する遊技不可能状態検出手段と、
前記受信手段により受信した受信信号に基づき、前記遊技機が特別遊技状態下であると判断しているときに、前記遊技不可能状態検出手段が遊技不可能状態を検出した場合、前記遊技機を遊技不可能とするとともに、当該特別遊技状態下で獲得し得る獲得価値を予測する予測手段と、
該予測手段によって予測された獲得価値に基づいて、当該予測された獲得価値を遊技者に補償する補償手段と、
前記予測手段によって予測された獲得価値の情報を管理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記予測手段は、
管理装置によって、当該遊技機での出玉に基づき予め自動設定された当該特別遊技状態下で獲得可能な出玉設定数を、前記遊技機を介して受信し、該出玉設定数から、遊技者が現遊技状態までに獲得した獲得出玉数を差し引いた、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの出玉数を予測出玉として予測し、
前記補償手段は、前記予測手段により予測された、現遊技状態から当該特別遊技状態終了までの予測出玉を書き込んだレシートを、レシート発行器により発行して補償するようにしたことを特徴とする獲得価値補償装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05189995A JP3797492B2 (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 遊技機および獲得価値補償装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05189995A JP3797492B2 (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 遊技機および獲得価値補償装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08215398A JPH08215398A (ja) | 1996-08-27 |
JP3797492B2 true JP3797492B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=12899732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05189995A Expired - Fee Related JP3797492B2 (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 遊技機および獲得価値補償装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3797492B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4412912B2 (ja) * | 2003-03-31 | 2010-02-10 | 株式会社三共 | 遊技用システム |
JP2005211234A (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Samii Kk | 遊技機 |
JP4693086B2 (ja) * | 2004-01-28 | 2011-06-01 | サミー株式会社 | 遊技機 |
JP2006087781A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Mars Engineering Corp | 遊技データ収集装置、遊技データ収集方法および遊技データ収集システム |
JP2006181254A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Daikoku Denki Co Ltd | 遊技機用端末装置及び遊技場用データ管理システム |
JP2015047499A (ja) * | 2014-05-14 | 2015-03-16 | タイヨーエレック株式会社 | 遊技機 |
-
1995
- 1995-02-15 JP JP05189995A patent/JP3797492B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08215398A (ja) | 1996-08-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6758566B2 (ja) | 遊技機 | |
JP4112909B2 (ja) | 遊技機 | |
JP2003117070A (ja) | 遊技機、遊技サーバ及び遊技管理方法 | |
JP2021069852A (ja) | 遊技機 | |
JP6788411B2 (ja) | スロットマシン | |
JPH06269554A (ja) | 遊技機 | |
JP3797492B2 (ja) | 遊技機および獲得価値補償装置 | |
JP2000061100A (ja) | パチンコ機における自動出玉補償装置 | |
JP6788407B2 (ja) | スロットマシン | |
JPH0919551A (ja) | 遊技機 | |
JP2003117071A (ja) | 遊技サーバ、遊技機及び遊技管理方法 | |
JP4248611B2 (ja) | 情報中継装置 | |
JP4011136B2 (ja) | 遊技用装置 | |
JP7188919B2 (ja) | 遊技情報表示装置 | |
JP2004049881A (ja) | 遊技機、遊技プログラム、記録媒体 | |
JP6407393B2 (ja) | 遊技情報表示装置 | |
JP6894260B2 (ja) | スロットマシン | |
JPH08182831A (ja) | 遊技機 | |
JP2020171384A (ja) | 遊技機 | |
JP6247678B2 (ja) | 遊技情報表示装置 | |
JP6894259B2 (ja) | スロットマシン | |
JP6894258B2 (ja) | スロットマシン | |
JP6928459B2 (ja) | スロットマシン | |
JP6928460B2 (ja) | スロットマシン | |
JP6364532B2 (ja) | 遊技情報表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050824 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051005 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060220 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060324 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060413 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |