JP3795650B2 - クリームはんだ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品のはんだ付けに用いられる、はんだ粉末とフラックスとを混練したクリームはんだに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クリームはんだのはんだ粉末は、アトマイズ法によって得られたものが用いられていた。このアトマイズ法によって得られたはんだ粉末をふるいにかけてある粒度分布をもったはんだ粉末とし、これをフラックスと混練してクリームはんだとしていた。たとえば、はんだ粉末の粒度分布は、20μm以上50μm以下というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成のクリームはんだでは、はんだ粒子の酸化の問題から粒径10μm以下のものを作ることができなかった。そのため、クリームはんだを微細に印刷しようとすると限界があった。
また、実際のクリームはんだには10μm以下のはんだ粒子も混入しているため、リフロー後のはんだボールの発生の原因にもなっていた。
従って、本発明は、酸化させることなくはんだ粒子を10μm以下に微粉にして微細なパターン形成ができるクリームはんだを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、はんだ粉末を従来のようにはんだ合金のみで構成するのではなく、樹脂の微粒子を核とし、その表面にはんだ合金として、融点250℃以下のスズを含む合金のめっきまたは同合金を構成する単体金属の積層被膜を形成した粒子を用いるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のクリームはんだは、はんだ粉末とフラックスからなり、該フラックスは硬化性樹脂を含まず、前記はんだ粉末が、表面にニッケルめっき被膜および融点250℃以下のスズを含む合金めっき被膜を順次形成された粒径10μm以下の樹脂ボールからなることを特徴とする。
また、本発明のクリームはんだは、はんだ粉末とフラックスからなり、該フラックスは硬化性樹脂を含まず、前記はんだ粉末が、表面にニッケルめっき被膜および融点250℃以下のスズを含む合金を構成する単体金属のめっき被膜の積層膜が順次形成された粒径10μm以下の樹脂ボールからなることを特徴とする。
【0006】
ここに用いる融点250℃以下の合金としては、Sn−Pb、Sn−Pb−Ag、Sn−Ag、Sn−Ag−Bi、Sn−Pb−Biなどが好適に用いられる。
樹脂ボールを構成する樹脂材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれでもよい。
樹脂ボールは、まず前処理として、たとえばフッ酸と硝酸を含む処理液で処理した後、塩化第一錫の塩酸酸性液でセンセタイジング、次いで塩化パラジウムの塩酸酸性液でアクチベイチングにより活性化処理をし、硫酸ニッケル、リン酸二水素ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムからなる無電解めっき浴を用いて下地めっきとしてニッケルのめっき被膜を形成する。このニッケルのめっき被膜は、0.1〜1.0μmの厚みが適当である。
【0007】
次に、上記のニッケルめっき被膜を形成した樹脂ボールに電解めっきによりスズを含む合金めっきまたはスズを含む合金を構成する単体金属の積層めっき被膜を形成する。この電解めっきは、バレルを用いる方法が適当である。スズを含む合金のめっき被膜またはスズを含む合金を構成する単体金属の積層めっき被膜の厚みは、1〜3μmが好ましい。
【0008】
本発明のクリームはんだを用いれば、0.5mmピッチ以下のクリームはんだの印刷も簡単に行うことができるとともに、リフロー後のはんだボール不良もない。
以下に、本発明の種々の実施形態にかかるクリームはんだを図1および図2に基づいて詳細に説明する。
【0009】
【実施の形態1】
図1に示すはんだ粉末1は、直径5μmの樹脂ボール2にニッケルのめっき被膜3を形成したのち、SnとPbとの共晶はんだのめっき被膜4を形成したものである。このようにして作製したはんだ粉末をフラックスと混ぜ合わせることによりクリームはんだを調製する。
このクリームはんだでは、フラックス含有量は15wt%以下である。フラックスとしては、従来のクリームはんだと同じくロジン、ヒマシ油等が使われる。
このように、本発明のクリームはんだでは、樹脂ボール2の径を5μmと微細にかつ均一にしているために、微細なパターン形成ができるとともに、酸化度が非常に少ないためにリフロー後のはんだボールがない。
【0010】
【実施の形態2】
図2に示すはんだ粉末11は、直径5μmの樹脂ボール12にニッケルのめっき被膜13を形成したのち、めっきによりSn被膜14aとPb被膜14bをそれぞれ単体の膜として形成したものである。このはんだ粉末をフラックスと混ぜ合わせることによりクリームはんだを調製する。
このクリームはんだでも、フラックスには実施例1と同様のものを用いることができる。
このように、本実施の形態では、はんだ合金を構成する単体金属のめっき被膜を積層して形成しているために、はんだ組成が制御しやすいという特徴をもっている。
【0011】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。たとえば、めっきの際にフラックス成分、たとえばめっき浴に光沢剤として添加されるものをめっき被膜中に吸蔵させれば、クリームはんだにするためにフラックス以外の増粘剤やチクソ剤等だけを前記のはんだ粉末と混ぜ合わせてクリームはんだを作製することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、リフロー後のはんだボールがなく、かつ微細なパターン形成ができるクリームはんだを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるクリームはんだのはんだ粉末の断面模式図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態にかかるクリームはんだのはんだ粉末の断面模式図である。
【符号の説明】
1、11 はんだ粉末
2、2 樹脂ボール
3、13 ニッケルのめっき被膜
4 合金のめっき被膜
14a、14b 合金を構成する単体金属のめっき被膜
Claims (2)
- はんだ粉末とフラックスからなり、該フラックスは硬化性樹脂を含まず、前記はんだ粉末が、表面にニッケルめっき被膜および融点250℃以下のスズを含む合金めっき被膜の積層膜が順次形成された粒径10μm以下の樹脂ボールからなることを特徴とするクリームはんだ。
- はんだ粉末とフラックスからなり、該フラックスは硬化性樹脂を含まず、前記はんだ粉末が、表面にニッケルめっき被膜および融点250℃以下のスズを含む合金を構成する単体金属のめっき被膜の積層膜が順次形成された粒径10μm以下の樹脂ボールからなることを特徴とするクリームはんだ。
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