JP3795283B2 - 車両のドアヒンジ取付構造 - Google Patents
車両のドアヒンジ取付構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3795283B2 JP3795283B2 JP34684499A JP34684499A JP3795283B2 JP 3795283 B2 JP3795283 B2 JP 3795283B2 JP 34684499 A JP34684499 A JP 34684499A JP 34684499 A JP34684499 A JP 34684499A JP 3795283 B2 JP3795283 B2 JP 3795283B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- door hinge
- center pillar
- section structure
- reinforcing block
- closed cross
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Body Structure For Vehicles (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、閉断面構造物の溶接箇所を少なくして生産性を高め、製造コストを抑え、更に、ねじり剛性をより高めるのに好適なドアヒンジ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において、ピラー等の閉断面構造物にドアヒンジを介してドアを取付ける場合の、閉断面構造物へのドアヒンジ取付構造としては、例えば、(1)閉断面構造物内に補強用パネルを取付け、このパネルを共締めするもの、(2)特開平10−53156号公報「中空構造物の遮断・補強構造と遮断・補強方法」に記載されたものが知られている。
【0003】
上記技術(1)を次の図9で説明する。
図9は従来の閉断面構造物の断面図であり、閉断面構造物としてのセンタピラー100は、インナパネル101とアウタパネル102との間にアウタパネル102の撓み防止のためのプレート状のスティフナ103を挟み込み、スティフナ103の内側に補強用プレート104を取付けたものであり、このセンタピラー100にドア105を支えるドアヒンジ106を取付けるには、ボルト107をドアヒンジ106、アウタパネル102、スティフナ103、補強用プレート104に貫通させ、補強用プレート104に取付けたナット108にねじ込む。
【0004】
上記技術(2)には、同公報の図6及び図7に示される通り、インナパネル2とアウタパネル4との間に形成した中空室6内に、複数の補強プレート11を連結片12,13で連結した補強部材10を挿入し、補強プレート11,11間に発泡性基材21を挿入したピラー1が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術(1)では、スティフナ103をインナパネル101とアウタパネル102との間に取付けるため、これらの取付け部111,112が3重になって溶接が難しくなる。
また、スティフナ103に補強用プレート104を溶接するので、センタピラー100の溶接箇所が多くなり、生産性の低下を招く。
【0006】
また、例えば、ドア105を矢印aのように開き切ったときには、ドアヒンジ106に大きな力が加わり、センタピラー100に矢印bで示す方向にねじりモーメントMが作用する。
【0007】
このねじりモーメントMをスティフナ103で支えることにより、ドア105を開けたときのぐらつきを小さくすることができるが、車両の商品性をより向上させるために、センタピラー100のねじり剛性を更に高め、ドア105のぐらつきをできるだけ抑えることが望ましい。
【0008】
上記技術(2)では、補強部材10を複数の補強プレート11、連結片12,13で構成するために形状が非常に複雑となり、この補強部材10を成形するための成形型を作成するのに多くの工数と時間とが必要になり、ピラー1の製造コストが増大する。
【0009】
そこで、本発明の目的は、閉断面構造物の溶接箇所を少なくして生産性を高め、製造コストを抑え、更に、閉断面構造物のねじり剛性をより高めることのできるドアヒンジ取付構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、ドアヒンジを取付ける車体側の構造物を、インナパネルとアウタパネルとを合せてなる閉断面構造物とし、補強ブロックを、予め、インナパネル及びアウタパネルの内面に沿わせた形状に形成した固体状の部材とし、補強ブロックに、インナパネルに直接当てる又は接合するインナ面と、アウタパネルに直接当てる又は接合するアウタ面と、これらのインナ面及びアウタ面のそれぞれに開口するボルト挿通穴とを備え、補強ブロックに、ボルト挿通穴にめねじ部が臨むようにナットを埋め込み、この閉断面構造物内に硬質樹脂製の補強ブロックを介在させ、この補強ブロックと閉断面構造物とドアヒンジとを共締めすることで、閉断面構造物にドアヒンジを取付けることを特徴とする。
【0011】
インナパネルとアウタパネルとを合せてなるとともに、内部に硬質樹脂製の補強ブロックを介在させた閉断面構造物に、補強ブロックと閉断面構造物とドアヒンジとを共締めすることで、ドアヒンジを取付ける。
【0012】
この結果、センタピラーの補強部材として補強ブロックを用いるため、センタピラーの溶接箇所を少なくすることができ、センタピラーを含むサイドボデーの生産性を向上させることができる。
また、補強ブロックの形状が単純になり、センタピラー、サイドボデーを容易に製造することができ、センタピラー、サイドボデーの製造コストを低減することができる。
【0013】
更に、センタピラーを補強ブロックで補強するため、センタピラーを中実状とすることができ、センタピラーのねじり剛性をより高めることができる。
従って、センタピラーにドアヒンジを介して取付けたドアのぐらつきを更に小さくして車両の商品性を向上させることができる。
また更に、ナットをパネルに溶接等により取付ける必要がない。
【0014】
請求項2は、閉断面構造物の内部には、補強ブロックの周囲の閉空間内に満たした充填材を設けたことを特徴とする。
充填材によって、補強ブロックの位置決めと、硬化することで閉断面構造物を中実状とし、補強ブロックと協働して閉断面構造物のねじり剛性を高める。
【0015】
請求項3は、閉断面構造物を、センタピラーとし、このセンタピラーにウェビング取付金具を取付けたことを特徴とする。
補強ブロックで補強したセンタピラーにウェビング取付金具を取付けたことで、ドアヒンジ及びウェビング取付金具を共に強固に取付けることができる。
【0016】
請求項4は、閉断面構造物を、フロントピラーとし、左右のフロントピラーにステアリングハンガビームを取付けたことを特徴とする。
補強ブロックで補強した左右のフロントピラーにステアリングハンガビームを取付けたことで、ドアヒンジ及びステアリングハンガビームを共に強固に取付けることができる。
【0017】
請求項5は、補強ブロックでは、ボルト挿通穴に鋼製のカラーを嵌合させたことを特徴とする。
補強ブロック内にカラーを嵌めたことで、閉断面構造物のねじり剛性の他にボルト、ナットの締付け力を高めることができ、閉断面構造物へのドアヒンジの取付強度をより増すことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るドアヒンジ取付構造を採用した車両の斜視図であり、車両10は、サイドボデー11にフロントピラー12及びセンタピラー13を備えたものである。なお、15はフロントピラー12の下部、16はフロントフェンダ、17はフロントドア、18はリヤドアであり、奥側のフロントピラー及びセンタピラーはフロントピラー12及びセンタピラー13と左右逆の構造であり、説明は省略する。
【0019】
図2は図1の2−2線断面図(本発明に係るセンタピラー(第1の実施の形態)の断面図)であり、センタピラー13は、車室R側に設けたインナパネル21と、このインナパネル21に合せることで閉断面構造物とするアウタパネル22と、これらのインナパネル21及びアウタパネル22で形成した閉空間内に挿入した補強のための硬質樹脂製の補強ブロック23と、この補強ブロック23の周囲の閉空間内に満たした充填材24とからなる。
【0020】
インナパネル21は、底部21aと、この底部21aから立上げた壁部21b,21bと、これらの壁部21b,21bの端から底部21aにほぼ平行に延ばしたフランジ21c,21cと、底部21aの車室R側の面に取付けたナット25とからなる。なお、21dはボルト挿通穴である。
【0021】
アウタパネル22は、底部22aと、この底部22aから立上げた第1壁部22b,22bと、これらの第1壁部22b,22bの端から底部22aにほぼ平行に延ばした段部22c,22cと、これらの段部22c,22cの端から立上げた第2・第3壁部22d,22eと、これらの第2・第3壁部22d,22eの端から底部22aにほぼ平行に延ばしたフランジ22f,22fとからなり、フランジ22f,22fをインナパネル21のフランジ21c,21cに合せて溶接した部材である。なお、22gはボルト挿通穴である。
【0022】
補強ブロック23は、センタピラー13内の閉空間に挿入する前に、予め、閉空間の内面、即ちインナパネル21及びアウタパネル22の内面に沿わせた形状に形成した部材であり、インナパネル21に直接当てる、又は接着材等で接合するインナ面23aと、アウタパネル22に直接当てる、又は接着材等で接合するアウタ面23bと、インナ面23a及びアウタ面23bのそれぞれに開口するボルト挿通穴23cとを備える。
【0023】
充填材24は、センタピラー13の閉空間内に配置した補強ブロック23の位置決めと、硬化することでセンタピラー13を中実状とし、補強ブロック23と協働してセンタピラー13のねじり剛性を高めるものである。
【0024】
リヤドア18は、ドアヒンジ27を介してセンタピラー13に取付ける。
ドアヒンジ27は、センタピラー13に固定する固定部28と、この固定部28にスイング自在に取付けるとともに、リヤドア18の前部にボルト31,31及びナット32,32で取付けた可動部33とからなる。
【0025】
固定部28は、一端部28aにボルト穴28bを開けたものであり、センタピラー13のアウタパネル22の底部22aに当て、取付ボルト34をボルト穴28b、ボルト挿通穴22g,23c,21dに通し、ナット25にねじ込むことでセンタピラー13に取付ける部分である。
即ち、フロントピラー13内の補強ブロック23を取付ボルト34とナット25とで固定部28とともに挟み込んでフロントピラー13にドアヒンジ27を取付ける。
【0026】
ここで、35はリヤドア18の開く角度を規制するために、センタピラー13とリヤドア18とに渡したドアストッパであり、アウタパネル22に取付けたピラー側端部36と、このピラー側端部36にスイング自在に取付けるとともに、リヤドア18にスライド自在に取付けたアーム部37と、このアーム部37の先端に取付けた被ストッパ部38とからなる。
【0027】
以上に述べたセンタピラー13の組立要領を次に説明する。
図3(a)〜(c)は本発明に係るドアヒンジ取付構造を採用したセンタピラー(第1の実施の形態)の組立要領を説明する組立要領図である。
(a)において、アウタパネル22の内面に充填材24を盛り、充填材24の上から補強ブロック23を押し付ける。これにより、補強ブロック23と充填材24との密着性が向上する。
【0028】
アウタパネル22に補強ブロック23のアウタ面23bを接着する場合は、アウタ面23bに接するアウタパネル22の内面部分だけに充填材24を盛らず、アウタ面23bに接着剤を塗布し、アウタパネル22にアウタ面23bを押付ける。
【0029】
(b)において、補強ブロック23のインナ面23aにインナパネル21の底部21aを当てる、又は接着材で接合するとともに、アウタパネル22のフランジ22f,22fにインナパネル21のフランジ21c,21cを当てる。
(c)において、アウタパネル22のフランジ22f,22fとインナパネル21のフランジ21c,21cとをそれぞれスポット溶接し、インナパネル21、補強ブロック23及びアウタパネル22にドリルD等でボルト挿通穴21d,23c,22gを開ける。
以上でセンタピラー13の組立が完了する。
このように、センタピラー13では、溶接箇所が少ないため、サイドボデー11(図1参照)の生産性を向上させることができる。
【0030】
以上に述べたセンタピラー13の作用を次に説明する。
図4は本発明に係るセンタピラー(第1の実施の形態)の作用を説明する作用図である。
リヤドア18を所定角度開けたときに、リヤドア18の側に設けた図示せぬストッパ部にドアストッパ35の被ストッパ部38が当たり、これ以上にリヤドア18が開くのを規制する。
【0031】
例えば、リヤドア18を勢いよく開けた場合には、リヤドア18には矢印(1)の方向に更に開こうとする慣性力が働くため、リヤドア18からドアヒンジ27に大きな力が作用し、この力によって、センタピラー13に矢印(2)の方向のねじりモーメントMが加わる。
センタピラー13は、内部に補強ブロック23及び充填材24を詰めて中実状の部材とすることでねじり剛性を高めたものなので、上記ねじりモーメントを十分に支えることができ、ねじり変形をより小さくすることができ、リヤドア18のぐらつきを従来のセンタピラーより小さくすることができる。
【0032】
以上の図2で説明したように、本発明は、ドアヒンジ27を取付けるセンタピラー13を、インナパネル21とアウタパネル22を合せてなる閉断面構造物とし、この閉断面構造物内に硬質樹脂製の補強ブロック23を介在させ、この補強ブロック23と、インナパネル21、アウタパネル22からなる閉断面構造物とドアヒンジ27とを共締めすることで、閉断面構造物にドアヒンジ27を取付けることを特徴とする。
【0033】
上記構成により、センタピラー13の補強部材として補強ブロック23を用いるため、センタピラー13の溶接箇所を少なくすることができ、センタピラー13を含むサイドボデー11(図1参照)の生産性を向上させることができる。
また、補強ブロック23の形状が単純になり、センタピラー13、サイドボデー11を容易に製造することができ、センタピラー13、サイドボデー11の製造コストを低減することができる。
【0034】
更に、センタピラー13を補強ブロック23で補強するため、センタピラー13を中実状とすることができ、センタピラー13のねじり剛性をより高めることができる。
従って、センタピラー13にドアヒンジ27を介して取付けたリヤドア18のぐらつきを更に小さくして車両10(図1参照)の商品性を向上させることができる。
【0035】
図5は本発明に係るセンタピラー(第2の実施の形態)の断面図であり、第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付け、詳細説明を省略する。
センタピラー40は、車室R側に設けたインナパネル41とアウタパネル22とで形成した閉空間内に補強のための硬質樹脂製の補強ブロック42を挿入したものである。
【0036】
補強ブロック42は、インナパネル41に直接当てる、又は接着材等で接合するインナ面42aと、アウタパネル22に直接当てる、又は接着材等で接合するアウタ面42bと、インナ面42a及びアウタ面42bのそれぞれに開口するボルト挿通穴42cとを備え、このボルト挿通穴42cにめねじ部43aが臨むようにナット43を埋め込んだものである。
【0037】
センタピラー40へのドアヒンジ27(図2参照)の固定部28の取付けは、センタピラー40内の補強ブロック42の一部を固定部28とともに取付ボルト44とナット43とで挟み込んで行う。
【0038】
図6は本発明に係るセンタピラー(第3の実施の形態)の断面図であり、センタピラー50に取付けたシートベルトのウェビング取付金具51も共に示す。なお、第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付け、詳細説明を省略する。
センタピラー50は、インナパネル21と、このインナパネル21に合せることで閉断面構造とするアウタパネル52と、これらのインナパネル21及びアウタパネル52で形成した閉空間内に配置した補強のための硬質樹脂製の補強ブロック53とを備える。なお、54はカラー、55はピラーガーニッシュである。
【0039】
補強ブロック53は、インナパネル21に直接当てる、又は接着材等で接合するインナ面53aと、アウタパネル52に直接当てる、又は接着材等で接合するアウタ面53bと、インナ面53aに開けたボルト穴53cとを備え、このボルト穴53cにめねじ部43aが臨むようにナット43を埋め込んだものである。
センタピラー50へのウェビング取付金具51の取付けは、カラー54の小径部54aにウェビング取付金具51を嵌め、センタピラー50内の補強ブロック53の一部をインナパネル21、カラー54とともに取付ボルト56とナット43とで挟み込んで行う。
【0040】
図7は図1の7−7線断面図であり、ドアヒンジ取付構造を図1に示したフロントピラー12の下部15に適応した例(第4の実施の形態)を示す。なお、第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付け、詳細説明を省略する。
フロントピラー12の下部15は、車室R側に設けたインナパネル61と、このインナパネル61に合せることで閉断面構造とするアウタパネル62と、これらのインナパネル61及びアウタパネル62で形成した閉空間内に配置した補強のための硬質樹脂製の補強ブロック63と、この補強ブロック63の周囲の閉空間内に満たした充填材24とからなる。
【0041】
インナパネル61は、底部61aと、この底部61aから立上げた壁部61b,61bと、これらの壁部61b,61bから底部61aにほぼ平行にそれぞれ延ばしたフランジ61c,61cとからなり、底部61aにボルト挿通穴61d,61dを開けたものである。
【0042】
アウタパネル62は、底部62aと、この底部62aから立上げた第1・第2壁部62b,62cと、第2壁部62cの端から底部62aにほぼ平行に延ばした段部62dと、この段部62dの端から立上げた第3壁部62eと、第1壁部62b、第3壁部62eの端から底部62aにそれぞれほぼ平行に延ばしたフランジ62f,62fとからなり、フランジ62f,62fをインナパネル61のフランジ61c,61cに合せて溶接した部材である。
【0043】
補強ブロック63は、フロントピラー12の下部15内の閉空間に挿入する前に、予め、閉空間の内面、即ちインナパネル61及びアウタパネル62の内面に沿わせた形状に形成した部材であり、インナパネル61に直接当てる、又は接着材等で接合するインナ面63aと、アウタパネル62に直接当てる、又は接着材等で接合するアウタ面63bと、インナ面63aに開けたボルト穴63c,63cとを備え、これらのボルト穴63c,63cにめねじ部43a,43aが臨むようにナット43,43を埋め込んだものである。
【0044】
フロントピラー12の下部15には、図示せぬステアリング装置を支持するステアリングハンガビーム65を取付ける。
ステアリングハンガビーム65の取付けは、フロントピラー12の下部15内の補強ブロック63の一部をインナパネル21、ステアリングハンガビーム65の一端部に設けた取付プレート67とともに取付ボルト66,66とナット43,43とで挟み込んで行う。なお、ステアリングハンガビーム65の他端部も同様にして他方のフロントピラーの下部に取付ける。
【0045】
図8は本発明に係るセンタピラー(第5の実施の形態)の断面図であり、第1の実施の形態と同一構成については、同一符号を付け、詳細説明を省略する。
センタピラー70は、インナパネル21及びアウタパネル22で形成した閉空間内に補強のための硬質樹脂製の補強ブロック71を挿入したものである。
【0046】
補強ブロック71は、センタピラー70内の閉空間に挿入する前に、予め、閉空間の内面、即ちインナパネル21及びアウタパネル22の内面に沿わせた形状に形成した部材であり、インナパネル21に直接当てる、又は接着材等で接合するインナ面71aと、アウタパネル22に直接当てる、又は接着材等で接合するアウタ面71bと、インナ面71a及びアウタ面71bのそれぞれに開口するボルト挿通穴71cとを備え、このボルト挿通穴71cに鋼製のカラー72を嵌合させたものである。
【0047】
センタピラー70へのドアヒンジ27(図2参照)の固定部28の取付けは、アウタパネル22の底部22aに固定部28を当て、ボルト穴28b、ボルト挿通穴22g、カラー72の中空部72a、ボルト挿通穴21dに取付ボルト34を通して行う。
【0048】
このように、補強ブロック71内にカラー72を嵌めたことで、センタピラー70のねじり剛性の他にボルト34、ナット25の締付け力を高めることができ、センタピラー70へのドアヒンジ27の取付強度をより増すことができる。
【0049】
尚、本発明のドアヒンジ取付構造は、フロントピラー、センタピラーの他に、車両のバックドア用ヒンジを取付けるルーフリヤレール、フード用ヒンジを取付けるフロントボデー、トランクリッド用ヒンジを取付けるリヤボデー等の閉断面構造物に適用できる。
また、本発明の実施の形態で示したインナパネル、アウタパネル、補強ブロックの断面形状は図に示したものに限らない。
【0050】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両のドアヒンジ取付構造は、ドアヒンジを取付ける車体側の構造物を、インナパネルとアウタパネルとを合せてなる閉断面構造物とし、補強ブロックを、予め、インナパネル及びアウタパネルの内面に沿わせた形状に形成した固体状の部材とし、補強ブロックに、インナパネルに直接当てる又は接合するインナ面と、アウタパネルに直接当てる又は接合するアウタ面と、これらのインナ面及びアウタ面のそれぞれに開口するボルト挿通穴とを備え、補強ブロックに、ボルト挿通穴にめねじ部が臨むようにナットを埋め込み、この閉断面構造物内に硬質樹脂製の補強ブロックを介在させ、この補強ブロックと閉断面構造物とドアヒンジとを共締めすることで、閉断面構造物にドアヒンジを取付けるので、センタピラーの溶接箇所を少なくすることができ、センタピラーを含むサイドボデーの生産性を向上させることができる。
【0051】
また、補強ブロックの形状が単純になり、センタピラー、サイドボデーを容易に製造することができ、センタピラー、サイドボデーの製造コストを低減することができる。
更に、センタピラーを補強ブロックで補強するため、センタピラーを中実状とすることができ、センタピラーのねじり剛性をより高めることができる。
従って、センタピラーにドアヒンジを介して取付けたドアのぐらつきを更に小さくして車両の商品性を向上させることができる。
また更に、ナットをパネルに溶接等により取付ける必要がない。
【0052】
請求項2の車両のドアヒンジ取付構造は、閉断面構造物の内部には、補強ブロックの周囲の閉空間内に満たした充填材を設けたので、充填材によって、補強ブロックの位置決めと、硬化することで閉断面構造物を中実状とし、補強ブロックと協働して閉断面構造物のねじり剛性を高めることができる。
【0053】
請求項3の車両のドアヒンジ取付構造は、閉断面構造物を、センタピラーとし、このセンタピラーにウェビング取付金具を取付けたので、ドアヒンジ及びウェビング取付金具を共に強固に取付けることができる。
【0054】
請求項4の車両のドアヒンジ取付構造は、閉断面構造物を、フロントピラーとし、左右のフロントピラーにステアリングハンガビームを取付けたので、ドアヒンジ及びステアリングハンガビームを共に強固に取付けることができる。
【0055】
請求項5の車両のドアヒンジ取付構造は、補強ブロックのボルト挿通穴に鋼製のカラーを嵌合させたので、閉断面構造物のねじり剛性の他にボルト、ナットの締付け力を高めることができ、閉断面構造物へのドアヒンジの取付強度をより増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るドアヒンジ取付構造を採用した車両の斜視図
【図2】 図1の2−2線断面図(本発明に係るセンタピラー(第1の実施の形態)の断面図)
【図3】 本発明に係るドアヒンジ取付構造を採用したセンタピラー(第1の実施の形態)の組立要領を説明する組立要領図
【図4】 本発明に係るセンタピラー(第1の実施の形態)の作用を説明する作用図
【図5】 本発明に係るセンタピラー(第2の実施の形態)の断面図
【図6】 本発明に係るセンタピラー(第3の実施の形態)の断面図
【図7】 図1の7−7線断面図(第4の実施の形態)
【図8】 本発明に係るセンタピラー(第5の実施の形態)の断面図
【図9】 従来の閉断面構造物の断面図
【符号の説明】
10…車両、12…フロントピラー、13…閉断面構造物(センタピラー)、21,22,41,52,61,62…パネル、23,42,53,63,71…補強ブロック、23a,42a,53a,63a,71a…インナ面、23b,42b,53b,63b,71b…アウタ面、23c,42c,53c,63c,71c…ボルト挿通穴、24…充填材、27…ドアヒンジ、43…ナット、43a…めねじ部、51…ウェビング取付金具、65…ステアリングハンガビーム、72…カラー。
Claims (5)
- ドアヒンジを取付ける車体側の構造物を、インナパネルとアウタパネルとを合せてなる閉断面構造物とし、この閉断面構造物内に硬質樹脂製の補強ブロックを介在させ、
前記補強ブロックは、予め、前記インナパネル及び前記アウタパネルの内面に沿わせた形状に形成した固体状の部材であり、前記インナパネルに直接当てる又は接合するインナ面と、前記アウタパネルに直接当てる又は接合するアウタ面と、これらのインナ面及びアウタ面のそれぞれに開口するボルト挿通穴とを備え、
前記補強ブロックに、前記ボルト挿通穴にめねじ部が臨むようにナットを埋め込み、
この補強ブロックと閉断面構造物とドアヒンジとを共締めすることで、閉断面構造物にドアヒンジを取付けることを特徴とする車両のドアヒンジ取付構造。 - 前記閉断面構造物の内部には、前記補強ブロックの周囲の閉空間内に満たした充填材が設けられることを特徴とする請求項1記載の車両のドアヒンジ取付構造。
- 前記閉断面構造物は、センタピラーであり、ウェビング取付金具が取付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両のドアヒンジ取付構造。
- 前記閉断面構造物は、フロントピラーであり、左右の前記フロントピラーにステアリングハンガビームが取付けられることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両のドアヒンジ取付構造。
- 前記補強ブロックは、前記ボルト挿通穴に鋼製のカラーが嵌合されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の車両のドアヒンジ取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34684499A JP3795283B2 (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | 車両のドアヒンジ取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34684499A JP3795283B2 (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | 車両のドアヒンジ取付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001163055A JP2001163055A (ja) | 2001-06-19 |
JP3795283B2 true JP3795283B2 (ja) | 2006-07-12 |
Family
ID=18386197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34684499A Expired - Fee Related JP3795283B2 (ja) | 1999-12-06 | 1999-12-06 | 車両のドアヒンジ取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3795283B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008039118A (ja) * | 2006-08-08 | 2008-02-21 | Toyota Motor Corp | 締結カラーを用いた締結構造体 |
JP4858125B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2012-01-18 | トヨタ自動車株式会社 | 締結部構造 |
DE102008036868B4 (de) * | 2008-08-07 | 2016-01-14 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Befestigungseinrichtung für Scharniere einer Kraftfahrzeugtür |
JP5585166B2 (ja) * | 2010-03-30 | 2014-09-10 | マツダ株式会社 | 樹脂構造体を内蔵したセンタピラー構造 |
JP7236303B2 (ja) * | 2019-03-27 | 2023-03-09 | 日産自動車株式会社 | 車体のピラー構造 |
JP7131592B2 (ja) * | 2019-11-14 | 2022-09-06 | Jfeスチール株式会社 | 自動車用構造部材及び自動車用中空部材の補強方法 |
CN114541903B (zh) * | 2022-03-30 | 2024-05-31 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 一种车辆侧开尾门的铰链安装结构及车辆 |
-
1999
- 1999-12-06 JP JP34684499A patent/JP3795283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001163055A (ja) | 2001-06-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100857702B1 (ko) | 차량용 도어 | |
JP3969054B2 (ja) | 車両のピラー下部構造 | |
JP3795283B2 (ja) | 車両のドアヒンジ取付構造 | |
JP3428347B2 (ja) | 自動車の後部車体構造 | |
AU734035B1 (en) | Reinforcement structure for cowl side portion of automobiles | |
JP2687761B2 (ja) | ボルト貫通部補強部品及びそれを内蔵した車体構造 | |
JP3633259B2 (ja) | 車両用シートにおけるシートバックの取付構造 | |
JP4026110B2 (ja) | 車体側部構造 | |
JP4337165B2 (ja) | 自動車の側部車体構造 | |
JP3620307B2 (ja) | 車体構造 | |
JPS5881867A (ja) | 自動車の車体構造 | |
JP3423100B2 (ja) | トラックのキャブ | |
JP3826261B2 (ja) | 車体構造 | |
JP4034558B2 (ja) | 自動車の車体構造 | |
JP4021821B2 (ja) | ドアストライカの取り付け構造 | |
CN108082292B (zh) | A柱上的补焊坯料 | |
JP4006945B2 (ja) | ドアハンドルの補強構造 | |
JPH01182176A (ja) | バックドア車のリヤピラー上部結合構造 | |
JP3048356B1 (ja) | ステアリング支持装置 | |
JP3302748B2 (ja) | 自動車ドアのインパクトバー取付構造およびその取付方法 | |
JP2554439Y2 (ja) | ドアストライカーの取付構造 | |
JP2000255447A (ja) | 自動車のフロントフレーム構造 | |
JP3376815B2 (ja) | 自動車のサイドパネル補強構造 | |
JPH0618157U (ja) | 自動車のセンタピラー部結合構造 | |
JP4219214B2 (ja) | 自動車のドア構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051019 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051206 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060125 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060131 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060411 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060412 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100421 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |