JP3620307B2 - 車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車室(キャビン)の前後には、フロントサイドメンバやリヤサイドメンバが配されており、それらのサイドメンバの途中部位には、サスペンションメンバやエンジンマウント等のシャシ部品が取付けられている(類似技術として、特開平7−246950号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、サイドメンバにおけるシャシ部品の取付部の剛性を高めるために、複数の補強部材を必要とするため、取付部の構造が複雑になると共に、シャシ部品の取付作業が困難になる。また、シャシ部品の位置決めのために、ロケート治具が必要となり、位置決め作業も困難である。更に、サイドメンバをアルミ合金等の押出材で形成した場合には、溶接部の強度が特に低下しやすくなるため、更なる補強が必要になる。
【0004】
この発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、簡単な構造で高い取付剛性が得られ、且つ取付作業性に優れた車体構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、車室の前側及び/又は後側に配されている軽合金製で閉断面形状のサイドメンバを、車室側に位置する第1メンバと反車室側に位置する第2メンバに前後で分割すると共に、該第1メンバ及び第2メンバにおける対応端部の外面に互いに結合可能なフランジを有する第1ジョイント及び第2ジョイントを各々溶接し、且つ第1メンバ内に、該第1メンバを上下方向で貫通するシャシ部品取付用のボルトを支持するブラケットを回転不能な状態で挿入すると共に、該ブラケットに第1ジョイントと第2ジョイントとの間に挟持される位置決め用のフランジが形成されている。
【0006】
請求項2記載の発明は、第1ジョイント又は第2ジョイントのいずれか一方に、ブラケットのフランジと当接してブラケットの位置決めを行う基準面を形成すると共に、他方にブラケットのフランジの対応部と当接して該フランジを基準面側へ押し付けるテーパ面を形成した。
【0007】
請求項3記載の発明は、ブラケットが、第1メンバの互いに対向する側面に当接する外周壁部と、ボルトを貫通させるカラー部と、カラー部と外周壁部とを連結するリブとから形成されている。
【0008】
請求項4記載の発明は、カラーが2つ以上形成されており、カラー部同士を連結するリブが形成されている。
【0009】
請求項5記載の発明は、外周壁部の対向する側面部同士を連結する中間壁部が形成されている。
【0010】
請求項6記載の発明は、リブ又は中間壁部が、第1ジョイントの第1メンバに対する溶接部に合致した位置に形成されている。
【0011】
請求項7記載の発明は、ブラケットの位置決め用のフランジよりも第2メンバ側に、該第2メンバ内に挿入される第2の外周壁部を形成すると共に、該第2の外周壁部の先端にテーパ部を形成した。
【0012】
請求項8記載の発明は、第2の外周壁部の対向する側面部同士を連結する中間壁部が形成されている。
【0013】
請求項9記載の発明は、中間壁部が、第2ジョイントの第2メンバに対する溶接部に合致した位置に形成されている。
【0014】
請求項10記載の発明は、サイドメンバが車室よりも前方に形成されたフロントサイドメンバである。
【0015】
請求項11記載の発明は、サイドメンバが車室よりも後方に形成されたリヤサイドメンバである。
【0016】
請求項12記載の発明は、サイドメンバが多角形の閉断面形状である。
【0017】
請求項13記載の発明は、サイドメンバがアルミ又はアルミ合金製で、ボルトがスチール製であり、ボルトに締結されたナットに回転防止用の割りピンを設けた。
【0018】
請求項14記載の発明は、サイドメンバがアルミ又はアルミ合金製で、ボルトがスチール製であり、サイドメンバ又はシャシ部品と、ボルトに締結されたナットとの間に、ナットの回転防止用の付勢力を付与する付勢手段を設けた。
【0019】
請求項15記載の発明は、サイドメンバがアルミ又はアルミ合金製で、ボルトがスチール製であり、ブラケットと、サイドメンバのボルト貫通部との間に、線膨張係数がサイドメンバと同等以上の材料で形成されたスペーサを介在させると共に、該スペーサにサイドメンバのボルト貫通部に形成したエンボスと相対する滑り面を形成した。
【0020】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、サイドメンバの他に、ジョイントとブラケットを用いるだけなので、構造が簡単で、コストの面でも有利である。また、シャシ部品を取付けるためのボルトはブラケットにより支持されるため、取付剛性が高い。更に、ブラケットは第1メンバ内に挿入するだけで済み、取付時には第1メンバに対する溶接作業が不要なため、取付作業が容易になると共に、第1メンバの溶接熱による強度低下を防止することができる。従って、サイドメンバに対する入力により、応力集中部位でのサイドメンバの折れを防止することができ、エネルギー吸収に好適な変形モードを得ることができる。加えて、第1ジョイントと第2ジョイントと間に、ブラケットのフランジが挟持されるため、取付けと同時に、ブラケットの位置決めが可能である。従って、この点においても取付作業が容易になり、位置決めのためのロケート治具が不要になる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、ブラケットと、それを挟持するジョイントとの間に、寸法誤差が生じても、テーパ面と対応部との当接により、ブラケットのフランジがジョイントの基準面に押し付けられるため、ブラケットの位置決めを確実に行うことができる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、リブにより、ボルトの倒れ剛性が向上すると共に、サイドメンバの断面変形を防止でき、シャシ部品の取付剛性が大幅に向上する。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、カラー同士がリブにより連結されているため、ボルトの倒れ剛性が更に向上する。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、ブラケットにおける外周壁部の側面部同士が中間壁部により連結されているため、外周壁部が挿入されている部分のサイドメンバの断面変形を抑制することができる。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、リブ又は中間壁部が、第1メンバにおける第1ジョイントの溶接部に合致した位置に形成されており、溶接部をリブ又は中間壁部により内側から支えることができるため、断面が急変し、応力が集中しやすい溶接部における局部的な座屈を防止することができる。このため、エネルギー吸収に好適な変形モードを得ることができる。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、ブラケットに形成した第2の外周壁部が、第1メンバと第2メンバとを結合する際のガイドとなり、作業効率が向上する。また、第2の外周壁部の先端にテーパ部を形成しているため、衝突時のサイドメンバの蛇腹状の変形による断面縮小部を、第2の外周壁部のテーパ部が内側から支持することになる。従って、サイドメンバ変形時の急激な断面定数の低下が防止され、サイドメンバの結合部での折れを防止することができる。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、第2の外周壁部の対向する側面部同士が中間壁部により連結されているため、第2の外周壁部が挿入されている部分のサイドメンバの断面変形を抑制することができる。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、中間壁部が第2メンバにおける第2ジョイントの溶接部に合致した位置に形成されているため、中間壁部により、溶接熱による第2メンバの強度低下を補うことができる。
【0029】
請求項10記載の発明によれば、サイドメンバがフロントサイドメンバであるため、車両の前面衝突等による入力を受けても、そのエネルギーを十分且つ理想的に吸収することができる。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、サイドメンバがリヤサイドメンバであるため、車両の後面衝突等による入力を受けても、そのエネルギーを十分且つ理想的に吸収することができる。
【0031】
請求項12記載の発明によれば、サイドメンバが多角形の閉断面形状であるため、サイドメンバの剛性が高く、変形時におけるエネルギー吸収効率が高い。
【0032】
請求項13記載の発明によれば、ボルトに締結されたナットに回転防止用の割りピンを設けたため、熱変化により、ボルトに弛みが生じても、ナットが外れることはない。
【0033】
請求項14記載の発明によれば、付勢手段によりナットの回転防止が防止されるため、熱変化により、ボルトに弛みが生じても、ナットが外れることはない。
【0034】
請求項15記載の発明によれば、サイドメンバのボルト貫通部との間に、線膨張係数がサイドメンバと同等以上の材料で形成されたスペーサを介在し、熱変化によるボルトの弛み自体を防止するため、ナットの外れも防止される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
図1〜図6は、この発明の第1実施形態を示す図である。図1は、自動車の全体図を示す図である。自動車の中央には車室(キャビン)1が形成され、その前方にはダッシュパネル2を介してエンジンルーム3が形成され、後方にはリヤシートバックパネル4を介してトランクルーム5が形成されている。そして、エンジンルーム3の下部には、強度部材としての左右一対のフロントサイドメンバ6が前後方向に沿って配されており、トランクルーム5の下部には、同じく左右一対のリヤサイドメンバ7が前後方向に沿って配されており、これらのフロントサイドメンバ6とリヤサイドメンバ7とは、車室1のフロア下部に配されたエクステンションメンバ8により前後方向で連結されている。フロントサイドメンバ6の前端にはフロントバンパ9が設けられ、リヤサイドメンバ7の後端にはリヤバンパ10が設けられている。
【0037】
図2以降では、フロントサイドメンバ6を代表して説明する。フロントサイドメンバ6は、アルミ合金による押出材製で、四角形の閉断面形状をしている。左右のフロントサイドメンバ6は、それぞれ、「シャシ部品」としてのサスペンションメンバ11を取付ける位置において、後側(車室1側)の第1メンバ12と、前側(反車室1側)の第2メンバ13とに分割されている。第2メンバ13の前端間には前述の通りフロントバンパ9が架設され、また第2メンバ13の途中部位間にはファーストクロスメンバ14が架設されている。また、第1メンバ12の外側には、図示せぬサイドシルに接続されるアウトリガー12a(図3参照)が形成されている。更に、サスペンションメンバ11には、図示せぬステアリングラックを支持するための支持部11aも設けられている。
【0038】
そして、図4に示すように、第1メンバ12と第2メンバ13における対応端部の外面には、それぞれ、アルミ合金の鋳型成形品である第1ジョイント15と第2ジョイント16が取付けられている。第1ジョイント15は、その後端の溶接部15aにより、第1メンバ12に対して取付けられ、第2ジョイント16は、その前端の溶接部16aにより、第2メンバ13に対して取付けられている。第1ジョイント15及び第2ジョイント16には、ぞれぞれボルト17により結合可能なフランジ18、19が一体形成されている。
【0039】
各フランジ18、19の外側の付け根部には、補強用の三角リブ20が設けられている。また、第1ジョイント15におけるフランジ18の内側の付け根部には基準面18aが形成されている。第2ジョイント16におけるフランジ19の内側の付け根部にはテーパ面19aが形成されている。
【0040】
第1メンバ12の第1ジョイント15寄り位置には、その上面部及び下面部に、それぞれ内向きのエンボス21が前後方向に沿って形成されている。そして、そのエンボス21には2つの取付孔22がそれぞれ形成されている。
【0041】
第1メンバ12の対応端部の外面には第1ジョイント15が取付けられているが、この対応端部自体は開口した状態のままなので、その内部には、前記サスペンションメンバ11を取付けるためのブラケット23が挿入されている。このブラケット23もアルミ合金による押出材で出来ている。このブラケット23は、第1メンバ12の左右両側の側面に当接すると共に後面を形成する外周壁部24と、外周壁部24の前端を塞ぐ隔壁25と、該隔壁25から左右に突出したフランジ26と、前記取付孔22に対応する2つのカラー部27と、外周壁部24の左右両側の側面同士を連結する中間壁部28と、該中間壁部28とカラー部27の一方とを連結するリブ29と、カラー部27と外周壁部24とを連結するリブ30と、カラー部27同士を連結するリブ31とから形成されている。また、ブラケット23の隔壁25から左右に突出しているフランジ26は、ブラケット23の位置決め用で、その付け根には前記第2ジョイント16のテーパ面19aに当接する「対応部」としてのテーパ面26aが形成されている。
【0042】
従って、図5に示すように、ブラケット23を第1メンバ12の対応端部から挿入した後、第1ジョイント15のフランジ18と、第2ジョイント16のフランジ19とを重ね合わせてボルト17で結合することにより、第1メンバ12と第2メンバ13とは前後方向に沿って連続したフロントサイドメンバ6となる。また、ブラケット23のフランジ26は、第1ジョイント15と第2ジョイント16との間に挟持されるため、第1メンバ12に対するブラケット23の位置決めは正確になされ、第1メンバ12の上下の取付孔22と、ブラケット23のカラー部27とは位置が合致することになる。特に、テーパ面19a、26a同士の当接により、ブラケット23のフランジ26が第1ジョイント15の基準面18aに押し付けられるため、ブラケット23のフランジ26と第1ジョイント15との間に、寸法誤差が生じていても、第1ジョイント15のフランジ18が微小に変形するだけで、ブラケット23の位置決めを確実に行うことができる。従って、従来のようなロケート治具が不要となる。また、ブラケット23を第1メンバ12内に取付けた状態で、ブラケット23の中間壁部28の位置は、第1メンバ12における第1ジョイント15の溶接部15aに合致する。
【0043】
そして、図6に示すように、このように位置決めされた取付孔22とカラー部27に対して、プレート32にて連結された2本のボルト33が上から挿入されている。ボルト33の下端部は、第1メンバ12よりも下方に突出し、前記のサスペンションメンバ11を貫通してからナット34により締結される。これにより、サスペンションメンバ11の取付けが完了する。
【0044】
この実施形態によれば、サスペンションメンバ11の他に、第1ジョイント15及び第2ジョイント16と、ブラケット23を用いるだけなので、従来に比べて、構造が簡単で、コストの面でも有利である。また、サスペンションメンバ11を取付けるためのボルト33は、第1メンバ12内に挿入されたブラケット23により支持されるため、取付剛性が高い。特に、ボルト33がカラー部27を貫通しており、このカラー部27が各リブ29、30、31により支持されているため、ボルト33の倒れ剛性が向上し、サスペンションメンバ11の取付剛性が向上する。従って、車両衝突時等に、左右片側のフロントサイドメンバ6に入力が加わっても、その入力をサスペンションメンバ11を介して反対側のフロントサイドメンバ6へ確実に伝達・分散できる。
【0045】
また、ブラケット23におけるカラー部27の前後左右がリブ29、30、31により固定されているため、ボルト33の倒れ剛性が向上し、サスペンションメンバ11の取付剛性が向上する。更に、ブラケット23の外周壁部24における側面同士が、中間壁部28や、カラー部27を挟んだ2つのリブ30により連結されているため、入力を受けても、ブラケット23の断面変形が防止され、ひいては、ブラケット23を挿入した部分の第1メンバ12の断面変形が防止される。
【0046】
そして、ブラケット23は第1メンバ12内に挿入するだけで取付けられるため、第1メンバ12に対して溶接する必要がない。従って、溶接作業が不要になる分、ブラケット23の取付け作業が容易になるし、第1メンバ12の溶接熱による強度低下を抑制することができる。このように、第1メンバ12において、溶接部を少なくすることができるため、第1メンバ12における応力集中部位での折れを防止することができ、エネルギー吸収に好適な変形モードを得ることができる。
【0047】
加えて、ブラケット23の中間壁部28が、第1メンバ12における第1ジョイント15の溶接部15aに合致した位置に形成されているため、入力を受けた際に、断面が急変し且つ応力集中しやすい溶接部15aの座屈変形を防止し、フロントサイドメンバ6の折れを防止することができる。このため、エネルギー吸収に好適な変形モードを得ることができる。尚、ブラケット23の構造によっては、中間壁部28でなく、前記のリブ30を溶接部15aに合致させても良い。
【0048】
図7〜図9は、この発明の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態に係るブラケット35は、先の第1実施形態の構造に追加して、その隔壁25及びフランジ26よりも前側に、第2メンバ13内に挿入される第2の外周壁部36を形成したものである。また、この第2の外周壁部36の側面同士は中間壁部37により連結されていると共に、この中間壁部37よりも前側は、先細りのテーパ部38となっている。このブラケット35の中間壁部37の位置は、取付けた状態で、第2ジョイント16の溶接部16aと合致するようになっている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0049】
この第2実施形態によれば、ブラケット23の前側に第2の外周壁部36が形成されており、その前端部がテーパ部38となっているため、第1メンバ12と第2メンバ13を結合する際に、第2の外周壁部36がガイドとして機能し、結合作業が容易になる。また、第2の外周壁部36の先端にテーパ部38を形成しているため、図9に示すように、衝突時の第2メンバ13の蛇腹状の変形による断面縮小部を、このテーパ部38が内側から支持することになる。従って、第2メンバ13の変形時における急激な断面定数の低下が防止され、フロントサイドメンバ6の結合部での折れを防止することができる。また、第2の外周壁部36の対向する側面部同士を中間壁部37により連結しているため、第2の外周壁部36が挿入されている部分の第2メンバ13の断面変形を抑制することができるし、この中間壁部28の位置が、第2メンバ13における第2ジョイント16の溶接部16aに合致しているため、この中間壁部28により、断面が急変し且つ応力集中しやすい溶接部16aの座屈変形を防止することができる。
【0050】
図10及び11は、この発明の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態では、第1メンバ12とブラケット23はアルミ合金製だが、ボルト39及びナット40はスチール製である(以下の実施形態において同じ)。アルミ合金は線膨張係数がスチールの約2倍なので、真夏の暑い時期に工場で製造された車両は、真冬では、ボルト39の縮み以上に第1メンバ12及びブラケット23が縮むため、ナット40とサスペンションメンバ11との接触圧が低下し、ナット40にゆるみが発生する可能性がある。そこで、この第3実施形態では、ボルト39に締結されたナット40に、ナット40の回転防止用の割りピン41を設けた。従って、熱変化により、ボルト39に弛みが生じても、ナット40がボルト39から外れることはない。
【0051】
図12及び13は、この発明の第4実施形態を示す図である。この第4実施形態では、第1メンバ12とナット40との間に、ナット40の回転防止用の付勢力(接触圧)を付与するコイルスプリング(付勢手段)42を設けた。従って、コイルスプリング42により、ナット40に対して所定の付勢力(接触圧)が付与されるため、熱変化により、ボルト39に弛みが生じても、ナット40が回転してボルト39から外れることはない。
【0052】
図14及び15は、この発明の第5実施形態を示す図である。この第5実施形態では、ボルト39の頭部と第1メンバ12の間と、ナット40とサスペンションメンバ11との間に、それぞれ皿バネ(付勢手段)43を設けた。従って、皿バネ43により、ナット40に対して所定の付勢力(接触圧)が付与されるため、熱変化により、ボルト39に弛みが生じても、ナット40が回転してボルト39から外れることはない。
【0053】
図16〜図19は、この発明の第6実施形態を示す図である。尚、図18では、第1ジョイントの図示を省略している。この第6実施形態では、第1メンバ12の上面部及び下面部に、独立した円形のエンボス44をそれぞれ2つづつ形成し、その底部に取付孔22を形成している。また、ブラケット45の上下寸法を第1メンバ12よりも若干小さくし、ブラケット45と、上下のエンボス44の間に、それぞれ若干のスペースが生じるようにしている。
【0054】
そして、ブラケット45と、上下のエンボス44の間に、アルミ合金製のスペーサ46がそれぞれ介在されている。このスペーサ46には、エンボス44と相対する滑り面46aが各々形成されている。この滑り面46aは、スペーサ46の厚みに対して大きく形成されている。
【0055】
ここで、図16に示すように、第1メンバ12の上下のエンボス44の底面間の距離をLとし、アルミ合金の線膨張係数をα、ボルト(スチール)39の線膨張係数をβとすると、第1メンバ12とボルト39との間に発生する隙間δは、温度変化をT2−T1として、δ=L(α−β)(T2−T1)となる。
【0056】
この隙間δを抑制するために、図19に示すように、厚みB、座面寸法A、滑り面46aの角度をθとしたスペーサ46を前述のように設けた。このスペーサ46は、厚みBよりも座面寸法Aが大きいため、温度変化により、座面方向の収縮が大きい。従って、座面方向の縮み量のtanθ分だけ、スペーサ46がエンボス44を外側に押し出すことなる。実際には、スペーサ46の厚さ方向にも収縮するので、スペーサ46によるエンボス44の持ち上げ代は、片面あたり、
1/2〔Aα(T2−T1)tanθ〕−Bα(T2−T1)
となる。この持ち上げ代分だけ、第1メンバ12とボルト39との間に発生する隙間δ′は小さくなり、
δ′=L(α−β)(T2−T1) −〔Aα(T2−T1)tanθ−2Bα(T2−T1)〕
となる。この式より、δ′を小さくするには、スペーサ46に使用する材料の線膨張係数αが大きければ良いことがわかる。実用金属の中で、アルミやアルミ合金よりも線膨張係数が大きい材料としては、亜鉛、鉛がある。しかし、いずれも、電食、環境の点で課題があり、また、スペーサ46として、座面潰れが発生しないだけの表面硬度が必要なことから、材料としては、アルミ合金が適当である。また、アルミやアルミ合金と同等以上の線膨張係数を有するものであれば、樹脂材料でも良い。この第6実施形態によれば、前述のように、スペーサ46により、熱変化によるボルト39の弛み自体を防止するため、ナット40の外れも防止される。
【0057】
以上の説明では、サイドメンバとして、フロントサイドメンバ6を例にしたが、リヤサイドメンバ7でも良い。そして、フロントサイドメンバ6を四角形の閉断面形状にしたが、五角形以上の多角形断面にしても良い。多角形断面にすることにより、フロントサイドメンバ6の剛性が向上し、変形時におけるエネルギー吸収効率が高まる。
【0058】
また、フロントサイドメンバ6からリヤサイドメンバ7まで、エクステンションメンバ8を介して連続させた例を示したが、連続していなくても良い。更に、フロントサイドメンバ6を、アルミ合金による押出材で形成したが、アルミ合金でなくても良いし、押出材でなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る車体構造を示す全体図。
【図2】第1実施形態に係るフロントサイドメンバを示す平面図。
【図3】第1実施形態に係るフロントサイドメンバを示す斜視図。
【図4】第1実施形態に係るフロントサイドメンバにおける結合部の結合前の状態を示す断面図。
【図5】第1実施形態に係るフロントサイドメンバにおける結合部の結合後の状態を示す断面図。
【図6】図5中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図7】第2実施形態に係るフロントサイドメンバにおける結合部の結合前の状態を示す断面図。
【図8】第2実施形態に係るフロントサイドメンバにおける結合部の結合後の状態を示す断面図。
【図9】第2実施形態に係るフロントサイドメンバの変形状態を示す断面図。
【図10】第3実施形態に係る第1メンバの収縮前の状態を示す断面図。
【図11】第3実施形態に係る第1メンバの収縮後の状態を示す断面図。
【図12】第4実施形態に係る第1メンバの収縮前の状態を示す断面図。
【図13】第4実施形態に係る第1メンバの収縮後の状態を示す断面図。
【図14】第5実施形態に係る第1メンバの収縮前の状態を示す断面図。
【図15】第5実施形態に係る第1メンバの収縮後の状態を示す断面図。
【図16】第6実施形態に係る第1メンバの収縮前の状態を示す断面図。
【図17】第6実施形態に係る第1メンバの収縮後の状態を示す断面図。
【図18】第6実施形態のブラケット及び第1メンバを示す斜視図。
【図19】第6実施形態のエンボスとスペーサを示す拡大断面図。
【符号の説明】
1 車室(キャビン)
6 フロントサイドメンバ(サイドメンバ)
7 リヤサイドメンバ(サイドメンバ)
11 サスペンションメンバ(シャシ部品)
12 第1メンバ
13 第2メンバ
15 第1ジョイント
15a 溶接部
16 第2ジョイント
16a 溶接部
18 フランジ(第1ジョイント)
18a 基準面
19 フランジ(第2ジョイント)
19a テーパ面
23、35、45 ブラケット
24 外周壁部
26 フランジ(位置決め用)
27 カラー部
28、37 中間壁部
29、30、31 リブ
33、39 ボルト
34、40 ナット
36 第2の外周壁部
38 テーパ部
41 割りピン
42 コイルスプリング(付勢手段)
43 皿バネ(付勢手段)
44 エンボス
46 スペーサ
46a 滑り面

Claims (15)

  1. 車室の前側及び/又は後側に配されている軽合金製で閉断面形状のサイドメンバを、車室側に位置する第1メンバと反車室側に位置する第2メンバに前後で分割すると共に、該第1メンバ及び第2メンバにおける対応端部の外面に互いに結合可能なフランジを有する第1ジョイント及び第2ジョイントを各々溶接し、
    且つ第1メンバ内に、該第1メンバを上下方向で貫通するシャシ部品取付用のボルトを支持するブラケットを回転不能な状態で挿入すると共に、該ブラケットに第1ジョイントと第2ジョイントとの間に挟持される位置決め用のフランジが形成されていることを特徴とする車体構造。
  2. 第1ジョイント又は第2ジョイントのいずれか一方に、ブラケットのフランジと当接してブラケットの位置決めを行う基準面を形成すると共に、他方にブラケットのフランジの対応部と当接して該フランジを基準面側へ押し付けるテーパ面を形成した請求項1記載の車体構造。
  3. ブラケットが、第1メンバの互いに対向する側面に当接する外周壁部と、ボルトを貫通させるカラー部と、カラー部と外周壁部とを連結するリブとから形成されている請求項1又は請求項2記載の車体構造。
  4. カラーが2つ以上形成されており、カラー部同士を連結するリブが形成されている請求項3記載の車体構造。
  5. 外周壁部の対向する側面部同士を連結する中間壁部が形成されている請求項3又は請求項4記載の車体構造。
  6. リブ又は中間壁部が、第1ジョイントの第1メンバに対する溶接部に合致した位置に形成されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の車体構造。
  7. ブラケットの位置決め用のフランジよりも第2メンバ側に、該第2メンバ内に挿入される第2の外周壁部を形成すると共に、該第2の外周壁部の先端にテーパ部を形成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の車体構造。
  8. 第2の外周壁部の対向する側面部同士を連結する中間壁部が形成されている請求項7記載の車体構造。
  9. 中間壁部が、第2ジョイントの第2メンバに対する溶接部に合致した位置に形成されている請求項8記載の車体構造。
  10. サイドメンバが車室よりも前方に形成されたフロントサイドメンバである請求項1〜9のいずれか1項に記載の車体構造。
  11. サイドメンバが車室よりも後方に形成されたリヤサイドメンバである請求項1〜9のいずれか1項に記載の車体構造。
  12. サイドメンバが多角形の閉断面形状である請求項1〜11のいずれか1項に記載の車体構造。
  13. サイドメンバがアルミ又はアルミ合金製で、ボルトがスチール製であり、ボルトに締結されたナットに回転防止用の割りピンを設けた請求項1〜12のいずれか1項に記載の車体構造。
  14. サイドメンバがアルミ又はアルミ合金製で、ボルトがスチール製であり、サイドメンバ又はシャシ部品と、ボルトに締結されたナットとの間に、ナットの回転防止用の付勢力を付与する付勢手段を設けた請求項1〜13のいずれか1項に記載の車体構造。
  15. サイドメンバがアルミ又はアルミ合金製で、ボルトがスチール製であり、ブラケットと、サイドメンバのボルト貫通部との間に、線膨張係数がサイドメンバと同等以上の材料で形成されたスペーサを介在させると共に、該スペーサにサイドメンバのボルト貫通部に形成したエンボスと相対する滑り面を形成した請求項1〜14のいずれか1項に記載の車体構造。
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