JP3794916B2 - 発泡剤、板状ポリスチレン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡剤、板状ポリスチレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、炭化水素、塩化アルキル及び二酸化炭素の4成分からなる発泡剤、その発泡剤を使用して得られた、低密度で、良好な厚みを有し、かつ環境適合性が高く、低コストで熱伝導率の低い板状ポリスチレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、板状ポリスチレン系樹脂発泡体に使用されている発泡剤としては、塩化アルキル、炭化水素、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン(以下、142bと略す)が挙げられ、特に熱伝導率の低いグレードのものには142bがたくさん使用されている。
【0003】
しかし、142bは若干の塩素を含んでいるため、現在使用の規制がかかっており、近く使用できなくなる発泡剤である。そのため、近年この142bのようなフロンを代替える発泡剤の研究が進められており、その候補として1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下、134aと略する)が挙げられている。具体的には、134aと塩化アルキルとを併用した発泡剤が報告されている。その中で、特開昭63−118927号公報には、134aは、142bに比べて蒸気圧が高いため、突沸しやすいので、MFR(メルトフローレート)の低い原料樹脂を使用することで、突沸を抑えようという考えが記載されている。
【0004】
しかし、このような原料樹脂では生産時に大幅なQdownが生じ、生産効率が非常に悪くなってしまう。また、発泡剤が、134aと塩化アルキルの二種類の場合、発泡体の熱伝導率を下げるには、134aを大量に使用する必要がある。そうすると、押出発泡時に、金型先端で高い圧力が必要になるので、厚い発泡体を得るのは困難である。
【0005】
そこで、熱伝導率をより効率的に下げるために、フッ素化炭化水素(HFC)(134aを含む)、炭化水素、塩化アルキルの3成分系からなる発泡剤が報告されている(例えば、特開平10−292063号公報参照)。具体的には、134aと炭化水素の両方が発泡後に気泡内に残り、炭化水素の方が134aより熱伝導率が若干高いものの、両方が熱伝導率の低下に寄与する。このような3成分系の発泡剤により、134aの添加量を少なくすることができるので、より発泡させやすくなる。
【0006】
しかしながら、上記3成分系の公報では、HFCが全発泡剤中で30〜70重量%使用されており、この使用量では、134aのような低沸点のHFCを含む発泡剤の場合、熱伝導率を下げようとすると、金型先端で高い圧力が必要になる。3成分系では2成分系(塩化アルキル、134a)より厚みはでるが、それでも気泡が厚み方向に立ってしまうので、熱伝導率が悪くなってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
地球温暖化を考えると、その一因である134aのようなHFCの使用量をできるだけ少なくすることが望まれるが、減らすと熱伝導率が悪化する。所定の熱伝導率を維持しつつ、134aの量を減らすために炭化水素を加えると、難燃性が低下する。ここで、本発明の発明者は、熱伝導率の悪化と難燃性の低下を防ぎつつ、厚い発泡体をコスト的に安価でできる方法を研究した結果、134a、ブタン及び塩化アルキルに、更に特定の使用比率で二酸化炭素を加えた4成分系の発泡剤を使用すれば、134aの使用量を顕著に減らすことができ、かつ安価で、厚く、熱伝導率が低いポリスチレン系樹脂発泡体が得られることを意外にも見いだし本発明に至った。また、発泡体中の気泡径が特定の大きさ及び形状を有する場合、熱伝導率を更に低下させられることも見いだした。
【0008】
かくして本発明によれば、塩化アルキル、ブタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン及び二酸化炭素の4成分からなり、4成分が、下式▲1▼、▲2▼及び▲3▼を満たす重量%で含まれてなるポリスチレン系樹脂用の発泡剤が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、上記発泡剤により得られた板状ポリスチレン系樹脂発泡体が提供される。
更に、本発明によれば、上記発泡剤を使用する板状ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
熱伝導率が低く、できるだけ厚い発泡体を得るために、134aの添加量をできるだけ少なくし、燃焼性をクリアーできる程度にブタンをできるだけ多くすることが考えられる。すなわち、同じ密度の発泡体を製造する場合、134aの添加量をできるだけ少なくしても、ブタンをできるだけ多くすることで、金型先端での圧力を小さくすることができるので、スリットをより開けることができる。そのことによって、厚い発泡体を製造するとき、ため込みを緩和することができる。従って、発泡体をMD方向に引っ張るような成形が行いやすくなり、MD方向の熱伝導率を更に効率的に下げることができる。
【0011】
本発明の発泡剤において、134aは、全発泡剤中20〜30重量%の範囲で使用される。また、134aとブタンの合計量は、全発泡剤中、50〜60重量%の範囲である。このような範囲で134aとブタンを使用することで、金型先端での圧力が下がり、その分発泡体の厚みが出しやすくなる。例えば、100mm程度の厚みの発泡体においても、発泡剤と気泡の方向性の効果により、現行の142bにおいて作られていた発泡体と同程度又はそれ以上の熱伝導率を実現することができる。
【0012】
なお、上記範囲外でも、実際に金型先端の間隔を狭くして100mm程度の厚さの発泡体を作ることは可能である。しかし、そうすると厚み方向に気泡が立ってしまい、その結果熱伝導率が悪くなる。たとえ金型先端の間隔を狭くして、金型先端での圧力が上がった分、134aを多く添加しても熱伝導率としては結局悪くなってしまう。次に、134aを少なくして、ブタンの添加量を上げると、燃焼性が悪くなり、かつ、気泡径が大きくなる。それに伴って発泡体の熱伝導率が悪くなり、また燃焼性の基準であるJIS A9511をクリアーできる発泡体を得ることは極めて困難となる。そこで、核剤としてタルクの添加量を上げることで、熱伝導率及び燃焼性を改善できることが知られているが、タルクを添加しすぎると発泡体の物性に悪影響を及ぼす。そのため、本発明では、二酸化炭素を併用することで、物性に悪影響を及ぼさず、かつ気泡径を小さくできるので、熱伝導率及び燃焼性を改善できる。
【0013】
なお、134aの添加量が、全発泡剤中、20重量%未満の場合、熱伝導率を下げるためにブタンの添加量が増えるので、難燃性をクリアーすることが困難となる。また、全発泡剤中、30重量%より多くなると、金型先端での必要圧力が高くなり、厚みのある発泡体を得ることが困難となる。134aの好ましい添加量は、全発泡剤中、24〜29重量%である。
【0014】
ブタンの添加量は、全発泡剤中134aが20〜30重量%で、かつ134aとブタンの合計量が全発泡剤中50〜60重量%になるように、調整するのが好ましい。合計量が50重量%より少ないと、熱伝導率の低下に寄与する134aとブタンの絶対量が少なくなり、熱伝導率を下げることが困難となる。また、60重量%より多い場合、金型先端での圧力が高くなるので、厚い発泡体を得ようとするとため込み成形になり、熱伝導率を下げることが困難となる。
【0015】
また、合計量が、全発泡剤中、50〜60重量%の範囲においても、134aの添加量が、全発泡剤中、20〜30重量%の範囲を満たしていることが必要である。134aが30重量%より多くなると、ブタンの添加量が少なくなり、金型先端で高い圧力が必要となる(金型内で内部発泡するため)。金型先端で高い圧力を維持するためには、ダイリップ(金型スリット)を小さくするといったことが必要となる(具体的には、ダイリップの幅や厚みを狭くする)。その結果、幅の狭いものや、気泡径が垂直方向に立った製品となってしまう。気泡径が垂直方向に立つと、熱伝導率が悪化してしまう。134aが20重量%より少ないと、ブタンの添加量が多くなるので、難燃性をクリアーすることが困難となる。なお、ブタンの好ましい添加量は、全発泡剤中、20〜35重量%(特に、20〜30重量%)である。
【0016】
発泡剤として使用しているブタンについては、ノルマル、イソのいずれも使用できる。すなわち、ノルマル100%、イソ100%、又はこれらの混合物のいずれも使用可能である。この内、イソブタンが多いほうが、得られた発泡体の熱伝導率の経時変化をより小さくすることができるため好ましい。経済性等を考慮した場合、ブタン中にノルマルブタンが10〜70重量%含まれることが好ましい。
【0017】
二酸化炭素は、気泡の核剤効果を有し、全発泡剤中、2〜7重量%の範囲で使用される。7重量%より多い場合、134aと同様金型先端で高い圧力が必要になるので、厚い発泡体を得ることが困難である。また、発泡体の連続気泡率が高くなり好ましくない。一方、2重量%より少ない場合、二酸化炭素の核剤効果が少なくなるため、気泡が粗くなり、熱伝導率を下げることが困難となる。より好ましい二酸化炭素の添加量は、全発泡剤中、4〜6重量%である。
【0018】
本発明の発泡剤は、134a、ブタン及び二酸化炭素以外に、塩化アルキルが含まれている。塩化アルキルの好ましい添加量は、全発泡剤中、33〜48重量%(特に、35〜45重量%)である。塩化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、塩化エチル等が挙げられる。ここで、発泡性を考慮すると塩化メチルを使用することが好ましい。これに対して、塩化エチルは、塩化メチルに比べて、作業環境を改善することができるという効果を奏する。なお、塩化エチルは、ポリスチレンへの溶解性が高いことから、発泡直後のスラブを軟化させやすいため、発泡直後に発泡体が収縮する恐れがある。従って、塩化エチルを使用する場合、全発泡剤中に占める割合を調整することが好ましい。
【0019】
本発明の発泡剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記4成分以外の成分を含んでいてもよい。例えば、窒素、水、アルゴン、ヘリウム等の無機ガス、プロパン、ペンタン、ジメチルプロパン等の炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アミルエーテル、フラン、フルフラール、メチルフラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、カルボン酸ジアルキルエステル、ギ酸アルキルエステル、プロピオン酸アルキルエステル等のエステル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン等のケトン類、ジフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン等のフッ素化炭化水素が挙げられる。
上記本発明の発泡剤は、板状のポリスチレン系樹脂発泡体の製造に特に好適に使用できる。
【0020】
本発明では、上記発泡剤を使用して得られた板状ポリスチレン系樹脂発泡体も提供される。ここで、ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、当該分野で公知の樹脂をいずれも使用することができる。例えば、スチレン、メチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれら単量体を2種以上組み合わせた共重合体が挙げられる。更に、上記スチレン系単量体と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ブタジエン等の単量体との共重合体等が挙げられる。また、ブロック、ランダム、グラフト等の共重合体に適用することができる。更に、少なくともポリスチレン系樹脂が主成分であれば、それ以外の樹脂を混合した混合物も本発明で使用するポリスチレン系樹脂に含まれる。
【0021】
次に、本発明の発泡体は、以下の(1)及び(2)のいずれかの条件を満たしていることが好ましい。
(1)気泡が、(MD+TD+VD)/3≦0.40mm(式▲4▼)を満たす。
(2)発泡体が、15〜120mmの厚みを有し、気泡が、0.80≦VD/((MD+TD+VD)/3)≦0.98(式▲5▼)を満たす。
まず、条件(1)について述べる。式▲4▼は気泡の大きさを意味している。ここで、気泡は熱伝導における遮断の役目を果たすので、気泡径は、熱伝導率に非常に影響がある。つまり、気泡径全体を小さくすることで、熱の遮断回数が多くなり、その結果、熱伝導率を下げることができる。より好ましい式▲4▼の範囲は、0.15〜0.30mmである。
【0022】
次に、式▲5▼は気泡の厚み方向の形状を意味している。数値が0.98より大きい場合、気泡径が厚み方向に立った形状を意味し、厚さあたりの気泡数が減ることとなり、その結果厚み方向の熱伝導の遮断回数が少なくなり、熱伝導率が上昇する恐れがある。また、数値が0.80より小さいと発泡体の成形を行うのが困難である。より好ましい式▲5▼の範囲は、0.84〜0.95である。
【0023】
上記厚み方向の形状に加えて、気泡は下記式▲6▼で表される流れ方向の形状を有していることが更に好ましい。
1≦MD/((MD+TD+VD)/3)≦1.5(式▲6▼)
式▲6▼の数値が1より小さい場合、気泡径が厚み方向に立った形状を意味し、厚さあたりの気泡数が減ることとなり、その結果厚み方向の熱伝導の遮断回数が少なくなり、熱伝導率が上昇する恐れがある。また、数値が1.5より大きいと発泡体の成形を行うのが困難である。より好ましい式▲5▼の範囲は、1.0〜1.2である。
更に、本発明では、より厚い発泡体を得ることができるという効果も奏する。そのような厚さは、50〜120mmである。より好ましい厚さは、50〜100mmである。
【0024】
本発明の発泡体は、25〜40kg/m3の密度を有することが好ましい。密度が25kg/m3より小さい場合、熱伝導率が悪化するので好ましくない。一方、40kg/m3より大きい場合、全体のガス量が減るため、その結果、熱伝導率の低下に寄与する134aとブタンのガス量が少なくなるので好ましくない。
【0025】
本発明の発泡体には、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の核剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム等の滑材、ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤、高分子型ヒンダードフェノール系化合物等の抗酸化剤、可塑剤、顔料、発泡助剤を含んでいてもよい。
なお、本発明の発泡体の製造方法には、当該分野で公知の方法をいずれも適用することができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例及び比較例に限定されるものではない。
まず、熱伝導率は、製造して経日2ヶ月後の熱伝導率であり、測定方法はJIS A1412準じて測定する。具体的には、発泡体の表皮部分を除いて、発泡体を厚み25mm、長さ及び幅を200mmに切断して試験片とし、この試験片を通過する熱流量を、二枚平板熱量計を用いて測定し、そのときの試験片の厚み方向に沿って上下面の温度差を測定する。得られた熱流量と温度差から求められた値を本明細書中の熱伝導率としている。実施例及び比較例において、0.0290W/mK以下をよしとしている。
【0027】
次に、燃焼性は、JIS A9511に規定する方法により測定している。具体的には、まず、発泡体の表皮部分を除いて、発泡体を厚さ10mm、長さ200mm、幅25mmに切断した試験片を5個用意する。個々の試験片を固定し、炎を等速で試験片の一端から任意の点まであてる。任意の点まで達した後、炎を取り除き、その瞬間から炎が消えるまでの時間を測定し、5個の試験片の時間の平均をとる。この平均値が燃焼性を意味する。なお、JIS A9511に規定する燃焼性を満たすには、上記平均値が3秒以下であることが必要とされる。
【0028】
次に、押出流れ方向、幅方向及び厚み方向のそれぞれの気泡径は、ASTM D−2842−69に準拠して測定している。具体的には、測定装置として走査型電子顕微鏡JSM T−300(日本電子社製)を使用し、押出流れ方向、幅方向、厚み方向の3方向のそれぞれの気泡径(それぞれ、MD、TD、VDと略す)を測定する(単位:mm)(但し、発泡体の表皮部分は除く)。
【0029】
次に、独立気泡率及び連続気泡率は、ASTM D−2856に準拠して測定している。具体的には、まず、発泡体の表皮部分を除いて、発泡体を25mm角に切断した試験片を5個用意する。測定装置として空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を使用し、試料片をASTM D−2856に準拠して独立気泡率及び連続気泡率を測定し、得られた値を平均した値を意味する。
【0030】
実施例1
樹脂としてポリスチレン(MFR:5.6(g/10min))100部(重量部を意味する)を使用し、この樹脂に顔料0.1部、気泡核剤としてタルクを0.5部、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカンを2.5部加え、得られた混合物を押出機(口径:第一φ200mm、第二φ200mm)に供給した。なお、押出機としてはタンデム型の押出機を使用した。
【0031】
ついで、上記タンデム型の第一の押出機内でこの混合物を溶融混練するとともに、発泡剤として塩化メチルを5.8部、ブタンを3.5部、134aを3.6部、二酸化炭素を0.5部を圧入した。その後、第一の押出機内で溶融樹脂と発泡剤とをよく混練した。次に第二の押出機内で樹脂組成物を発泡に適した樹脂温度まで冷却した。次いで、この樹脂組成物を上記第二の押出機の先端(出口側)に装着した金型の口金(リップ厚み:2.0mm、リップ幅:500mm)より、金型口金部の圧力を50kg/cm2、樹脂温度として116℃に設定して時間当たり680kg(吐出量)で押出発泡した。
【0032】
そして、押出された発泡体を、口金の先端に密接に取り付けられた、2枚の板を向き合わせてなる成形装置を通過させ、成形と同時に冷却することにより成形した。これにより幅950mm、厚み30mmの板状発泡体が得られた。また、得られた発泡体の密度、平均気泡径及び熱伝導率を測定したところ、密度は35.4kg/m3、平均気泡径は0.32mm、経日60日での熱伝導率は0.0267W/mKであり、発泡性、物性ともに満足する発泡体が得られた。
【0033】
実施例2
塩化メチル6.2部、ブタン3.5部、134a4.0部、二酸化炭素0.5部に変更する以外は実施例1と同様で行った。これにより幅950mm、厚み50mmの板状の発泡体が得られた。また得られた発泡体の密度、平均気泡径及び熱伝導率を測定したところ、密度は35.0kg/m3、平均気泡径は0.34mm、熱伝導率は0.0277W/mKであり、発泡性、物性ともに満足する発泡体が得られた。
【0034】
実施例3
塩化メチル5.5部、ブタン3.5部、134a3.9部、二酸化炭素0.5部に変更する以外は実施例1と同様で行った。これにより幅950mm、厚み50mmの板状の発泡体が得られた。また得られた発泡体の密度、平均気泡径及び熱伝導率を測定したところ、密度は35.0kg/m3、平均気泡径は0.36mm、熱伝導率は0.0277W/mKであり、発泡性、物性ともに満足する発泡体が得られた。
【0035】
実施例4
塩化メチル5.8部、ブタン3.5部、134a3.6部、二酸化炭素0.5部に変更する以外は実施例1と同様で行った。これにより幅950mm、厚み50mmの板状の発泡体が得られた。また得られた発泡体の密度、平均気泡径及び熱伝導率を測定したところ、密度は35.4kg/m3、平均気泡径は0.32mm、熱伝導率は0.0288W/mKであり、発泡性、物性ともに満足する発泡体が得られた。
【0036】
実施例5
塩化メチルの代わりに塩化エチル5.8部、ブタン3.5部、134a3.6部、二酸化炭素0.5部に変更する以外は実施例1と同様で行った。これにより幅950mm、厚み50mmの板状の発泡体が得られた。また得られた発泡体の密度、平均気泡径及び熱伝導率を測定したところ、密度は36.0kg/m3、平均気泡径は0.36mm、熱伝導率は0.0257W/mKであり、発泡性、物性ともに満足する発泡体が得られた。
【0037】
比較例1〜6
表1に示す割合の発泡剤を使用すること以外は、実施例1と同様にして発泡体を形成した。
以下の表1に、実施例1〜5及び比較例1〜6の発泡剤の仕込量及び比率を、表2に得られた発泡体の密度、気泡径(MD、TD、VD)、式▲4▼の値、式▲5▼の値、式▲6▼の値、熱伝導率、独立気泡率、連続気泡率、燃焼性をまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
表2から、実施例の発泡体は、熱伝導率と燃焼性に要求される要件を同時に満たしていることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、温暖化の高いHFCである134aの使用量をできるだけ少なくして効率的に熱伝導率を下げ、厚いポリスチレン系樹脂発泡体を安価に提供することができる。
Claims (9)
- ブタンが、ノルマルブタンとイソブタンを主成分として含み、ブタン中にノルマルブタンが、10〜70重量%含まれる請求項1に記載の発泡剤。
- 塩化アルキルが、塩化メチル又は塩化エチルである請求項1又は2に記載の発泡剤。
- 塩化アルキル、ブタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン及び二酸化炭素が、それぞれ33〜48重量%、20〜35重量%、24〜29重量%及び2〜7重量%の割合で含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡剤。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡剤により得られた板状ポリスチレン系樹脂発泡体。
- 発泡体中の気泡が、下式▲4▼を満たす気泡径を有する請求項5に記載の板状ポリスチレン系樹脂発泡体。
(MD+TD+VD)/3≦0.40mm 式▲4▼
(式中、MDは押出流れ方向の気泡径、TDは幅方向の気泡径、VDは厚み方向の気泡径を意味する) - 発泡体が、15〜120mmの厚みを有し、発泡体中の気泡が、下式▲5▼を満たす気泡径を有する請求項5に記載の板状ポリスチレン系樹脂発泡体。
0.80≦VD/((MD+TD+VD)/3)≦0.98 式▲5▼
(式中、MDは押出流れ方向の気泡径、TDは幅方向の気泡径、VDは厚み方向の気泡径を意味する) - 発泡体が、25〜40kg/m3の密度を有する請求項5〜7のいずれか1つに記載の発泡体。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡剤を使用する板状ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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