JP3794731B2 - 偏光機能を有する電極フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置(リキッドクリスタルディスプレー、以下LCDと略す)の基板に用いる透明導電層付きの偏光フィルムに関し、TN用およびSTN用液晶表示素子の基板に好適に用いることができる偏光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子においては、所望のパターンをもつ透明導電膜が積層された2枚の透明基材の間に液晶が封入され、さらに、その基材に偏光フィルムが接着され液晶表示素子が製作される。偏光フィルムとしては、一般に、一軸に延伸されたポリビニルアルコールフィルム(PVA)に、偏光度の高いヨウ素分子を一定方向に配列してつくるハロゲン偏光フィルムや直接染料で染色したポリビニルアルコールフィルム等を他の支持フィルムに挟んだものがある。さらに、耐久性が優れた偏光フィルムとしては、1軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)に色素を含有させた偏光フィルムがあり、実際に市販されているものとしては三井東圧化学(株)のMT−H、MT−NGシリーズ等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示素子は従来上記透明基材としてガラスを用いてきた。しかし、ガラスに代わって高分子を用いることにより、軽量化がはかれる、割れにくくなると言った利点があるため、現在、ガラス基材のプラスチック化がはかられている。その際、ガラスと比較すると高分子の欠点として、酸素や水蒸気と言ったガスが透過しやすいという点があった。この問題を解決するため、珪素酸化物層をプラスチックフィルムに積層し、ガスバリヤー層を向上させる技術を本発明者等は提案した。
しかしながら、TNやSTNといった光の偏光を利用する液晶表示素子を完成させるには、さらに、本発明でいうところの偏光機能を有するフィルムである偏光フィルムを液晶セルに張り合わせる必要があり、これは、製造工程が増加するといった面からも、界面で光が散乱されるため光の有効利用ができず画面が暗くなるという観点からも好ましいものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らが鋭意研究したところ、偏光機能を有する高分子フィルムにおいて、少なくとも有機珪素化合物と酸素とを原料としたプラズマ化学蒸着法により得られる珪素酸化物層を、少なくとも一方の主面上に形成し、さらに、透明導電層を形成することにより、液晶表示素子用の基板の高分子化を達成でき、さらに、偏光機能を有する電極フィルムを用いることで、偏光フィルムを貼り合わせることなく液晶表示素子を得ることができ、したがって、偏光フィルムと液晶基板間における反射をおさえることにより、素子の透過率を向上させることができるだけでなく、さらに、生産性をも著しく向上させることができることも見いだし、本発明に到達したのである。
【0005】
すなわち、本発明は、偏光機能を有する高分子フィルム(A)の主面に膜厚が0.1〜2μmの珪素酸化物薄膜層(B)と透明導電層(C)が、ABC、BABC、もしくは、BACの構成をもって形成された偏光機能を有する電極フィルムにして、該珪素酸化物層が少なくとも有機珪素化合物と酸素とを原料としたプラズマ化学蒸着法により得られるものである偏光機能を有する電極フィルムであり、また、偏光機能を有する高分子フィルムがポリエステル樹脂に2色性染料を混合して成形したフィルムである偏光機能を有する電極フィルムに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、添付図面について説明すると、図1は本発明にかかる電極フィルムの構造断面図であり、偏光機能を有する高分子フィルム10の片面に珪素酸化物層20を、さらにその上に透明導電層25を形成したものである。図2は本発明にかかる電極フィルムの構造断面図であり、偏光機能を有する高分子フィルム10の両面に珪素酸化物層20を、さらに一方の珪素酸化物層20の上に透明導電層25を形成したものである。図3は、本発明の電極フィルムを用いた液晶セルの断面図であり、本発明の偏光を有する電極フィルム2枚の間に液晶50をシール剤40を用いて封入したものである。
【0007】
本発明でいうところの偏光機能を有するフィルムとは、一般的にいう偏光フィルムであり、一般的な偏光フィルムとして例示するならば、流延法や押出法等の一般的な方法で製造されたPVAフィルムを一軸あるいは二軸方向に2〜4倍に延伸し、少なくとも120℃、2時間以上の耐熱性を有する2色染料を吸着させたもの、または、製膜されたPVAフィルムを染色延伸したもの、あるいはPVAの原液を染色後製膜し延伸を行って得られるものである。
【0008】
しかしながら、本発明に用いられる偏光機能を有する高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン−6、ナイロン−12等のポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂等に2色性染料を混合、成形してフィルム状にしたものが好ましく用いられる。特に、耐熱性の優れた偏光フィルムとしては1軸延伸したPETフィルムに色素を含有させた、三井東圧化学(株)のMT−HおよびMT−Nシリーズが、本発明には好ましく用いられるのである。
【0009】
偏光機能を有する高分子フィルムの厚さには特に制限がないが、通常25〜1000μmのものが用いられる。すなわち、一般的にはフィルムとは数100μm以下のものであるが、シートや板に本発明を適用することができることはいうまでもないのである。
なお、本発明で言うところの偏光機能を有する高分子フィルムの範囲は偏光機能を有する高分子フィルムと他の透明高分子フィルムが適宜ラミネートされたものも含まれることは当業者の理解するところであろう。
【0010】
上記の2色性染料としては、分子構造上2色性を有する直接染料、分散染料または酸性染料等のなかから選ぶことができ、例えば、特開昭58−68008号公報に開示されるものが用いられるが、これらのなかで偏光機能を有する高分子フィルムの基材樹脂の軟化点において分解等の変質を起こさない2色性染料が好ましく用いられる。
【0011】
偏光機能を有する高分子フィルムの少なく1つの主面上に形成する珪素酸化物層は、プラズマ化学蒸着法により、少なくとも有機珪素化合物と酸素ガス等を用いて作成されることが好ましい。しかして、具体的に使用される有機珪素化合物としては、アセトキシトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ビストリメチルシリルアジペート、ブトキシトリメチルシラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルオキシトリメチルシラン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジアセトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルイソペンチルオキシビニルシラン、
【0012】
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジフェニルシラネジオール、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラキサン、2−(3,4−エポキシシクロフェニルエチル)トリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エトキシトリメチルシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルイソプロペノキシシラン、メチルプロポキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクチルトリエトキシシラン、
【0013】
1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニル−1,3,5−トリメチルトリシロキサン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメチルシラン、プロポキシトリメチルシラン、プロピルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプラポキシシラン、テトラメトキシシラン、1,3,5,7−テトラメトキシシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、テトラメチルシラン、1,3,3,5−テトラメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、テトラプロポキシシラン、トリアセトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエチルシラン、トリヘキシルシラン、トリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメチルシラノール、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、トリメチルビニルシラン、トリフェニルシラノール、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等を用いることができるが、これらに限定されるものではなく、アミノシラン、シラザン等も用いられる。
【0014】
これら有機珪素化合物をプラズマ反応容器に導入するには、ヘリウムやアルゴン等の希ガスをキャリヤーガスとして用いることができる。また、有機珪素化合物を加熱し蒸気圧を上げて、有機珪素ガスを直接導入することもできる。また、酸素としては酸素ガスや空気を使用してもよいし、酸素ガスの代わりに、酸化作用があるガス、すなわち酸素を放出しうるガス、例えば、オゾン、水蒸気、笑気ガス等も使用し得る。導入する有機珪素ガスと酸素ガスの流量の比は、有機珪素化合物の種類にもよるが、酸素ガス/有機珪素ガス=0.2〜1.2の流量比の範囲が好ましい。ヘリウム等の希ガスをキャリヤーガスとして用いるときには、ヘリウム中の有機ガスの流量と酸素ガスの流量の範囲が上記0.2〜1.2の範囲が好ましい。酸素流量があまり少なすぎると、生成される膜の光線透過率ならびにガスバリヤー性が低下し、酸素流量があまり多いときには膜の密着性ならびにガスバリヤー性が低下する。
【0015】
また、反応中の圧力はプラズマ放電が起こる範囲であればよく、通常の平行平板型高周波プラズマ装置で成膜を行う場合には、0.05〜2.5Torrが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5Torrである。圧力が低すぎるとプラズマ放電の維持が困難になり、圧力が高すぎると膜の密着性が低下する傾向にある。しかしながら、より低圧で放電させることが可能な電子サイクロトロン共鳴放電やヘリコン波放電、マグネトロン放電を用いる場合においては圧力範囲は上記の範囲に限定されるものではない。
【0016】
流量の計測と制御は、マスフローコントローラー、浮き子式フローメター、バブルメーター等を使用することができる。圧力の測定には、ピラニ真空計、隔膜真空計、スピニングローター真空計、熱伝導真空計、電離真空計等が使用し得るが、隔膜真空計が好ましく用いられる。
【0017】
なお、本発明でいうところの珪素酸化物とは、必ずしも化学量論的な組成である必要はなく、O/Siの比が1.6〜2.1の範囲にあるものであって、さらに、製造法に由来する炭素や水素や窒素が数〜10数原子%含有されていてもかまわないが、屈折率が1.5以下であることが好ましい。また、かくして形成された珪素酸化物は、実用的な膜厚においてに透明であることは勿論である。ここで言う透明とは、珪素酸化物の実用上の膜厚において、波長が500〜700nmの光線に対して、実質的に光線透過率が80%以上であることを言う。
【0018】
さらに、上記珪素酸化物中には、鉄、ニッケル、クロム、チタン、マグネシウム、アルミ、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、タングステン、モリブデン、銅等が、微量含まれてもよい。また、膜の可撓性を改善する目的で、炭素や弗素を適宜含有させてもよい。
【0019】
珪素酸化物の膜厚は、特に制限するものではないが、0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは、0.2〜1μmである。膜厚が、0.1μmよりもあまり薄いと、均一な珪素酸化物膜を得ることができず、また、2μmよりもあまり厚い膜は、膜の内部応力のために膜に亀裂が入るために好ましくない。
【0020】
膜厚の測定には、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法等があるが、水晶振動子法では成膜中に膜厚測定が可能なので所望の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の条件を定めておき試験基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚との関係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もある。また、成膜された珪素酸化物層の膜厚は、蛍光X線や透過型電子顕微鏡の断面観察や走査型電子顕微鏡反射電子像から測定することができる。
【0021】
本発明で使用する透明導電膜としては、
1)金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム等の単金属または合金薄膜層
2)酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化銅、酸化亜鉛等化合物半導体
3)上記1)および2)を組み合わせた積層膜
等の公知のものが適用可能である。特に、酸化錫を5〜50重量%ドープした酸化インジウム(ITO)薄膜や酸化アルミを2〜20重量%でドープした酸化亜鉛薄膜が透明導電膜として好ましく用いられる。透明導電膜は、物理蒸着法、または、湿式の成膜法により作成することができる。物理蒸着法として、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、活性化反応蒸着法等を用いることができる。湿式の成膜法としてはゾル−ゲル法等が知られている。しかしながら、珪素酸化物の層を真空プロセスで作成するため、透明導電膜の作成も真空プロセスである物理蒸着法が好ましい。
【0022】
透明導電層の厚さは、透明性を損ねない範囲で充分な導電率を得られる範囲ならばよく、30nm〜500nmの範囲が望ましく、より望ましくは50〜300nmの範囲である。
【0023】
なお、図2に示すように偏光機能を有する高分子フィルムの両面に珪素酸化物層を設けることが好ましいことは当業者が容易に理解できるところであろう。また、偏光フィルムには適宜保護フィルムやハードコート層、粘着剤層、汚れ防止層等を設けることは、当業者の設計条件の範囲内である。
【0024】
偏光フィルムの光学的な評価項目としては、偏光フィルムの平行光線透過率の測定がある。次に、この偏光フィルムと同一の偏光フィルムを偏光軸が平行あるいは直角になるように張り合わせ、透過率(平行)および透過率(垂直)の値を測定し、偏光度を計算する。
偏光機能を有する電極フィルムの酸素透過率は、モコン法(ASTM−E96)により23℃において測定した。
【0025】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明について更に詳細に説明する。
(実施例1)
偏光機能を有する高分子フィルム(MT−NG1、厚さ100μm、三井東圧化学(株))の片面に、ヘリウムをキャリアーガスとしてバブリングしたヘキサメチルジシロキサンと酸素ガスを原料とした、プラズマ化学蒸着法により珪素酸化物層を0.5μmの厚さで得た。次に、珪素酸化物層が形成された面に50nmのITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。
得られたフィルムの平行光線透過率および偏光度を測定した。さらに、酸素ガスの透過率を測定した。さらに、80℃の高温試験を行った。
【0026】
(実施例2)
偏光機能を有する高分子フィルム(MT−NG2、厚さ100μm、三井東圧化学(株))の片面に、ヘリウムをキャリアーガスとしてバブリングしたテトラメチルジシロキサンと酸素ガスを原料とした、プラズマ化学蒸着法により珪素酸化物層を0.5μmの厚さで得た。次に、珪素酸化物層が形成された面に50nmのITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。
得られたフィルムの平行光線透過率および偏光度を測定した。さらに、酸素ガスの透過率を測定した。さらに、80℃の高温試験を行った。
【0027】
(実施例3)
偏光機能を有する高分子フィルム(MT−NG1)の両面に、ヘリウムをキャリアーガスとしてバブリングしたテトラメチルジシロキサンと酸素ガスを原料とした、プラズマ化学蒸着法により珪素酸化物層を0.5μmの厚さで得た。次に、珪素酸化物層が形成された面に50nmのITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。
得られたフィルムの平行光線透過率および偏光度を測定した。さらに、酸素ガスの透過率を測定した。さらに、80℃の高温試験を行った。
【0028】
(実施例4)
偏光機能を有する高分子フィルム(MT−NG2)の両面に、両面に、ヘリウムをキャリアーガスとしてバブリングしたヘキサメチルジシロキサンと酸素を原料とした、プラズマ化学蒸着法により珪素酸化物層を0.5μmの厚さで得た。次に、珪素酸化物層が形成された面に50nmのITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。
得られたフィルムの平行光線透過率および偏光度を測定した。さらに、酸素ガスの透過率を測定した。さらに、80℃の高温試験を行った。
【0029】
(比較例1)
偏光機能を有する高分子フィルム(MT−NG1)の一主面に50nm厚のITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。得られたフィルムの平行光線透過率および偏光度を測定した。さらに、酸素ガスの透過率を測定した。
【0030】
(比較例2)
偏光機能を有する高分子フィルム(MT−NG2)の一主面に50nm厚のITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。得られたフィルムの平行光線透過率および偏光度を測定した。さらに、酸素ガスの透過率を測定した。
【0031】
(比較例3)
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素分子を含浸させ、該フィルムをトリアセテートセルロースフィルムの支持体に挟んだ構造を有する従来の偏光フィルムの一主面に50nm厚のITO(酸化錫10重量%)をスパッタ法により積層した。得られたフィルムを用いて、80℃の高温試験を行った。
実施例1〜5および比較例1〜3の平行光線透過率および偏光度、酸素ガス透過率の測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
実施例1〜4および比較例3の試料に対し、80℃の高温試験を100時間行った後の透過率および偏光度を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
次に実施例1〜4、および、比較例1〜3で作製したフィルムを用いて、図3に示すように、電極面側に液晶を注入し、ストラクトボンド(三井東圧化学(株))でシールすることにより、TN型液晶セルのモデルを作製した。得られたセルを40℃、80RHに湿熱環境に500時間放置したところ、実施例1〜5では特に変化がなかったが、比較例1〜3では、使用したフィルムにガスバリヤー性がないため、液晶中に気泡が発生していた。
【0035】
【発明の効果】
以上、実施例1〜4および比較例1〜3より、偏光機能を有する高分子フィルムの少なくとも一つの主面に少なくとも有機珪素化合物と酸素とを用いたプラズマ化学蒸着法により得られる珪素酸化物薄膜層を形成し、さらに、透明導電層を形成することにより、偏光度を低下させることなく光線透過率が高くなった高耐久性の、TNおよびSTNに好適に用いることができる偏光機能を有する電極フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる偏光フィルムの断面構造
【図2】本発明にかかる偏光フィルムの断面構造
【図3】液晶セルの断面図
【符号の説明】
10 偏光機能を有する高分子フィルム
20 珪素酸化物層
25 透明導電層
30 偏光を有する電極フィルム
40 シール剤
50 液晶
Claims (2)
- 偏光機能を有する高分子フィルム(A)の主面に膜厚が0.1〜2μmの珪素酸化物薄膜層(B)と透明導電層(C)が、ABC、BABC、もしくは、BACの構成をもって形成された偏光機能を有する電極フィルムにして、該珪素酸化物層が少なくとも有機珪素化合物と酸素とを原料としたプラズマ化学蒸着法により得られるものである偏光機能を有する電極フィルム。
- 偏光機能を有する高分子フィルム(A)がポリエステル樹脂に2色性染料を混合して成形したフィルムである請求項1記載の偏光機能を有する電極フィルム。
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