JPH10206835A - 液晶表示素子用基板 - Google Patents

液晶表示素子用基板

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JPH10206835A
JPH10206835A JP1978897A JP1978897A JPH10206835A JP H10206835 A JPH10206835 A JP H10206835A JP 1978897 A JP1978897 A JP 1978897A JP 1978897 A JP1978897 A JP 1978897A JP H10206835 A JPH10206835 A JP H10206835A
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resin substrate
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宮武  稔
Shunji Umehara
俊志 梅原
Kiichi Shimodaira
起市 下平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性や耐熱性、透明性や耐衝撃性等の樹脂
基板の利点を維持しつつ、耐湿性やガスバリア性に優れ
て透明導電膜付設後の洗浄や乾燥で湾曲を生じにくく、
耐久性に優れる液晶セルを製造効率に優れる組立ライン
スピードで得ることができる液晶表示素子用基板の開
発。 【解決手段】 樹脂基板(1)の片面に高分子皮膜から
なるガスバリア層(2)を介して架橋樹脂層(3)を有
し、その樹脂基板の他面に当該基板に隣接して無機酸化
物層(4)を有する透明な液晶表示素子用基板。 【効果】 基板に透明導電膜を付設した場合に基板表裏
での吸水度の対称性が維持されて湾曲化が防止され、従
来のガラス基板と同様に処理作業できてガラス基板に匹
敵する良好な画質を長期に維持し、耐久性に優れる液晶
セルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐湿性、ガスバリア性、
透明性、耐熱性、耐久性、軽量性等に優れて液晶セルの
形成などに好適な樹脂系の液晶表示素子用基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶セルの大画面化等に伴いガラス基板
では割れやすく、かつ重いという難点があるため薄型
で、かつ軽いという利点を有する樹脂基板が提案されて
おり、その機械的強度や耐衝撃性を向上した改良品、あ
るいはガスバリア層の付設による水分や酸素の侵入防止
で液晶の変質や外観の不良化を防止した改良品も提案さ
れている(特開昭58−208039号公報、特開平2
−169620号公報、特開平5−110639号公
報、特開平5−285836号公報)。
【0003】しかしながら、従来のいずれの樹脂基板に
あってもその基板に透明導電膜を付設してセル基板と
し、液晶セルの組立ラインに供して洗浄、乾燥を行うと
基板が湾曲し、後続の処理が施せなくなる問題点があっ
た。ライン速度を落すと湾曲を抑制しうるものの、液晶
セルの製造効率が大幅に低下する。また従来の樹脂基板
には、ガスバリア層を付設したセル基板を用いた液晶セ
ルの場合にあっても、時間の経過とともに水分や酸素が
セル内部に侵入して液晶の変質や曇り等の外観不良を発
生して表示素子の品質を低下させ、耐久性に乏しい問題
点もあった。
【0004】
【発明の技術的課題】従って本発明は、軽量性や耐熱
性、透明性や耐衝撃性等の樹脂基板の利点を維持しつ
つ、耐湿性やガスバリア性に優れて透明導電膜付設後の
洗浄や乾燥で湾曲を生じにくく、耐久性に優れる液晶セ
ルを製造効率に優れる組立ラインスピードで得ることが
できる液晶表示素子用基板の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、樹脂基板の片面に高分子
皮膜からなるガスバリア層を介して架橋樹脂層を有し、
その樹脂基板の他面に当該基板に隣接して無機酸化物層
を有することを特徴とする透明な液晶表示素子用基板を
提供するものである。
【0006】
【発明の作用・効果】本発明によれば、基板の無機酸化
物層に透明導電膜を付設して洗浄・乾燥した場合に、基
板片側のガスバリア層と架橋樹脂層の複層構造と、基板
の他方側の透明導電膜を付設した無機酸化物層の複層構
造が水分の侵入・拡散・揮散の制御層として機能し、基
板表裏からの水分の侵入・拡散・揮散をバランスさせ、
樹脂基板内、特に基板の表側と裏側との間での吸水度の
対称性が維持され、基板湾曲の原因となる基板表裏での
不均一な吸水度状態に基づく不均一な膨脹状態の発生が
防止されて湾曲の発生が防止される。
【0007】すなわち前記は、上記した従来のセル基板
における問題、特に湾曲問題は、強度上厚めに設定した
樹脂基板に洗浄時等に水分が侵入し、それが内部に拡散
しにくいために時間の経過とともに基板内、特に基板の
表側と裏側の間で吸水度の不均一な状態が生じ、その不
均一な吸水度に基づいて発生する膨脹差が湾曲の原因で
あり、従って湾曲の防止には単なる耐湿性の向上だけで
は不十分で、基板内、特に基板の表裏での吸水度をバラ
ンスさせることが必要であることを究明したことによ
る。
【0008】上記の結果、軽量性や耐熱性、透明性や耐
衝撃性等の利点を維持しつつ、耐湿性やガスバリア性に
優れて透明導電膜付設後の洗浄や乾燥で湾曲を生じにく
く、従来のガラス基板の場合と同様の液晶セルの組立ラ
インにおいて良好な搬送性や処理作業性を示す液晶表示
素子用の樹脂系基板が得られ、製造効率のよいラインス
ピードで液晶セルを形成することができる。しかも得ら
れた液晶セルは、ガラス基板に匹敵する良好な画質を示
すと共に、水分や酸素の遮蔽性に優れて液晶の品質や外
観を良好な状態に長期に維持し、耐久性に優れて良画質
状態を長期に維持し、寿命やその信頼性にも優れてい
る。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の液晶表示素子用基板は、樹
脂基板の片面に高分子皮膜からなるガスバリア層を介し
て架橋樹脂層を有し、その樹脂基板の他面に当該基板に
隣接して無機酸化物層を有するものからなる。その例を
図1、図2に示した。1が樹脂基板、2がガスバリア
層、3が架橋樹脂層、4が無機酸化物層であり、5はS
iOx層、6は透明導電膜である。
【0010】樹脂基板は、ガスバリア層等の付設層を支
持する基板のベースとなるものであり、熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂などの適宜な樹脂にて形成することができ
る。透明導電膜を付設する際の耐熱性などの点より好ま
しく用いうる樹脂基板は、ガラス転移温度が130℃以
上、就中150℃以上、特に160℃以上の樹脂からな
るものである。
【0011】また樹脂基板は、透明性や耐衝撃性に優れ
ることが好ましく、就中、光透過率が80%以上である
ものが好ましい。さらに、液晶の変質の防止や液晶セル
とした場合の耐久性などの点より耐薬品性、光学的等方
性、低吸水性、低透湿性、酸素等のガスバリア性に優れ
るものが好ましい。
【0012】樹脂基板の形成に一般に用いられる樹脂の
例としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
エーテルスルホン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ドなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂、不飽和ポリ
エステル、ポリジアリルフタレート、ポリイソボニルメ
タクリレートなどの熱硬化性樹脂などがあげられる。か
かる樹脂は、1種又は2種以上を用いることができ、他
成分との共重合体や混合物などとしても用いうる。
【0013】上記した性能の点より特に好ましく用いう
る樹脂基板は、エポキシ系樹脂、就中、脂環式エポキシ
樹脂と酸無水物系硬化剤とリン系硬化触媒を含有するエ
ポキシ系組成物の硬化体からなるものである。その脂環
式エポキシ樹脂としては、種々のものを用いることがで
き、特に限定はない。
【0014】酸無水物系硬化剤としては、例えば無水フ
タル酸、3.6エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸な
どがあげられ、就中ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの無色ないし
淡黄色の酸無水物が好ましく用いうる。酸無水物系硬化
剤の配合量は、エポキシ樹脂における1エポキシ当量あ
たり0.5〜1.3当量が好ましい。
【0015】リン系硬化触媒としては、アルキルホスフ
ィン類、ホスフィンオキサイド類、ホスホニウム塩類な
どがあげられる。その配合量は、酸無水物系硬化剤10
0重量部あたり、0.2〜10重量部、就中0.5〜4
重量部が好ましい。
【0016】樹脂基板の形成は、例えばキャスティング
成形方式、流延成形方式、射出成形方式、ロール塗工成
形方式、押出成形方式、トランスファ成形方式、反応射
出成形方式(RIM)などの適宜な方式で行うことがで
きる。その形成に際しては、必要に応じて例えば染料、
変性剤、変色防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型
剤、反応性希釈剤、非反応性希釈剤などの適宜な添加剤
を透明性を損なわない範囲で適宜に配合することができ
る。
【0017】樹脂基板の厚さは、薄型化や軽量性、強度
や変形防止性などの点より、1mm以下、就中0.8mm以
下、特に0.1〜0.5mmが好ましい。なお樹脂基板
は、単層物や積層物として形成されていてよく、従って
樹脂基板の前記厚さは、同種又は異種の樹脂からなる2
層又は3層以上の積層物として達成されていてもよい。
【0018】樹脂基板上に設けるガスバリア層は、水分
や酸素の遮蔽を目的とし、本発明においては基板表裏で
の吸水状態をバランスさせるために樹脂基板の片面のみ
に設けられる。ガスバリア層は、耐久性や良変形性等を
目的に高分子皮膜にて形成されるが、その高分子として
は例えばポリビニルアルコールやその部分ケン化物、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニト
リル、ポリ塩化ビニリデンなどの酸素透過係数が小さい
ポリマーが好ましく用いうる。特に、ガスバリア性や水
分の拡散性ないし吸水度の均一化などの点より、ビニル
アルコール系ポリマーが好ましい。
【0019】ガスバリア層の形成は、キャスティング方
式やスピンコート方式等の適宜な塗工方式による高分子
溶液の展開方式などにより行うことができる。ガスバリ
ア層の厚さは、透明性や着色の防止、酸素や水蒸気等の
ガスバリア性などの点より、15μm以下、就中1〜1
0μmが好ましい。
【0020】ガスバリア層の上に設ける架橋樹脂層は、
硬質表面を形成して視認を阻害する擦り傷の発生防止な
どを目的とする。従って透明な硬質膜を形成する適宜な
架橋性樹脂にて形成しうる。就中、多官能性単量体を光
触媒等を介して紫外線照射により三次元架橋しうるよう
にした、例えばウレタンアクリル系やエポキシ系などの
紫外線硬化樹脂が好ましく用いうる。
【0021】架橋樹脂層の形成は、キャスティング方式
やスピンコート方式やディッピング方式等の適宜な塗工
方式で樹脂液をガスバリア層上に展開して架橋処理する
方法などにより行うことができる。架橋樹脂層の厚さ
は、適宜に決定でき、一般には200μm以下、就中1
00μm以下、特に1〜50μmとされる。
【0022】樹脂基板のガスバリア層付設側とは反対側
に設ける無機酸化物層は、透明導電膜の密着性の向上な
どを目的とし、基板表裏での吸水度をバランスさせるた
めに樹脂基板に隣接して付設される。無機酸化物層は、
透明層を形成する公知の無機酸化物にて形成でき、就
中、前記の密着性などの点より金属アルコキシドの加水
分解・重縮合体にて形成することが好ましい。
【0023】前記の金属アルコキシドとしては、例えば
アルコキシシラン、アルコキシアルミニウム、アルコキ
シチタン、アルコキシアンチモン、アルコキシジルコン
などの、加水分解・重縮合により透明な無機酸化物を形
成する適宜なものを用いうる。就中、反応の容易性等の
点より好ましく用いうる金属アルコキシドは、アルコキ
シシランであり、特に下記の一般式で表されるアルコキ
シシランが好ましく用いうる。 (ただし、R1、R2、R3、R4は、同種又は異種の炭素
数が1〜4のアルキル基である。)
【0024】ちなみに前記の一般式で表されるアルコキ
シシランの具体例としては、例えばテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシ
シラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブ
トキシシランの如きテトラアルコキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-
プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキ
シシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロ
ピルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ-クロロプロピルトリエトキシシラン、
メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロ
ポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、n-プロピルトリイソプロポキシシラン、メチルト
リ-n-プロポキシシラン、エチルトリ-n-プロポキシシ
ラン、イソプロピルトリ-n-プロポキシシラン、n-プ
ロピルトリ-n-プロポキシシラン、γ-クロロプロピル
トリイソプロポキシシラン、γ-クロロプロピルトリ-n
-プロポキシシラン、メチルジメトキシイソプロポキシ
シラン、メチルメトキシジイソプロポキシシラン、エチ
ルジエトキシイソプロポキシシラン、エチルエトキシジ
イソプロポキシシラン、メチルジエトキシイソプロポキ
シシラン、メチルエトキシジイソプロポキシシランの如
きモノアルキルトリアルコキシシランなどがあげられ
る。
【0025】無機酸化物層の形成は、例えば金属アルコ
キシドと水をアルコール等の適宜な親水性溶媒に溶解さ
せた溶液を例えばキャスティング方式やスピンコート方
式やディッピング方式などの適宜な方式で樹脂基板の所
定面に展開し、それを必要に応じ加熱処理して水や溶媒
を蒸発させながら金属アルコキシドを加水分解・重縮合
させ、無機酸化物とする方法などにより行うことができ
る。形成する無機酸化物層の厚さは、使用目的等に応じ
て適宜に決定することができ、一般には50μm以下、
就中20μm以下、特に0.1〜5μmとされる。
【0026】前記した展開液の調製に際しては、2種以
上の金属アルコキシドを用いることもできる。また、加
水分解・重縮合反応の促進の点よりは展開液のpHを2
〜5に調整することが好ましい。その調整には、硝酸、
塩酸、酢酸などの適宜な酸を用いうる。なお金属アルコ
キシドの加水分解・重縮合反応は、常温にても進行する
が、反応を速やかに行わせる点よりは80〜200℃で
30〜120分間加熱することが好ましい。
【0027】ちなみに、前記した金属アルコキシドの加
水分解・重縮合反応は、テトラアルコキシシランの場合
を例に下式(1),(2)で表される。 (1) Si(OR24+4H2O=Si(OH)4+4R2OH (2) Si(OH)4=SiO2+2H2
【0028】従って、金属アルコキシドの加水分解・重
縮合反応が100%進行した場合には、シラン系アルコ
キシドのときのSiO2のような無機酸化物が100%の
無機酸化物層が形成されるが、アルコキシ基や上記一般
式におけるR1、R2などの有機基が残存する場合には有
機成分含有の無機酸化物層が形成されることとなる。本
発明においては、かかる有機成分を含有しない無機酸化
物層であることが好ましいが、有機成分を含有する場合
にはその含有量が20重量%以下の無機酸化物層である
ことが透明導電膜の密着性などの点より好ましい。
【0029】また無機酸化物層には、凹凸構造に基づく
アンカー効果等による透明導電膜等の密着力のより向上
などを目的として、無機酸化物粒子を分散含有させるこ
ともできる。その無機酸化物粒子としては、例えばシリ
カ、アルミナ、酸化チタン、酸化アンチモン、ジルコニ
アなどからなる、無機酸化物層中で透明性を示す適宜な
粒子を用いることができ、就中、アルミナ粒子が好まし
い。
【0030】無機酸化物粒子の大きさは、透明性等の点
より0.1μm以下、就中0.05μm以下が好ましい。
また、樹脂基板との密着性や膜強度などの点より、無機
酸化物層における無機酸化物粒子の含有量は、85重量
%以下とすることが好ましい。
【0031】本発明の液晶表示素子用基板は、液晶表示
装置、就中、液晶セルの形成に好ましく用いうる。特に
液晶セルの形成には、厚さ0.4mmの場合に基づいて分
光光度計による波長600nmの光の透過率が60%以
上、就中80%以上の透明性を示すものが好ましく用い
られる。
【0032】また液晶表示素子用基板は、例えば位相差
板や偏光板や透明導電膜等の種々の機能層との重畳物な
どとして実用に供することができる。図2は、その透明
導電膜6を重畳したものを例示したものであり、図例で
は密着力の向上等を目的としたSiOx層5を介して透
明導電膜6が設けられている。
【0033】透明導電膜の形成には、例えば酸化インジ
ウム、酸化スズ、インジウム・錫混合酸化物、金、白
金、パラジウム、透明導電塗料などの適宜なものを用い
ることができ、公知物のいずれも用いうる。また透明導
電膜の形成も、例えば真空蒸着法やスパッタリング法等
により付設する方式や透明導電塗料を塗布する方式など
の従来に準じた方式にて行うことができる。従って透明
導電膜を所定のパターン状に直接形成することも可能で
ある。
【0034】本発明において基板の湾曲防止等の点より
好ましい透明導電膜は、SiOx層を介してインジウム
・錫混合酸化物を主成分とする膜を設けたものである。
なおSiOx層の形成は、前記した透明導電膜の形成方
法に準じた方法で行うことができる。
【0035】液晶セルの形成は、例えば前記の透明導電
膜を電極パターン化した液晶表示素子用基板を対向配置
し、その間に液晶を封入する方法などにより行うことが
できる。透明導電膜上に必要に応じて設けられる液晶配
列用の配向膜も同様に従来に準じた方式で行うことがで
きる。形成する液晶セルは、例えばTN型、STN型、
TFT型、強誘電性液晶型など任意である。
【0036】
【実施例】
実施例1 前記の式で表される脂環式エポキシ樹脂100部(重量
部、以下同じ)とメチルヘキサヒドロ無水フタル酸12
5部とトリ−n−ブチルオクチルホスホニウムブロマイ
ド1部からなる混合物を型に注入し、120℃で2時間
硬化処理して厚さ0.4mmの樹脂基板を得た。
【0037】次に、前記の樹脂基板の片面にスピンコー
ト方式で、ポリビニルアルコールの5重量%水溶液を塗
布し、乾燥させて厚さ5μmのガスバリア層を形成した
のち、その上に下式で表されるウレタンアクリル系樹脂
を塗布し、紫外線を照射して架橋処理し厚さ5μmの架
橋樹脂層を形成した。
【0038】
【0039】ついで、前記で得た樹脂基板の残る面に、
テトラエトキシシラン30部、イソプロピルアルコール
45部、水30部及び酢酸0.06部を混合してなる溶
液を塗布し、170℃で1時間加熱処理するゾルゲル法
により厚さ2μmの無機酸化物層を付設し、液晶表示素
子用基板を得た。
【0040】比較例1 架橋樹脂層側にガスバリア層を付設しないほかは、実施
例1に準じて液晶表示素子用基板を得た。
【0041】比較例2 架橋樹脂層側にはガスバリア層を付設せず、無機酸化物
層側にガスバリア層を付設してその上に無機酸化物層を
設けたほかは、実施例1に準じて液晶表示素子用基板を
得た。
【0042】評価試験 実施例、比較例で得た液晶表示素子用基板について下記
の特性を調べた。 透湿度 JIS Z 0208に準拠したカップ法により透湿度
を測定した。
【0043】酸素透過系数 ASTM D−3985に準拠したオキシトラン法によ
り酸素透過系数を調べた。
【0044】反り開始時間 液晶表示素子用基板の無機酸化物層の上に、スパッタリ
ング方式で厚さ20nmのSiO2層とインジウム・錫混
合酸化物(ITO)からなる厚さ35nmの透明導電膜を
順次設け、それを液晶セルの組立て工程に準じて、15
0℃で2時間加熱後、25℃、42%RHの雰囲気に放
置し、JIS K 6911に基づく反り率が10%以
内にある時間を調べた。
【0045】ITO耐クラック性 前記のSiO2層と透明導電膜を設けた液晶表示素子用
基板を、2.5重量%水酸化ナトリウム水溶液中で2.
5分間浸漬濯ぎしたのち、160℃で3時間加熱し、つ
いで40℃、95%RHの雰囲気に1000時間放置し
て、4端子法による抵抗率変化(放置後/初期:R/R
0)と、光学顕微鏡による観察で透明導電膜におけるク
ラック発生の有無を調べた。
【0046】前記の結果を次表に示した。
【0047】表より、実施例の如く、透明導電膜の付設
側とは反対側に高分子系のガスバリア層を設けることに
より、液晶セルの製造ライン等において取扱が可能な時
間が長く、信頼性に優れる液晶表示素子用基板を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図
【図2】他の実施例の断面図
【符号の説明】
1:樹脂基板 2:ガスバリア層 3:架橋樹脂層 4:無機酸化物層 5:SiOx層 6:透明導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 29/04 C08L 29/04 Z 63/00 63/00 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂基板の片面に高分子皮膜からなるガ
    スバリア層を介して架橋樹脂層を有し、その樹脂基板の
    他面に当該基板に隣接して無機酸化物層を有することを
    特徴とする透明な液晶表示素子用基板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、樹脂基板が脂環式エ
    ポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤とリン系硬化触媒を含有
    するエポキシ系組成物の硬化体からなり、ガスバリア層
    が厚さ1〜10μmのビニルアルコール系ポリマーから
    なり、架橋樹脂層が紫外線硬化樹脂からなり、無機酸化
    物層が金属アルコキシドの加水分解・重縮合体からなる
    液晶表示素子用基板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、樹脂基板のガ
    ラス転移点が160℃以上であり、光透過率が80%以
    上である液晶表示素子用基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、無機酸化物層の
    外表面にSiOx層を介して、インジウム・錫混合酸化
    物を主成分とする透明導電膜を有する液晶表示素子用基
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6786790B2 (en) 2001-04-05 2004-09-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method and apparatus for manufacturing optical resin substrate, method and apparatus for manufacturing liquid crystal display element using it, and liquid crystal display device using it
US7341782B2 (en) 2002-09-19 2008-03-11 Fujifilm Corporation Polymer composition containing organic modified layered silicate, film and gas barrier film as well as substrate and image display device using them
JP2021531192A (ja) * 2018-11-23 2021-11-18 エルジー・ケム・リミテッド 光学積層体

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