JP3793994B2 - シリアルデータ出力装置の試験装置 及びその試験方法 - Google Patents
シリアルデータ出力装置の試験装置 及びその試験方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法に関するものであり、特に、例えば電子楽器などに代表される不規則なシリアルデータを出力する装置の機能を試験する装置及びその試験方法に関する。
【0002】
例えばシンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器では、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するが、この際の音響データはシリアルなデータであって、かつ、高速である。このようなデータを出力する装置においては、出力されるシリアルデータが正確にかつタイミング良く出力されているかどうかの試験が必要である。本発明においては、このようなシリアルデータの出力装置の試験を行うものである。
【0003】
【従来の技術】
図9,図10は従来例に係る説明図であり、図9は従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
【0004】
例えばシンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器のように、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するシリアルデータ出力装置(以下被試験対象4という)の機能試験装置は、図9に示すように、ゲート1A,高速メモリ1B,アドレスカウンタ2A,オッシレータ(以下OSCという)2B及び低速制御装置3から成る。
【0005】
なお、DUT4は被試験対象4であり、設定データDJ1に基づいて、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルなデータを出力するものである。当該装置の目的は、これらのデータが正確に、かつタイミング良く出力されているかどうかを試験するものである。
【0006】
すなわち、ゲート1Aは低速制御装置3からの駆動開始信号SSに基づいて、DUT4から高速メモリ1Bに出力される同期信号SYN,クロックCK,出力データDataなどの出力制御をするものである。
【0007】
高速メモリ1Bは、DUT4からゲート1Aを介して出力される同期信号SYN,クロックCK,出力データDataの書き込み/読み出し処理をするものである。
【0008】
アドレスカウンタ2Aは、低速制御装置3からの駆動開始信号SSに基づいて、高速メモリ1B内に取り込まれるシリアルなデータをカウントするものであり、OSC2Bは、アドレスカウンタ2Aを駆動制御する駆動クロックφを出力するものである。
【0009】
低速制御装置3は、DUT4に設定データDJ1を出力し、ゲート1A及びアドレスカウンタ2Aの制御をする。また、高速メモリ1B内のデータを読み出してDUT4の機能の良否を判定するものである。
【0010】
次に、当該シリアルデータ出力装置の動作を、図10を参照しながら説明する。図10は、従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図であり、設定データDJ1,同期信号SYN,クロックCK,出力データDataの出力タイミングを示すタイミングチャートである。
【0011】
当該シリアルデータ出力装置の機能試験装置の動作は、例えば、まず低速制御装置3から設定データDJがDUT4に出力され、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataがDUT4から出力される。また、設定データDJ1がDUT4に取得されてからある一定の待ち時間(図10のa参照)が経過したのち、低速制御装置3からゲート1A、アドレスカウンタ2Aに駆動開始信号SSが出力される。
【0012】
このとき、該駆動開始信号SSの出力と同時にゲート1Aが開き、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルなデータが高速メモリ1Bにそれぞれ出力される。当該シリアルデータの出力は、図10に示すように、SYN3とSYN4との間を1サイクルとしたサイクルごとになされ、このサイクルが繰り返し出力される。
【0013】
例えば、図10においては、クロックCKに同期するサイクル内の区間(b〜f)において、当該試験に必要な有効データDVが、c,eの区間で出力されているが、このc,eの区間で有効データDVが出力されるというパターンが、繰り返されるのである。
【0014】
これらシリアルデータの出力と同時にOSC2Bから出力される駆動クロックφに基づいてアドレスカウンタ2Aがカウントを始め、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルデータが順次高速メモリ1Bにそのまま全て書き込まれていく。
【0015】
なお、このとき実際に判定処理に必要なデータは出力データDataの一部である有効データDVのみであるが、該有効データDVがどこにあるかを検索し、有効データDVのみを抽出するデータ処理を行わねばならないので、当該検索の際の基準として同期信号SYN、クロックCKを同時に取得する必要がある。
【0016】
このようにして当該試験に必要な規定回数以上高速メモリ1Bにこれら全てのシリアルデータが書き込まれたのち、低速制御装置3に転送される。
低速制御装置3はこれら3種類のシリアルなデータの中で、出力データDataの中から当該試験に必要な範囲のデータのみを抽出し、その範囲での有効データDVを良否判定の基準となる判定基準データDrと比較する。これにより、該有効データDVが正確にDUT4から出力されているかどうかが試験される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来例のシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法によれば、DUT4から出力される同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルデータをそのままの形式で、全て高速メモリ1Bに書き込んでいる。 このため、全部のシリアルデータを高速メモリ1Bに書き込まねばならないので、該高速メモリ1Bには、例えば同期信号SYNやクロックCKなどの当該試験に不要なデータも含まれるものとなる。これにより、メモリ容量の活用効率が悪く、かつ当該試験のために必要とするメモリ容量が膨大になるという問題が生じる。 また、従来例のシリアルデータ出力試験装置及びその試験方法によれば、DUT4の良否判定の際に、高速メモリ1Bに書き込まれた膨大な量のシリアルデータを順次最初から読み出して有効データDVを検索し、該有効データDVに基づいて良否を判定処理しなければならないので、当該判定処理に要する時間が多く必要になる。このため、高速化の妨げになるといった問題が生じる。
【0018】
本発明は、かかる従来例の問題点に鑑み創作されたものであり、被試験対象から出力されるシリアルデータをそのままの形で全部メモリに書き込むことなく、シリアルデータを適切に変換処理することにより、メモリ容量の活用効率の向上、メモリ容量の縮小化及び当該処理の高速化が可能となるシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
図1、2は、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の原理図(その1、その2)であり、図3は、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の原理図である。
【0020】
図1に例示するように、上記課題を解決するため、本発明のシリアルデータ出力装置の試験装置は、設定データ(DJ)に基づいて、同期信号を示す第1の制御出力信号(DO1),クロックを示す第2の制御出力信号(DO2)及びシリアルデータ(DS)を出力する被試験対象(14)の機能を試験するシリアルデータ出力装置の試験装置であって、前記被試験対象(14)から前記第1、第2の制御出力信号(DO1,DO2)が供給される制御補助手段(12)と、前記被試験対象(14)から前記シリアルデータ(DS)が供給されるシリアル/パラレル変換手段(11)と、前記制御補助手段(12)にスタートパルスを示す第2内部制御信号(DI2)、予め設定されている特定の区間内のクロック数データを示す第3の内部制御信号(DI3)を供給する制御手段とを有し、前記制御補助手段(12)が、前記第1、第2の制御出力信号(DO1,DO2)及び前記第2、第3の内部制御信号(DI2,DI3)に応答して制御クロックを示す第1の内部制御信号(DI1)を出力し、前記シリアル/パラレル変換手段(11)が前記第1の内部制御信号(DI1)に応答して前記シリアルデータ(DS)をパラレルデータ(DP)に変換し、前記パラレルデータ(DP)を前記制御手段(13)に供給し、前記制御手段(13)で前記パラレルデータ(DP)と基準データ(DR)とを比較することにより、前記被試験対象(14)の機能判定を行うことを特徴とする。
【0021】
上記したシリアルデータ出力装置の試験装置において、前記補助制御手段(12)が、前記被試験対象(14)から供給される前記第1の制御出力信号(DO1)と、前記制御手段から供給される前記第2の内部制御信号(DI2)とに基づいて、信号生成許可信号(DIA)を出力する第1の論理回路(12A)と、前記被試験対象(14)から供給される前記第2の制御出力信号(DO2)、前記第1の論理回路(12A)から供給される前記信号生成許可信号(DIA)及び選択出力信号(DIS)に基づいて、シフト許可信号を示す第1の内部信号(Di1)、区間番号データを示す第2の内部信号(Di2)を出力する内部信号生成手段(12B)と、前記被試験対象(14)から供給される前記第2の制御出力信号(DO2)と、前記内部生成信号手段(12B)から供給される前記第1の内部信号(Di1)とに基づいて、前記第1の内部制御信号(DI1)を出力する第2の論理回路(12C)と、前記制御手段(13)から供給される前記第3の内部制御信号(DI3)と、前記内部信号生成手段(12B)から供給される前記第2の内部信号(Di2)とに基づいて、前記選択出力信号(DIS)を前記内部信号生成手段(12B)に供給する選択手段(12D)とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法は、図3に例示するように、上記したシリアルデータ出力装置の試験装置を用いたシリアルデータ出力装置の試験方法であって、被試験対象(14)から出力される同期信号を示す第1の制御出力信号(DO1)、クロックを示す第2の制御出力信号(DO2)と、制御手段(13)から出力されるスタートパルスを示す第2内部制御信号(DI2)、予め設定された特定区間のクロック数データを示す第3の内部制御信号(DI3)とを制御補助手段(12)に供給し、前記制御補助手段(12)から出力される制御クロックを示す第1の内部制御信号(DI1)をシリアル/パラレル変換手段(11)に供給することに基づいて、前記被試験対象(14)から前記シリアル/パラレル変換手段(11)に供給されたシリアルデータ(DS)をパラレルデータ(DP)に変換処理をし、前記パラレルデータ(DP)の判定処理を行うことに基づいて前記被試験対象(14)の機能判定処理をすることを特徴とする。
【0023】
上記したシリアルデータ出力装置の試験方法において、前記第1、第2の制御出力信号(DO1,DO2)は、前記シリアルデータ(DS)が前記被試験対象(14)から出力するタイミングを規制するものであって、前記第1の内部制御信号(DI1)は、前記シリアルデータ(DS)が前記被試験対象(14)から前記シリアル/パラレル変換手段(11)に入力するタイミングを規制するものであることを特徴とする。
【0024】
また、上記したシリアルデータ出力装置の試験方法において、前記第1の内部制御信号(DI1)が、前記被試験対象(14)から供給される前記第2の制御出力信号(DO2)と、内部信号生成手段(12B)から供給されるシフト許可信号を示す第1の内部信号(Di1)とが第2の論理回路に供給されることに基づいて生成されるものであって、前記第1の内部信号(Di1)が、前記被試験対象(14)からの前記第1の制御出力信号(DO1)と制御手段(13)からの前記第2の内部制御信号(DI2)とが第1の論理回路に供給されることにより基づいて生成された信号生成許可信号(DIA)と、前記内部信号生成手段(12B)からの第2の内部信号(Di2)及び前記制御手段(13)からの区間番号データを示す第3の内部制御信号(DI3)が選択手段(12D)に供給されることに基づいて生成された選択出力信号(DIS)と、前記被試験対象(14)からの前記第2の制御出力信号(DO2)とが前記内部信号生成手段(12B)に供給されることに基づいて生成されたものであることを特徴とする。
【0025】
【作 用】
ところで本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置によれば、図1に示すように、シリアル/パラレル変換手段11と、制御補助手段12と、制御手段13が具備され、該制御手段13から制御補助手段12に第2,第3の内部制御信号DI2,DI3が出力される。
【0026】
例えば、第1の内部制御信号DI1に基づいてシリアル/パラレル変換手段11によってシリアルデータDSがパラレルデータDPに変換出力され、
第1,第2の制御出力信号DO1,DO2と第2,第3の内部制御信号DI2,DI3とに基づいて制御補助手段12によって第1の内部制御信号DI1が出力され、
制御手段13によってパラレルデータDPと基準データDRとが比較され、被試験対象14の機能判定がされ、かつ第2,第3の内部制御信号DI2,DI3が制御補助手段12に出力される。
【0027】
このため、被試験対象14から出力される制御出力信号DO1,DO2及びシリアルデータDSの中で、該シリアルデータDSだけをパラレルデータDPに変換し、制御手段13に出力することが可能になる。
【0028】
このように、被試験対象14から出力される第1、第2の制御出力信号DO1,DO2及びシリアルデータDSを全て取得することなく、これらのうちのシリアルデータDSのみをパラレルデータDPに変換し、このパラレルデータDPを制御手段13に出力して判定処理を行うので、制御手段13内部の記憶容量の縮小化が可能になる。
【0029】
また、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図3に示すように、図3のステップP1で、被試験対象14から出力される制御出力信号DO1,DO2と該被試験対象14以外から供給される内部制御信号DI1〜DI3とに基づいてシリアルデータDSをパラレルデータDPに変換処理をしている。
【0030】
被試験対象14から出力される第1、第2の制御出力信号DO1,DO2及び制御手段13から出力される第2、第3の内部制御信号DI2,DI3を制御補助手段12に供給し、この制御補助手段12から出力される第1の内部制御信号DI1を前記シリアル/パラレル変換手段に供給することに基づいて、シリアルデータDSをパラレルデータDPに変換する。このため、シリアルデータDSの中から第1、第2の制御信号DO1,DO2に同期した当該判定処理に係るデータだけを選択的に取得して判定処理することができる。
【0031】
さらに、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図3のステップP2でパラレルデータDPの判定処理に基づいて被試験対象14の機能判定処理をしている。
【0032】
このため、当該判定処理に係るパラレルデータDPを直接読み出し、判定処理することによって、判定処理のために必要なデータ量が少なくて済む。
これにより、従来のような膨大な量のシリアルデータDSの中から判定処理のために必要なデータを抽出するといった複雑な処理が不要になる。
【0033】
このため、当該シリアルデータ出力装置の試験に係る処理が簡単になり、当該判定処理に要する時間が短縮されるので、当該試験に要する時間が短縮され、ひいては当該試験の高速化が可能になる。
【0034】
【実施例】
本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法について図を参照しながら説明する。図4〜図8は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力試験装置及びその試験方法を説明する図である。
【0035】
図4は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
例えば、シンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器のように、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するシリアルデータ出力装置の試験装置は、図4に示すように、低速制御装置23A、中速制御装置23B、フリップ/フロップ22B、第1,第2のANDゲート22A,22C、第1,第2のORゲート22e,22f、第1,第2のカウンタ22a,22b、比較器22c、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8、デコーダ22d、シフトレジスタ21A、ラッチ回路21Bから成る。
【0036】
すなわち、シフトレジスタ21A、ラッチ回路21Bはシリアル/パラレル変換手段11の一実施例を構成するものであり、シフトレジスタ21Aは第2のANDゲート22Cから出力される制御クロックCCに同期して、DUT24から出力される出力データDTをラッチ回路21Bにシフトさせるものである。
【0037】
なお、ここで制御クロックCCとは、第1の内部制御信号DI1の一例であり、シフトレジスタ21Aのシフト動作を制御するクロックである。また、シフト許可信号ASは第1の内部信号Di1の一例であり、制御クロックCCの出力許可を与える信号である。
【0038】
ラッチ回路21Bは、制御クロックCCに基づいて、シフトレジスタ21Aから出力された出力データDTをラッチし、このデータをパラレルデータDPとして、ラッチパルスLPに基づいて中速制御装置23Bに出力するものである。
【0039】
第1,第2のANDゲート22A,22C、フリップ/フロップ22B、第1,第2のORゲート22e,22f、第1,第2のカウンタ22a,22b、比較器22c、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8及びデコーダ22dは制御補助部22を構成する。なお、この制御補助部22は制御補助手段12の一実施例である。
【0040】
また、第1のANDゲート22Aは第1の論理回路12Aの一実施例であり、DUT24から出力される同期信号SYNとスタート信号SSとの論理積をとって第1,第2のカウンタ22a,22bにカウントクリア信号SCC を出力するものである。
【0041】
さらに、第2のANDゲート22Cは第2の論理回路12Cの一実施例であり、デコーダ22dから出力されるシフト許可信号ASとクロックCKとの論理積をとってシフトレジスタ21Aに制御クロックCCを出力するものである。
【0042】
フリップ/フロップ22BはスタートパルスSPに基づいてスタート信号SSを発生するものである。なお、DUT24、同期信号SYNなどについては、図5を参照しながら後に詳述する。
【0043】
なお、ここでカウントクリア信号SCC とは、信号生成許可信号DIAの一例であり、第1,第2のカウンタ22a,22bをクリアする信号である。またスタートパルスSP、スタート信号SSは、第2の内部制御信号DI2の一例であり、何れも当該試験装置の試験動作の開始を示す信号である。
【0044】
また、第1,第2のORゲート22e,22f、第1,第2のカウンタ22a,22b、比較器22c及びデコーダ22dは内部信号生成手段12Bの一実施例を構成するものである。
【0045】
第1のORゲート22eはカウントクリア信号SCC と、比較器22cから出力される区間数加算信号ABC とのいずれかによって第1のカウンタ22aをクリアする信号を第1のカウンタ22aに出力する。第2のORゲート22fはカウントクリア信号SCC とデコーダ22dから出力される1サイクル完了信号とのいずれかによって第2のカウンタ22bをクリアする信号を第2のカウンタ22bに出力する。
【0046】
なお、ここで区間数加算信号ABC とは、当該装置が処理している区間が次の区間に移行することを示す信号である。
第1のカウンタ22aは各区間における区間内のクロックCKの数をカウントするものであり、そのカウント数を実測クロック数データJCD として比較器22cに出力する。第2のカウンタ22bは比較器22cから出力される区間数加算信号ABC をカウントするものであり、そのカウント数を各区間の区間番号データDND として第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力する。
【0047】
なお、ここで区間番号データDND とは、当該試験装置が処理している区間の区間番号を示すデータである。
比較器22cは第1のカウンタ22aから出力される実測クロック数データJCD と第1〜第8のセレクタSE1〜SE8から出力されるセレクタ出力データSOD とを比較して、両者が等しい場合に区間数加算信号ABC を出力するものである。
【0048】
デコーダ22dは、区間番号データDND が、有効データD1,D2が出力される区間に対応するときにはシフト許可信号ASを出力し、区間番号データDND が、当該試験の1サイクル終了の区間に対応するときには1サイクル完了信号CKS を出力するものである。
【0049】
なお、ここで1サイクル完了信号CKS とは、当該試験のためのデータ取得処理が1サイクル終了したことを示す信号である。
さらに、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は選択手段12Dの一実施例である。該第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は第2のカウンタ22bから出力される区間番号データDND に基づいて中速制御装置23Bから出力されるクロック数データCLD の中から適切なデータを選択し、比較器22cに出力されるセレクタ出力データSOD を出力するものである。
【0050】
なお、ここでクロック数データCLD とは、第3の内部制御信号DI3の一例であり、予め設定されている各区間内のクロックCKの数を示すデータである。例えば、図5に示すように、b区間の中にはCK1,2の計2つのクロックが含まれているので、このb区間でのクロック数データCLD は、‘2’である。
【0051】
また、セレクタ出力データSOD は選択出力信号DISの一例であり、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8によって選択出力され、各区間に対応する予め設定されている区間内のクロック数を示す。
【0052】
低速制御装置23A,中速制御装置23Bは制御手段13の一実施例を構成するものである。低速制御装置23AはDUT24に設定データDJを出力し、中速制御装置23Bから転送されたパラレルデータDPをその内部に有するメモリ23Mに保持し、該パラレルデータDPに基づいてDUT24の動作の良否を判定するものである。その言語は高級言語を使用し、動作は中速制御装置23Bに比して低速である。
【0053】
また、中速制御装置23Bはフリップ/フロップ22BにスタートパルスSPを出力し、予め設定されているクロック数データCLD を第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力する。また、ラッチ回路21Bから出力されたパラレルデータDPを低速制御装置23Aに転送する。
【0054】
以上のようにして、本発明の実施例に係るシリアルデータの出力装置の試験装置によれば、図4に示すように、シフトレジスタ21A,ラッチ回路21Bと、第2のANDゲート22C,比較器22c,デコーダ22dと、中速制御装置23B及び低速制御装置23Aを具備している。
【0055】
また、スタート信号SSが中速制御装置23Bから第1のANDゲート22Aに出力され、クロック数データCLD が中速制御装置23Bから第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力されている。
【0056】
例えば、制御クロックCCに基づいてシフトレジスタ21Aによってシリアルな出力データDTがパラレルデータDPに変換出力され、
同期信号SYN,クロックCK,スタート信号SS,クロック数データCLD に基づいて第2のANDゲート22Cによって制御クロックCCが出力され、
低速制御装置23AによってパラレルデータDPと基準データDRとが比較され、DUT24の機能判定がされ、
また、中速制御装置23Bによってスタート信号SSが第1のANDゲート22Aに出力され、クロック数データCLD が第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力される。
【0057】
このため、DUT24から出力される同期信号SYN、クロックCK及び出力データDTの中で、該出力データDTだけをパラレルデータDPに変換し、中速制御装置23Bに出力することが可能になる。
【0058】
これにより、同期信号SYN、クロックCK及び出力データDataを全て取得し、DUTの機能試験に用いる従来の装置に比して、出力データDTをパラレルデータDPに変換処理して、当該試験に用いることができるので、クロックCK,同期信号SYNなどの当該試験に不要なデータを保持するメモリを必要としない。よって、低速制御装置23A内部のメモリ23Mのメモリ容量の縮小化が可能になる。
【0059】
ここで、本発明の実施例で試験するシリアルデータ出力試験装置について図5を参照しながら説明する。図5は本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図であり、被試験対象24(以下DUTという)から出力される設定データDJ,同期信号SYN,クロックCK,出力データDTのタイミングを示すタイミングチャートである。
【0060】
なお、DUT24の外部に接続される他の出力装置との同期をとるために必要な信号である同期信号SYNは第1の制御出力信号DO1の一例であり、出力データDTの出力タイミングを規制するクロックCKは第2の制御出力信号DO2の一例である。また、音響データなどの出力データDTはシリアルデータDSの一例である。
【0061】
図5に示すような同期信号のパルスSYN1,SYN2に同期して、設定データDJがDUT24に出力される。
この設定データDJに基づいて、同期信号SYN,クロックCK,出力データDTが図5に示すようにDUT24から出力される。
【0062】
図5で、区間aとは設定データDJの入力終了時(同期信号SYN2の時点)からデータ有効期間までの間である。ここで、データ有効期間とは、設定データDJに基づいて、当該試験に有効な出力データDT(以下有効データD1,D2という)がDUT24から出力されている期間であり、図5においては、同期信号SYN3が出力された後の期間である。
【0063】
この期間以前は、図5の初期出力データD0に示すような当該試験に無関係なデータが連続的に出力されている。なお、ここで区間aは数msec〜数百msec程度とする。そして、同期信号SYN3から次の同期信号SYN4が出力されるまでの区間を1サイクルとしている。このサイクルは、繰り返し出力されている。
【0064】
この1サイクルにおいて、クロックCK1〜CK12が図5に示すようにDUT24から出力されるが、このクロックCK1〜CK12に同期する区間を図5に示すb〜fのように設定して、b区間〜f区間と呼ぶ。なお、このクロックCKは高周波で、数メガヘルツ程度とする。
【0065】
すなわち、b区間にはクロックCK1〜CK2が、c区間にはクロックCK3〜CK5が、d区間にはクロックCK6〜CK7が、e区間にはクロックCK8〜CK10が、f区間にはクロックCK11〜CK12がそれぞれ含まれている。
【0066】
これらのb〜f区間には各々番号が附してあり、図5に示すように、b区間は0,c区間は1,d区間は2,e区間は3,f区間は4といった番号がそれぞれ附されている。この番号を区間番号といい、当該試験はこの区間番号に基づいてなされる。
【0067】
また、有効データD1はクロックCK3〜CK5の間、すなわちc区間において出力されており、有効データD2はクロックCK8〜CK10の間、すなわちe区間において出力されている。
【0068】
このような1サイクルが繰り返し出力され(当該試験の信頼性のためには200 回程度のサイクルを要する)、その際の各サイクルにおけるc区間,e区間での有効データD1,D2の出力タイミングの試験をする。
【0069】
すなわち、本実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験においては、有効データD1,D2が正確に出力されているかどうか、また、同期信号SYN,クロックCKに正確に同期しているかどうかなどを試験するものである。
【0070】
以下で、例えばシンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器のように、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するシリアルデータ出力装置の試験方法について図6〜8を参照しながら説明する。図6,図7は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法を説明するフローチャート(その1,その2)である。
【0071】
以下、ステップP1〜P7までは当該試験の初期条件の設定をしている。まず、図6のフローチャートのステップP1で、設定データDJをDUT24に出力処理する。このとき、低速制御装置23Aから設定データDJが出力される。なお、ここでDUT24が当該試験装置にセットされ、該DUT24は低速制御装置23A,第1のANDゲート22A,第2のANDゲート22C及びシフトレジスタ21Aに接続される。
【0072】
次に、ステップP2で、フリップ/フロップ22BにスタートパルスSPを出力処理する。このとき、該スタートパルスSPは中速制御装置23Bから出力されている。
【0073】
次いで、ステップP3で、フリップ/フロップ22Bから第1のANDゲート22Aへスタート信号SSを出力処理する。このスタート信号SSは、スタートパルスSPを受けてフリップ/フロップ22Bから出力されるものである。
【0074】
さらに、ステップP4で、スタート信号SSとDUT24から出力される同期信号SYNとに基づいてカウントクリア信号SCC を出力処理する。このとき、該カウントクリア信号SCC は、第1のANDゲート22Aによりスタート信号SSと同期信号SYNとの論理積をとって出力される。
【0075】
次いでステップP5で、第1,第2のカウンタ22a,22bをクリアする。このとき、カウントクリア信号SCC が第1,第2のORゲート22e,22fを介して第1,第2のカウンタ22a,22bに出力され、該カウントクリア信号SCC に基づいてそれぞれのカウンタがクリアされる。
【0076】
次に、ステップP6で、最初の区間のクロック数データCLD を第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力処理する。このクロック数データCLD は中速制御装置23Bから出力され、予め設定されている区間内のクロック数を示すものである。第1〜第8のセレクタSE1〜SE8はこのクロック数データCLD をセレクタ出力データSOD として比較器22cに出力する。
【0077】
ここでのセレクタ出力データSOD の出力処理について図8を参照しながら詳述する。図8(a),(b)は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の補足説明図であり、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8のセレクタ出力データSOD の出力に係る説明図である。
【0078】
また、同図(a)は第1〜第8のセレクタSE1〜SE8と中速制御装置23Bとの接続関係を示し、同図(b)は、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8と、各セレクタに接続されている信号線L1〜L5との関係を示す図表である。
【0079】
例えば、図8(a)に示すように、中速制御装置23Bから第1〜第8のセレクタSE1〜SE8には、各5本ずつ、計5×8=40本の信号線が接続されており、各信号線には、予め設定されているクロック数データCLD が中速制御装置23Bによって出力されている。
【0080】
第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は、この40本の信号線に出力されている計40ビットのクロック数データCLD の中から各区間番号に対応するデータのみを選択して8ビットのセレクタ出力データSOD を選択出力する。
【0081】
ここで、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8にそれぞれ接続されている5本の信号線L1〜L5は、おのおの区間番号0〜4に対応している。すなわち、L1は0に、L2は1に、L3は2に、L4は3に、L5は4にそれぞれ対応している。
【0082】
各信号線には、中速制御装置23Bから常時1ビットのデータが各々出力されている。このデータがクロック数データCLD である。
すなわち、各セレクタに出力されている信号線L1〜L5にはそれぞれ1ビットのデータが出力されている。例えば、第1のセレクタSE1には、L1,L2,L3,L4,L5の順に0,0,0,0,0というデータが出力されている。
【0083】
ところで、図5に示すように、区間番号0の区間(b区間)には、クロックCKが2個含まれているものとすれば、b区間で比較器22cに出力されるセレクタ出力データSOD も‘2’を表す必要がある。
【0084】
従って、最初に区間番号が0のときには、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は、図8に示すように、一斉に各セレクタに接続されている信号線L1を選択する。
【0085】
上述したように、信号線L1は区間番号0に対応する信号線であるが、図8(b)の図表に示すように、各セレクタのL1の欄だけに着目して第1,第2,…,第8のセレクタといった順に並べてみると、これは8桁の数‘00000010’である。
【0086】
この8桁の数‘00000010’は、2進法で‘2’を示し、b区間内のクロック数と一致する。このようにして、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8の組み合わせによって8ビットのセレクタ出力データCLD を比較器22cへと選択出力する。
【0087】
その後、区間番号が1に変わると、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は一斉に信号線L2を選択し、区間番号1に対応するセレクタ出力データCLD を上述の方法と同様にして行う。
【0088】
その後も、区間番号が2になると、一斉に信号線L3を選択し、区間番号が3になると、一斉に信号線L4を選択し、区間番号が4になると、一斉に信号線L5を選択することによって、各区間番号に対応するセレクタ出力データCLD の出力処理をする。
【0089】
図6のフローチャートに戻って再びシリアルデータ出力装置の試験方法について説明すると、同フローチャートのステップP7で、DUT24からデータ有効期間でのクロックCKを出力処理する。このクロックCKは、判定処理のためのデータ取得に係るクロックである(ここで最初に出力されるクロックは図5に示すCK1である)。
【0090】
次に、ステップP8で、区間内のクロック数の計数処理をする。このとき、第1のカウンタ22aによって区間内におけるクロックCKのカウントがされる。
この後、第1のカウンタ22aによってクロックCKが出力されているかぎりクロックCKのカウントがなされる。最初は、図5に示すb区間でのクロックCKのカウントがなされる。
【0091】
次いで、ステップP9でセレクタ出力データSOD と、第1のカウンタ22aが実際に計数している区間内のクロック数(以下実測クロック数データJCD という)との比較判定処理する。
【0092】
このとき、比較器22cによってセレクタ出力データSOD と、実測クロック数データJCD とが等しいかどうか判定処理がなされ、両者が等しい場合(Yes)はステップP11へ移行し、それらが等しくない場合(No)は、ステップP8へ戻り、再度当該処理を繰り返す。
【0093】
さらに、ステップP10で、区間番号加算処理をする。このとき、比較器22cが区間数加算信号ABC を出力する。第2のカウンタ22bはこの信号を受けて、例えばカウント数‘0’に1を加算して‘1’にするというように、カウント数を1だけ加算する。
【0094】
また、この信号は同時に第1のカウンタ22aのクリア信号として出力され、この時点で第1のカウンタ22aはカウント数を‘0’に戻す。第2のカウンタ22bはこの区間数加算信号ABC に基づいて、区間番号データDND を第1〜第8のセレクタSE1〜SE8及びデコーダ22dに出力する。
【0095】
この区間番号データDND は図5に示すb〜fの各区間に対応する0〜4の区間番号を示しており、この区間番号データDND に基づいて第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は次の区間に対応するクロック数データCLD を選択出力する。
【0096】
次に、ステップP11で次の区間が有効データの出力区間であるかどうかを判定処理する。このとき、第2のカウンタ22bから出力された区間番号データDND に基づいてデコーダ22dにより該判定処理がなされ、有効データの出力区間の場合(Yes)にはステップP17に移行し、そうでない場合(No)にはステップP12に移行する。
【0097】
以下、図7のステップP17〜P20では同期信号SYN,クロックCK,制御クロックCC,スタートパルスSP及びクロック数データCLD に基づいてシリアルに出力される出力データDTをパラレルデータDPに変換処理する。この変換処理は、図3のステップP1の変換処理の一実施例である。
【0098】
次いで、図7のステップP17でシフト許可信号ASの出力処理をする。このとき、該シフト許可信号ASは、第2のカウンタ22bから出力される区間番号データDND に基づいてデコーダ22dから第2のANDゲート22Cへ出力される。
【0099】
さらに、ステップP18で制御クロックCCの出力処理をする。このとき、該制御クロックCCは第2のANDゲート22Cがシフト許可信号ASとクロックCKとの論理積をとることによって第2のANDゲート22Cから出力される。
【0100】
次に、ステップP19で制御クロックCCに同期して出力データDTをパラレルデータDPに変換処理する。このとき、DUT24から出力された出力データDTがシフトレジスタ21Aに取り込まれ、パラレルな形式のデータに変換される(以降このパラレルな形式のデータをパラレルデータDPという)。
【0101】
次いで、ステップP20でラッチ回路21BへのパラレルデータDPの転送処理をする。このとき、制御クロックCCに同期してシフトレジスタ21Aからラッチ回路21BへとパラレルデータDPが転送される。この後、ステップP8へ戻り、再度当該処理を繰り返す。
【0102】
ここで、図6のステップP12に戻って、1サイクルが終了したかどうかを判定処理する。このとき、1サイクルが終了した場合(Yes)は、図7のステップP13に移行し、そうでない場合(No)は図6のステップP7に戻って再度当該処理を繰り返す。
【0103】
次に、ステップP13で1サイクル完了信号CKS の出力処理をする。このとき、該1サイクル完了信号CKS は区間番号データDND に基づいてデコーダ22dから第2のカウンタ22b,中速制御装置23B,ラッチ回路21Bに出力される。
【0104】
該1サイクル完了信号CKS は、第2のカウンタ22bをクリアし、中速制御装置23Bには1サイクルのデータ取得処理の終了を示す変換終了信号として出力され、ラッチ回路21BにはラッチパルスLPとして出力される。
【0105】
以下、ステップP14〜P16でパラレルデータDPの判定処理に基づいてDUT24の機能判定処理をする。この機能判定処理は、図3のステップP2の機能判定処理の一実施例である。
【0106】
次いで、ステップP14でパラレルデータDPを中速制御装置23Bに転送処理する。この転送処理は、1サイクル完了信号CKS であるラッチパルスLPに同期してなされる。
【0107】
ステップP15でパラレルデータDPを低速制御装置23Aに転送処理する。このとき、該転送処理は、中速制御装置23Bによってなされるものである。
ステップP16でパラレルデータDPと基準データDRとの比較判定処理をする。このとき、該比較判定処理は、低速制御装置23Aによってなされ、予め設定されている判定基準となる基準データDRとパラレルデータDPとが比較され、DUT24の良否判定、すなわち、パラレルデータがクロックCKや同期信号SYNに同期して正確に出力されているかどうかが判定される。
【0108】
なお、ステップP21で、終了確認の判定処理を行う。当該試験に要する規定のサイクル数を満たした場合(Yes)には試験を終了し、それを満たしていない場合(No)にはステップP5に戻って再度当該処理を繰り返す。
【0109】
以上のようにして、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図7に示すように、図7のステップP17〜P20で、DUT24から出力される同期信号SYN,クロックCKと該DUT24以外から供給される制御クロックCC,スタートパルスSP,クロック数データCLD に基づいてシリアルに出力される出力データDTをパラレルデータDPに変換処理している。
【0110】
このため、出力データDTをパラレルデータDPに変換処理することによって出力データDTの中から、同期信号SYN,クロックCKに同期した当該判定処理に係るデータを選択的に取得処理することができる。
【0111】
さらに、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図7のステップP14〜P16でパラレルデータDPの判定処理に基づいてDUT24の機能判定処理をしている。
【0112】
このため、当該判定処理に係るパラレルデータDPを直接読み出し、判定処理することによって、判定処理に係るデータ量が、パラレルデータDPだけですむので、従来のように膨大な量のシリアルな出力データの中から判定処理のために必要なデータを抽出するといった複雑な処理が不要になる。
【0113】
このため、当該シリアルデータ出力装置の試験に係る処理が簡単になり、当該判定処理に要する時間が短縮されるので、当該試験に要する時間が短縮され、ひいては当該試験の高速化が可能になる。
【0114】
さらに、クロックCK、同期信号SYNに同期して出力データDTを取り込むため、データが正しく出力されているかどうかのチェックとともに、出力タイミングも同時にチェック出来る。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置によれば、シリアル/パラレル変換手段と、制御補助手段と、制御手段が具備され、該制御手段13から、制御補助手段12に、スタートパルスを示す第2の内部制御信号DI2、及びクロック数データを示す第3の内部制御信号DI3を出力する。
【0116】
このため、被試験対象から出力される制御出力信号及びシリアルデータの中で、該シリアルデータだけをパラレルデータに変換し、制御手段に出力することが可能になる。
【0117】
これにより、パラレルデータのみを取得し、判定処理の基準とすることができるので、制御手段内部の記憶容量の縮小化が可能になる。
また、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、被試験対象から出力される制御出力信号と該被試験対象以外から供給される内部制御信号とに基づいてシリアルデータをパラレルデータに変換処理している。
【0118】
このため、シリアルデータの中から、制御出力信号に同期した当該判定処理に係るデータを選択的に取得処理することができる。
さらに、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、パラレルデータの判定処理に基づいて被試験対象の機能判定処理をしている。
【0119】
このため、当該判定処理に係るパラレルデータを直接読み出し、判定処理することによって、判定処理に係るデータ量が少なくて済み、当該判定処理の省力化が可能になる。
【0120】
これにより、当該判定処理に要する時間が短縮されるので、当該試験の高速化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の原理図(その1)である。
【図2】 本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の原理図(その2)である。
【図3】 本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の原理図である。
【図4】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
【図5】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図である。
【図6】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法を説明するフローチャート(その1)である。
【図7】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法を説明するフローチャート(その2)である。
【図8】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の補足説明図である。
【図9】 従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
【図10】 従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図である。
【符号の説明】
11・・・シリアル/パラレル変換手段、
12・・・制御補助手段、
13・・・制御手段、
14・・・被試験対象、
DJ・・・設定データ、
DP・・・パラレルデータ、
DR・・・基準データ、
DS・・・シリアルデータ、
DI1・・・第1の内部制御信号(制御クロック)、
DI2・・・第2の内部制御信号(スタートパルス)、
DI3・・・第3の内部制御信号(クロック数データ)、
DO1・・・第1の制御出力信号(同期信号)、
DO2・・・第2の制御出力信号(クロック)、
12A・・・第1の論理回路、
12B・・・内部信号生成手段、
12C・・・第2の論理回路、
12D・・・選択手段、
DIA・・・信号生成許可信号、
Di1・・・第1の内部信号(シフト許可信号)、
Di2・・・第2の内部信号(区間番号データ)、
DIS・・・選択出力信号。
【産業上の利用分野】
本発明は、シリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法に関するものであり、特に、例えば電子楽器などに代表される不規則なシリアルデータを出力する装置の機能を試験する装置及びその試験方法に関する。
【0002】
例えばシンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器では、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するが、この際の音響データはシリアルなデータであって、かつ、高速である。このようなデータを出力する装置においては、出力されるシリアルデータが正確にかつタイミング良く出力されているかどうかの試験が必要である。本発明においては、このようなシリアルデータの出力装置の試験を行うものである。
【0003】
【従来の技術】
図9,図10は従来例に係る説明図であり、図9は従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
【0004】
例えばシンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器のように、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するシリアルデータ出力装置(以下被試験対象4という)の機能試験装置は、図9に示すように、ゲート1A,高速メモリ1B,アドレスカウンタ2A,オッシレータ(以下OSCという)2B及び低速制御装置3から成る。
【0005】
なお、DUT4は被試験対象4であり、設定データDJ1に基づいて、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルなデータを出力するものである。当該装置の目的は、これらのデータが正確に、かつタイミング良く出力されているかどうかを試験するものである。
【0006】
すなわち、ゲート1Aは低速制御装置3からの駆動開始信号SSに基づいて、DUT4から高速メモリ1Bに出力される同期信号SYN,クロックCK,出力データDataなどの出力制御をするものである。
【0007】
高速メモリ1Bは、DUT4からゲート1Aを介して出力される同期信号SYN,クロックCK,出力データDataの書き込み/読み出し処理をするものである。
【0008】
アドレスカウンタ2Aは、低速制御装置3からの駆動開始信号SSに基づいて、高速メモリ1B内に取り込まれるシリアルなデータをカウントするものであり、OSC2Bは、アドレスカウンタ2Aを駆動制御する駆動クロックφを出力するものである。
【0009】
低速制御装置3は、DUT4に設定データDJ1を出力し、ゲート1A及びアドレスカウンタ2Aの制御をする。また、高速メモリ1B内のデータを読み出してDUT4の機能の良否を判定するものである。
【0010】
次に、当該シリアルデータ出力装置の動作を、図10を参照しながら説明する。図10は、従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図であり、設定データDJ1,同期信号SYN,クロックCK,出力データDataの出力タイミングを示すタイミングチャートである。
【0011】
当該シリアルデータ出力装置の機能試験装置の動作は、例えば、まず低速制御装置3から設定データDJがDUT4に出力され、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataがDUT4から出力される。また、設定データDJ1がDUT4に取得されてからある一定の待ち時間(図10のa参照)が経過したのち、低速制御装置3からゲート1A、アドレスカウンタ2Aに駆動開始信号SSが出力される。
【0012】
このとき、該駆動開始信号SSの出力と同時にゲート1Aが開き、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルなデータが高速メモリ1Bにそれぞれ出力される。当該シリアルデータの出力は、図10に示すように、SYN3とSYN4との間を1サイクルとしたサイクルごとになされ、このサイクルが繰り返し出力される。
【0013】
例えば、図10においては、クロックCKに同期するサイクル内の区間(b〜f)において、当該試験に必要な有効データDVが、c,eの区間で出力されているが、このc,eの区間で有効データDVが出力されるというパターンが、繰り返されるのである。
【0014】
これらシリアルデータの出力と同時にOSC2Bから出力される駆動クロックφに基づいてアドレスカウンタ2Aがカウントを始め、同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルデータが順次高速メモリ1Bにそのまま全て書き込まれていく。
【0015】
なお、このとき実際に判定処理に必要なデータは出力データDataの一部である有効データDVのみであるが、該有効データDVがどこにあるかを検索し、有効データDVのみを抽出するデータ処理を行わねばならないので、当該検索の際の基準として同期信号SYN、クロックCKを同時に取得する必要がある。
【0016】
このようにして当該試験に必要な規定回数以上高速メモリ1Bにこれら全てのシリアルデータが書き込まれたのち、低速制御装置3に転送される。
低速制御装置3はこれら3種類のシリアルなデータの中で、出力データDataの中から当該試験に必要な範囲のデータのみを抽出し、その範囲での有効データDVを良否判定の基準となる判定基準データDrと比較する。これにより、該有効データDVが正確にDUT4から出力されているかどうかが試験される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来例のシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法によれば、DUT4から出力される同期信号SYN、クロックCK、出力データDataなどのシリアルデータをそのままの形式で、全て高速メモリ1Bに書き込んでいる。 このため、全部のシリアルデータを高速メモリ1Bに書き込まねばならないので、該高速メモリ1Bには、例えば同期信号SYNやクロックCKなどの当該試験に不要なデータも含まれるものとなる。これにより、メモリ容量の活用効率が悪く、かつ当該試験のために必要とするメモリ容量が膨大になるという問題が生じる。 また、従来例のシリアルデータ出力試験装置及びその試験方法によれば、DUT4の良否判定の際に、高速メモリ1Bに書き込まれた膨大な量のシリアルデータを順次最初から読み出して有効データDVを検索し、該有効データDVに基づいて良否を判定処理しなければならないので、当該判定処理に要する時間が多く必要になる。このため、高速化の妨げになるといった問題が生じる。
【0018】
本発明は、かかる従来例の問題点に鑑み創作されたものであり、被試験対象から出力されるシリアルデータをそのままの形で全部メモリに書き込むことなく、シリアルデータを適切に変換処理することにより、メモリ容量の活用効率の向上、メモリ容量の縮小化及び当該処理の高速化が可能となるシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
図1、2は、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の原理図(その1、その2)であり、図3は、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の原理図である。
【0020】
図1に例示するように、上記課題を解決するため、本発明のシリアルデータ出力装置の試験装置は、設定データ(DJ)に基づいて、同期信号を示す第1の制御出力信号(DO1),クロックを示す第2の制御出力信号(DO2)及びシリアルデータ(DS)を出力する被試験対象(14)の機能を試験するシリアルデータ出力装置の試験装置であって、前記被試験対象(14)から前記第1、第2の制御出力信号(DO1,DO2)が供給される制御補助手段(12)と、前記被試験対象(14)から前記シリアルデータ(DS)が供給されるシリアル/パラレル変換手段(11)と、前記制御補助手段(12)にスタートパルスを示す第2内部制御信号(DI2)、予め設定されている特定の区間内のクロック数データを示す第3の内部制御信号(DI3)を供給する制御手段とを有し、前記制御補助手段(12)が、前記第1、第2の制御出力信号(DO1,DO2)及び前記第2、第3の内部制御信号(DI2,DI3)に応答して制御クロックを示す第1の内部制御信号(DI1)を出力し、前記シリアル/パラレル変換手段(11)が前記第1の内部制御信号(DI1)に応答して前記シリアルデータ(DS)をパラレルデータ(DP)に変換し、前記パラレルデータ(DP)を前記制御手段(13)に供給し、前記制御手段(13)で前記パラレルデータ(DP)と基準データ(DR)とを比較することにより、前記被試験対象(14)の機能判定を行うことを特徴とする。
【0021】
上記したシリアルデータ出力装置の試験装置において、前記補助制御手段(12)が、前記被試験対象(14)から供給される前記第1の制御出力信号(DO1)と、前記制御手段から供給される前記第2の内部制御信号(DI2)とに基づいて、信号生成許可信号(DIA)を出力する第1の論理回路(12A)と、前記被試験対象(14)から供給される前記第2の制御出力信号(DO2)、前記第1の論理回路(12A)から供給される前記信号生成許可信号(DIA)及び選択出力信号(DIS)に基づいて、シフト許可信号を示す第1の内部信号(Di1)、区間番号データを示す第2の内部信号(Di2)を出力する内部信号生成手段(12B)と、前記被試験対象(14)から供給される前記第2の制御出力信号(DO2)と、前記内部生成信号手段(12B)から供給される前記第1の内部信号(Di1)とに基づいて、前記第1の内部制御信号(DI1)を出力する第2の論理回路(12C)と、前記制御手段(13)から供給される前記第3の内部制御信号(DI3)と、前記内部信号生成手段(12B)から供給される前記第2の内部信号(Di2)とに基づいて、前記選択出力信号(DIS)を前記内部信号生成手段(12B)に供給する選択手段(12D)とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法は、図3に例示するように、上記したシリアルデータ出力装置の試験装置を用いたシリアルデータ出力装置の試験方法であって、被試験対象(14)から出力される同期信号を示す第1の制御出力信号(DO1)、クロックを示す第2の制御出力信号(DO2)と、制御手段(13)から出力されるスタートパルスを示す第2内部制御信号(DI2)、予め設定された特定区間のクロック数データを示す第3の内部制御信号(DI3)とを制御補助手段(12)に供給し、前記制御補助手段(12)から出力される制御クロックを示す第1の内部制御信号(DI1)をシリアル/パラレル変換手段(11)に供給することに基づいて、前記被試験対象(14)から前記シリアル/パラレル変換手段(11)に供給されたシリアルデータ(DS)をパラレルデータ(DP)に変換処理をし、前記パラレルデータ(DP)の判定処理を行うことに基づいて前記被試験対象(14)の機能判定処理をすることを特徴とする。
【0023】
上記したシリアルデータ出力装置の試験方法において、前記第1、第2の制御出力信号(DO1,DO2)は、前記シリアルデータ(DS)が前記被試験対象(14)から出力するタイミングを規制するものであって、前記第1の内部制御信号(DI1)は、前記シリアルデータ(DS)が前記被試験対象(14)から前記シリアル/パラレル変換手段(11)に入力するタイミングを規制するものであることを特徴とする。
【0024】
また、上記したシリアルデータ出力装置の試験方法において、前記第1の内部制御信号(DI1)が、前記被試験対象(14)から供給される前記第2の制御出力信号(DO2)と、内部信号生成手段(12B)から供給されるシフト許可信号を示す第1の内部信号(Di1)とが第2の論理回路に供給されることに基づいて生成されるものであって、前記第1の内部信号(Di1)が、前記被試験対象(14)からの前記第1の制御出力信号(DO1)と制御手段(13)からの前記第2の内部制御信号(DI2)とが第1の論理回路に供給されることにより基づいて生成された信号生成許可信号(DIA)と、前記内部信号生成手段(12B)からの第2の内部信号(Di2)及び前記制御手段(13)からの区間番号データを示す第3の内部制御信号(DI3)が選択手段(12D)に供給されることに基づいて生成された選択出力信号(DIS)と、前記被試験対象(14)からの前記第2の制御出力信号(DO2)とが前記内部信号生成手段(12B)に供給されることに基づいて生成されたものであることを特徴とする。
【0025】
【作 用】
ところで本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置によれば、図1に示すように、シリアル/パラレル変換手段11と、制御補助手段12と、制御手段13が具備され、該制御手段13から制御補助手段12に第2,第3の内部制御信号DI2,DI3が出力される。
【0026】
例えば、第1の内部制御信号DI1に基づいてシリアル/パラレル変換手段11によってシリアルデータDSがパラレルデータDPに変換出力され、
第1,第2の制御出力信号DO1,DO2と第2,第3の内部制御信号DI2,DI3とに基づいて制御補助手段12によって第1の内部制御信号DI1が出力され、
制御手段13によってパラレルデータDPと基準データDRとが比較され、被試験対象14の機能判定がされ、かつ第2,第3の内部制御信号DI2,DI3が制御補助手段12に出力される。
【0027】
このため、被試験対象14から出力される制御出力信号DO1,DO2及びシリアルデータDSの中で、該シリアルデータDSだけをパラレルデータDPに変換し、制御手段13に出力することが可能になる。
【0028】
このように、被試験対象14から出力される第1、第2の制御出力信号DO1,DO2及びシリアルデータDSを全て取得することなく、これらのうちのシリアルデータDSのみをパラレルデータDPに変換し、このパラレルデータDPを制御手段13に出力して判定処理を行うので、制御手段13内部の記憶容量の縮小化が可能になる。
【0029】
また、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図3に示すように、図3のステップP1で、被試験対象14から出力される制御出力信号DO1,DO2と該被試験対象14以外から供給される内部制御信号DI1〜DI3とに基づいてシリアルデータDSをパラレルデータDPに変換処理をしている。
【0030】
被試験対象14から出力される第1、第2の制御出力信号DO1,DO2及び制御手段13から出力される第2、第3の内部制御信号DI2,DI3を制御補助手段12に供給し、この制御補助手段12から出力される第1の内部制御信号DI1を前記シリアル/パラレル変換手段に供給することに基づいて、シリアルデータDSをパラレルデータDPに変換する。このため、シリアルデータDSの中から第1、第2の制御信号DO1,DO2に同期した当該判定処理に係るデータだけを選択的に取得して判定処理することができる。
【0031】
さらに、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図3のステップP2でパラレルデータDPの判定処理に基づいて被試験対象14の機能判定処理をしている。
【0032】
このため、当該判定処理に係るパラレルデータDPを直接読み出し、判定処理することによって、判定処理のために必要なデータ量が少なくて済む。
これにより、従来のような膨大な量のシリアルデータDSの中から判定処理のために必要なデータを抽出するといった複雑な処理が不要になる。
【0033】
このため、当該シリアルデータ出力装置の試験に係る処理が簡単になり、当該判定処理に要する時間が短縮されるので、当該試験に要する時間が短縮され、ひいては当該試験の高速化が可能になる。
【0034】
【実施例】
本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法について図を参照しながら説明する。図4〜図8は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力試験装置及びその試験方法を説明する図である。
【0035】
図4は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
例えば、シンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器のように、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するシリアルデータ出力装置の試験装置は、図4に示すように、低速制御装置23A、中速制御装置23B、フリップ/フロップ22B、第1,第2のANDゲート22A,22C、第1,第2のORゲート22e,22f、第1,第2のカウンタ22a,22b、比較器22c、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8、デコーダ22d、シフトレジスタ21A、ラッチ回路21Bから成る。
【0036】
すなわち、シフトレジスタ21A、ラッチ回路21Bはシリアル/パラレル変換手段11の一実施例を構成するものであり、シフトレジスタ21Aは第2のANDゲート22Cから出力される制御クロックCCに同期して、DUT24から出力される出力データDTをラッチ回路21Bにシフトさせるものである。
【0037】
なお、ここで制御クロックCCとは、第1の内部制御信号DI1の一例であり、シフトレジスタ21Aのシフト動作を制御するクロックである。また、シフト許可信号ASは第1の内部信号Di1の一例であり、制御クロックCCの出力許可を与える信号である。
【0038】
ラッチ回路21Bは、制御クロックCCに基づいて、シフトレジスタ21Aから出力された出力データDTをラッチし、このデータをパラレルデータDPとして、ラッチパルスLPに基づいて中速制御装置23Bに出力するものである。
【0039】
第1,第2のANDゲート22A,22C、フリップ/フロップ22B、第1,第2のORゲート22e,22f、第1,第2のカウンタ22a,22b、比較器22c、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8及びデコーダ22dは制御補助部22を構成する。なお、この制御補助部22は制御補助手段12の一実施例である。
【0040】
また、第1のANDゲート22Aは第1の論理回路12Aの一実施例であり、DUT24から出力される同期信号SYNとスタート信号SSとの論理積をとって第1,第2のカウンタ22a,22bにカウントクリア信号SCC を出力するものである。
【0041】
さらに、第2のANDゲート22Cは第2の論理回路12Cの一実施例であり、デコーダ22dから出力されるシフト許可信号ASとクロックCKとの論理積をとってシフトレジスタ21Aに制御クロックCCを出力するものである。
【0042】
フリップ/フロップ22BはスタートパルスSPに基づいてスタート信号SSを発生するものである。なお、DUT24、同期信号SYNなどについては、図5を参照しながら後に詳述する。
【0043】
なお、ここでカウントクリア信号SCC とは、信号生成許可信号DIAの一例であり、第1,第2のカウンタ22a,22bをクリアする信号である。またスタートパルスSP、スタート信号SSは、第2の内部制御信号DI2の一例であり、何れも当該試験装置の試験動作の開始を示す信号である。
【0044】
また、第1,第2のORゲート22e,22f、第1,第2のカウンタ22a,22b、比較器22c及びデコーダ22dは内部信号生成手段12Bの一実施例を構成するものである。
【0045】
第1のORゲート22eはカウントクリア信号SCC と、比較器22cから出力される区間数加算信号ABC とのいずれかによって第1のカウンタ22aをクリアする信号を第1のカウンタ22aに出力する。第2のORゲート22fはカウントクリア信号SCC とデコーダ22dから出力される1サイクル完了信号とのいずれかによって第2のカウンタ22bをクリアする信号を第2のカウンタ22bに出力する。
【0046】
なお、ここで区間数加算信号ABC とは、当該装置が処理している区間が次の区間に移行することを示す信号である。
第1のカウンタ22aは各区間における区間内のクロックCKの数をカウントするものであり、そのカウント数を実測クロック数データJCD として比較器22cに出力する。第2のカウンタ22bは比較器22cから出力される区間数加算信号ABC をカウントするものであり、そのカウント数を各区間の区間番号データDND として第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力する。
【0047】
なお、ここで区間番号データDND とは、当該試験装置が処理している区間の区間番号を示すデータである。
比較器22cは第1のカウンタ22aから出力される実測クロック数データJCD と第1〜第8のセレクタSE1〜SE8から出力されるセレクタ出力データSOD とを比較して、両者が等しい場合に区間数加算信号ABC を出力するものである。
【0048】
デコーダ22dは、区間番号データDND が、有効データD1,D2が出力される区間に対応するときにはシフト許可信号ASを出力し、区間番号データDND が、当該試験の1サイクル終了の区間に対応するときには1サイクル完了信号CKS を出力するものである。
【0049】
なお、ここで1サイクル完了信号CKS とは、当該試験のためのデータ取得処理が1サイクル終了したことを示す信号である。
さらに、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は選択手段12Dの一実施例である。該第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は第2のカウンタ22bから出力される区間番号データDND に基づいて中速制御装置23Bから出力されるクロック数データCLD の中から適切なデータを選択し、比較器22cに出力されるセレクタ出力データSOD を出力するものである。
【0050】
なお、ここでクロック数データCLD とは、第3の内部制御信号DI3の一例であり、予め設定されている各区間内のクロックCKの数を示すデータである。例えば、図5に示すように、b区間の中にはCK1,2の計2つのクロックが含まれているので、このb区間でのクロック数データCLD は、‘2’である。
【0051】
また、セレクタ出力データSOD は選択出力信号DISの一例であり、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8によって選択出力され、各区間に対応する予め設定されている区間内のクロック数を示す。
【0052】
低速制御装置23A,中速制御装置23Bは制御手段13の一実施例を構成するものである。低速制御装置23AはDUT24に設定データDJを出力し、中速制御装置23Bから転送されたパラレルデータDPをその内部に有するメモリ23Mに保持し、該パラレルデータDPに基づいてDUT24の動作の良否を判定するものである。その言語は高級言語を使用し、動作は中速制御装置23Bに比して低速である。
【0053】
また、中速制御装置23Bはフリップ/フロップ22BにスタートパルスSPを出力し、予め設定されているクロック数データCLD を第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力する。また、ラッチ回路21Bから出力されたパラレルデータDPを低速制御装置23Aに転送する。
【0054】
以上のようにして、本発明の実施例に係るシリアルデータの出力装置の試験装置によれば、図4に示すように、シフトレジスタ21A,ラッチ回路21Bと、第2のANDゲート22C,比較器22c,デコーダ22dと、中速制御装置23B及び低速制御装置23Aを具備している。
【0055】
また、スタート信号SSが中速制御装置23Bから第1のANDゲート22Aに出力され、クロック数データCLD が中速制御装置23Bから第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力されている。
【0056】
例えば、制御クロックCCに基づいてシフトレジスタ21Aによってシリアルな出力データDTがパラレルデータDPに変換出力され、
同期信号SYN,クロックCK,スタート信号SS,クロック数データCLD に基づいて第2のANDゲート22Cによって制御クロックCCが出力され、
低速制御装置23AによってパラレルデータDPと基準データDRとが比較され、DUT24の機能判定がされ、
また、中速制御装置23Bによってスタート信号SSが第1のANDゲート22Aに出力され、クロック数データCLD が第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力される。
【0057】
このため、DUT24から出力される同期信号SYN、クロックCK及び出力データDTの中で、該出力データDTだけをパラレルデータDPに変換し、中速制御装置23Bに出力することが可能になる。
【0058】
これにより、同期信号SYN、クロックCK及び出力データDataを全て取得し、DUTの機能試験に用いる従来の装置に比して、出力データDTをパラレルデータDPに変換処理して、当該試験に用いることができるので、クロックCK,同期信号SYNなどの当該試験に不要なデータを保持するメモリを必要としない。よって、低速制御装置23A内部のメモリ23Mのメモリ容量の縮小化が可能になる。
【0059】
ここで、本発明の実施例で試験するシリアルデータ出力試験装置について図5を参照しながら説明する。図5は本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図であり、被試験対象24(以下DUTという)から出力される設定データDJ,同期信号SYN,クロックCK,出力データDTのタイミングを示すタイミングチャートである。
【0060】
なお、DUT24の外部に接続される他の出力装置との同期をとるために必要な信号である同期信号SYNは第1の制御出力信号DO1の一例であり、出力データDTの出力タイミングを規制するクロックCKは第2の制御出力信号DO2の一例である。また、音響データなどの出力データDTはシリアルデータDSの一例である。
【0061】
図5に示すような同期信号のパルスSYN1,SYN2に同期して、設定データDJがDUT24に出力される。
この設定データDJに基づいて、同期信号SYN,クロックCK,出力データDTが図5に示すようにDUT24から出力される。
【0062】
図5で、区間aとは設定データDJの入力終了時(同期信号SYN2の時点)からデータ有効期間までの間である。ここで、データ有効期間とは、設定データDJに基づいて、当該試験に有効な出力データDT(以下有効データD1,D2という)がDUT24から出力されている期間であり、図5においては、同期信号SYN3が出力された後の期間である。
【0063】
この期間以前は、図5の初期出力データD0に示すような当該試験に無関係なデータが連続的に出力されている。なお、ここで区間aは数msec〜数百msec程度とする。そして、同期信号SYN3から次の同期信号SYN4が出力されるまでの区間を1サイクルとしている。このサイクルは、繰り返し出力されている。
【0064】
この1サイクルにおいて、クロックCK1〜CK12が図5に示すようにDUT24から出力されるが、このクロックCK1〜CK12に同期する区間を図5に示すb〜fのように設定して、b区間〜f区間と呼ぶ。なお、このクロックCKは高周波で、数メガヘルツ程度とする。
【0065】
すなわち、b区間にはクロックCK1〜CK2が、c区間にはクロックCK3〜CK5が、d区間にはクロックCK6〜CK7が、e区間にはクロックCK8〜CK10が、f区間にはクロックCK11〜CK12がそれぞれ含まれている。
【0066】
これらのb〜f区間には各々番号が附してあり、図5に示すように、b区間は0,c区間は1,d区間は2,e区間は3,f区間は4といった番号がそれぞれ附されている。この番号を区間番号といい、当該試験はこの区間番号に基づいてなされる。
【0067】
また、有効データD1はクロックCK3〜CK5の間、すなわちc区間において出力されており、有効データD2はクロックCK8〜CK10の間、すなわちe区間において出力されている。
【0068】
このような1サイクルが繰り返し出力され(当該試験の信頼性のためには200 回程度のサイクルを要する)、その際の各サイクルにおけるc区間,e区間での有効データD1,D2の出力タイミングの試験をする。
【0069】
すなわち、本実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験においては、有効データD1,D2が正確に出力されているかどうか、また、同期信号SYN,クロックCKに正確に同期しているかどうかなどを試験するものである。
【0070】
以下で、例えばシンセサイザー等の電子楽器やステレオ等のオーディオ機器のように、デジタルオーディオデータをアナログ変換して増幅出力するシリアルデータ出力装置の試験方法について図6〜8を参照しながら説明する。図6,図7は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法を説明するフローチャート(その1,その2)である。
【0071】
以下、ステップP1〜P7までは当該試験の初期条件の設定をしている。まず、図6のフローチャートのステップP1で、設定データDJをDUT24に出力処理する。このとき、低速制御装置23Aから設定データDJが出力される。なお、ここでDUT24が当該試験装置にセットされ、該DUT24は低速制御装置23A,第1のANDゲート22A,第2のANDゲート22C及びシフトレジスタ21Aに接続される。
【0072】
次に、ステップP2で、フリップ/フロップ22BにスタートパルスSPを出力処理する。このとき、該スタートパルスSPは中速制御装置23Bから出力されている。
【0073】
次いで、ステップP3で、フリップ/フロップ22Bから第1のANDゲート22Aへスタート信号SSを出力処理する。このスタート信号SSは、スタートパルスSPを受けてフリップ/フロップ22Bから出力されるものである。
【0074】
さらに、ステップP4で、スタート信号SSとDUT24から出力される同期信号SYNとに基づいてカウントクリア信号SCC を出力処理する。このとき、該カウントクリア信号SCC は、第1のANDゲート22Aによりスタート信号SSと同期信号SYNとの論理積をとって出力される。
【0075】
次いでステップP5で、第1,第2のカウンタ22a,22bをクリアする。このとき、カウントクリア信号SCC が第1,第2のORゲート22e,22fを介して第1,第2のカウンタ22a,22bに出力され、該カウントクリア信号SCC に基づいてそれぞれのカウンタがクリアされる。
【0076】
次に、ステップP6で、最初の区間のクロック数データCLD を第1〜第8のセレクタSE1〜SE8に出力処理する。このクロック数データCLD は中速制御装置23Bから出力され、予め設定されている区間内のクロック数を示すものである。第1〜第8のセレクタSE1〜SE8はこのクロック数データCLD をセレクタ出力データSOD として比較器22cに出力する。
【0077】
ここでのセレクタ出力データSOD の出力処理について図8を参照しながら詳述する。図8(a),(b)は、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の補足説明図であり、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8のセレクタ出力データSOD の出力に係る説明図である。
【0078】
また、同図(a)は第1〜第8のセレクタSE1〜SE8と中速制御装置23Bとの接続関係を示し、同図(b)は、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8と、各セレクタに接続されている信号線L1〜L5との関係を示す図表である。
【0079】
例えば、図8(a)に示すように、中速制御装置23Bから第1〜第8のセレクタSE1〜SE8には、各5本ずつ、計5×8=40本の信号線が接続されており、各信号線には、予め設定されているクロック数データCLD が中速制御装置23Bによって出力されている。
【0080】
第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は、この40本の信号線に出力されている計40ビットのクロック数データCLD の中から各区間番号に対応するデータのみを選択して8ビットのセレクタ出力データSOD を選択出力する。
【0081】
ここで、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8にそれぞれ接続されている5本の信号線L1〜L5は、おのおの区間番号0〜4に対応している。すなわち、L1は0に、L2は1に、L3は2に、L4は3に、L5は4にそれぞれ対応している。
【0082】
各信号線には、中速制御装置23Bから常時1ビットのデータが各々出力されている。このデータがクロック数データCLD である。
すなわち、各セレクタに出力されている信号線L1〜L5にはそれぞれ1ビットのデータが出力されている。例えば、第1のセレクタSE1には、L1,L2,L3,L4,L5の順に0,0,0,0,0というデータが出力されている。
【0083】
ところで、図5に示すように、区間番号0の区間(b区間)には、クロックCKが2個含まれているものとすれば、b区間で比較器22cに出力されるセレクタ出力データSOD も‘2’を表す必要がある。
【0084】
従って、最初に区間番号が0のときには、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は、図8に示すように、一斉に各セレクタに接続されている信号線L1を選択する。
【0085】
上述したように、信号線L1は区間番号0に対応する信号線であるが、図8(b)の図表に示すように、各セレクタのL1の欄だけに着目して第1,第2,…,第8のセレクタといった順に並べてみると、これは8桁の数‘00000010’である。
【0086】
この8桁の数‘00000010’は、2進法で‘2’を示し、b区間内のクロック数と一致する。このようにして、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8の組み合わせによって8ビットのセレクタ出力データCLD を比較器22cへと選択出力する。
【0087】
その後、区間番号が1に変わると、第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は一斉に信号線L2を選択し、区間番号1に対応するセレクタ出力データCLD を上述の方法と同様にして行う。
【0088】
その後も、区間番号が2になると、一斉に信号線L3を選択し、区間番号が3になると、一斉に信号線L4を選択し、区間番号が4になると、一斉に信号線L5を選択することによって、各区間番号に対応するセレクタ出力データCLD の出力処理をする。
【0089】
図6のフローチャートに戻って再びシリアルデータ出力装置の試験方法について説明すると、同フローチャートのステップP7で、DUT24からデータ有効期間でのクロックCKを出力処理する。このクロックCKは、判定処理のためのデータ取得に係るクロックである(ここで最初に出力されるクロックは図5に示すCK1である)。
【0090】
次に、ステップP8で、区間内のクロック数の計数処理をする。このとき、第1のカウンタ22aによって区間内におけるクロックCKのカウントがされる。
この後、第1のカウンタ22aによってクロックCKが出力されているかぎりクロックCKのカウントがなされる。最初は、図5に示すb区間でのクロックCKのカウントがなされる。
【0091】
次いで、ステップP9でセレクタ出力データSOD と、第1のカウンタ22aが実際に計数している区間内のクロック数(以下実測クロック数データJCD という)との比較判定処理する。
【0092】
このとき、比較器22cによってセレクタ出力データSOD と、実測クロック数データJCD とが等しいかどうか判定処理がなされ、両者が等しい場合(Yes)はステップP11へ移行し、それらが等しくない場合(No)は、ステップP8へ戻り、再度当該処理を繰り返す。
【0093】
さらに、ステップP10で、区間番号加算処理をする。このとき、比較器22cが区間数加算信号ABC を出力する。第2のカウンタ22bはこの信号を受けて、例えばカウント数‘0’に1を加算して‘1’にするというように、カウント数を1だけ加算する。
【0094】
また、この信号は同時に第1のカウンタ22aのクリア信号として出力され、この時点で第1のカウンタ22aはカウント数を‘0’に戻す。第2のカウンタ22bはこの区間数加算信号ABC に基づいて、区間番号データDND を第1〜第8のセレクタSE1〜SE8及びデコーダ22dに出力する。
【0095】
この区間番号データDND は図5に示すb〜fの各区間に対応する0〜4の区間番号を示しており、この区間番号データDND に基づいて第1〜第8のセレクタSE1〜SE8は次の区間に対応するクロック数データCLD を選択出力する。
【0096】
次に、ステップP11で次の区間が有効データの出力区間であるかどうかを判定処理する。このとき、第2のカウンタ22bから出力された区間番号データDND に基づいてデコーダ22dにより該判定処理がなされ、有効データの出力区間の場合(Yes)にはステップP17に移行し、そうでない場合(No)にはステップP12に移行する。
【0097】
以下、図7のステップP17〜P20では同期信号SYN,クロックCK,制御クロックCC,スタートパルスSP及びクロック数データCLD に基づいてシリアルに出力される出力データDTをパラレルデータDPに変換処理する。この変換処理は、図3のステップP1の変換処理の一実施例である。
【0098】
次いで、図7のステップP17でシフト許可信号ASの出力処理をする。このとき、該シフト許可信号ASは、第2のカウンタ22bから出力される区間番号データDND に基づいてデコーダ22dから第2のANDゲート22Cへ出力される。
【0099】
さらに、ステップP18で制御クロックCCの出力処理をする。このとき、該制御クロックCCは第2のANDゲート22Cがシフト許可信号ASとクロックCKとの論理積をとることによって第2のANDゲート22Cから出力される。
【0100】
次に、ステップP19で制御クロックCCに同期して出力データDTをパラレルデータDPに変換処理する。このとき、DUT24から出力された出力データDTがシフトレジスタ21Aに取り込まれ、パラレルな形式のデータに変換される(以降このパラレルな形式のデータをパラレルデータDPという)。
【0101】
次いで、ステップP20でラッチ回路21BへのパラレルデータDPの転送処理をする。このとき、制御クロックCCに同期してシフトレジスタ21Aからラッチ回路21BへとパラレルデータDPが転送される。この後、ステップP8へ戻り、再度当該処理を繰り返す。
【0102】
ここで、図6のステップP12に戻って、1サイクルが終了したかどうかを判定処理する。このとき、1サイクルが終了した場合(Yes)は、図7のステップP13に移行し、そうでない場合(No)は図6のステップP7に戻って再度当該処理を繰り返す。
【0103】
次に、ステップP13で1サイクル完了信号CKS の出力処理をする。このとき、該1サイクル完了信号CKS は区間番号データDND に基づいてデコーダ22dから第2のカウンタ22b,中速制御装置23B,ラッチ回路21Bに出力される。
【0104】
該1サイクル完了信号CKS は、第2のカウンタ22bをクリアし、中速制御装置23Bには1サイクルのデータ取得処理の終了を示す変換終了信号として出力され、ラッチ回路21BにはラッチパルスLPとして出力される。
【0105】
以下、ステップP14〜P16でパラレルデータDPの判定処理に基づいてDUT24の機能判定処理をする。この機能判定処理は、図3のステップP2の機能判定処理の一実施例である。
【0106】
次いで、ステップP14でパラレルデータDPを中速制御装置23Bに転送処理する。この転送処理は、1サイクル完了信号CKS であるラッチパルスLPに同期してなされる。
【0107】
ステップP15でパラレルデータDPを低速制御装置23Aに転送処理する。このとき、該転送処理は、中速制御装置23Bによってなされるものである。
ステップP16でパラレルデータDPと基準データDRとの比較判定処理をする。このとき、該比較判定処理は、低速制御装置23Aによってなされ、予め設定されている判定基準となる基準データDRとパラレルデータDPとが比較され、DUT24の良否判定、すなわち、パラレルデータがクロックCKや同期信号SYNに同期して正確に出力されているかどうかが判定される。
【0108】
なお、ステップP21で、終了確認の判定処理を行う。当該試験に要する規定のサイクル数を満たした場合(Yes)には試験を終了し、それを満たしていない場合(No)にはステップP5に戻って再度当該処理を繰り返す。
【0109】
以上のようにして、本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図7に示すように、図7のステップP17〜P20で、DUT24から出力される同期信号SYN,クロックCKと該DUT24以外から供給される制御クロックCC,スタートパルスSP,クロック数データCLD に基づいてシリアルに出力される出力データDTをパラレルデータDPに変換処理している。
【0110】
このため、出力データDTをパラレルデータDPに変換処理することによって出力データDTの中から、同期信号SYN,クロックCKに同期した当該判定処理に係るデータを選択的に取得処理することができる。
【0111】
さらに、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、図7のステップP14〜P16でパラレルデータDPの判定処理に基づいてDUT24の機能判定処理をしている。
【0112】
このため、当該判定処理に係るパラレルデータDPを直接読み出し、判定処理することによって、判定処理に係るデータ量が、パラレルデータDPだけですむので、従来のように膨大な量のシリアルな出力データの中から判定処理のために必要なデータを抽出するといった複雑な処理が不要になる。
【0113】
このため、当該シリアルデータ出力装置の試験に係る処理が簡単になり、当該判定処理に要する時間が短縮されるので、当該試験に要する時間が短縮され、ひいては当該試験の高速化が可能になる。
【0114】
さらに、クロックCK、同期信号SYNに同期して出力データDTを取り込むため、データが正しく出力されているかどうかのチェックとともに、出力タイミングも同時にチェック出来る。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置によれば、シリアル/パラレル変換手段と、制御補助手段と、制御手段が具備され、該制御手段13から、制御補助手段12に、スタートパルスを示す第2の内部制御信号DI2、及びクロック数データを示す第3の内部制御信号DI3を出力する。
【0116】
このため、被試験対象から出力される制御出力信号及びシリアルデータの中で、該シリアルデータだけをパラレルデータに変換し、制御手段に出力することが可能になる。
【0117】
これにより、パラレルデータのみを取得し、判定処理の基準とすることができるので、制御手段内部の記憶容量の縮小化が可能になる。
また、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、被試験対象から出力される制御出力信号と該被試験対象以外から供給される内部制御信号とに基づいてシリアルデータをパラレルデータに変換処理している。
【0118】
このため、シリアルデータの中から、制御出力信号に同期した当該判定処理に係るデータを選択的に取得処理することができる。
さらに、本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法によれば、パラレルデータの判定処理に基づいて被試験対象の機能判定処理をしている。
【0119】
このため、当該判定処理に係るパラレルデータを直接読み出し、判定処理することによって、判定処理に係るデータ量が少なくて済み、当該判定処理の省力化が可能になる。
【0120】
これにより、当該判定処理に要する時間が短縮されるので、当該試験の高速化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の原理図(その1)である。
【図2】 本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の原理図(その2)である。
【図3】 本発明に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の原理図である。
【図4】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
【図5】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図である。
【図6】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法を説明するフローチャート(その1)である。
【図7】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法を説明するフローチャート(その2)である。
【図8】 本発明の実施例に係るシリアルデータ出力装置の試験方法の補足説明図である。
【図9】 従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置の構成図である。
【図10】 従来例に係るシリアルデータ出力装置の試験装置及びその試験方法の補足説明図である。
【符号の説明】
11・・・シリアル/パラレル変換手段、
12・・・制御補助手段、
13・・・制御手段、
14・・・被試験対象、
DJ・・・設定データ、
DP・・・パラレルデータ、
DR・・・基準データ、
DS・・・シリアルデータ、
DI1・・・第1の内部制御信号(制御クロック)、
DI2・・・第2の内部制御信号(スタートパルス)、
DI3・・・第3の内部制御信号(クロック数データ)、
DO1・・・第1の制御出力信号(同期信号)、
DO2・・・第2の制御出力信号(クロック)、
12A・・・第1の論理回路、
12B・・・内部信号生成手段、
12C・・・第2の論理回路、
12D・・・選択手段、
DIA・・・信号生成許可信号、
Di1・・・第1の内部信号(シフト許可信号)、
Di2・・・第2の内部信号(区間番号データ)、
DIS・・・選択出力信号。
Claims (5)
- 設定データ(DJ)に基づいて、同期信号(DO1)、クロック(DO2)及びシリアルデータ(DS)を出力する被試験対象(14)の機能を試験するシリアルデータ出力装置の試験装置であって、
前記被試験対象(14)から前記同期信号(DO1)及びクロック(DO2)が供給される制御補助手段(12)と、
前記被試験対象(14)から前記シリアルデータ(DS)が供給されるシリアル/パラレル変換手段(11)と、
前記制御補助手段(12)にスタートパルス(DI2)、予め設定されている特定の区間内のクロック数データ(DI3)を供給する制御手段とを有し、
前記制御補助手段(12)が、前記同期信号(DO1)、前記クロック(DO2)、前記スタートパルス(DI2)、及び前記特定の区間内のクロック数データ(DI3)に応答して制御クロック(DI1)を出力し、前記シリアル/パラレル変換手段(11)が前記制御クロック(DI1)に応答して前記シリアルデータ(DS)をパラレルデータ(DP)に変換し、前記パラレルデータ(DP)を前記制御手段(13)に供給し、前記制御手段(13)で前記パラレルデータ(DP)と基準データ(DR)とを比較することにより、前記被試験対象(14)の機能判定を行うことを特徴とするシリアルデータ出力装置の試験装置。 - 請求項1記載のシリアルデータ出力装置の試験装置において、
前記制御補助手段(12)が、
前記被試験対象(14)から供給される前記同期信号(DO1)と、前記制御手段から供給される前記スタートパルス(DI2)とに基づいて、信号生成許可信号(DIA)を出力する第1の論理回路(12A)と、
前記被試験対象(14)から供給される前記クロック(DO2)、前記第1の論理回路(12A)から供給される前記信号生成許可信号(DIA)及び選択出力信号(DIS)に基づいて、シフト許可信号(Di1)、区間番号データ、(Di2)を出力する内部信号生成手段(12B)と、
前記被試験対象(14)から供給される前記クロック(DO2)と、前記内部生成信号手段(12B)から供給される前記シフト許可信号(Di1)とに基づいて、前記制御クロック(DI1)を出力する第2の論理回路(12C)と、
前記制御手段(13)から供給される前記特定の区間内のクロック数データ(DI3)と、前記内部信号生成手段(12B)から供給される前記区間番号データ(Di2)とに基づいて、前記選択出力信号(DIS)を前記内部信号生成手段(12B)に供給する選択手段(12D)とを備えたことを特徴とするシリアルデータ出力装置の試験装置。 - 請求項1又は2に記載されたシリアルデータ出力装置の試験装置を用いたシリアルデータ出力装置の試験方法であって、
被試験対象(14)から出力される同期信号(DO1)、クロック(DO2)と、制御手段(13)から出力されるスタートパルス(DI2)、予め設定されている特定の区間内のクロック数データ(DI3)とを制御補助手段(12)に供給し、前記制御補助手段(12)から出力される制御クロック(DI1)をシリアル/パラレル変換手段(11)に供給することに基づいて、前記被試験対象(14)から前記シリアル/パラレル変換手段(11)に供給されたシリアルデータ(DS)をパラレルデータ(DP)に変換処理をし、前記パラレルデータ(DP)の判定処理を行うことに基づいて前記被試験対象(14)の機能判定処理をすることを特徴とするシリアルデータ出力装置の試験方法。 - 請求項3記載のシリアルデータ出力装置の試験方法において、前記同期信号(DO1)、クロック(DO2)は、前記シリアルデータ(DS)が前記被試験対象(14)から出力するタイミングを規制するものであって、前記制御クロック(DI1)は、前記シリアルデータ(DS)が前記被試験対象(14)から前記シリアル/パラレル変換手段(11)に入力するタイミングを規制するものであることを特徴とするシリアルデータ出力装置の試験方法。
- 請求項3又は4に記載のシリアルデータ出力装置の試験方法において、
前記制御クロック(DI1)が、前記被試験対象(14)から供給される前記クロック(DO2)と、内部信号生成手段(12B)から供給されるシフト許可信号(Di1)とが第2の論理回路に供給されることに基づいて生成されるものであって、
前記シフト許可信号(Di1)が、
前記被試験対象(14)からの前記同期信号(DO1)と制御手段(13)からの前記スタートパルス(DI2)とが第1の論理回路に供給されることにより基づいて生成された信号生成許可信号(DIA)と、前記内部信号生成手段(12B)からの区間番号データ、(Di2)及び前記制御手段(13)からの特定の区間内のクロック数データ(DI3)が選択手段(12D)に供給されることに基づいて生成された選択出力信号(DIS)と、前記被試験対象(14)からの前記クロック(DO2)とが前記内部信号生成手段(12B)に供給されることに基づいて生成されたものであることを特徴とするシリアルデータ出力装置の試験方法。
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