JP3793842B2 - 湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置 - Google Patents
湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3793842B2 JP3793842B2 JP2002344694A JP2002344694A JP3793842B2 JP 3793842 B2 JP3793842 B2 JP 3793842B2 JP 2002344694 A JP2002344694 A JP 2002344694A JP 2002344694 A JP2002344694 A JP 2002344694A JP 3793842 B2 JP3793842 B2 JP 3793842B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- culture soil
- aquatic
- biodegradable plastic
- water
- outer frame
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y02P60/216—
Landscapes
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Hydroponics (AREA)
- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置(以下、「水草定植装置」と記す)に関し、特に、湖・池・川等の護岸近傍に水草(あさざ等)を植えつけ、繁茂させることによって波を打ち消し、浅瀬を作ることにより、湿原帯を再生し、水質浄化能を回復させるために使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
湖・池・川等の護岸近傍に水草(あさざ等)を繁殖させ、打ち寄せる波を打ち消すことによって、浅瀬を形成し、ひいては、微生物の定着でき小型の魚類を繁殖可能な湿原帯を形成して、湿原帯を再生し、水質浄化能を回復させることにより自然を取り戻そうという考えが本格化してきた。
このため、従来において、湖・池・川等の護岸近傍に水草(あさざ等)を定植させる場合には、予め、素焼きの鉢に水草の苗を植え、この苗を植えた素焼きの鉢を船等によって、定植位置まで運び、その位置で水中に沈めることにより、水草の繁殖を図っていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318246
【特許文献2】
特開平11− 56138
【特許文献3】
特開2000−217452
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来における水草苗の定植方法にあっては、水草苗を植えた素焼きの鉢を船等によって定植位置まで運ばねばならないため、定植作業に手間がかかり、また、水草苗は、水中にそのまま残存する素焼きの鉢に植えられているため根の広がりが妨られ、充分に繁殖しにくいという不都合を有した。
【0005】
この発明の課題はこれらの不都合を解消することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、発明者は、湖・池・川等の浮遊物は波によって護岸近傍に寄せられることに着目し、この発明を完成した。
【0007】
この発明に係る水草定植装置においては、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製外枠と、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製内枠とを備え、前記生分解性プラスチック製外枠及び前記生分解性プラスチック製内枠の透孔を水溶性栓で塞ぎ、前記生分解性プラスチック製外枠内に前記生分解性プラスチック製内枠を培養土を介して嵌挿し、この生分解性プラスチック製内枠内に培養土を充填するとともにこの培養土に水草苗を植え、当該装置全体として水面に浮遊可能であるため、
湖・池・川等の水面に浮かべるのみで、自然の波、風で漂流し、護岸近傍まで運ばれ、その位置で、まず、前記外枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記外枠内の培養土と湖・池・川等の水とが連通し、この水草定植装置は水没する。その後、前記内枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記内枠内の培養土と湖・池・川の水とが連通し、水草苗への水分供給が可能となる。そして、生分解性プラスチック製外枠と生分解性プラスチック製内枠は一定期間後には溶解する。
【0008】
なお、前記生分解性プラスチック製外枠内の培養土を乾燥培養土とすれば、当該水草定植装置を浮遊しやすくすることができる。
【0009】
また、前記生分解性プラスチック製外枠内における前記培養土の上方に培養土膨張空間を設ければ、この培養土が水に湿潤した場合に、外枠外に溢れることはなく全て水草苗の培養土として使用することができる。
【0010】
また、前記生分解性プラスチック製内枠内における前記培養土の表面に浮き上がり防止錘を配置すれば、前記内枠及び水草苗ひいては前記外枠の浮上を防止できるため、水草苗を水底に確実に定植させることができる。
【0011】
【実施例】
図1はこの発明に係る水草定植装置の断面図、図2は同平面図、図3は同使用説明図である。
【0012】
図1において、Aは水草定植装置であり、当初は、水に浮遊するように構成されている。
【0013】
10はこの水草定植装置Aの外枠である。この外枠10は、従来存在する生分解性プラスチックによって有底円筒状に形成されている。また、11は上板であり、前記外枠10の上端に一体形成されている。この上板11は中心部に開口12を有している。
【0014】
次に、13,13,…は第一透孔であり、前記外枠10の底部に形成されている。この第一透孔13は前記外枠10の内外を連通している。14は第一水溶性栓であり、前記第一透孔13を塞いでいる。この第一水溶性栓14はでんぷん糊などの数日で水に流出する環境汚染のない水溶性の物質で形成されている。
【0015】
20は内枠であり、前記開口(外枠10の)12から侵入させ、前記外枠10内に余裕空間Sを介して支持具21,21 により設置されている。この内枠20は、前記外枠10と同様に従来存在する生分解性プラスチックによって有底円筒状に形成されている。なお、この内枠20の肉厚は前記外枠10の肉厚よりも薄く形成されているため、この内枠20は、水中において前記外枠10よりも早く溶解する。
【0016】
30は第一培養土であり、前記外枠10内における前記内枠20の周囲に充填されている。この第一培養土30はこの水草定植装置Aが水底に沈んだ後で前記内枠20が溶解した後に後記水草苗Pの生育を確保するためのものである。
【0017】
この第一培養土30は乾燥培養土であり、主成分として乾燥泥土と炭とボカシ肥を有している。この泥土としては浄水場より排出される泥土を、この炭としては紙業工場より排出されるくず炭を、ボカシ肥としては有機性資源より作成された堆肥などを原料として使用することで、廃棄物扱いされていた物質を有効利用することも可能である。
【0018】
31は培養土膨張空間であり、前記余裕空間Sにおける前記第一培養土30の上方に形成されている。この培養土膨張空間31は前記第一透孔13から前記外枠10内に水が浸入し、第一培養土30が湿潤膨張したときに、その増加した体積部分を収容するためのものである。
【0019】
23は第二透孔(この発明の「透孔」に相当する)であり、前記内枠20の底部に形成されている。この第二透孔23は前記内枠20の内外を連通している。24は第二水溶性栓であり、前記透孔23を塞いでいる。この第二水溶性栓24は前記第一水溶性栓24と同様に形成されている。
【0020】
次に、50は第二培養土であり、前記内枠20内に充填されている。この第二培養土50は普通の培養土であり、前記第一培養土30よりも湿潤である。この第二培養土50はこの水草定植装置Aが浮いている間における後記水草苗Pの生育を確保するためのものであり、その成分は前記第一培養土30と同様である。
【0021】
Pは水草苗であり、前記内枠20の第二培養土50に植えつけられている。この水草苗Pの先端は前記開口(外枠10の)12から僅かに突出している。また、60,60 ,…は小石(この発明の「浮き上がり防止錘」に相当する)であり、前記内枠20内における前記第二培養土50の表面にを配置されている。この小石60は前記内枠20及び水草苗Pひいては前記外枠10の浮上を防止して、水草苗Pを水底に確実に定植させるようにしている。
【0022】
図1〜図3に基づいて、この水草定植装置Aの使用方法を説明する。
図3の右側に示すように、湖等の水面にこの水草定植装置Aを浮かべる。すると、水草定植装置Aは波によって数日間(約3〜4日間)漂流し、最終的に岸壁R近傍に打ち寄せられる。この位置で、水草定植装置Aの外枠10の第一水溶性栓14が溶解して第一透孔13を介して水が前記外枠10内に浸入し、第一培養土30が湿潤膨張して、この水草定植装置Aは水没して水底に達する。その後、前記内枠20の第二水溶性栓24が融解して第二透孔23を介して水が前記内枠20内に浸入し、第二培養土50に供給される。
【0023】
この状態で、水草苗Pは生育し、ある程度生育した後前記内枠20が水に溶解し、この状態で更に水草苗Pが生育した後前記外枠10が水に溶解する。そして、最終的には、この水草苗Pは湖等の水底に繁殖する。
【0024】
【発明の効果】
この発明に係る水草定植装置は、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製外枠と、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製内枠とを備え、前記生分解性プラスチック製外枠及び前記生分解性プラスチック製内枠の透孔を水溶性栓で塞ぎ、前記生分解性プラスチック製外枠内に前記生分解性プラスチック製内枠を培養土を介して嵌挿し、この生分解性プラスチック製内枠内に培養土を充填するとともにこの培養土に水草苗を植え、当該装置全体として水面に浮遊可能であるため、
湖・池・川等の水面に浮かべるのみで、自然の波、風で漂流し、護岸近傍まで運ばれ、その位置で、まず、前記外枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記外枠内の培養土と湖・池・川等の水とが連通し、この水草定植装置は水没する。その後、前記内枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記内枠内の培養土と湖・池・川の水とが連通し、水草苗への水分供給が可能となる。そして、生分解性プラスチック製外枠と生分解性プラスチック製内枠は一定期間後には溶解する。
【0025】
よって、この水草定植装置を使用すれば、従来のように、水草苗を植えた素焼きの鉢を船等によって定植位置まで運ぶ必要がないため、定植作業に手間がかからず、何人でもその作業能率を上げることができる。また、前記外枠および前記内枠は水中において一定期間後に分解するため、水草苗の根が広がりを妨げることはない結果その繁殖を阻害しないものである。また、浅瀬を作ることにより、湿原帯を再生し、水質浄化能を回復させることができる。
【0026】
なお、前記生分解性プラスチック製外枠内の培養土を乾燥培養土とすれば、当該水草定植装置を浮遊しやすくすることができる。
【0027】
また、前記生分解性プラスチック製外枠内における前記培養土の上方に培養土膨張空間を設ければ、この培養土が水に湿潤した場合に、外枠外に溢れることはなく全て水草苗の培養土として使用することができる。
【0028】
また、前記生分解性プラスチック製内枠内における前記培養土の表面に浮き上がり防止錘を配置すれば、前記内枠及び水草苗ひいては前記外枠の浮上を防止できるため、水草苗を水底に確実に定植させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る水草定植装置の断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同使用説明図である。
【符号の説明】
A … 水草定植装置
P … 水草苗
S … 余裕空間
10 … 外枠
11 … 外枠上板
12 … 外枠開口部
13 … 第一透孔(透孔)
14 … 第一水溶性栓(水溶性栓)
20 … 内枠
21 … 支持具
23 … 第二透孔(透孔)
24 … 第二水溶性栓(水溶性栓)
30 … 第一培養土(培養土)
31 … 培養土膨張空間
50 … 第二培養土(培養土)
60 … 小石(浮き上がり防止錘)
【産業上の利用分野】
この発明は湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置(以下、「水草定植装置」と記す)に関し、特に、湖・池・川等の護岸近傍に水草(あさざ等)を植えつけ、繁茂させることによって波を打ち消し、浅瀬を作ることにより、湿原帯を再生し、水質浄化能を回復させるために使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
湖・池・川等の護岸近傍に水草(あさざ等)を繁殖させ、打ち寄せる波を打ち消すことによって、浅瀬を形成し、ひいては、微生物の定着でき小型の魚類を繁殖可能な湿原帯を形成して、湿原帯を再生し、水質浄化能を回復させることにより自然を取り戻そうという考えが本格化してきた。
このため、従来において、湖・池・川等の護岸近傍に水草(あさざ等)を定植させる場合には、予め、素焼きの鉢に水草の苗を植え、この苗を植えた素焼きの鉢を船等によって、定植位置まで運び、その位置で水中に沈めることにより、水草の繁殖を図っていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318246
【特許文献2】
特開平11− 56138
【特許文献3】
特開2000−217452
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来における水草苗の定植方法にあっては、水草苗を植えた素焼きの鉢を船等によって定植位置まで運ばねばならないため、定植作業に手間がかかり、また、水草苗は、水中にそのまま残存する素焼きの鉢に植えられているため根の広がりが妨られ、充分に繁殖しにくいという不都合を有した。
【0005】
この発明の課題はこれらの不都合を解消することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、発明者は、湖・池・川等の浮遊物は波によって護岸近傍に寄せられることに着目し、この発明を完成した。
【0007】
この発明に係る水草定植装置においては、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製外枠と、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製内枠とを備え、前記生分解性プラスチック製外枠及び前記生分解性プラスチック製内枠の透孔を水溶性栓で塞ぎ、前記生分解性プラスチック製外枠内に前記生分解性プラスチック製内枠を培養土を介して嵌挿し、この生分解性プラスチック製内枠内に培養土を充填するとともにこの培養土に水草苗を植え、当該装置全体として水面に浮遊可能であるため、
湖・池・川等の水面に浮かべるのみで、自然の波、風で漂流し、護岸近傍まで運ばれ、その位置で、まず、前記外枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記外枠内の培養土と湖・池・川等の水とが連通し、この水草定植装置は水没する。その後、前記内枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記内枠内の培養土と湖・池・川の水とが連通し、水草苗への水分供給が可能となる。そして、生分解性プラスチック製外枠と生分解性プラスチック製内枠は一定期間後には溶解する。
【0008】
なお、前記生分解性プラスチック製外枠内の培養土を乾燥培養土とすれば、当該水草定植装置を浮遊しやすくすることができる。
【0009】
また、前記生分解性プラスチック製外枠内における前記培養土の上方に培養土膨張空間を設ければ、この培養土が水に湿潤した場合に、外枠外に溢れることはなく全て水草苗の培養土として使用することができる。
【0010】
また、前記生分解性プラスチック製内枠内における前記培養土の表面に浮き上がり防止錘を配置すれば、前記内枠及び水草苗ひいては前記外枠の浮上を防止できるため、水草苗を水底に確実に定植させることができる。
【0011】
【実施例】
図1はこの発明に係る水草定植装置の断面図、図2は同平面図、図3は同使用説明図である。
【0012】
図1において、Aは水草定植装置であり、当初は、水に浮遊するように構成されている。
【0013】
10はこの水草定植装置Aの外枠である。この外枠10は、従来存在する生分解性プラスチックによって有底円筒状に形成されている。また、11は上板であり、前記外枠10の上端に一体形成されている。この上板11は中心部に開口12を有している。
【0014】
次に、13,13,…は第一透孔であり、前記外枠10の底部に形成されている。この第一透孔13は前記外枠10の内外を連通している。14は第一水溶性栓であり、前記第一透孔13を塞いでいる。この第一水溶性栓14はでんぷん糊などの数日で水に流出する環境汚染のない水溶性の物質で形成されている。
【0015】
20は内枠であり、前記開口(外枠10の)12から侵入させ、前記外枠10内に余裕空間Sを介して支持具21,21 により設置されている。この内枠20は、前記外枠10と同様に従来存在する生分解性プラスチックによって有底円筒状に形成されている。なお、この内枠20の肉厚は前記外枠10の肉厚よりも薄く形成されているため、この内枠20は、水中において前記外枠10よりも早く溶解する。
【0016】
30は第一培養土であり、前記外枠10内における前記内枠20の周囲に充填されている。この第一培養土30はこの水草定植装置Aが水底に沈んだ後で前記内枠20が溶解した後に後記水草苗Pの生育を確保するためのものである。
【0017】
この第一培養土30は乾燥培養土であり、主成分として乾燥泥土と炭とボカシ肥を有している。この泥土としては浄水場より排出される泥土を、この炭としては紙業工場より排出されるくず炭を、ボカシ肥としては有機性資源より作成された堆肥などを原料として使用することで、廃棄物扱いされていた物質を有効利用することも可能である。
【0018】
31は培養土膨張空間であり、前記余裕空間Sにおける前記第一培養土30の上方に形成されている。この培養土膨張空間31は前記第一透孔13から前記外枠10内に水が浸入し、第一培養土30が湿潤膨張したときに、その増加した体積部分を収容するためのものである。
【0019】
23は第二透孔(この発明の「透孔」に相当する)であり、前記内枠20の底部に形成されている。この第二透孔23は前記内枠20の内外を連通している。24は第二水溶性栓であり、前記透孔23を塞いでいる。この第二水溶性栓24は前記第一水溶性栓24と同様に形成されている。
【0020】
次に、50は第二培養土であり、前記内枠20内に充填されている。この第二培養土50は普通の培養土であり、前記第一培養土30よりも湿潤である。この第二培養土50はこの水草定植装置Aが浮いている間における後記水草苗Pの生育を確保するためのものであり、その成分は前記第一培養土30と同様である。
【0021】
Pは水草苗であり、前記内枠20の第二培養土50に植えつけられている。この水草苗Pの先端は前記開口(外枠10の)12から僅かに突出している。また、60,60 ,…は小石(この発明の「浮き上がり防止錘」に相当する)であり、前記内枠20内における前記第二培養土50の表面にを配置されている。この小石60は前記内枠20及び水草苗Pひいては前記外枠10の浮上を防止して、水草苗Pを水底に確実に定植させるようにしている。
【0022】
図1〜図3に基づいて、この水草定植装置Aの使用方法を説明する。
図3の右側に示すように、湖等の水面にこの水草定植装置Aを浮かべる。すると、水草定植装置Aは波によって数日間(約3〜4日間)漂流し、最終的に岸壁R近傍に打ち寄せられる。この位置で、水草定植装置Aの外枠10の第一水溶性栓14が溶解して第一透孔13を介して水が前記外枠10内に浸入し、第一培養土30が湿潤膨張して、この水草定植装置Aは水没して水底に達する。その後、前記内枠20の第二水溶性栓24が融解して第二透孔23を介して水が前記内枠20内に浸入し、第二培養土50に供給される。
【0023】
この状態で、水草苗Pは生育し、ある程度生育した後前記内枠20が水に溶解し、この状態で更に水草苗Pが生育した後前記外枠10が水に溶解する。そして、最終的には、この水草苗Pは湖等の水底に繁殖する。
【0024】
【発明の効果】
この発明に係る水草定植装置は、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製外枠と、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製内枠とを備え、前記生分解性プラスチック製外枠及び前記生分解性プラスチック製内枠の透孔を水溶性栓で塞ぎ、前記生分解性プラスチック製外枠内に前記生分解性プラスチック製内枠を培養土を介して嵌挿し、この生分解性プラスチック製内枠内に培養土を充填するとともにこの培養土に水草苗を植え、当該装置全体として水面に浮遊可能であるため、
湖・池・川等の水面に浮かべるのみで、自然の波、風で漂流し、護岸近傍まで運ばれ、その位置で、まず、前記外枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記外枠内の培養土と湖・池・川等の水とが連通し、この水草定植装置は水没する。その後、前記内枠の透孔(底部の)の水溶性栓が溶けて(浮遊期間を考慮して数日後に溶けるようにしておく)、前記内枠内の培養土と湖・池・川の水とが連通し、水草苗への水分供給が可能となる。そして、生分解性プラスチック製外枠と生分解性プラスチック製内枠は一定期間後には溶解する。
【0025】
よって、この水草定植装置を使用すれば、従来のように、水草苗を植えた素焼きの鉢を船等によって定植位置まで運ぶ必要がないため、定植作業に手間がかからず、何人でもその作業能率を上げることができる。また、前記外枠および前記内枠は水中において一定期間後に分解するため、水草苗の根が広がりを妨げることはない結果その繁殖を阻害しないものである。また、浅瀬を作ることにより、湿原帯を再生し、水質浄化能を回復させることができる。
【0026】
なお、前記生分解性プラスチック製外枠内の培養土を乾燥培養土とすれば、当該水草定植装置を浮遊しやすくすることができる。
【0027】
また、前記生分解性プラスチック製外枠内における前記培養土の上方に培養土膨張空間を設ければ、この培養土が水に湿潤した場合に、外枠外に溢れることはなく全て水草苗の培養土として使用することができる。
【0028】
また、前記生分解性プラスチック製内枠内における前記培養土の表面に浮き上がり防止錘を配置すれば、前記内枠及び水草苗ひいては前記外枠の浮上を防止できるため、水草苗を水底に確実に定植させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る水草定植装置の断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同使用説明図である。
【符号の説明】
A … 水草定植装置
P … 水草苗
S … 余裕空間
10 … 外枠
11 … 外枠上板
12 … 外枠開口部
13 … 第一透孔(透孔)
14 … 第一水溶性栓(水溶性栓)
20 … 内枠
21 … 支持具
23 … 第二透孔(透孔)
24 … 第二水溶性栓(水溶性栓)
30 … 第一培養土(培養土)
31 … 培養土膨張空間
50 … 第二培養土(培養土)
60 … 小石(浮き上がり防止錘)
Claims (4)
- 底部に透孔を有する生分解性プラスチック製外枠と、底部に透孔を有する生分解性プラスチック製内枠とを備え、前記生分解性プラスチック製外枠及び前記生分解性プラスチック製内枠の透孔を水溶性栓で塞ぎ、前記生分解性プラスチック製外枠内に前記生分解性プラスチック製内枠を培養土を介して嵌挿し、この生分解性プラスチック製内枠内に培養土を充填するとともにこの培養土に水草苗を植え、当該装置全体として水面に浮遊可能であることを特徴とする湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置。
- 請求項1の湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置において、前記生分解性プラスチック製外枠内の培養土を乾燥培養土としたことを特徴とする湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置。
- 請求項2の湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置において、前記生分解性プラスチック製外枠内における前記培養土の上方に培養土膨張空間を設けたことを特徴とする湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置。
- 請求項1の湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置において、前記生分解性プラスチック製内枠内における前記培養土の表面に浮き上がり防止錘を配置したことを特徴とする湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002344694A JP3793842B2 (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002344694A JP3793842B2 (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004173608A JP2004173608A (ja) | 2004-06-24 |
JP3793842B2 true JP3793842B2 (ja) | 2006-07-05 |
Family
ID=32706068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002344694A Expired - Fee Related JP3793842B2 (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3793842B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105432452A (zh) * | 2014-08-29 | 2016-03-30 | 天津市天润森浦园林绿化工程有限公司 | 一种水中培养防护组件 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102630550A (zh) * | 2012-04-23 | 2012-08-15 | 兰州理工大学 | 一种可降解的试管促根抗旱育苗法 |
CN105940989A (zh) * | 2016-05-25 | 2016-09-21 | 合肥栖龙阁生态农业有限公司 | 一种水生植物种植装置 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002344694A patent/JP3793842B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105432452A (zh) * | 2014-08-29 | 2016-03-30 | 天津市天润森浦园林绿化工程有限公司 | 一种水中培养防护组件 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004173608A (ja) | 2004-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4916294B2 (ja) | 草体移植具および水底における草体の移植方法 | |
JP4358833B2 (ja) | 植栽基盤 | |
JP2002205092A (ja) | 水質浄化用植裁 | |
JP3793842B2 (ja) | 湿原帯を再生し水質浄化能を回復させる水草定植装置 | |
JP3482619B2 (ja) | ヨシを利用するヘドロ処理施設及びヘドロ処理方法 | |
US5007377A (en) | Apparatus and method for marine habitat development | |
JP4247285B2 (ja) | 沈水植物群落の再生方法及びそれによる水質浄化方法 | |
JP2002330651A (ja) | 藻場造成方法と藻草育成ネット | |
JPH0929283A (ja) | 水生植物による水浄化用装置 | |
JP2002171854A (ja) | 多年生海藻の育成方法および育成器具 | |
CN111742834A (zh) | 一种硬质水底水生植物快速定植方法 | |
CN215905939U (zh) | 一种改善城市静态景观水体富营养化的处理装置 | |
JP2002159229A (ja) | 海藻・藻場の造成方法および装置 | |
JP2004236560A (ja) | 藻場造成に使用する藻草育成エンチョーネット | |
JP4397446B2 (ja) | 植生浮島 | |
JP2002330652A (ja) | 藻場造成方法と藻草育成プランター | |
JP2701136B2 (ja) | コンクリート製植栽基盤 | |
JP4217946B2 (ja) | ヨシの育苗方法及び移植方法 | |
JP2001095416A (ja) | 浮島漁礁とそれを用いた魚類の集魚方法 | |
JP2004065141A (ja) | 育苗装置 | |
JPH0436609Y2 (ja) | ||
JP2005312429A (ja) | 浮水構造体 | |
JP3128386U (ja) | Frp製浮揚漁礁 | |
JPH025728Y2 (ja) | ||
KR100281524B1 (ko) | 폐타이어를 이용한 수경재배 구조물과 이를 이용한 수경농업 및 수질정화방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051108 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051214 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060322 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |