JP3793665B2 - 電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3793665B2
JP3793665B2 JP17389099A JP17389099A JP3793665B2 JP 3793665 B2 JP3793665 B2 JP 3793665B2 JP 17389099 A JP17389099 A JP 17389099A JP 17389099 A JP17389099 A JP 17389099A JP 3793665 B2 JP3793665 B2 JP 3793665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
valve metal
metal foil
conductor
electrolytic capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17389099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000348983A (ja
Inventor
誠吾 白石
恵美子 井垣
正和 棚橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP17389099A priority Critical patent/JP3793665B2/ja
Publication of JP2000348983A publication Critical patent/JP2000348983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3793665B2 publication Critical patent/JP3793665B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁作用金属を用いた電解コンデンサとこれに利用される陽極体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電解コンデンサは、アルミニウムやタンタルなどの弁作用金属陽極として利用して、金属の表面に形成した酸化物皮膜 を誘電体層 として利用して、陽極体とされ、さらに陰極には溶液電解質や固体電解質を用いる。それは、さらに、弁金属と電解質にそれぞれ陽極リード部と陰極リード部が接続され、外装が施されている。
【0003】
従来の陰極としての電解質には、例えば、アルミニウム電解コンデンサでは有機酸を含む有機溶媒等が用いられて、タンタル電解コンデンサでは二酸化マンガン等が用いられてきた。
【0004】
さらに昨今は、電子回路のディジタル化に対応して、電子部品の高周波対応性が求められてきている。電解コンデンサにおいても、低インピーダンス化による高周波応答性の向上を図るために、陰極用電解質に電気伝導度の高い導電性高分子材料が適用され、他方では、電気電子機器の小型化に伴い、これらに用いる電解コンデンサに対しても小型化と大容量化の要求が高まってきている。
【0005】
ところで小型大容量化を達成するために、電解コンデンサに用いられる陽極体について、特に多数の弁金属箔を積層した陽極体も知られている。例えば、特開昭61−30020号では、陽極体を開示するが、所定の大きさに打ち抜いた弁金属箔を積層して、弁金属箔同士を溶接 により一体化し、その後に積層体が陽極酸化され各弁金属層上に誘電体酸化皮膜を形成した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の方法には主に以下の2点で問題があった。第一に、陽極酸化する前に弁金属箔を積層し、その後に積層体の状態で陽極酸化を行うと積層体の内部まで十分陽極酸化を行うことが極めて困難であり、結果として十分な誘電体酸化皮膜を形成できなかった。誘電体酸化皮膜が十分に形成できないと、最終製品である電解コンデンサは、単位体積あたりのコンデンサ容量が設計時に期待した容量より低かったり、耐電圧値が低くなってしまう。
【0007】
さらに、第二に、電子部品小型化の要求に対し、従来の方法では、積層する前に金属箔を所定の大きさに打ち抜くので、小型の陽極体を得るためには積層する金属箔を最終形状に合わせて小さくする必要があった。小さな金属箔は、製造上の限界があり、その小さな金属箔を積層することはさらに困難であった。
【0008】
本発明の目的は、電解コンデンサに用いられる弁金属箔を積層した陽極体の内部まで十分な誘電体酸化皮膜の形成が可能な陽極体とその製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、陽極体全体がもつべき静電容量をより効率よく取り出すことができる陽極体とその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、小型化を量産的に実現できる電解コンデンサ用の陽極体を提供すること、およびその簡易な製造方法を提供せんとするものである。
本発明の更なる別の目的は、さらに、より低いインピーダンスで優れた高周波特性を有する電解コンデンサとその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、陽極弁金属箔の積層体と積層体の積層方向を取り囲む枠体により一体化した陽極体を、電解コンデンサの基本構成とするものである。このコンデンサ陽極体においては、固定用枠体が、表面に予め誘電体酸化皮膜を形成した複数枚の陽極弁金属箔の積層体の少なくとも上下の面を固定して、積層体を固定させ、積層体の両側の側面に、各陽極弁金属箔の縁部を露出させる。
【0010】
この陽極体の構造は、陽極弁金属箔に既に誘電体層を具備するので、露出した各陽極弁金属箔の縁部より電解液を浸透させることにより誘電体層上に陰極を形成して電解コンデンサを得る。
さらに、固定用枠体は、その材料に弁金属を利用して、陽極弁金属箔と接触させることにより、電解コンデンサの陽極用の導電体とすることもできる。
【0011】
上記の陽極体は、電解質に固体の導電性高分子を利用して、固体電解コンデンサの基本構造としても利用することができる。この固体電解コンデンサでは、積層体の各陽極弁金属箔上に陰極層として導電性高分子層を形成し、積層体の側面に露出した陰極層に陰極用電導体を接続固定する。
【0012】
このような、陽極体ないし電解コンデンサは、積層体の両側側面間の距離、すなわち、積層体の幅を小さくすることができ、これにより、各陽極弁金属箔の誘電体層から陰極用電導体に至る陰極層の電気的経路を短くすることができ、コンデンサの内部インピーダンスを低下させる利点がある。
【0013】
本発明の陽極体は、固定枠体を、弁金属から構成し、陽極弁金属箔の金属部分と電気的に接続するように構成し、最終製品の電解コンデンサにおいて陽極端子を兼ねるようにすればさらに小型化が図れる。
【0014】
本発明の電解コンデンサとその陽極体の製造方法は、共通して、陽極酸化された陽極弁金属箔が積層され、積層された弁金属箔が、長いチャンネル状の枠材の溝部内に嵌め込んで枠付けされる。この枠付けされた積層材を、弁金属箔の積層面にほぼ垂直方向に、所望の間隔で切断する。これにより、所望の厚みの切断された多数の陽極体又はコンデンサ素子を得る。
【0015】
積層材の切断面が、陽極体の側面又は、コンデンサ素子の側面とされ、多数の弁金属箔の縁部が露出している。切断の際に、切断幅を狭くすることにより、切断された積層体の各弁金属箔は、矩形にすることができ、積層体の幅を小さくすることができる。
【0016】
特に、コンデンサ素子とするには、陽極酸化された陽極弁金属箔には、予め、陰極層として固体の導電性高分子の薄層を形成して、弁金属箔を集積することにより、切断されたコンデンサ素子には、陽極弁金属箔の誘電体酸化皮膜層上に陰極層を備え、側面からは、弁金属箔の縁部と共に、陰極層が露出している。
【0017】
本発明電解コンデンサは、積層体の両側の側面に、陽極弁金属箔上に既に形成された導電性高分子層が露出しているので、陰極用導電体を、積層体の側面に形成することによって陽極弁金属箔上の導電性高分子層に接続することができる。他方、陽極弁金属箔の金属部とは誘電体層により絶縁される。他方の陽極用導電体は、陽極弁金属箔の金属部と接続される。このようにして、陰極用と陽極用の導電体を備えた電解コンデンサが得られる。
【0018】
この電解コンデンサは、積層体の側面に露出した陰極層、即ち、導電性高分子層に陰極電導体を接続固定するので、切断された積層体の幅を小さくすることにより、各陽極弁金属箔の誘電体層から陰極用電導体に至る陰極層の電気的経路を短縮して、内部インピーダンスを低下させる。
【0019】
さらに本発明の電解コンデンサに、上記の電解コンデンサの複数個を重積して、陽極用導電体同士、及び陰極用導電体同士を、それぞれ、陰極リードと陽極リードとに接続固定した重積型電解コンデンサを含む。
これにより、電解コンデンサを単位コンデンサとして、所望数を並列接続することにより、所望容量のコンデンサを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の電解コンデンサ用の陽極体は、表面に誘電体層を形成した弁金属箔の積層体と、積層体を固定する固定枠体とから成る。弁金属箔を陽極に利用するが、弁金属箔は、予め表面が陽極酸化されてその金属の酸化物皮膜が形成されて、誘電体層に利用される。
【0021】
積層体は、金属箔は、表面を対面させながら、多層に積層され、固定枠体が、積層体の上面と下面を押圧することによって積層体に一体的に固定されて、陽極体とされる。これにより、積層する前に箔の状態で誘電体酸化皮膜を形成し、その後積層するので、積層体のままで十分な誘電体酸化皮膜が形成された陽極体が実現できる。
【0022】
本発明のコンデンサ陽極体は、矩形状の陽極弁金属箔を重積し、その長辺と積層体の積層方向とでなす側面に少なくとも片側には、枠体は配置されない。これにより、本発明の陽極体に陰極層として電解質溶液や固体電解質を担持し形成した場合にも、この担持もしくは形成した陰極の物理的長さ、即ち、静電容量を引き出す際の経路を最短距離にすることができる。この結果、電解コンデンサのインピーダンスを低くすることが可能となる。
【0023】
さらに詳しくは、本発明の陽極体においては、陽極用の弁金属箔は、表面に安定で薄い酸化皮膜を形成し、酸化皮膜が絶縁抵抗と高い誘電率を備えた金属から選ばれる。弁金属には、アルミニウム、タンタル、又はチタニウムを利用することができる。
【0024】
弁金属箔は、予め粗面化されて、比表面積が拡大されているのが、大きい容量を得るのに好ましい。特に粗面化は、弁金属箔の表面上で、陰極層が形成される領域に適用される。
【0025】
誘電体層は、弁金属箔の表面の全部又は大部分に、陽極酸化処理により酸化皮膜を作ることによって成される。積層体は、弁金属箔の誘電体層が互いに対面するように重積される。
【0026】
固定枠体は、積層体の外周に添えて少なくとも上面と下面とを押圧する部材であり、閉環状でも、開環状であってもよい。通常は上面と下面と端面とを囲むヨークが利用される。一対のヨークにより積層体の外周取り囲む閉環状にでき、1個のヨークにより、開環状にもできる。固定枠体は、合成樹脂などの絶縁体か、金属による導体でもよい。
【0027】
特に、金属の固定枠体が、陽極弁金属箔の金属部分と電気的に接続して積層体を固定するために利用できる。金属製の固定枠体は、弁金属から成り、枠体の表面は、陽極酸化処理により絶縁層が形成されている。これにより、固定枠が陰極層の導電性高分子層と接触しても、その電気的な短絡が防止できる。
特に、このような固定枠体は、弁金属箔と導通させて、陽極層と電気的に接続することができ、この場合には、固定枠体にはその外面に金属端子部を設け、陽極配線部材の役割を兼ねる。
【0028】
本発明の電解コンデンサは、このような陽極体を基本構造にして、さらに、陰極層としての導電性高分子層と、この陰極層に接続される陰極導電体と、陽極層としての弁金属箔に接続される陽極導電体とが含まれる。
導電性高分子層は、陽極体の積層された各弁金属に、その誘電体層上に、適用され、陰極層として利用される。導電性高分子層は、陽極体の積層体中に、含浸される。導電性高分子層を重積前の各弁金属箔に予め添着して後に積層体に重積することもできる。
【0029】
陰極層としての導電性高分子層には、複素環式5員環化合物から、特に電導度の大きい化合物、例えば、ピロールのポリマーが利用できる。導電性化合物のモノマーは、陽極弁金属箔の表面上で酸化重合反応により、ポリマー層となって接着する。
【0030】
陰極導電体は、金属片、導電性ポリマー、導電粒子含有ペーストなどが、積層体の露出した側面に適用されて、陰極層の導電性高分子層に電気的に接続される。
【0031】
他方の陽極導電体は、積層体の弁金属箔の金属に接続される。積層体に貫通する金属ワイヤ又はピンにより、多層の弁金属箔と接触する構造が採用できる。
また、積層体の矩形弁金属箔の長辺を含む側面上に、金属片を多層の弁金属箔に溶接して導通させる構造も採用できる。
多層の弁金属箔を溶接により加熱して相互に溶融短絡させて導通を図ることも可能である。
【0032】
さらに、陽極導電体は、積層体の矩形弁金属箔の短辺を含む端面上に形成されてもよい。端面の利用は、陰極導電体又はコンデンサの厚みを大きくしない利点が有る。
【0033】
このような陽極導電体は、上記の金属製の固定枠体と接続し、その外面に設けた金属端子部を陽極配線部材とすることができる。陽極導電体は、別個の導体リードと接続されることもできる。
【0034】
このようにして、本発明の電解コンデンサは、それぞれ誘電体層とを有する複数の弁金属箔と誘電体層上の導電性高分子層とから成る積層体と、積層体を固定する固定枠体と、各弁金属箔を互いに接続する陽極用導電体と、各導電性高分子層を互いに接続する陰極用導電体とから、構成されている。積層体は、固定枠体が、積層体の上面と下面とを押圧することによって固定され、陰極用導電体が、各導電性高分子層と直接接触するように積層体の側面に形成され、かつ、各弁金属箔とは酸化皮膜を介して絶縁されている。
【0035】
このコンデンサ構造は、各々充分に静電容量を保持している弁金属箔を、固定枠体で固定して単位体積当たりの静電容量を増大させることができ、小型かつ大容量の電解コンデンサを実現することができる。
【0036】
本発明の陽極体の製造方法は、弁金属箔の表面のすくなくとも一部分に誘電体酸化皮膜を陽極酸化して形成すること、複数の陽極弁金属箔を積層すること、積層した陽極弁金属箔を積層方向に固定し固定枠材を取り付けること、枠付けした積層材を切断して、所要形状の複数の陽極体に分離することにより製造される。
【0037】
さらに、このようにして提供された陽極体には、電解液を充填して、陽極弁金属箔の誘電層上に陰極層を形成すること、電解液に電気的に接続される陰極用導電体、例えば、金属容器を形成することがなされて、コンデンサ素子とされる。
【0038】
さらに、本発明の電解コンデンサの製造法は、複数の帯状の弁金属箔に各々酸化皮膜を介して導電性高分子層を形成すること、導電性高分子層が形成された複数の弁金属箔を積層して積層材を形成すること、該積層材の上面と下面とを固定枠材で挟持して、積層された複数の弁金属箔を固定すること、枠付けされた積層材を、長手方向に垂直に所定形状の複数のコンデンサ素子に切断して、弁金属箔の積層体が固定枠体で固定された個々のコンデンサ素子にすること、コンデンサ素子を陽極酸化すること、コンデンサ素子に各導電性高分子層に電気的に接続され陰極用導電体を形成すること、から成っている。
【0039】
このような陽極体及びコンデンサ素子の製造方法により、第一に、弁金属箔の表面に誘電体酸化皮膜を事前に形成して陽極弁金属箔とし、その後に積層することにより、箔の状態で必要十分な誘電体酸化皮膜を事前に形成することができる。この結果、最終的に、積層体の深部にまで十分な誘電体酸化皮膜をもった電解コンデンサとすることができる。
【0040】
この方法は、第二に、積層した長尺の陽極弁金属箔を固定するために積層材に長尺の固定枠材を取りつけて、その後枠材ごと積層材を切断することができ、より小型の陽極体素子の多数の製造が容易となる。
【0041】
積層体の切断面は、多数の金属箔が露出するので、上記積層体の側面として、陰極層及び陰極導電体の形成に利用することができ、切断間隔を調整して、積層体の両側面間の幅、即ち厚みを小さく確保でき、コンデンサのインピーダンスの低下と同時に小型化を図ることが容易となる。
【0042】
本発明の方法は、こうして、大きな積層体を製造し、それを多数に分割して必要形状の素子とすることができ、小型の陽極体素子の効率のよい量産が容易になるのである。
【0043】
第三に、陽極体を陽極酸化することが可能である。切断により所要の形状に加工した陽極体素子の金属露出部を再び陽極酸化することにより、積層や機械加工によって生じた欠陥やストレスを後で修復することができる。
【0044】
本発明の製造方法は、複数の陽極弁金属箔の積層材に固定枠材を取り付けた後、陽極弁金属箔の積層体を貫通して、電気的に接続する陽極導電体を設けることを含んでもよい。陽極導電体は、固定枠体と電気的的に接続を図ることもできる。
【0045】
このような陽極導電体としては、長手方向に等間隔に、積層体及び枠体を貫通する金属ワイヤ又はピンを利用することができる。
切断の工程では、所要形状の複数個の陽極体に分離され、得られた各陽極体にそれぞれ陽極導電体を含むことができる。さらに、固定枠体に弁金属材料を利用することにより、固定枠体は、積層体に接続できるので、陽極側配線部材に直接利用することができる。
【0046】
この製造方法により、全ての弁金属箔相互の電気的接続がより完全になり、陽極体全体がもつ静電容量をより効率よく取り出すことが可能なコンデンサ陽極体の製造が可能になる。
【0047】
実施の形態1
本発明の陽極体11は、図1(A)と(B)に示すように、狭幅の外形矩形の環状の固定枠体2と、該枠体2により外周縁が取り囲まれた積層体10とから成り、積層体は、表面の一部に酸化皮膜を形成した細帯状の弁金属からなる陽極弁金属箔(この例では、アルミニウム箔)3、3・・・の各片が対面するように多数積層されている。
【0048】
図1(B)と(C)に示すように、各陽極弁金属箔3は、箔の表面状に酸化被覆部34と金属表面部36とが、区分されて形成され、各箔の金属表面部36、36同士が、互い接触して電気的に導通するようにされている。
【0049】
アルミニウムの陽極弁金属箔3の表面の一部を、図1(C)に拡大して図示するが、酸化皮膜部34は、箔表面が粗面化され、この粗面化された表面に酸化アルミニウムの皮膜を形成して誘電体酸化皮膜31が形成されている。
【0050】
弁金属箔、例えばアルミニウム箔の積層体10は、固定枠体2によりその積層方向に挟持されて固定される。固定枠体2はこの例では、弁金属のアルミニウムから形成され、半割状のヨークを端部同士を突合せて、環状にされている。この枠体2は、積層体10の個々の陽極弁金属箔3中の誘電体酸化皮膜31が形成されていない金属表面部36を介して、ほぼすべての陽極弁金属箔3と電気的に接続されている。尤も、陽極弁金属箔3の金属表面部36も粗面化されていてもよく、積層状態で、金属表面部36が相互に接触して導電が確保できる。
【0051】
この弁作用金属の固定枠体2は陽極弁金属箔3との金属表面部36と電気的に接続されており、最終製品の電解コンデンサにおいて陽極端子を兼ねることができ、コンデンサの小型化を図ることができる。
【0052】
このような陽極体11は、積層体10の層間に電解質を含浸させて、容器内又は樹脂に封入され、枠体の端子部又はそのリードと、電解質(不図示)に接続されたリードとを対極として、コンデンサが形成される。
【0053】
金属固定枠体2は、積層体の周囲を積層方向に強圧するようにかしめて覆うが、好ましくは、積層体の箔の重積した側面が露出するように配置される。特に図1(A)と図2(A)で、矢印で示した積層方向と矩形の陽極弁金属箔3の長辺とでなす面Xには弁作用金属の固定枠体2を配置しておらず、これにより弁金属箔2の長片側縁部が露出されている。
【0054】
このような構成により、コンデンサ陽極体の静電容量、すなわち誘電体酸化皮膜31としての酸化アルミニウム皮膜に帯電した静電容量を別の陰極を介して引き出す際、陰極の物理的長さ、言い換えれば静電容量を引き出す際の経路を最短距離にすることができる。この結果、最終製品である電解コンデンサのインピーダンスを低くすることが可能となる。
【0055】
固定枠体2は、1つのヨークだけの半割状として、積層体の積層方向を加圧できるものも利用される。図7(A)には、この例の固定枠体2の態様を示すが、固定枠体2は、アルミニウム等の金属の1つのヨークだけを用いて、半割状にして陽極弁金属箔3の積層体10における金属表面部36側を積層方向に挟むようにして固定することもできる。
【0056】
コンデンサ陽極体の金属端子部57は、直接に陽極端子として利用され、又は陽極用のリードを接続するための端子として利用される。金属端子部57は、溶接したリード線等であってもよい。
【0057】
図2(A)、(B)は、別の陽極導電体を利用する形態の例を示す。導電体5が、アルミニウムの固定枠体2と積層体10をなす陽極弁金属箔3の金属表面部36とを積層方向に貫通するように配置されて、導電体5がアルミニウム枠体2と各陽極弁金属箔3との電気的な接続を確実にしている。導電体5には枠体2と同じ材料のアルミニウムのワイヤーが好ましく利用される。
【0058】
図7(B)は、導電体を貫通した固定枠体2の別の例を示す。固定枠体2は、アルミニウム等の金属の1つのヨークだけを用いて、開環状として半割状のまま開環状として、陽極弁金属箔3の積層体の主に金属表面部36を積層方向に挟むようにして固定することもできる。この場合も、金属ワイヤの導電体5は、固定枠体2と積層された金属表面部36の陽極弁金属箔3とを貫通して、固定枠体2と陽極弁金属箔との電導を確保することができる。
【0059】
以上のことから、陽極体内部まで十分な誘電体酸化皮膜の形成が可能で、陽極体全体がもつ静電容量をより効率よく取り出すことができる。陽極体は、さらに市場からの要求である小型化に対しても応えられ、かつ最終製品である電解コンデンサに用いた場合にそのインピーダンスを低くすることが可能な陽極体を提供することができる。
【0060】
実施の形態2
本発明の陽極体の製造方法は、図3と図4に示すが、弁作用金属の比較的長い箔に酸化皮膜を形成して陽極弁金属箔に調製し(a)、この陽極弁金属箔を多数枚重積して積層し(b)、この積層材に固定枠材を取り付けて積層材を一体化し(c)、次いで、積層体を切断して、所望形状の多数の陽極体に分離する(d)の各工程から成っている。
【0061】
陽極弁金属箔3の調製工程(a)において、アルミニウムやタンタル等の長い金属箔が利用される。これら金属箔は、箔長手方向に対して、その表面の幅方向の一部を金属表面部36として残して、他の部分を粗面化して誘電体酸化皮膜を陽極酸化して酸化被覆部34とし、陽極弁金属箔とする(図4(A))。
【0062】
また、この陽極弁金属箔の調整工程(a)においては、弁金属の表面全面を粗面化と酸化皮膜の形成とを行い、次いで、その表面の一部だけを研磨するなどして酸化皮膜を除去して金属の表面を露出させ、金属表面部36とする方法も採用できる。
【0063】
弁金属箔の表面を粗面化する上記エッチング方法としては、電解液中での交流エッチングもしくは直流エッチング等の従来の技術を用いることができる。誘電体酸化皮膜31を形成には、従来の陽極酸化液中で定電圧陽極酸化の方法が用いられる。定電流陽極酸化による方法や、特に、熱処理して誘電体酸化皮膜を形成する別の方法も利用できる。
【0064】
陽極弁金属箔の積層工程(b)では、上記の(a)の工程で得られた個々の陽極弁金属箔3を、図4(B)に示すように、誘電体酸化皮膜31を形成しなかった金属表面部36を互いに接触させて多数の金属箔を重積させる。
【0065】
次の固定枠材を取り付ける工程(c)では、固定枠体2には、好ましくは、弁作用金属を使用して、この例では、枠材として2つ枠体2a、2bの金属チャンネルを使用して、図4(C) に示すように、積層材は、チャンネルの内側にはめ込まれて、一体化される。
【0066】
固定枠体2の取付けに際し、必要であれば、例えば弁金属箔の積層体に固定枠材2をプレス等により加圧されるのが好ましい。固定枠材が陽極弁金属箔3の積層体をその積層方向から挟持して、陽極弁金属箔同士の間、及び陽極弁金属箔と固定枠材との間の電気的接続および物理的固定を確実にすることができる。
【0067】
積層材を切断する工程(d)は、固定枠材2としてのチャンネルで固定された積層体を、ダイシングソー により所望の間隔で切断して、スライスし(図4(D))、その切断面を研磨することで必要形状の複数個の陽極体素子に加工する。切断加工の方法は、切削や研削の他の方法も採用できる。
【0068】
陽極体素子の再度陽極酸化工程(e)は、上記の工程(d)により得られた所望形状の陽極体素子を再び陽極酸化する。陽極酸化により機械加工により生じた弁作用金属の固定枠体2と金属箔との切断表面に誘電体酸化皮膜31の酸化アルミニウム皮膜を形成する。この再陽極酸化の方法には、上記工程(a)において使用された陽極酸化方法、例えば、陽極酸化液中で定電圧陽極酸化や定電流陽極酸化の方法が利用される。
【0069】
上記工程を順次行い、最後に、金属枠体の外面の一部を研磨することにより、陽極体素子の一部分に金属端子部57を形成し、最終的に図1に示したようなコンデンサ陽極体が得られる。
【0070】
図5と図6には、陽極導電体を設けた別の実施の形態を示す。製造工程は、陽極弁金属箔の金属表面部と弁作用金属の固定枠体とを電気的に接続した導電体を形成する工程(D)を備えている。
【0071】
この工程は、固定枠材2で固定された積層体に、図6(D)に示す如く、固定枠材2と陽極弁金属箔3中の金属表面部36とを貫く貫通孔50を長手方向に一定間隔で設ける。次いで、この貫通孔50に導電体5として金属ワイヤ51を挿通する。金属ワイヤとしては、アルミニウム、タンタル、又はチタンが利用される。金属ワイヤーは、弁作用金属の固定枠材2と各層の陽極弁金属箔3すべてと電気的に接続される。
【0072】
切断の工程(e)においては、固定枠材ごと積層体をスライスして、薄い陽極体にする(図6(E)。枠付けした積層材は、切断後の各陽極体素子にそれぞれ導電体5を含むような位置でダイシングソーを用いて切断する。この場合には、挿通された金属ワイヤの間をダイシングすることにより、切片に切断され、各切片には、少なくとも一本の導電体ワイヤが貫通されて固定されている。
【0073】
このように切片の切断面は、積層体の側面Xとして利用され、切断面を研磨することにより、露出した表面Xが得られ、所望形状の複数個の陽極体素子を得る。次いで、同様に、誘電体酸化皮膜を再度陽極酸化して、素子の切断端面に酸化皮膜を形成する。
【0074】
以上上記工程を順次行い、最後に陽極体素子の金属枠体の表面を研磨して陽極体素子の一部分に金属表面を露出させ、接続端面とし、最終的に図2に示したようなコンデンサ陽極体を得る。
【0075】
(実施例1)
エッチング工程(a)は、金属箔に純度99.98%以上の厚み100μm、幅20mmのアルミニウム帯(軟質材)を利用した。その帯状箔の幅15mmだけエッチングして粗面化された。エッチングは、30℃の濃度10wt%、塩酸溶液中に浸漬して、電流密度0.2A/cm2、20Hzの交流電流でなされた。エッチング部分だけが下記の条件で陽極酸化された。陽極酸化条件は、陽極酸化液:アジピン酸アンモニウム5wt%水溶液、陽極酸化液温度:60℃、陽極酸化電圧:12Vであった。
【0076】
金属箔は、図4に示したように一部分に金属が露出する部分としての幅5mmのアルミニウム金属表面部36と幅15mmの酸化被覆部34とが形成された。積層工程(b)は、帯状の陽極弁金属箔3を、金属表面部36が相互に重なるように50層に積み重ねて、積層体とした。
【0077】
固定枠材の取り付け(c)では、枠材20にアルミニウム(純度99%以上)のチャンネル(開口部5mm、板厚1mm)を2個使用し、工程(b)で得られた積層体を開口部の空所に、図面のように、嵌め込んだ。この結果、弁作用金属の固定枠材2のチャンネルは、個々の金属表面部により、陽極弁金属箔3の陽極層と電気的に接続された。
【0078】
切断工程(d)では、積層体を固定枠材ごと長手方向に垂直にダイシングソーにより、2mmの間隔で切断して、多数の切片に分離した。これらの切片の切断面をサンドペーパで研磨し、7mm×22mm×厚み2mmの形状の複数個の陽極体素子に加工した。
【0079】
工程(e)では、得られた陽極体素子は、工程(a)と同様にして、再陽極酸化された。主に弁作用金属の固定枠材20としてのチャンネルの表面および(d)工程における切断により露出したアルミニウム端面に誘電体層31を形成した。
【0080】
金属枠体の外面を研磨して、素子の一部分に金属端子部57としてアルミニウム表面を露出させ、最終的に図1に示すようなコンデンサ陽極体を得た。
【0081】
この実施例1で得られたコンデンサ陽極体を静電容量を導電率50mS/cmのホウ酸アンモニウム水溶液中、10Hzで測定した結果、1052μF(同様の陽極体素子10個測定時の平均値)であった。
以上の結果、陽極体内部まで十分な誘電体酸化皮膜の形成が可能となり、陽極体全体がもつ静電容量をより効率よく取り出すことができ、かつ小型であるコンデンサ陽極体を得た。
【0082】
(実施例2)
上記の工程(a)、(b)及び(c)は、実施例1と同じにして、積層体に固定枠材を取り付けた。
次いで、導電体接続工程(d)は、固定枠体2により固定された積層体に、図6の如く、アルミニウムチャンネルと陽極弁金属箔3中の金属部分36とを貫く1mmΦの貫通孔を多数設けた。個々の貫通孔に導電体5としてのアルミニウムワイヤーを隙間なく挿入した。
【0083】
任意の形状の複数個の陽極体素子に分離する工程(e)では、上記の工程(d)で得られた固定枠材20としてのアルミニウムチャンネルと導電体5のアルミニウムワイヤーとを備えた積層体を、切断後の各素子にそれぞれ導電体5が具備するような位置でダイシングソーを用いて切断し、サンドペーパで研磨して、7mm×22mm×厚み2mmの形状の複数個の素子を得た。
【0084】
この実施例2で得られたコンデンサ陽極体を上記のホウ酸アンモニウム水溶液中、10Hzで測定した結果、1105μF(同様の陽極体素子を10個測定した時の平均値)であった。
【0085】
以上の結果、陽極体内部まで十分な誘電体酸化皮膜の形成が可能となり、陽極体全体がもつ静電容量をより効率よく取り出すことができ、かつ小型であるコンデンサ陽極体を提供することが可能となる。さらに本実施例2によるコンデンサ陽極体では導電体5としてのアルミニウムワイヤーを形成した結果、陽極弁金属箔と固定枠材20としてのアルミニウムチャンネルとの電気的接続がより確実かつ信頼性が高くなることは明らかである。
【0086】
実施の形態3
本発明の電解コンデンサは、図8と図9に示すように、狭幅の外形矩形の環状の固定枠体2と、該枠体により周縁が取り囲まれた積層体10とから成り、積層体は、表面の一部に酸化皮膜を形成した細帯状の弁金属からなる陽極弁金属箔(この例では、アルミニウム箔)3、3・・・の各片が対面するように多数積層されている。
【0087】
各陽極弁金属箔3は、箔の表面状に陰極領域35と陽極領域37とが、区分されて、形成され、各弁金属箔3の金属表面部同士が、互い接触して電気的に導通するよう陽極導電体により接続されている。
【0088】
他方、各弁金属箔3の陰極領域35の表面には、陰極層6としての導電性高分子層が形成されている。アルミニウム箔の陽極弁金属箔の表面の一部を、図10に拡大して図示するが、陰極領域35は、箔表面が粗面化され、この粗面化された表面に酸化アルミニウムの皮膜を形成して誘電体酸化皮膜31が形成され、誘電体層の上には、陰極層6としての導電性高分子層が適用されている。
【0089】
図8において、各弁金属箔3の陰極部35を含む積層体10の周囲は、陰極導電体7が接着されて、陰極層に電気的接続されている。
この電解コンデンサは、陽極導電体5と陰極導電体7とには、それぞれ、配線リードが、形成されている。
【0090】
電解コンデンサ1において、陰極用導電体7に比較して陰極層6の導電性高分子層の抵抗値が大きいので、電解コンデンサ1のインピーダンスは、導電性高分子層6の抵抗値と電解コンデンサ1の酸化皮膜31に帯電した電荷を引き出す導電性高分子層6における経路長によって決定される。従って、誘電体層31の表面と陰極用導電体7との間に位置する導電性高分子層6における電荷の経路長を短くすることが電解コンデンサ1のインピーダンスを低くするために効果的である。以上のような理由で、電解コンデンサ1のように、陰極用導電体7を積層体10の長辺側の側面に設けると、電荷の経路を物理的に最短にすることができるので、電解コンデンサ1のインピーダンスを低減することができる。
【0091】
さらに、本実施の形態の電解コンデンサに金属端子等を取り付け、樹脂等によりモールドして製造されるチップ形状のコンデンサ部品のインピーダンスも低減されたものとなる。
【0092】
しかしながら、本発明の電解コンデンサは、各弁金属箔の長辺を含む側面に陰極用導電体を備えた構造以外に、各弁金属箔の短辺を含む側面に陰極用導電体を備える構造であってもよい。
【0093】
上記の積層体の側面に接続された金属箔からなる陽極用導電体に替えて、積層体をなす各弁金属箔の陽極領域を溶接して導電させることもできる。この電解コンデンサは、積層体の側面に陽極用導電体を接続する必要がないので、電解コンデンサの厚みの増加を抑制し、電解コンデンサをさらに小型化することができる。
【0094】
実施の形態4
次に、電解コンデンサ1の製造方法について説明する。図12に示すように、電解コンデンサ1は、
(a)一次弁金属箔の所定の領域に粗面処理を施し、酸化皮膜を介して導電性高分子層を形成する一次弁金属箔調製工程と、
(b)導電性高分子層を備えている一次弁金属箔を積層する積層工程と、
(c)積層された一次弁金属箔に固定枠材を取り付け一体化する固定枠体取付け工程と、
(d)固定枠材で固定された一次弁金属箔を所定の寸法に切断し、切断された一次弁金属箔が積層されているコンデンサ素子を作製する切断工程と、
(e)コンデンサ素子に陽極用導電体を接続する陽極用導電体形成工程と、
(f)陽極用導電体を備えているコンデンサ素子を陽極酸化する陽極酸化工程と、
(g)コンデンサ素子の各弁金属箔の導電性高分子層に接触する陰極用導電体を形成する陰極用導電体形成工程とを経て製造される。
【0095】
以上の工程は、切断工程までは、酸化皮膜を介して導電性高分子層を形成して容量部にする工程を除いて、基本的に前述の陽極体の製造工程と同じである。
【0096】
図11(A)を参照して、金属箔調製工程(a)の一次弁金属箔30に容量部の形成においては、弁金属表面は、一次弁作用金属30酸化皮膜を介して導電性高分子層を形成すべき陰極領域35と、陰極領域35以外の陽極領域37とに区分される。図10に概念的に示すように、弁金属箔3は、粗面化処理が施されかつ、酸化皮膜31を介して導電性高分子層6が形成されている陰極領域35と酸化皮膜31が形成されていない陽極領域37とを備えている。
【0097】
一次弁金属箔30の長手方向に延びる陰極領域35の表裏両面が粗面化される。次に、陽極酸化溶液中で定電圧陽極酸化処理を施して陰極領域35の表裏両面に酸化皮膜を形成し、さらに酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する。このようにして、陰極領域35、導電性高分子層及び陰極領域35と導電性高分子層とに挟まれる酸化皮膜からなる容量部を一次弁金属箔30に予め形成される。
【0098】
一次弁金属箔30の陰極領域35を粗面化するのは、陰極領域35の表面積を増大させ、容量部の静電容量を増大させるためである。
粗面処理を省略して、平坦な陰極領域35に酸化皮膜を介して導電性高分子層を形成してもよい。
【0099】
積層工程は、図11(B)に示すように、各一次弁金属箔30に形成された容量部を対面させて複数の一次弁金属箔30を積層し積層材とする工程である。
【0100】
本発明に電解コンデンサの製造方法において形成する陽極領域37は、上記図11(A)と異なって、設定しないこともできる。例えば、一次弁金属箔30全体に粗面化し、全体に酸化皮膜と導電性高分子層を形成することもできる。この場合、これら一次弁金属箔を積層した後、積層された一次弁金属箔を切断することで、露出される一次弁金属箔の切断断面を、陽極導電体の接続に供することができる。
【0101】
積層工程に続く固定枠体取付け工程では、図11(C)に示すように、積層材13の短辺側の側面を露出させ、一方の長手側側面からは固定枠材としてチャンネル20で、他方の長手側側面からは固定枠材20で積層材13を挟みつける。このようにして、半割形状の固定枠材20、20とが一体化された閉環状の固定枠材2で、積層材の上面と下面とを挟むように固定する。固定枠材20は、複数の一次弁金属箔30を積層方向(一次弁金属箔30の厚さ方向)に固定する。
【0102】
固定枠材20は、上述のように、金属材料や非金属材料を用いることができる。非金属材料は、固定枠材20で固定された状態で一次弁金属箔30を切断することを考慮して、切断が容易な合成樹脂とすることができ、例えば、アクリル樹脂が好ましい。
【0103】
また、金属材料には、弁作用金属を利用することができる。固定枠材20で固定された一次弁金属箔30を陽極酸化する際に、固定枠材20には電流が流れることが考慮されている。電解陽極酸化工程において、弁作用金属を主成分とする固定枠材は陽極酸化液中に溶出することなく、表面に絶縁性酸化皮膜が形成されるからである。アルミニウムまたはその合金が利用される。
【0104】
また、固定枠材には、塑性変形が可能な材料を利用して、固定枠材で積層体を固定し、弁金属箔の積層体を、固定枠材とともにプレス等により加圧することができる。確実に各一次弁金属箔を物理的に固定することができる。また、既に、弁金属は、陰極層としての高分子層を備えるので、弁金属箔をプレスにより、各々静電容量を備えた弁金属箔の体積を圧縮することができる。これは、単位体積当たりの静電容量が大きな電解コンデンサを製造することできる。
【0105】
切断工程は、図11(D)に示すように、固定枠材20で固定された一次弁金属箔30の集積体を、長手方向に対して直交又は斜交して、ダイシングソーで切断して、多数のコンデンサ素子12を得る。こうして得られたコンデンサ素子12は、所定の厚み寸法に切断された弁金属箔3が積層された積層体を有し、この積層体は、切断された固定枠材2で周囲を固定されている。
【0106】
さらに積層体においては、上述した各弁金属箔の導電性高分子層が接触するように、各弁金属箔が積層されている。各弁金属箔は、外形が矩形であり、固定枠体の切断面から各弁金属箔の切断面は露出されている。
両側の切断面は、各弁金属箔の長片を含む積層体の側面を構成している。固定枠体の切断面から、各弁金属箔の陽極領域及び陰極領域の弁金属断面、及び陰極領域の酸化皮膜上に形成された導電性高分子層の断面が露出されている。
【0107】
陽極用導電体形成工程は、コンデンサ素子の切断面で露出された各弁金属箔の陽極領域の側面に接触する陽極用導電体を形成する工程である。
陽極用導電体には、弁金属の箔や導電性の樹脂が利用できる。金属箔は、各弁金属箔の陽極領域の側面の一部に、陽極用導電体である金属箔を溶接する。 導電性塗料を利用するには、切断面で露出された各弁金属箔の陽極領域の側面に塗布し、各弁金属箔の陽極領域を互いに導通させてもよい。
何れも、導電性高分子層に接触しないように陽極用導電体が形成される。
【0108】
陽極用導電体形成工程に続く陽極酸化工程は、コンデンサ素子に陽極酸化処理を施すことで、切断面で露出された各弁金属箔の金属断面に酸化皮膜を形成するものである。
【0109】
陰極用導電体形成工程においては、陰極用導電体が、切断面で露出された導電性高分子層の側面には直接接触するように、積層体及び固定枠体の側面を覆う。陰極用導電体は、固定枠体の切断面で露出された各弁金属箔の金属断面とは、陽極酸化処理で形成された酸化皮膜により絶縁されている。
【0110】
陰極用導電体は、カーボンや銀等の導電性物質を含有する市販の導電性ペーストや塗料、又は導電性高分子層から形成することができる。
陰極用導電体には、弁金属箔の側面に形成された酸化皮膜に直接触れること及び、電解コンデンサの漏れ電流の抑制する効果を有することが望まれていることを考慮すると、導電性高分子、特に、ポリピロールが、好ましい。
【0111】
このようにして形成された電解コンデンサは、図8に示すように、陽極用導電体5は積層体10の側面に設けられ、陰極用導電体7は積層体10の側面と固定枠体2の側面とを覆うように設けられたものであり、陽極用導電体5と陰極用導電体7とは絶縁されている。積層体10は、矩形の弁金属箔3を積層させたものであり、積層体10の上面と下面とは固定枠体2で挟持され固定されている。各弁金属箔3を固定する固定枠体2は、図9に示すように、断面ヨークの二つの固定枠体部材2a、2bからなるものであり、これら2つの固定枠体部材2a、2bが積層体10を側面から挟むように固定している。
【0112】
図8に示すように、各弁金属箔3の陽極領域の側面4は、固定枠体2の開口部2cで露出されている。さらに、開口部2cで露出されている陽極領域の側面4はアルミニウム箔からなる陽極用導電体5が接続されている。また、陽極用導電体5と陰極用導電体7とは、各弁金属箔3に形成された酸化皮膜31を介して絶縁されている。
【0113】
固定枠体2が合成樹脂である場合には、固定枠体2を介して陽極用導電体5は陰極用導電体7と電気的に導通しない。固定枠体が弁作用金属である場合には、陽極用導電体5と陰極用導電体7とは、各弁金属箔3に形成された酸化皮膜31及び固定枠体の表面に形成された酸化皮膜21により、絶縁される。
【0114】
さらに、陽極用導電体5及び陰極用導電体7に、別々に金属端子等を取り付け、樹脂等によりモールドすることでチップ形状のコンデンサ部品が完成する。
【0115】
次に、図13及び図14には、各弁金属箔3のを貫通する金属ワイヤ51により陽極用導電体が形成された電解コンデンサ1を示す。陽極用導電体として金属ワイヤ51を用いたことを除いては上記の電解コンデンサの実施形態と同じである。
【0116】
電解コンデンサ1の陽極用導電体5は弁金属箔の側面に接続されるものではないので、電解コンデンサ1の厚みを抑制することができる。従って、本実施の形態の電解コンデンサに金属端子等を取り付け、樹脂等によりモールドして製造されるチップ形状のコンデンサ部品を小型化することができる。
また、陽極用導電体5は電解コンデンサ1に内在するので、陽極用導電体が、剥離欠落することなく、各弁金属箔3の陽極領域37を確実に電気的に接続することができる。
【0117】
図16に示す工程で、電解コンデンサ1の製造工程において、図15(A)に示す一次弁金属箔調製工程、図15(B)に示す積層工程及び図15(C)に示す固定枠体取付け工程は、前述した電解コンデンサの製造方法と同様である。
【0118】
固定枠体取付け工程の後に、陽極用導電体形成工程(d)は、図15(D)に示すように、固定枠材で固定された各一次弁金属箔30全ての陽極領域37を貫通する貫通孔を穿孔する。多数の貫通孔50が、所定の間隔を隔てて一次弁金属箔30の長手方向に沿って設けられている。これら貫通孔に陽極用導電体として金属ワイヤ51が挿入され、金属ワイヤ51が、各弁金属箔3と接触させる。陽極領域37には導電性高分子層が形成されていないので、金属ワイヤ51は陰極層とは接触しない。
【0119】
切断工程(e)は、金属ワイヤ51が挿入された貫通孔の間で、一次弁金属箔の積層体が所定の間隔を隔てて切断され、多数のコンデンサ素子12に分離される。コンデンサ素子を切断しスライスする具体的手段は、実施の形態2と同様である。
【0120】
図16に示すように、陽極用導電体形成工程(d)と切断工程(e)は、逆にしてもよい。即ち、固定枠材で固定した一次弁金属箔を先に切断して所定の形状のコンデンサ素子を形成し(e)、各コンデンサ素子をなす各弁金属箔の陽極領域を貫通するように貫通孔を設け、この貫通孔に金属ワイヤを挿入して、陽極用導体を形成しすることもできる(d)。
【0121】
電解コンデンサ1の製造方法は、各弁金属箔の陽極領域を貫通する金属ワイヤを挿入するので、各弁金属箔の陽極領域と陽極用導電体との電気的接続をより完全になり、積層体を物理的に補強する効果もある。
陽極酸化工程(f)では、コンデンサ素子を陽極酸化することにより、切断によって露出した金属面に酸化皮膜を形成する。
【0122】
上記の実施形態により製造されたコンデンサ素子は、図16の陰極用導電体形成工程(g)の後に、さらに陽極酸化されるのが好ましい。陽極酸化工程(h)は、陰極用導電体形成工程中で各弁金属箔の酸化皮膜に生じた物理的欠陥及び化学的欠陥を陽極酸化処理で修復するものである。前述した一次弁金属箔調製工程で用いた陽極酸化法と同様の方法で、陰極用導電体を備えたコンデンサ素子を陽極酸化する。このようにして、各弁金属箔の酸化皮膜の欠陥を修復することで電解コンデンサの信頼性はより高いものとなる。
【0123】
(実施の形態5)
次に、図18と図19においては、別の例の電解コンデンサ1は、開環状で断面形状がヨーク状の固定枠体2に固定された弁金属の積層体10を備えている。積層体10は、ヨークにより上面と下面と1つの端面が覆われ、他方に端面がヨークから開放され、開放された端面に陽極用電導体が固定される。
【0124】
上記実施の形態1と同様に、積層体10は、酸化皮膜31と導電性高分子層6とを備えている弁金属箔3を複数積層させたものである。
また、固定枠体2は、2つの対向する平行部材と平行部材をつなぐ1つの端部材を備え、他方に開口部を備えている。さらに、矩形状の各弁金属箔の長辺を含む側面及び短辺側の端面は、固定枠体2に覆われずに、露出されている。固定枠体2の開口部で露出された各弁金属箔3の短辺側の端面が陽極領域37とされる。
【0125】
固定枠体2の開口部で露出された各弁金属箔3の陽極領域37には、アルミニウム箔からなる陽極用導電体が接続されている。即ち、陽極用導電体は、積層体10の各弁金属箔3の短辺を含む側面に形成されている。また、積層体10の長辺側の側面には、導電性高分子層6と直接接触する陰極用導電体7が形成されている。陽極用導電体5と陰極用導電体7とは、各弁作用金属に形成された酸化皮膜31絶縁されている。
【0126】
固定枠体には、絶縁性材料が使用され、固定枠体を介して陽極用導電体と陰極用導電体7とが導通することはないので、陽極用導電体と陰極用導電体7とは、各弁作用金属4に形成された酸化皮膜31によって絶縁されている。
このような電解コンデンサ1は、図12にに示す製造工程に沿って製造される。
【0127】
図17は、図17(A)に示す一次弁金属箔調製工程と図17(B)に示す積層工程の後、図17(C)に示すように、開口部を有するヨークの固定枠材20で積層材13の上面と下面とを挟持するように、積層材13を固定する。このとき、各一次弁金属箔30の陽極領域37を含む長手方向の側面(多層面)が固定枠材20の開口部から露出させるようにする。
【0128】
固定枠体取り付け工程に続き、図17(D)に示すように、固定枠材20で固定された一次弁金属箔30を一次弁金属箔30の短辺と平行に所望の間隔でダイシングソーで切断して、狭幅の複数のコンデンサ素子12を形成する。
【0129】
コンデンサ素子12は、積層された弁金属箔3が矩形に切断され、固定枠体2は、固定枠材20を切断された結果、長辺側の開口部からは各弁金属箔の長辺側の側面を露出させ、且つ、短辺側の開口部からは各弁金属箔の短辺側の端面が、露出される。
露出された端面に、図18と図19に示すように、陽極用導電体5としてアルミニウムの金属箔52を利用し、各弁金属箔の陽極領域を互いに導通させるように、短辺側開口部で露出されている各弁金属箔の端面に、導電性高分子層に接触しないように、アルミニウム箔52が溶接される。
【0130】
陽極用導電体を形成したあと、上記の電解コンデンサの製造方法と同様の工程を経て、図18と図19に示すように、集積体の端面側に、陽極用導体5としてアルミニウム箔52を備えた電解コンデンサ1が完成する。電解コンデンサ1は、陽極用導電体を積層体10の端面に備えているので、電解コンデンサ1の厚みをさらに薄くして、小型化することができる。
【0131】
陽極用導電体の形成方法には、変形が可能である。上記方法に代えて、固定枠材で固定された状態の積層体に予め陽極用導電体としての金属箔を取着し、切断工程で狭幅のコンデンサ素子に分離しても良い。この場合、陽極用導電体の金属箔は、固定枠材の開口部から露出されている各弁金属箔の陽極領域を接続するように陽極用導電体を形成した後、積層体を切断してコンデンサ素子を形成してもよい。つまり、切断工程と陽極用導電体形成工程とは、順序が逆であってもよい。
【0132】
陽極用導電体は、金属箔を使用しないで、固定枠体2の開口部から露出される各弁金属箔3の短辺側の側面を溶接により溶融して各陽極領域37を導通させることもできる。
【0133】
また、この実施の形態では、一次弁金属箔30の長辺側の側面を陽極領域として利用しているが、全面が粗面化され、陽極酸化処理された一次弁金属箔30を使用して導電性高分子層6が形成されることもできる。このようにして、一次弁金属箔30の長辺側の端面に(切断後は、積層体の端面に)のみ金属部を露出させ、この金属部を陽極領域37として、陽極導電体を接続することもできる。
【0134】
(実施例3)
実施例1と同様に同様にして、厚さ100μm、幅20mmの帯状アルミニウム箔(軟質材)を用いて、幅方向距離15mmを陰極領域35とし、粗面化し、陽極酸化処理を施し、粗面処理が施された領域に酸化アルミニウム皮膜を酸化皮膜として形成した。粗面化と陽極酸化処理の条件は、実施例1と同じである。
【0135】
アルミ箔の粗面処理が施された陰極領域に、陰極層としてポリピロールの導電性高分子層を形成し、アルミ箔8に容量部を形成した。
ポリピロール層の形成方法は、1mol/lのピロールモノマーを含有するエチレングリコール水溶液と、酸化剤として1mol/lの硫酸鉄(Fe2(SO43)を含有する酸化剤溶液とを調製し、アルミ箔を陰極領域だけ、モノマー液に5分間浸漬し、続いて、陰極領域を酸化液に5分間浸漬して、化学重合法により酸化アルミニウム皮膜上にポリピロール層を形成させた。このように、モノマー溶液への浸漬と酸化剤溶液との浸漬を繰り返してポリピロール層を必要な厚さにした。このようにして、図11(A)に示すように、15mm幅の導電性高分子層を備えた陰極領域35と、他方の長辺から5mm幅の金属表面を有する陽極領域37とを有するアルミニウム箔30を作製した。
【0136】
帯状の50枚のアルミ箔8を、図11(B)に示すように、各アルミ箔の容量部及び陽極領域37とが、それぞれ対面するように、積み重ねて積層材13とした。さらに、図11(C)に示すように、固定枠に2つのアクリル製のチャンネル2a、2b(開口部5mm、板厚1mm)を利用して、積層材13の上面と下面とを挟むように固定した。ダイシングソーにより積層体を2mm間隔に切断して、厚さ2mmの複数の切片に分離した。これらの切片の切断面を研磨して、寸法縦7mm×横22mm×厚さ2mmのコンデンサ素子を作製した。
【0137】
次に、陽極用導電体としてアルミニウム箔を利用して、上記コンデンサ素子の切断面で露出されている各アルミ金属箔の陽極領域の側面に、厚み100μm、幅2mmの溶接した。さらに、コンデンサ素子に陽極酸化処理した。陽極用導電体を陽極とし、一次弁金属箔調製工程で行った条件と同じ条件で電解陽極酸化を施して、各アルミ金属箔の陰極領域の側面に酸化アルミニウムを形成した。
【0138】
次に、陰極用導電体にはポリピロールを利用して、上記一次弁金属箔調製工程と同様の方法で、各アルミ箔の容量部をモノマー溶液と酸化剤溶液との交互浸漬を繰り返して、重合化した。各アルミ箔の陽極領域に接触することなくかつ、各アルミ箔とは酸化アルミニウムによって絶縁されるように、前述の化学重合法を用いてポリピロール層を重合形成し、陰極用導電体とした。
【0139】
コンデンサ素子各々にリード線を取り付けた。この場合は、コンデンサ素子の陰極用導電体としてのポリピロール層に、カーボン層を含有する導電性材料及び銀ペーストを用いてリード線を接続した。一方、陽極用導電体としてのアルミニウム箔には、別のリード線を溶接により接続した。
【0140】
(実施例4)
さらに、実施例3コンデンサ素子には、再度陽極酸化をしたあと、同様にリード線を取り付けてコンデンサとした。再度陽極酸化は、実施例1の弁金属箔の陽極酸化と同じ条件で行った。
【0141】
(実施例5)
上記実施例3と同様にアルミ箔を積層して積層体を形成し、この積層体に固定枠体を取り付けた。図15(D)に示すように、固定枠体のアクリル製チャンネルを具備した積層体に、アクリル製チャンネルと積層されたアルミ箔の陽極領域とを貫通する1mmΦの貫通孔を所定の2mmの間隔を多数設け、この各貫通孔に陽極用導電体であるアルミニウムワイヤを隙間なく挿入し、全てのアルミ箔の陽極領域が電気的に接続された。
【0142】
次に、図15(E)に示すように、積層体を、各切片が各々陽極用導電体を長手方向に垂直な面でダイシングソーにより2mm間隔に切断し、厚さ2mmの複数の切片に分離した。これらの切片の切断面をサンドペーパで研磨して、寸法が7mm×22mm×厚み2mmの40個のコンデンサ素子12を作製した。
【0143】
さらに、コンデンサ素子に陽極酸化して、コンデンサ素子の切断面で露出されている各アルミ金属箔の陰極領域の金属面に酸化アルミニウムを形成した。
陰極用導電体を、コンデンサ素子の各アルミ箔の陰極層のポリピロール層と電気的に接続するために、側面にポリピロール層よって形成した。ピロール層は、上記一次弁金属箔調製工程で用いた化学重合法と同じ方法であった。実施例3同様にして、コンデンサ素子各々にリード線を取り付け、電解コンデンサとした。
【0144】
(実施例6)
さらに、上記のコンデンサ素子は、リード線取り付け前に、上記の実施例4と同様に、再度陽極酸化処理(酸化皮膜修復工程)をし、同様にしてリード線と取り付け電解コンデンサを20個完成させた。
【0145】
このようにして作製された実施例3の20個の電解コンデンサ及び実施例4に係る20個の電解コンデンサについて、試験を行った。その結果を表1に示す。
【0146】
これらの電解コンデンサは、容量とインピーダンス、漏れ電流が測定された。
静電容量は、バイアス電圧を1.5Vとして、測定周波数100Hzにおける容量を測定した。インピーダンスは、バイアス電圧を1.5Vとし、測定周波数100KHzにおけるインピーダンスを測定した。漏れ電流は、電解コンデンサに電圧6.3Vを印加して、30秒後の漏れ電流を測定した。
【0147】
【表1】
Figure 0003793665
【0148】
上記固定枠体2から、実施例の電解コンデンサはいずれも大容量かつ低インピーダンスを達成していることが判る。これは、いずれの電解コンデンサも、各々容量部を備えているアルミ箔を積層させた構造であり、また、各アルミ箔の積層体の側面に陰極用導電体を接続することによって、電解コンデンサのインピーダンスを低減させたことによる。
【0149】
特に、実施例4及び6の電解コンデンサの漏れ電流値は、さらに低い値であることが判る。これは、実施例4及び6の電解コンデンサが、陰極用導電体形成工程で生じた酸化アルミニウム皮膜の物理的欠陥及び化学的欠陥を再陽極酸化工程で修復したことによる。
【0150】
実施の形態6
本発明の重積型電解コンデンサは、上記の電解コンデンサを複数個重ね合わせて、共通の陽極リードと陰極リードとを備えて一体化したものである。
図20(A)と(B)に示す重積型電解コンデンサは、図18と図19に示した4つの電解コンデンサが利用され、各電解コンデンサは、端面側に金属箔52を溶接固定した陽極導電体5を備え、側面側には、陰極用導体7として導電性高分子層が被着形成されている。
重積型電解コンデンサは、このような電解コンデンサ4個を、積層体側面同士が対面して導電性高分子の陰極用導電体7同士が接触するように、重積し、重積された電解コンデンサの外面には、L状の金属シートが陰極用導電体7に接着するように固定されて陰極リード79とされる。
【0151】
他方の4つの電解コンデンサは、各コンデンサの陽極用導電体5の金属箔52が積層体端面側に溶接固定されており、陽極リード59は、その金属板が、重積された電解コンデンサの陽極用導電体52の全部と溶接されて、固定され、導通する。
一体化された重積型コンデンサは、両端部に、陽極リード59と陰極リード79とを端面として残し、必要により、側面部は、絶縁材8により被覆されて、電解コンデンサ製品とされる。
【0152】
この重積型電解コンデンサは、同じ容量のコンデンサを単一の積層体から構成するよりも、各積層体の幅が小さくでき、コンデンサの内部インピーダンスを低減することができる。
【0153】
【発明の効果】
本発明によるコンデンサ陽極体とその製造方法は、弁金属箔の表面を予め誘電体酸化皮膜を形成して陽極弁金属箔として積層し、陽極弁金属箔の金属表面部を電気的に接続し、金属端子部を有する金属固定枠で固定するので、陽極体全体が有するべき静電容量をより効率よく取り出すことができ、コンデンサの小型化を図ることができる。
【0154】
また本発明による別のコンデンサ陽極体およびその製造方法によれば、粗面化された弁金属箔の表面のすくなくとも一部分に誘電体酸化皮膜を有した複数枚の矩形の陽極弁金属箔が積層されてなる積層体と、陽極弁金属箔の金属部分と電気的に接続した導電体と、積層した陽極弁金属箔を固定し、かつ導電体と電気的に接続し、かつ少なくとも一部分に金属端子部を有した固定枠体とを具備したことにより、陽極体全体がもつ静電容量をより効率よく取り出すことが可能でかつ小型化が可能となることに加え、弁金属箔の電気的接続がより確実かつ信頼性が高いものとなる。
【0155】
また、本発明の電解コンデンサは、積層した陽極弁金属箔を固定する固定枠体を具備することにより、陽極弁金属箔を積層した後、すなわち積層体の状態で任意の形状に機械的加工を行ない、素子化することが容易になる。
【0156】
本発明は、この固定枠体を弁作用金属とすれば、陽極弁金属箔の金属部分と電気的に接続するように構成し、最終製品の電解コンデンサにおいて陽極端子を兼ねるようにすればさらに小型化が図れる。
また固定枠を弁作用金属で構成したことにより、この固定枠体を含む陽極体素子全体を陽極酸化することで弁作用金属の固定枠体表面にも誘電体酸化皮膜を形成することも可能となる。
【0157】
本発明のコンデンサ陽極体は、より具体的には、粗面化された弁金属箔の表面のすくなくとも一部分に誘電体酸化皮膜を有する複数枚の矩形の陽極弁金属箔が積層されてなる積層体と、積層した陽極弁金属箔を固定し、かつ導電体と電気的に接続し、かつ少なくとも一部分に金属端子部を有した弁作用金属の固定枠体と、該枠体と陽極弁金属箔の金属表面部とを電気的に接続した導電体と、を具備したことを特徴とする。
【0158】
このような導電体を利用する構成により、前述のコンデンサ陽極体の構成による効果作用に加え、金属箔相互の電気的接続と金属箔と金属枠体との電気的接続がより確実でかつ信頼性が高いものとなり、陽極体全体が有するべき静電容量をより効率的に発揮することができる。
【0159】
本発明のコンデンサ陽極体の製造方法は、粗面化した弁金属箔の表面のすくなくとも一部分に誘電体酸化皮膜を陽極酸化して形成し、陽極弁金属箔とする工程と、複数枚の陽極弁金属箔を積層する工程と、積層した陽極弁金属箔を積層方向に固定する固定枠を取り付ける工程と、上記枠付けした層体を機械加工して、所要形状の複数個の陽極体素子とする工程と、陽極体素子に再度陽極酸化する工程と、から成るものである。
【0160】
このような製造方法により、第一に、粗面化した弁金属箔の表面に誘電体酸化皮膜を事前に形成して陽極弁金属箔とし、その後に積層する工程を採ることにより、箔の状態で必要十分な誘電体酸化皮膜を事前に形成することができる。この結果、最終的に積層体の深部にまで十分な誘電体酸化皮膜をもったコンデンサ陽極体とすることができる。第二に、積層した陽極弁金属箔を固定するために積層体に対して金属固定枠体を取りつけることにより、その後枠体ごと積層体を切断や研磨するのに従来の機械加工法を用いることができ、より小型の陽極体素子の多数の製造が容易となる。
【0161】
また素子の形状の調整に機械加工を用いることができることから、比較的大きな積層体を製造し、それを分割して必要形状の素子とすることができ、小型の陽極体素子の効率のよい製造が容易になる。第三に機械加工により所要の形状に加工した陽極体素子を再び陽極酸化することにより、積層や機械加工によって生じた欠陥やストレスを後で修復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるコンデンサ陽極体の斜視図(A)と、コンデンサ陽極体を陽極体の厚み方向中央部で切断した断面図(B)と、陽極体の一部拡大断面図(C)とを示す。
【図2】 本発明の他の実施の形態に係るコンデンサ陽極体の斜視図(A)とコンデンサ陽極体を厚み方向中央部で切断した断面図(B)である。
【図3】 本発明の実施形態に係るコンデンサ陽極体の製造方法の工程フローチャートを示す。
【図4】 本発明の実施形態に係るコンデンサ陽極体の製造方法の工程を示す図。
【図5】 本発明の他の実施形態に係るコンデンサ陽極体の製造方法を説明する工程フローチャートである。
【図6】 本発明の他の実施形態によるコンデンサ陽極体の製造方法の工程を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施形態に係るコンデンサ陽極体の斜視図(A、B)を示す。
【図8】 本発明の実施の形態に係る電解コンデンサの斜視図である。
【図9】 図8に示した電解コンデンサの断面図である。
【図10】 弁金属箔の拡大された模式図である。
【図11】 本発明の実施の形態に係る電解コンデンサの製造工程を示す斜視図であるものである。
【図12】 本発明の実施の形態係る電解コンデンサの製造工程のフローチャートを示す。
【図13】 本発明の他の実施例に係る電解コンデンサの斜視図を示す。
【図14】 図13に示した電解コンデンサの断面図を示す。
【図15】 本発明の別の実施の形態に係る電解コンデンサの製造工程を示す。
【図16】 本発明の別の実施の形態に係る電解コンデンサの製造工程のフローチャートを示す。
【図17】 本発明の実施の形態に係る電解コンデンサの製造工程を示す
【図18】 本発明の実施の形態に係る電解コンデンサの斜視図である。
【図19】 図18に示した電解コンデンサの断面図である。
【図20】 重積型電解コンデンサの斜視図(A)と断面図(B)を示す。
【符号の説明】
1 電解コンデンサ
10 積層体
11 陽極体
12 電解コンデンサ素子
2 固定枠体
3 陽極弁金属箔
31 誘電体酸化皮膜
4 積層体側部
5 陽極用導電体
50 貫通孔
51 金属ワイヤ
6 導電性高分子層(陰極層)
57 金属端子部
6 金属表面部
7 陰極用導電体

Claims (24)

  1. 粗面化された表面に酸化皮膜の誘電体層を有する複数の矩形の陽極弁金属箔を積層して成る積層体と、積層体を積層方向に挟持して固定する固定枠体と、から成る電解コンデンサの陽極体。
  2. 陽極弁金属箔の長辺と積層体の積層方向とから成る積層体側面には、固定枠体が配置されないで、陽極弁金属箔の長辺縁部が露出する請求項1に記載の陽極体。
  3. 積層体の陽極弁金属箔の金属部分を互いに電気的に接続する陽極用導電体を含む請求項1の陽極体。
  4. 上記の導電体が、陽極弁金属箔の金属部分と固定枠体とを貫通する金属線である請求項3に記載の電解コンデンサの陽極体。
  5. 上記の導電体が、陽極弁金属箔の長辺若しくは短辺と積層体の積層方向とから成る積層体側面に若しくは端面において、陽極弁金属箔の金属部分と接続された金属箔である請求項3に記載の電解コンデンサの陽極体。
  6. 上記の陽極弁金属箔が、アルミニウムもしくはその合金から成る請求項1ないし4のいずれかに記載の陽極体。
  7. 上記の固定枠体が、アルミニウムもしくはその合金から成る請求項1ないし5のいずれかに記載の電解コンデンサの陽極体。
  8. それぞれ箔表面に酸化皮膜を介して絶縁された導電性高分子層を有する複数の陽極弁金属箔が積層された積層体と、該積層体の上面と下面とを押圧して積層された複数の弁金属箔を固定する固定枠体と、各弁金属箔を互いに接続する陽極用導電体と、各導電性高分子層を互いに接続する陰極用導電体と、から成り、矩形状の陽極弁金属箔の長辺と積層体の積層方向とから成る積層体側面には、固定枠体が配置されない電解コンデンサにおいて、
    陰極用導電体が、上記の積層体側面に形成され、各弁金属箔上の導電性高分子層と直接接触し且つ各弁金属箔とは酸化皮膜を介して絶縁されている電解コンデンサ
  9. 陰極用導電体が、導電性高分子を含む請求項に記載の電解コンデンサ。
  10. 固定枠体が弁金属から成る請求項8に記載の電解コンデンサ。
  11. 請求項8に記載の複数の電解コンデンサを重積して、各電解コンデンサの陽極用導電体を接続固定する陽極リードと、各電解コンデンサの陰極用導電体に接続固定した陰極リードとを備えて一体化された重積型電解コンデンサ。
  12. 上記複数の電解コンデンサが、側面同士を対面させて重積され、各側面に形成された導電性高分子の陰極用導電体が互いに接続されている請求項11に記載の重積型電解コンデンサ。
  13. 粗面化した帯状の弁金属箔の表面のすくなくとも一部に酸化皮膜誘電体を形成するために陽極酸化する工程と、
    複数枚の陽極弁金属箔を積層する工程と、
    積層材を積層方向に挟持する固定枠材を取り付けて、積層した陽極弁金属箔を固定し、陽極弁金属箔の金属部分と電気的に接続する枠付け工程と、
    上記枠付けした積層材を切断して所要形状の複数個の陽極体に分離する切断工程と、
    陽極体を陽極酸化する工程と、
    から成るコンデンサ陽極体の製造方法。
  14. 切断工程が、上記枠付けした積層材を、弁金属箔の積層面にほぼ垂直方向に切断して、複数の陽極体に分離することを含む請求項13に記載の陽極体の製造方法。
  15. 製造方法が、枠付け工程後に、積層材のほぼ全ての陽極弁金属箔の金属部分と電気的に接続する陽極用導電体を形成する工程を含み、その後に、上記の切断工程を行う請求項13に記載の陽極体の製造方法。
  16. 陽極用導電体を形成する工程が、固定枠体と積層した金属箔とを貫通する貫通孔を設けること、次いで、貫通孔に金属線を挿通すること、とから成る請求項15に記載の陽極体の製造方法。
  17. 上記の切断工程が、上記枠付けした積層材を、金属箔の積層面にほぼ垂直に、かつ上記の隣接する貫通孔の間の位置で切断して、陽極体に分離する方法である請求項16に記載の陽極体の製造方法。
  18. それぞれ箔表面上に誘電体層を介して導電性高分子層を有する複数の陽極弁金属箔が積層された積層体と、該積層体の上面と下面とを押圧して複数の弁金属箔を一体に固定する固定枠体と、各弁金属箔を互いに接続する陽極用導電体と、各導電性高分子層を互いに接続する陰極用導電体とを備えた電解コンデンサの製造方法であって、
    複数の帯状の弁金属箔に誘電体層上に導電性高分子層を形成する工程と、
    複数の陽極弁金属箔を積層して積層材とし、積層材の上面と下面とを固定枠体で挟持して固定する枠付けする工程と、
    枠付けした積層材を該積層材の長手方向に所定の間隔で切断し、それぞれ切断された弁金属箔が積層されて固定枠体で固定された個々のコンデンサ素子に分離する切断工程と、
    各コンデンサ素子を陽極酸化して、各弁金属箔の側面の一部又は全部に酸化皮膜を形成する工程と、
    各コンデンサ素子に、各導電性高分子層に電気的に接続されかつ、切断された各弁金属箔の側面とは酸化皮膜を介して絶縁されている陰極用導電体を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  19. 製造方法が、導電性高分子層を形成する工程に先立って、弁金属箔を粗面化することと、該粗面化した表面領域に酸化皮膜を形成することを含む請求項18記載の電解コンデンサの製造方法。
  20. 製造方法が、切断工程の前に、該積層材の露出側面に陽極用導電体を形成する工程を含む請求項18に記載の電解コンデンサの製造方法。
  21. 陽極用導電体形成工程において、切断工程に先立って、積層材の各弁金属箔を導電性高分子層とは絶縁された領域で貫通する貫通孔を設け、該貫通孔に金属ワイヤを挿入し、切断工程において、金属ワイヤが挿通された電解コンデンサに分離することを特徴とする請求項20に記載の電解コンデンサの製造方法。
  22. 製造方法が、切断工程の後に、陽極用導電体を、コンデンサ素子に形成する陽極用導電体形成工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の電解コンデンサの製造方法。
  23. 陽極用導電体形成工程において、各弁金属箔が導通するように該各弁金属箔を溶接して陽極用導電体とすることを特徴とする請求項18又は22に記載の電解コンデンサの製造方法。
  24. 製造方法は、コンデンサ素子に陰極用導電体を形成した後、該コンデンサ素子を再陽極酸化をする工程を含む請求項18ないし23のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
JP17389099A 1998-06-19 1999-06-21 電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3793665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17389099A JP3793665B2 (ja) 1998-06-19 1999-06-21 電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17305698 1998-06-19
JP10-173056 1998-06-19
JP8370399 1999-03-26
JP11-83703 1999-03-26
JP17389099A JP3793665B2 (ja) 1998-06-19 1999-06-21 電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000348983A JP2000348983A (ja) 2000-12-15
JP3793665B2 true JP3793665B2 (ja) 2006-07-05

Family

ID=27304307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17389099A Expired - Fee Related JP3793665B2 (ja) 1998-06-19 1999-06-21 電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3793665B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4543580B2 (ja) * 2000-12-26 2010-09-15 パナソニック株式会社 積層型アルミ固体電解コンデンサの製造方法
JP2007134508A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Tdk Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
KR101119053B1 (ko) 2009-12-22 2012-03-16 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 고체 전해 콘덴서 및 그 제조 방법
KR101079497B1 (ko) * 2010-02-16 2011-11-03 삼성전기주식회사 전기 이중층 커패시터 셀과 전기 이중층 커패시터의 제조방법 및 전기 이중층 커패시터 셀의 제조장치
WO2011132467A1 (ja) * 2010-04-21 2011-10-27 株式会社村田製作所 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5682277B2 (ja) * 2010-12-10 2015-03-11 株式会社村田製作所 固体電解コンデンサの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000348983A (ja) 2000-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6239965B1 (en) Electrolytic capacitor and method of producing the same
US6400554B1 (en) Electrolytic capacitor, its anode body, and method of producing the same
KR100356194B1 (ko) 고체 전해 콘덴서 및 그 제조방법
US6563693B2 (en) Solid electrolytic capacitor
JP4688675B2 (ja) 積層型固体電解コンデンサ
JP2001185460A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法並びに回路基板
TWI284335B (en) Anode member for solid electrolytic condenser and solid electrolytic condenser using the anode member
JPH10144573A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP3793665B2 (ja) 電解コンデンサ、その陽極体及びその製造方法
JP2003086459A (ja) 固体電解コンデンサ
JP4688676B2 (ja) 積層型固体電解コンデンサおよびコンデンサモジュール
JP2005191466A (ja) コンデンサ
JP2004363491A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH10163072A (ja) 積層型固体コンデンサ
JP2969692B2 (ja) 積層型固体電解コンデンサの製造方法
JPH08273983A (ja) アルミ固体コンデンサ
JP4026819B2 (ja) 積層型アルミ固体電解コンデンサの製造方法及び該方法によるコンデンサ
JP2004088073A (ja) 固体電解コンデンサ
KR20120006996A (ko) 콘덴서 및 그 제조 방법
JP2002050543A (ja) チップ型積層コンデンサ
JP6857809B2 (ja) 電極箔の製造方法およびコンデンサの製造方法
JP2004281716A (ja) チップ状固体電解コンデンサ
TWI329329B (ja)
JPS63299307A (ja) 電解コンデンサ
JP5411047B2 (ja) 積層固体電解コンデンサ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140414

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees