JP3792148B2 - ミシンのメス駆動機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンのメス駆動機構に係り、特に布縁を切断して本縫で縁かがり縫を行なう作業と布縁を切断することなく本縫を行なう作業とを切換えて実行できるミシンのメス駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数の布地等を縫い合わせる縫目としてミシンで形成される最も基本的な縫目に本縫がある。本縫は、針に通された上糸を針の上下運動によって布を貫通させた時に、下糸を収納する釜の剣先で掬うことにより、上糸と下糸をクロスさせて形成するもので複数の布地を縫目に沿ってしっかり継ぎ合わせることができる。
【0003】
一方、ほつれやすい布地等の縁部のほつれを防止するために縁かがり縫がある。縁かがり縫はその縫目を形成するための糸の本数及び布面に対し略垂直運動する針の本数によって、1本針2本糸縁かがり縫(米国縫目規格 Stitch type 503)や1本針3本糸縁かがり縫(米国縫目規格 Stitch type 504)、更に環縫と縁かがり縫を組み合わせた通称インターロックといわれる2本針5本糸縫(米国縫目規格 Stitch type 516)などがあり、何れも上下動する上メスと、これと協働する下メスとからなるメスにより布縁を切断して縁かがり縫を行なうものである。 そこで、このような縁かがり縫のように、本縫においてもジグザグ縫で布縁をメスで切断してジグザグ縫を実行すれば簡便な縁かがりを行なうことができる。このため本縫にメス切断機能を付加したミシンが提案されている(実開昭57−90056号公報、実開昭57−90057号公報、特公昭58−31950号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に本縫ミシンは小型に製作されなければならない理由に加えて、本縫部分とメス切断機構部分ができるだけ近接していることが望ましいが、本縫は上下運動する針の下方に下糸を収納する釜部を必要とする理由から、本縫ミシンの既成の構造空間にメス切断機構部分を組込むことには自ずと限界があり、本縫と布縁切断を一挙に行う本縫ミシンに具体的に実現し商品化することは従来から本縫ミシンの機構上困難であった。
【0005】
また、メス切断機構で切り落とした布縁の切屑は、針板やその近傍に設けられた切屑逃がし穴に落とされるので、この切屑がミシン内部の例えば針板の下に位置する水平釜に落下すると、糸調子が狂う、糸切れを発生する、ミシンが動かなくなるなど釜の機能を損なう虞があった。
【0006】
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、ミシンの既成の構造空間にメス切断機構部分を組込むことができ、布縁を切断して本縫で縁かがり縫を行なう作業と布縁を切断することなく本縫を行なう作業とを簡便に切換えて実行できるミシンのメス駆動機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のミシンのメス駆動機構は、メス非作動時に水平方向、メス作動時に鉛直方向に回転可能で上下動する上メス及び上メスと協働する位置で針板に固定される下メスにより布縁を切断するミシンのメス駆動機構であって、
機枠に設けられて摺動自在に支承され上メスを駆動するメス駆動部と、
メス駆動部のメス作動時に上メスに動力を伝達し、メス駆動部をメス非作動時に待避位置に変移して上メスへの動力を遮断するクラッチと、
ミシンベッド面で針板に設けられ、上メス及び下メスにより布縁が切断された際に発生する切り屑をミシンベッド下部に落下するのを防止する切り屑受け凹部と、
メス駆動部のメス作動時に設けられる切り屑受け凹部の位置で、メス駆動部のメス非作動時にミシンベッド面と同面でメス駆動部のメス非作動時に交換または設置される蓋部材とを備えるものである。
【0008】
このようなミシンのメス駆動機構によれば、メス駆動部が上メスだけを駆動してミシンベッド面に固定されている下メスと協働して布縁を切断することができ、このメス駆動部によるメス作動・非作動状態をクラッチで切り替えることができるので、ミシンの既成の構造空間にメス切断機構部分を組込むことができ、而もこのメス切断機構部分として切り屑受け凹部を備えているので、切り屑がミシンベッド下部に落下して水平釜などに悪影響を与えることを防ぐことができる。
【0009】
また、本発明のミシンのメス駆動機構によれば、上メスと協働する位置で針板に固定され、切り屑受け凹部はミシンベッド面で針板に設けられている。これにより、ミシンの既成の構造空間にメス切断機構部分をよりコンパクトに組込むことができる。
【0010】
また、本発明のミシンのメス駆動機構においては、メス駆動部のメス作動時に設けられていた切り屑受け凹部の位置で、メス駆動部のメス非作動時にミシンベッド面と同面とする平坦部材が設けられる。これにより、ジグザク縫いでメス切断して布端を縁かがりする縫目以外のすべての縫目を設定して縫製する場合に、平坦部材を移動固着して切り屑受け凹部を平らにすることができるので、作業者は平らになったミシンベッド面上に縫製布を滑らせて楽に操作できるようになる。
【0011】
また、本発明のミシンのメス駆動機構において平坦部材は、メス駆動部のメス非作動時に交換または設置されミシンベッド面と同面とする蓋部材である。これにより、ジグザク縫いでメス切断して布端を縁かがりする縫目以外のすべての縫目を設定して縫製する場合に、ドライバーなどを使用することなく簡単に着脱収納できる蓋部材によって切り屑受け凹部を平らにすることができるので、ミシンベッド面の切り屑受け凹部が塞がれ作業者は両手で縫製布を滑らせて楽に操作できるようになる。
【0012】
また、本発明のミシンのメス駆動機構においては、メス駆動部のメス作動時に設けられる切り屑受け凹部と、メス駆動部のメス非作動時に設置されミシンベッド面と同面とする平坦部材とを一体的に形成し、メス駆動部のメス作動時、メス駆動部のメス非作動時にそれぞれ交換自在に装着したものが好ましい。これにより、ジグザク縫いでメス切断して布端を縁かがりする縫目以外のすべての縫目を設定して縫製する場合に、小さな凹凸でも繊維が引っ掛かりやすい極薄地や薄物ニット地、トリコット地などを用いて布送りする際の縫製トラブルを回避できるようになる。また、直線縫目から布端を一定に縫う場合の布ガイドの取り付けや、布端の三つ巻き縫いに使用される巻具などの縫製用アタッチメント類を安定的に取り付ける際に都合がよくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のミシンのメス駆動機構を本縫ミシンに適用したその好ましい実施の形態例について図面にしたがって説明する。
【0014】
図2に示すように本縫ミシンは本縫形成機構100とメス駆動機構70とから構成されている。
【0015】
本縫形成機構100は、公知(周知)の構造である(特開昭49−117148号公報、特開昭52−154448号公報、特開昭53−108547号公報、特開昭54−60052号公報、特開昭54−110049号公報、特開昭55−35676号公報、特開昭55−113490号公報、特開昭55−146190号公報、特開昭56−3091号公報等)ので、その詳細な説明は省略する。しかしながら、簡単に説明すれば、図3に示すように、上糸1を刺し通した針10と、下糸2を収納し上糸1を引掛けるための剣先21を有する釜20とを備えている。上糸1を刺し通した針10は針板6に対し垂直方向に軌跡L10を描いて上下運動する。下糸2を収納する釜20の剣先21は、針10の上下運動と同サイクルで軌跡L20を描く水平回転運動をする。釜(剣先)20は全回転のみならず、半回転であってもよく、要するにその軌跡L20と針10の軌跡L10とが交叉し、剣先21によって上糸1が掬われる動きをすればよいものである。
【0016】
また、図2に示すように、本縫ミシンにおいてノブNBを回転しダイアルDLをそれぞれの回転位置に合わせて各種縫モードに切換えることにより直線縫、ジグザグ縫等を行なうことができる。この縫モードに応じた本縫形成機構100も公知(周知)の構造である(特開昭48−50853号公報、特開昭49−32754号公報、特開昭50−73754号公報、特開昭54−4646号公報、特開昭54−6643号公報、特開昭54−120057号公報、特開昭55−16676号公報、実開昭55−216号公報、実開昭55−4787号公報、実開昭55−8406号公報等)ので、その詳細な説明は省略する。
【0017】
針10は、本縫ミシンの機枠FRに軸支された回転軸、即ち上軸S1から運動変換機構MT1を介して上下動する。上軸S1は、モータMからタイミングベルトTB1により回転駆動される。釜20は、本縫ミシンの機枠FRに軸支された回転軸、即ち下軸S2から運動変換機構MT2を介して水平回転される。下軸S2はタイミングベルトTB2により上軸S1と同期し且つ2倍(1:2)に増速して回転駆動される。
【0018】
本発明の特徴であるメス駆動機構70は図1(a)、(b)に示すように、機枠FRに摺動自在に支承され上メス72を駆動するメス駆動部74を設け、このメス駆動部74のメス作動時に上メス72に動力を伝達し、メス駆動部74をメス非作動時に待避位置に変移して上メス72への動力を遮断するクラッチ75を備えている。なお、下メス73は上メス72と協働する位置でミシンベッド面BF(図2)に固定されている。これにより、ミシンの既成の構造空間にメス切断機構部分をよりコンパクトに組込むことができる。
【0019】
このようなメス駆動部74は図4に示すように、上メス72を上下動させる上メス駆動板76と、上メス駆動板76にクラッチ75を介して接続され上軸S1の回転運動を上下運動に変換するカム部77とを備えている。この上メス駆動板76、カム部77およびクラッチ75の具体例について、以下説明する。
【0020】
上メス駆動板76は上メス72の上下動ストロークに適した長さから成る案内長穴76a、76bが上部および下部に穿設され、案内長穴76aが機枠FRの所定位置に固定される取付板78に上下動可能にねじ止めされ、長穴76bが機枠FRの所定位置に上下動可能にねじ止めされている。また、上メス駆動板76の下端部には、上メス72がねじ等の螺合部材により固定される上メス取付台79を回動可能に固定するための取付アーム76cが形成されている。この固定方法としては、例えば取付アーム76cに穿孔された穴に対して回動可能な大きさの段付ねじ80で上メス取付台79を当該取付アーム76cに取り付ける。この段付ねじ80は波形ばね座金等のばね座金81を介して取付アーム76c側から挿入され、上メス取付台79を回転させた際、その回転させた位置で制動できるようになっている。なお、上メス取付台79は収納位置である水平方向から鉛直下方方向に回転した時に、上メス駆動板76に当接してそれ以上回転しないようになっている。
【0021】
カム部77は、上軸S1に固定される上メス駆動カム771と、上メス駆動カム771に摺動可能に嵌合される穴772aが上部に形成された上メス駆動ロッド772と、上メス駆動ロッド772の下部に軸着される角駒773と、機枠FRの所定位置にねじ等の螺合部材により固定され、角駒773が鉛直方向に往復動可能に係合されるスライド溝774aを有するスライド受け774とを備えている。したがって、カム部77は、上軸S1の回転運動により上メス駆動カム771が偏心運動すると、スライド受け774のスライド溝774aにより運動方向が鉛直方向に規制された角駒773を介して上メス駆動ロッド772が鉛直方向に上下動することができる。
【0022】
クラッチ75は、連結ピン751により上メス駆動板76とカム部77の上メス駆動ロッド772とを連結するもので、この連結ピン751は上メス駆動板76に穿孔された穴76dに移動可能に嵌合され、上メス駆動ロッド772に形成された連結溝772bに係合されている。このような連結ピン751の一端は上メス駆動板76に軸着された上メス解除レバー752を操作することによって連結溝772bから抜脱する。この上メス解除レバー752は、上メス駆動板76に形成された2つの支持切片76e、76eに跨設されるように軸着される軸着部位752aを支点、操作部となるレバーの一端752bを力点および連結ピン751が係合されるレバーの他端752cを荷重点とするために、連結ピン751の他端に当該ピンの軸方向に対して垂直に固定された引掛けピン753が、レバーの他端752cに形成された2つの二又アーム間に跨設されるように引掛けられている。また、上メス解除レバー752の操作部752bと上メス駆動板76への軸着部位752aとの間には凸部752dが設けられ、上メス駆動板76にもこの凸部752dと対向する位置に凸部76fが設けられ、この凸部752d、76f間には圧縮ばね754が弾撥状態で挟持されている。これにより、上メス解除レバー752は、軸着部位752aの軸を支点としてレバーの他端752cを上メス駆動板76側へ回転移動させるので、この回転移動した上メス解除レバー752に係合している連結ピン751は、常時、上メス駆動ロッド772の連結溝772bに係合させることができる。なお、上メス駆動板76に形成されたばね掛け腕76gと機枠FRの所定位置との間には引張ばね82が張架されている。これにより、上メス駆動板76は、案内長穴76a、76bによる上メス72の上下動ストローク内で、常時、上向き方向に弾撥されることになる。したがって、上メス解除レバー752の操作部752bを圧縮ばね754の弾撥力に抗して押下すると、連結ピン751が上メス駆動ロッド772の連結溝772bから抜脱するので、上メス駆動板76は引張ばね82によって上向き方向に弾撥されメス非作動時の待避位置に移動することになる。
【0023】
また、メス駆動機構70は図1に示すように、上メス72と下メス73とにより布縁が切断された際に発生する切り屑をミシンベッド下部に落下するのを防止する切り屑受け凹部61を備えている。これにより、切り屑がミシンベッド下部に落下して水平釜などに悪影響を与えることを防ぐことができる。この切り屑受け凹部61は、例えばミシンベッド面BF(図2)で針板6に設けられ、メス駆動部74のメス作動時に使用される。また、この切り屑受け凹部61の位置で、メス駆動部74のメス非作動時にミシンベッド面BFと同面とする平坦部材、例えば蓋部材62を設けるとよい。これにより、ジグザク縫いでメス切断して布端を縁かがりする縫目以外のすべての縫目を設定して縫製する場合に、平坦部材を移動固着して切り屑受け凹部61を平らにすることができるので、作業者は平らになったミシンベッド面BF上に縫製布を滑らせて楽に操作できるようになり、また、ドライバーなどを使用することなく簡単に着脱収納できる蓋部材62においても切り屑受け凹部61を平らにすることができるので、ミシンベッド面BFの切り屑受け凹部61が塞がれ作業者は両手で縫製布を滑らせて楽に操作できるようになる。このような蓋部材62はスライド式にすることにより、メス駆動部74のメス非作動時にスライドさせて切り屑受け凹部61を覆うように設置することができる。なお、蓋部材62は、メス駆動部74のメス非作動時に切り屑受け凹部61に嵌め込み、メス駆動部74のメス作動時に外すような交換式にしてもよい。これにより、ジグザク縫いでメス切断して布端を縁かがりする縫目以外のすべての縫目を設定して縫製する場合に、小さな凹凸でも繊維が引っ掛かりやすい極薄地や薄物ニット地、トリコット地などを用いて布送りする際の縫製トラブルを回避できるようになる。また、直線縫目から布端を一定に縫う場合の布ガイドの取り付けや、布端の三つ巻き縫いに使用される巻具などの縫製用アタッチメント類を安定的に取り付ける際に都合がよくなる。
【0024】
さらに、切り屑受け凹部61には図5に示すように、上メス72が下がってきた時に上メス72の先端に形成された上メス角72a(図4)を挿入するための上メス角挿入穴61aが穿設されている。この上メス角72aが上メス角挿入穴61aに挿入した時に、上メス72と下メス73とで布端を切断することになるので、布縁が切断された際に発生する切り屑がミシンベッド下部に落下して水平釜などに悪影響を与えることを防ぐことができる。
【0025】
このように構成された本縫ミシンにおいて、布縁を切断して本縫で縁かがり縫を行なう際、図6(a)、(b)、(図1(a))に示すように、メス駆動部74の上メス取付台79を鉛直下方方向に位置させ上メス72と下メス73とが協働できるようにセットし、さらに、クラッチ75を連結状態、即ち、連結ピン751をカム部77の上メス駆動ロッド772に形成された連結溝772bに係合させ、メス作動状態にする。また、針板6に設けられた切り屑受け凹部61に切り屑を落下させるために、蓋部材62を切り屑受け凹部61上から離脱させる。
【0026】
このメス作動状態において、図3(a)、(b)に示すように、上糸1を刺し通した針10は上軸S1の回転に伴い針板6に対し垂直方向に軌跡L10を描いて上下運動する。本縫は従来の本縫と同様に針10に刺し通された上糸1が針10の上下運動に追従して布5を貫通した後、針10が下死点から上昇し始めた時にR点で上軸S1と同期する下軸S2の回転に伴い釜20の剣先21が上糸1を掬うことにより上糸1と下糸2が交叉し、更に上方に戻る針10及び天秤(図示せず)によって上糸1が引き上げられる時、下糸2を引き上げることによって、それぞれ被縫製体、例えば二枚重ねの布5の上面5aと下面5bとに布面に平行な縫目1a、2aを形成すると共に、互いに布5の垂直方向で例えば厚さ方向の中央付近で交叉して布5を貫通する縫目を形成して一回の布送り毎に上記動作が繰り返されることにより連続した本縫が形成される。
【0027】
ミシンの回転軸、図示(図6(a)、(b)、(図1(a))の例で上軸S1の回転運動はカム部77の上メス駆動カム771を介して上下動運動に変換される。即ち、上軸S1が回転すると上メス駆動カム771が偏心運動するので、カム部77のスライド受け774のスライド溝774aにより運動方向が鉛直方向に規制された角駒773を介して上メス駆動ロッド772が鉛直方向に上下動する。これにより、上メス駆動ロッド772は横方向の運動が規制され上下動運動のみが上軸S1の1回転について所定の上下動ストロークで得られる。
【0028】
カム部77で運動変換された上下動運動は、上メス駆動ロッド772の連結溝772bに係合している連結ピン751を介して上メス駆動板76に伝達される。したがって、上メス駆動板76に取り付けられている上メス72に動力が伝達され、この上下動運動で上メス72と、上メス72と協働する下メス73とにより布5の布縁5c(図3(a))を切断する。また、布縁5cが切断された際に発生した切り屑は切り屑受け凹部61に落下する。
【0029】
このようにして布5の布縁5cを切断してジグザグ縫等を行なうことにより、縁かがり縫作業を同じに実行可能となる。
【0030】
次に、布5の布縁5cを切断することなく本縫のみを行ないたいメス非作動状態時にするためには、図6(c)、(図1(b))に示すように、上メス解除レバー752の操作部752bを圧縮ばね754の弾撥力に抗して押下する。これにより、連結ピン751がカム部77の上メス駆動ロッド772に形成された連結溝772bから抜脱、即ち、クラッチ75が切り離されるので、上メス駆動板76は引張ばね82(図4)の弾撥力により鉛直方向上向きに待避ストローク分だけ引き上げられる。そして、メス駆動部74の上メス取付台79を水平方向に回転させるだけで、上メス72をミシン頭部の顎部下端に収納することができる。この際、上メス取付台79はばね座金81(図4)を介して段付ねじ80によって上メス駆動板76の取付アーム76cに固定されるので、ミシンの振動等によって下方へずれ落ちることを防ぐことができる。
【0031】
このようにメス作動位置からメス待避位置に変移させるクラッチ75による簡便な操作により、布5の布縁5cを切断することなく本縫のみを行なう作業に切換えることができる。
【0032】
なお、本発明のミシンのメス駆動機構のメス駆動部およびクラッチは上述したものに限らず、メス駆動部のメス作動時に上メスに動力を伝達し、メス駆動部をメス非作動時に待避位置に変移して上メスへの動力を遮断することができれば、どのような構造のものでもよい。
【0033】
また、本発明のミシンのメス駆動機構においては、切り屑凹部を覆うための平坦部材として蓋部材を用いていたが、これに限らず、図7に示すように、メス駆動部のメス作動時に使用する切り屑凹部61が一体的に形成された針板60Aと、メス駆動部のメス非作動時に使用するミシンベッド面と同面とする平坦部材が一体的に形成された針板60Bとを備え、メス駆動部のメス作動時、メス駆動部のメス非作動時にそれぞれ交換自在に装着できるようにしてもよい。
【0034】
さらに、本発明のミシンのメス駆動機構を本縫ミシンに適用したその好ましい実施の形態例によれば水平回転運動する水平釜を使用したが、これに限らず、針に刺し通した上糸を針の下死点から上昇する際に、上糸と下糸とを交叉させて被縫製体の面に平行な縫目と垂直方向の縫目とから成る本縫を形成することができれば、どのような釜を使用してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明のミシンのメス駆動機構によれば、ミシンの既成の構造空間にメス駆動部、クラッチ、切り屑受け凹部などのメス切断機構部分を組込むことができ、布縁を切断して本縫で縁かがり縫を行なう作業と布縁を切断することなく本縫を行なう作業とを簡便に切換えて実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のミシンのメス駆動機構における好ましい実施の形態例を示す図で、(a)はメス駆動部のメス作動時の斜視図、(b)はメス駆動部のメス非作動時の斜視図。
【図2】 本発明のミシンのメス駆動機構を適用した本縫ミシンの一実施例を示す全体斜視図。
【図3】 (a)、(b)は本発明のミシンのメス駆動機構を適用した本縫ミシンの動作を簡単に示す説明図。
【図4】 本発明のミシンのメス駆動機構におけるメス駆動部を示す分解斜視図。
【図5】 本発明のミシンのメス駆動機構の下メスと切り切屑凹部とを示す部分斜視図。
【図6】 本発明のミシンのメス駆動機構におけるメス駆動部の動作を示す図で、(a)はメス作動状態における上メスの上死点を示す説明図、(b)はメス作動状態における上メスの下死点を示す説明図、(c)はメス非作動状態を示す説明図。
【図7】 本発明のミシンのメス駆動機構における針板を示す図で、(a)は切り屑受け凹部が一体的に形成された針板の斜視図、(b)は平坦部材が一体的に形成された針板の斜視図。
【符号の説明】
5c‥‥‥‥布縁
6‥‥‥‥‥針板
61‥‥‥‥切り屑受け凹部
62‥‥‥‥蓋部材(平坦部材)
72‥‥‥‥上メス
73‥‥‥‥下メス
74‥‥‥‥メス駆動部
75‥‥‥‥クラッチ
FR‥‥‥‥機枠
BF‥‥‥‥ミシンベッド面
Claims (1)
- メス非作動時に水平方向、メス作動時に鉛直方向に回転可能で上下動する上メス及び前記上メスと協働する位置で針板に固定される下メスにより布縁を切断するミシンのメス駆動機構であって、
機枠に設けられて摺動自在に支承され前記上メスを駆動するメス駆動部と、
前記メス駆動部のメス作動時に前記上メスに動力を伝達し、前記メス駆動部をメス非作動時に待避位置に変移して前記上メスへの動力を遮断するクラッチと、
ミシンベッド面で前記針板に設けられ、前記上メス及び前記下メスにより前記布縁が切断された際に発生する切り屑をミシンベッド下部に落下するのを防止する切り屑受け凹部と、
前記メス駆動部のメス作動時に設けられる前記切り屑受け凹部の位置で、前記メス駆動部のメス非作動時に前記ミシンベッド面と同面で前記メス駆動部のメス非作動時に交換または設置される蓋部材とを備えることを特徴とするミシンのメス駆動機構。
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