JP3792042B2 - ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置 - Google Patents

ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3792042B2
JP3792042B2 JP08826898A JP8826898A JP3792042B2 JP 3792042 B2 JP3792042 B2 JP 3792042B2 JP 08826898 A JP08826898 A JP 08826898A JP 8826898 A JP8826898 A JP 8826898A JP 3792042 B2 JP3792042 B2 JP 3792042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
vacuum head
helium
seal
leak tester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08826898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11264780A (ja
Inventor
良一 八嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP08826898A priority Critical patent/JP3792042B2/ja
Publication of JPH11264780A publication Critical patent/JPH11264780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3792042B2 publication Critical patent/JP3792042B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダンパ装置のシール異常検出方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用油圧緩衝器等として、アウタチューブ内にダンパシリンダを内装し、ダンパシリンダとアウタチューブとの間をリザーバ室とし、該リザーバ室に加圧ガスを封入してなるダンパ装置が用いられている。
【0003】
このダンパ装置にあっては、組立の最終段階で、ダンパシリンダのピストンロッドシール部まわりから外面への油のにじみを目視検査し、そのシール部における疵等の異常の有無を検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、ダンパ装置のシール異常を目視検査するものであり、シール部の疵等が微少で油漏れも微少でしかない場合、そのシール異常を精度良く検出することができない。
【0005】
本発明の課題は、ダンパ装置のシール異常を高精度に検出することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、アウタチューブ内にダンパシリンダを内装し、ダンパシリンダとアウタチューブとの間をリザーバ室とし、該リザーバ室に加圧ガスを封入してなるダンパ装置のシール異常検出方法において、加圧ガスにヘリウムを混合してダンパシリンダに封入し、ダンパシリンダのピストンロッドシール部まわりにバキュームヘッドを封着し、ピストンロッドを作動させた状態下で、ダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れ出たヘリウムのリーク量をヘリウムリークテスタで測定し、該ヘリウムのリーク量の大きさによりピストンロッドシール部の異常の有無を判定するようにしたものである。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記バキュームヘッド内を最初にメインポンプで真空引きし、次にダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れたガスをサブポンプで吸引してヘリウムリークテスタに送るようにしたものである。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の本発明において更に、前記バキュームヘッドとメインポンプをつなぐ配管の途中に第1と第2の2つの開閉バルブを設け、これらのバルブ間にヘリウムリークテスタを接続する配管を設け、ヘリウムリークテスタを接続する配管に第3の開閉バルブを設け、最初に、第1と第2の開閉バルブを開、第3の開閉バルブを閉とし、メインポンプでバキュームヘッド内を真空引きし、次に、第2の開閉バルブを閉、第3の開閉バルブを開とし、ダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れたガスをサブポンプで吸引してヘリウムリークテスタに送り、ヘリウムのリーク量を測定し、上記ヘリウムのリーク量の測定の途中で、第1開閉バルブを閉じてバキュームヘッドをダンパシリンダから取外し、その後、リーク量の測定終了に至るようにしたものである。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、アウタチューブ内にダンパシリンダを内装し、ダンパシリンダとアウタチューブとの間をリザーバ室とし、該リザーバ室に加圧ガスを封入してなるダンパ装置のシール異常検出装置において、ダンパシリンダのピストンロッドシール部まわりに封着されるバキュームヘッドと、バキュームヘッド内を真空引きするポンプと、ポンプの真空引きによってダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れたヘリウムのリーク量を検出するヘリウムリークテスタとを有してなるようにしたものである。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の本発明において更に、前記バキュームヘッドにリークテスタを接続する配管にオリフィスを設けてなるようにしたものである。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、請求項4又は5に記載の本発明において更に、前記バキュームヘッドに負圧計を接続してなるようにしたものである。
【0012】
【作用】
請求項1、4に記載の本発明によれば下記▲1▼の作用がある。
▲1▼ヘリウムを混合したガスを封入したダンパ装置にバキュームヘッドを取付けて真空引きを行ない、ピストンロッドを作動させてシール部からのヘリウムの漏れをヘリウムリークテスタで検出し、ヘリウムのリーク量の大きさによりシール部の疵等の異常の有無を確実に判定することができる。このとき、ヘリウムリークテスタを使用することで、微小疵等の異常も高精度で検出できる。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば下記▲2▼の作用がある。
▲2▼ヘリウムリークテスタは、検査前にバキュームヘッド〜リークテスタの配管内の空気を抜いておく必要がある。大容量のメインポンプにより最初にバキュームヘッドを真空引きしておくことにより、バキュームヘッド〜リークテスタの配管内の空気を迅速に抜くことができ、ヘリウムリークテスタによる検査時間を短縮できる。
【0014】
請求項3に記載の本発明によれば下記▲3▼の作用がある。
▲3▼第1〜第3の開閉バルブの開閉制御により、(a) 大容量のメインポンプにより最初にバキュームヘッドを真空引きし、次にバキュームヘッドに漏れ出たガスをサブポンプによりリークテスタに送り込むことにより、リークテスタによる検査時間を上記▲2▼の如くに短縮できるとともに、(b) 先行するダンパ装置からリークテスタに送り込まれたヘリウムのリーク量を検出することにて先行するダンパ装置のシール異常を検出する作業と並行して、バキュームヘッドを先行するダンパ装置から取外し、該バキュームヘッドを後続の新ダンパ装置に封着する作業を行なうことができ、検査の生産性を向上できる。
【0015】
請求項5に記載の本発明によれば下記▲4▼の作用がある。
▲4▼バキュームヘッドからリークテスタに入る配管にオリフィスを設けたから、リークテスタに入る検査ガス量を規制してS/N比を向上させ、ダンパ装置のシール部に異常のない良品と異常のある不良品との間で、リークテスタが検出するヘリウムのリーク量に大差をもたせることとし、シール部異常の検出精度を向上できる。
【0016】
請求項6に記載の本発明によれば下記▲5▼の作用がある。
▲5▼バキュームヘッドに負圧計を設けた。ダンパ装置のシール部に大きな疵がある場合には、バキュームヘッドの真空引きをしても、負圧計の検出値が所定の圧力まで到達しないから、これによって直ちにダンパ装置のシール異常を確認できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1はシール異常検出装置を示す模式図、図2はシール異常検出装置を示すブロック図、図3はシール異常検出装置の第1実施形態を示す模式図、図4は第1実施形態の検出結果を示す模式図、図5はシール異常検出装置の第2実施形態を示す模式図、図6は第2実施形態の検出結果を示す模式図、図7はシール異常検出装置の第3実施形態を示す模式図、図8は第3実施形態の検出結果を示す模式図である。
【0018】
(ダンパ装置)(図2)
ダンパ装置10は、図2に示す如く、アウタチューブ11内にダンパシリンダ12を内装し、ダンパシリンダ12に挿入されるピストンロッド13のピストン14によりダンパシリンダ12内にロッド側室15Aとピストン側室15Bとを区画し、アウタチューブ11に挿入されるロッドガイド16をダンパシリンダ12の開口部に圧入するとともに、アウタチューブ11に挿入されるキャップ17にピストンロッド13に摺接するオイルシール18(シール部)を設けている。
【0019】
また、ダンパ装置10は、ダンパシリンダ12とアウタチューブ11との間をリザーバ室19とし、このリザーバ室19をダンパシリンダ12のピストン側室15Bに連通するとともに、このリザーバ室19に加圧ガスを封入している。リザーバ室19は、ダンパシリンダ12に進入、退出するピストンロッド13の容積変化によりダンパシリンダ12内に生じる油量変化を補償するものである。また、リザーバ室19に封入されるガスを加圧しているのは、ダンパ装置10の伸長に伴うリザーバ室19の負圧化を防止してその伸長に続く圧縮時の減衰力発生の遅れを回避することと、ダンパ装置10の伸長時にリザーバ室19からピストン側室15Bへの油の置換流動の迅速を図るためである。
【0020】
しかるに、ダンパ装置10は以下の手順で組立てられる。
(1) アウタチューブ11にダンパシリンダ12を挿入したものに作動油を注入する。
【0021】
(2) ダンパシリンダ12にピストンロッド13を挿入する。
【0022】
(3) アウタチューブ11の上部空間に加圧ガスを封入し、アウタチューブ11及びダンパシリンダ12の上端部にロッドガイド16、キャップ17を装着し、アウタチューブ11の最上端部をかしめ加工する。この状態で、アウタチューブ11とダンパシリンダ12の上部空間、従ってリザーバ室19とロッド側室15Aの上部空間に加圧ガスが封入されたものとなる。
【0023】
(4) 上記(3) のダンパ装置10のピストンロッド13を複数回繰り返し往復動させる予備作動を行なう。これにより、ロッド側室15Aの上部空間に封入されていた加圧ガスが、ロッドガイド16まわりに設けられているチェック弁機能付ガス通路(不図示)からリザーバ室19に移送される。これにより、ダンパ装置10の組立を完了する。
【0024】
しかるに、ダンパ装置10にあっては、ロッドガイド16に設けたオイルシール18に疵等の異常があると、使用時にオイル漏れを引き起こすから、このシール異常の有無を上記(3) と(4) の中間工程で検出可能としている。以下、シール異常検出装置20について説明する。
【0025】
(シール異常検出装置)(図1、図2)
シール異常検出装置20は、図1に示す如く、ヘリウムが混合された加圧ガス(例えば、He混合率 1%)を封入されて未だ前述した予備作動前のダンパ装置10を搬送してくるコンベヤ21と、コンベヤ21上のダンパ装置10を検出作業位置に位置付けるコンベヤ位置決めユニット22と、検出作業位置に位置付けられるダンパ装置10を感知するワーク感知センサ23と、検出作業位置に位置付けられたダンパ装置10をチャックするダンパチャック24とを有する。
【0026】
シール異常検出装置20は、ダンパ装置10のアウタチューブ11から突出しているピストンロッド13まわりに封着されるバキュームヘッド25を有する。バキュームヘッド25は、アウタチューブ11の外周部に気密に密着するチューブシール部26と、ピストンロッド13に気密に密着するロッドシール部27とを備え、更に、真空配管接続口28を備えている(図2)。バキュームヘッド25は、ヘッド上下シリンダ29により、ピストンロッド13まわりに着脱される。
【0027】
シール異常検出装置20は、バキュームヘッド25を上方に貫通するピストンロッド13の上端部をチャックするロッドチャック31を有し、サーボモータ32とボールねじ33によりロッドチャック31を上下に往復動し、結果として、ピストンロッド13を上下に伸縮作動可能としている。
【0028】
シール異常検出装置20は、バキュームヘッド25の真空配管接続口28に接続される真空吸引配管35を有し、この配管35にヘリウムリークテスタ36を接続可能とされている。ヘリウムリークテスタ36は、真空ポンプを内蔵してある。ヘリウムリークテスタ36は、ダンパシリンダ12からバキュームヘッド25に漏れ出たガス中のヘリウムのリーク量を測定し、該ヘリウムのリーク量の大きさによりオイルシール18の異常の有無を判定可能とする。図2の37はヘリウムリークテスタ36が測定したヘリウム濃度の経時データを示す表示部である。
【0029】
しかるに、シール異常検出装置20は、バキュームヘッド25とリークテスタ36の間の真空吸引配管35の構成態様として、例えば、以下の第1実施形態〜第3実施形態を採用できる。
【0030】
(第1実施形態)(図3、図4)
第1実施形態は、図3に示す如く、バキュームヘッド25に真空吸引配管35を介してリークテスタ36を接続しただけのものである。この第1実施形態のシール異常検出装置20による、シール異常検出手順は以下の通りである。
【0031】
(1) ダンパチャック24によりダンパ装置10を検出作業位置でクランプする。
【0032】
(2) ダンパ装置10のピストンロッド13まわりにバキュームヘッド25を封着する。
【0033】
(3) ヘリウムリークテスタ36による測定を開始する。
【0034】
(4) バキュームヘッド25を上方に貫通しているピストンロッド13の上端部をロッドチャック31でチャックし、このピストンロッド13を上下に作動させる。
【0035】
(5) バキュームヘッド25をヘリウムリークテスタ36の内蔵ポンプによりリークテスタ36に吸引し、この吸引負圧が設定圧以下に到達したら、リークテスタ36に吸引したリークガス中のヘリウムの量を測定する。
【0036】
図4(A)、(B)は第1実施形態のリークテスタ36が検出したヘリウム濃度の経時変化であり、図4(A)は良品データ、図4(B)は不良品データである。リークテスタ36が検出したヘリウム濃度、即ちヘリウムのリーク量が過大となることにより、検出対象ダンパ装置10がオイルシール18に疵等の異常のある不良品であるものと判定できる。図4(A)の最大ヘリウム濃度Haに対し、図4(B)の最大ヘリウム濃度Hbは、Ha<<Hbである。
【0037】
尚、この第1実施形態は、リークテスタ36の総容量の内蔵ポンプだけでバキュームヘッド25を真空引きするものであるため、リークテスタ36による真空引き開始から検出作業終了までの検出時間が例えば30秒かかる等、後述する第2実施形態、第3実施形態におけるよりも比較的長い。
【0038】
従って、第1実施形態によれば以下の作用がある。
ヘリウムを混合したガスを封入したダンパ装置10にバキュームヘッド25を取付けて真空引きを行ない、ピストンロッド13を作動させてオイルシール18からのヘリウムの漏れをヘリウムリークテスタ36で検出し、ヘリウムのリーク量の大きさによりオイルシール18の疵等の異常の有無を確実に判定することができる。このとき、ヘリウムリークテスタ36を使用することで、微小疵等の異常も高精度で検出できる。
【0039】
(第2実施形態)(図5、図6)
第2実施形態は、図5に示す如く、バキュームヘッド25の真空配管接続口28に接続される真空吸引配管35の他端に大容量のメインポンプ41を接続し、この真空吸引配管35の途中に第1と第2の2つの開閉バルブ42A、42Bを設け、これらのバルブ42A、42Bの間にリークテスタ36を接続する配管35Aを設け、この配管35Aに第3開閉バルブ42Cを設けたものである。また、第2実施形態にあっては、バキュームヘッド25に負圧計43を設けてある。この第2実施形態のシール異常検出装置20による、シール異常検出手順は以下の通りである。
【0040】
(1) ダンパチャック24によりダンパ装置10を検出作業位置でクランプする。
【0041】
(2) ダンパ装置10のピストンロッド13まわりにバキュームヘッド25を封着する。
【0042】
(3) 第1開閉バルブ42Aと第2開閉バルブ42Bを開、第3開閉バルブ42Cを閉とし、メインポンプ41でバキュームヘッド25内を真空引きする。真空引き開始後、この吸引負圧が設定圧以下に到達したら第2開閉バルブ42Bを閉、第3開閉バルブ42Cを開とし、リークテスタ36による測定を開始する。
【0043】
(4) バキュームヘッド25を上方に貫通しているピストンロッド13の上端部をロッドチャック31でチャックし、このピストンロッド13を上下に作動させる。
【0044】
(5) バキュームヘッド25をリークテスタ36の内蔵ポンプによりリークテスタ36に吸引し、リークテスタ36に吸引したリークガス中のヘリウムの量を測定する。
【0045】
(6) リークテスタ36による上記(5) のヘリウムのリーク量の測定の途中で、第1開閉バルブ42Aを閉じてバキュームヘッド25をダンパ装置10から取外す。その後、検出作業位置では、後続の新ダンパ装置10にバキュームヘッド25を封着できる。
【0046】
(7) リークテスタ36による上記(5) のリーク量測定終了時に第3開閉バルブ42Cを閉、第1開閉バルブ42Aと第2開閉バルブ42Bを開とし、新ダンパ装置10の検査に移る。
【0047】
図6(A)、(B)は第2実施形態のヘリウムリークテスタ36が検出したヘリウム濃度の経時変化であり、図6(A)は良品データ、図6(B)は不良品データである。リークテスタ36が検出したヘリウム濃度、即ちヘリウムのリーク量が過大となることにより、検出対象ダンパ装置10がオイルシール18に疵等の異常のある不良品であるものと判定できる。
【0048】
この第2実施形態は、バキュームヘッド25の真空引きに大容量のメインポンプ41を用いたから、リークテスタ36による真空引き開始から検出作業終了までの検出時間を例えば 6.2秒程度に短縮できる。
【0049】
但し、この第2実施形態では、メインポンプ41による真空引き圧力が高すぎ、リークテスタ36がバキュームヘッド25内の残留空気に含まれるヘリウム(検査対象ダンパ装置10のシール異常に起因するリークヘリウムでないもの)を多量に吸い込むため、良品の最大ヘリウム濃度Haに対する、不良品の最大ヘリウム濃度Hbの差が第1実施形態、第3実施形態に比して小さい。
【0050】
尚、第2実施形態では、メインポンプ41でバキュームヘッド25内を真空引きしたときの負圧計43の検出値が所定の圧力まで到達しないとき、直ちに、ダンパ装置10のオイルシール18に大きな疵、破損等のシール異常があるものと判定する。
【0051】
従って、第2実施形態によれば以下の作用がある。
▲1▼ヘリウムを混合したガスを封入したダンパ装置10にバキュームヘッド25を取付けて真空引きを行ない、ピストンロッド13を作動させてオイルシール18からのヘリウムの漏れをヘリウムリークテスタ36で検出し、ヘリウムのリーク量の大きさによりオイルシール18の疵等の異常の有無を確実に判定することができる。このとき、ヘリウムリークテスタ36を使用することで、微小疵等の異常も高精度で検出できる。
【0052】
▲2▼ヘリウムリークテスタ36は、検査前にバキュームヘッド25〜リークテスタ36の配管内の空気を抜いておく必要がある。大容量のメインポンプ41により最初にバキュームヘッド25を真空引きしておくことにより、バキュームヘッド25〜リークテスタ36の配管内の空気を迅速に抜くことができ、ヘリウムリークテスタ36による検査時間を短縮できる。
【0053】
▲3▼第1〜第3の開閉バルブ42A〜42Cの開閉制御により、先行するダンパ装置10からリークテスタ36に送り込まれたヘリウムのリーク量を検出することにて先行するダンパ装置10のシール異常を検出する作業と並行して、バキュームヘッド25を先行するダンパ装置10から取外し、該バキュームヘッド25を後続の新ダンパ装置10に封着する作業を行なうことができ、検査の生産性を向上できる。
【0054】
▲4▼バキュームヘッド25に負圧計43を設けた。ダンパ装置10のオイルシール18に大きな疵がある場合には、バキュームヘッド25の真空引きをしても、負圧計43の検出値が所定の圧力まで到達しないから、これによって直ちにダンパ装置10のシール異常を確認できる。
【0055】
(第3実施形態)(図7、図8)
第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、図7に示す如く、バキュームヘッド25の真空配管接続口28に接続される真空吸引配管35の他端に大容量のメインポンプ41を接続したことに加え、真空吸引配管35の第1と第2の開閉バルブ42A、42Bの間に接続されてリークテスタ36が接続される配管35Aの途中にサブポンプ44とオリフィス45を介装したことにある。この第3実施形態のシール異常検出装置20による、シール異常検出手順は以下の通りである。
【0056】
(1) ダンパチャック24によりダンパ装置10を検出作業位置でクランプする。
【0057】
(2) ダンパ装置10のピストンロッド13まわりにバキュームヘッド25を封着する。
【0058】
(3) 第1開閉バルブ42Aと第2開閉バルブ42Bを開、第3開閉バルブ42Cを閉とし、メインポンプ41でバキュームヘッド25内を真空引きする。真空引き開始後、この吸引負圧が設定圧以下に到達したら第2開閉バルブ42Bを閉、第3開閉バルブ42Cを開とし、リークテスタ36による測定を開始する。
【0059】
(4) バキュームヘッド25を上方に貫通しているピストンロッド13の上端部をロッドチャック31でチャックし、このピストンロッド13を上下に作動させる。
【0060】
(5) バキュームヘッド25をサブポンプ44とリークテスタ36の内蔵ポンプによりリークテスタ36に吸引し、リークテスタ36に吸引したリークガス中のヘリウムの量を測定する。
【0061】
(6) リークテスタ36による上記(5) のヘリウムのリーク量の測定の途中で、第1開閉バルブ42Aを閉じてバキュームヘッド25をダンパ装置10から取外す。その後、検出作業位置では、後続の新ダンパ装置10にバキュームヘッド25を封着できる。
【0062】
(7) リークテスタ36による上記(5) のリーク量測定終了時に第3開閉バルブ42Cを閉、第1開閉バルブ42Aと第2開閉バルブ42Bを開とし、新ダンパ装置10の検査に移る。
【0063】
図8(A)、(B)は第3実施形態のリークテスタ36が検出したヘリウム濃度の経時変化であり、図8(A)は良品データ、図8(B)は不良品データである。リークテスタ36が検出したヘリウム濃度、即ちヘリウムのリーク量が過大となることにより、検出対象ダンパ装置10がオイルシール18に疵等の異常のある不良品であるものと判定できる。
【0064】
この第3実施形態は、バキュームヘッド25の真空引きに大容量のメインポンプ41と、更にサブポンプ44も用いたから、リークテスタ36による真空引き開始から検出作業終了までの検出時間を、第2実施形態におけるよりも短い、例えば 4.2秒程度に短縮できる。
【0065】
また、第3実施形態では、バキュームヘッド25からリークテスタ36に入る配管35Aにオリフィス45を設けたから、リークテスタ36に入る検出ガス量を規制してS/N比を向上させることができる。
【0066】
従って、第3実施形態によれば、第2実施形態における▲1▼〜▲4▼の作用に加え、以下の作用がある。
▲1▼第1〜第3の開閉バルブ41A〜41Cの開閉制御により、大容量のメインポンプ41により最初にバキュームヘッド25を真空引きし、次にバキュームヘッド25に漏れたガスをサブポンプ44によりリークテスタ36に送り込むことにより、リークテスタ36による検出時間をより短縮できる。
【0067】
▲2▼バキュームヘッド25からリークテスタ36に入る配管にオリフィス45を設けたから、リークテスタ36に入る検査ガス量を規制してS/N比を向上させ、ダンパ装置10のオイルシール18に異常のない良品と異常のある不良品との間で、リークテスタ36が検出するヘリウムのリーク量に大差をもたせることとし、オイルシール18異常の検出精度を向上できる。
【0068】
第3実施形態のシール異常検出装置20による具体的テスト結果について説明する。良品ダンパ装置10のオイルシール18に0.09mmの釣糸と0.15mmの釣糸を噛み込ませて不良品モデルを作成し、良品モデル 8本、0.09mm疵付不良品モデル 2本、0.15mm疵付不良品モデル 9本の計19本についてテストを行なった。結果、不良品12本、良品 7本と判定した(負圧計43によるバキュームヘッド25の初期圧不良検出 2本、リークテスタ36によるリーク不良検出10本)。良品と不良品の判定基準の設定を変更することで、より精度の良い検出が可能になる。このテスト結果では、不良品の検出は確実に行なえているが、良品のうちの 1本も不良判定しており、判定基準を見直す必要があるが、満足できる結果である。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ダンパ装置のシール異常を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシール異常検出装置を示す模式図である。
【図2】図2はシール異常検出装置を示すブロック図である。
【図3】図3はシール異常検出装置の第1実施形態を示す模式図である。
【図4】図4は第1実施形態の検出結果を示す模式図である。
【図5】図5はシール異常検出装置の第2実施形態を示す模式図である。
【図6】図6は第2実施形態の検出結果を示す模式図である。
【図7】図7はシール異常検出装置の第3実施形態を示す模式図である。
【図8】図8は第3実施形態の検出結果を示す模式図である。
【符号の説明】
10 ダンパ装置
11 アウタチューブ
12 ダンパシリンダ
13 ピストンロッド
14 ピストン
18 オイルシール(シール部)
19 リザーバ室
20 シール異常検出装置
25 バキュームヘッド
36 ヘリウムリークテスタ
41 メインポンプ
42A〜42C 開閉バルブ
43 負圧計
44 サブポンプ
45 オリフィス

Claims (6)

  1. アウタチューブ内にダンパシリンダを内装し、ダンパシリンダとアウタチューブとの間をリザーバ室とし、該リザーバ室に加圧ガスを封入してなるダンパ装置のシール異常検出方法において、
    加圧ガスにヘリウムを混合してダンパシリンダに封入し、
    ダンパシリンダのピストンロッドシール部まわりにバキュームヘッドを封着し、
    ピストンロッドを作動させた状態下で、ダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れ出たヘリウムのリーク量をヘリウムリークテスタで測定し、該ヘリウムのリーク量の大きさによりピストンロッドシール部の異常の有無を判定することを特徴とするダンパ装置のシール異常検出方法。
  2. 前記バキュームヘッド内を最初にメインポンプで真空引きし、次にダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れたガスをサブポンプで吸引してヘリウムリークテスタに送る請求項1記載のダンパ装置のシール異常検出方法。
  3. 前記バキュームヘッドとメインポンプをつなぐ配管の途中に第1と第2の2つの開閉バルブを設け、これらのバルブ間にヘリウムリークテスタを接続する配管を設け、ヘリウムリークテスタを接続する配管に第3の開閉バルブを設け、
    最初に、第1と第2の開閉バルブを開、第3の開閉バルブを閉とし、メインポンプでバキュームヘッド内を真空引きし、
    次に、第2の開閉バルブを閉、第3の開閉バルブを開とし、ダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れたガスをサブポンプで吸引してヘリウムリークテスタに送り、ヘリウムのリーク量を測定し、
    上記ヘリウムのリーク量の測定の途中で、第1開閉バルブを閉じてバキュームヘッドをダンパシリンダから取外し、その後、リーク量の測定終了に至る請求項2記載のダンパ装置のシール異常検出方法。
  4. アウタチューブ内にダンパシリンダを内装し、ダンパシリンダとアウタチューブとの間をリザーバ室とし、該リザーバ室に加圧ガスを封入してなるダンパ装置のシール異常検出装置において、
    ダンパシリンダのピストンロッドシール部まわりに封着されるバキュームヘッドと、
    バキュームヘッド内を真空引きするポンプと、
    ポンプの真空引きによってダンパシリンダからバキュームヘッドに漏れたヘリウムのリーク量を検出するヘリウムリークテスタとを有してなることを特徴とするダンパ装置のシール異常検出装置。
  5. 前記バキュームヘッドにリークテスタを接続する配管にオリフィスを設けてなる請求項4記載のダンパ装置のシール異常検出装置。
  6. 前記バキュームヘッドに負圧計を接続してなる請求項4又は5に記載のダンパ装置のシール異常検出装置。
JP08826898A 1998-03-18 1998-03-18 ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置 Expired - Fee Related JP3792042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08826898A JP3792042B2 (ja) 1998-03-18 1998-03-18 ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08826898A JP3792042B2 (ja) 1998-03-18 1998-03-18 ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11264780A JPH11264780A (ja) 1999-09-28
JP3792042B2 true JP3792042B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=13938157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08826898A Expired - Fee Related JP3792042B2 (ja) 1998-03-18 1998-03-18 ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3792042B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003106924A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Shimadzu System Solutions Co Ltd 包装された物品におけるシールの良否判定方法
CN106644303B (zh) * 2015-11-02 2019-01-22 株洲时代新材料科技股份有限公司 一种液压减振器密封性双介质检测装置及其检测方法
CN105509970B (zh) * 2016-02-02 2018-01-12 浙江大学 一种活塞杆处密封油膜的可视化装置
WO2019004087A1 (ja) * 2017-06-28 2019-01-03 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置のシール状態検出方法およびシール状態検出装置
CN107269712B (zh) * 2017-07-26 2023-05-02 广西柳航墙材工业有限公司 一种高效螺旋真空挤出成型机的密封结构
JP2020085104A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置のシール状態検出装置およびシール状態検出方法
US12007303B2 (en) 2019-09-26 2024-06-11 Hitachi Astemo, Ltd. Seal state detecting device and seal state detecting method
CN112326133B (zh) * 2020-11-25 2022-07-12 宁波市百孚车业有限公司 一种减震器缸体密封检测装置
CN114459698B (zh) * 2021-12-29 2023-08-18 中国原子能科学研究院 一种检漏工装以及检漏方法
CN114858358B (zh) * 2022-05-07 2022-10-25 浙江爱卫蓝新能源科技有限公司 一种防氦气泄漏的氦检装置
CN114776752B (zh) * 2022-06-17 2022-09-13 扬州福克斯减震器有限公司 一种多重型油压减震器的油封机构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11264780A (ja) 1999-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4813268A (en) Leakage detection apparatus for drum wheels and method therefore
JP3792042B2 (ja) ダンパ装置のシール異常検出方法及び装置
CN205352639U (zh) 一种装粉包套检漏装置
CN114563135B (zh) 一种全自动气密性检测设备及检测方法
JP2019035608A (ja) リーク検査装置およびリーク検査装置における検査ガス回収方法
JP2012146567A (ja) 車載バッテリー用ベントプラグの検査方法
JP4374241B2 (ja) 対象物の密封性を測定するためのシステム及び方法
CN101832846B (zh) 一种气阀气密性检测的工作台
CN106525353B (zh) 高压充气连接管缺陷检测方法
US5235845A (en) Method of detecting a pinhole at a welded portion of an article
CN102141460A (zh) 钛焊管气密试验机
JPH07187152A (ja) 密封袋のリークテスト方法
JP3430882B2 (ja) リーク試験装置及びリーク試験方法
KR101182818B1 (ko) 리크 검사 장치 및 방법
CN214277332U (zh) 对承压设备的检漏装置
CN202066651U (zh) 钛焊管气密试验机
JP2000055769A (ja) リークテスト装置
KR100890397B1 (ko) 쇽업소버의 용접 리크 검사 장치
CN208635990U (zh) 气雾剂罐体负压式气密性检测装置
JP2650475B2 (ja) 気密試験装置
JP4103278B2 (ja) 漏れ検査装置
JP2002267565A (ja) 漏洩試験装置及び漏洩試験方法
CN104062086A (zh) 一种用于燃油分配器总成产品检漏的装置
JPH11281515A (ja) ヘリウムリークテスト装置
CN220690378U (zh) 电池检测装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees