JP2020085104A - シリンダ装置のシール状態検出装置およびシール状態検出方法 - Google Patents

シリンダ装置のシール状態検出装置およびシール状態検出方法 Download PDF

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Takayuki Ono
孝幸 大野
裕一 中村
Yuichi Nakamura
裕一 中村
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Abstract

【課題】メンテナンスの頻度を減らすことができるシリンダ装置のシール状態検出装置およびシール状態検出方法を提供する。【解決手段】シリンダ11の開口部32側とピストンロッド22との間に設けられるシール部材26のシール状態の異常を検出するものであって、シリンダ装置10に密着可能なシール本体部511を有しシリンダ11の開口部32側を覆って密閉するチャンバと、シール本体部511をシール本体部511の外周側から径方向内方に膨出させる膨出手段525と、チャンバ内の状態からシール部材26のシール状態の異常を検出するシール状態検出手段と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダ装置のシール状態検出装置およびシール状態検出方法に関する。
シリンダ装置のシール部材の異常を検出するため、リザーバ室に加圧したヘリウムを封入し、漏れ出たヘリウムのリーク量をヘリウムリークテスタで測定する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−264780号公報
ところで、シリンダ装置のシール部材の異常を検出する装置のメンテナンスの頻度を減らすことが求められている。
したがって、本発明は、メンテナンスの頻度を減らすことができるシリンダ装置のシール状態検出装置およびシール状態検出方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るシリンダ装置のシール状態検出装置は、シリンダ装置に密着可能なシール本体部を有しシリンダの開口部側を覆って密閉するチャンバと、前記シール本体部を該シール本体部の外周側から径方向内方に膨出させる膨出手段と、前記チャンバ内の状態からシール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出手段と、を有する構成とした。
本発明に係るシリンダ装置のシール状態検出方法は、チャンバでシリンダの開口部側を覆って密閉する密閉工程が、前記チャンバの内周部を拡径状態として前記シリンダの前記開口部側を前記チャンバの内側に配置する配置工程と、前記チャンバの内周部を膨出状態として、シリンダ装置に密着させる膨出工程と、を含む構成とした。
本発明によれば、メンテナンスの頻度を減らすことができる。
本発明に係る実施形態のシール状態検出装置およびシール状態検出方法の検査対象となるシリンダ装置を含むシリンダ装置組立体を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のシール状態検出装置およびシール状態検出方法の検査対象となるシリンダ装置を示す要部の拡大断面図である。 本発明に係る第1実施形態のシール状態検出装置を示す構成図である。 本発明に係る第1実施形態のシール状態検出装置のチャンバシール部を示す断面図であって、(a)は膨出工程前の状態、(b)は膨出工程後の状態をを、それぞれ示すものである。 本発明に係る第1実施形態の減圧工程、安定化工程および第1,第2圧力測定工程でのチャンバ内の圧力状態を示す線図である。 本発明に係る第1実施形態による異常判定の例を示す図表である。 本発明に係る第2実施形態のシール状態検出装置を示す構成図である。
本発明に係る実施形態のシール状態検出装置およびシール状態検出方法の検査対象となるシリンダ装置を図1および図2を参照して以下に説明する。
図1は、シリンダ装置10を含むシリンダ装置組立体1を示すものである。シリンダ装置組立体1は、自動車や鉄道車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。図1に示すように、シリンダ装置組立体1は、作動流体が封入されるシリンダ11を有している。シリンダ11は、内筒12と、内筒12よりも大径で内筒12の外側に設けられる外筒13とから構成される複筒式である。内筒12と外筒13とは同軸状に配置されており、これら内筒12および外筒13の間にリザーバ室14が形成されている。
シリンダ11の内筒12内には、ピストン17が摺動可能に挿入されている。このピストン17は、内筒12内つまりシリンダ11内に上室18と下室19とを画成している。シリンダ11内には、具体的に、上室18および下室19内に流体としての作動液Lが封入され、リザーバ室14内に流体としての作動液LおよびガスGが封入される。ガスGは具体的には窒素ガスである。よって、シリンダ11には、窒素ガスを含む流体が封入されている。
ピストン17にはピストンロッド22が連結されている。ピストンロッド22は、軸方向一側がシリンダ11内に挿入されてピストン17に連結されており、軸方向他側がシリンダ11の軸方向(図1の上下方向、以下、シリンダ軸方向という)の一端つまり内筒12および外筒13の一端から外部へと延出している。ピストン17は、このピストンロッド22の内筒12内の端部にナット23によって締結されており、ピストン17と一体的に移動する。
シリンダ11の内側には、ピストンロッド22が突出するシリンダ軸方向の一端側に、環状のロッドガイド25と、環状のシール部材26とが同軸状に配置されている。シール部材26はシリンダ軸方向における内外方向(図1の上下方向で、以下、シリンダ内外方向という)のロッドガイド25よりも外側(図1の上下方向上側)に設けられている。言い換えれば、ロッドガイド25はシール部材26のシリンダ内外方向の内側(図1の上下方向下側)に設けられている。シリンダ11の内側には、シリンダ軸方向のロッドガイド25およびシール部材26とは反対側にベースバルブ28が設けられている。
ロッドガイド25およびシール部材26は、それぞれの内側にピストンロッド22が摺動可能に挿通されている。ピストンロッド22は、シリンダ11内に配置される一端部が内筒12内に配置されるピストン17によってシリンダ11の中心軸上に配置されている。また、ピストンロッド22は、軸方向の中間部がシリンダ11に嵌合されるロッドガイド25によってシリンダ11の中心軸上に配置されている。
ロッドガイド25は、ピストンロッド22を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持する。シール部材26は、その外周部がシリンダ11の外筒13の内側に密着嵌合される。シール部材26は、その内周部にピストンロッド22が密着状態となるように挿入される。これにより、シール部材26は、シリンダ11の一端側を閉塞して、内筒12内の作動液Lおよびリザーバ室14内のガスGおよび作動液Lが外部に漏出するのを規制する。
シリンダ11の外筒13は、円筒状の胴部30と、この胴部30におけるピストンロッド22の突出側とは反対の端部を閉塞する底部31と、胴部30におけるピストンロッド22の突出側の開口部32の位置から径方向内方に突出する係止部33とを有する略有底円筒状をなしている。ここで、内筒12は全体が外筒13内に配置されており、よって、外筒13の底部31とは反対側の開口部32がシリンダ11の開口部32にもなっている。ピストンロッド22は、このシリンダ11の開口部32からシリンダ11の外部に延出している。
シリンダ11の内筒12は、円筒状をなしており、軸方向の一端側が外筒13の底部31の内側に配置されるベースバルブ28のベースボディ34に嵌合状態で支持され、軸方向の他端側が外筒13の開口部32の内側に嵌合されるロッドガイド25に嵌合状態で支持されている。
ベースバルブ28のベースボディ34には、軸方向に貫通する液通路36および液通路37が形成されている。液通路36および液通路37は、内筒12内の下室19と、外筒13と内筒12との間のリザーバ室14とを連通可能となっている。ベースボディ34には、底部31側にディスクバルブ38が配置され、底部31とは反対側にディスクバルブ39が配置されている。ディスクバルブ38は、ベースボディ34の径方向における内側の液通路36を開閉可能となっている。ディスクバルブ39は、ベースボディ34の径方向における液通路36よりも外側の液通路37を開閉可能となっている。これらのディスクバルブ38,39は、ベースボディ34の中央に挿入されて加締められたリベット42によってベースボディ34に取り付けられている。
ディスクバルブ38は、ディスクバルブ39に形成された図示略の通路穴および液通路36を介して下室19からリザーバ室14側への作動液Lの流れを許容するものであり、この作動液Lの流れを制御して減衰力を発生させる。ディスクバルブ38は、これとは逆方向の作動液Lの流れを規制する。つまり、ディスクバルブ38は、ピストンロッド22がシリンダ11からの突出量を減らす縮み側に移動し、ピストン17が下室19側に移動して下室19の圧力が上昇すると液通路36を開くことになり、その際に減衰力を発生させる減衰バルブである。
ディスクバルブ39は、液通路37を介してリザーバ室14から下室19側への作動液Lの流れを抵抗無く許容する。ディスクバルブ39は、これとは逆方向の作動液Lの流れを規制する。ディスクバルブ39は、ピストンロッド22がシリンダ11からの突出量を増やす伸び側に移動し、ピストン17が上室18側に移動して下室19の圧力が下降すると液通路37を開くことになるが、その際にリザーバ室14から下室19内に実質的に減衰力を発生させずに作動液Lを流すサクションバルブである。
ピストンロッド22は、一定径の主軸部45と、内筒12内に挿入される側の端部の内端軸部46とを有している。内端軸部46は、主軸部45よりも小径となっており、その主軸部45とは反対側にオネジ47が形成されている。このオネジ47にナット23が螺合されることになり、このナット23によってピストン17およびその両側のディスクバルブ51,52がピストンロッド22に取り付けられている。
ピストン17には、その径方向の中央に軸方向に貫通する貫通孔53が形成されており、貫通孔53の周囲に、軸方向に貫通する液通路54および液通路55が形成されている。貫通孔53にはピストンロッド22の内端軸部46が挿入されることになる。液通路54および液通路55は、内筒12内のピストン17よりも底部31側の下室19と、内筒12内のピストン17よりも底部31とは反対側の上室18とを連通可能となっている。
また、ピストン17には、ディスクバルブ51が底部31とは反対側に配置されるとともに、ディスクバルブ52が底部31側に配置されている。ディスクバルブ51は、液通路54を開閉可能な減衰バルブであり、ディスクバルブ52は、液通路55を開閉可能な減衰バルブである。
ディスクバルブ51は下室19から上室18側への作動液Lの流れを許容する一方でこれとは逆方向の作動液Lの流れを規制する。ディスクバルブ51は、ピストンロッド22が縮み側に移動しピストン17が下室19側に移動して下室19の圧力が上昇すると液通路54を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。つまり、ディスクバルブ51は縮み側の減衰バルブである。
ディスクバルブ52は上室18側から下室19への作動液Lの流れを許容する一方でこれとは逆方向の作動液Lの流れを規制する。ディスクバルブ52は、ピストンロッド22が伸び側に移動しピストン17が上室18側に移動して上室18の圧力が上昇すると液通路55を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。つまり、ディスクバルブ52は伸び側の減衰バルブである。
ここで、ピストンロッド22が伸び側に移動してシリンダ11からの突出量が増大すると、その分の作動液Lがリザーバ室14からベースバルブ28のディスクバルブ39を開きつつ液通路37を介して下室19に流れることになる。逆にピストンロッド22が縮み側に移動してシリンダ11への挿入量が増大すると、その分の作動液Lが下室19からディスクバルブ38を開きつつ液通路36を介してリザーバ室14に流れることになる。
図2に示すように、ロッドガイド25は、略段付き円環状をなすロッドガイド本体60と、ロッドガイド本体60の内周部に嵌合固定される円筒状のカラー61とからなっている。ロッドガイド本体60は、外周側が、シリンダ内外方向の外側に円形の大径外周部64が形成され、シリンダ内外方向の内側に大径外周部64よりも小径の円形の小径外周部65が形成された形状をなしている。大径外周部64および小径外周部65は同軸状に形成されており、ロッドガイド本体60は、大径外周部64が、シリンダ11の外筒13の胴部30の内周部に嵌合している。また、ロッドガイド本体60は、小径外周部65が、シリンダ11の内筒12の内周部に嵌合している。
ロッドガイド本体60は、内周側が、シリンダ内外方向の外側に円形の大径内周部72が、シリンダ内外方向の内側に大径内周部72よりも小径の円形の小径内周部73が形成された形状をなしている。
ロッドガイド本体60のシリンダ内外方向の外側には、シリンダ内外方向の外側に突出する円環状の環状凸部75が形成されている。環状凸部75は、大径外周部64、小径外周部65、大径内周部72および小径内周部73と同軸状に配置されており、その外周部が突出先端側ほど小径となるテーパ状をなし、その内周部が突出先端側ほど大径となるテーパ状をなしている。
ロッドガイド本体60には、環状凸部75の径方向内側位置に、軸方向に沿って貫通する連通穴81が形成されている。連通穴81は、外筒13と内筒12との間のリザーバ室14に連通している。カラー61は、ロッドガイド本体60の小径内周部73内に嵌合固定されており、このカラー61内に、ピストンロッド22の主軸部45が摺接するように挿入されている。
シール部材26は、その外周部が外筒13の内周部に接触して外筒13との隙間をシールする。また、シール部材26は、その内周部がピストンロッド22の主軸部45の外周部に接触して主軸部45の外周部との隙間をシールする。これにより、シール部材26は、シリンダ11の外筒13の開口部32側とピストンロッド22の主軸部45との間に設けられて、これらの間を閉塞する。
シール部材26は、弾性部材85に円環部材86が埋設された一体成形品である。弾性部材85は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの摺動性のよいゴム材からなっており、円環部材86に接触する部分が全面的に円環部材86に接着されている。円環部材86は、金属製であり、円環状をなしている。円環部材86は、シール部材26の形状を維持するためのものであり、対象部位に固定するための強度をシール部材26に生じさせるものである。
弾性部材85は、環状のシールリング89と、環状のチェックリップ90と、環状のダストリップ91と、環状のオイルリップ92と、環状の内周被覆部93と、環状の外周シール94と、環状の内端面被覆部95と、環状の外端面被覆部96とを有している。
ダストリップ91は、円環部材86の内周側からシリンダ内外方向の外側に円環筒状をなして延出している。ダストリップ91は、その内周部が、シリンダ内外方向の外側に位置するほど小径となっている。オイルリップ92は、円環部材86の内周側からシリンダ内外方向の内側に円環筒状をなして延出している。オイルリップ92は、その内周部が、シリンダ内外方向の内側に位置するほど小径となっている。内周被覆部93は、円筒状をなしており、円環部材86の内周面を覆いつつダストリップ91の基端側とオイルリップ92の基端側とを連結している。
外周シール94は、円筒状をなしており、円環部材86の外周面を覆っている。内端面被覆部95は、オイルリップ92の基端側と外周シール94とを繋いでおり、円環部材86のシリンダ内外方向内側の端面全体を覆っている。外端面被覆部96は、ダストリップ91の基端側から径方向に広がっており、円環部材86のシリンダ内外方向外側の端面の内径側を部分的に覆っている。円環部材86は、外端面被覆部96と外周シール94との間が、弾性部材85で被覆されていない露出部97となっている。
シールリング89は、円環状をなしており、内端面被覆部95の外周縁部からシリンダ内外方向の内側に突出している。チェックリップ90は、円環状をなしており、内端面被覆部95の径方向中間部分から、シリンダ内外方向の内側に、拡径しながら突出している。ダストリップ91の外周部には環状の金属製のスプリング98が装着されており、オイルリップ92の外周部には環状の金属製のスプリング99が装着されている。
シール部材26には、ダストリップ91、内周被覆部93およびオイルリップ92の内側にピストンロッド22の主軸部45が挿通されている。ダストリップ91およびオイルリップ92がピストンロッド22の主軸部45に全周にわたって密着する。
シール部材26をシリンダ11に取り付ける場合、外筒13の開口部32側に係止部33を形成する前の状態で、シール部材26を外筒13の胴部30に開口部32側から挿入し、ロッドガイド25の環状凸部75に当接させる。この状態で、胴部30の開口部32側を径方向内側に折り曲げて係止部33を形成することで、係止部33がシール部材26の円環部材86の露出部97に当接して、円環部材86および内端面被覆部95を環状凸部75とで挟持する。このようにして、シール部材26がシリンダ11に取り付けられる。
シリンダ11に取り付けられた状態のシール部材26は、その外周シール94がシリンダ11の外筒13の内周部に接触し、そのシールリング89が、ロッドガイド25の環状凸部75の外周部と、外筒13の内周部とに接触する。これにより、シール部材26は、外筒13の内周部に全周にわたって密着して外筒13との間を密封する。
また、シリンダ11に取り付けられた状態のシール部材26には、ダストリップ91、内周被覆部93およびオイルリップ92の内側にピストンロッド22の主軸部45が挿通されることになる。この状態で、ピストンロッド22はその一端がシール部材26から外部に突出することになる。ダストリップ91およびオイルリップ92は、ピストンロッド22の主軸部45の外周に全周にわたって密着して主軸部45との間を密封する。よって、シール部材26は、シリンダ11とピストンロッド22との間に設けられて、これらの間をシールする。
シリンダ11に取り付けられた状態のシール部材26は、チェックリップ90が、ロッドガイド25の環状凸部75よりも径方向の内側部分に所定の締め代を持って全周にわたって密封接触可能となっている。ここで、ロッドガイド25とピストンロッド22との隙間から漏れ出た作動液Lは、チェックリップ90よりもこの隙間側の室100に溜まることになり、チェックリップ90は、この室100の圧力が、リザーバ室14の圧力よりも所定量高くなった時に開いて室100に溜まった作動液Lを連通穴81を介してリザーバ室14に流す。つまり、チェックリップ90は、室100からリザーバ室14への方向にのみ作動液LおよびガスGの流通を許容し逆方向の流通を規制する逆止弁として機能する。
図1に示すように、ピストンロッド22の主軸部45には、ロッドガイド25への挿入部分よりも内端軸部46側に、リテーナ111が、径方向外側に広がるように固定されている。リテーナ111の内端軸部46とは反対には、円環状の弾性材料からなる緩衝体112が、内側に主軸部45を挿通させて設けられている。ピストンロッド22は、伸び方向の移動時に、緩衝体112をロッドガイド25に当接させて変形させることで、それ以上の伸び方向の移動が規制される。
ピストンロッド22のシリンダ11とは反対側の一端部には、カバー部材115が取り付けられている。カバー部材115は、ピストンロッド22に固定されてピストンロッド22から径方向に広がる円板状の蓋部118と、蓋部118の外周縁部からシリンダ11の方向に延出する円筒状の筒状部119とを有している。筒状部119は、シリンダ11の開口部32よりも底部31側まで延出しており、シリンダ11の外周部を、この外周部との間に径方向に隙間を有しつつ覆っている。ピストンロッド22および蓋部118の底部31とは反対側には取付アイ116が溶接により固定されている。シリンダ11の胴部30の底部31側の外周面には、ガード部材121が取り付けられており、底部31のピストンロッド22とは反対側に取付アイ122が溶接により固定されている。
ここで、外筒13内に、ベースバルブ28と、内筒12と、ピストンロッド22の一端側に取り付けられた状態のピストン17、ナット23、ディスクバルブ51,52、リテーナ111および緩衝体112と、ロッドガイド25と、シール部材26とを配置するとともに、リザーバ室14、上室18および下室19に流体を注入した状態で、外筒13の開口部32に係止部33を形成することで、シリンダ装置10が形成されることになる。そして、その後、このシリンダ装置10のピストンロッド22のシール部材26よりも突出する部分に、カバー部材115および取付アイ116が取り付けられ、シリンダ11の底部31に取付アイ122が取り付けられてシリンダ装置組立体1となる。言い換えれば、シリンダ装置10は、シリンダ装置組立体1の、カバー部材115および取付アイ116,122が取り付けられる前の状態のものである。
シリンダ装置組立体1は、車両に取り付けられる際に、取付アイ116が上側に配置されて車体側に連結され、取付アイ122が下側に配置されて車輪側に連結される。
シリンダ装置組立体1は、外力が加わらない自然状態にあるとき、上室18、下室19およびリザーバ室14の圧力がほぼ同等になっており、いずれも大気圧より高圧となっている。言い換えれば、シリンダ装置組立体1が自然状態にあるとき、シリンダ11内の作動液LおよびガスGの圧力がいずれも大気圧より高圧となっている。このとき、シリンダ装置組立体1は、ピストン17およびピストンロッド22がシリンダ11に対し所定の位置で停止することになる。このときのシリンダ装置組立体1の長さが自然長である。なお、自然状態にあるとき、上室18、下室19およびリザーバ室14の圧力がほぼ同等で大気圧となるものもある。
[第1実施形態]
実施形態は、シリンダ装置組立体1のカバー部材115および取付アイ116,122が取り付けられる前の状態のシリンダ装置10の検査に関するもので、シリンダ装置10に設けられている、シリンダ11の開口部32とピストンロッド22との間を密閉しているシール部材26のシール状態の異常を検出するシール状態検出装置およびシール状態検出方法である。
以下、第1実施形態を主に図2〜図6に基づいて説明する。図3に示すように、第1実施形態のシール状態検出装置131は、シリンダ装置10のシリンダ11の開口部32側を覆って密閉するチャンバ132と、チャンバ132内の状態からシール部材26のシール状態の異常を検出する検出装置本体部133(シール状態検出手段)と、を備えている。
チャンバ132は、シリンダ11の開口部32側およびシール部材26と、ピストンロッド22のシール部材26よりもシリンダ11の外部側に延出する部分とを覆って密閉する。
チャンバ132は、有蓋筒状のチャンバ本体401と、チャンバ本体401の開口部402側に設けられる円環状のチャンバシール部403と、を有している。チャンバ本体401は、シリンダ11の開口部32側およびシール部材26とピストンロッド22のシール部材26よりもシリンダ11の外部側に延出する部分とをこれらに接触することなく覆う。チャンバシール部403は、外筒13の開口部32側の所定のシール部位405の外周面に密着する。ここで、チャンバ132は、その内側にシリンダ装置10を、自然長の状態のまま、すなわちピストンロッド22をシリンダ11に対し移動させない状態のまま、シリンダ11の開口部32側のシール部位405がチャンバシール部403に密着可能となるまで、挿入可能となっている。
チャンバ本体401は、円筒状の円筒体411と、円筒体411の軸方向の一端側に円筒体411の一端開口部を閉塞するように取り付けられる円板状の蓋体412と、蓋体412を円筒体411に固定する取付ボルト413と、円筒体411と蓋体412との隙間を取付ボルト413よりも径方向内側で閉塞するOリング414と、を有している。
円筒体411には、軸方向一端側に、ネジ穴421が周方向に間隔をあけて複数形成されており、軸方向他端側にも、ネジ穴422が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
蓋体412は、軸方向一端の外周部に形成された小径外径部431と、軸方向中間部から他端にかけての外周部に形成された、小径外径部431よりも大径の大径外径部432と、これらの間で軸直交方向に広がる段部433とを有している。小径外径部431の外径は、円筒体411の内径と略同径となっており、蓋体412は、小径外径部431において円筒体411の内周部に嵌合する。
蓋体412は、段部433にOリング414が配置される円環状のシール溝435が形成されており、このシール溝435よりも径方向外側に取付ボルト413を挿通させる挿通穴436が周方向に間隔をあけて複数形成されている。蓋体412には、中央に軸方向に貫通する貫通孔437が形成されている。
蓋体412は、シール溝435にOリング414を保持した状態で、小径外径部431において円筒体411の内周部に嵌合され、段部433において円筒体411に当接させられる。そして、この状態で、複数の取付ボルト413が、それぞれ、蓋体412の対応する挿通穴436に挿入され、円筒体411の対応するネジ穴421に螺合されることで、蓋体412が円筒体411に固定される。
チャンバ本体401は、円筒体411の軸方向の蓋体412とは反対側に取り付けられる円環状の第1シール支持体451と、第1シール支持体451の軸方向の円筒体411とは反対側に取り付けられる円環状の第2シール支持体452と、第2シール支持体452を第1シール支持体451に固定しつつ第1シール支持体451を円筒体411に固定する取付ボルト453と、円筒体411と第1シール支持体451との隙間を取付ボルト453よりも径方向内側で閉塞するOリング454と、第1シール支持体451と第2シール支持体452との隙間を取付ボルト453よりも径方向内側で閉塞するOリング455と、を有している。
第1シール支持体451は、軸方向一端の内周部に形成された小径内径部461と、軸方向中間部から他端にかけての内周部に形成された、小径内径部461よりも大径の大径内径部462と、これらの間で軸直交方向に広がる段部463とを有している。小径内径部461の内径は、円筒体411の内径よりも若干小径となっている。第1シール支持体451は、小径内径部461が軸方向の円筒体411側に、大径内径部462が軸方向の円筒体411とは反対側に配置されて、円筒体411に固定される。
第1シール支持体451は、軸方向の小径内径部461側の端面にOリング454が配置される円環状のシール溝465が形成されており、シール溝465よりも径方向外側に、取付ボルト453を挿通させる挿通穴466が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第2シール支持体452は、その内径が、第1シール支持体451の小径内径部461の内径と同径となっている。第2シール支持体452は、軸方向の一端側の端面にOリング455が配置される円環状のシール溝471が形成されており、シール溝471よりも径方向外側に、取付ボルト453を挿通させる挿通穴472が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第1シール支持体451は、シール溝465にOリング454を保持した状態で、シール溝465が軸方向の円筒体411側に配置される向きで円筒体411に当接させられることになり、第2シール支持体452は、シール溝471にOリング455を保持した状態で、シール溝471が軸方向の第1シール支持体451側に配置される向きで、第1シール支持体451に当接させられることになる。そして、この状態で、複数の取付ボルト453が、それぞれ、第2シール支持体452の対応する挿通穴472および第1シール支持体451の対応する挿通穴466に挿入されて円筒体411の対応するネジ穴422に螺合されることで、第1シール支持体451および第2シール支持体452が円筒体411に固定される。このように円筒体411に固定された状態で、円筒体411の内周面と、第1シール支持体451の小径内径部461の内周面および大径内径部462の内周面と、第2シール支持体452の内周面とが同軸状に配置されることになる。
第2シール支持体452の内周部が、チャンバ本体401の開口部402となっている。チャンバシール部403は、円環状であり、チャンバ本体401の開口部402側となる、第1シール支持体451の段部463および大径内径部462と、第2シール支持体452とで囲まれた部分に配置される。その際に、第2シール支持体452が取り付けられる前の第1シール支持体451の大径内径部462の径方向内側にチャンバシール部403が配置された後、第2シール支持体452が第1シール支持体451に取り付けられる。
図4に示すように、チャンバシール部403は、円筒状のベース部材501と、ベース部材501の内周面と軸方向の両端面と外周面の軸方向の両端部とを覆う膜状のシール体502と、シール体502をベース部材501の外周部に密閉固定する円環状の一対の固定部材503と、を有している。
ベース部材501は、シール体502よりも剛性が高く変形しにくい、例えば金属材料からなっており、その軸方向の中間位置に径方向に貫通する貫通穴506が形成されている。
シール体502は、弾性変形容易でシール性を有するゴム材料等からなっている。シール体502は、ベース部材501の内周面を覆う円筒状のシール本体部511と、ベース部材501の両端面を覆う一対の円板状の端面被覆部512と、ベース部材501の外周面の軸方向両端側を覆う一対の円筒状の外周面被覆部513とを有している。シール体502は、一対の外周面被覆部513が、それぞれ、円筒状のベース部材501と円環状の固定部材503とで挟持されており、これにより、ベース部材501と固定部材503との間をシールしている。ベース部材501には、一対の外周面被覆部513の間に貫通穴506が形成されている。
チャンバシール部403は、図3に示すようにチャンバ本体401の第1シール支持体451と第2シール支持体452との間に配置される際に、一方の端面被覆部512が第1シール支持体451の段部463に密着して段部463との隙間をシールし、他方の端面被覆部512が第2シール支持体452に密着して第2シール支持体452との隙間をシールする。
シール状態検出装置131は、貫通穴506に連結されるエアレギュレータバルブユニット520と、エアレギュレータバルブユニット520に加圧エアを供給する空気圧縮機等の加圧エア供給源522とを有している。加圧エア供給源522で生成された加圧エアをエアレギュレータバルブユニット520が調圧しながら貫通穴506に供給すると、シール体502とベース部材501との間に加圧エアが導入されることになり、その結果、図4(b)に示すようにシール本体部511が径方向内方に膨出して縮径することになる。その後、エアレギュレータバルブユニット520がチャンバシール部403側を遮断状態とすることで、シール本体部511は、この状態を維持する。
また、この状態からエアレギュレータバルブユニット520がチャンバシール部403側を大気開放してシール体502とベース部材501との間の加圧エアを抜くと、図4(a)に示すようにシール本体部511が自身の弾性により径方向外方に凹んで拡径することになる。
よって、貫通穴506を有するベース部材501、エアレギュレータバルブユニット520および加圧エア供給源522が、シール本体部511をシール本体部511の外周側から径方向内方に膨出させる膨出機構525(膨出手段)を構成する。シール状態検出装置131は、この膨出機構525を含んでいる。
図3に示すように、チャンバ132内に、チャンバ本体401の開口部402側から、シリンダ装置10のピストンロッド22およびシリンダ11の開口部32側が、シリンダ11の開口部32側のシール部位405がチャンバシール部403と軸方向に位置を重ね合わせるまで、挿入される。ここで、図4(a)に示すように、シール体502とベース部材501との間に加圧エアが導入されず、非膨出状態、すなわち拡径状態にあるシール本体部511の内径は、シリンダ11のシール部位405の外径よりも大径となっており、よって、シリンダ装置10は、シール本体部511の内側に、移動の全範囲で径方向に隙間をもって挿入される。
この状態から、膨出機構525がシール体502とベース部材501との間に加圧エアを導入してシール本体部511を径方向内方に膨出する膨出状態とすると、図4(b)に示すように、シール本体部511がシリンダ11の開口部32側のシール部位405に押圧されて密着する。これにより、図3に示すチャンバ132とシリンダ11のシール部位405との隙間が密閉される。また、このとき、加圧エアの圧力でシール体502は、一方の端面被覆部512の第1シール支持体451の段部463への密着度が高まり、他方の端面被覆部512の第2シール支持体452への密着度が高まる。
この状態で、チャンバ132は、シリンダ11の開口部32側を覆って密閉する。よって、チャンバ132は、シリンダ装置10に密着可能なシール本体部511を有してシリンダ11の開口部32側を覆って密閉する。シール状態検出装置131は、チャンバ132と、シール本体部511をシール本体部511の外周側から膨出させる膨出機構525と、を有している。
チャンバ132がシリンダ11の開口部32側を覆って密閉した状態で、チャンバ132内には、内部空間531が形成されることになる。シリンダ装置10のピストンロッド22、シリンダ11の開口部32およびシール部材26は、この内部空間531に臨んで配置される。チャンバ132は、貫通孔437のみが内部空間531を外部に連通させることになり、この貫通孔437が検出装置本体部133に連通する。
検出装置本体部133は、密閉状態のチャンバ132内の内部空間531を所定の真空引き時間真空引きして減圧状態にする減圧部141(減圧手段)を有している。減圧部141は、ロータリポンプからなる真空ポンプ142と、貫通孔437に接続され、真空ポンプ142とチャンバ132の貫通孔437とを繋いで連通させる連通路143と、連通路143に設けられ、開閉することで真空ポンプ142とチャンバ132内の内部空間531との連通および遮断を切り替える開閉弁144とを有している。
真空ポンプ142は、密閉状態のチャンバ132内の内部空間531を開閉弁144が開かれた状態で真空引きすることになる。開閉弁144は、閉じられることで、チャンバ132内の内部空間531と真空ポンプ142との連通を遮断することになり、チャンバ132内の内部空間531を上記した減圧状態に維持する。真空ポンプ142として、ロータリポンプに限らず、メカニカルブースタポンプやディフュージョンポンプを用いても良い。
検出装置本体部133は、チャンバ132内の内部空間531に大気を導入する大気導入部151を有している。大気導入部151は、連通路143のチャンバ132と開閉弁144との間に接続されて、チャンバ132内の内部空間531を連通路143を介して外気に開放する大気開放通路152と、大気開放通路152に設けられ、開閉することでチャンバ132内の内部空間531の外気への開放および外気との遮断を切り替える大気開放弁153とを有している。大気開放弁153は、開かれることでチャンバ132内の内部空間531を外気に連通させ、閉じられることでチャンバ132内の内部空間531を外気から遮断する。
検出装置本体部133は、連通路143を介してチャンバ132内の内部空間531の圧力を測定するピラニ真空計からなる真空計155(圧力測定手段)と、真空計155の検出データを記憶するデータロガー156とを有している。検出装置本体部133は、真空ポンプ142、開閉弁144および大気開放弁153の作動を制御するとともに、減圧部141によって減圧状態とされたチャンバ132内の内部空間531の圧力の真空計155による測定結果に基づいてシリンダ装置10におけるシール部材26のシール状態の異常を検出する制御部158(異常検出手段)を有している。制御部158は、真空ポンプ142、開閉弁144、大気開放弁153、真空計155およびデータロガー156と通信可能であり、真空ポンプ142、開閉弁144および大気開放弁153の作動を制御する。制御部158は、膨出機構525のエアレギュレータバルブユニット520および加圧エア供給源522も制御する。
シール状態検出装置131を用いて、シール部材26のシール状態を検出する場合、まず、作業者が、手作業で、シール状態検出装置131の図示略の所定のセット台のセット位置に、計測対象であるシリンダ装置10をセットするセット工程を行う。セット工程において、作業者は、シリンダ装置10を、シール部材26を上向きにしてセットする。
セット工程の後、シール状態検出装置131の図示略のスタートボタンが操作されると、制御部158は、チャンバ132の内周部であるシール本体部511を拡径状態としたまま、チャンバ132内にシリンダ11の開口部32側を配置する配置工程を行う。すなわち、配置工程では、膨出機構525でシール体502とベース部材501との間に加圧エアを導入することなく、チャンバ132内にシリンダ11の開口部32側を配置する。このとき、シリンダ装置10は、チャンバ132内でシール部材26を上向きにして、シール本体部511の内側に径方向に隙間をもって配置される。また、このとき、シリンダ装置10は、自然長の状態のまま、チャンバ132内にピストンロッド22およびシリンダ11の開口部32側を配置する。
なお、配置工程を行うとき、制御部158は、シール状態検出装置131によって、セット位置にあるシリンダ装置10に対しチャンバ132を自動的に移動させて所定量被せる、あるいは、セット位置にあったシリンダ装置10をチャンバ132に対し自動的に移動させて所定量挿入する等して、チャンバ132に対しシリンダ装置10を所定の検査位置に配置する。このようにして、チャンバ132に対し所定の検査位置に配置されたシリンダ装置10は、シリンダ11の開口部32側のシール部位405がチャンバシール部403と軸方向の位置を重ね合わせることになる。
配置工程の後、制御部158は、チャンバ132のシール本体部511の内周部を膨出状態として、シリンダ11の開口部32側のシール部位405に密着させる膨出工程を行う。すなわち、膨出工程では、膨出機構525のエアレギュレータバルブユニット520で供給圧を調整しつつ加圧エア供給源522からシール体502とベース部材501との間に加圧エアを導入する。すると、シール本体部511が径方向内方に膨出して縮径することになり、シール本体部511がシリンダ11のシール部位405に密着する。また、このとき、一方の端面被覆部512が第1シール支持体451の段部463への密着度を高め、他方の端面被覆部512が第2シール支持体452への密着度を高める。そして、エアレギュレータバルブユニット520でチャンバシール部403側を閉弁状態として、シール本体部511のシリンダ11への密着状態を維持する。これにより、チャンバ132とシリンダ11のシール部位405との隙間が密閉される。以上に述べた、配置工程およびその後の膨出工程が、チャンバ132で、シリンダ11の開口部32側を覆って密閉する密閉工程となる。
膨出工程の後、制御部158は、大気導入部151の大気開放弁153を閉じた状態で、減圧部141によってチャンバ132内の内部空間531を所定の真空引き時間真空引きして減圧状態にする減圧工程を行う。すなわち、制御部158は、減圧部141の開閉弁144を開いた状態で、真空ポンプ142を所定の真空引き時間駆動して、それまで大気圧であったチャンバ132内の内部空間531を減圧する。
制御部158は、真空ポンプ142を所定の真空引き時間駆動すると、開閉弁144を閉じるとともに真空ポンプ142を停止させる。これにより、チャンバ132内の内部空間531の圧力が減圧された減圧状態になる。ここで、図5は、シール部材26のシール状態を検出する際のチャンバ132内の圧力の状態を示しており、時点t0から開始される減圧工程で、実線X1で示すように減圧を開始し、その後、所定の真空引き時間経過した時点t1で開閉弁144を閉じるとともに真空ポンプ142を停止させる。
減圧工程の後、制御部158は、所定の安定化時間の経過を待つ安定化工程後、チャンバ132内の圧力を真空計155で測定する第1圧力測定工程を行う。この第1圧力測定工程では、安定化工程による所定の安定化時間の経過を待った後の第1の時点で、真空計155でチャンバ132内の第1の圧力値を測定する。例えば、図5に示す減圧工程終了時点t1から安定化工程を開始し、安定化工程を終了した第1の時点t2で、真空計155でチャンバ132内の第1の圧力値P1を測定する第1圧力測定工程を行う。
第1圧力測定工程の後、制御部158は、チャンバ132内の内部空間531の圧力に基づいて、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する第1圧力異常検出工程(異常検出工程)を行う。この第1圧力異常検出工程では、第1圧力測定工程で測定された第1の圧力値に基づいて、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する。具体的に、制御部158は、第1の圧力値が、所定の閾値以上であれば、シール部材26にシール状態異常があって真空引き自体が正常に行えない真空引き異常であることを検出し、この閾値未満であれば、後述する第2圧力測定工程を行う。
すなわち、シール部材26のシール状態に大きな異常があると、減圧工程中からシリンダ装置10内の所定量以上のガスGが負圧状態のチャンバ132内に吸い出され、チャンバ132内の内部空間531の圧力が十分に減圧されない状態になって、図5に一点鎖線X2で示すように、第1の時点t2での第1の圧力値P1が高くなって、所定の閾値以上になる真空引き異常状態となる。他方、シール部材26のシール状態に異常がない、あるいは、あっても小さな異常であれば、減圧工程中にシリンダ装置10内の所定量以上のガスGがチャンバ132内に吸い出されることはなく、図5に実線X1および破線X3で示すように、第1の時点t2での第1の圧力値P1が低くなって、所定の閾値未満となる真空引き正常状態になる。制御部158は、まず、第1段階として、これら真空引き異常状態および真空引き正常状態の違いにより、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する。
第1圧力異常検出工程で、第1の圧力値が所定の閾値未満であれば、制御部158は、第1の時点から所定時間経過後の第2の時点でのチャンバ132内の第2の圧力値を測定する第2圧力測定工程を行う。例えば、図5に示す第1の圧力値P1の測定時点t2から所定の検査時間経過後の第2の時点t3の第2の圧力値P2を測定する。
第2圧力測定工程の後、制御部158は、チャンバ132内の内部空間531の圧力に基づいて、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する第2圧力異常検出工程(異常検出工程)を行う。この第2圧力異常検出工程では、第1の圧力値と第2の圧力値との圧力差に基づいて、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する。具体的に、制御部158は、第2の圧力値P2から第1の圧力値P1を減算した圧力差P2−P1を所定の検査時間Tで除算した値、つまり図5に示す時点t2から時点t3までの検査時間Tにおける単位時間あたりの圧力上昇率が、所定の閾値以上であれば、シール部材26のシール状態に異常があることを検出し、この閾値未満であれば、シール部材26のシール状態に異常がないことを検出する。
すなわち、シール部材26のシール状態に異常があれば、所定時間の間にシリンダ装置10内の所定量以上のガスGが負圧状態のチャンバ132内に吸い出され、チャンバ132内の圧力が図5に破線X3で示すように時間の経過とともに上昇して、圧力差P2−P1を所定の検査時間Tで除算した値が閾値以上になる差圧異常状態になる。他方、シール部材26のシール状態に異常がなければ、所定時間の間にシリンダ装置10内の所定量以上のガスGが負圧状態のチャンバ132内に吸い出されることはなく、図5にX1で示すようにチャンバ132内の圧力の上昇が抑えられ、圧力差P2−P1を所定の検査時間Tで除算した値が閾値以上にならない差圧正常状態になる。制御部158は、第2段階として、これら差圧異常状態および差圧正常状態の違いにより、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する。
以上の減圧工程と、安定化工程と、第1圧力測定工程と、第1圧力異常検出工程と、第2圧力測定工程と、第2圧力異常検出工程とが、チャンバ132内の内部空間531の状態からシール部材26のシール状態の異常を検出するシール状態検出工程となる。
以上により、第1実施形態のシール状態検出方法は、チャンバ132でシリンダ11の開口部32側を覆って密閉する密閉工程と、チャンバ132内の状態からシール部材26のシール状態の異常を検出するシール状態検出工程と、を含み、シール状態検出工程は、チャンバ132内を減圧状態にする減圧工程と、チャンバ132内の圧力を測定する第1,第2圧力測定工程と、チャンバ132内の圧力に基づいて異常を検出する第1,第2圧力異常検出工程と、を含む。
第2圧力異常検出工程で、シール部材26のシール状態に異常がないことを検出すると、制御部158は、大気導入部151の大気開放弁153を開いてチャンバ132内の内部空間531を大気開放する大気開放工程を行う。真空計155による測定結果から、この大気開放工程でチャンバ132内の内部空間531が大気圧になると、制御部158は、エアレギュレータバルブユニット520でシール体502とベース部材501との間の加圧エアを抜く膨出解除工程を行う。すると、シール本体部511が自身の弾性により径方向外方に拡径することになる。なお、大気開放工程と膨出解除工程とを並行して行うことも可能である。
第2圧力異常検出工程で、シール部材26のシール状態に異常がないことを検出すると、大気開放工程および膨出解除工程の後、制御部158は、チャンバ132からシリンダ11の開口部32側を軸方向に離間させる離間工程を行う。なお、離間工程を行うときも、制御部158は、シール状態検出装置131によって、検査位置にあるシリンダ装置10に対しチャンバ132を自動的に移動させて所定量離間させる、あるいは、チャンバ132に対しシリンダ装置10を自動的に移動させて所定量抜き出させる。この離間工程でも、拡径状態にあるシール本体部511の内径は、シリンダ11の開口部32側のシール部位405よりも大径となっており、よって、シリンダ装置10は、シール本体部511の内側から、移動の全範囲で径方向に隙間をもった状態で軸方向に離間する。
第2圧力異常検出工程で、シール部材26のシール状態に異常がないことを検出すると、離間工程の後、制御部158は、図示略の報知装置により、シール部材26のシール状態に異常がなく良品であることを報知させるとともにシール状態検出装置131からのシリンダ装置10の取り出しを促す旨を報知させる正常報知工程を行う。
すると、作業者が、手作業で、シール状態検出装置131からのシリンダ装置10を取り出す取出工程を行う。
ここで、第1圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態に異常があった場合、すなわち真空引き自体が正常に行えない真空引き異常状態と判定した場合と、第2圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態に異常があった場合、すなわち単位時間当たりの圧力上昇率が異常となる差圧異常状態と判定した場合と、のいずれにおいても、制御部158は、上記した、大気開放工程、膨出解除工程、膨出工程、減圧工程、安定化工程、第1圧力測定工程、第1圧力異常検出工程、第2圧力測定工程および第2圧力異常検出工程の再検査フローを行うことになる。
この再検査フローにおいて、第1圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態の異常が検出された場合と、第2圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態の異常が検出された場合との両方において、制御部158は、大気開放工程、膨出解除工程および離間工程を行った後、図示略の報知装置により、シール部材26のシール状態に異常があったことを報知させるとともにシール状態検出装置131からのシリンダ装置10の取り出しを促す旨を報知させる異常報知工程を行う。その際に、第1圧力異常検出工程および第2圧力異常検出工程のいずれでシール部材26のシール状態の異常を検出したかを含めて報知を行う。
すると、作業者が、手作業で、シール状態検出装置131からのシリンダ装置10を取り出す取出工程を行う。
ここで、シール部材26のシール状態に異常があった場合に行う再検査フローに、膨出解除工程および膨出工程を行う理由は、シール本体部511をシリンダ11のシール部位405から径方向に離間させることにより、これらの間に挟まっているコンタミネーションを取り除く目的と、ワークであるシリンダ装置10と、チャンバ132内とに残留していた水分が検査中(減圧中)に蒸発したものを大気中に逃がし、誤判定を防ぐ目的とがある。水分付着の影響が小さい場合や、検査全体に要する時間の短縮を狙う場合は、再検査フローから膨出解除工程および膨出工程を省いても良い。
なお、第1圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態に異常があった場合および第2圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態に異常があった場合のいずれにおいても、第2圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態に異常がないと判定されるまで、再検査フローを適宜の複数回繰り返すようにしても良い。
図6は、シール状態検出装置131によるシリンダ装置10の検査結果の例を示す図表である。No.1のシリンダ装置10は、1回目の第1,第2圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がない(OK)と判定されたものであり、この場合、正常報知工程においてシリンダ装置10が良品であることを報知する。
No.2のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程では異常なしと判定されたものの、1回目の第2圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(差圧NG)と判定されたものであって、2回目の第2圧力異常検出工程の結果も、シール部材26のシール状態に異常がある(差圧NG)と判定されたものであり、この場合、異常報知工程においてシリンダ装置10が差圧NGの不良品であることを報知する。
No.3のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程では異常なしと判定されたものの、1回目の第2圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(差圧NG)と判定されたものであって、2回目の第2圧力異常検出工程の結果も、シール部材26のシール状態に異常がある(差圧NG)と判定されたものであるが、次に検査したシリンダ装置10も同様の結果が得られた場合である。この場合、2本連続で不良品が生じる確率は極めて低いことから、チャンバシール部403のシール不良が原因と考えられるため、次に検査したシリンダ装置10の異常報知工程において、次に検査したシリンダ装置10と、その1本前のシリンダ装置10とは良品の可能性があることと、チャンバシール部403を点検し、確認および必要により交換する旨の喚起を報知する。
No.4のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程では異常なしと判定され、1回目の第2圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(差圧NG)と判定されたものの、2回目の第1,第2圧力異常検出工程の結果でシール状態に異常がないと判定されたものであり、この場合、正常報知工程においてシリンダ装置10が良品であることを報知する。このとき、1回目の第2圧力異常検出工程で水分付着によるガス化を検出した場合、正常報知工程においてはその旨も報知する。
No.5のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程では異常なしと判定され、1回目の第2圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(差圧NG)と判定されたものの、2回目の第1,第2圧力異常検出工程の結果でシール状態に異常がないと判定されたものであり、この場合、正常報知工程においてシリンダ装置10が良品であることを報知する。このとき、1回目の第2圧力異常検出工程で水分付着によるガス化を検出しなかった場合、チャンバシール部403のコンタミネーション等の可能性が考えられることから、正常報知工程においてはその旨も報知する。
No.6のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(真空引きNG)と判定されたものであって、2回目の第1圧力異常検出工程の結果も、シール部材26のシール状態に異常がある(真空引きNG)と判定されたものであり、この場合、異常報知工程においてシリンダ装置10が真空引きNGの漏れ量大の不良品であることを報知する。
No.7のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(真空引きNG)と判定されたものであって、2回目の第1圧力異常検出工程の結果も、シール部材26のシール状態に異常がある(真空引きNG)と判定されたものであるが、次に検査したシリンダ装置10も同様の結果が得られた場合である。この場合も、2本連続で不良品である確率は極めて低いことから、チャンバシール部403のシール不良が原因と考えられるため、次に検査したシリンダ装置10の異常報知工程において、次に検査したシリンダ装置10と、その1本前のシリンダ装置10とは良品の可能性があることと、チャンバシール部403を点検し、確認および必要により交換する旨の喚起を報知する。
No.8のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(真空引きNG)と判定されたものの、2回目では、第1圧力異常検出工程の結果に加えて第2圧力異常検出工程の結果でもシール状態に異常がないと判定されたものであり、この場合、正常報知工程においてシリンダ装置10が良品であることを報知する。このとき、1回目の第1圧力異常検出工程で水分付着によるガス化を検出した場合、正常報知工程においてはその旨も報知する。
No.9のシリンダ装置10は、1回目の第1圧力異常検出工程の結果、シール部材26のシール状態に異常がある(真空引きNG)と判定されたものの、2回目では、第1圧力異常検出工程の結果に加えて第2圧力異常検出工程の結果でもシール状態に異常がないと判定されたものであり、この場合、正常報知工程においてシリンダ装置10が良品であることを報知する。このとき、1回目の第1圧力異常検出工程で水分付着によるガス化を検出しなかった場合、チャンバシール部403のコンタミネーション等の可能性が考えられることから、正常報知工程においてはその旨も報知する。
なお、チャンバシール部403の不具合以外で、連続してシリンダ装置10がNG判定となる場合は、漏れ検査前の組立工程で連続して不良品を作成していることや、ワークへの水分付着が発生していることなどが考えられるため、前工程の不具合や想定外の不具合を早期に発見することも可能である。
上記した特許文献1のダンパ装置のシール異常検出方法および装置は、バキュームヘッドがロッドシール部にピストンロッドを嵌合させるとともにチューブシール部にアウタチューブを嵌合させるようになっている。ここで、ロッドシール部およびチューブシール部は、ダンパ装置との間の気密を保つ必要があることから、締め代を大きくとる必要がある。このため、ロッドシール部およびチューブシール部は、ダンパ装置を差し込む際に損傷しやすく、また、ダンパ装置の繰り返しの抜き差しで劣化しやすい。
また、上記した特許文献1のダンパ装置のシール異常検出方法および装置において、バキュームヘッドを、ピストンロッドの径やアウタチューブの径が異なるダンパ装置に対して共用で使用することは、締め代が変化しシール性が変化してしまうため、基本的にできない。
また、上記した特許文献1のダンパ装置のシール異常検出方法および装置は、ダンパ装置のリザーバ室に加圧したヘリウムを封入し、ダンパ装置のシリンダの開口側にバキュームヘッドを取り付け、バキュームヘッドに漏れ出たヘリウムのリーク量をヘリウムリークテスタで測定するようになっている。しかしながら、ヘリウムは高価であり、製品コストが増大してしまう。また、ヘリウムリークテスタも高価であり、設備コストが増大してしまう。また、ヘリウムを用いると、空気や窒素ガスを用いる場合に対してシリンダ装置の特性が異なってしまう。
これに対し、第1実施形態によれば、シリンダ装置10に密着可能なシール本体部511を有しシリンダ装置10の開口部32側を覆って密閉するチャンバ132と、シール本体部511をシール本体部511の外周側から膨出させる膨出機構525とを有し、チャンバ132でシリンダ装置10の開口部32側を覆って密閉する密閉工程が、チャンバ132の内周部であるシール本体部511を拡径状態としてシリンダ装置10の開口部32側をチャンバ132の内側に配置する配置工程と、チャンバ132の内周部であるシール本体部511を膨出状態として、シリンダ装置10に密着させる膨出工程と、を含んでいる。
よって、シール本体部511の締め代を小さくした状態で、シリンダ装置10をチャンバ132内に挿入したり、チャンバ132から抜き出したりすることができるため、シール本体部511は、シリンダ装置10を差し込む際にを損傷しにくく、また、シリンダ装置10の繰り返しの抜き差しでも劣化しにくい。言い換えれば、シール本体部511の耐久性が向上する。したがって、チャンバシール部403を交換するメンテナンスの頻度を減らすことができる。加えて、損傷防止のためにシリンダ装置10のチャンバ132への出し入れの速度を遅くする必要がなく、時間の短縮が可能となる。なお、シール本体部511の締め代を膨出状態よりも小さくした状態で、シリンダ装置10をチャンバ132内に挿入したり、チャンバ132から抜き出したりすることができれば、損傷および劣化を抑制できるため、拡径状態にあるシール本体部511とシリンダ装置10との間に径方向に隙間がなくてもよい。
また、シール本体部511の内径を任意に拡大および縮小できるため、外径の異なるシリンダ装置10に対してチャンバシール部403を共用できるため、段取り替えの必要を減らすことが可能となる。
また、チャンバ132がシリンダ装置10との間をシールする部位として1カ所のみのチャンバシール部403を有するため、チャンバ132とシリンダ装置10との間のシール部位を交換するメンテナンスの頻度をさらに減らすことができ、シール部分の信頼性を向上させることができる。なお、特許文献1と同様に、チャンバ132にピストンロッド22との隙間をシールする部分を設ける場合には、このシール部分にチャンバシール部403および膨出機構525と同様の構成を適用することが可能である。
また、第1実施形態によれば、密閉可能なチャンバ132内にシリンダ装置10の開口部32側を配置する配置工程と、減圧部141によってチャンバ132内を真空引きして減圧状態にする減圧工程と、真空計155によってチャンバ132内の圧力を測定する第1,第2圧力測定工程と、チャンバ132内の圧力に基づいて、制御部158がシール部材26のシール状態の異常を検出する第1,第2圧力異常検出工程と、を含んでシール部材26のシール状態の異常を検出する。すなわち、制御部158は、シリンダ装置10の開口部32側を収容して密閉され減圧部141によって減圧状態とされたチャンバ132内の圧力の真空計155による測定結果に基づいてシール部材26のシール状態の異常を検出する。したがって、シリンダ装置10に高価なヘリウムを封入しなくても済むため、製品コストの増大を抑制することができる。また、高価なヘリウムリークテスタが不要となり、設備コストの増大を抑制することができる。
ここで、シリンダ装置10の製造時に、シール部材26と外筒13と間に、例えば毛髪等の微小な異物を噛み込んでしまった場合や、シール部材26の外周面あるいは外筒13の内周面に微小な傷があった場合等に、シール部材26と外筒13と間に微小な隙間を生じることがある。すると、シリンダ装置10は、この微小な隙間からガスGが微小流量で漏れることになって、ガスGの漏れを確認可能な状態となるまでに時間がかかってしまう。この微小流量での漏れを検出するためには、製造後にシリンダ装置組立体1をある程度の長時間(例えば24時間以上)保管し、その後、手でピストンロッド22をシリンダ11に対して動かして、その感触からガスGの漏れの有無を検出するといった検査を行う必要がある。よって、このような検査を行うための検査工数分の人件費と、シリンダ装置組立体1を長時間保管するためのスペースの費用とが嵩んでしまう。
これに対し、第1実施形態では、チャンバ132内にシリンダ装置10の開口部32側を配置し、減圧部141によってチャンバ132内を減圧状態にして、真空計155によりチャンバ132内の圧力を測定するため、シール部材26と外筒13と間の隙間が微小であっても、この微小な隙間から短時間でガスGを漏れ出させることができ、短時間でシール部材26のシール状態の異常を検出することができる。よって、ガス漏れを早期発見できて、早期の対策が可能となるため、同種の不良品の発生リスクを低減することが可能となる。しかも、手でピストンロッド22をシリンダ11に対して動かして、その感触からガスGの漏れを検出する場合等に生じ得る人的検査ミスを抑制することができ、品質向上を図ることができる。
また、第1実施形態では、第1,第2圧力測定工程において、減圧工程以降の時点でのチャンバ132内の第1の圧力値と、この時点から所定時間経過後のチャンバ132内の第2の圧力値とを測定し、圧力異常検出工程において、第1の圧力値と第2の圧力値との圧力差に基づいて、シール部材26のシール状態の異常を検出する。したがって、正確にシール部材26のシール状態の異常を検出することができる。
また、第1実施形態では、配置工程においてチャンバ132内にシリンダ装置10を自然長の状態、すなわちピストンロッド22をシリンダ11に対し移動させずに配置することができる。よって、シリンダ装置10内の作動液Lがシール部材26と外筒13との間の微小な隙間を塞いでしまうことを抑制できる。すなわち、ピストンロッド22をシリンダ11に対し移動させると、作動液Lが移動して、シール部材26と外筒13との間の微小な隙間を塞いでしまう可能性があるが、このような状態になることを抑制することができる。したがって、シール部材26と外筒13との間の微小な隙間から短時間でガスGを漏れ出させることが良好にでき、短時間でシール部材26のシール状態の異常を検出することが良好にできる。
また、第1実施形態では、配置工程においてチャンバ132内にシリンダ装置10を、シール部材26を上向きにして収容する。よって、シリンダ装置10内の作動液Lが自重によりシール部材26と外筒13と間の微小な隙間を塞いでしまうことを抑制できる。したがって、シール部材26と外筒13との間の微小な隙間から短時間でガスGを漏れ出させることが良好にでき、短時間でシール部材26のシール状態の異常を検出することが良好にできる。
また、第1実施形態では、シリンダ11が、内筒12と内筒12の外側に設けられる外筒13とから構成される複筒式であるため、シール部材26が直接ガスGに触れることになる。したがって、構造的に、シール部材26と外筒13と間の隙間からガスGが漏れ出す可能性が高く、上記のようにシール部材26のシール状態の異常を検出することによる効果が高い。
なお、シール部材26のシール状態の異常を検出する前に、シリンダ装置10に洗浄工程が行われている場合等には、水分がシリンダ装置10に付着している可能性がある。このような場合には、減圧時に水分が揮発して圧力を上昇させるため、ガスGの漏れとして誤って検出してしまう可能性がある。よって、減圧工程の前に、シリンダ装置10を乾燥させる乾燥工程を行うようにする。その場合、乾燥専用の装置を用いなくても、検査用の減圧工程の開始時点t0の前に、チャンバ132内の減圧および大気開放を交互に適宜の回数繰り返す水分除去用減圧・大気開放サイクルを行うことによってシリンダ装置10を乾燥させることができる。
すなわち、この場合、制御部158は、配置工程と減圧工程との間に乾燥工程を行うことになる。乾燥工程では、制御部158が、大気開放弁153を閉じた状態で、減圧部141の開閉弁144を開き、真空ポンプ142を駆動して、それまで大気圧であったチャンバ132内を大気圧よりも減圧する。そして、真空ポンプ142を所定時間駆動すると、開閉弁144を閉じ真空ポンプ142を停止させるとともに、大気開放弁153を開いてチャンバ132内を大気開放する。真空計155による測定結果から、チャンバ132内が大気圧になると、制御部158は、大気開放弁153を閉じ、減圧部141の開閉弁144を開き、真空ポンプ142を駆動して、チャンバ132内を減圧する。そして、真空ポンプ142を所定時間駆動すると、開閉弁144を閉じ真空ポンプ142を停止させるとともに、大気開放弁153を開いてチャンバ132内を大気開放する。このようなチャンバ132内の減圧および大気開放を交互に適宜の回数繰り返すことによってシリンダ装置10を乾燥させる。その後、減圧工程を開始する(図5の時点t0以降)。
このように、減圧工程の開始前に、シリンダ装置10を乾燥させる乾燥工程を含むことで、減圧時に水分が揮発して圧力を上昇させてしまってガスGの漏れとして誤って検出してしまうことを抑制できる。
また、配置工程と減圧工程との間に、チャンバ132内の減圧および大気開放を交互に繰り返す乾燥工程を行うことで、乾燥専用の装置を用いなくても、シリンダ装置10を乾燥させることができる。
また、シール本体部511の劣化を予測し、シール本体部511の確認、交換要否を確認するように警告を出せる。すなわち、不良判定が連続発生した際に、コンタミネーションの挟み込みによる誤判定である可能性が低下し、シール本体部511の劣化である可能性が高くなるため、シール本体部511を含むチャンバシール部403の確認および交換を促すことができる。
なお、チャンバシール部403とシリンダ装置10との間のコンタミネーション付着による誤判定(差圧異常および真空引き異常)は、検査実施前にエアをチャンバシール部403に吹付けてコンタミネーションを飛ばすことで予防することができる。これにより、シール部材26のシール状態の異常の検出精度の向上と信頼性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図7に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図7に示すように、第2実施形態のシール状態検出装置131Aは、第1実施形態の検出装置本体部133の構成に加えて、チャンバ132内の内部空間531の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定部581(窒素ガス量測定手段)を備える検出装置本体部133A(シール状態検出手段)を有している。チャンバ本体401には、窒素ガス量測定部581に連通する連通孔580が形成されている。
窒素ガス量測定部581は、四重極型質量分析計582と、連通孔580に接続され、四重極型質量分析計582とチャンバ132内の内部空間531とを繋いで連通させる連通路583と、連通路583に設けられ、開閉することで四重極型質量分析計582とチャンバ132との連通および遮断を切り替える開閉弁584とを有している。
また、窒素ガス量測定部581は、連通路583における開閉弁584と四重極型質量分析計582との間に設けられる差動排気ユニット586と、連通路583における差動排気ユニット586と四重極型質量分析計582との間から分岐する分岐通路587と、分岐通路587の連通路583とは反対側に設けられたロータリポンプからなる真空ポンプ588と、分岐通路587の連通路583と真空ポンプ588との間に設けられた温度計589とを有している。開閉弁584は、開状態でチャンバ132と差動排気ユニット586とを連通させ、閉状態でチャンバ132と差動排気ユニット586との連通を遮断する。制御部158は、四重極型質量分析計582、開閉弁584、真空ポンプ588および温度計589と通信可能であり、開閉弁584および真空ポンプ588の作動を制御する。
差動排気ユニット586は、連通路583の流路断面積を絞るオリフィスである。四重極型質量分析計582で窒素ガス量を測定する場合には、チャンバ132内を低真空に、四重極型質量分析計582側を高真空にする必要がある。差動排気ユニット586は、四重極型質量分析計582側の高真空を維持するためのものである。差動排気ユニット586が設けられているため、四重極型質量分析計582側を高真空にするための真空ポンプ588の駆動時間を短くすることができる。
第2実施形態では、開閉弁584を閉じた状態で、チャンバ132内を減圧状態にする減圧工程を含む第1実施形態と同様の工程を行い、そのうちの第1,第2圧力異常検出工程でシール部材26のシール状態の異常(真空引き異常および差圧異常)の有無を検出することになり、その結果、シール部材26のシール状態に異常がないことを検出した場合、第2圧力異常検出工程の後、さらに、窒素ガス量測定部581で、チャンバ132内の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定工程を行う。
窒素ガス量測定工程において、制御部158は、まず、大気導入部151の大気開放弁153を開いて、真空計155で測定されるチャンバ132内の内部空間531の圧力を所定値まで上昇させた後、大気開放弁153を閉じて、チャンバ132内の内部空間531を所定の低真空状態にするとともに、真空ポンプ588を所定時間駆動して、連通路583の差動排気ユニット586と四重極型質量分析計582との間を高真空状態にする。次に、制御部158は、開閉弁584を開く。すると、チャンバ132内の内部空間531のガスが連通路583内に導入されることになり、このガスの窒素ガス量を四重極型質量分析計582で測定する。
窒素ガス量測定工程の後、制御部158は、四重極型質量分析計582で測定した窒素ガス量に基づいて、シール部材26のシール状態の異常の有無を検出する窒素ガス量異常検出工程(異常検出工程)を行う。この窒素ガス量異常検出工程では、四重極型質量分析計582で測定した窒素ガス量が所定の閾値以上であれば、シール部材26のシール状態に異常があることを検出し、この閾値未満であれば、シール部材26のシール状態に異常がないことを検出する。第2実施形態では、以上の減圧工程と、窒素ガス量測定工程と、窒素ガス量異常検出工程とが、チャンバ132内の内部空間531の状態からシール部材26のシール状態の異常を検出するシール状態検出工程となる。窒素ガス量異常検出工程の後、制御部158は、第1実施形態と同様の大気開放工程、膨出解除工程および離間工程を行うことになる。
以上により、制御部158は、シリンダ装置10の開口部32側を収容して密閉され減圧部141によって減圧状態とされたチャンバ132内の窒素ガス量の窒素ガス量測定部581による測定結果に基づいて、シール部材26のシール状態の異常を検出することになる。
そして、制御部158は、第1実施形態と同様の密閉工程およびシール状態検出工程を行った結果、シール部材26のシール状態に異常がなく、第2実施形態のシール状態検出工程を行った結果、シール部材26のシール状態に異常がなければ、図示略の報知装置により、その旨を報知させる正常報知工程を行うことになる。また、第1実施形態と同様の密閉工程およびシール状態検出工程を行った結果、シール部材26のシール状態に異常があった場合と、第1実施形態と同様の密閉工程およびシール状態検出工程を行った結果、シール部材26のシール状態に異常がなく、第2実施形態のシール状態検出工程を行った結果、シール部材26のシール状態に異常があった場合とについては、図示略の報知装置により、その旨を報知させる異常報知工程を行うことになる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。加えて、チャンバ132でシリンダ11の開口部32側を覆って密閉する密閉工程と、減圧部141によってチャンバ132内を大気圧よりも減圧した減圧状態にする減圧工程と、窒素ガス量測定部581によってチャンバ132内の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定工程と、チャンバ132内の窒素ガス量に基づいて、制御部158がシール部材26のシール状態の異常を検出する窒素ガス量異常検出工程と、を含んでシール部材26のシール状態の異常を検出する。したがって、シール部材26のシール状態の異常をより良好に検出することができる。
また、第2実施形態によれば、チャンバ132内の窒素ガス量に基づいてシール部材26のシール状態の異常を検出するため、水分がシリンダ装置10に付着していても、シリンダ装置10を乾燥させる乾燥工程を行わずに、シール部材26のシール状態の異常を検出することができる。加えて、水分以外の乾燥が困難な成分(油分等)が付着した場合にも有効である。
なお、第2実施形態において、第1実施形態の第1,第2圧力測定工程および第1,第2圧力異常検出工程を行わずに、減圧工程の後、窒素ガス量測定工程と窒素ガス量異常検出工程とを行うようにしても良い。すなわち、チャンバ132内に漏れ出した窒素ガス量のみでシール部材26のシール状態の異常を検出するようにしても良い。
以上の実施形態では検査対象のシリンダ装置が複筒式の油圧緩衝器である場合を例にとり説明したが、本発明は、単筒式の油圧緩衝器、アクティブサスペンション等のシリンダ装置にも適用可能である。さらにはガス圧緩衝器等のシリンダ装置にも適用可能である。加えて、シリンダの軸方向両側からロッドが突出するタイプのシリンダ装置にも適用可能である。つまり、シリンダの少なくとも一端からロッドが突出するタイプのシリンダ装置に適用可能である。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に挿入されるピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの開口部から前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、前記シリンダの前記開口部側と前記ピストンロッドとの間に設けられるシール部材と、を有するシリンダ装置の前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出装置であって、前記シリンダ装置に密着可能なシール本体部を有し前記シリンダの前記開口部側を覆って密閉するチャンバと、前記シール本体部を該シール本体部の外周側から径方向内方に膨出させる膨出手段と、前記チャンバ内の状態から前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出手段と、を有する。これにより、メンテナンスの頻度を減らすことができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記シール状態検出手段は、前記チャンバ内を減圧状態にする減圧手段と、前記チャンバ内の圧力を測定する圧力測定手段と、前記減圧手段によって前記減圧状態とされた前記チャンバ内の圧力の前記圧力測定手段による測定結果に基づいて前記異常を検出する異常検出手段と、を有する。
第3の態様は、第1の態様において、前記シリンダには、窒素ガスを含む流体が封入されており、前記シール状態検出手段は、前記チャンバ内を減圧状態にする減圧手段と、前記チャンバ内の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定手段と、前記減圧手段によって前記減圧状態とされた前記チャンバ内の窒素ガス量の前記窒素ガス量測定手段による測定結果に基づいて前記異常を検出する異常検出手段と、を有する。
第4の態様は、流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に挿入されるピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの開口部から前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、前記シリンダの前記開口部側と前記ピストンロッドとの間に設けられるシール部材と、を有するシリンダ装置の前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出方法であって、チャンバで前記シリンダの前記開口部側を覆って密閉する密閉工程と、前記チャンバ内の状態から前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出工程と、を含み、前記密閉工程は、前記チャンバの内周部を拡径状態として前記シリンダの前記開口部側を前記チャンバの内側に配置する配置工程と、前記チャンバの内周部を膨出状態として、前記シリンダ装置に密着させる膨出工程と、を含む。これにより、メンテナンスの頻度を減らすことができる。
第5の態様は、第4の態様において、前記シール状態検出工程は、前記チャンバ内を減圧状態にする減圧工程と、前記チャンバ内の圧力を測定する圧力測定工程と、前記チャンバ内の圧力に基づいて前記異常を検出する異常検出工程と、を含む。
第6の態様は、第4の態様において、前記シリンダには、窒素ガスを含む流体が封入されており、前記シール状態検出工程は、前記チャンバ内を減圧状態にする減圧工程と、前記チャンバ内の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定工程と、前記チャンバ内の窒素ガス量に基づいて前記異常を検出する異常検出工程と、を含む。
10 シリンダ装置
11 シリンダ
12 内筒
13 外筒
17 ピストン
22 ピストンロッド
26 シール部材
32 開口部
131,131A シール状態検出装置
132 チャンバ
133,133A 検出装置本体部(シール状態検出手段)
141 減圧部(減圧手段)
155 真空計(圧力測定手段)
158 制御部(異常検出手段)
181 窒素ガス量測定部(窒素ガス量測定手段)
511 シール本体部
525 膨出機構(膨出手段)

Claims (6)

  1. 流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に挿入されるピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの開口部から前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、
    前記シリンダの前記開口部側と前記ピストンロッドとの間に設けられるシール部材と、
    を有するシリンダ装置の前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出装置であって、
    前記シリンダ装置に密着可能なシール本体部を有し前記シリンダの前記開口部側を覆って密閉するチャンバと、
    前記シール本体部を該シール本体部の外周側から径方向内方に膨出させる膨出手段と、
    前記チャンバ内の状態から前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出手段と、
    を有することを特徴とするシリンダ装置のシール状態検出装置。
  2. 前記シール状態検出手段は、
    前記チャンバ内を減圧状態にする減圧手段と、
    前記チャンバ内の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記減圧手段によって前記減圧状態とされた前記チャンバ内の圧力の前記圧力測定手段による測定結果に基づいて前記異常を検出する異常検出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のシリンダ装置のシール状態検出装置。
  3. 前記シリンダには、窒素ガスを含む流体が封入されており、
    前記シール状態検出手段は、
    前記チャンバ内を減圧状態にする減圧手段と、
    前記チャンバ内の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定手段と、
    前記減圧手段によって前記減圧状態とされた前記チャンバ内の窒素ガス量の前記窒素ガス量測定手段による測定結果に基づいて前記異常を検出する異常検出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のシリンダ装置のシール状態検出装置。
  4. 流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に挿入されるピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの開口部から前記シリンダの外部に延出するピストンロッドと、
    前記シリンダの前記開口部側と前記ピストンロッドとの間に設けられるシール部材と、
    を有するシリンダ装置の前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出方法であって、
    チャンバで前記シリンダの前記開口部側を覆って密閉する密閉工程と、
    前記チャンバ内の状態から前記シール部材のシール状態の異常を検出するシール状態検出工程と、を含み、
    前記密閉工程は、
    前記チャンバの内周部を拡径状態として前記シリンダの前記開口部側を前記チャンバの内側に配置する配置工程と、
    前記チャンバの内周部を膨出状態として、前記シリンダ装置に密着させる膨出工程と、
    を含むことを特徴とするシリンダ装置のシール状態検出方法。
  5. 前記シール状態検出工程は、
    前記チャンバ内を減圧状態にする減圧工程と、
    前記チャンバ内の圧力を測定する圧力測定工程と、
    前記チャンバ内の圧力に基づいて前記異常を検出する異常検出工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4記載のシリンダ装置のシール状態検出方法。
  6. 前記シリンダには、窒素ガスを含む流体が封入されており、
    前記シール状態検出工程は、
    前記チャンバ内を減圧状態にする減圧工程と、
    前記チャンバ内の窒素ガス量を測定する窒素ガス量測定工程と、
    前記チャンバ内の窒素ガス量に基づいて前記異常を検出する異常検出工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4記載のシリンダ装置のシール状態検出方法。
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