JP3791950B2 - スピロビインダンフェノールスルホン酸エステルおよびその用途 - Google Patents

スピロビインダンフェノールスルホン酸エステルおよびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルおよびそれを含有するレジスト材料に関するものである。
特に、露光時に酸性物質を発生してフォトレジストの溶解阻害剤を分解し、露光部分をアルカリ現像液に対して可溶性とするポジ型フォトレジスト材料において、酸発生剤としてスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルを用いる微細加工に適したポジ型レジスト材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSI(高密度集積回路)の高集積化および高密度化に伴い、パタンルールの微細化が求められているが、通常の光露光技術で用いる光源から放射される光は波長が長い上、単一波長ではないため、パタンルールの微細化には限界があった。
そこで、超高圧水銀灯から放射されるg線(波長436nm)或いはi線(波長365nm)を光源として用いることも検討されてきた。しかしながら、これらの場合でも、パタンルールの解像度は約0.5μmが限界であり、これにより製作され得るLSIは、16MビットDRAM程度の集積度のものに過ぎない。
そこで近年では、g線やi線よりも更に波長が短い遠紫外線リソグラフィーが有望視されている。遠紫外線リソグラフィーを用いることにより、0.1〜0.3μmのパタンルールを形成することも可能であり、光吸収性の小さいレジスト材料を用いた場合には、基板に対して垂直に近い側壁を有するパタンを形成することが可能である。更に、一括してパタンを転写することも可能であり、電子線を用いたリソグラフィーよりもパタン形成処理効率(スループット)が高い点で優れている。また、遠紫外線用の光源として高光度のKrFエキシマレーザーの使用が可能になったことに伴い、諸光源を用いてLSIを量産する観点から、特に吸光度が小さく、高感度であるレジスト材料を用いることが必要であるとされている。
【0003】
このような要求に対して、従来の高感度レジスト材料と同等以上の感度を有する上、解像度およびドライエッチング耐性の高い、酸を触媒として製造される化学増幅型のレジスト材料が開発されており〔例えば、リュー等、ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー(Liu, et. al., J. Vac. Sci. Techno. B6, 379 (1988))〕、シプリー社によってノボラック樹脂、メラミン化合物および酸発生剤の3成分から成る化学増幅型のネガ型レジスト材料(商品名 SAL601ER7)が既に商品化されている。
しかし、LSIの製造工程においてネガ型レジスト材料を用いた場合、配線やゲート部分を形成させることは容易なものの、微細加工が必要とされるコンタクトホールを形成させることは困難であるという欠点があった。
また、従来提案されている化学増幅型のポジ型レジスト材料を、そのまま遠紫外線、電子線またはX線によるパタン形成に使用した場合、レジスト表面の溶解性が低下して、現像後のパタンがオーバーハング状になり易いため、パタンの寸法を制御することが困難になり、ドライエッチングによる基板加工の際の寸法制御性を損なうのみならず、パタンの崩壊を招き易いという欠点があった〔例えば、 K. G. Chiong, et. al.,J. Vac. Sci. Techno. B7, 1771 (1989) 〕。
【0004】
現在、以上の問題点を解決した化学増幅型のポジ型レジスト材料の開発が強く望まれている。係る要望に応えて、ポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体の水酸基をtert−ブトキシカルボニル基で保護したポリ(ブトキシカルボニルオキシスチレン)樹脂にオニウム塩を加えた化学増幅型のポジ型レジスト材料が提案されている〔例えば、Ito, et. al., Polymers in Electoronics, ACS Synposium Series, 242, 11 (1984)〕。
しかし、上記のオニウム塩は金属成分としてアンチモンを含有しており、該オニウム塩を含有するレジスト材料を使用すると、基板が汚染されるのみならず、遠紫外線等を照射した後のレジスト材料の経時変化が極めて大きいという問題点を有する。
【0005】
また、ポリ(p−スチレンオキシテトラヒドロピラニル)樹脂を主成分とし、これに酸発生剤を添加してなる遠紫外線用ポジ型レジスト材料が提案されている(上野等、第36回応用物理学会関連連合講演会、1989年、1p−k−7)。
しかしながら、上記ポジ型レジスト材料は、遠紫外線、電子線またはX線に対してポジ型からネガ型へ反転し易いという欠点を有する。上述の水酸基を保護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成分系のポジ型レジスト材料は、更に、現像液に溶解させるために多くの保護基を分解する必要があり、LSIの製造工程においてレジストの膜厚が変化する、膜内に応力や気泡を発生させ易い等の問題点がある。
【0006】
上述の2成分系のポジ型レジスト材料の問題点を克服した化学増幅型のポジ型レジスト材料として、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤および酸発生剤からなる3成分系のポジ型レジスト材料が開発されている。
3成分系のポジ型レジスト材料としては、ノボラック樹脂、溶解阻害剤としてのアセタール化合物および酸発生剤を添加したレジスト材料(RAY/ヘキスト社)が、X線リソグラフィー用として開発されている。しかし、該レジスト材料は室温で化学増幅を行うため、そのレジスト感度は、X線露光から現像までの時間に大きく依存する。従って、該時間を非常に厳密にコントロールする必要があるため、パタンの寸法を安定化させることが困難であるという欠点を有する上、KrFエキシマレーザー(波長248nm)の吸収が大きく、該レーザーを用いたリソグラフィーでの使用は不適当である。
【0007】
また、tert−ブトキシカルボニルオキシ基を有する化合物の多くが、ノボラック樹脂の溶解性を阻害する効果を有する、すなわち、tert−ブトキシカルボニルオキシ基がノボラック樹脂に対して溶解阻害効果を有することが知られている。このような観点から、ノボラック樹脂、ビスフェノールAにtert−ブトキシカルボニル基を導入した溶解阻害剤およびピロガロールメタンスルホン酸エステルからなる3成分系のポジ型レジスト材料が提案されている〔Schlegel等、1990年春季、第37回応用物理学会関連連合講演会、28p−ZE−4〕。しかしながら、この系はノボラック樹脂の光吸収が大きいため、実用化することが困難である。
【0008】
一般に、化学増幅を行う場合には、露光後に熱処理を必要とする場合が多い。この場合、室温で化学増幅を行うレジスト材料と比較して、工程数が増加するものの、露光から現像までの時間のコントロールを厳密に行う必要がないため、レジスト特性が安定である。
また、樹脂、溶解阻害剤および酸発生剤からなる3成分系の化学増幅型のポジ型レジスト材料においては、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解速度を溶解阻害剤によってコントロールすること〔(高エネルギー線を照射した部分の溶解速度)/(非照射部分の溶解速度)(以下溶解速度比と称する)を大きくすること〕が、レジスト材料としての性能に大きな影響を及ぼすことが知られている。このためには紫外線等の高エネルギー線を照射した場合のレジスト膜の部分の溶解阻害剤を速やかに分解し、アルカリ現像液に対して溶解するような物質へと変化させるための酸性物質を発生する、酸発生剤の開発が重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高感度および高解像度の高エネルギー線用ポジ型フォトレジスト材料を提供することであり、それを目的とする優れた酸発生剤を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に関して鋭意検討した結果、ある種のスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルが優れた性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
下記一般式(1)(化2)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルに関するものであり、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤および酸発生剤を含んで成るポジ型フォトレジスト材料において、該酸発生剤として一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルを含有するポジ型フォトレジスト材料に関する。
【0011】
【化2】
Figure 0003791950
(式中、R1フェニル基、p−トリル基、メチル基、トリフロロメチル基、フェノキシフェニル基、イソプロピル基、1−ナフチル基、ビフェニルイル基、またはシクロヘキシルオキシフェニル基を表し、R 1 が結合したスルホン酸エステル2個の置換位置はそれぞれ6位と6’位であり、R2 およびその置換位置は水素原子、メチル基では5位と5’位、イソプロピル基では7位と7’位、メトキシ基では5位と5’位、または塩素原子では4位と4’位であることを表し、mは1を表し、nは1である)
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルは新規な化合物である。一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルにおいて、R1フェニル基、p−トリル基、メチル基、トリフロロメチル基、フェノキシフェニル基、イソプロピル基、1−ナフチル基、ビフェニルイル基、またはシクロヘキシルオキシフェニル基を表し、R 1 が結合したスルホン酸エステル2個の置換位置はそれぞれ6位と6’位であり、具体的に例示すれば、メタンスルホン酸エステル、トリフロオロメタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル等である。
【0013】
一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノール誘導体において、R2 およびその置換位置は水素原子、メチル基では5位と5’位、イソプロピル基では7位と7’位、メトキシ基では5位と5’位、または塩素原子では4位と4’位である。また、一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルにおいて、mは1であり、nは1である
【0014】
本発明の一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルは、スピロビインダンフェノール骨格の水酸基がスルホン酸エステル化されたものであり、エステルを2個含有する化合物である。具体的には、以下に示す一般式(1−a)〜(1−d)(化3)で表される該水酸基を2個含有するスピロビインダンフェノールから誘導されるスルホン酸エステルである。より好ましくは、一般式(1−b)または一般式(1−c)で表されるスピロビインダンフェノールのスルホン酸エステルであり、特に一般式(1−c)で表されるスピロビインダンフェノールのスルホン酸エステルは特に好ましい。
【0015】
【化3】
Figure 0003791950
(上式中、R1 、R2 およびnは前記に同じ)
【0016】
一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルの好ましい具体例としては、以下に示すスピロビインダンフェノール類のスルホン酸エステル化物を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例示化合物
番号
1. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
2. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,5'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン
3. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジエチル−1,1'−スピロビインダン
4. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジイソプロピル−1,1'−スピロビインダン
5. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジメトキシ−1,1'−スピロビインダン
6. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジエトキシ−1,1'−スピロビインダン
7. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジクロロ−1,1'−スピロビインダン
8. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',4,4'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン
9. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジ−n−プロピル−1,1'−スピロビインダン
10.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−4,4'−ジ−tert−ブチル−1,1'−スピロビインダン
【0017】
11.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−4,4'−ジメトキシ−1,1'−スピロビインダン
12.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジエトキシ−1,1'−スピロビインダン
13.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジ−n−プロポキシ−1,1'−スピロビインダン
14.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−4,4'−ジクロロ−1,1'−スピロビインダン
15.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',7,7'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン
16.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジ−n−ブトキシ−1,1'−スピロビイダン
17.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジ−n−プロピル−1,1'−スピロビインダン
18.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジ−n−ブチル−1,1'−スピロビインダン
19.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジイソプロポキシ−1,1'−スピロビインダン
20.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジエチル−1,1'−スピロビインダン
【0018】
21.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジイソブチル−1,1'−スピロビインダン
22.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−4,4'−ジエトキシ−1,1'−スピロビインダン
23.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジ−n−ブトキシ−1,1'−スピロビインダン
24.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
25.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,5'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン
26.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジ−tert−ブチル−1,1'−スピロビインダン
27.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジメトキシ−1,1'−スピロビインダン
28.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジクロロ−1,1'−スピロビインダン
29.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
30.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,5'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン
【0019】
31.6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−5,5'−ジイソプロピル−1,1'−スピロビインダン
32.5,5',6,6'−テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1, 1'−スピロビインダン
33.4,4',6,6'−テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1, 1'−スピロビインダン
34.6,6',7,7'−テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1, 1'−スピロビインダン
【0020】
一般式(1)で表されるスピロビインダンビフェノールエステル類は、公知のスルホン酸エステルの製造方法に準じて合成される。例えば、該スピロビインダンフェノール類と対応するスルホン酸クロライド類とを、脱塩酸反応することにより得ることができる。
この時、塩酸補集剤として塩基、特にトリエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類の存在下に行うことが好ましい。その使用量は発生する塩酸に対して当量以上であれば良いが、反応の際の容積効率や後処理の煩雑さから小過剰、具体的には1〜2当量、より好ましくは1.1〜1.5当量の範囲で用いられる。
【0021】
また、この時、スルホン酸クロライド類と該スピロビインダンフェノール類の反応は一般的には発熱反応であるため、いづれかを滴下しながら反応を進行することが望ましい。一般的にはスピロビインダンフェノール類を滴下する方が望ましいが、特に指定されるものではない。
反応の際のスルホン酸クロライドの使用量は、スピロビインダンフェノールに対して1当量以下、好ましくは1.1〜3当量、より好ましくは1.1〜1.5当量の範囲で用いられる。
この時、反応系を均一にし、またスピロビインダンフェノール類もしくはスルホン酸クロライドの滴下を行い易くするために、反応に関与しない溶媒を用いることが望ましい。具体的にはジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。
勿論トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基を溶媒として用いても良い。
【0022】
反応温度は、−10℃〜反応溶媒の沸点の範囲が好ましく、より好ましくは、0℃〜反応溶媒の沸点の範囲、もっとも好ましくは5℃〜50℃の範囲である。反応時間は反応温度にも依存するが、実質的に原料のスピロビインダンフェノール類が検出されなくなるまでであり、一般的にはおよそ10分〜10時間の間に反応は完結する。
反応終了後、生成した有機アミンの塩酸塩および小過剰量の有機塩基、スルホン酸クロライド等を、希塩酸水および中性水で十分に洗浄することが必要である。以上により、スピロビインダンフェノール類を対応するスルホン酸エステルに変換することができる。
【0023】
本反応により製造されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルは、十分高純度で得ることができる。しかしながら、さらに高純度に精製することは、本発明のレジスト材料として該スピロビインダンフェノールスルホン酸エステルを使用するためには好ましいことである。該スピロビインダンフェノールスルホン酸エステルは、公知の方法(例えば、カラムクロマトグラフィー、再結晶、溶媒スラッジ)によりさらに精製することができる。
こうして得られた一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルは、ポジ型フォトレジスト材料用の酸発生剤として優れた性能を有することが明らかになった。
【0024】
本発明のポジ型フォトレジスト材料は、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤および酸発生剤を含有し、照射後、アルカリ水溶液で現像することが可能な、高エネルギーに感応するポジ型レジスト材料において、該酸発生剤として一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステル類を含有するポジ型レジスト材料であり、後述するように公知のレジスト材料を製造するための各種公知の処方がさらに付与し得る。
【0025】
アルカリ可溶性樹脂としては、露光波長付近、すなわちKrFエキシマレーザーの248nmからi線の365nm付近、好ましくはさらに単波長領域までの吸収が小さく、アルカリ可溶性であれば特定される物ではないが、好ましくは、ポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体である。
好ましいポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体としては、ポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂、水素化(ポリヒドロキシスチレン)樹脂、一部の水酸基の水素原子がtert−ブトキシカルボニル基で置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂、一部の水酸基の水素原子がtert−ブトキシカルボニル基で置換された水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂、一部の水酸基の水素原子がテトラヒドロピラニル基で置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂、一部の水酸基の水素原子がテトラヒドロピラニル基で置換された水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂、ヒドロキシスチレンとスチレンからなる共重合体、一部の水酸基の水素原子がtert−ブトキシカルボニル基で置換されたヒドロキシスチレンとスチレンからなる共重合体および一部の水酸基の水素原子がテトラヒドロピラニル基で置換されたスチレンとヒドロキシスチレンからなる共重合体を例示することができる。これらの樹脂は、1種または2種以上ブレンドして使用することも可能である。
【0026】
また、本発明のレジスト材料用のアルカリ可溶性樹脂としては、上述のポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体以外にさらに、ノボラック型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンからなる共重合体、ポリメチルメタクリレートおよびスチレンと無水マレイン酸からなる共重合体等のアルカリ可溶性樹脂を併用することも可能である。
本発明のレジスト材料中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、45〜90重量%が好ましく、より好ましくは、60〜89重量%である。特に好ましくは、本レジスト材料中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、72〜87%である。
【0027】
以下、アルカリ可溶性樹脂の好ましい例として、ポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体および一部の水酸基の水素原子がtert−ブトキシカルボニル化されたポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体について詳細に説明する。
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂の内、一部の水酸基の水素原子がtert−ブトキシカルボニル化されたポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体としては、tert−ブトキシカルボニル化率が10〜80%の範囲が好ましく、より好ましくは、20〜70%である。tert−ブトキシカルボニル化率が高すぎると、アルカリ水溶液への溶解度が低下する。一方、tert−ブトキシカルボニル化率が低すぎると、溶解阻害効果が小さい。特にtert−ブトキシカルボニル化率が30〜60%の範囲が好ましい。
【0028】
ポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体中の水酸基の水素原子をtert−ブトキシカルボニル化する方法としては、一般にペプチド合成でよく用いられる方法、すなわち、例えば、ピリジン溶液中でポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体とジ−tert−ブチルジカーボネートを反応させることにより容易に製造することができる。
なお、耐熱性の高いレジスト膜を製造するためには、ポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体の重量平均分子量は、10000以上であることが望ましい。
【0029】
また、精度の高いパタンを形成させるためには、該樹脂の分子量分布は単分散性であることが好ましい。このため該樹脂は、リビング重合によって得られるような単分散性のポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体を使用することが好ましい。ちなみに、単分散性とは分子量分布がMw/Mn=1.05〜1.50であることを意味する。ここでMwは樹脂の重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す。重量平均分子量はリビング重合させる場合には、モノマーの重量と開始剤のモル数、または光散乱法より求めることができる。一方、数平均分子量は、膜浸透圧計を用いて測定することができる。
単分散性の樹脂を得る方法としては、(a)ラジカル重合法により製造された広い分子量分布を有する樹脂を分別処理する方法、(b)リビング重合法によって当初から単分散性の樹脂を得る方法が挙げられる。これらの内、分別処理を必要としないリビング重合法を用いることが好ましい。なお、リビング重合法による単分散性のポリ(ヒドロキシスチレン)誘導体の製造および該誘導体のtert−ブトキシカルボニル化は、例えば、特開平6−287163号公報に記載の方法に従って行うことができる。
【0030】
本発明における溶解阻害剤としては、公知一般のものが用いることができる、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたベンゼン環を有するものが挙げられる。具体的に例示すれば、水酸基がt−ブチルカルボニル化された各種フェノール化合物であり、そのフェノール化合物としてはハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2'−ジヒドロキシ−5,5'−ジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチル−ジフェニルプロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルプロパン、および本発明においてスルホン酸エステル化原料として用いられるスピロビインダンフェノール等が挙げられる。
本発明のレジスト材料中の溶解阻害剤の含有量は7〜40重量%が好ましく、より好ましくは、10〜30重量%である。レジスト材料中の溶解阻害剤の含有量が多すぎると、レジスト膜の機械的強度および耐熱性が低下する。また、含有量が少なすぎると、溶解阻害効果が小さい。特に好ましくは、レジスト材料中の溶解阻害剤の含有量は、10〜20重量%である。
【0031】
本発明のレジスト材料中に含有させる酸発生剤は、本発明の一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルである。酸発生剤の含有量は、0.5〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.3〜10重量%である。含有量が少なすぎると、レジスト材料の感度を向上させることができず、含有量が多すぎると、レジスト膜の機械的強度が低下するとともに、レジスト材料のコストが上昇する。特に好ましくは、酸発生剤の含有量は、0.3〜8重量%である。
【0032】
本発明のレジスト材料においては、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で増感剤を含有させることは好ましいことである。増感剤としては、例えば、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、メルカプトオキサゾール、メルカプトベンゾキサゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾキサゾリノン、ベンゾチアゾロン、メルカプトベンゾイミダゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトピリミジン、イミダゾロンおよびこれらの誘導体を挙げることができる。この際、該増感剤の含有量は、酸発生剤に対して、好ましくは、40重量%以下、より好ましくは、20重量%以下である。
本発明のレジスト材料には、さらに必要に応じて相溶性のある添加物、例えば、レジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤または現像した像をより一層可視的にするための着色料等の慣用されている化合物を添加することができる。
【0033】
本発明のレジスト材料を用いて基板にポジ型パタンを形成するには、公知の方法(例えば、特開平6−287163号公報)で容易に行うことができる。
すなわち、(1)レジスト材料溶液を基板上に塗布した後、プリベークを行って塗布基板を得る、
(2)得られた塗布基板に、フォトマスクを介して高エネルギー線を照射し、塗布膜中の酸発生剤を分解させることにより酸を生成させる、
(3)熱処理を行い、露光および加熱により本発明の式(1)のスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルが分解して生じた酸が、溶解阻害剤の保護基を分解し、レジストの溶解阻害効果が消失することによって形成された潜像を有する基板を得る、
(4)該潜像を有する基板をアルカリ水溶液で現像処理し、水洗することによってポジ型パタンを形成する、方法である。
【0034】
なお、レジスト材料溶液は、本発明のポジ型フォトレジスト材料を有機溶剤に溶解させたものであり、通常、1〜50重量%、好ましくは5〜35重量%の濃度として用いる。
用いられる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸エトキシエチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、およびこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
撹拌機、温度計、滴下ロート、コンデンサーを装着した反応装置に、ベンゼンスルホニルクロライド38.9g(0.22mol)、トルエン250gを装入し、撹拌して均一な溶液とした。撹拌を続けながら25℃で、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン30.4g(0.1mol)、ピリジン20g(0.25mol)、トルエン30gからなる均一溶液を、撹拌されている溶液中に、2時間かけて滴下した。
滴下中の内温は30℃を越えないように行った。
滴下終了後、さらに3時間撹拌を続け十分に反応を進行させ、高速液体クロマトグラフィーにより原料の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンビフェノールが消失したことを確認した。
反応中、ピリジン塩酸塩の結晶が析出したが、残存する微量のピリジン、ベンゼンスルホニルクロライドと共に、反応終了後200mlの希塩酸で2回、更に中性水で排水が中性になるまで洗浄を繰り返し、有機層から完全に、除去した。その後、ロータリーエバポレーターにより溶媒留去を行い、目的とするスルホン酸エステルを白色結晶として40.7g(純度99.3%、収率99%)得た。
【0036】
実施例2
撹拌機、温度計、滴下ロート、コンデンサーを装着した反応装置に、p−トルエンスルホニルクロライド41.9g(0.22mol)、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン30.4g(0.1mol)、ピリジン20g(0.25mol)、トルエン250gを装入し、内温が30℃を越えないよう撹拌、反応を行った。
3時間撹拌を続け十分に反応を進行させた後、高速液体クロマトグラフィーにより、原料の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンが消失したことを確認した。
反応中、ピリジン塩酸塩の結晶が析出したが、残存する微量のピリジン、ベンゼンスルホニルクロライドと共に、反応終了後、200mlの希塩酸で2回、更に中性水で排水が中性になるまで洗浄を繰り返し、有機層から完全に、除去した。その後、ロータリーエバポレーターにより溶媒留去を行い、目的とするスルホン酸エステルを白色結晶として42.1g(純度99.4%、収率99%)得た。
【0037】
実施例3
実施例1のベンゼンスルホニルクロライドをメタンスルホニルクロライドに代えた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
実施例4
実施例1のベンゼンスルホニルクロライドをトリフルオロメタンスルホニルクロライドに代えた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
実施例5
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンビフェノールに代えて、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,5'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダンを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
【0038】
実施例6
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに代えて、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−7,7'−ジイソプロピル−1,1'−スピロビインダンビフェノールを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
実施例7
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに代えて、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',−テトラメチル−5,5'−ジメトキシ−1,1'−スピロビインダンを用い、ベンゼンスルホニルクロライドに代えて4−フェノキシベンゼンスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
【0039】
実施例8
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに代えて、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトメチル−4,4'−ジクロロ−1,1'−スピロビインダンを用い、ベンゼンスルホニルクロライドに代えてイソプロピルスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
実施例9
実施例1のベンゼンスルホニルクロライドに代えて、1−ナフチルスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
【0040】
実施例10
実施例1のベンゼンスルホニルクロライドに代えて、ビフェニルスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
参考例1
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに代えて、5,5',6,6'−テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
参考例2
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに代えて、5,5',6,6'−テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンを用い、ベンゼンスルホニルクロライドに代えて、エトキシメチルスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
参考例3
実施例1の6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに代えて、4,4',6,6'−テトラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンを用い、ベンゼンスルホニルクロライドに代えて、トルイルオキシメチルスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
実施例14
実施例1のベンゼンスルホニルクロライドに代えて、シクロヘキシルオキシベンゼンスルホニルクロライドを用いた以外は、同様にして対応するスルホン酸エステルを得た。
【0041】
実施例15〜22
第1表(表1)に示したベース樹脂、溶解阻害剤および酸発生剤を用いて、下記の方法でレジスト塗布基板を製造し、下記の方法で評価を行い、結果を第2表(表2)に示した。
なお、第1表中のMwはベース樹脂の分子量を表す。
[レジスト塗布基板の製造方法]
下記の組成物を混合したレジスト溶液を、シリコーン基板上に2000回転/分でスピン塗布し、ホットプレート上で85℃で1分間プリベークし、レジスト膜の厚さが0.7μmのレジスト塗布基板を製造した。
Figure 0003791950
【0042】
[レジスト塗布基板の評価方法]
本発明のレジスト材料の特性は、上述の方法により製造されたレジスト塗布基板を用いて、以下の方法により測定した。
(1)感度:各レジスト塗布基板に縮小露光投影装置NSR−1505EX(ニコン社製)を用いて10mJからさらに10mJずつ過剰間隔で露光した後、100℃、90秒間加熱し、次いで2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間浸漬現像し、30秒間水洗して乾燥した際の感度を、適正露光時間(パターニングのために要する最小露光時間)として測定した。結果は10mJ単位の値として表され、数値が小さい程、露光時間が短く感度が良好であることを示す。
(2)断面形状
(a)露光直後現像処理:各レジスト塗布基板に縮小露光投影装置NSR−1505EX(ニコン社製)を用いて、最適露光時間で露光して得られたシリコンウエハーを、100℃、90秒間加熱し、次いで2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間浸漬現像し、30秒間水洗し、乾燥して得られたレジストパタンの断面形状を顕微鏡で観察し、側面が垂直なものを「○」、側面が垂直でなく、オーバーハングまたは強いテーパー状のものを「×」とした。
(b)露光1時間後現像処理:各レジスト塗布基板に縮小露光投影装置NSR−1505EX(ニコン社製)を用いて、最適露光時間で露光して得られたシリコンウエハーを、100℃、90秒間加熱した後、室温で1時間静置し、次いで2.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間浸漬現像し、30秒間水洗し、乾燥して得られたレジストパタンの断面形状を顕微鏡で観察し、側面が垂直なものを「○」、側面が垂直でなく、オーバーハングまたは強いテーパー状のものを「×」とした。
【0043】
比較例1
実施例15における酸発生剤として、実施例1の化合物の代わりに、トリ−tert−ブトキシカルボニルピロガロール用いた以外は、実施例15に示した方法と同様の方法により、レジスト塗布基板を得、前記の方法で評価を行い、第2表に示した。
比較例2
実施例15における酸発生剤として、実施例1の化合物の代わりに、ジ−tert−ブトキシカルボニルビスフェノールAを用いた以外は、実施例15に示した方法と同様の方法により、レジスト塗布基板を得、前記の方法で評価を行い、第2表に示した。
【0044】
【表1】
Figure 0003791950
【0045】
【表2】
Figure 0003791950
第2表より明らかなように、本発明の一般式(1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルを酸発生剤として使用したレジスト材料は、従来用いられている酸発生剤を用いて作製したレジスト材料と比較して、感度および解像度が優れており、経時安定性も高い。
【0046】
【発明の効果】
本発明により、感度および解像度の優れた高エネルギー線用ポジ型レジスト材料を提供することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)(化1)で表されるスピロビインダンフェノールスルホン酸エステル。
    Figure 0003791950
    (式中、R1フェニル基、p−トリル基、メチル基、トリフロロメチル基、フェノキシフェニル基、イソプロピル基、1−ナフチル基、ビフェニルイル基、またはシクロヘキシルオキシフェニル基を表し、R 1 が結合したスルホン酸エステル2個の置換位置は6位と6’位であり、R2 およびその置換位置は水素原子、メチル基では5位と5’位、イソプロピル基では7位と7’位、メトキシ基では5位と5’位、または塩素原子では4位と4’位であることを表し、mは1を表し、nは1でる)
  2. アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤、酸発生剤を含んで成るポジ型フォトレジスト材料において、酸発生剤として請求項1記載のスピロビインダンフェノールスルホン酸エステルを含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト材料。
  3. アルカリ可溶性樹脂が、ポリヒドロキシスチレンまたはその誘導体を含有するものである請求項2記載のポジ型フォトレジスト材料。
  4. アルカリ可溶性樹脂がフェノールアラルキル樹脂またはその誘導体を含有するものである請求項3記載のポジ型フォトレジスト材料。
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