JP3791871B2 - 廃液の使い捨て処理袋及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車,船等の乗物内において、またアウトドアーにおいて、或いは傷病者が床の中で使用する尿とか嘔吐の使い捨て処理袋、及び調理により生じた廃油等の使い捨て処理袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、乗物用の尿の処理袋としては、非透水性の袋の開口端に排尿口を固定し、且つ袋の開口端近傍にスナップを形成したものが市販されている。これは予め袋内に収容した吸収材に尿を吸収、吸着させ、スナップにより開口端を密閉することにより、袋の上部に付着した液状のままの尿の漏洩防止を図っている。
【0003】
しかし、この種の使い捨て排尿処理袋は、排尿口に付着した尿により手を汚すことがあった。また排尿後、これを別に用意した袋とか箱に入れて始末しなければならない不便があった。
【0004】
このような従来の尿の処理袋の欠点を解消するために、本出願人は袋体の底部に廃液の収容部を形成し、この収容部に廃液の吸収材を入れるか、廃液を吸収する素材よりなる廃液の収容袋を収容し、前記収容部の外側に、袋体の上部を折り返して二重の折り重ね部を形成した廃液の使い捨て処理袋を開発した(特願平9−99554号)。
【0005】
この使い捨て処理袋は、袋体の収容部に入れた廃液を吸収材に吸収し、または収容部内の収容袋の素材中に吸収させた後、折り返した袋体の上端のみを持ち、廃液の重みにより収容部及び折り重ね部を下方へ伸ばし、袋体の上端部分を結束して廃棄処分しようとするものであり、手を汚すことなく容易に処分することができるものであるが、誤って袋体を損傷し、孔を開けて仕舞ったときは、この孔から、尿や廃油が漏洩する虞がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1乃至請求項3の発明は、手を汚すことなく容易に使用することができると共に、後始末が簡単にでき、また廃液が漏ることのない使い捨て処理袋を提供することを目的とし、請求項4の発明は、上記のような処理袋を容易に製造することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の廃液の使い捨て処理袋は、請求項1のように、縦長の外袋に、これより短い内袋を収容し、前記外袋の中間部を、下方へ二重折りして伸長部を形成し、該伸長部より上方へ突出した外袋の上部を前記内袋の上部に重ね合わせ、且つ内袋に廃液の吸収材を収容したことを特徴とするものである。
【0008】
上記廃液の使い捨て処理袋は、外袋と内袋の開口部を開いて内袋内に排尿、嘔吐し、又は調理後の廃油を流入し、これら廃液を吸収材に吸収、又は吸着させた後、外袋の開口端のみを持ち、廃液の重みにより外袋の伸長部を下方へ伸ばして内袋を落下させ、内袋より上方へ伸びた外袋の部分を、適宜の方法で結束して廃棄処理する。
【0009】
また本発明の廃液の使い捨て処理袋は、請求項2のように、上記請求項1に記載の処理袋において、上端開口部の両側に縦の切り込み設けたことを特徴とするものである。
【0010】
上記請求項2の廃液の使い捨て処理袋は、請求項1と同様に、内袋内に入れた廃液の重みにより、外袋を伸ばし、その上部を結束して廃棄処理するものであるが、内袋と外袋の開口端を下向きに折り曲げるときは、開口部が四枚重ねとなるため、開口端が安定し、排尿、嘔吐が容易となり、廃油を流入し易くなる。
【0011】
前記開口部を両手で横方向に広げるときは、開口端が大きく広がるため、容易に排尿したり、廃油を流入することができる。また開口部を横方向に引っ張り、横向きになった部分を肌当て部とし、これを股間に当てて排尿するときは、尿の飛散を防止することができるのである。
【0012】
また本発明の廃液の使い捨て処理袋は、請求項3のように、上記請求項1に記載の処理袋において、外袋と内袋の上部片面を切り取って、上部他面に突出部を形成したことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の廃液の使い捨て処理袋の製造方法は、縦長の外袋に、これより短い内袋を挿入した後、外袋の下部と、この位置に対応する内袋の部分とを溶着等により横線状に接着し、外袋の中間部を下方へ二重折りして伸長部を形成し、この二重の伸長部より上方へ突出した外袋の上部と内袋の上部とを重ね合わせ、更に内袋に、廃液の吸収材を収容することを特徴とするものである。
【0014】
上記廃液の使い捨て処理袋の製造方法にあっては、縦長の外袋の下部と、この位置に対応する内袋の部分とを溶着等により横線状に接着し、この横線状の接着部を基準として、外袋の中間部を下方へ二重折りして、二重の伸長部を形成するため、その折り返しが容易に行われるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る廃液の使い捨て処理袋において、外袋と内袋は、防水性を有し、且つ軟質のものであれば材質を問わないが、軟質プラスチックフィルム製のものが好ましい。特に外袋は、二重の折り曲げによる二重の伸長部の形成、及びこの伸長部の伸びが容易にできるように、外袋の幅を内袋の幅より、やや大きくするのは勿論であるが、柔軟な素材のもの、例えばポリエチレンフィルム等が好ましい。
【0016】
尿のような廃液に使用する場合は、綿状の天然パルプ(解繊パルプ)材、吸水紙、高吸水性樹脂等の吸収材を入れ、粉末状、顆粒状の吸収材にあっては、廃液により容易に溶解し得る素材、例えば、水溶性のPVAフィルムとか、CMCの紙よりなる袋にパックする。また天ぷら油のような廃液に使用する場合は、油を吸着し易いポリプロピレン繊維よりなるシート等を使用する。
【0017】
また外袋は、廃棄処理する際に、上部を結束できる程度の長さが必要である。内袋は伸長部を形成した外袋の上部と重なり合う程度の長さが必要であり、一回の排尿を充分に受入れることができる程度の容量のものである。
【0018】
以下、図1〜図4を参照し、請求項1の発明の実施形態を詳述する。
図1は処理袋の斜視図、図2は同処理袋の断面図、図3は同処理袋の伸長状態の側面図、図4は廃棄処理する場合の同処理袋の結束状態を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、縦長の外袋1と、その中に挿入した短い内袋2はポリエチレン製である。外袋1は、中間部を下方へ二重に折り返して、二重の伸長部3を形成し、更にその上部は、内袋2の上部に重ね合わせて、外袋1と内袋2による二重の開口端4を形成している。内袋2内には、水溶性のPVAフィルムの袋5にパックしたアクリル酸塩重合体よりなる吸収材6を入れている。この吸収材6には消臭剤を混入している。
【0020】
前記外袋1における伸長部3の上端は、この位置の内袋2に、溶着による横線状の接着部7により連結されている。これは、内袋2のみを持った際に、外袋1が落下するのを防止するためのものである。
【0021】
請求項1の発明は、上記のように構成されているので、図2に鎖線で示すように、二重に形成された開口端4を両手で開き、内袋2内に排尿したり、嘔吐した後、内袋2から手を離し、外袋1のみを持つと、内袋2に収容された廃液の重みにより、内袋2が落下し、外袋1の伸長部3が下方へ伸びる。
【0022】
内袋2内のPVAフィルムの袋5は、廃液により直ちに溶解し、廃液は吸収材6に吸収される。この状態において、内袋2より上方へ伸びている外袋1の上部を、図4に示すように結束して廃棄処理するのである。
【0023】
次に、図5,図6を参照し、請求項2の発明の実施形態を詳述する。
図5は処理袋の斜視図、図6は同処理袋の断面図である。
【0024】
この発明は、請求項1の処理袋において、外袋1と内袋2による二重の開口端4の両側に縦の切り込み8を設けたものであり、その他の構成は請求項1の場合と同一であるから、図5、及び図6における各部の符号の説明は省略する。
【0025】
請求項2の発明は、上記のように構成されているので、図6に鎖線で示すように、二重に形成された開口端4を両手で開くと、請求項1の場合より更に大きく開く。このように大きく開口した内袋2内に排尿したり、嘔吐した後、内袋2から手を離し、外袋1のみを持つと、内袋2に収容された廃液の重みにより、内袋2が落下し、外袋1の伸長部3が下方へ伸びる。
【0026】
内袋2内のPVAフィルムの袋5は、廃液により直ちに溶解し、廃液は吸収材6に吸収される。この状態において、内袋2より上方へ伸びている外袋1の上部を、図4に示すように結束して廃棄処理する。
【0027】
図6に鎖線で示すように、開口端4を横方向に引っ張って横向きの拡張部9を形成し、この拡張部9を股間に当てて排尿するときは、尿の飛散を防止することができるので、この発明は、女性用の排尿処理袋として最適である。また図5に鎖線で示すように、上記拡張部9を下向きに折り曲げるときは、開口端4が四重になって安定するため、排尿、廃液の注入が容易となる。
【0028】
更に図7を参照し、請求項3の発明の実施形態を詳述する。
図7は、処理袋の斜視図である。
【0029】
この発明は、請求項1の処理袋において、外袋1と内袋2の上部片面を切り取って、上部他面に突出部10を形成したものであり、その他の構成は請求項1の場合と同一であるから、図7における各部の符号の説明は省略する。
【0030】
請求項3の発明は、上記のように構成されているので、図7に示すように、片面の開口端4と、他面の突出部10とを両手で開き、開口端4より内袋2内に排尿とか、嘔吐した後、内袋2から手を離し、外袋1のみを持つと、内袋2に収容された廃液の重みにより、内袋2が落下し、外袋1の伸長部3が下方へ伸びる。
【0031】
また排尿する場合、上記突出部10を上側にして使用するときは、突出部10により、股間を隠すことができるので、男性向きの排尿処理袋として最適である。また内袋2にポリプロピレン繊維よりなる吸収材6を使用し、底部をテーブル上に支持させた状態で、突出部10の中央のみを片手で持つと、吸収材6の重みが働いて開口端4が自然に開口する。従って別の手で天ぷら油の廃油を持ち、内袋2内に容易に注入することができる。
【0032】
次に、図8を参照し、請求項4の発明の実施形態を詳述する。
図8は、本製造方法により、前記請求項1の発明の処理袋を製造する場合の工程を示すもので、その工程は、
(1)縦長の外袋1に、これより短い内袋2を挿入する工程(第一工程(図8(a))と、
(2)外袋1の下部と、この位置に対応する内袋2の部分とを溶着等により横線状に接着する工程(第二工程(図8(b))と、
(3)外袋1の中間部を上記横線状の接着部7を基準として下方へ二重に折りして伸長部3を形成し、この二重の伸長部3より上方へ突出した外袋1の上部と内袋2の上部とを重ね合わせる工程(第三工程(図8(c))と、
(4)内袋2に、廃液の吸収材6を収容する工程(第四工程(図8(c))とからなる。
【0033】
上記縦長の外袋1に対し、内袋2は、約2/1の長さのものである。また請求項2における縦の切り込み8の作成、及び請求項3における両袋1,2の上部片面の切り落としによる突出部10の作成は、第一工程の前に行う。
【0034】
第二工程における横線状の接着は、外袋1と内袋2との両面同士に施す場合と片面同士に施す場合とがある。また、その接着位置(外袋1の底からの距離)により伸長部3の長さ、即ち内袋1の上端から上方へ伸長する長さが異なるので、接着位置は、外袋1及び内袋2の長さを考慮し、廃棄処理する際の結束ができる長さになる位置を求めて決定する。
【0035】
第三工程における二重の折り返しは、上記横線状の接着部7を基準として下方への折り込みを行う。
【0036】
第四工程における吸収材6は、〔0013〕欄に記載したように、粉末状、顆粒状のものにあっては、廃液により容易に溶解し得る素材、例えば、水溶性のPVAフィルムとか、CMCの紙よりなる袋にパックして、内袋2に収容する。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る廃液の使い捨て処理袋及びその製造方法は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0038】
請求項1の発明にあっては、全体を薄く折り畳むか、小さく丸めて携行することができるので、ドライブとか旅行に極めて便利である。
【0039】
内袋に流入された廃液は、直ちに吸収材に吸収されて凝固し、または吸収材に吸着して流動性が失われ、しかも内袋は外袋により覆われているため、外部に廃液が漏洩することがない。また外袋を損傷することがあっても、廃液が漏洩することがない。
【0040】
廃液は、内袋内に流入され、外袋の上端開口部に付着することがないので、手を汚すことなく容易に且つ衛生的に廃棄処理することができる。
【0041】
排尿後、又はその他の廃液を注入後、袋体の上端のみを保持することにより、袋体の伸長部を尿等の廃液の重みで伸ばし、伸びた袋体の上部を結束して廃棄するものであるから、これを包むための袋とか箱が不要である。
【0042】
請求項2の発明にあっては、上記請求項1の発明の効果に加えて、開口端を一層大きく広げることができ、排尿、廃油の流入が容易である。また開口端を横に広げ、この部分を股間に当てて安心して排尿ができる。また開口端を下向きに折り曲げるときは、開口端が四重となって安定するため、排尿、廃油等の注入が容易となる。
【0043】
請求項3の発明にあっては、上記請求項1の発明の効果に加えて、開口端を一層大きく広げることができ、排尿、廃油の流入が容易である。また突出部を片手で持ち、容易に排尿、又は廃油の注入ができる。
【0044】
請求項2の場合は、横に広げた開口端により、請求項3の場合は、突出部により、それぞれ股間を隠して排尿することができる。
【0045】
請求項4の製造方法にあっては、横線状の接着部を基準として、折り曲げができるので、二重の伸長部の折り込みが、極めて容易である。
【0046】
請求項4の製造方法によって製造した処理袋は、横線状の接着部により、外袋と内袋が連結されるため、使用時に誤って外袋の開口端から手を離すことがあっても、外袋が離脱することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃液の使い捨て処理袋の斜視図である。
【図2】同上処理袋の断面図である。
【図3】同上処理袋の伸長状態を示す斜視図である。
【図4】同上処理袋の結束状態を示す斜視図である。
【図5】他の実施形態における処理袋の斜視図である。
【図6】同上処理袋の断面図である。
【図7】更に他の実施形態における処理袋の斜視図である。
【図8】本製造方法の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 外袋
2 内袋
3 伸長部
4 開口端
5 袋
6 吸収材
7 接着部
8 切り込み
9 拡張部
10 突出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車,船等の乗物内において、またアウトドアーにおいて、或いは傷病者が床の中で使用する尿とか嘔吐の使い捨て処理袋、及び調理により生じた廃油等の使い捨て処理袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、乗物用の尿の処理袋としては、非透水性の袋の開口端に排尿口を固定し、且つ袋の開口端近傍にスナップを形成したものが市販されている。これは予め袋内に収容した吸収材に尿を吸収、吸着させ、スナップにより開口端を密閉することにより、袋の上部に付着した液状のままの尿の漏洩防止を図っている。
【0003】
しかし、この種の使い捨て排尿処理袋は、排尿口に付着した尿により手を汚すことがあった。また排尿後、これを別に用意した袋とか箱に入れて始末しなければならない不便があった。
【0004】
このような従来の尿の処理袋の欠点を解消するために、本出願人は袋体の底部に廃液の収容部を形成し、この収容部に廃液の吸収材を入れるか、廃液を吸収する素材よりなる廃液の収容袋を収容し、前記収容部の外側に、袋体の上部を折り返して二重の折り重ね部を形成した廃液の使い捨て処理袋を開発した(特願平9−99554号)。
【0005】
この使い捨て処理袋は、袋体の収容部に入れた廃液を吸収材に吸収し、または収容部内の収容袋の素材中に吸収させた後、折り返した袋体の上端のみを持ち、廃液の重みにより収容部及び折り重ね部を下方へ伸ばし、袋体の上端部分を結束して廃棄処分しようとするものであり、手を汚すことなく容易に処分することができるものであるが、誤って袋体を損傷し、孔を開けて仕舞ったときは、この孔から、尿や廃油が漏洩する虞がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1乃至請求項3の発明は、手を汚すことなく容易に使用することができると共に、後始末が簡単にでき、また廃液が漏ることのない使い捨て処理袋を提供することを目的とし、請求項4の発明は、上記のような処理袋を容易に製造することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の廃液の使い捨て処理袋は、請求項1のように、縦長の外袋に、これより短い内袋を収容し、前記外袋の中間部を、下方へ二重折りして伸長部を形成し、該伸長部より上方へ突出した外袋の上部を前記内袋の上部に重ね合わせ、且つ内袋に廃液の吸収材を収容したことを特徴とするものである。
【0008】
上記廃液の使い捨て処理袋は、外袋と内袋の開口部を開いて内袋内に排尿、嘔吐し、又は調理後の廃油を流入し、これら廃液を吸収材に吸収、又は吸着させた後、外袋の開口端のみを持ち、廃液の重みにより外袋の伸長部を下方へ伸ばして内袋を落下させ、内袋より上方へ伸びた外袋の部分を、適宜の方法で結束して廃棄処理する。
【0009】
また本発明の廃液の使い捨て処理袋は、請求項2のように、上記請求項1に記載の処理袋において、上端開口部の両側に縦の切り込み設けたことを特徴とするものである。
【0010】
上記請求項2の廃液の使い捨て処理袋は、請求項1と同様に、内袋内に入れた廃液の重みにより、外袋を伸ばし、その上部を結束して廃棄処理するものであるが、内袋と外袋の開口端を下向きに折り曲げるときは、開口部が四枚重ねとなるため、開口端が安定し、排尿、嘔吐が容易となり、廃油を流入し易くなる。
【0011】
前記開口部を両手で横方向に広げるときは、開口端が大きく広がるため、容易に排尿したり、廃油を流入することができる。また開口部を横方向に引っ張り、横向きになった部分を肌当て部とし、これを股間に当てて排尿するときは、尿の飛散を防止することができるのである。
【0012】
また本発明の廃液の使い捨て処理袋は、請求項3のように、上記請求項1に記載の処理袋において、外袋と内袋の上部片面を切り取って、上部他面に突出部を形成したことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の廃液の使い捨て処理袋の製造方法は、縦長の外袋に、これより短い内袋を挿入した後、外袋の下部と、この位置に対応する内袋の部分とを溶着等により横線状に接着し、外袋の中間部を下方へ二重折りして伸長部を形成し、この二重の伸長部より上方へ突出した外袋の上部と内袋の上部とを重ね合わせ、更に内袋に、廃液の吸収材を収容することを特徴とするものである。
【0014】
上記廃液の使い捨て処理袋の製造方法にあっては、縦長の外袋の下部と、この位置に対応する内袋の部分とを溶着等により横線状に接着し、この横線状の接着部を基準として、外袋の中間部を下方へ二重折りして、二重の伸長部を形成するため、その折り返しが容易に行われるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る廃液の使い捨て処理袋において、外袋と内袋は、防水性を有し、且つ軟質のものであれば材質を問わないが、軟質プラスチックフィルム製のものが好ましい。特に外袋は、二重の折り曲げによる二重の伸長部の形成、及びこの伸長部の伸びが容易にできるように、外袋の幅を内袋の幅より、やや大きくするのは勿論であるが、柔軟な素材のもの、例えばポリエチレンフィルム等が好ましい。
【0016】
尿のような廃液に使用する場合は、綿状の天然パルプ(解繊パルプ)材、吸水紙、高吸水性樹脂等の吸収材を入れ、粉末状、顆粒状の吸収材にあっては、廃液により容易に溶解し得る素材、例えば、水溶性のPVAフィルムとか、CMCの紙よりなる袋にパックする。また天ぷら油のような廃液に使用する場合は、油を吸着し易いポリプロピレン繊維よりなるシート等を使用する。
【0017】
また外袋は、廃棄処理する際に、上部を結束できる程度の長さが必要である。内袋は伸長部を形成した外袋の上部と重なり合う程度の長さが必要であり、一回の排尿を充分に受入れることができる程度の容量のものである。
【0018】
以下、図1〜図4を参照し、請求項1の発明の実施形態を詳述する。
図1は処理袋の斜視図、図2は同処理袋の断面図、図3は同処理袋の伸長状態の側面図、図4は廃棄処理する場合の同処理袋の結束状態を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、縦長の外袋1と、その中に挿入した短い内袋2はポリエチレン製である。外袋1は、中間部を下方へ二重に折り返して、二重の伸長部3を形成し、更にその上部は、内袋2の上部に重ね合わせて、外袋1と内袋2による二重の開口端4を形成している。内袋2内には、水溶性のPVAフィルムの袋5にパックしたアクリル酸塩重合体よりなる吸収材6を入れている。この吸収材6には消臭剤を混入している。
【0020】
前記外袋1における伸長部3の上端は、この位置の内袋2に、溶着による横線状の接着部7により連結されている。これは、内袋2のみを持った際に、外袋1が落下するのを防止するためのものである。
【0021】
請求項1の発明は、上記のように構成されているので、図2に鎖線で示すように、二重に形成された開口端4を両手で開き、内袋2内に排尿したり、嘔吐した後、内袋2から手を離し、外袋1のみを持つと、内袋2に収容された廃液の重みにより、内袋2が落下し、外袋1の伸長部3が下方へ伸びる。
【0022】
内袋2内のPVAフィルムの袋5は、廃液により直ちに溶解し、廃液は吸収材6に吸収される。この状態において、内袋2より上方へ伸びている外袋1の上部を、図4に示すように結束して廃棄処理するのである。
【0023】
次に、図5,図6を参照し、請求項2の発明の実施形態を詳述する。
図5は処理袋の斜視図、図6は同処理袋の断面図である。
【0024】
この発明は、請求項1の処理袋において、外袋1と内袋2による二重の開口端4の両側に縦の切り込み8を設けたものであり、その他の構成は請求項1の場合と同一であるから、図5、及び図6における各部の符号の説明は省略する。
【0025】
請求項2の発明は、上記のように構成されているので、図6に鎖線で示すように、二重に形成された開口端4を両手で開くと、請求項1の場合より更に大きく開く。このように大きく開口した内袋2内に排尿したり、嘔吐した後、内袋2から手を離し、外袋1のみを持つと、内袋2に収容された廃液の重みにより、内袋2が落下し、外袋1の伸長部3が下方へ伸びる。
【0026】
内袋2内のPVAフィルムの袋5は、廃液により直ちに溶解し、廃液は吸収材6に吸収される。この状態において、内袋2より上方へ伸びている外袋1の上部を、図4に示すように結束して廃棄処理する。
【0027】
図6に鎖線で示すように、開口端4を横方向に引っ張って横向きの拡張部9を形成し、この拡張部9を股間に当てて排尿するときは、尿の飛散を防止することができるので、この発明は、女性用の排尿処理袋として最適である。また図5に鎖線で示すように、上記拡張部9を下向きに折り曲げるときは、開口端4が四重になって安定するため、排尿、廃液の注入が容易となる。
【0028】
更に図7を参照し、請求項3の発明の実施形態を詳述する。
図7は、処理袋の斜視図である。
【0029】
この発明は、請求項1の処理袋において、外袋1と内袋2の上部片面を切り取って、上部他面に突出部10を形成したものであり、その他の構成は請求項1の場合と同一であるから、図7における各部の符号の説明は省略する。
【0030】
請求項3の発明は、上記のように構成されているので、図7に示すように、片面の開口端4と、他面の突出部10とを両手で開き、開口端4より内袋2内に排尿とか、嘔吐した後、内袋2から手を離し、外袋1のみを持つと、内袋2に収容された廃液の重みにより、内袋2が落下し、外袋1の伸長部3が下方へ伸びる。
【0031】
また排尿する場合、上記突出部10を上側にして使用するときは、突出部10により、股間を隠すことができるので、男性向きの排尿処理袋として最適である。また内袋2にポリプロピレン繊維よりなる吸収材6を使用し、底部をテーブル上に支持させた状態で、突出部10の中央のみを片手で持つと、吸収材6の重みが働いて開口端4が自然に開口する。従って別の手で天ぷら油の廃油を持ち、内袋2内に容易に注入することができる。
【0032】
次に、図8を参照し、請求項4の発明の実施形態を詳述する。
図8は、本製造方法により、前記請求項1の発明の処理袋を製造する場合の工程を示すもので、その工程は、
(1)縦長の外袋1に、これより短い内袋2を挿入する工程(第一工程(図8(a))と、
(2)外袋1の下部と、この位置に対応する内袋2の部分とを溶着等により横線状に接着する工程(第二工程(図8(b))と、
(3)外袋1の中間部を上記横線状の接着部7を基準として下方へ二重に折りして伸長部3を形成し、この二重の伸長部3より上方へ突出した外袋1の上部と内袋2の上部とを重ね合わせる工程(第三工程(図8(c))と、
(4)内袋2に、廃液の吸収材6を収容する工程(第四工程(図8(c))とからなる。
【0033】
上記縦長の外袋1に対し、内袋2は、約2/1の長さのものである。また請求項2における縦の切り込み8の作成、及び請求項3における両袋1,2の上部片面の切り落としによる突出部10の作成は、第一工程の前に行う。
【0034】
第二工程における横線状の接着は、外袋1と内袋2との両面同士に施す場合と片面同士に施す場合とがある。また、その接着位置(外袋1の底からの距離)により伸長部3の長さ、即ち内袋1の上端から上方へ伸長する長さが異なるので、接着位置は、外袋1及び内袋2の長さを考慮し、廃棄処理する際の結束ができる長さになる位置を求めて決定する。
【0035】
第三工程における二重の折り返しは、上記横線状の接着部7を基準として下方への折り込みを行う。
【0036】
第四工程における吸収材6は、〔0013〕欄に記載したように、粉末状、顆粒状のものにあっては、廃液により容易に溶解し得る素材、例えば、水溶性のPVAフィルムとか、CMCの紙よりなる袋にパックして、内袋2に収容する。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る廃液の使い捨て処理袋及びその製造方法は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0038】
請求項1の発明にあっては、全体を薄く折り畳むか、小さく丸めて携行することができるので、ドライブとか旅行に極めて便利である。
【0039】
内袋に流入された廃液は、直ちに吸収材に吸収されて凝固し、または吸収材に吸着して流動性が失われ、しかも内袋は外袋により覆われているため、外部に廃液が漏洩することがない。また外袋を損傷することがあっても、廃液が漏洩することがない。
【0040】
廃液は、内袋内に流入され、外袋の上端開口部に付着することがないので、手を汚すことなく容易に且つ衛生的に廃棄処理することができる。
【0041】
排尿後、又はその他の廃液を注入後、袋体の上端のみを保持することにより、袋体の伸長部を尿等の廃液の重みで伸ばし、伸びた袋体の上部を結束して廃棄するものであるから、これを包むための袋とか箱が不要である。
【0042】
請求項2の発明にあっては、上記請求項1の発明の効果に加えて、開口端を一層大きく広げることができ、排尿、廃油の流入が容易である。また開口端を横に広げ、この部分を股間に当てて安心して排尿ができる。また開口端を下向きに折り曲げるときは、開口端が四重となって安定するため、排尿、廃油等の注入が容易となる。
【0043】
請求項3の発明にあっては、上記請求項1の発明の効果に加えて、開口端を一層大きく広げることができ、排尿、廃油の流入が容易である。また突出部を片手で持ち、容易に排尿、又は廃油の注入ができる。
【0044】
請求項2の場合は、横に広げた開口端により、請求項3の場合は、突出部により、それぞれ股間を隠して排尿することができる。
【0045】
請求項4の製造方法にあっては、横線状の接着部を基準として、折り曲げができるので、二重の伸長部の折り込みが、極めて容易である。
【0046】
請求項4の製造方法によって製造した処理袋は、横線状の接着部により、外袋と内袋が連結されるため、使用時に誤って外袋の開口端から手を離すことがあっても、外袋が離脱することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃液の使い捨て処理袋の斜視図である。
【図2】同上処理袋の断面図である。
【図3】同上処理袋の伸長状態を示す斜視図である。
【図4】同上処理袋の結束状態を示す斜視図である。
【図5】他の実施形態における処理袋の斜視図である。
【図6】同上処理袋の断面図である。
【図7】更に他の実施形態における処理袋の斜視図である。
【図8】本製造方法の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 外袋
2 内袋
3 伸長部
4 開口端
5 袋
6 吸収材
7 接着部
8 切り込み
9 拡張部
10 突出部
Claims (4)
- 縦長の外袋に、これより短い内袋を収容し、前記外袋の中間部を、下方へ二重折りして伸長部を形成し、該二重の伸長部より上方の外袋の上部を前記内袋の上部に重ね合わせ、且つ内袋に廃液の吸収材を収容したことを特徴とする廃液の使い捨て処理袋。
- 外袋と内袋の上端開口部の両側に縦の切り込みを入れた請求項1に記載の廃液の使い捨て処理袋。
- 外袋と内袋の上部片面を切り取って、上部他面に突出部を形成した請求項1に記載の廃液の使い捨て処理袋。
- 縦長の外袋に、これより短い内袋を挿入した後、外袋の下部と、この位置に対応する内袋の部分とを溶着等により横線状に接着し、外袋の中間部を上記横線状の接着部を基準として下方へ二重折りして伸長部を形成し、この二重の伸長部より上方へ突出した外袋の上部と内袋の上部とを重ね合わせ、更に内袋に、廃液の吸収材を収容することを特徴とする廃液の使い捨て処理袋の製造方法。
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- 1998-06-03 JP JP19227198A patent/JP3791871B2/ja not_active Expired - Fee Related
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