JPH0341697Y2

JPH0341697Y2 -

Info

Publication number: JPH0341697Y2
Application number: JP1986029458U
Authority: JP
Priority date: 1986-02-28
Filing date: 1986-02-28
Publication date: 1991-09-02
Also published as: JPS62142321U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、失禁者、リハビリ中の人、寝床に
横臥したまま自力で排尿のために起居することが
できない病人や老人、あるいは乳幼児などの用に
供する使い捨てタイプの収尿袋に関するものであ
る。

〔従来の技術〕このような人達のための排尿具や貯尿具は種々
案出され実用化されているが、排泄された尿は即
座に捨てないと、臭気を放つたり、尿が洩れたり
する問題がある。そこで、尿を数秒で固まらせて
ゼリー状にするとともに、脱臭効果もある粉末状
の高吸水性樹脂が開発され、この高吸水性樹脂を
用いることにより前述の問題点の解消を図つた収
尿袋が近年多用される傾向にある。この収尿袋と
しては、不透水性の袋体内に、前記高吸水性樹脂
を水に溶解する紙や合成樹脂フイルムで包んで収
容したものや、前記高吸水性樹脂を含有したシー
ト状物を収容したものがあるが、これらには、高
吸水性樹脂が袋体内において偏在化し、この高吸
水性樹脂が継粉となつて尿をゲル化する速度およ
び膨潤量が低下する欠点があり、しかも、ゲル化
された尿が尿導入口に入り込んでこれを塞ぐため
に、この尿導入口に装着されたチユーブに尿が逆
流するといつた問題がある。

そこで、第４図に示すような収尿袋が案出され
ている。この収尿袋は、２枚の合成樹脂フイルム
状のシート１ａ，１ｂを重ね合わせて一辺を除く
周縁部を熱溶着してなる外部袋体１内に、高吸水
性樹脂２を封入した内部袋体３が収容されてお
り、内部袋体３は、２枚の透水性シート３ａ，３
ｂを重ね合わせてその周縁部を熱溶着するととも
に、熱溶着により短手方向の３個所に仕切部３
ｃ，３ｄ，３ｅを形成して内部を４つの収納部３
ｆ，３ｇ，３ｈ，３ｉに分割した形状になつてい
る。また、各収納部３ｆ〜３ｉには高吸水性樹脂
２をほぼ等分に配分して封入しており、例えば、
外部袋体１を吊り下げるようにして使用した場合
にも高吸水性樹脂２が仕切部３ｃ〜３ｅによつて
偏在化しないようになつている。そして、外部袋
体１の未溶着部により形成された開口１ｃから受
尿器のチユーブ等を介して注入された尿が内部袋
体３内に浸透し、高吸水性樹脂２により尿がゲル
化される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、尿が高吸水性樹脂２によりゲル化さ
れ膨潤して、各収納部３ｆ〜３ｉ内における容量
が増大してゆき、第４図に示すように各収納部３
ｆ〜３ｉが最大限に膨張すると、それ以上に尿を
吸収することができない。従つて、尿をゲル化し
て収尿できる容量は、各収納部３ｆ〜３ｉの最大
容積で決定されてしまい、それ以上に流入した尿
はゲル化されずに液状物として残り、このように
高吸水性樹脂２の効力が十分に発揮されないとい
つた問題点がある。

この考案は、このような従来の問題点に鑑みて
これを解消するためになされたものであり、高吸
水性樹脂を内部袋体の複数個の収納部にほぼ等分
に配分して封入することによつて、高吸水性樹脂
を偏在化させることなく外部袋体内に保持する構
成としながらも、各収納部の最大容積以上に尿を
ゲル化して収尿することができるような収尿袋を
提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案の収尿袋は、前記目的を達成するため
に、不透水性素材からなり、尿導入口を有する外
部袋体内に、透水性素材からなり、尿を吸収して
ゲル化し膨潤する高吸水性樹脂を複数個に分割さ
れた収納部にほぼ等量ずつ配分して封入した内部
袋体を収容してなる収尿袋において、前記内部袋
体に、この袋体の内部圧力の増大によりその内部
袋体を破損させる手段を設けた構成を要旨とする
ものである。

〔作用〕上記構成とした収尿袋は、外部袋体の状態に拘
わらず、高吸水性樹脂が内部袋体の各収納部にほ
ぼ均等に配分されて封入されていることによつ
て、高吸水性樹脂が偏在化することなく全体にほ
ぼ均一に分布して保持されているため、導入され
る尿量とは無関係に尿が一定速度で効率良くゲル
化される。それとともに、高吸水性樹脂が内部袋
体に封入されているから、ゲル化された尿によつ
て尿導入口が塞がれてしまい、そのために流入す
る尿が逆流するといつたことも起こらない。そし
て、尿と高吸水性樹脂とが接触してゲル化され膨
潤して、内部袋体の収納部内がゲル状物で充満す
ると、このゲル化された尿の膨脹力に基づく内部
圧力により内部袋体が破れ、このため、さらに外
部袋体内において尿と高吸水性樹脂との接触があ
り、この結果、内部袋体の各収納部の最大容積以
上に尿がゲル化されて収尿され、高吸水性樹脂の
効力が有効に発揮される。

〔実施例〕

以下、この考案の好ましい実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。

この考案の１実施例を示す第１図ないし第３図
において、４は外部袋体を示し、外部袋体４は、
不透水性を有する合成樹脂フイルム状の矩形状の
下面シート４ａと、この下面シート４ａの長手方
向の長さの1/2より若干長い２枚の上面シート４
ｂ，４ｃとからなり、下面シート４ａに２枚の上
面シート４ｂ，４ｃを、それぞれの端部を揃えて
重ね合わせるとともに、それぞれの周縁部が互い
に熱溶着され、両上面シート４ｂ，４ｃのそれぞ
れの余剰片４ｄ，４ｅの各内面が接し合わされる
とともに、これらの一部を除く縁部が互いに熱溶
着され、この未溶着部分により尿導入口４ｆが開
設されている。

外部袋体４内には、上述した尿をゼリー状に固
まらせてゲル化する高吸水性樹脂２、例えばサン
ウエツト（三洋化成工業(株)製）を封入した内部袋
体５が収容されている。この内部袋体５は、尿導
入口４ｆに対向する上面側の透水シート材５ａが
不織布で形成されているとともに、下面側の補助
シート材５ｂが紙により形成され、この透水シー
ト材５ａと補助シート材５ｂとが重合されてその
周縁部が熱溶着されているとともに、内部を４等
分する３本の短手方向の仕切線に沿い熱溶着して
仕切部５ｃ，５ｄ，５ｅが形成され、この仕切部
５ｃ〜５ｅによつて内部が４つの収納部５ｆ，５
ｇ，５ｈ，５ｉに分割されており、各収納部５ｆ
〜５ｉにはそれぞれ等量の高吸水性樹脂２が封入
されている。また、前記尿導入口４ｆには、ノズ
ル状の尿導入用チユーブ６が装着されている。

上記構成とした収尿袋は、主に第１図および第
２図に示す状態でベツドや車椅子の台座等の上に
載置し、チユーブ６を受尿器等に連結した状態で
使用される。第２図の未使用状態から尿導入口４
ｆを通じて尿が流入すると、この尿が内部袋体５
の透水シート材５ａを浸透して高吸水性樹脂２に
接触し、尿がゼリー状に凝固されていく。この
時、高吸水性樹脂２が、収納部５ｆ〜５ｉにより
内部袋体５内の全体にわたりほぼ均一に分布され
ていて偏在化していないため、尿をゲル状に固化
する速度は、導入される尿量とは無関係にほぼ一
定となり、極めて効率的にゲル化されてゆく。ま
た、固化された尿は内部袋体５内に保持されてい
るので、、これが尿導入口４ｆに入り込んでこれ
を塞ぐことはなく、流入する尿がチユーブ６の方
へ逆流するといつた不都合の生じることがない。

そして、ゼリー状に固化され膨潤した尿の容量
が各収納部５ｆ〜５ｉの最大容積に達すると、第
３図に示すように、内部の膨脹力により内部袋体
５の補助シート材５ｂが破れる。このため、さら
に外部袋体４内において高吸水性樹脂２と尿との
接触があり、、各収納部５ｆ〜５ｉの最大容積以
上の尿量をゲル化して収容することができ、高吸
水性樹脂２の効力を有効に発揮することができ
る。しかも、尿導入口４ｆ側に位置する透水シー
ト材５ａにより、溢出したゲル状物の尿導入口４
ｆへの入り込みが阻止され、尿導入口４ｆが塞が
れることがない。

尚、この考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、請求の範囲に基いて種々の実施態様が考
えられるのは勿論である。例えば、外部袋体４と
しては、実施例のものに限らず、第４図に示した
ような形状のものを用いても良いし、その形状、
構造等は限定されない。また、補助シート材は、
これを紙により形成して破れ易くする他に、上面
の透水シート材５ａと同様の素材で形成し、その
補助シート材にミシン目を刻設して、内部袋体の
内部圧力の増大により容易に破損するようにして
も良い。

〔効果〕

以上説明したようにこの考案の収尿袋によれ
ば、内部袋体によつて高吸水性樹脂を外部袋体内
においてほぼ均一に分布させることができ、尿が
固化する速度を一定に保持して効率的にゲル化す
ることができるとともに、内部袋体がその内部圧
力の増大により容易に破損し、内部袋体の各収納
部の最大容積以上に外部袋体内において尿を固化
して収尿することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の収尿袋の１実
施例を示し、第１図は一部破断斜視図、第２図は
縦断面図、第３図は使用状態時の縦断面図であ
り、第４図は従来の収尿袋の使用状態時の縦断面
図である。２……高吸水性樹脂、４……外部袋体、４ａ〜
４ｃ……シート、４ｆ……尿導入口、５……内部
袋体、５ａ……透水シート材、５ｂ……補助シー
ト材、５ｃ〜５ｅ……仕切部、５ｆ〜５ｉ……収
納部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１不透水性素材からなり、尿導入口を有する外
部袋体内に、透水性素材からなり、尿を吸収し
てゲル化し膨潤する高吸水性樹脂を複数個に分
割された収納部にほぼ等量ずつ配分して封入し
た内部袋体を収容してなる収尿袋において、前
記内部袋体に、この袋体の内部圧力の増大によ
りその内部袋体を破損させる手段を設けたこと
を特徴とする収尿袋。２内部袋体の破損手段は、その内部袋体の下方
面側を紙により形成したことによるものである
実用新案登録請求の範囲第１項記載の収尿袋。３内部袋体の破損手段は、その内部袋体の下方
面側に形成されミシン目である実用新案登録請
求の範囲第１項記載の収尿袋。