JPS6025238Y2 - 生理用ナプキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新規な生理用ナプキンに関する。

さらに詳しくは、経血吸収性を高めた生理用ナプキンに
関する。

従来より生理用ナプキンには経血をより速く吸収する吸
収性、内部で速く拡散させる拡散性、−たん吸収した経
血を確実に保持する保水性および表面、とくに吸収体の
上面に浸出させない非浸出性などの性質が求められてお
り、これらに対して吸収体や防水材などの材質や構成な
どについてさみざまな工夫がなされている。

たとえば従来の生理用ナプキンでは吸収された経血が股
間の圧力などによって生理用ナプキンの表面ににじみ出
てベタつき感を与える。

このような不快感をなくすため、表面材である不織布と
吸収体の間にレーヨンステープル綿の層を設けて経血の
不織布へのにじみ出しを防ぐことが行なわれている。

ところがレーヨンステープル綿は繊維を乾燥状態でから
み合わせたもの、すなわち乾式法ウェブであるため、そ
れ自体嵩が高く、生理用ナプキンを薄型化するばあいの
障害となる。

またレーヨンステープル綿を薄くすれば経血のにじみ出
しの防止（逆流防止）効果が不充分であるという欠点が
ある。

そこで本考案者は成上の欠点を排除すべく鋭意検討を重
ねた結果、中央部が周辺部よりも厚くなるように圧縮し
た吸収体と該吸収体の少なくとも上面を覆うように設け
られた逆流防水紙とを有する生理用ナプキンであって、
前記逆流防止紙が前記吸収体の上面中央部に対応する部
位に孔が設けられ、かつ表面に印刷が施されてなる湿式
法不織布からなり、該湿式法不織布がポリエステル繊維
を主体とする疎水性繊維５０〜１００％および親水性繊
維Ｏ〜５０％を含有している生理用ナプキンが経血吸収
速度が速く、しかも一旦吸収された経血が表面から浸出
せず、さらに薄く形成しうるという新たな事実を見出し
、本考案を完成するにいたった。

以下、図面を参照しながら本考案を説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す生理用ナプキンの一部
切欠斜視図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線断面図である。

図面において１は吸収体であり、該吸収体１の中央部２
は周辺部３よりも厚くなるようにその全体が圧綿成形さ
れている。

吸収体１はその全周が後述する湿式法不織布からなる逆
流防止紙４によって捲回されており、逆流防止紙４の吸
収体１の上面中央部２に対応する部位には孔５が形成さ
れている。

逆流防止紙を構成する湿式法不織布はポリエステル繊維
を主体とする疎水性繊維５０％（重量％、以下同じ）以
上（残りは親水性繊維）を含有している。

なお疎水性繊維が５０％以下では逆流防止効果が充分で
はない。

なお疎水性繊維をとくに５０〜８０％にするときは、水
への分散性が高くなり、湿式法による抄紙が一段と容易
になるため好ましい。

また疎水性繊維としては抄紙性、通液性強度の点からポ
リエステル繊維を主体とするものが好ましく、要すれば
そのほかに若干のポリプロピレン繊維などを配合しても
よい。

逆流防止紙４に施される印刷は通常生理用ナプキンを美
麗にするために施される装飾的なものであるが、印刷に
使用されるインクにロジンサイズ、ワックスサイズ、石
油樹脂サオズなどのサイズ剤を含有させておくことによ
り、一層逆流防止効果を高めることができる。

本考案における吸収体１としては、従来より用いられて
いる綿状パルプが採用されるが、吸収効果を高めるため
に綿状パルプに澱粉−ポリアクリル酸ソーダのグラフト
共重合物、ポリアクリル酸ソーダの架橋体、ビニルアル
コール−アクリル酸ソーダの共重合物などの高級水性高
分子物質６を散布したもの、またはこれらと吸収紙７を
組み合わせた積層、体などが好適に採用される。

本考案の吸収体１はたとえば吸収体１の中央部２に対応
する部分に凹部を設けたロールと平滑なロールとの間に
前記積層体などを通して圧綿成形することによりうろこ
とができる。

このとき厚さ１５〜１０Ｗ７１程度の綿状パルプを、周
辺部では圧縮比（圧縮前の厚さに対する圧縮後の厚さの
比、以下同様）０．０６〜Ｏ０堀度、中央部では圧縮比
０．０８〜０．５程度に圧縮するのが好ましく、これに
より吸収速度が大きく、拡散性の良好な吸収体かえられ
る。

このように構成される生理用ナプキンは、吸収体１の中
央部２の圧縮の程度が弱いため、吸収体１の中央部２上
面から経血が早く吸収される。

さらに吸収された経血は強く圧縮された周辺部３に移行
するが、この部分では綿状パルプなどの繊維が上下方向
に圧縮されているため、平面方向に経血が拡散しやすく
なっている。

したがって一旦吸収された経血は吸収体１の内部深く浸
透し、表面ににじみ出ることがない。

しかも吸収体１の少なくとも上面が逆流防止紙４により
覆われているため、一旦吸収された経血が吸収体１上面
から逆流することがない。

また逆流防止紙４の吸収体１の中央部２上面に対応する
部位に孔５が形成されているため、経血を吸収する際に
逆流防止紙４が邪魔にならにい。

また第１図に示されるように吸収体１の上面が突出して
いるばあいには、孔５からその突出部をのぞかせること
ができるので使用者が局部に正確にナプキンの中央部を
当てることができるという利点がある。

なお前記実施例に示されるように、逆流防止紙４上にレ
ーヨンステーブル、ポリプロピレンステープルなどの熱
可塑性短繊維やアセテート繊維などをそれぞれ単独で、
またはそれらを混合した繊維ウェブなどからなる綿薄層
８を設けるときは、生理用ナプキンにソフト感を与える
ことができるため好ましい。

そのばあい、綿薄層８が吸水性に乏しいため、経血が吸
収される部位である中央部２には設けないのが好ましく
、それにより中央部２の有する経血吸収性を損なうこと
なく周辺部に拡散した経血の浸出を一層防止することが
できる。

なお綿薄層８は中央部２上面を除く吸収体１の全面に設
けてもよい。

また本考案の生理用ナプキンにおいても従来の生理用ナ
プキンと同様に吸収体１下面に防水紙とポリエチレンフ
ィルムのラミネートなどからなる防水材９を使用するの
が好ましく、それにより吸収された経血が吸収体１の下
面や側面に浸出することを防止することができる。

さらに吸収体１、逆流防止紙４、綿薄層８、防水材９を
一体に捲回するために、不織布などからなる被覆材１０
を採用することが好ましい。

成上のごとく本考案の生理用ナプキンは経血吸収部の吸
収性がとくにすぐれており、かつ一旦吸収された経血が
吸収体内部に平面的に拡散しやすく、さらに表面に浸出
しない性質を有するものであるため、その実用的価値は
きわめて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す生理用ナプキンの一部
切欠斜視図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線断面図である。 図面の主要符号、１：吸収体、２：中央部、３：周辺部
、４：逆流防止紙、５：孔、６：高吸水性高分子物質
８：綿薄層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 中央部が周辺部よりも厚くなるように圧縮した吸収
   体と該吸収体の少なくとも上面を覆うように設けられた
   逆流防止紙とを有する生理用ナプキンであって、前記逆
   流防止紙が前記吸収体の上面中央部に対応する部位に孔
   が設けられ、かつ表面に印刷が施されてなる湿式法不織
   布からなり、該湿式法不織布がポリエステル繊維を主体
   とする疎水性繊維５０〜１００％および親水性繊維０〜
   ５０％を含有することを特徴とする生理用ナプキン。 ２、前記湿式法不織布がポリエステル繊維を主体とする
   疎水性繊維５０〜８０％および親水性繊維２０〜５０％
   を含有することを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の生理用ナプキン。 、３ 前記逆流防止紙上に綿薄層が設けられてなること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載の生理用ナプキン。 ４ 前記吸収体内に高吸水性高分子物質が分散されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項、第
   ２項または第３項記載の生理用ナプキン。