JP3791786B2 - 弾性材下面のコンクリート気泡低減方法 - Google Patents

弾性材下面のコンクリート気泡低減方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマクラギ下面のレール直下に取り付けられる弾性材下面にコンクリート気泡が溜まらないようにする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾性バラスト軌道、弾性マクラギ直結軌道等の省力型軌道構造においては、マクラギ下面に弾性材、間隔材を取り付けて振動を低減することが行われている。
図5は省力型軌道構造の例を説明する図で、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のA−A断面図、図6は弾性材を説明する図で、図6(a)は底面図、図6(b)は側断面図である。なお、1はコンクリート床版、2は高さ調整コンクリート、3はマクラギ下面に取り付けられた弾性材、4は間隔材、5はPCマクラギ、6は縁切り材、7は保持ボルト、8はレール締結装置、9はレールである。
【0003】
この軌道構造の構築手順について説明すると、コンクリート床版1の上に弾性材3、間隔材4および縁切り材6が取り付けられたPCマクラギ5を所定の位置・間隔で配列する。図6に示すように、PCマクラギ5の下面には、振動を低減するために、弾性材3とその周囲に軟質ポリエチレンフォーム等からなる間隔材4を取り付けている。
【0004】
次に、レール締結装置8をPCマクラギ5の上に設置し、レール9をレール締結装置8により締結する。次いで、レール両端を支えて軌きょう(PCマクラギ5とこれに締結されたレールとからなる)を正規の高さに扛上する。このときPCマクラギ5はレール下面にぶら下がった状態であり、PCマクラギ5の保持ボルト7によりその高さに保持する。次いで、型枠を設置し、マクラギ受台となる高さ調整コンクリート2をコンクリート床版1の上に直接打設し、養生して高さ調整コンクリート2上に軌きょうを固定する。この時、縁切り材6により高さ調整コンクリート2とPCマクラギ5とは直接当たらないようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、マクラギ下面に弾性材およびその周囲に間隔材を取り付け、コンクリートを打設してマクラギを所定の位置に保持して固定すると、一般のコンクリートには所定の空気量が入っているため、コンクリートの注入、養生の過程で弾性材の下面に気泡が上昇してくる。こうして弾性材下面に気泡が溜まると、弾性材下面のコンクリートが気泡の状態で硬化し、弾性材とコンクリートとの接地面積が減少する。弾性材はマクラギを介して受けた列車荷重を高さ調整コンクリートに円滑に伝えるものであるが、コンクリートとの接地面積が減少すると弾性材としての機能が低下してしまうという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決しようとするもので、マクラギの弾性材下面にコンクリート気泡が溜まらないようにする方法を提供することを目的とする。
本発明は、マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、間隔材の弾性材との隣接部に溝を形成したことを特徴とする。
また、本発明は、マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、弾性材の厚みを間隔材より厚くし、間隔材との間に段差を形成したことを特徴とする。
また、本発明は、マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、弾性材の中央部分を厚くして間隔材側に向かって勾配を形成したことを特徴とする。
また、本発明は、マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、弾性材下面に毛細管現象を生ずる布繊維を有する布張りを形成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の例において、図示は省略するが、マクラギ下面の弾性材は図5に示したような高さ調整コンクリートと接して設けられる。
図1は弾性材下面のコンクリート気泡低減方法の例を説明する図で、図1(a)は底面図、図1(b)は側断面図である。
この例は、弾性材3と軟質ポリエチレンフォーム等の間隔材4との間に幅5mm、深さ5mmの溝10を形成したものである。勿論、溝の幅と深さは適宜変更可能である。このような溝10を形成することにより、コンクリートから弾性材下面に上昇してくる気泡は溝へ導かれ、一部は溝端部(図5の軌道中心側)から逃げるため、弾性材下面に気泡が溜まるのを低減してコンクリートと弾性材との接地面積が減少するのを低減することができる。
【0008】
図2は弾性材下面のコンクリート気泡低減方法の他の例を説明する図で、図2(a)は底面図、図2(b)は側断面図である。
この例は、弾性材11よりも5mmほど薄い間隔材4を設けて間隔材と弾性材との間に段差を形成し、上昇してくる気泡を間隔材側へ移動させるようにしたものである。なお、間隔材側へ移動した気泡が溜まっても弾性材の機能には何ら影響しない。このような構造により、弾性材下面に気泡が溜まるのを低減することができる。
【0009】
図3は弾性材下面のコンクリート気泡低減方法の他の例を説明する図で、図3(a)は底面図、図3(b)は側断面図である。
この例は、間隔材と本来面一の弾性材の中央部分を厚くして間隔材側に向かって勾配をつけた弾性材12を使用するもので、この勾配にそって上昇してくる気泡を間隔材側へ移動させるようにしたものである。なお、図示の例では、勾配の方向がマクラギの長軸に直交しているが、勾配の方向をマクラギの長軸方向とし、弾性材端部(図5の軌道中心側)から気泡が逃げるようにしてもよい。
【0010】
図4は弾性材下面のコンクリート気泡低減方法の他の例を説明する図で、図4(a)は底面図、図4(b)は側断面図である。
【0011】
この例は弾性材下面に、張り付けるか或いは覆うようにして布張り13を形成したもので、布繊維による毛細管現象で上昇してくる気泡を周囲に移動させて弾性材下面に気泡が溜まるのを低減する。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、コンクリートから弾性材下面に上昇してくる気泡を有効に周囲に導いて逃がすことができるので、弾性材下面に気泡が溜まるのを低減することができ、弾性材とコンクリートとの接地面積が減少するの防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンクリート気泡低減方法の例を説明する図である。
【図2】 コンクリート気泡低減方法の他の例を説明する図である。
【図3】 コンクリート気泡低減方法の他の例を説明する図である。
【図4】 コンクリート気泡低減方法の他の例を説明する図である。
【図5】 省力型軌道構造の例を説明する図である。
【図6】 弾性材を説明する図である。
【符号の説明】
1…コンクリート床版、2…高さ調整コンクリート、3…弾性材、4…間隔材、5…PCマクラギ、6…縁切り材、7…保持ボルト、8…レール締結装置、9…レール、10…溝、11,12…弾性材、13…布張り。

Claims (4)

  1. マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、
    間隔材の弾性材との隣接部に溝を形成したことを特徴とする弾性材下面のコンクリート気泡低減方法。
  2. マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、
    弾性材の厚みを間隔材より厚くし、間隔材との間に段差を形成したことを特徴とする弾性材下面のコンクリート気泡低減方法。
  3. マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、
    弾性材の中央部分を厚くして間隔材側に向かって勾配を形成したことを特徴とする弾性材下面のコンクリート気泡低減方法。
  4. マクラギ下面のレール直下に取り付けられ、周囲に間隔材が形成された弾性材下面のコンクリート気泡を周囲に逃がして低減する方法であって、
    弾性材下面に毛細管現象を生ずる布繊維を有する布張りを形成したことを特徴とする弾性材下面のコンクリート気泡低減方法。
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