JP3791620B2 - 走査モノクロメータ - Google Patents

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Description

本発明は、光学分光分析器に関するものであり、とりわけ、光ファイバ入力と光ファイバ出力を備えた走査モノクロメータを利用し、偏光に反応せず、感度が高く、ダイナミック・レンジの広い分光分析を可能にする技術に関するものである。
分光分析器は、レーザ、発光ダイオード(LED)、及び、他の光源からの出力光ビームの分析に利用される。分光分析器は、とりわけ、光搬送波に、単一で、分光的に純粋な波長が備わっていることを確かめることが望ましい、光遠隔通信の光源を分析するのに有効である。分光分析器の場合、低周波に用いられるスペクトル分析器のように、光の強さが、所定の波長範囲における波長の関数として表示される。分光分析器の重要なパラメータには、波長範囲、波長及び振幅の確度、分解能、測定速度、偏光依存度、感度、及び、ダイナミック・レンジが含まれる。ここで用いられるダイナミック・レンジは、「隣接(close−in)」ダイナミック・レンジを表しており、大振幅信号から0.5〜1.0ナノメートルの波長だけ隔てられた小振幅の光信号を測定する計器の能力に関する尺度である。このパラメータは、DFBレーザのようなレーザのスペクル純度を分析する上において特に重要である。
分光分析器に関する先行技術の技法には、マイケルソン干渉計、ファブリー・ペロー干渉計、及び、入力光ビームの空間分散についてプリズムまたは回折格子を利用するモノクロメータが含まれている。マイケルソン干渉計は、不十分なダイナミック・レンジ及び低速動作を特徴とする。ファブリー・ペロー干渉計は、分解能が高いが、光共振器のマルチ・モード性によって生じる問題を有している。
回折格子を備えたモノクロメータの場合、分析すべき入力光ビームは、平行化され、回折格子に向けられる。異なる波長が異なる角度で回折されるので、光ビームは、回折格子によって空間的に分散する。回折格子は、回転し、分散光ビームは、スリット越しに走査される。スリットを通過する光を検出して、波長の関数として振幅を表す出力信号が送り出される。スリットの幅、入力イメージのサイズ、システムのFナンバー、及び、回折格子の分散によって、モノクロメータの分解能が設定される。
分光分析器に、回折格子を備えた単段モノクロメータが用いられてきた。単段モノクロメータは、比較的低コストで、高感度であるが、比較的ダイナミック・レンジが狭い。さらに、単段モノクロメータは、出力光ファイバを備えており、この光ファイバのアパーチャが、観測可能な光帯域幅を制限する。単段モノクロメータに固有のもう1つの問題は、出力光検出器の有効アパーチャは、最大分解能帯域幅と同じでなければならないということである。検出器が大きくなると、検出器の出力における迷光パワー及びノイズ量が増大する。最後に、単段モノクロメータに生じる固有の時間分散は、観測可能な変調の帯域幅を制限する。
回折格子を備えた2段モノクロメータによって、単段モノクロメータの欠点のいくつかが解消されたが、他の問題が生じることになった。2段モノクロメータには、第1のモノクロメータと直列をなす第2のモノクロメータが含まれている。2段モノクロメータは、比較的広いダイナミック・レンジをもたらすが、単段モノクロメータに比べて10dB〜15dB感度が低くなる。さらに、第1と第2の段における回折格子間の正確な同期が困難であり、段間の光結合も困難になる可能性がある。例えば、段間の結合に光ファイバを用いる場合、分解能の帯域幅が、光ファイバによって制限される。さらに、2段モノクロメータは、比較的複雑であり、高価である。
回折格子の効率は、入射光の偏りによって決まる。結果として、回折された光ビームの振幅は、振幅は一定しているが、偏りの異なる入力光ビームに関して変動する可能性がある。従って、分光分析器は、偏光感度を抑えるか、あるいは、排除する補償技法を必要とする。先行技術による補償技法には、偏光スクランブリングを施すこと、及び、入力光ビームを2つの偏光に空間的に分離し、各偏光を利得の異なる増幅器に印加して別個に分析することが含まれた。
先行技術の1つでは、入力光ビームは、回折格子によって決まるs及びp偏光に対し45゜の配向をなす、2つの空間的に分離した直線偏光に分離される。この結果、両方のビームに関する平均効率が得られる。先行技術による既知の偏光補償技法は、全て、光ビームを出力光ファイバに結合する場合に加わる複雑さ及び困難さを含めて、1つ以上の欠点を備えている。
モノクロメータの走査に関連したもう1つの問題は、出力光ビームを光ファイバに結合するのが困難という点である。とりわけ、回折格子の走査に関連した機械的公差によって、回折格子の回転時に、出力ビームにふらつきが生じ、従って、出力ビーム位置は、波長の関数として変化する。先行技術によるシステムの1つでは、選択された波長範囲の変更時には、手動による機械的調整が必要になる。先行技術によるもう1つのシステムでは、波長範囲の変更時に、ユーザが機械的調整ルーチンを開始しなければならない。いずれの場合にも、測定の波長パラメータを変更する毎に、アライメントが必要になる。
米国特許第3,749,498号明細書(1973)に開示された走査モノクロメータは入力光ビームを形成するための入力スリットを有する光源と第1の回折格子を有する第1段モノクロメータ、第2の回折格子を有する第2段モノクロメータを備えている。
特開昭57−69221号公報に開示されたモノクロメータは2段構成で、2つの回折格子と該回折格子を回転させるための手段を備えている。
米国特許3,749,498号 特開昭57−69221号
本発明の一般的な目的は、改良された分光分析器を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、改良されたモノクロメータを提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、単一回折格子を利用した二重通過型走査モノクロメータを提供することにある。
本発明のさらにもう1つの目的は、入力光ビームの偏りには比較的反応を示さない走査モノクロメータを提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、回折格子の回転時に、出力光ファイバが自動的に出力光ビームのトラッキングを行うようにした、走査モノクロメータを提供することにある。
本発明のさらにもう1つの目的は、ダイナミック・レンジが広く、感度の高い走査モノクロメータを提供することにある。
本発明のさらにもう1つの目的は、製造しやすく、低コストな分光分析器を提供することにある。
本発明によれば、光ビームを分析するための方法及び装置において、以上の及びその他の目的及び利点が達成される。本発明による二重通過型走査モノクロメータは、入力光ビームを発生するための手段と、分散軸に沿って入力光ビームを回折し、空間的に分散した光ビームを発生する回折格子と、分散光ビームの選択部分を通過させて、濾波された光ビームを発生するためのスリットと、回折格子を回転させて、分散光ビームが分散軸に沿って走査されるようにするための手段と、濾波された光ビームを回折格子に向け、濾波された光ビームが、回折格子によって再結合されて、出力光ビームが発生するようにするための手段と、出力光ビームを受けるための出力アパーチャから構成される。入力光ビームを発生する手段は、入力光ファイバから構成するのが望ましい。出力アパーチャは、出力光ファイバから構成するのが望ましい。
分光分析器として動作する場合、出力光ファイバは、出力光ビームを出力電気信号に変換する光検出器に接続される。出力電気信号は、回折格子の回転と同期して、波長の関数として光振幅の表示を行う。代替案として、二重通過型走査モノクロメータを光フィルタとして利用することも可能である。この場合、出力光ビームは、ユーザが必要とする用途に合わせて出力コネクタに結合される。
二重通過型走査モノクロメータには、一般に、回折格子に対する入射前に、入射光ビームを平行化して、分散光ビームの焦点をスリットまたはその近くに合わせ、また、回折格子に対する入射前に、濾波された光ビームを平行化して、出力光ファイバの入力端またはその近くに出力光ビームの焦点を合わせるための光手段が含まれている。光手段は、単一レンズで構成するのが望ましい。分析すべき光ビームは、二重通過型走査モノクロメータにおいて4回レンズを通過する。代替案として、光手段は、光ビームの焦点を合わせ、その平行化を行うための単一凹面鏡または2つ以上の凹面鏡で構成するか、あるいは、異なるレンズ構成で構成することも可能である。
本発明の望ましい実施例の場合、入力光ビーム及び分散光ビームは、レンズの光軸の両側に第1の等距離だけ変位し、濾波された光ビーム及び出力光ビームは、レンズの光軸の両側に第2の等距離だけ変位する。入力光ビーム、分散光ビーム、濾波された光ビーム、及び、出力光ビームの中心光線は、同一平面内に位置するのが望ましい。
本発明の重要な特徴によれば、二重通過型走査モノクロメータには、分散光ビームまたは濾波された光ビームの偏光成分を約90度回転させる手段が含まれていることが望ましい。回折格子によって生じる、モノクロメータを通る光の偏光成分は、回折格子に対する光ビームの最初の入射時後、及び、回折格子に対する光ビームの第2の入射前に、90゜回転する。光ビームの偏光成分が回転することによって、回折格子の効率が、入射光ビームの偏りに応じて変動することになる。結果として、出力光ビームの振幅は、入射光ビームの振幅とはほぼ無関係になる。2段モノクロメータの第1段と第2段の間において、偏光成分を約90゜回転させる手段を利用し、回折格子の偏光依存性を補償することができる。
本発明のもう1つの特徴によれば、二重通過型走査モノクロメータには、出力光ファイバまたは他の出力アパーチャと出力光ビームの間で相対運動を生じさせ、出力アパーチャが、回折格子の回転時に、出力光ビームとアライメントのとれた状態に保たれるようにする手段を備えることが望ましい。相対運動を生じさせる手段は、出力光ビームに垂直な平面において出力光ファイバを並進させ、回折格子の回転時に、出力光ビームのトラッキングを行う手段から構成することが望ましい。並進手段は、たわみ板と線形アクチュエータを利用して、並進を制御する微細位置決めアセンブリから構成することが望ましい。微細位置決めアセンブリは、回折格子の位置の関数として出力光ビームのふらつきを生じさせる可能性のある、光路における機械的公差及び非対称性を補償する。出力光ファイバを並進させる手段は、走査モノクロメータのいずれにおいて利用することができる。
回折格子を回転させる手段は、回折格子にしっかり固定されて、回転軸を形成する駆動シャフトと、回転軸まわりで駆動シャフトを回転させるモータから構成するのが望ましい。本発明のもう1つの特徴によれば、モノクロメータには、直接駆動シャフトに接続されて、駆動シャフトの回転位置を検知する手段と、検知された回転位置及び掃引信号に応答し、モータの制御を行うフィードバック手段が含まれている。検知手段は、高分解能のシャフト角度エンコーダから構成するのが望ましい。直接接続されたシャフト角度エンコーダを利用することによって
、ギヤ・ドライブに関連した位置エラーが解消される。モータは、駆動シャフトに直接接続して、高速走査を可能にすることが望ましい。回折格子及び直接接続されたシャフト角度エンコーダの直接駆動を走査モノクロメータに利用することによって、走査速度を増し、位置エラーを減少させることが可能になる。
本発明のもう1つの特徴によれば、二重通過型走査モノクロメータには、出力光ファイバまたは他の出力アパーチャと出力光ビームの間における相対変位を生じさせて、光検出器の出力電気信号が該モノクロメータの迷光及び光検出器によって発生する電気的ノイズだけを表すようにする手段を設けることが望ましい。出力アパーチャは、光チョッピング手順の一部として、出力光ビームに対して変位させられる。
本発明のもう1つの特徴によれば、出力アパーチャを備えたモノクロメータの出力光ビームを正確に検出するための方法が得られる。該方法は、出力アパーチャと出力光ビームのアライメントを正確にとって、モノクロメータの出力を検出し、第1の測定値が得られるようにするステップと、出力アパーチャを出力光ビームに対して変位させ、出力光ビームが出力アパーチャにはもはや入射しないようにするステップと、出力アパーチャを出力光ビームから変位させて、モノクロメータの出力を検出し、第2の測定値が得られるようにするステップと、第1の測定値から第2の測定値を引いて、出力光ビームの正確な測定値が得られるようにするステップから構成される。光チョッピング技法は、任意の走査モノクロメータに利用することが可能である。
本発明のさらにもう1つの特徴によれば、回転回折格子及び出力アパーチャを備えたモノクロメータの出力光ビームをインターセプトする方法が得られる。この方法は、回折格子の回転時に、出力アパーチャに対する出力光ビームの位置を測定して、校正値が得られるようにするステップと、この校正値に応答して、出力アパーチャと出力光ビームの間に相対運動を生じさせ、出力光ビームと出力アパーチャが、回折格子の回転中、アライメントのとれた状態に保たれるようにするステップから構成される。
図1には、本発明による二重通過型走査モノクロメータが絵画図法で示されている。図2には、該モノクロメータの望ましい実施例が示されている。入力光ファイバ10は、レンズ14を介して入力光ビーム12を回折格子16に導く。入力光ファイバ10は、システムの入力スリットまたはアパーチャの働きをする。回折格子16は、入力光ビーム12を回折して、空間的に分散した光ビーム20が得られるようにする。回折格子16は、周知のように、異なる角度で、異なる波長の回折を行うので、入力光ビーム12は、空間的に分離されて、その成分波長が得られることになる。
空間的に分散した光ビーム20が、レンズ14を通過し、ミラー22に反射されて、モノクロメータの分解能を決めるスリット24を備えた窓板23に送られる。分散した光ビーム20は、レンズ14によって、スリット14の面に焦点が合わせられる。スリット24は、分散した光ビーム20の選択部分を通過させる。後述のように、幅の異なるスリット24を利用することによって、異なる分解能が得られる。スリット24は、分散した光ビームに対する空間フィルタの働きをし、濾波された光ビーム30を発生する。スリット24において、入力光ビームの波長の分散と時間の分散の両方が生じる。
濾波された光ビーム30は、ミラー26を介して反射し、半波長板32及びレンズ14を介して、回折格子16に送られる。濾波された光ビーム30は、回折格子16に入射する前に、レンズ14によって平行化される。濾波された光ビーム30は、回折格子16に送られ、時間分散と波長分散が、両方とも、回折格子によって収縮し、出力光ビーム36が形成される。出力光ビーム36は、ミラー40によって反射され、出力光ファイバ42の入力端に送られる。出力光ファイバ42は、二次、すなわち、出力アパーチャとして、光にさらに濾波を施す働きをする。出力光ビーム36は、光ファイバ42によって光検出器46に送られ、出力電気信号に変換される。出力電気信号は、増幅器48によって増幅される。
二重通過型モノクロメータは、出力光ファイバを利用するのが望ましいが、二重通過型モノクロメータは、光ファイバ42の入力端と同じ位置に取り付けられた小形検出器で構成することが可能である。代替案として、光ファイバ42の入力端と同じ位置に、スリットまたはピン・ホール・アパーチャを備えた大形検出器を取り付けることも可能である。
回折格子16は、回転軸50のまわりで回転し、スリット24に対する空間的に分散した光ビーム20の走査が行えるようにする。回転軸50は、走査方向が、分散軸と同じになるように選択される。スリット24を通る光は、入力光ビーム12の選択波長範囲の走査を行う。スリット24の幅は、システムの分解能を決めることになる。狭いスリットを用いることによって、入力光ビームの狭い波長帯域が、選択される。しかしながら、狭いスリットを通る光のパワーは小さく、弱い光ビームの場合、検出器の感度レベル未満になる可能性がある。スリットを広くすると、通過する光のパワーが大きくなる。しかし、分散光ビームの選択部分が増すので、波長の分解能が低下する。
図1に示すモノクロメータは、光ビームが回折格子16に2回入射し、レンズを4回通過するので、二重通過型モノクロメータとしての特徴を示している。最初に通過するのは、回折格子16に入射する入力光ビーム12と、スリット24に入射する空間的に分散した光ビーム20である。スリット24を通る光は、実際上、最初の通過における出力である。2回目に通過するのは、回折格子16に入射する濾波された光ビーム30と、出力光ファイバ42に入射する出力光ビーム36である。ミラー22は、分散光ビーム20に対して、40.3゜の配向が施されており、ミラー26は、濾波された光ビーム30に対して、49.7゜の配向が施されている。ミラー22及び26の機能は、2回目の回折格子通過のために、光の方向を逆にし、光ビーム30を光ビーム20からオフセットさせることである。半波長板によって生じる光路長の変化に対処するため、ミラー22及び26を45゜以外の角度に配置し、光ビームがわずかに角度をつけて、スリット24に当たり、反射が阻止され、また、第2の通過の物理的光路長が増すようにする。スリット24を形成する窓板23が、ミラー22と26の間に配置されるが、もちろん、他の構成を用いることも可能である。
回折格子16の分散面に対するミラー22と26の配向のため、光ビームが回折格子16に入射する2回目には、光ビームをさらに分散させるのではなく、最初の通過時に生じた時間分散及び波長分散を、両方とも、収縮させるように、光ビームの方向づけが行われる。時間分散及び波長分散の収縮は、回折格子が繰り返し動作可能になることから明らかになる。従って、多くの波長からなる白色光によって回折格子を照射すると、該光は、回折格子によってさまざまな角度で回折または拡散される。同じ光が、回折格子によって回折されるのと同じ角度で反射される場合、その光は、回折格子によって再結合され、もとの白色光になる。従って、回折された光は、最初の通過時に、回折格子16によって空間的に拡散し、2回目の通過時に回折格子によって空間的に再結合される。システムに収差がなければ、その光は、もとの入力スポット・サイズに結像する。光ファイバ42の入力端において、出力光ビーム36は、定位置にとどまり、モノクロメータに生じる空間分散及び走査にもかかわらず、空間的に再結合される。
図5には、図1のモノクロメータの各種光ビームの相対位置が示されている。X軸とY軸は、レンズ14の光軸54に対して垂直な方向を表している。図5に示すX−Y座標系の原点が、レンズの軸54である。図5に示すスポットは、各光ビームの中心光線を表していることが分かる。入力光ビーム12は、レンズの軸54の一方の側において距離Aだけ変位し、分散光ビーム20は、レンズの軸54のもう一方の側において等しい距離Aだけ変位する。同様に、濾波された光ビーム30は、レンズの軸54の一方の側において距離Bだけ変位し、出力光ビーム36は、レンズの軸54のもう一方の側において距離Bだけ変位する。望ましい実施例の場合、距離Aは、1.1ミリメートル、距離Bは、4.3ミリメートルである。4つの光ビームが、図5に示す線形構成による異なるパターンをなすように、二重通過型モノクロメータを構成することができるのは明らかである。例えば、4つの光ビームを正方形または平行四辺形のコーナに位置決めすることが可能である。
図5において、ライン56は、分散軸を表している。入力光ビーム12の異なる波長成分は、回折格子16によって分散軸56に沿って空間的に分散される。また、回折格子16が軸50のまわりを回転すると、分散光ビーム20は、分散軸56に沿って移動し、スリット24越しに走査される。光ビーム20は、軸56に沿って空間的に分散し、分散軸56に沿って走査を受けるが、出力光ビーム36は、上述のように、2回目の通過時における回折格子16による光ビーム成分の再結合の結果、一定の位置を保つことになる。
図1の二重通過型モノクロメータにおいて、レンズ14は、回折格子16に対する入射前に、入力光ビーム12を平行化し、分散光ビーム20の焦点をスリット24またはその近くに合わせ、回折格子16に対する入射前に、濾波された光ビーム30を平行化し、出力光ビーム36の焦点を出力ファイバ42の入力端またはその近くに合わせる。従って、分析すべき光は、モノクロメータを横切る際、レンズを4回通過し、平行化及び焦点合わせ機能は、単一レンズによって実施される。平行化及び焦点合わせ機能は、明らかに、単一の凹面鏡または2つ以上の凹面鏡によって実施することができるのが有利である。代替案として、凹面回折格子を利用することも可能である。凹面回折格子の場合、平行化及び焦点合わせ光装置は不要である。
出力光ビーム36の焦点が、光ファイバ42の入力端に合わせられる。光ファイバ42は、二重通過型モノクロメータの2回目の通過に関して、アパーチャの働きをする。モノクロメータの1つの例では、光ファイバ42は、コアの直径が62.5マイクロメートルである。本発明の範囲内において、直径の異なる出力光ファイバを用いることが可能である。スリット24は、二重通過型モノクロメータの最初の通過に関して、アパーチャの働きをする。光ファイバ42のスリット24及びアパーチャは、共に、2極フィルタと等価な光装置を形成し、選択性が増すことになる。
本発明の二重通過型モノクロメータ及び単段モノクロメータによって得られる選択性の比較が、図6に示されている。出力振幅は、モノクロメータの光入力の波長の関数として作図されている。曲線85は、先行技術による単段モノクロメータを表している。曲線86は、本発明の二重通過型モノクロメータを表している。二重通過型モノクロメータの選択性が増すと、「隣接」ダイナミック・レンジが広くなる。
本発明のモノクロメータ構成の利点は、光ファイバ42によって形成される出力アパーチャが、スリット24の異なる幅に対して一定に保たれる点である。従って、光検出器46は、極めて小さい入力アパーチャ、及び、極めて低いノイズ・レベルを備えることができる。光検出器46のアパーチャは、モノクロメータの分解能設定を変えても一定に保たれる。
図1を再度参照すると、半波長板32は、回折格子によって決まる、濾波された光ビーム30の偏光成分を90゜回転させる。半波長板32の目的は、回折格子16が、一般に、それに入射する光の偏りに応じて変動する効率を有しているという事実を補償することにある。これに関して、効率は、入射波の強さに
対する回折波の強さを表している。偏光を補償しなければ、出力光ビーム36の強さは、入力光ビーム10の強さが一定であったとしても、入力光ビーム10の偏りの関数として変動する。
最初の通過と第2の通過の間において、モノクロメータを通る光の偏光成分を90゜回転させることによって、偏光は、最初の通過と第2の通過時における効率が異なるように回折される。回折格子16からの最初の回折時に、垂直方向において偏った光は、s偏光に関するある効率で回折され、水平方向において偏った光は、p偏光に関するある効率で回折される。入力光ビームには、垂直方向と水平方向に偏った成分(いずれも、ゼロの可能性がある)があるのは明らかである。光ビームが半波長板32を通過した後、垂直成分は、回転すると、水平成分になり、水平成分は、回転すると、垂直成分になる。回折格子16からの第2の回折時には、半波長板32による回転のため、光がp方向に向けられるので、もとの垂直成分は、p偏光に関する効率で回折される。同様に、もとの水平成分は、s偏光に関する効率で回折される。従って、任意の入力偏光について、モノクロメータの最終光出力は、回折格子のs偏光に関する効率とp偏光に関する効率の積の関数である。
半波長板32については、図1に示され、上述のところであるが、光の偏光成分を90゜回転させることの可能な光素子を利用することができる。偏光の回転に適した光素子の例には、フレネル菱面体、ファラデー回転子、無彩色半波長板または遅延器等がある。半波長板は、回折格子のラインに対して45゜をなすようにアライメントのとられた主軸を備えている。このアライメントは、図示のように、偏光成分を90゜回転させることができる。
偏光成分を90゜回転させるための光装置の一般的な要件は、次の通りである。光装置は、関係する波長範囲にわたって、偏光成分を約90゜回転させなければならない。偏光回転装置は、回折格子16に対して最初に入射する、分析すべき光ビームと、回折格子に対して2回目に入射する光ビームの間の光路内に配置される。従って、偏光回転装置は、原理的に、分散光ビーム20の光路または濾波された光ビーム30の光路内に配置することができる。
偏光回転装置は、図12に示す2段モノクロメータにおける偏光依存性を低下させ、あるいは、解消させるために用いることも可能である。この場合、偏光回転装置250は、第1段モノクロメータ252の回折格子と、第2段モノクロメータ254の回折格子の間における光路内に配置される。光ビームは、偏光を保存するバルク光素子(偏光回転装置250を除く)、または、偏光を保存する光ファイバによって、第1段モノクロメータ252から第2段モノクロメータ254に光的に結合しなければならない。本発明のもう1つの特徴によれば、図12に示す2段モノクロメータには、出力光ファイバ256が設けられている。出力光ファイバ256は、図1に示された、上述の出力光ファイバ42と同様に、第2段モノクロメータ254の出力アパーチャとして機能する。偏光回転装置250及び出力光ファイバ256は、2段モノクロメータの場合、別個に利用することもできるし、あるいは、組み合わせて利用することもできる。
上述のように、スリット24越しに分散光ビームを走査したとしても、出力光ビーム36は、光ファイバ42の入力端において定位置にとどまることになる。出力光ビームは、理想のシステムの場合、一定のままであるが、回折格子16が回転すると、回折格子16の機械的ミスアライメント及びシステムにおけるわずかな非対称性といった機械的エラーによって、出力光ビームが少し移動することになる。出力光ファイバのアパーチャが小さいので、出力光ビーム36が移動すると、出力光ファイバは出力光ビームをインターセプトできなくなる。出力光ビーム36と光ファイバ42のミスアライメントによって、測定エラーが生じることになるのは、明らかである。
本発明のもう1つの特徴によれば、本発明の二重通過型走査モノクロメータには、光ファイバ42の縦軸に垂直で、かつ、出力光ビーム36に対して垂直な平面において光ファイバ42を並進させるための手段が設けられている。図1には、並進面の概略が、X及びY方向で示されている。光ファイバ42は、回折格子16の回転時に、並進して、出力光ビーム36のトラッキングを行う。トラッキングは、回折格子16の走査時に、自動的に行われ、出力光ビーム36は、光ファイバ42の入力端との一定のアライメントがとれた状態に保たれる。トラッキングのための望ましい技法及び光ファイバを並進させるための微細位置決めアセンブリについては、詳細に後述することになる。光ファイバ42を並進させて、出力光ビーム36のトラッキングを行うことが望ましいが、モノクロメータにおける光素子を並進または回転させて、出力光ビームが、回折格子の回転時に、出力アパーチャとアライメントとれた状態に保たれるようにすることによって、トラッキングを行うことも可能である。
本発明による二重通過型走査モノクロメータの望ましい実施例が、図2に示されている。図3には、明確にするため、入力端の拡大図が示されている。図4には、光素子と光ビームだけを表した入力端の拡大図が示されている。モノクロメータの光素子は、機械加工されたハウジング60に取り付けられている。入力端61は、入力光ファイバ10、ミラー22、26、及び、40、及び、半波長板32を取り付けることができるようになっている。入力光コネクタ62によって、分析すべき光源の取付が可能になっている。出力光ファイバ42は、ハウジング60の入力端61に接続されている。レンズ14は、ハウジング60の中心部分64に配置され、回折格子16は、ハウジング60の一部65に取り付けられる。入力端61及びハウジング部分65は、カバーを外して、示されている。
上述のように、スリット24は、システムの分解能を設定する。異なるシステム分解能を得るため、異なるスリットを選択することが可能である。ディスク68には、複数のスリット24が、半径方向に形成される。望ましい実施例の場合、11レンジのスリットは、幅が7.5マイクロメートル〜1.8ミリメートルまである。ディスク68は、駆動シャフト70によってモータ72に取り付けられる。モータ72は、ディスク68を回転させ、所望の幅のスリットをビーム経路に配置する。シャフト角度エンコーダ74が、ディスク68の回転位置を検知し、光ビームに対する選択されたスリット24の正確な位置決めを確保するため、サーボ・ループにおいてこの位置情報が利用される。
シャフト70には、ディスク76も取り付けられている。ミラー40と出力光ファイバ42の間の光路には、ディスク76の一部が配置される。モノクロメータの通常の動作時には、出力光ビーム36は、ディスク76のアパーチャを通過するので、ディスク76によって影響されることはない。ディスク76は、零位モードにおいて利用される。零位モードの場合、ディスク76は、モータ72によって回転し、光は、出力光ファイバ42に達しないように遮断される。また、光を遮断するため、ディスク68も回転する。この状態において、ゼロ光入力に対応する光検出器46及び増幅器48の電気出力レベルが決定され、検出器の電子回路における電子ドリフトの補償のため用いられる。
出力光ファイバ42の位置決めを可能にするため、ハウジング60の入力端61には、微細位置決めアセンブリ80が取り付けられる。上述のように、回折格子16の回転時、出力光ファイバ42は、出力光ビーム36と出力光ファイバ42の正確なアライメントを確保するため、出力光ビーム36に垂直な平面内を移動する。出力光ファイバは、アダプタ82によって、微細位置決めアセンブリ80に取り付けられる。微細位置決めアセンブリ80については、詳細に後述する。
入力光ビーム12が放出される入力光ファイバ10の先端は、分析を受ける光源に向かう反射を減少させるため、通常は約6.0゜といったわずかな斜角がつけられている。入力光ビーム12は、縦軸に対してある角度で光ファイバ10から放出され、光ファイバ10は、レンズの軸に対してある角度で取り付けられる。光ファイバ10は、支持のため、ガラス製毛細管84に取り付けられる。
回折格子16は、軸50のまわりを回転するように、駆動シャフト88にしっかり固定される。駆動モータ90は、ギヤ・トレーンを介在させずに、駆動シャフト88に直接接続される。モータ90は、ハウジング部分65に取り付けられている。ハウジング部分65には、高分解能のインクリメンタル光シャフト角度エンコーダ92が取り付けられており、駆動シャフト88には、エンコーダ・ディスクが直接取り付けられている。エンコーダ92は、シャフト88の回転位置を検知する。回折格子16の駆動シャフト88にエンコーダ92を直接取り付けることによって、ギヤ・トレーンの遊び、潤滑材の厚さ、及び、摩耗に関連した位置エラーが、解消される。シャフト88にモータ90を直接取り付けることによって、ギヤ・トレーンの遊び及び摩耗に起因する制御問題が緩和され、動作速度が改善される。回折格子16の高速走査及び確度の高い位置決めを可能にするモータ90及びエンコーダ92の働きについては、後述する。
レンズ14は、動作波長範囲について、モノクロメータにおける光ビームの焦点合わせ及び平行化を行う。望ましい実施例の場合、モノクロメータは、1250〜1600ナノメートルの範囲にわたって動作し、600〜1700ナノメートルの範囲では、低下した性能パラメータで動作する。望ましいレンズ14は、3つの異なるガラス・タイプを用いた色消しトリプレットであり、広い波長範囲にわたって所望の性能が得られるように、軸外れ動作について補償が施される。レンズ14は、回折が制限されており、望ましい実施例の場合、焦点距離が150ミリメートルで、露出アパーチャは36.1ミリメートルである。
レンズ14の焦点距離は、温度の関数として変化する。これは、主として、温度によってレンズのガラスの屈折率が変化するためである。この効果を補償し、レンズの焦点を所望の焦点面に保持するには、温度変化時に、焦点面に対して物理的にレンズを移動させることが必要になる。望ましいレンズの場合、約15マイクロメートル/゜Cの割合で、焦点距離が温度によって増すことになる。焦点面からレンズまでの距離におけるアルミニウム・フレームの熱膨張は、この効果を補償するのに不十分である。従って、レンズは、焦点面から適切に距離を延ばした位置において、フレームに取り付けられた、アンバーで作られた管に取り付けられる。
ミラー22、26、及び、40は、動作波長範囲にわたって反射率がほぼ一定した、高品質の表面を備える必要がある。望ましいコーティングは、金である。半波長板32は、動作波長範囲にわたって、偏光成分をほぼ一定して90゜回転させるか、あるいは、180゜遅延させるのに必要である。望ましい半波長板は、動作波長範囲にわたって所望の180゜だけ遅延させるため、互いにサンドイッチ構造をなす石英とMgF2 から構成された、厚さ2.1ミリメートルの化合物によるゼロ次遅延器(retarder) である。さらに、半波長板32には、反射を最小限に抑え、波長応答の共振を阻止するため、波長範囲にわたる反射防止コーティングが施されている。
図7Aには、回折格子掃引及び位置検知システムのブロック図が、示されている。上述のように、駆動モータ90及びエンコーダ92は、ギア・トレーンに関連した機械的エラーを減少させるため、回折格子16の駆動シャフト88に直接結合されている。直接駆動構造は、高速始動及び停止、及び、高速走査のため、高トルク・モータを必要とする。望ましい実施例の場合、駆動モータ90は、永久磁石回転子と巻線形固定子から成る、フレーム無しのブラシレス直流トルク・モー
タから構成される。永久磁石の回転子はサマリウム・コバルト磁石を利用し、回折格子16を保持するシャフト88に直接取り付けられる。モータは、直径が60.3ミリメートル、厚さが約17ミリメートルで、20ニュートン・センチメートルの連続トルクを発生することが可能である。モータは、米国National Semiconductor社から入手可能なLM628型移動制御集積回路を利用して、22KHzのパルス幅変調で駆動される。
直接駆動構成の場合、回折格子16の角位置を検知するための高分解能装置も必要とする。望ましい実施例の場合、補間器102と共に、回転ディスクに9000のラインを備えた、正弦波出力インクリメンタル光シャフト角エンコーダを利用することによって、高分解能が得られるようになっている。代替案として、リゾルバまたは他の高分解能角度フィードバック装置を用いることも可能である。エンコーダ92は、シャフトの1回転につき230万4千カウントを発生する、エンコーダ出力のゼロ・クロス間の補間を用いている。補間器102及びエンコーダ92は、回折格子の位置をデジタル表示する。回折格子の位置情報は、検出器の電気出力と共に、デジタル信号プロセッサによって、光のスペクトルを表示するために利用される。回折格子の位置は、駆動モータ90を制御するため、サーボ・ループでも利用される。デジタル掃引のプロフィルが、移動プロフィル発生器103によって発生する。移動プロフィル発生器103の出力及び検知された回折格子の位置は、総和装置104に入力され、所望の回折格子位置と実際の回折格子位置とのエラーを表したエラー信号が発生する。エラー信号は、増幅器106及びループ補償フィルタ107を介してモータに送られる。移動プロフィル発生器103、総和装置104、増幅器106、及び、ループ補償フィルタ107は、全て、LM628移動制御集積回路においてデジタル方式で実現される。
図7Bには、エンコーダ92及び補間器102のブロック図が示されている。発光ダイオード108は、駆動シャフト88に取り付けられたディスク110のスリットに光ビームを送り込む。ディスク110は、回折格子の位置をコード化するため、9000の半径方向スリットを備えていることが望ましい。ディスク110のスリットを通る光は、それぞれ、光検出器から成る、Aチャネル検出器112及びBチャネル検出器114によって検出される。検出器112及び114の出力は、90゜位相のずれた正弦波である。各エンコーダ・チャネル出力毎に、シャフトの1回転について9000サイクルの正弦波が生じる。A検出器112の出力は、増幅器116を介してアナログ・デジタル変換器118に送られる。B検出器114の出力は、増幅器120を介してアナログ・デジタル変換器122に送られる。
Aチャネル及びBチャネルの各ゼロ・クロス毎に、位置カウンタ124が(Aチャネル及びBチャネルの相対位相に従って)インクリメントまたはデクリメントし、大まかな位置情報が得られる。アナログ・デジタル変換器118及び122のMSB出力は、A及びB信号のゼロ・クロス時にカウンタ124をインクリメントまたはデクリメントさせるため、タイミング及び制御装置128に入力される。補間によって、正弦波信号のゼロ・クロス間における追加位置情報が得られる。各ゼロクロス間において、角度は、Arc−tan(A/B)の関数である。A検出器112及びB検出器114の正弦波出力は、それぞれ、アナログ・デジタル変換器118及び122によってデジタル化される。アナログ・デジタル変換器118及び122の出力は、ROM126に入力される。ROM126の出力は、Arc−tan(A/B)の値である。ラッチ140に記憶されるROM126の出力は、位置カウンタ124によって組み合わせられて、回折格子の位置に関する補間情報が生じる。ROMの出力には、LM628制御ICが必要とする入力フォーマットに整合するように、フォーマット変換(並列から2つの位相直列に)も施される。
補間には、A検出器112及びB検出器114からの信号が一定の振幅を保つことを保証する、エンコーダ92のための振幅レベリング・ループが含まれている。レベリング・モードにおいて、関数(A2 +B2 )1/2 を記憶するセクションにアドレス指定するため、タイミング及び制御装置128からの制御信号が、ROM126に加えられる。レベリング・モードにおいて、入力信号の振幅を表すROM出力が、デジタル・アナログ変換器130を介して、増幅器132に供給される。増幅器132は、発光ダイオード108に駆動電流を供給するトランジスタ134に制御を加える。LED108の駆動電流は、検出器112及び114の出力が小さくなると、電流が増すように、あるいは、その逆になるように、サーボ・ループで制御される。結果として、LEDの効率が、時間、温度、及び、経時によって変化したとしても、エンコーダ92の正弦及び余弦ピーク振幅は、一定に維持される。
上述のように、エンコーダ92のディスク110には、位置コード化のために複数のスリットが設けられている。さらに、ディスク110には、基準位置を設定するための単一指標スリットが含まれている。絶対位置を決めるため、エンコーダは、基準位置と同期しなければならない。ディスク110の指標スリットを通る光は、指標検出器142によって検出される。指標検出器142の出力は、増幅器144及びコンパレータ146に通され、タイミング及び制御装置128に対する指標パルスを発生する。
回折格子16は、散乱及び反射を最小限に抑え、出力方向におけるアノマリーを最小限に抑えるように選択される。平面回折格子の場合、望ましい回折格子16は、溝が回転軸50に対して平行になる、平行溝構造を備えている。各種溝構造を利用することが可能であるが、600〜1700ナノメートルの波長範囲における動作の場合、900/ミリメートルの溝を備えた回折格子が望ましい。この波長範囲に関する標準的な溝プロフィルを利用することが可能であるが、さらに効率を高める場合、望ましいプロフィルは、非対称性である。回折格子は、一般に、動作波長範囲において反射性のコーティングを施した、光的にフラットなブランクとして製作される。望ましいコーティングは、金である。
出力光ビーム36に対して出力光ファイバ42の位置決めを行う微細位置決めアセンブリ80は、単一平面内における移動のための二軸微細位置決め段である。上述のように、微細位置決めアセンブリ80は、回折格子16の走査時における光ファイバ42との効率の良い結合を確保するため、焦点を合わせた出力光ビーム36のトラッキングを行う。この用途の場合、微細位置決め段80は、下記の要件を満たす必要がある。出力光ファイバ42は、数十マイクロメートル内にある出力光ビーム36の焦点面に保持しなければならない。この意味するところは、光ファイバの軸に垂直なX及びY方向における並進時に、光ファイバの軸に沿ったZ方向の移動は、ほとんどないか、あるいは、全くないようにしなければならないということである。微細位置決めアセンブリは、サブミクロンの分解能をもたらし、円滑に動作しなければならない。転動体のざらつき、スライド部材の摩擦、ネジまたはギヤの遊びがないようにしなければならない。さらに、アセンブリは、配向の変化に対して耐性を有し、振動及び環境による外乱に対して比較的反応を示さないものでなければならない。微細位置決めアセンブリ80は、X及びY方向における動程が、約±200マイクロメートルで、応答時間が速くなければならない。
図8A及び図8Bには、望ましい微細位置決めアセンブリ80が示されている。微細位置決めアセンブリの主要コンポーネントは、二軸たわみ板150である。たわみ板150は、通常、アルミニウムのような金属から機械加工され、固定セクション152、中間セクション154、及び、可動カラー156を備えている。
たわみ板150は、Z軸の移動を制限するため、8ミリメートル以上の厚さを備えていることが望ましい。固定セクション152は、モノクロメータ(図2及び3参照)のハウジング60に取り付けられており、動作時には、固定されたままである。カラー156は、光ファイバ・アダプタ82に対する取り付けに合わせた寸法になっており、光ビーム42が通る開口部158を備えている。カラー156は、後述のようにX及びY方向に移動可能である。中間セクション154は、たわみ材160、162、163、及び、164によって固定セクション152に取り付けられている。たわみ材160は、ビーム166によってたわみ材162に相互接続されている。たわみ材163は、ビーム168によってたわみ材164に相互接続されている。たわみ材160及び163は、直円たわみ材であり、たわみ材162及び164は、ビームたわみ材である。固定セクション152と中間セクション154との間におけるたわみ構成によって、固定セクション152に対する中間セクション154のX方向における移動が可能になる。
可動カラー156が、たわみ材170、171、172、及び、173によって中間セクション154に取り付けられている。たわみ材170及び171は、ビーム174によって相互接続され、たわみ材172及び173は、ビーム176によって相互接続される。たわみ材170及び172は、直円たわみ材であり、たわみ材171及び173は、ビームたわみ材である。たわみ材170、171、172、及び、173によって、中間セクション154に対するカラー156のY方向における移動が可能になる。
線形アクチュエータ180またはボイス・コイル・モータは、固定セクション152と中間セクション154の間に取り付けられる。線形アクチュエータ180によって、固定セクション152に対する中間セクション154のX方向における移動が生じる。線形アクチュエータ182は、中間セクション154とカラー156の間に取り付けられる。線形アクチュエータ182によって、中間セクション154に対するカラー156のY方向における移動が生じる。線形アクチュエータ180及び182は、ラウドスピーカに用いられるボイス・コイルと同様のものである。望ましい線形アクチュエータは、電流を加えると、半径方向の固定磁界内で移動するワイヤのコイルから構成される。固定磁界は、アクチュエータ・ハウジングのネオジウム・鉄・ホウ素による磁石によって発生する。アクチュエータは、1.67ニュートンの連続した力を発生することができる。
カラー156の位置を正確に制御するため、カラー156の位置が検知され、検知した位置は、サーボ制御ループに伝えられる。微細位置決めアセンブリ80の場合、X方向の位置は、ビームたわみ材162の両側に固定されたひずみゲージ190a及び190bによって検知される。カラー156のY方向は、ビームたわみ材171の両側に固定されたひずみゲージ192a及び192bによって検知される。ひずみゲージは、それぞれのビームたわみ材にしっかり結合されており、たわみ材の曲げに応答して、抵抗が変化する。各ひずみゲージの抵抗の変化は、カラー156の位置を表している。
図9には、微細位置決めアセンブリ80の1つの軸に関する制御ループのブロック図が示されている。同様の制御ループは、各移動方向毎に用いられ、位置検知装置202からループ補償フィルタ210に至る帰還手段を備えている。位置検知装置202は、位置出力を総和装置204に与える。位置検知装置には、1つの移動方向に関するひずみゲージが含まれており、詳細に後述することにする。所望の位置は、デジタル信号プロセッサからデジタル・アナログ変換器(DAC)206にデジタル形式で入力される。DAC206のアナログ出力は、総和装置204に入力される。総和装置204の出力は、1つの方向におけるカラー156の所望の位置と実際の位置の間の
差を表したエラー信号である。エラー信号は、エラー増幅器208を介してループ補償フィルタ210に送られる。二軸たわみ板150は、いくつかのQの高い共振を生じる。ループ補償フィルタ210には、ツインT形ノッチ・フィルタ及び楕円形低域フィルタが含まれている。楕円形フィルタ応答及びツインT形フィルタ応答におけるゼロは、それぞれ、たわみ材応答における900Hz及び2.2KHzのピークを減衰させるように、位置決めされる。ループ補償フィルタ210の出力は、線形アクチュエータ180に作動信号を加えるパルス幅変調駆動装置212に入力される。線形アクチュエータ180は、さらに、中間セクション154を固定セクションに対して移動させ、エラー信号を減少させる。同じ構成の制御ループを利用して、線形アクチュエータ182の制御が行われる。線形アクチュエータ182の制御信号は、ひずみゲージ192a及び192bから導き出される。
図10には、位置検知装置202が示されている。ひずみゲージ190a及び190bは、ブリッジ回路をなすように接続されている。たわみ材の移動によって、ブリッジに不均衡が生じる。ひずみゲージ190aは、正の電圧源と負の電圧源の間の電流源220に直列に接続されている。ひずみゲージ190bは、正の電圧源と負の電圧源の間の電流源222に直列に接続されている。電流源220及び222は、精密に整合が施され、温度の変動に応じて、精密にトラッキングを行う。ひずみゲージ190a及び190bは、ひずみゲージ増幅器224の反転入力及び非反転入力に接続されている。電圧供給ループ226は、ひずみゲージ増幅器224のコモン・モード電圧をゼロに維持し、これによって、ひずみゲージ増幅器224におけるコモン・モード利得によるエラーが除去されることになる。中間セクション154の移動によって、たわみ材162が曲がる結果になると、一方のひずみゲージの抵抗が増し、もう一方のひずみゲージの抵抗は減少するので、ブリッジ回路に不均衡が生じ、ひずみゲージ増幅器224から出力が生じることになる。
出力光ビーム36のトラッキングは、下記のように実施される。計器の初期校正時に、出力光ビーム36の位置は、モノクロメータに対する同調可能な波長入力を利用して、波長の関数として測定される。各入力波長は、軸50のまわりにおける回折格子16の異なる回転位置に対応する。光ファイバ42と出力光ビーム36の間において正確なアライメントが得られるようにするための、微細位置決めアセンブリ80のX及びY方向における並進は、回折格子16の各回転位置毎に、ROMに記憶される。計器の動作中における回折格子の位置は、図7A及び図7Bに示すように、また、上述のように発生する。回折格子16による走査時には、位置情報を利用して、必要なX及びY並進を記憶するROMにアドレス指定する。この情報は、適当な時点において、X及びY目標位置のDACにロードされる。従って、走査時、光ファイバ42は、自動的に出力光ビーム36のトラッキングを行う。
微細位置決めアセンブリ80を有効に利用して、光チョッピングを行うことによって、長い掃引時におけるダイナミック・レンジが増し、感度が安定する。電気的ノイズ及び迷光が存在する場合、直流光電流の検出には、光検出器46が必要になる。電気ノイズは、光検出器46及び増幅器48において発生する。迷光は、モノクロメータ内における望ましくない反射及び散乱によって生じる。例えば、入射光ビーム12の一部は、レンズを通過せずに、反射される可能性がある。
一般にノイズと呼ばれる、望ましくないエネルギは、検出システムに固有のものである。光検出システムの場合、ノイズは、電気的の場合と、光的な場合の両方があり得る。光検出器の出力のサンプリングを行うと、信号+ノイズが生じる。これは、信号パワー及びノイズ・パワーが同等の大きさである場合、重大な問題になる可能性がある。通常、電気的ノイズ成分は、ランダムであり、平均値はゼロである。周知のように、信号+ノイズの平均化は、ノイズ成分が有効にゼロに平均化されるように行われる。しかし、通常、直流ドリフトと呼ばれる極めて低い周波数の電気的ノイズは、極めて長い平均化時間を必要とする。信号が周期的にインターラプトまたはブロックされ、ノイズまたはドリフトの測定が行われる、チョッピングまたは同期検出を利用して、低周波数の電気的ノイズが除去されてきた。ノイズは、信号に極めて近い時間に測定されるので、ドリフトは、有効に除去される。先行技術による分光分析器は、通常、独立した機械的コンポーネントを利用して、光ビームのチョッピングまたは周期的インターラプトを行う。このため、システムのコスト及び複雑さが増すことになる。さらに、チョッピングは、ノイズの電気的部分だけしか除去しない。上述の迷光は、検出器がブロックされる従来のチョッピングでは除去されない。
本発明の特徴によれば、微細位置決めアセンブリ80を利用して、光ファイバ42が出力光ビームから外される。これは、微細位置決めアセンブリ80を付勢し、光ファイバ42を一方またはもう一方に移動させて、もはや出力光ビーム36をインターセプトしなくなるようにすることによって、行われる。光ファイバ42は、モノクロメータの分散軸に垂直な方向に移動するのが望ましい。モノクロメータの迷光が、光ファイバ42のわずかな偏向に対してほぼ均一であると仮定すると、光検出器46の出力は、迷光L+電気的ノイズNを表すことになる。光ファイバ42及び出力光ビーム36のアライメントがとれると、光検出器46は、信号S+迷光L+電気的ノイズNを表す出力を発生する。光ファイバが出力光ビームから変位する時に測定される迷光と電気的ノイズ成分が、光ファイバと光ビームのアライメントをとって、迷光Lと電気的ノイズNの両方が有効に除去され、信号Sの正確な測定が行われた時の測定値から引かれる。チョッピング時に、光検出器がブロックされるので、従来のチョッピング技法では、測定値から迷光成分は除去されない。結果として、上述の技法によって、信号Sのより正確な測定値が得られることになる。本発明で使用する光チョッピング技法は、40秒を超える掃引のように、比較的掃引時間を長くして利用されるのが普通である。
本発明で使用する光チョッピング技法は、微細位置決めアセンブリ80を付勢して、光ファイバ42を移動させ、出力光ビーム36とのアライメントがとれなくなるようにして、実施されるのが望ましい。しかし、光チョッピング技法は、モノクロメータの任意の光素子を変位させて、出力光ビーム36と光ファイバ42とのアライメントがとれなくなるようにして、実施することも可能であるのは明らかである。
二重通過型走査モノクロメータによって得られる分光分析器の構成が、図11、図11A、図11B、図11C、図11Dに示されている。図11Aに示すスペクトル240は、典型的な光スペクトル表示である。スペクトル240は、水平軸における波長の関数としての、垂直軸における振幅のプロットである。この振幅は、増幅器48の出力である。波長情報は、図7A及び図7Bに示す回折格子制御ループの位置出力から得られる。回折格子の位置情報を利用することによって、スペクトル240は、走査の開始に関するタイミングに依存した分光分析器の場合よりも正確になる。波長情報は、回折格子16の走査時における速度の変動とは無関係である。
本発明の二重通過型走査モノクロメータは、先行技術によるモノクロメータ構成との比較において、いくつかの利点を提供するものである。開示のモノクロメータの場合、出力光ファイバは、分解能の帯域幅を制限しない。光出力は、入力光ビームの偏りに対して、比較的反応を示さない。分散光ビームを再結合するので、回折格子によって生じる時間分散が解消される。ユーザは、出力光ビームとのアライメントを維持するために出力光ファイバの調整を行う必要がない。光出力は、内部的に利用可能な、同じ波長スパン及び範囲をもたらす。低ノイズの小形光検出器が、利用される。二重通過型走査モノクロメータは、単段モノクロメータの感度と、2段縦続モノクロメータの隣接ダイナミック・レンジとを与える。同期の問題が、解消され、2段モノクロメータに関連して追加される光装置が、排除される。モノクロメータの設計が、先行技術のモノクロメータに比べて、丈夫で、コンパクトになる。単一光検出器及び関連電子装置が、利用される。
以上、本発明の望ましい実施例とみなされるものについて例示し、解説してきたが、当該技術の熟練者には明らかなように、さまざまな変更及び修正を加えることが可能である。
本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータの絵画的ブロック図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータのカバー除去後の平面図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータの入力端の拡大平面図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータの入力端における光ビームと光学部品の拡大平面図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータの入力端におけるレンズ軸に対する各種光ビームの位置を示す図である。 従来技術による単段モノクロメータと本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータのそれぞれの出力振幅を波長に対してプロットしたグラフである。 回折格子の位置検知および位置制御を説明するためのブロック図である。 回折格子の位置検知および位置制御を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータの出力光ファイバの位置決めのための微細位置決めアセンブリの正面図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータの出力光ファイバの位置決めのための微細位置決めアセンブリの斜視図である。 図8Aと図8Bの微細位置決めアセンブリの一つの軸に対するサーボループのブロック図である。 前記微細位置決めアセンブリに使用するひずみゲージ増幅器の概略ブロック図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータを用いた分光分析装置の制御パネルと表示スクリーンの配置を示す図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータを用いた分光分析装置の表示スクリーンを示す図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータを用いた分光分析装置の制御パネルを示す図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータを用いた分光分析装置の制御パネルを示す図である。 本発明の一実施例の二重通過型走査モノクロメータを用いた分光分析装置の制御パネルを示す図である。 偏光回転装置と出力光ファイバを備えた2段モノクロメータのブロック図である。
符号の説明
10:入力光ファイバ; 12:入力光ビーム; 14:レンズ;16:回折格子; 22、26、40:ミラー; 23:窓板; 24:スリット; 32:半波長板; 42:出力光ファイバ; 46:光検出器; 48:増幅器; 62:入力コネクタ; 68:デイスク(スリット24を備える)80:微細位置決めアセンブリ; 84:ガラス製毛細管; 88:駆動シャフト; 90:駆動モータ; 92:角度エンコーダ

Claims (7)

  1. 入力光ビームを導入する手段と、前記入力光ビームを空間的に分散して、分散された光ビームを生成するための回折格子と、該回折格子を回動する手段と、前記分散された光ビームの一部分を濾波するスリットと、光チョッパ手段と、出力光ビームを取り出す手段とを有する二重通過型モノクロメータにおいて、
    側壁により画定される細長の空間を有し、モータに結合した前記回折格子を一端に配置し、前記入力光ビームが出力されるまでに4回通過する単一のレンズを含む光学系を挟んで他端側に、前記入力光を導入する手段と、前記回折格子からの光を再度前記回折格子に向ける反射手段と、該反射手段近傍に位置する前記スリットと、前記出力光ビームを取り出す手段とを備え、該出力光ビームを取り出す手段は、前記レンズを最後の通過した光の向きを前記側壁側に変更する手段と、前記側壁に交差する方向に延びて前記出力光ビームを受ける光ファイバと、該光ファイバを前記側壁の面内方向に移動させる微細位置決め装置とを含み、該微細位置決め装置は、少なくとも2つの線形アクチューエータを含み、出力位置で前記光チョッパ手段として作用するとともに、前記出力光ビームを前記光ファイバに受光させる際には、前記回折格子の回動位置に対応して前記光ファイバを所定位置に移動させるよう構成されることを特徴とする二重通過型モノクロメータ。
  2. 前記微細位置決め装置は、位置検出を行うためのひずみゲージをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の二重通過型モノクロメータ。
  3. 入力光ビームは、出力されるまでの間に、ほぼ共通の面内を通過し、さらに、向きを変更された前記光ビームも前記共通の面内に位置することを特徴とする、請求項1に記載の二重通過型モノクロメータ。
  4. 前記回折格子の回動位置の検出は、前記回折格子と共通する回転軸に固定されるエンコーダ・ディスクを備えた光シャフト角度エンコーダにより行われることを特徴とする、請求項1に記載の二重通過型モノクロメータ。
  5. 前記シャフト角度エンコーダは、前記エンコーダ・ディスクのスリットに光を送り込む発光ダイオードを有し、前記スリットを通る光はAチャネル検出器及びBチャネル検出器によって検出され、前記Aチャネル検出器及び前記Bチャネル検出器の出力は互いに90°位相のずれた正弦法であり、前記Aチャネル検出器の出力は第1の増幅器を介して第1のアナログ・デジタル変換器に送られ、前記Bチャネル検出器の出力は第2の増幅器を介して第2のアナログ・デジタル変換器に送られ、前記第1、第2のアナログ・デジタル変換器の出力のMSBは、前記Aチャネル検出器及び前記Bチャネル検出器の出力のゼロ・クロス時に位置カウンタをインクリメント又はデクリメントするため、タイミング及び制御装置に入力され、前記Aチャネル検出器及び前記Bチャネル検出器の出力の相対位相に従って前記位置カウンタがインクリメント又はデクリメントし、前記回折格子の大まかな位置の情報が得られるようにし、高分解能を得るための補間器をさらに備え、前記第1及び第2のアナログ・デジタル変換器の出力は、出力がArc−tan(A/B)の値であるROMに入力され、該ROMの出力は、ラッチに記憶され、前記位置カウンタの出力に組み合わされ、前記回折格子の位置についての補間情報を提供することを特徴とする、請求項4に記載の走査モノクロメータ。
  6. 前記エンコーダ・ディスクには基準位置を設定するための単一指標スリットが含まれ、前記光シャフト角度エンコーダの絶対位置を決めるため、前記光シャフト角度エンコーダが前記基準位置と同期し得るようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の走査モノクロメータ。
  7. 前記エンコーダ・ディスクには基準位置を設定するための単一指標スリットが含まれ、前記光シャフト角度エンコーダが前記基準位置と同期し得るようにされ、前記指標スリットを通る光は指標検出器によって検出され、該指標検出器の出力が第3の増幅器及びコンパレータに通され、前記タイミング及び制御装置に対する指標パルスを発生することを特徴とする、請求項1に記載の走査モノクロメータ。


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