JP3791078B2 - 移載装置の移動制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移載装置の移動制御装置に係り、詳しくは複数のステーションと移載装置との間で荷の移載作業が行われる時に該ステーションに向かって移動する移載装置の移動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、有軌道台車と、複数のステーションとの間で行われる荷の移載を説明するための図である。
【0003】
図9において、有軌道台車80は、天井に架設した走行レール81に設けられ、該レール81に沿って走行する。有軌道台車80は荷Wを載置する移載装置82を備え、図示しない昇降装置によって上下方向に昇降する。第1〜第3ステーションST1〜ST3はレール81に沿って走行する有軌道台車80の直下であって移載装置82の昇降経路に沿って配置されている。そして、各ステーションST1〜ST3は搬送コンベアを有し、荷Wが搬送コンベアを介して他の場所から該ステーションまで搬送されたり、荷Wが該ステーションから搬送コンベアにて他の場所まで搬送するための基地となっている。
【0004】
第1ステーションST1は有軌道台車80に最も近い高い位置に設けられたステーションであって、有軌道台車80の移載装置82との間で荷Wの移載が行われる。第2ステーションST2は前記第1ステーションST1の真下に設けられたステーションであって、有軌道台車80の移載装置82との間で荷Wの移載が行われる。第3ステーションST3は有軌道台車80に最も離れた低い位置に設けられたステーションであって、第2ステーションST2と向かい合う側であって移載装置82の幅より若干広い間隔をおいて設けられている。そして、第3ステーションST3は、有軌道台車80の移載装置82との間で荷Wの移載が行われる。
【0005】
このように、天井に設けたレール81に沿って走行する有軌道台車80にて荷Wの搬送する物流システムは、有軌道台車80が天井近くを走行すること、及び、上下方向に、即ち移載装置82の昇降経路に沿って複数のステーションを設けることができることから空間を有効利用することがてきる点で非常に優れている。
【0006】
そして、例えば第1ステーションST1にある荷Wを第2、第3ステーションST2、ST3以外の他の場所に設けられたステーションに搬送する場合、移載装置82を第1ステーションST1まで下降させたのち、第1ステーションST1の荷Wを移載装置82に移載する。荷Wを載置した移載装置82は有軌道台車80の位置まで引き上げられる。移載装置82を引き上げると、有軌道台車80は他の場所に設けられた目的のステーションまで走行する。そして、目的のステーションまで到着すると、有軌道台車80は移載装置82をその目的のステーションまで下降させ該移載装置82の荷Wを該ステーションに移載する。移載が終わり移載装置82を引き上げると、有軌道台車80は次の搬送指令に基づくステーションまで走行し前記と同様な搬送作業を繰り返す。
【0007】
又、移載装置82の昇降経路に沿って設けられた第1〜第3ステーションST1〜ST3との間で行う荷Wの移載においても移載装置82をその昇降経路上で昇降動させることによって荷Wの移載作業が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、昇降台とステーションとの間での荷Wの移載、例えば第1ステーションST1にある荷Wを移載装置82に又は移載装置82にある荷Wを該ステーションST1に移載する場合、該移載装置82の昇降経路上に障害物がないかどうかチェックされる。詳述すると、第1〜第3ステーションST1〜ST3から昇降経路上にはみ出している荷物W等があるかどうか判定される。この判定は、各ステーションST1〜ST3に設けた障害物検出センサSN1〜SN3にて行われる。各ステーションST1〜ST3の障害物検出センサSN1〜SN3のいずれか一つのセンサが荷のはみ出しを検出すると、有軌道台車80は移載装置82を第1ステーションST1まで下降させない。そして、該センサが検出したステーションの荷Wのはみ出しが解消されるまで、有軌道台車80は停止し待機する。
【0009】
しかしながら、上記のように昇降経路に沿って配置される複数ステーションの少なくとも一つにはみ出した荷Wが存在するだけで、その移載装置82を停止させ荷Wの移載を行わないようにすると以下のような不都合が生じる。
【0010】
つまり、前記したように最も高い位置にある第1ステーションST1との間で移載を行う場合に、第2又は第3ステーションST2,ST3に荷Wのはみ出しがあるときである。この場合、移載装置82は第1ステーションST1より下方に降下しないため、図9に示す第2ステーションST2の荷Wのはみ出しの有無に関係なく第1ステーションST1との間で移載作業は可能であるにもかかわらずできなかった。
【0011】
同様なことが、第3ステーションST3にはみ出した荷Wがあった時、第1ステーションST1との間での移載作業は可能であるにもかかわらずできなかった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は一部支障があってもその支障が当面行う移載作業に対して支障をきたさない場合にはその移載作業を実行させ搬送効率を上げることのできる移載装置の移動制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の発明は、移動経路上に上流から下流に向かって配置された複数のステーションと、移動経路の上流と下流との間を往復移動し各ステーションとの間で荷移載作業を行う移載装置と、前記各ステーションにそれぞれ設けられ移載装置が該ステーションを通過又は該ステーションに停止するのに障害となる障害物の有無を検出する障害物検出センサと、前記移載装置を移動経路の上流から下流に向かって移載作業を行うためのステーションまで移動させるとき、該移載装置が移動する移動経路における移動範囲に含まれるステーションに設けた障害物検出センサの検出結果に基づいて障害物の有無を判定する判定装置と、前記判定装置の判定結果に基づいて前記移載装置を移載作業を行うためのステーションまで移動の制御する駆動制御装置とからなる移載装置の移動制御装置であって、前記移載装置は、天井に敷設されたレールに沿って走行する有軌道台車に設けられ、該有軌道台車に備えた昇降駆動装置にて昇降移動するものであり、前記複数のステーションは、前記昇降する移載装置の移動経路に沿って上下方向に配置されているものであり、前記判定装置は、前記各ステーションに設けた障害物検出センサの検出信号を入力するとともに、移載作業をするためのステーションと該移載作業するためのステーションまで降下する際に通過するステーションを特定し、その特定したステーションに設けた障害物検出センサの少なくとも一つが障害物があると検出している時、移動不能と判定し不許可信号を生成し、その特定した全ての障害物検出センサが障害物を検出しないとき移動可能と判定し許可信号を生成するものであり、前記駆動制御装置は、前記有軌道台車に設けられ、前記判定装置からの不許可信号に基づいて前記移載装置の下降を不能させるための停止信号を、前記許可信号に基づいて移載装置の下降を可能させるための駆動信号を昇降駆動装置に出力するものである移載装置の移動制御装置をその要旨とする。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の移載装置の移動制御装置において、前記判定装置は、前記有軌道台車から離間した地上側に設けた地上側コンピュータであって、有軌道台車に対して移載作業のための運行指令データを作成する機能を備えており、前記駆動制御装置は、前記有軌道台車に設けた車載側コンピュータであって、前記地上側コンピュータとの間で相互にデータ転送を行い、前記運行指令に基づいて有軌道台車に備えた走行用モータを駆動制御するとともに前記昇降駆動装置を駆動制御するものである。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の移載装置の移動制御装置において、前記判定装置は、各ステーション毎に、前記特定したステーションに設けた障害物検出センサを示すデータを記録した記憶装置を備えているものである。
【0022】
請求項に記載された発明によれば、移載装置を移動経路の上流から下流に向かって移載作業を行うためのステーションまで移動させるとき、判定装置は移載装置が移動する移動経路における移動範囲に含まれるステーションに設けた障害物検出センサの検出結果に基づいて障害物の有無を判定する。駆動制御装置は判定装置の判定結果に基づいて前記移動範囲に含まれる障害物検出センサが障害物を検出した判定した時移載装置のステーションまでの移動を不能にし、前記移動範囲に含まれる障害物検出センサが障害物を検出していないと判定した時移載装置のステーションまで移動を可能にする。
【0023】
即ち、判定装置は、判定の範囲を移動経路の上流から当該移載作業を行うステーションまでの範囲に特定している。従って、当該移載作業を行うステーションより下流側に位置する移動経路に障害物があっても判定の範囲外であるので当該移載作業が実行されることになる。その結果、移載作業に支障きたさない移動経路上に障害物があっても移載作業が行われることから、移載装置の搬送効率を上げることができる。
【0024】
また、移載装置を有軌道台車に備えた昇降装置にて同台車から下方の移載作業を行うためのステーションまで下降させるとき、判定装置は各ステーションの中から移載作業をするためのステーションと該移載作業するためのステーションまで降下する際に通過するステーションを特定する。又、判定装置は、その特定したステーションに設けた障害物検出センサの少なくとも一つが障害物がある検出している時、移動不能と判定し不許可信号を生成し、その特定した全ての障害物検出センサが障害物を検出しないとき移動可能と判定し許可信号を生成する。駆動制御装置は、判定装置からの不許可信号に基づいて移載装置の下降を不能させるための停止信号を、許可信号に基づいて移載装置の下降を可能させるための駆動信号を昇降装置に出力する。
【0025】
即ち、判定装置は、判定の範囲を有軌道台車から下方にある移載作業を行うステーションまでの範囲に特定している。従って、当該移載作業を行うステーションより下側に位置する昇降経路に障害物があっても判定の範囲外であるので当該移載作業が実行されることになる。その結果、移載作業に支障きたさない昇降経路上に障害物があっても移載作業が行われることから、移載装置を備えた有軌道台車の搬送効率を上げることができる。
【0026】
請求項に記載の発明によれば、有軌道台車に備えた車載側コンピュータは地上側コンピュータからの移載作業のための運行指令データを入力すると、該運行指令に基づいて有軌道台車に備えた走行用モータを駆動制御するとともに昇降装置を駆動制御する。
【0027】
請求項に記載の発明によれば、判定装置は判定の範囲を特定する際、記憶装置に記録した各ステーション毎の特定したステーションに設けた障害物検出センサを示すデータを利用する。従って、判定処理動作が高速となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第一の実施の形態)
以下、本発明を無人有軌道台車が天井に架設されたレールを走行する搬送システムに具体化した第一の実施の形態を図面に従って説明する。
【0033】
図2は、本実施の形態で説明する搬送システムのレイアウトを示す。搬送システム11の走行経路12は、天井12aに架設した走行レール13(図1,3参照)により閉ループ状に形成されている。該レール13上には、複数台(本実施の形態では3台)の有軌道台車(以下、単に台車という)14が矢印で示す方向に周回走行するようになっている。走行レール13にて形成される走行経路12には、複数箇所(本実施の形態では3箇所)に作業停止ポイントP1〜P3及び特定の一箇所に原点ポイントHPが設けられている。各作業停止ポイントP1〜P3は、台車14が該ポイントP1〜P3の下方に配置した後記する複数のステーションとの間で荷Wの移載作業を行うために停止するポイントである。そして、各作業停止ポイントP1〜P3を指標するための停止ポイント用マークDP1〜DP3が走行レール13の側面の各ポイントP1〜P3に設けられている。
【0034】
原点ポイントHPは、周回する台車14の走行位置を求めるための基準位置を示すポイントであって、該原点ポイントHPを台車14が通過する毎にその台車14の走行距離をリセットさせ再び走行距離の計測を開始させるためのポイントである。従って、台車14のその時々の位置は、該原点ポイントHPを基点に特定される。又、前記各作業停止ポイントP1〜P3の各位置も原点ポイントHPを基点として特定することができる。そして、原点ポイントHPを指標するための原点ポイント用マークDHPが走行レール13の側面の原点ポイントHPに設けられている。
【0035】
図3に示すように、台車14は、レール13上を転動する駆動輪15a及び従動輪15bと、レール13の側面を挟持するガイド輪16とを備えている。駆動輪15aは走行用モータ17により駆動され、台車14をレール13に沿って走行させる。台車14は、ベルト18を介して移載装置19を吊下している。昇降装置19は、台車14に設けた昇降駆動装置としての昇降用モータ20にて昇降動される。移載装置19はコンベアローラ21が設けられた載置台19aを備えている。そして、コンベアローラ21の転動により後記するステーションから載置台19a上に荷Wが案内されたり、載置台19aからステーションに案内されてステーションと移載装置19との間の荷Wの受け渡し作業、即ち移載作業が行われる。
【0036】
図4は、台車14に搭載された電気的構成を示す電気回路図である。前記走行用モータ17及び昇降用モータ20は三相誘導モータであって、インバータ22に接続されている。該インバータ22は集電子23を介して前記走行レール13に配設した電源供給用トロリー線L1に接続され、三相交流電源の供給を受けている。又、インバータ22は駆動制御装置を構成する車載側コンピュータ24と接続され、該コンピュータ24からの制御信号に基づいて走行用モータ17及び昇降用モータ20を駆動制御する。
【0037】
車載側コンピュータ24には、台車14に設けた停止ポイント検出用センサ26a〜26c、原点ポイント検出用センサ27が接続されている。両センサ26a〜26c,27は光センサが使用されている。各停止ポイント検出用センサ26a〜26cは対応する前記停止ポイント用マークDP1〜DP3を検出すると、それぞれ停止ポイント検出信号を車載側コンピュータ24に出力する。原点ポイント検出用センサ27は前記原点ポイント用マークDHPを検出すると、原点ポイント検出信号を車載側コンピュータ24に出力する。
【0038】
又、車載側コンピュータ24には、台車14に設けた走行用ロータリエンコーダ28及び昇降用ロータリエンコーダ29が接続されている。走行用ロータリエンコーダ28は台車14に装備された計測輪(図示せず)の回転量に対応するパルス信号を出力し、計測輪は台車14の移動に伴って走行レール13の側面を転動する。昇降用ロータリエンコーダ29は、例えばベルト18を掛け装した従動輪18aの回転軸及び昇降用モータ20の出力軸に接続され、移載装置19を吊下するベルト18の走行量に対応して回転する部分の回転量に対応する2種類のパルス信号を出力する。この2種類のパルス信号は、互いに位相が90度ずれたパルス信号であって、この位相をずらしたことによりコンピュータ24にてベルト18の走行方向、即ち移載装置19の昇降方向が判断されるようになっている。
【0039】
車載側コンピュータ24は中央処理装置(CPU)24a、制御プログラム等を記憶した読み出し専用のメモリ(ROM)24b及び読み出し及び書き替え可能な作業用メモリ(RAM)24c等から構成されている。
【0040】
CPU24aは走行用ロータリエンコーダ28からのパルス信号をカウントしその時々のカウント値を前記原点ポイントHPからの走行距離としてRAM24cに記憶するとともに、前記原点ポイント検出用センサ27からの原点ポイント検出信号に応答してその時のカウント値(走行距離)をリセットする。
【0041】
又、CPU24aは昇降用ロータリエンコーダ29からの互いに位相がずれた2つのパルス信号を入力し、一方のパルス信号を加算又は減算する。この加算、減算は、両パルス信号の出力波形に基づいて公知の方法にて移載装置19が上昇か下降かが判断される。そして、本実施の形態では下降の場合には加算、上昇の場合には減算動作を行うようになっている。そして、CPU24aはパルス信号を加算又は減算カウントしその時々のカウンタ値を台車14からの移載装置19の下降位置としてRAM24cに記憶する。従って、CPU24aはRAM24cの内容を読むことによりその時の台車14の位置及び移載装置19の下降位置を認識することができることになる。
【0042】
又、車載側コンピュータ24は、集電子30を介して前記走行レール13に配設した通信用トロリー線L2に接続され、該集電子30及びトロリー線L2を介して地上側に設置した地上側コンピュータ40との間で相互にデータの交信が可能になっている。
【0043】
前記走行経路12の作業停止ポイントP1〜P3の下方にはステーションが配置されている。図1は、作業用停止ポイントP1の下方に配置された複数(本実施の形態では3基)のステーションST1〜ST3の配置を示す。
【0044】
第1ステーションST1は台車14に最も近い高い位置に設けられたステーションであって、台車14の移載装置19との間で荷Wの移載が行われる。即ち、移載装置19の載置台19aが台車14から第1ステーションST1の荷載置面と一致する下降位置H1までの移動範囲D1を下降し停止した時、移載作業が行われることになる。
【0045】
第2ステーションST2は前記第1ステーションST1の真下に設けられたステーションであって、台車14の移載装置19との間で荷Wの移載が行われる。即ち、移載装置19の載置台19aが台車14から第2ステーションST2の荷載置面と一致する下降位置H2までの移動範囲D2を下降し停止した時、移載作業が行われることになる。
【0046】
第3ステーションST3は台車14に最も離れた低い位置に設けられたステーションであって、第2ステーションST2と向かい合う側であって移載装置14の幅より若干広い間隔をおいて設けられている。そして、第3ステーションST3は、台車14の移載装置19との間で荷Wの移載が行われる。即ち、前記載置台19aが台車14から第3ステーションST3の荷載置面と一致する下降位置H3までの移動範囲D3を下降し停止した時、移載作業が行われることになる。
【0047】
尚、台車14からこの下降位置H3まで移載装置19が下降する移動範囲D3を該作業停止ポイントP1における移載装置19の移動経路とし、該移動経路は台車14側を上流とし下降位置H3側を下流としている。
【0048】
そして、各ステーションST1〜ST3は搬送コンベア31〜33を有し、荷Wを搬送コンベア31〜33を介して他の場所から該ステーションまで搬送したり、荷Wを該ステーションから搬送コンベアにて他の場所まで搬送するための受け渡し基地となっている。各搬送コンベア31〜33はそれぞれステーションST1〜ST3に対応して設けたコンピュータよりなるコンベア制御コントローラ34〜36に基づいて駆動制御される。
【0049】
各コンベア制御コントローラ34〜36はそれぞれ対応するステーションST1〜ST3に隣接した床面Rに設置されていている。各コントローラ34〜36は対応するステーションST1〜ST3の端部に設けた障害物検出センサSN1〜SN3が接続されている。各センサSN1〜SN3は荷Wによって光が遮られたかどうかを検出する光センサである。そして、各障害物検出センサSN1〜SN3はそれぞれ対応するステーションST11〜ST13から荷Wがはみ出し移載装置19の通過又は移載作業のために当該ステーションに停止する際に、その通過又は停止に支障をきたすほど荷Wがはみ出しているとき障害検出信号を出力する。
【0050】
因みに、本実施の形態において、第1ステーションST1に設けた障害物検出センサSN1は、該ステーションST1の荷載置面から上方へ荷Wの高さまでの範囲が検出範囲となる。従って、該障害物検出センサSN1が障害検出信号を出力したとき、移載装置19はそれぞれ第1〜第3ステーションST1〜ST3への移載のための移動が該障害物検出センサSN1にて検出されたはみ出した荷Wにより障害となる。
【0051】
又、第2ステーションST2に設けた障害物検出センサSN2は、該ステーションST2の荷載置面から上方へ荷Wの高さまでの範囲が検出範囲となる。尚、荷Wの高さ位置は、前記第1ステーションST1における移載装置19の下降位置H1より下方位置にある。従って、該障害物検出センサSN2が障害検出信号を出力したとき、移載装置19は第2及び第3ステーションST2,ST3への移載のための移動が該障害物検出センサSN2にて検出されたはみ出した荷Wにより障害となる。但し、第1ステーションST1への移載のための移動は、障害とらず移動可能である。
【0052】
さらに、第3ステーションST3に設けた障害物検出センサSN3は、該ステーションST3の荷載置面から上方へ荷Wの高さまでの範囲が検出範囲となる。尚、荷Wの高さ位置は、前記第2ステーションST2における移載装置19の下降位置H2より上方位置にある。従って、該障害物検出センサSN3が障害検出信号を出力したとき、移載装置19は第3ステーションST3のみならず第2ステーションST2への移載のための移動が該障害物検出センサSN3にて検出されたはみ出した荷Wにより障害となる。但し、第1ステーションST1への移載のための移動は、障害とらず移動可能である。
【0053】
尚、前記荷Wの高さは、この搬送システム11が扱う荷Wの大きさによって決まる。従って、荷Wの大きさによっては、第3ステーションST3において障害物検出センサSN3の検出範囲が、例えば前記第2ステーションST2における移載装置19の下降位置H2より下方位置になる場合がある。この場合、該障害物検出センサSN3が障害検出信号を出力したとき、移載装置19は第3ステーションST3への移載のための移動が該障害物検出センサSN3にて検出されたはみ出した荷Wにより障害となる。その結果、第1及び第2ステーションST1,ST2への移載のための移動は、障害とらず移動可能である。
【0054】
各コンベア制御コントローラ34〜36はそれぞれ対応する障害物検出センサSN1〜SN3からの障害検出信号を入力すると、それぞれ対応する当該ステーションST1〜ST3の搬送コンベア31〜33の駆動を停止させるとともに、隣接して設けた警報ランプ37〜39を点灯させる。又、各コンベア制御コントローラ34〜36は地上側コンピュータ40に接続されていてそれぞれ障害物検出センサSN1〜SN3の障害検出信号を該コンピュータ40に出力する。
【0055】
尚、他の作業停止ポイントP2,P3の下方に配置される各ステーションも作業停止ポイントP1の下方に配置されたステーションと同様な構成であるためその詳細は省略する。
【0056】
図5は地上側コンピュータ40の構成と、各台車14の車載側コンピュータ24及び作業停止ポイントP1におけるコンベア制御コントローラ34〜36との関係を説明するためのブロック回路を示す。尚、他の作業停止ポイントP2,P3におけるコンベア制御コントローラも同様に地上側コンピュータ40に接続されているが、図5では説明の便宜上省略している。そして、作業停止ポイントP1における各ステーションST1〜ST3について説明すれば、他のステーションについても容易に理解されるのでその作業停止ポイントにおける説明は省略する。
【0057】
地上側コンピュータ40は中央処理装置(CPU)40a、制御プログラム等を記憶した読み出し専用のメモリ(ROM)40b及び読み出し及び書き替え可能な作業用メモリ(RAM)40c等から構成されている。ROM40bは制御プログラムの他にセンサ使用データSDを予め記憶している。センサ使用データSDは、該搬送システム11に設けられた全てのステーションST1〜ST3毎に設けられて、それぞれステーションST1〜ST3に対してそのステーションST1〜ST3まで移載装置19が台車14から下降する移動範囲D1〜D3において、その移動際に必要となる障害物検出センサはどれかを特定するデータである。
【0058】
因みに、図1に示す第1ステーションST1のセンサ使用データSDは、第1ステーションST1に設けた障害物検出センサSN1だけである。又、第2ステーションST2のセンサ使用データSDは、第1〜第3ステーションST1〜ST3に設けた障害物検出センサSN1〜SN3となる。さらに、第3ステーションST3のセンサ使用データSDは、第1〜第3ステーションST1〜ST3に設けた各障害物検出センサSN1〜SN3となる。
【0059】
つまり、作業停止ポイントP1における移載装置19の台車14から第3ステーションST3の下降位置H3までの移動経路(移動範囲D3)より、移載装置19が台車14から第1及び第2ステーションST1,ST2に移動する移動範囲(D1、D2)は短く手前、即ち上流側である。そして、第1ステーションST1における移動範囲D1は、第1ステーションST1における荷Wのはみ出しが該移動範囲D1に含まれる。又、第2ステーションST2における移動範囲D2は、第1ステーションST1、第2ステーションST2及び第3ステーションST3における荷Wのはみ出しが該移動範囲D2に含まれる。さらに、第3ステーションST3における移動範囲D3は、第1ステーションST1、第2ステーションST2及び第3ステーションST3における荷Wのはみ出しが該移動範囲D2に含まれる。
【0060】
CPU40aは外部コンピュータ41と接続されていて、外部コンピュータ41からの各台車14に対して荷Wの搬送を指令するための運行指令を入力する。CPU40aはこの運行指令の内容(例えば、作業停止ポイントP1の第2ステーションST2にある荷Wを作業停止ポイントP3の第3ステーションまで搬送する作業の内容)が何であるか判断する。内容を判断すると、CPU40aはその作業を実行させる3台の台車14の中から最適な台車14を選択する。選択は、最も短時間に目的のステーションに移載装置19を到着させることができる台車14が選ばれる。CPU40aはこの選択した台車14に対して該ステーションのある作業停止ポイントまで走行し移載装置19を目的のステーションまで下降させ移載作業を行うための作業データを車載側コンピュータ24に出力する。
【0061】
又、CPU40aは運行指令の内容に基づいて移載装置19との間で移載作業行うステーションを認識した時、認識したステーションに対するセンサ使用データSDをROM40bから読み出すようになっている。そして、CPU40aは読み出された該ステーションに対するセンサ使用データSDに含まれる障害物検出センサから障害検出信号が出力されているか判定する。CPU40aはセンサ使用データで特定された障害物検出センサから障害検出信号が出力されていないとき、許可信号を車載側コンピュータ24に出力する。反対に、CPU40aはセンサ使用データで特定された障害物検出センサの少なくとも一つから障害検出信号が出力されてるとき、不許可信号を車載側コンピュータ24に出力する。
【0062】
車載側コンピュータ24のCPU24aは作業データに基づいて走行用モータ17及び昇降用モータ20を駆動制御する。又、車載側コンピュータ24のCPU24aは許可信号に基づいて前記作業データに基づく昇降用モータ20による移載装置19の下降を可能にする。反対に、車載側コンピュータ24のCPU24aは不許可信号に基づいて前記作業データに基づく昇降用モータ20による移載装置19の下降を不可能にする。
次に、この搬送システム11の運行制御について説明する。
【0063】
地上側コンピュータ40は外部コンピュータ41からの運行指令に基づき作業データを作成する。今、説明の便宜上、運行指令の内容が、作業停止ポイントP1の第1ステーションST1にある荷Wを作業停止ポイントP3にあるステーションまで搬送する内容とする。地上側コンピュータ40のCPU40aは、該搬送作業を行わせる台車14を選択するとともに、作業データをその選択した台車14に対して送信する。この作業データの内容は、作業停止ポイントP1に到達したら停止し、移載装置19を第1ステーションST1(下降位置H1)まで下降させた後、第1ステーションST1にある荷Wを移載装置19に移載する。移載が終了したら移載装置19を台車14まで引き上げる。次に、台車14を作業停止ポイントP3まで走行させ、その作業停止ポイントP3において、移載装置19を当該ステーションまで下降させる。そして、移載装置19にある荷Wをステーションに移載する。移載が終了したら移載装置19を台車14まで引き上げる。そして、最後に台車14を原点ポイントHPまで走行させるといった内容である。
【0064】
作業データを入力した選択された台車14の車載側コンピュータ24は、該作業データに基づいてまず走行用モータ17を駆動させて作業停止ポイントP1まで走行して停止する。この作業停止ポイントP1の停止は、停止ポイント検出用センサ26aが停止ポイント用マークDP1を検出して出力される停止ポイント信号に応答してCPU24aが走行用モータ17を停止させることによって行われる。
【0065】
そして、停止ポイントP1で台車14を停止させると、該車載側コンピュータ24のCPU24aは、地上側コンピュータ40のCPU40aからの許可信号が出力されているか不許可信号が出力されているをチェックする。
【0066】
地上側コンピュータ40のCPU40aによる許可信号又は不許可信号の生成は、まずROM40bから第1ステーションST1に対するセンサ使用データSDを読み出す。この時、第1ステーションST1に対するセンサ使用データSDは、第1ステーションST1に設けた該障害物検出センサSN1である。従って、CPU40aは障害物検出センサSN1から障害検出信号が出力されているかチェックする。
【0067】
CPU40aは障害物検出センサSN1から障害検出信号が出力されていないとき、許可信号を生成し出力する。反対に、CPU40aは障害物検出センサSN1から障害検出信号が出力されてるとき、不許可信号を生成し出力する。この許可・不許可信号の生成は台車14が該作業停止ポイントP1に到達する前までに生成され出力される。
【0068】
車載側コンピュータ24のCPU24aは許可信号を入力すると、昇降用モータ20を駆動させて移載装置19を下降位置H1まで下降させる。この下降位置H1までの下降は、RAM24cに記憶されるその時々の移載装置19の下降位置が前記下降位置H1と一致した時、CPU24aが昇降用モータ20を停止させることによって行われる。従って、第1ステーションST1より下側にある第2、第3ステーションST2,ST3にある荷Wが移載装置19の移動経路上にはみ出し該ステーションST2,ST3の障害物検出センサSN2,SN3が障害検出信号を出力していても移載装置19は第1ステーションST1まで下降し移載作業が行われる。移載作業が完了すると、CPU24aは昇降用モータ20を駆動させて移載装置19を台車14まで引き上げ、次の作業停止ポイントP3まで走行用モータ17を制御して台車14を走行させる。
【0069】
一方、不許可信号を入力すると、車載側コンピュータ24のCPU24aは昇降用モータ20を停止させたままで、即ち移載装置19を下降させることなく台車14の位置で待機させる。つまり、下降位置H1まで下降する間にはみ出した荷Wがあると判断してその下降を停止する。この停止は、はみ出した荷Wが除去されるまで続く。そして、はみ出した荷Wが除去されると、当該荷Wを検出していた障害物検出センサSN1は障害検出信号を消失することから、地上側コンピュータ40は許可信号を生成する。従って、車載側コンピュータ24は前記した移載作業を行い、次の作業停止ポイントP3まで走行する。
【0070】
そして、作業停止ポイントP3での移載装置19に載置された荷Wの移載作業は、前記したと同様に該作業停止ポイントP3における移載作業が行われるステーションに対する許可・不許可信号が作成されて同様に行われる。
【0071】
以上詳述したように本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)有軌道台車14から移載装置19を下方に配置された各ステーションST1〜ST3に移載作業のために下降させる時、その移動範囲D1〜D3の障害物を検出する障害物検出センサを特定し、その特定した障害物検出センサが障害物である荷Wを検出していない時にはその下降を可能にした。又、その特定した障害物検出センサの少なくとも一つの障害物検出センサが障害物を検出した時にはその下降を不可能にした。
【0072】
従って、移載作業が行われるステーションより、即ち、移動範囲D1〜D3より下側にあるステーションにおいてその下側にあるステーションまで移載装置19が下降するのに障害のあるはみ出した荷Wが存在していても、移載装置19は下降不能になることなく移載作業は実行される。つまり、従来のように移載作業が行われるステーションまで移動するまでの移動経路より先の移動経路に支障があることによって移載装置が停止し移載作業を行わないといったことはない。その結果、搬送システム11における搬送効率を向上させることができる。
【0073】
(2)移載作業が行われるステーションまでの移動範囲内の障害物を検出する障害物検出センサを各ステーション毎にセンサ使用データSDとしてROM40bに予め記憶した。そして、移載装置19との間で移載作業が行われるステーションが決まると、地上側コンピュータ40のCPU40aは直ちに該ステーションに対する障害物検出センサをROM40bから読み出しその該当する障害物検出センサから障害検出信号が出力されているかどうかチェックするだけで許可・不許可信号を生成する。従って、処理速度が向上し、障害物が除去されたとき直ちに許可信号が生成され速やに移載作業が実行される。
【0074】
(第二の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第二の実施の形態を図6〜図8に従って説明する。本実施の形態は地上に架設された走行レールに沿って走行する無人の有軌道台車であることが第一の実施の形態と大きく相違する。従って、本実施の形態では昇降する移載装置は無く、有軌道台車自体が移載装置を構成している。
【0075】
図6は本実施の形態における搬送システム51を示す。搬送システム51の走行経路52は、地上に架設した走行レール53により閉ループ状に形成されている。該レール53上には、複数台(本実施の形態では3台)の有軌道台車(以下、単に台車という)54が矢印で示す方向に周回走行するようになっている。走行レール53にて形成される走行経路52には、特定の一箇所に前記第一の実施の形態と同じ意味を持つ原点ポイントHPが設けられている。従って、台車54のその時々の位置は、該原点ポイントHPを基点に特定される。そして、原点ポイントHPを指標するための原点ポイント用マークDHPが同様に走行レール53の側面の原点ポイントHPに設けられている。
【0076】
前記走行経路52に沿って複数(本実施の形態では3基)のステーションST1〜ST3が地上に配置されている。
第1ステーションST1は原点ポイントHPから走行して最初に台車54が到達するステーションであって、台車54との間で荷Wの移載が行われる。第2ステーションST2は前記第1ステーションST1の次に台車54が到達するステーションであって、台車54との間で荷Wの移載が行われる。第3ステーションST3は第2ステーションST2の次に台車54が到達するステーションであって、台車54との間で荷Wの移載が行われる。各ステーションST1〜ST3は搬送コンベア55〜57を有し、荷Wを搬送コンベア55〜57を介して他の場所から該ステーションST1〜ST3まで搬送したり、荷Wを該ステーションST1〜ST3から搬送コンベアにて他の場所まで搬送するための受け渡し基地となっている。
【0077】
各ステーションST1〜ST3には、それぞれ前記第一の実施の形態と同じ構成の障害物検出センサSN1〜SN3が設けられている。各障害物検出センサSN1〜SN3はそれぞれ対応するステーションST1〜ST3から走行レール53側に荷Wがはみ出し台車54の通過又は移載作業のために当該ステーションに停止する際に、その通過又は停止に支障をきたすほど荷Wがはみ出しているとき障害検出信号を出力する。又、各ステーションST1〜ST3には、それぞれ台車検出センサSNa〜SNcが設けられている。各台車検出センサSNa〜SNcは光反射式センサであって、台車54に設けた反射体58(図7参照)からの反射光を検知する。そして、台車58が対応するステーションST1〜ST3に対して移載作業ができる位置に来た時、台車検出センサSNa〜SNcは反射体58と相対向し検知信号を出力するようにな位置に設けられている。
【0078】
各搬送コンベア55〜57はそれぞれステーションST1〜ST3に対応して設けたコンピュータよりなるコンベア制御コントローラ61〜63に基づいて駆動制御される。各コンベア制御コントローラ61〜63は対応するステーションST1〜ST3に隣接した位置に設置されている。各コントローラ61〜63にはそれぞれ対応するステーションST1〜ST3の障害物検出センサSN1〜SN3及び台車検出センサSNa〜SNcが接続されている。
【0079】
各コンベア制御コントローラ61〜63はそれぞれ対応する障害物検出センサSN1〜SN3からの障害検出信号を入力すると、それぞれ対応する搬送コンベア55〜57の駆動を停止させるとともに、隣接して設けた警報ランプ64〜66を点灯させる。
【0080】
台車54は、レール53上を転動する図示しない駆動輪及び従動輪と、レール53の側面を挟持する図示しないガイド輪とを備えている。駆動輪は走行用モータ67により駆動され、台車54をレール53に沿って走行させる。図7に示すように、台車54の上面は移載装置68になっていて、その移載装置68にはコンベアローラ69が設けられている。そして、コンベアローラ69の転動によりステーションST1〜ST3から移載装置68上に荷Wが案内されたり、移載装置68からステーションST1〜ST3に案内されて移載作業が行われる。
【0081】
図8は、上記構成した搬送システム51の電気的構成を示す電気回路図である。
運行管理コンピュータ70は、中央処理装置(CPU)70a、制御プログラム等を記憶した読み出し専用のメモリ(ROM)70b及び読み出し及び書き替え可能な作業用メモリ(RAM)70c及び入力キーボード70d等から構成されている。ROM7 0bは制御プログラムの他に前記第一の実施の形態と同様にセンサ使用データSDを予め記憶している。センサ使用データSDは、該搬送システム51に設けられた全てのステーションST1〜ST3毎に設けられて、各ステーションST1〜ST3に対して台車54が原点ポイントHPから該ステーションST1〜ST3まで移載のための移動範囲D1〜D3においてその移動に障害ある障害物(走行経路52にはみ出した荷W)を検出するのに十分である障害物検出センサはどれかを特定するデータである。
【0082】
因みに、本実施の形態においては、第1ステーションST1のセンサ使用データSDは、第1ステーションST1に設けた障害物検出センサSN1である。又、第2ステーションST2のセンサ使用データSDは、第1ステーションST1に設けた障害物検出センサSN1と第2ステーションST2に設けた障害物検出センサSN2となる。さらに、第3ステーションST3のセンサ使用データSDは、第1〜第3ステーションST1〜ST3に設けた各障害物検出センサSN1〜SN3となる。つまり、原点ポイントHPから第3ステーションST3までの移動経路(移動範囲D3)より、台車54が原点ポイントHPから第1及び第2ステーションST1,ST2に移動する移動範囲D1,D2は短く手前、即ち上流側である。そして、当該ステーションを含む上流側にあるステーションの障害物検出センサをセンサ使用データSDとして記憶し、下流側にあるステーションの障害物検出センサは除外している。
【0083】
CPU70aは、各台車54に搭載された車載側コンピュータ71と接続され、互いにデータの交信を行う。尚、両コンピュータ70,71の接続は第一の実施の形態と同様に走行レール53に配線した図示しない通信用トロリー線を介して行われる。又、図8においては、説明の便宜上、一台の台車54の車載側コンピュータ71のみ記載した。
【0084】
そして、運行管理コンピュータ70は、前記第一の実施の形態で示した地上側コンピュータ40と同様な作業データ(例えば第2ステーションST2の荷Wを第3ステーションST3に搬送する内容のデータ)を作成し、その作業データに従った移載作業を実行する台車54を選定する。運行管理コンピュータ70は選定した台車54に対して該作業データを出力する。
【0085】
又、運行管理コンピュータ70は各コンベア制御コントローラ61〜63を介して前記障害物検出センサSN1〜SN2からの検出信号を入力し、前記センサ使用データSDとこの検出信号の有無に基づいて許可信号又は不許可信号を生成し車載側コンピュータ71に出力する。
【0086】
車載側コンピュータ71は、中央処理装置(CPU)71a、制御プログラム等を記憶した読み出し専用のメモリ(ROM)71b及び読み出し及び書き替え可能な作業用メモリ(RAM)71c等から構成されている。
【0087】
車載側コンピュータ71は、台車54に設けた前記第一の実施の形態と同様な走行用ロータリエンコーダ72、インバータ73と接続されている。CPU71aは走行用ロータリエンコーダ72からのパルス信号に基づいて前記第一の実施の形態と同様に前記原点ポイントHPからの走行距離としてRAM71cに記憶する。又、CPU71aは前記運行管理コンピュータ70からの作業データに基づいてインバータ73を介して前記走行用モータ67を前記第一の実施の形態と同様に駆動制御する。又、CPU71aは前記運行管理コンピュータ70からの許可信号に基づいて前記作業用データに基づく走行用モータ67の制御を可能にするとともに、不許可信号に基づいて前記作業データに基づく走行用モータ67の駆動制御を停止し移載作業を行うステーションまでの走行を不可能にする。
【0088】
次に、この搬送システム51の運行制御について説明する。
運行管理コンピュータ70が作成した作業データが第1ステーションST1の荷Wを第3ステーションST3に搬送するものとする。つまり、この作業データの内容は、原点位置HPから移動範囲D1の第1ステーションST1まで走行したら停止し、第1ステーションST1にある荷Wを台車54の移載装置68に移載する。移載が終了したら台車54を第3ステーションST3まで走行させ、第3ステーションST3に台車54の移載装置68にある荷Wを移載する。移載が終了したら台車14を原点ポイントHPまで走行させるといった内容である。
【0089】
運行管理コンピュータ70は、その作業データに従った移載作業を実行する台車54を選定する。運行管理コンピュータ70は選定した台車54に対して該作業データを出力する。
【0090】
作業データを入力した選択された台車54の車載側コンピュータ71は、該作業データに基づいてまず走行用モータ67を駆動させて原点ポイントHPまで走行して停止する。そして、原点ポイントHPまで走行すると、該車載側コンピュータ71のCPU71aは、運行管理コンピュータ70のCPU70aからの許可信号が出力されているか不許可信号が出力されているをチェックする。
【0091】
地上側コンピュータ70のCPU70aによる許可信号又は不許可信号の生成は、まずROM70bから第1ステーションST1に対するセンサ使用データSDを読み出す。この時、第1ステーションST1に対するセンサ使用データSDは、第1ステーションST1に設けた該障害物検出センサSN1である。従って、CPU70aは障害物検出センサSN1から障害検出信号が出力されているかチェックする。
【0092】
CPU70aは障害物検出センサSN1から障害検出信号が出力されていないとき、許可信号を生成し出力する。反対に、CPU70aは障害物検出センサSN1から障害検出信号が出力されてるとき、不許可信号を生成し出力する。この許可・不許可信号の生成は台車54が該原点ポイントHPに到達する前までに生成され出力される。
【0093】
車載側コンピュータ71のCPU71aは許可信号を入力すると、走行用モータ67を駆動制御して台車54を移動範囲D1の第1ステーションST1まで走行させる。この第1ステータションST1までの走行は、前記台車検出センサSNaが台車54に設けた反射体58を検出しその検出信号がコンベア制御コントローラ61を介して運行管理コンピュータ70に出力され、該検出信号に基づいて管理コンピュータ70が車載側コンピュータ71に停止信号が出力された時、停止する。
【0094】
従って、第1ステーションST1より下流側にある第2、第3ステーションST2,ST3にある荷Wが台車54の走行経路52上にはみ出し該ステーションST2,ST3の障害物検出センサSN2,SN3が障害検出信号を出力していても台車54は第1ステーションST1まで走行し移載作業が行われる。移載作業が完了すると、CPU71aは走行用モータ67を駆動させて次の第3ステーションST3まで台車54を走行させる。この時、該第2又は第3ステーションST2,ST3の障害物検出センサSN2,SN3が障害検出信号を出力していた場合には、CPU71aは、台車54を第1ステーションST1で停止させ障害物が除去されるまで待機している。
【0095】
一方、不許可信号を入力すると、車載側コンピュータ71のCPU71aは走行用モータ67を停止させたまま台車54を原点ポイントHPの位置で待機させる。つまり、第1ステーションST1にはみ出した荷Wがあると判断してその走行を停止する。この停止は、はみ出した荷Wが除去されるまで続く。そして、はみ出した荷Wが除去されると、当該荷Wを検出していた障害物検出センサSN2,SN3は障害検出信号を消失することから、運行管理コンピュータ70は許可信号を生成する。従って、車載側コンピュータ71は前記した動作を行い移載作業を行い次の第3ステーションST3まで走行する。そして、以後同様な方法で台車54は制御され移載作業が同様に行われる。
【0096】
以上詳述したように本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)有軌道台車54を各ステーションST1〜ST3に移載作業のために走行させる時、その移動範囲D1〜D3の障害物を検出する障害物検出センサSN1〜SN3を特定し、その特定した障害物検出センサSN1〜SN3が障害物である荷Wを検出していない時にはその走行を可能にした。又、その特定した障害物検出センサの少なくとも一つの障害物検出センサが障害物を検出した時にはその下降を不可能にした。
【0097】
従って、移載作業が行われるステーションST1〜ST3より下流側、即ち、移動範囲D1〜D3より下流側にあるステーションにおいてその下流側にあるステーションまで有軌道台車54が走行した場合には障害のあるはみ出した荷Wが存在していても、有軌道台車54は走行不能になることなく移載作業は実行される。つまり、従来のように移載作業が行われるステーションまで移動するまでの移動範囲より先の移動経路に支障があることによって有軌道台車54が停止し移載作業を行わないといったことはない。その結果、搬送システム51における搬送効率を向上させることができる。
【0098】
(2)移載作業が行われるステーションまでの移動範囲内の障害物を検出する障害物検出センサを各ステーション毎にセンサ使用データSDとしてROM70bに予め記憶した。そして、有軌道台車54の移載装置68との間で移載作業が行われるステーションが決まると、運行管理コンピュータ70のCPU70aは直ちに該ステーションに対する障害物検出センサをROM70bから読み出しその該当する障害物検出センサから障害検出信号が出力されているかどうかチェックするだけで許可・不許可信号を生成する。従って、処理速度が向上し、障害物が除去されたとき直ちに許可信号が生成され速やに移載作業が実行される。
【0099】
本発明は、上記各実施の形態の他、以下の態様で実施してもよい。
(1)第二の実施の形態の搬送システム51を第一の実施の形態の搬送システム11に具体化してもよい。つまり、第一の実施の形態では、有軌道台車14に吊り下げた移載装置19について具体化しただけである。これを有軌道台車14が各作業停止ポイントP1〜P3に走行する際の移動制御に応用してもよい。この場合、さらに搬送効率のよい搬送システム11にすることができる。
【0100】
(2)第一及び第二の実施の形態におけるステーションの数は、3機であったが、その数は限定されるものではなく、さらに増加して実施してもよい。増加すれば増加するほどより搬送効率が高い搬送システム11、51にすることができる。
【0101】
(3)各実施の形態において、移動範囲D1〜D3における移動障害となるものをステーションにある荷Wとしたが、これに限定されるものではない。例えば、障害物として人でもよい。この場合、人がその移動経路内に入り込むのを検出するセンサがセンサ使用データSDとなる。
【0102】
(4)各実施の形態では天井又は地上に架設した走行レール13,53上を走行する有軌道台車14,54に具体化したが、床面に敷設した誘導線に沿って走行する無人搬送車、床面に白ペンキ等で書いた走行経路を認識して走行する無人搬送車等に応用してもよい。
【0104】
【発明の効果】
請求項に記載された発明によれば、判定装置が判定の範囲を移動経路の上流から当該移載作業を行うステーションまでの範囲に特定しているため、当該移載作業を行うステーションより下流側に位置する移動経路に障害物があっても判定の範囲外であるので当該移載作業が実行されることになり、移載作業に支障きたさない移動経路上に障害物があっても移載作業が行われ移載装置の搬送効率を上げることができる。
【0105】
また、移載作業に支障きたさない昇降経路上に障害物があっても移載作業が行われることから、移載装置を備えた有軌道台車の搬送効率を上げることができる。
【0106】
請求項に記載の発明によれば、判定処理動作が高速となる
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態を移載作業を説明する説明図。
【図2】同じく搬送システムを説明するレイアウト図。
【図3】同じく有軌道台車を説明する正面図。
【図4】同じく有軌道台車の電気的構成を説明するブロック回路図。
【図5】同じくシステム全体の電気的構成を説明するブロック回路図。
【図6】第二の実施の形態を説明するための搬送システムのレイアウト図。
【図7】同じく有軌道台車を説明するための斜視図。
【図8】同じくシステム全体の電気的構成を説明するブロック回路図。
【図9】従来の有軌道台車の移載作業を説明する説明図。
【符号の説明】
13,53…走行レール、14,54…有軌道台車、19,68…移載装置、24,71…車載側コンピュータ、34〜36,61〜63…コンベア制御コントローラ、40…地上側コンピュータ、70…運行管理コンピュータ、40a,70a…中央処理装置(CPU)、ST1〜ST3…第1〜第3ステーション、SD…センサ使用データ、SN1〜SN3…障害物検出センサ、D1〜D3…移動範囲、W…荷。

Claims (3)

  1. 移動経路上に上流から下流に向かって配置された複数のステーションと、
    前記移動経路の上流と下流との間を往復移動し各ステーションとの間で荷移載作業を行う移載装置と、
    前記各ステーションにそれぞれ設けられ移載装置が該ステーションを通過又は該ステーションに停止するのに障害となる障害物の有無を検出する障害物検出センサと、
    前記移載装置を移動経路の上流から下流に向かって移載作業を行うためのステーションまで移動させるとき、該移載装置が移動する移動経路における移動範囲に含まれるステーションに設けた障害物検出センサの検出結果に基づいて障害物の有無を判定する判定装置と、
    前記判定装置の判定結果に基づいて前記移載装置を移載作業を行うためのステーションまで移動の制御する駆動制御装置と
    からなる移載装置の移動制御装置であって、
    前記移載装置は、天井に架設されたレールに沿って走行する有軌道台車に設けられ、該有軌道台車に備えた昇降駆動装置にて昇降移動するものであり、
    前記複数のステーションは、前記昇降する移載装置の移動経路に沿って上下方向に配置されているものであり、
    前記判定装置は、前記各ステーションに設けた障害物検出センサの検出信号を入力するとともに、移載作業をするためのステーションと該移載作業するためのステーションまで降下する際に通過するステーションを特定し、その特定したステーションに設けた障害物検出センサの少なくとも一つが障害物があると検出している時、移動不能と判定し不許可信号を生成し、その特定した全ての障害物検出センサが障害物を検出しないとき移動可能と判定し許可信号を生成するものであり、
    前記駆動制御装置は、前記有軌道台車に設けられ、前記判定装置からの不許可信号に基づいて前記移載装置の下降を不能させるための停止信号を、前記許可信号に基づいて移載装置の下降を可能させるための駆動信号を昇降駆動装置に出力するものである移載装置の移動制御装置
  2. 請求項1に記載の移載装置の移動制御装置において、
    前記判定装置は、前記有軌道台車から離間した地上側に設けた地上側コンピュータであって、有軌道台車に対して移載作業のための運行指令データを作成する機能を備えており、
    前記駆動制御装置は、前記有軌道台車に設けた車載側コンピュータであって、前記地上側コンピュータとの間で相互にデータ転送を行い、前記運行指令に基づいて有軌道台車に備えた走行用モータを駆動制御するとともに前記昇降駆動装置を駆動制御するものである移載装置の移動制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の移載装置の移動制御装置において、
    前記判定装置は、各ステーション毎に、前記特定したステーションに設けた障害物検出センサを示すデータを記録した記憶装置を備えているものである移載装置の移動制御装置。
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