JP3791045B2 - 新規化合物及びそれを感光色素として用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

新規化合物及びそれを感光色素として用いたハロゲン化銀写真感光材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規化合物及びそれを感光色素として用いたハロゲン化銀写真感光材料に関するものであり、詳しくは新規化合物及びそれを感光色素として用いたことにより分光増感され、写真特性が改良されたハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料とも略称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感光性ハロゲン化銀乳剤(以下、ハロゲン化銀乳剤或は単に乳剤等とも称する)にある種の色素を加えるとハロゲン化銀乳剤の感光波長域が拡大され、光学的に増感されることは周知の通りである。
【0003】
この目的に用いられる色素は従来より多数の化合物が知られており、例えばティ・エイチ・ジェイムス著「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」第4版(1977、マクミラン社、N.Y.)p.194〜234、フランシス・エム・ハーマー著「ザ・シアニン・ダイズ・アンド・リレイテド・コンパウンズ」(1964、ジョン・ウイリイ・アンド・サンズ、N.Y.)、ディー・エム・スターマー著「ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ30巻」p.441〜(1977、ジョン・ウイリイ・アンド・サンズ、N.Y.)等に記載されているスチリル色素、ヘミシアニン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、キサンテン色素等の各種色素が知られおり、各種の複素環母核や芳香環と共役鎖の長さ、並びに置換基を選択、組み合わせることによって近紫外部から近赤外領域にかけて任意の吸収極大波長を有する色素に誘導されている。
【0004】
これらの分光増感色素は単にハロゲン化銀乳剤の感光波長域を拡大するだけでなく、以下の諸条件を満足させるものでなければならない。
【0005】
1)分光増感域が適切であること
2)分光増感効率が高いこと
3)他の添加剤、例えば、安定剤、カブリ防止剤、塗布助剤、高沸点溶剤等との間に悪い相互作用がないこと
4)カブリ発生やガンマ変化等、示性曲線に悪影響を与えないこと
5)増感色素を含有したハロゲン化銀写真感光材料を経時させたとき(特に、高温・高湿下に保存した場合)にカブリ等の写真性能を変化させないこと
6)添加された感光色素が異なる感光波長域の層へ拡散して色濁りを起こさないこと
7)現像定着水洗された後は感光色素が抜けて、色汚染を引き起こさないこと。
【0006】
しかしながら、従来開示されている分光増感色素は、未だこれら諸条件すべてを充分満足する水準には至っていない。
【0007】
ところで、イミダゾール母核を有する色素として知られている色素は、他のアゾール環母核色素に比べて流出し易く感光材料を汚染させる(以下、残色汚染と称する)程度が小さい特徴がみられる。しかしながら、イミダゾール環の塩基性が高い故にカブリ易い傾向があり、長期間経時させた場合にカブリを生じる欠点があった。
【0008】
保存性能を改良するには塩基性を下げることが有効であることが知られており、イミダゾール母核を有する色素の多くはベンズイミダゾール環の縮合環に電子吸引性基が置換された構造を特徴としている。多くの電子吸引性基は分子サイズが嵩高い基であり、置換基の種類、置換位置によってハロゲン化銀粒子上への吸着状態あるいは凝集体の形成状態が大きな影響を受け、その結果、写真性能が変化するという問題や、本来保有していた良好な残色性を損なってしまうという問題が生じてしまった。
【0009】
構造変化で大きな写真特性変化を伴うことなく保存性を改良する感光色素としてはイミダゾール核のN位アルキル基へ電子吸引性基を置換したイミダゾロカルボシアニン色素が特開昭59−181338号、同60−175939号、同61−32840号、リサーチディスクロージャー37312号(1995、5)に開示されている。
【0010】
開示された色素は保存性改良効果が認められるものであるが、未だ改良効果が不充分であり、更なる改良が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の第一の目的は、新規化合物及びそれを感光色素として用いたことにより分光増感され、写真特性が改良されたハロゲン化銀感光材料を提供することにあり、第二の目的は、高感度で残色汚染が軽減された新規な感光色素により写真特性が改良されたハロゲン化銀感光材料を提供することにあり、第三の目的は新規な感光色素により増感され、写真特性が改良されたハロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
【0013】
(1).下記一般式〔V〕で表される化合物。
【0020】
【化8】
Figure 0003791045
【0021】
〔式中、Z2C−(CH=CH) k2 −Nと共に5員又は6員の窒素複素環基を形成する原子群を表し、飽和炭素環、ベンゼン環及びナフタレン環で縮合環を形成されていてもよい。R14及びR15は各々脂肪族炭化水素基を表し、L10、L11、L12、L13、L14、L15及びL16は各々メチン基又は窒素原子を表し、X12は分子の総電荷を相殺するに必要なイオンを表し、k2は0又は1の整数を表し、l12は分子内の電荷を中和させるに必要な数を表す。W11、W12、W13及びW14は各々、水素原子または式Vにおけるイミダゾール環のベンゼン環上に置換しうる基を表し、W11とW12、W12とW13、W13とW14、W14とR14の間で各々縮合環を形成してもよい。m5、m6及びm7は各々0又は1の整数を表す。〕
(2).支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於て、前記感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層中に含まれるハロゲン化銀粒子が(1)に記載の一般式〔V〕で表される感光色素によって分光増感されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0023】
以下、本発明を更に具体的に説明する。
【0030】
本発明の新規な感光色素はビニル基をN位に置換したイミダゾール核を少なくとも1つの基本核として有する構造であり、共鳴系の極限構造に於てイミダゾリリデン構造とイミダゾリウムイオン構造をとり得る。
【0031】
好ましい形に於て、本発明の感光色素はベンズイミダゾール核を有するポリメチン色素である。これはメチン基を介して結合した2つの複素環核を有するシアニン色素の形をとることができる。
【0032】
本発明の感光色素としては、下記一般式〔V〕で表される感光色素(化合物)である
【0034】
【化10】
Figure 0003791045
【0035】
一般式〔V〕で示される化合物に於て、R14、R15は、即ち、R14、R15で示される脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10の分岐或は直鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、2−エチル−ヘキシル、オクチル、デシル等の各基)、炭素原子数3〜10のアルケニル基(例えば、2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル、4−ヘキセニル等の各基)が挙げられる。
14、R15で示される基は、更に、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメチレンカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチレンアミノスルホニル基等)、メタンスルホニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド基等)等の置換基で置換されていても良く、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ホスフォノ基、スルファート基、ヒドロキシ基、スルフィノ基、スルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アシルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アシルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、スルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)等の水可溶化基で置換されていることが好ましい。これら水可溶化基を置換した脂肪族炭化水素基の具体的例としては、カルボキシメチル、カルボキシエチル、スルホエチル、スルホプロピル、スルホブチル、スルホペンチル、3−スルホブチル、6−スルホ−3−オキサヘキシル、ω−スルホプロポキシキカルボニルメチル、ω−スルホプロピルアミノカルボニルメチル、3−スルフィノブチル、3−ホスフォノプロピル、ヒドロキシエチル、N−メタンスルホニルカルバモイルメチル、4−スルホ−3−ブテニル、2−カルボキシ−2−プロペニル、o−スルホベンジル、p−スルホフェネチル、p−カルボキシベンジル等の各基が挙げられる。
14は一般式〔V〕で示される化合物のベンゾイミダゾール母核部分を除く残基部分と共同して、縮合複素環(好ましくは5,6員)を形成しても良い。
【0036】
11〜W14で表される式Vにおけるイミダゾール環のベンゼン環上に置換しうる基としては任意の基でよく、例えばハロゲン原子(例えば、フッソ原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アリール基(例えば、フェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ブロモフェニル基等)、複素環基(例えば、イミダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾオイサゾリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基等)、アルキニル基(例えば、1−プロピニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等)、トリフルオロメチル基、アラルキル基(例えば、ベンジル基、3−クロロベンジル基等)、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基等)、スルファモイル基(スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルフォリノスルファモイル基等)、ヒドロキシル基のような基などが挙げられるが該置換基のハメットσp値を加算した時、総和が0.12〜1.4の範囲が好ましい。
【0037】
11とW12、W12とW13、W13とW14、W14 14 間で形成することができる縮合環としては、例えば6員の飽和または不飽和の炭素環基、並びに、5員、6員の複素環基が挙げられイミダゾール環とともに例えばナフト〔2,1−d〕イミダゾール、ナフト〔1,2−d〕イミダゾール、ナフト〔2,3−d〕イミダゾール、1−アザ−4,5,6−トリヒドロベンゾ〔h,i〕インドリジン等を形成する。これらの縮合環上には前記 11 〜W 14 で挙げた任意の基を置換することができる。
【0038】
前記一般式〔V〕で用いられるハメットσp値はHammett等によって安息香酸エチルの加水分解に及ぼす置換基の電子的効果から求められた置換基定数であり、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー23巻、420−427(1958)、実験化学講座14巻(丸善出版社)、フィジカル・オーガニック・ケミストリー(Mc Graw Hill Book社:1940年)、ドラックデザインVII巻(Academic Press New York:1976年)、薬物の構造活性相関(南江堂:1979年)等に詳しく記載されている。
【0039】
10 〜L 16 は、各々独立に窒素原子或は置換或は非置換のメチン炭素を表し、これらメチン炭素に置換される基としては、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ベンジル等の各基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等の各基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ等の各基)、アシル基(例えば、アセチル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シアノ基、アリール基(例えば、フェニル、カルボキシフェニル等の各基)、複素環基(例えば、2−チエニル、2−フリル、1,3−ビス(2−メトキシエチル)−6−ヒドロキシ−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ピリミジル、5−ヒドロキシ−3−メチル−1−フェニル−4−ピラゾリル等の各基)等の基がある。又、メチン炭素は隣接するメチン炭素、或は隔たったメチン炭素と各々、アルキレン基を介して結合して5員、6員の炭素環を形成することもでき、又メチン鎖に結合したアゾール環を形成している窒素原子上の置換基と結合して5員、6員の含窒素複素環を形成することもできる。具体的例として以下のものが挙げられる。
【0040】
【化11】
Figure 0003791045
【0041】
式中、ZAは前記一般式〔IV〕、〔V〕、〔VI〕中のZ1〜Z3と同義である。RA及びRBは、各々、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、RCは、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アミノ基、複素環基またはハロゲン原子を表し、tは3または4の整数である。RA、RB及びRCで示されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル等の低級の基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル、p−トリル等の各基が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ等の各基が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ等の基が挙げられ、アラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、m−ブロモベンジル等の各基が挙げられ、複素環基としては、例えば、モルフォリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、イミダゾリル、ピロリル等の各基が挙げられる。 RCで示されるアミノ基としては、例えばN,Nジメチルアミノ、N,Nジエチルアミノ等の各基が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素等の各原子が挙げられる。
【0047】
一般式〔V〕で示される化合物に於て、Z2は、C−(CH=CH) k2 −Nと共に5員、6員の含窒素複素環基を形成する原子群を表し、飽和炭素環、ベンゼン環及びナフト環で縮合環を形成されていてもよい。これらアゾール環の具体的例としては、例えば、ピリジン(2−、4−)、キノリン(2−、4−)、イソキノリン、オキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾール、4,5−トリメチレンオキサゾール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフト[1,2−d]オキサゾール、ナフト[2,3−d]オキサゾール、チアゾリジン、チアゾリン、チアゾール、4,5−トリメチレンチアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール、ベンゾチアゾール、ナフト[1,2−d]チアゾール、ナフト[2,3−d]チアゾール、セレナゾール、セレナゾリン、ベンゾセレナゾール、ナフト[1,2−d]セレナゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、インドール、インドレニン、ベンゾテルラゾール等が挙げられる。これらのアゾール環は任意の位置に置換基を有していても良く、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、t−ペンチル、イソブチル、ベンジル等の各基)、アルキニル基(例えば、1−プロピニル等の基)、ハロゲン原子(フッソ原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、ベンジルオキシ等の各基)、アルキルメルカプト基(例えば、メチルメルカプト、エチルメルカプト等の各基)、ヒドロキシ基、シアノ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、トリルオキシ等の置換、非置換の各基)、またはアリール基(例えば、フェニル、p−クロロフェニル等の置換、非置換の各基)、スチリル基、複素環基(例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル等の各基)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル等の各基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル等の各基)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ等の各基)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル等の各基)、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル等の基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミド、ベンゼンスルホンアミド等の各基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各基)、カルボキシ基等の任意の基が置換できる。
【0049】
一般式〔V〕で示される化合物に於て、 12 は、カチオンあるいは酸アニオンを表し、カチオンの具体例としては、プロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチルアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの具体例としては例えば、ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン等が挙げられる。l 12 は、分子内塩を形成して電荷が中和される場合は0となる。 2 、m 5 〜m 7 は、各々、0又は1の整数を表す
【0050】
一般式〔V〕で示される化合物に於ては、分子内に少なくとも1つの水可溶性基と少なくとも1つの親水性の基を置換している化合物が好ましい。
【0051】
一般式〔V〕で表される感光色素の具体例として、例示化合物(1)〜(80)、(91)〜(94)、(111)を以下に示すが、本発明に用いられる増感色素はこれらの化合物に限定されるものではない。
また、参考の感光色素の具体例として、(81)〜(90)、(95)〜(110)を以下に示す。
【0052】
【化15】
Figure 0003791045
【0053】
【化16】
Figure 0003791045
【0054】
【化17】
Figure 0003791045
【0055】
【化18】
Figure 0003791045
【0056】
【化19】
Figure 0003791045
【0057】
【化20】
Figure 0003791045
【0058】
【化21】
Figure 0003791045
【0059】
【化22】
Figure 0003791045
【0060】
【化23】
Figure 0003791045
【0061】
【化24】
Figure 0003791045
【0062】
【化25】
Figure 0003791045
【0063】
【化26】
Figure 0003791045
【0064】
【化27】
Figure 0003791045
【0065】
【化28】
Figure 0003791045
【0066】
【化29】
Figure 0003791045
【0067】
【化30】
Figure 0003791045
【0068】
【化31】
Figure 0003791045
【0069】
【化32】
Figure 0003791045
【0070】
【化33】
Figure 0003791045
【0071】
【化34】
Figure 0003791045
【0072】
【化35】
Figure 0003791045
【0073】
【化36】
Figure 0003791045
【0074】
次に本発明の化合物の代表的合成例を以下に示す。
【0075】
《中間体の合成》
参考合成例1「4−(N−2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−ニトロベンゾトリフルオリド(中間体1)の合成」
4−クロロ−3−ニトロベンゾトリフルオリド67.7gをエタノール350mlに加え加熱還流しながら40.3gのエタノールアミンを徐々に加え、30分間反応させた。反応後、エタノールを留去し水を加えて析出した結晶を濾取し水洗した後、エタノールより再結晶して70.5gの中間体1が得られた。融点73〜75℃
参考合成例2「1−(2−アセトキシエチル−2−メチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾール(中間体2)の合成」
25gの中間体1を氷酢酸100mlに加え、5%Pd−C触媒のもとに接触還元した。反応液に無水酢酸100mlを加えた後に触媒を濾過して除き、濾液を加熱しながら酢酸を留去し、さらに15時間加熱還流した。反応終了後、無水酢酸を留去し、濃縮物を炭酸ソーダ水溶液中に注ぎ込んで結晶化させた。沈殿物を濾取して水洗、乾燥した。ジイソプロピルエーテルより再結晶して20gの中間体2が得られた。融点88〜90℃
参考合成例3「1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾール(中間体3)の合成」
16.7gの中間体2をメタノール20mlに溶かし、水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム2.5g+水10ml)を加えて室温放置した。反応して析出した結晶を濾取し、エタノールで洗い次いで水洗、乾燥した。メタノールより再結晶して13.8gの中間体3が得られた。融点205〜207℃
参考合成例4「1−(2−クロロエチル)−2−メチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾール(中間体4)の合成」
16.3gの中間体3をクロロホルム90mlに懸濁させ室温で9.5gの塩化チオニルを徐々に滴下反応させた。直ちに反応して溶液となるがさらに1.5時間加熱還流した後、溶媒を留去した。残った結晶を水に溶解し、次いで炭酸ソーダ水溶液を加えて得られた結晶を濾取し水洗、乾燥した。n−ヘキサンから再結晶して14.9gの中間体4が得られた。融点76〜79℃
参考合成例5「1−ビニル−2−メチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾール(中間体5)の合成」
11.4gの中間体4を40mlのTHFに溶かし、水酸化カリウム粉末10gを加えて1時間加熱還流した。反応液を濾過し溶媒を留去して得られた結晶を水洗、乾燥した。n−ヘキサンより再結晶して7.2gの中間体5が得られた。融点77〜80℃
参考合成例6「1−ビニル−2−メチル−6−クロロベンズイミダゾール(中間体6)の合成」
2,4−ジクロロニトロベンゼンを出発物質に参考合成例1〜4を参考にして合成した1−(2−ブロモエチル−2−メチル−6−クロロベンズイミダゾール11.6gを64mlのDMFに溶かし、60℃に加温して20%水酸化カリウム溶液12gを1時間かけて滴下した。反応後300mlの水を加えて得られた結晶を濾取し水洗、乾燥した。ジイソプロピルエーテルより再結晶して7.7gの中間体6が得られた。融点89〜92℃
参考合成例7「1−ビニル−2−メチル−5−トリフルオロメチル−6−クロロベンズイミダゾール(中間体7)の合成」
2,4−ジクロロ−5−ニトロベンゾトリフルオリドを出発物質に参考合成例1〜4を参考にして合成した1−(2−クロロエチル)−2−メチル−5−トリフルオロメチル−6−クロロベンズイミダゾール11.9gを50mlのTHFに溶かし、50%水素化ナトリウム2.3gを室温で加えた。反応液を濾過し溶媒を留去して得られた結晶を水洗、乾燥した。ジイソプロピルエーテルより再結晶して9.7gの中間体7が得られた。融点131〜132℃
参考合成例8「3−(1−ビニル−2−メチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾリオ)プロパンスルフォネート(中間体8)の合成」
4.5gの中間体5と3gの1,3プロパンサルトンをスルフォラン6gと共に120℃で10分反応させて生成した結晶を濾取し、アセトンで洗浄して6.8gの中間体8が得られた。融点292〜293℃(分解)
参考合成例9「3−(1−ビニル−2−(2−アニリノエテニル)−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾリオ)プロパンスルフォネート(中間体9)の合成」
6.8gの中間体8と4.6gのジフェニルフォルムアミジンとm−クレゾール2mlを合わせて140〜150℃で4時間加熱反応させた後、生成した結晶をアセトンを加えて濾過しアセトン、エタノール、水で洗浄し乾燥して7.6gの中間体9が得られた。融点270〜272℃
参考合成例10「3−(1−ビニル−2−(2−(N−アセチル)アニリノエテニル)−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾリオ)プロパンスルフォネート(中間体10)の合成」
7.6gの中間体9と無水酢酸30mlとトリエチルアミン7mlを合わせ90〜100℃で15分反応させた後、アセトンを加えて結晶を濾取しアセトンで洗浄した後、粗結晶をメタノールより再結晶して7.4gの中間体10が得られた。融点257〜259℃
参考合成例11「3−(1−ビニル−2−メチル−6−クロロベンズイミダゾリオ)プロパンスルフォネート(中間体11)の合成」
4.2gの中間体6と3gの1,3プロパンサルトンをスルフォラン6gと共に140℃で30分反応させて生成した結晶をアセトンで洗浄し、6.7gの中間体11が得られた。融点285〜288℃(分解)
参考合成例12「1−ビニル−2−メチル−3−エチル−5−トリフルオロメチル−6−クロロベンズイミダゾリウム・p−トルエンスルフォネート(中間体12)の合成」
4.6gの中間体7と4.8gのp−トルエンスルフォン酸エチルを100℃で20分反応させ、ジイソプロピルエーテルで処理して生成した結晶を濾取し、4.5gの中間体12が得られた。
【0076】
参考合成例13「3−(1−ビニル−2−メチル−5−トリフルオロメチル−6−クロロベンズイミダゾリオ)プロパンスルフォネート(中間体13)の合成」
5.2gの中間体7と3gの1,3プロパンサルトンをスルフォラン6gと共に140℃で30分反応させて生成した結晶をアセトンで洗浄し、7.2gの中間体13が得られた。融点295〜298℃(分解)
《色素の合成》
本発明の増感色素の合成はビニル置換イミダゾール中間体を用いてシアニン色素、メロシアニン色素、及び複合シアニン色素等は、例えばエフ・エム・ハーマ著「シアニン・ダイズ・アンド・リレーテッド・コンパウンズ」(1964、インター・サイエンス・パブリッシャーズ発刊)に記載された従来公知の方法を参考にして容易に合成する事ができる。
【0077】
合成例1(色素3の合成)
4.6gの中間体13と3.8gの3−(2−(2−(N−アセチル)アニリノエテニル)−5−フェニルベンズオキサゾリオ)プロパンスルフォネートと2gのトリエチルアミンを20mlのDMSOに加え90℃で5分反応させた後に、水50ml結晶を濾取した。メタノールより再結晶して5.5gの色素が得られた。λmax498.1nm(メタノール中)ε=143,000
合成例2(色素32の合成)
9.6gの中間体10と8.3gの3−(1,2−ジメチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾリオ)プロパンスルフォネートと3.4gの1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン(DBUと略す)を30mlのDMSOに加え90℃で10分反応させた後に、酢酸ナトリウム1.64gと水50mlの水溶液を加えて結晶を濾取した。80%メタノール水50mlより再結晶して6.7gの色素が得られた。λmax497.8nm(メタノール中)ε=154,000
合成例3(色素39の合成)
2.0gの中間体11と2.2gの1−メチル−2−(2−(N−アセチル)アニリノエテニル)−3−エチル−5−トリフルオロメチルベンズイミダゾリウム=p−トルエンスルフォネートと0.5gのトリエチルアミンを5mlのDMSOに加え85℃で5分反応させた後に、15mlの水を加えて結晶を濾取した。メタノールより再結晶して1.2gの色素が得られた。
【0078】
λmax500.1nm(メタノール中)ε=162,000
合成例4(色素84の合成)
4.8gの中間体9と1.9gの3−カルボキシメチルローダニンとトリエチルアミン2gをエタノール60mlに加え40分間加熱還流させた後に、生成した結晶を濾取した。メタノールより再結晶して4.2gの色素が得られた。λmax511.3nm(メタノール中)ε=98,000
合成例5(色素100の合成)
合成例4で合成した色素84を3gとp−トルエンスルフォン酸エチル1.3gを合わせ100℃で30分反応させた後、アセトンを加えて反応物を沈殿させ傾斜してアセトンを除いた。これに1.4gの3−カルボキシメチルローダニンとピリジン45mlを加え20分間加熱還流させた後に、ジイソプロピルエーテルを加えて色素を沈殿させ結晶を濾取した。メタノールより再結晶して2.2gの色素が得られた。λmax562.5nm(メタノール中)ε=121,000
本発明において使用される前記一般式〔V〕で示される化合物(感光色素)(以下、本発明の化合物、本発明の感光色素等ともいう)は、従来公知の方法でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。例えば、プロトン化溶解添加方法、界面活性剤と共に分散添加する方法、親水性基質に分散して添加する方法、固溶体として添加する方法、或はリサーチディスクロージャー21,802号等に記載の色素を溶解する水溶性溶剤(例えば、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、アセトン、フッソ化アルコール等の低沸点溶媒、ジメチルフォルムアミド、メチルセルソルブ、フェニルセルソルブ等の高沸点溶媒)単独またはそれらの混合溶媒に溶解して添加する方法等を任意に選択使用して乳剤中に加えられる。前記一般式〔V〕で示される本発明の化合物の添加時期は、物理熟成から化学熟成終了塗布までの乳剤製造工程中のいずれの段階であっても良いが、物理熟成から化学熟成終了までの間に添加されることが好ましい。
【0079】
物理熟成中、或は化学熟成工程において化学増感剤の添加に先立って、または化学増感剤の添加直後での、本発明の化合物の添加はより高い分光感度が得られる効果を有し、好ましく用いられる。
【0080】
また、本発明の感光色素は、他の感光色素と組み合わせて用いることもできる。特に、下記一般式〔S−I〕で表される色素は、本発明の感光色素に組み合わせた場合に更なる強色増感作用が得られ、好ましい。
【0081】
【化37】
Figure 0003791045
【0082】
式中、R31及びR32は、各々、炭素数10以下の水可溶化基を置換したアルキル基を表し、R33は、炭素数5以下のアルキル基を表す。Z11及びZ12は、各々、縮合ベンゼン環、或は縮合ナフト環を表し、これらの環上には、任意の位置に任意の置換基を有していても良い。
【0083】
31及びR32で表される炭素数10以下の水可溶化基を置換したアルキル基は、直鎖と分岐のいづれでもよく、例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチル、スルホエチル、スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、ω−スルホペンチル、o−スルホベンジル等の各基が挙げられ、R33で表される炭素数5以下のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、ブチル等の各基が挙げられる。M31は、前記Xに、l31は前記l1に、m31は、前記m1に各々、同義であり、分子内塩を形成して電荷が中和される場合は、l31が0となる。本発明に係る化合物と組み合わせることによって強色増感作用が得られる上記一般式〔S−I〕で表される色素の具体的例としては以下に示すようなものが挙げられる。
【0084】
【化38】
Figure 0003791045
【0085】
【化39】
Figure 0003791045
【0086】
【化40】
Figure 0003791045
【0087】
これら複数の感光色素は、各々の感光色素を同時にまたは異なる時期に別々に乳剤に添加しても良く、その際の順序、時間間隔は目的により任意に決められる。
【0088】
本発明で用いられる感光色素は更にその他の強色増感作用をもたらす化合物を併用することによって一層の分光感度が得られる。この様な強色増感作用を有する化合物としては例えば、ピリミジニルアミノ基或はトリアジニルアミノ基を有する化合物、芳香族有機ホルムアルデヒド縮合物、カリックスアレーン誘導体、ハロゲン化ベンゾトリアゾール誘導体、ビスピリジニウム化合物、芳香族複素環4級塩化合物、電子供与性化合物、アミノアリリデンマロノニトリル単位を含む重合物、ヒドロキシテトラザインデン誘導体、1,3−オキサジアゾール誘導体、アミノ−1,2,3,4−チアトリアゾール誘導体等が挙げられる。これら強色増感剤の添加時期は特に制限なく、前期感光色素の添加時期に準じて任意に添加できる。添加量はハロゲン化銀1モル当り1×10-6〜1×10-1モルの範囲で選択され、感光色素とは1/10〜10/1の添加モル比で使用される。
【0089】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀としては、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩化銀及び塩沃化銀から任意に選択される。ハロゲン化銀粒子は立方晶、八面体晶、十四面体、球状或はアスペクト比が5以上の平板晶等の任意のものを使用できるが、[(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100]で表される変動係数が15%以下である単分散粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子の平均粒径は特に限定されないが、0.05〜2.0μm、好ましくは、0.1〜1.2μmである。
【0090】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料を作成するために用いられる親水性保護コロイドには、通常のハロゲン化銀乳剤に用いられるゼラチンの他にアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、水溶性セルロース誘導体その他の合成または天然の親水性ポリマーが含まれる。
【0091】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には必要に応じて当業界公知の各種技術、添加剤を用いることができる。例えば、感光性ハロゲン化銀乳剤層に加えて保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を設けることができ、これらの層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を各種の方法で含有させることができる。本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いることのできる支持体としては、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのようなポリエステル、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、バライタ紙、ポリエチレン等をラミネートした紙、ガラス、金属等を挙げることができる。
【0092】
これらの支持体は必要に応じて、例えば、コロナ放電処理や下引きポリマー接着層の設置等の下地加工が施される。
【0093】
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチディスクロージャー第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)及び同187巻Item/18716(1979年11月)に記載されている。
【0094】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像処理するには、例えば、T.H.ジェームス著のザ・セオリィ・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス第4版(The Theory of the Photographic Process,fourth Edition)291〜334頁およびジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサェティ(Journal of the American Chemical Society)第73巻、3,100頁(1951)に記載されたごとき現像剤が有効に使用しうるものである。
【0095】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが本発明の実施態様はこれにより限定されるものではない。
【0096】
実施例1
坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチレンをラミネートし、紙支持体を作製した。但し、乳剤層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートし、反射支持体を作製した。この反射支持体上に以下に示す構成の各層を塗設しハロゲン化銀写真感光材料を作製した。塗布液は下記の如く調製した。
【0097】
マゼンタカプラー(M−1)12.14g、添加剤(ST−1)12.14g、(ST−2)10.32g、および高沸点有機溶媒(DIDP)7.9g、(DBP)7.9gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)12mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてマゼンタカプラー分散液を作製した。
【0098】
この分散液を下記条件にて作製したハロゲン化銀乳剤(銀8.5g含有)と混合し、第1層塗布液を調製した。第2層塗布液も上記第1層塗布液と同様に調製した。また硬膜剤として第2層に(H−1)を添加した。塗布助剤としては界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。
【0099】
上記のようにして調製した塗布液を用い、ハロゲン化銀写真感光材料を作製した。層構成を下記表1に示す。
【0100】
【表1】
Figure 0003791045
【0101】
【化41】
Figure 0003791045
【0102】
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホコハク酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
DIDP:ジ−i−デシルフタレート
DBP :ジブチルフタレート
H−1 :テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、さらに下記の(C液)と(D液)及び(E液)と(F液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸または水酸化ナトリウムの水溶液を用いて行った。
【0103】
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10.0g
水を加えて 200ml
(C液)
塩化ナトリウム 92.1g
臭化カリウム 0.87g
水を加えて 538ml
(D液)
硝酸銀 269g
水を加えて 538ml
(E液)
塩化ナトリウム 10.6g
臭化カリウム 0.13g
水を加えて 62ml
(F液)
硝酸銀 31g
水を加えて 62ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.43μm、変動係数(S/R)=0.08、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤(EMP−11)を得た。
【0104】
次いで下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G101)を得た。
【0105】
なお上記Em−G101においてGS−1を表2に示す増感色素に代えた他は同様に化学増感を施し緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G102)〜(Em−G118)を得た。
【0106】
チオ硫酸ナトリウム 3.0mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10-4モル/モルAgX
安定剤(STAB−2) 3×10-4モル/モルAgX
増感色素(GS−1)の固体分散水溶液 4×10-4モル/モルAgX
【0107】
【化42】
Figure 0003791045
【0108】
STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
これら乳剤を各々、2分割し、一方は前述した如く分散剤や他の添加剤とともに塗布試料を作成した。他方はいったん冷却してゲル化させ低温庫中で2日間保存した後に再溶解して分散剤、他の添加剤を加えて塗布試料を作成した。(試料No.1−1〜1−22)
次に得られた塗布試料の各々を、下記に示す2種類の条件下で経時保存性を試験した。
【0109】
条件I:23℃、55%RH3日間放置
条件II:30℃、90%RH3日間放置
各試料は感光計KS−7型(コニカ(株)製)を使用して3原色分解フィルターにて緑色光楔露光をした後、下記の現像処理を行った。
【0110】
なお処理液は予め発色現像液のタンク容量の2倍の補充液が補充されるまでコニカカラーQAペーパータイプA5をプリントしてランニングしておいた。
【0111】
現像処理工程及び処理液の組成は下記に示す。なお補充量は感光材料1m2当たりの量で表した。
【0112】
(処理工程)
処理工程 処理温度 時間 補充量
発色現像 39.0±0.3℃ 45秒 40ml
漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 51ml
安定化 30〜34℃ 45秒 250ml
(3槽カスケード)
乾燥 60〜80℃ 30秒
現像処理液のタンク液及び補充液の組成を下記に示す。
【0113】
Figure 0003791045
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.10に、補充液はpH=11.50に調整する。
【0114】
Figure 0003791045
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸でpH=5.4に調整する。
【0115】
Figure 0003791045
水を加えて全量を1リットルとし、氷酢酸またはアンモニア水でpH=7.8に調整する。
【0116】
【化43】
Figure 0003791045
【0117】
性能評価
処理済みの試料をPDA−65型濃度計(コニカ(株)製)でマゼンタ色素濃度の測定を行い、特性曲線を求めた後、カブリ+0.5の濃度を与えるに必要な露光量の逆数で感度を求めた。
【0118】
〈経時保存性〉
ハロゲン化銀乳剤をセットせずに直ちに塗布し、得られた試料を保存条件I及び保存条件IIで保存してから求めた感度をそれぞれSO I及びSO IIとし、試料No.I−1の緑色光感度SO Iを100として相対値で示した。
【0119】
〈乳剤低温停滞性〉
ハロゲン化銀乳剤を冷却セットして経時(約12時間)した後に塗布した試料を保存条件Iで保存してから求めた感度をSS Iとした。得られた感度から次式により乳剤低温停滞性として乳剤セット中の感度変動値とした。
【0120】
ΔS(SO I/SS I
ΔS値が1に近いほどセット時の経時安定性が優れていることを表す。得られた結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
Figure 0003791045
【0122】
※A:(固体分散添加)予め色素を27℃に調温した水に加え、ディゾルバーにて高速撹拌して得た分散水溶液を0.5w/v%濃度に調整して所定量を添加した。
【0123】
※B:(溶液添加)D−メタノールと2,2,3,3−フルオロプロパノールの1:1混合溶媒に色素を0.5%濃度となるように調整して所定量を添加した。
表から明らかなように構造類似の色素(GS−2、GS−3及びGS−4)を用いた比較試料は、経時させたときの感度変動が大きく、その大きさが添加の方法の違いで変化している。本発明に係る試料は対照試料と同様、色素の添加方法によらず経時させたときの感度変動が抑えられ、かつ高い緑光感度が得られている。
【0124】
対照試料は写真性能は良好であるが、白地部分に510〜515nmに極大吸収を持つ強い残色汚染が観察される点で劣っていた。
【0125】
一方、本発明の試料は白地部分に明瞭な着色は観察されず、残色汚染がなく優れていた。
【0126】
対照色素GS−1と組み合わせ使用した場合には個々の単独使用の場合より高感度を与え好ましい効果が得られた。比較色素を同様に組み合わせた場合にも高感度が得られ経時させた時の保存安定性が改良されているが未だ充分ではない。実施例2
ハロゲン化銀写真感光材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのグラム数を示す。尚、ハロゲン化銀及びコロイド銀は銀に換算して示し、感光色素は同一層中のハロゲン化銀1モル当りのモル数で示した。
【0127】
(ハロゲン化写真乳剤の調製)
〈種乳剤−1の調製〉
下記のようにして種乳剤−1を調製した。
【0128】
Figure 0003791045
反応釜の60℃に保温したA1液に、B1液とD1液をコントロールダブルジェット法により、30分かけて添加し、その後、C1及びE1液をコントロールダブルジェット法により、105分かけて加えた。撹拌は、500rpmで行なった。
【0129】
流速は、粒子の成長に伴い、新しい核が発生せず、且ついわゆるオストワルド熟成をおこし、粒径分布の広がらない流速で添加した。銀イオン液及びハライドイオン液の添加時において、pAgは臭化カリウム水溶液を用い、8.3±0.05に調整し、pHは硫酸を用いて2.0±0.1に調整した。
【0130】
添加終了後、pHを6.0に合わせてから、過剰の塩類を除去するため、特公昭35−16086号記載の方法により脱塩処理を行なった。
【0131】
この種乳剤を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.27μm、粒径分布の広さ17%の角がやや欠けた立方体形状の14面体単分散性乳剤であった。
【0132】
〈Em−Cの調製〉
種乳剤−1と以下に示す7種の溶液を用い、単分散性コア/シェル型乳剤を調製した。
【0133】
Figure 0003791045
A2液を40℃に保温し、撹拌機で800rpmで撹拌を行なった。A2液のpHは酢酸を用い9.90に調整し、種乳剤−1を採取し分散懸濁させ、その後G2液を7分かけて等速で添加し、pAgを7.3にした。更に、B2液、D2液を同時に20分かけて添加した。この時のpAgは7.3一定とした。更に、10分間かけて臭化カリウム水溶液及び酢酸を用いてpH=8.83、pAg=9.0に調整した後、C2液、E2液を同時に30分間かけて添加した。
【0134】
この時、添加開始時と添加終了時の流量比は1:10であり、時間とともに流速を上昇せしめた。又、流量比に比例してpHを8.83から8.00まで低下せしめた。又、C2液及びE2液が全体の2/3量だけ添加された時に、F2液を追加注入し、8分間かけて等速で添加した。この時、pAgは9.0から11.0まで上昇した。更に酢酸を加えてpHを6.0に調整した。
【0135】
添加終了後、過剰な塩類を除去するために、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、pAg8.5、40℃においてpH5.85の平均沃化銀含有率が約2.0モル%の乳剤を得た。
【0136】
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、平均粒径0.55μm、粒径分布の広さが14%の丸みを帯びた14面体単分散性コア/シェル型乳剤であった。
【0137】
〈種乳剤−2の調製〉
下記のようにして種乳剤−2を調製した。
【0138】
Figure 0003791045
35℃で特公昭58−58288号、同58−58289号に示される混合撹拌機を用いて溶液A3に溶液B3及び溶液C3の各々464.3mlを同時混合法により2分を要して添加し、核形成を行なった。
【0139】
溶液B3及び溶液C3の添加を停止した後、60分の時間を要して溶液A3の温度を60℃に上昇させ、3%KOH水溶液でpHを5.0に合わせた後、再び溶液B3と溶液C3を同時混合法により、各々55.4ml/minの流速で42分間添加した。この35℃から60℃への昇温及び溶液B3、C3による再同時混合の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液D3を用いてそれぞれ+8mv及び+16mVになるよう制御した。
【0140】
添加終了後、3%KOH水溶液によってpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を行なった。この種乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.06μm、平均粒径(塩直径換算)は0.59μmであることを電子顕微鏡で確認した。
【0141】
〈Em−Dの調製〉
種乳剤−2と以下に示す3種の溶液を用い、平板状乳剤を調製した。
【0142】
Figure 0003791045
60℃で激しく撹拌したA4液にB4液とC4液を107分でダブルジェット法にて添加した。この間、pHは5.8に、pAgは8.7に終始保った。B4液とC4液の添加速度は初期と最終で6.4倍となるように直線的に増加させた。
【0143】
添加終了後、過剰な塩類を除去するために、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、pAg8.5、40℃においてpH5.85の平均沃化銀含有率が約2.0モル%の乳剤を得た。
【0144】
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、投影面積の82%が平均粒径0.98μm、粒径分布の広さが15%、平均アスペクト比4.5の平板状ハロゲン化銀粒子であった。又、双晶面間距離(l)と平板状粒子の厚さ(t)との比(t/l)の平均は11であった。結晶面は(111)面と(100)面とからなり、主平面はすべて(111)面であり、エッジ面における(111)面と(100)面の比は78:22であった。
【0145】
これら乳剤は、続いてクエン酸と塩化ナトリウムでpHを5.8、pAgを7.0に調製した後、表2に示す数種の色素を添加し、チオシアン酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム・5水塩と塩化金酸を用いて60℃で最適に化学熟成を施してから4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モル当り1.0gを添加して熟成を停止した。
【0146】
(ハロゲン化銀写真感光材料の調製)
トリアセチルセルロースフィルム支持体の片面(表面)に下引き加工を施し、次いで支持体を挟んで当該下引き加工を施した面と反対側の面(裏面)に下記組成の層を支持体側から順次形成した。
【0147】
Figure 0003791045
下引加工したトリアセチルセルロースフィルム支持体の表面上に、下記に示す組成の各層を順次支持体側から形成してカラー写真感光材料(試料No.II−1〜II−44)を作成した。
【0148】
Figure 0003791045
Figure 0003791045
尚、上述の塗布試料には、更に活性剤SA−2、SA−3、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST−3、ST−4、ST−5(重量平均分子量10,000のもの及び1,100,000のもの)染料F−4、F−5及び添加剤HS−5(9.4mg/m2)を含有する。
【0149】
【化44】
Figure 0003791045
【0150】
【化45】
Figure 0003791045
【0151】
【化46】
Figure 0003791045
【0152】
【化47】
Figure 0003791045
【0153】
【化48】
Figure 0003791045
【0154】
作成した試料を各々、2分し、一方はそのまま、他方は高温下での安定性の評価を行なうため、該試料を80%RH、40℃の雰囲気下に3日間放置して強制劣化させた。
【0155】
[写真性能の評価]
得られた試料を各々白色光にて1/100秒ウェッジ露光し、次いで下記に示す処理工程に従って現像・漂白・定着処理した。処理済みの試料を光学濃度計(コニカ製PDA−65)を用いて濃度測定し、常法通り感度はカブリ濃度+0.03に於ける露光量の逆数を感度とした。強制劣化処理後の試料の塗布・乾燥直後の試料に対するカブリ増加分(ΔFog)と、塗布・乾燥直後の試料の感度を100とした時の強制劣化後の試料の相対感度(S′)を求めた。
【0156】
結果は表3,4に示した。
【0157】
Figure 0003791045
【0158】
〈処理剤の調製〉
Figure 0003791045
水を加えて1.0lに仕上げ、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0159】
Figure 0003791045
水を加えて1.0lに仕上げ、水酸化カリウム又は20%硫酸を用いてpH10.18に調整する。
【0160】
(漂白液組成)
水 700ml
1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g
エチレンジアミン四酢酸 2g
硝酸ナトリウム 40g
臭化アンモニウム 150g
氷酢酸 40g
水を加えて1.0lに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整する。
【0161】
(漂白補充液組成)
水 700ml
1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g
エチレンジアミン四酢酸 2g
硝酸ナトリウム 50g
臭化アンモニウム 200g
氷酢酸 56g
水を加えて1.0lに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整する。
【0162】
(定着液処方)
水 800ml
チオシアン酸アンモニウム 120g
チオ硫酸アンモニウム 150g
亜硫酸ナトリウム 15g
エチレンジアミン四酢酸 2g
水を加えて1.0lに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整する。
【0163】
(定着補充液処方)
水 800ml
チオシアン酸アンモニウム 150g
チオ硫酸アンモニウム 180g
亜硫酸ナトリウム 20g
エチレンジアミン四酢酸 2g
水を加えて1.0lに仕上げ、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整する。
【0164】
(安定液及び安定補充液処方)
水 900ml
p−オクチルフェノール・エチレンオキシド・10モル付加物 2.0g
ジメチロール尿素 0.5g
ヘキサメチレンテトラミン 0.2g
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g
シロキサン(UCC製L−77) 0.1g
アンモニア水 0.5ml
水を加えて1.0lに仕上げ、アンモニア水又は50%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0165】
【表3】
Figure 0003791045
【0166】
【表4】
Figure 0003791045
【0167】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、比較試料に比べて即日、経時(代用サーモ)ともに高感度、且つ、カブリと感度変動が抑えられた良好な写真性能を与えた。又、残色汚染性の比較に於ても優れていた。
【0168】
実施例3
(ハロゲン化銀写真乳剤Aの調製)
同時混合法を用いて塩沃臭化銀(銀1モル当り塩化銀62モル%、沃化銀0.5モル%他は臭化銀)乳剤を調製した。
【0169】
最終到達平均粒径の5%が形成されてから最終到達平均粒径に至るまでの混合工程時にK2IrCl6を銀1モル当り8×10-7モル添加した。フェニルイソシアナートで処理した変性ゼラチンを用いたフロキュレーション法で脱塩してからゼラチン中に分散し、防ばい剤として下記の化合物[A]、[B]、[C]の混合物を添加し、平均粒径0.3μmの立方体単分散粒子(変動係数10%)からなる乳剤を得た。
【0170】
この乳剤にクエン酸と塩化ナトリウムでpHを5.8、pAgを7.0に調整した後、チオ硫酸ナトリウム・5水塩と塩化金酸を用いて60℃で最適に化学熟成を施してから1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールと4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを各々、銀1モル当り60mgと600mgを添加して熟成を停止した。
【0171】
次いで下記に示す添加剤のSA−1、NU−1、NA−1、LX−1及びHD−1の適量を添加して乳剤塗布液を調製した。
【0172】
【化49】
Figure 0003791045
【0173】
(ハロゲン化銀写真乳剤Bの調製)
同時混合法を用いて塩沃臭化銀(銀1モル当り塩化銀62モル%、沃化銀0.5モル%他は臭化銀)乳剤を調製した。
【0174】
フェニルイソシアナートで処理した変性ゼラチンを用いてフロキュレーション法で脱塩してからゼラチン中に分散し、防ばい剤として前記化合物[A]、[B]、[C]の混合物を添加し、平均粒径0.3μmの立方体単分散粒子(変動係数10%)からなる乳剤を得た。この乳剤にクエン酸と塩化ナトリウムでpHを5.8、pAgを7.0に調製した後、チオ硫酸ナトリウム・5水塩と塩化金酸を用いて60℃で最適に化学熟成を施してから1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールと4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを各々、銀1モル当り60mgと600mgを添加して熟成を停止した。
【0175】
(ハロゲン化銀写真乳剤Cの調製)
同時混合法を用いて塩沃臭化銀(銀1モル当り塩化銀40モル%、沃化銀0.5モル%他は臭化銀)乳剤を調製した。
【0176】
最終到達平均粒径の5%が形成されてから最終到達平均粒径に至るまでの混合工程時にK2IrCl6を銀1モル当り8×10-7モル添加した。フェニルイソシアナートで処理した変性ゼラチンを用いてフロキュレーション法で脱塩してからゼラチン中に分散し、防ばい剤として前記化合物[A]、[B]、[C]の混合物を添加し、平均粒径0.3μmの立方体単分散粒子(変動係数10%)からなる乳剤を得た。
【0177】
この乳剤にクエン酸と塩化ナトリウムでpHを5.8、pAgを7.0に調製した後、チオ硫酸ナトリウム・5水塩と塩化金酸を用いて60℃で最適に化学熟成を施してから1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールと4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを各々、銀1モル当り60mgと600mgを添加して熟成を停止した。
【0178】
得られたB、Cの乳剤に上記の乳剤Aと同様に化学増感し、同様の添加剤を加えて乳剤塗布液を調製した。
【0179】
(ハロゲン化銀写真感光材料の調製)
両面に厚さ0.1μmの下塗層(特開昭59−19941号の実施例1参照)を施した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の下塗層上に、下記処方(1)のハロゲン化銀乳剤層をゼラチン量が2.0g/m2、銀量3.2g/m2になる様に塗設し、更にその上に下記処方(2)の乳剤保護層をゼラチン量が1.0g/m2になる様に塗設し、また反対側のもう一方の下塗層上に、下記処方(3)に従ってバッキング層をゼラチン量が2.4g/m2になる様に塗設し、更にその上に下記処方(4)のバッキング保護層をゼラチン量が1.0g/m2になる様に塗設して試料III−1〜III−31を得た。
【0180】
処方(1)[ハロゲン化銀乳剤層組成]
Figure 0003791045
【0181】
【化50】
Figure 0003791045
【0182】
処方(2)[乳剤保護層組成]
Figure 0003791045
【0183】
【化51】
Figure 0003791045
【0184】
処方(4)[バッキング保護層組成]
Figure 0003791045
得られた試料を各々2分し、一方はそのまま、他方は高温下での安定性の評価を行なうために該試料を20%RH、50℃の環境下に3日間放置して強制劣化させた。
【0185】
(写真性能の評価)
得られた試料をウェッジを密着し、ラッテンフィルターNo.21を介して10-5秒露光を与え、下記に示す組成の現像液および定着液を投入した迅速処理用自動現像機GR−26S(コニカ(株)製)にて下記条件で処理した。
【0186】
得られた試料を光学濃度計PDA−65(コニカ(株)製)で濃度測定し、常法通り感度はカブリ濃度+0.3に於ける露光量の逆数を採り、試料No.1の塗布・乾燥直後の試料の感度を100とした相対値で示した。
【0187】
また、残色汚染ランクは未露光フィルムを現像定着処理し、5枚重ねた時の残色を目視で5段階評価した。
【0188】
全く残色のないものを最高ランク「5」とし、以下、残色の発生度合に応じて「4]、「3」、「2」、「1」とそのランクを順次下げて評価するものとする。
【0189】
ランク「2」及び「1」は実用上好ましくない水準である。
【0190】
〔現像液組成〕
Figure 0003791045
水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムにてpHを10.5に調整した。
【0191】
〔定着液処方〕
Figure 0003791045
定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順に溶かし、1lに仕上げて用いた。この定着液のpHは酢酸で4.8に調整した。
【0192】
〔現像処理条件〕
(工程) (温度) (時間)
現像 38℃ 20秒
定着 35℃ 20秒
水洗 30℃ 15秒
乾燥 50℃ 15秒
得られた結果を表5に示した。
【0193】
【表5】
Figure 0003791045
【0194】
表5から明らかなように、本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、即日、経時(代用サーモ)ともに従来公知色素の比較試料に比べてカブリと感度変動が抑えられた良好な写真性能を与えた。この効果はイリジウム化合物を含有する塩化銀組成濃度が高いハロゲン化銀写真乳剤において顕著に見られた。
【0195】
また、本発明の化合物は、比較化合物〔I〕に比較して残色汚染の点でも優れていることが分かる。
【0196】
【発明の効果】
本発明により、第一には、新規化合物及びそれを感光色素として用いたことにより分光増感され、写真特性が改良されたハロゲン化銀感光材料を提供すること、第二には、高感度で残色汚染が軽減された新規な感光色素により写真特性が改良されたハロゲン化銀感光材料を提供すること、第三には、新規な感光色素により増感され、写真特性が改良されたハロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を提供することができた。

Claims (2)

  1. 下記一般式〔V〕で表される化合物。
    Figure 0003791045
    〔式中、Z2C−(CH=CH) k2 −Nと共に5員又は6員の窒素複素環基を形成する原子群を表し、飽和炭素環、ベンゼン環及びナフタレン環で縮合環を形成されていてもよい。R14及びR15は各々脂肪族炭化水素基を表し、L10、L11、L12、L13、L14、L15及びL16は各々メチン基又は窒素原子を表し、X12は分子の総電荷を相殺するに必要なイオンを表し、k2は0又は1の整数を表し、l12は分子内の電荷を中和させるに必要な数を表す。W11、W12、W13及びW14は各々、水素原子または式Vにおけるイミダゾール環のベンゼン環上に置換しうる基を表し、W11とW12、W12とW13、W13とW14、W14とR14の間で各々縮合環を形成してもよい。m5、m6及びm7は各々0又は1の整数を表す。〕
  2. 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於て、前記感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層中に含まれるハロゲン化銀粒子が請求項1に記載の一般式〔V〕で表される感光色素によって分光増感されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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