JP3790934B2 - 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩溶液にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液を混合しアルカリ性とし、このアルカリ性の混合液にレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩に混合して反応させることを特徴とする4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法に関する。
【0002】
4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールからは還元することにより容易に4,6−ジアミノレゾルシノールが得られる(参照:Advanced Organic Chemistry,4th Edition,John Wiley and Sons,(1992) page 1224)。
【0003】
【化3】
4,6−ジアミノレゾルシノール〔DAR〕は、テレフタル酸と縮合させると、種々の優れた特徴を持つポリベンズビスオキサゾール(PBO)となるので、その原料として重要である。
【0004】
PBOは、強度、弾性率、耐熱性、耐薬品性等の諸点に於て、従来のスーパー繊維より優れて居り、超スーパー繊維として開発が待望されている(特表昭61−501452号公報)。
【0005】
【従来の技術】
これまで、4,6−ジアミノレゾルシノール〔DAR〕を製造する方法としては、いくつか知られているが、レゾルシノールと塩化ベンゼンジアゾニウムからカップリング反応で4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールを得る方法としては、Zollingerらが緩衝溶液中、塩基性条件下で好収率で4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールを得ている〔参照:Helvetica Chimca Acta, XLI 1816-1823(1958)〕。
しかし、このレゾルシノールを原料とする方法は、短工程でDARを得ることができる点で有利であるがレゾルシノールの濃度は、0.1重量%であり、実用的には、生産性上問題がある。
【0006】
また、特開平7−242604号によれば、pH10〜12にコントロールし、レゾルシノールと塩化(置換)ベンゼンジアゾニウムからカップリング反応させ4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを比較的収率良く合成している。
しかしこの方法においても、希薄溶液を使用しており、これは大きな反応容積を必要とするので工業経済的に実施が困難である。
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩としてアニリンから誘導される塩化ベンゼンジアゾニウムに変えて、p−メトキシアニリンから誘導される塩化p−メトキシベンゼンジアゾニウムを用いると濃度、収率とも改善されるが、レゾルシノールとして2重量%を越えると収率は非常に悪くなっている。アニリンに比較して高価なp−メトキシアニリンを用い、この濃度では、工業的に実施困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、既知の反応は、工業経済的に実施困難な希薄溶液(レゾルシノールの濃度が1重量%以下)でのみ収率が良い。本発明の目的は工業的に実施可能な濃度での、収率の良い4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液をアルカリ性にした後に、レゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩と反応させると、工業的に実施可能な濃度で、収率良く4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを得られる事を見いだした。
【0009】
即ち、本発明は、 式[1]
【化4】
(式中、Rはハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ヒドロキシカルボニル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、nは零又は1〜5のいずれかの整数を表し、2個以上のRは互いに同一又は異なっていてもよく、そしてXはCl、Br、OSO3H又はOPO3H2を表す。)で表される(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液とを混合し、アルカリ性とした混合液を得、この混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩を混合し反応させることを特徴とする式[2]
【化5】
(式中、R及びnは上記式[1]中と同じに定義される。)で表される4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液を混合し、アルカリ性とした混合液を得、この混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩若しくはカルシウム塩を混合する事により、4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを製造する方法である。この方法により、レゾルシノールの従来にない高い濃度2〜10重量%が可能になり、高収率と従来より極めて高い容積効率が達成された。
【0011】
本発明の製造法の反応は、下記のスキームで進行する:
【化6】
(スキーム中の置換基の定義は、式[1]中と同じである。)。
【0012】
異性体である2,4−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール(以下、2,4−ジ体という)の競争反応による生成と、モノ体及びトリ体の逐次反応による生成が4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール(以下、4,6−ジ体という)の収率を下げており、4,6−ジ体の収率を上げることが難しい反応である。特に濃度が高い場合収率低下が著しい。
【0013】
本発明で用いる(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液をアルカリ性とした混合液は,例えば、アニリン類を塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸との混合溶液とした後、亜硝酸ナトリウム水溶液を加えて(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を得、この置換ベンゼンジアゾニウム塩を含む溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液とを混合し、アルカリ性にすることにより得られる。ここで、好ましくは前記(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を含む前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を含む溶液又は懸濁液に滴下するか、あるいは前記(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を含む溶液と前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を含む溶液又は懸濁液とを、例えばライン上で同時的に混合することである。
【0014】
より具体的には、式[3]
【化7】
(式中、Rとnは式[1]中と同じに定義される。)で表される(置換)アニリンとその(置換)アニリンに対し5〜10倍重量の水との混合物中に、(置換)アニリンに対し2.5〜10倍当量の無機酸を冷却下滴下し、この混合液中へ、(置換)アニリンに対し2〜3倍重量の水に溶解した(置換)アニリンに対し1〜1.5倍当量の亜硝酸アルカリ塩例えば亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸カリウムを10℃以下で滴下することにより、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を得る。無機酸としては塩酸、臭化水素酸、硫酸及び燐酸の中から選ばれた少なくとも1種の無機酸が用いられる。これらの無機酸の中では塩酸が工業経済的に好ましい。
【0015】
本反応で用いる(置換)アニリンは、具体的に例えばアニリン、2−クロルアニリン、4−クロルアニリン、2,6−ジクロルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、アントラニル酸、o−アニシジン、m−アニシジン及びp−アニシジン等を挙げることができる。経済性、化合物の安定性などを考慮するとアニリンが最も好ましい。
【0016】
ジアゾニウム塩生成後、過剰使用した亜硝酸ナトリウムにより生成した亜硝酸を、尿素やスルファミン酸で処理しても良い。この処理によりジアゾニウム塩の分解が抑えられる。
【0017】
このようにして得た(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液を混合し、混合液をアルカリ性とする。
【0018】
本反応に用いるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物としては、NaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2 及びBa(OH)2等が用いられるが、その経済性及び扱いやすさからNaOHが好ましい。
【0019】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の量は、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩溶液中の酸を中和し、更にアルカリ性にするための過剰量として、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の1.1〜20倍当量、好ましくは1.5〜10倍当量の範囲である。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の過剰量が1.1倍当量未満であると目的物の4,6−ジ体の収率が向上しない。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の過剰量を20倍当量越えて多くしてもアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を多くした効果がない。
【0020】
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を混合し、反応させる際の温度は−50〜50℃、好ましくは−50〜15℃である。溶媒が水だけの場合は、固化するので−5〜10℃が好ましい。−50〜10℃の範囲内では、原料の(置換)ベンゼンジアゾニウム塩と生成する反応中間体(水酸化(置換)ベンゼンジアゾニウムと推定される)が安定に存在し得るからである。−50℃より低い温度に冷却する事は、困難であり、15℃を越えての温度では、前記反応中間体が安定に存在し得ない。
【0021】
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液の混合は、普通、反応容器内で行われる。そして、その反応容器が混合液の貯蔵槽として機能する場合もある。しかし、この混合は、該混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩との反応を行う反応容器へ連結しているラインの中で行っても良い。これにより、反応容器の数を節約することができる。又、生成した反応中間体の経時変化の時間を短くできる。
【0022】
次に、得られた(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液の混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩と混合してカップリング反応で目的物を得る。通常は、レゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩の溶液に、攪拌下、上記混合液を滴下又は流下する。攪拌により、局部的過剰反応進行を回避でき、トリ体の生成を少なくすることができる。
【0023】
レゾルシノールの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩又はマグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩が使用できる。(置換)ベンゼンジアゾニウム塩と水酸化物の混合液がアルカリ性になっているので、レゾルシノールの前記塩の製造のために、使用されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の量は、レゾルシノールのみでも反応系で塩を生成するので、0〜20倍当量を使用できるが、好ましくは0〜5倍当量である。(置換)ベンゼンジアゾニウム塩と水酸化物の混合液中に水酸化物の過剰量が(置換)ベンゼンジアゾニウム塩に対して5〜20倍当量である場合は、通常レゾルシノールのみに、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の混合液とを反応させる。
【0024】
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の混合液と、レゾルシノール又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩との混合における(置換)ジアゾニウム塩の量は、レゾルシノール及び/又はその塩の合計量に対して2倍モル以上使用するのが目的物の収率上好ましいが、当然多過ぎるとトリ体が生成するので、好ましくは2.05〜2.20倍モルである。2.05モル以下であると、レゾルシノール及び/又はモノ体が残り易く、2.20倍モル以上であるとトリ体が生成し易くなるからである。
【0025】
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の混合の際、及び、レゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩と(置換)ベンゼンジアゾニウム塩と水酸化物の混合液を反応させる際の溶媒としては、水又は水と均一に混合する有機溶媒を使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン,ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)及びジメチルイミダゾリジノン(DMI)等が使用できるが、DMF、DMSO及びアセトン等の強アルカリ性に対して不安定なものは好ましくない。最も好ましいものは水である。というのは、有機溶媒回収の必要がないので後処理操作が容易であり、収率が最も高いからである。
【0026】
このレゾルシノール及び/又はレゾルシノールアルカリ塩との反応は比較的速いが、反応に要する時間は、反応温度に依存する。反応温度は通常は、−50〜50℃である。反応温度上昇と共に、反応速度は高まる。原料の反応中間体(水酸化(置換)ベンゼンジアゾニウムと推定される)と生成したジ体の分解を回避するためには、−50〜20℃の温度が好ましい。溶媒が水だけの場合は、固化するので−5〜20℃が好ましい。反応時間は−5〜20℃で通常0.1〜10時間である。
【0027】
4,6ジ体のアルカリ溶液中での分解を抑制するために、反応終了後、後処理を直ぐ行うのが好ましい。
【0028】
反応終了後の後処理は、反応液を濾過するとトリ体の大半が除去される。反応時の水量が少ないと4,6−ジ体も固体として分離されるので、水で固体を洗浄し、4,6−ジ体を溶解回収する必要がある。濾液と洗浄液を塩酸、酢酸、硫酸、燐酸等で酸性にすると4−モノ体、4,6−ジ体、2,4−ジ体が析出する。これを濾集して、乾燥し、還元工程に供する。4−モノ体を分離する必要がある場合は、得られた固体を、Na2CO3水溶液により洗浄すると、4−モノ体だけが溶解し、除去できる。
【0029】
以下、本発明の方法の好ましい実施態様を列記する。
(1)(置換)ベンゼンジアゾニウム塩及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液の溶媒が水である本発明の方法。水であると、反応収率、容積効率が共に高く、有機溶媒回収という余分の操作を必要としないので、後処理が容易であるからである。
(2)(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液とを混合する際の、該水酸化物の量は、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液中の酸を中和した後の過剰量が、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩に対して1.1〜20倍当量、好ましくは1.5〜10倍当量である本発明又は上記(1)の実施態様の方法。上述したように、レゾルシノールの溶解度を高め、存在する(置換)ベンゼンジアゾニウム塩と生成した4,6−ジ体の安定性も高めるからである。
(3)(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の混合液と、レゾルシノール又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩との混合における(置換)ジアゾニウム塩の量が、レゾルシノール及び/又はその塩の合計量に対して2.05〜2.20倍モルである本発明又は上記(1)又は(2)の実施態様の方法。2.05モル以下であると、レゾルシノール及び/又はモノ体が残り易く、2.20倍モル以上であるとトリ体が生成し易くなるからである。
(4)(置換)ベンゼンジアゾニウム塩がベンゼンジアゾニウム塩である本発明又は上記(1)、(2)と(3)の実施態様の方法。ベンゼンジアゾニウムが最も工業経済的だからである。
(5)アルカリ金属の水酸化物が水酸化ナトリウムである本発明又は上記(1)、(2)、(3)と(4)の実施態様の方法。水酸化ナトリウムが経済的で扱いやすいからである。
【0030】
又、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物とを混合しアルカリ性とする操作は、該混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩との反応を行う反応容器への連結ラインの中で行うことが可能である。これにより、反応容器及び/又は混合液の貯蔵槽の数を減少できる。
【0031】
4,6−ジ体の還元は、Pd−Cなどの金属触媒を用いて行う。この際に水溶媒又は低級アルコールを加えた水とアルコールの混合溶媒を用い、4,6−ジ体の3〜5倍モルの塩酸、触媒を加えて、水素で常圧又は加圧で還元を行う。
【0032】
還元後、触媒を濾別し、濾液に多量の塩酸を加えると4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩が析出する。これを濾集することにより4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩を得る事ができる。この濾液は、酸素を断ってアルカリ性にするとアニリンがオイル層として分離してくるので、回収し再使用が可能である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によってさらに具体的に説明するが、これらによって本発明は、なんら限定されるものではない。
実施例1:
アニリン4.1g、35%塩酸9.8g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム3.04gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。この塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液とNaOH4.9gと水12.3gからなる溶液を同じモル比率でポンプにより送液し、10℃に冷却しながらライン上で混合し、この混合液をレゾルシノール2.2g、NaOH2.4g及び水11gよりなる混合液に10℃で40分間にわたり加えた。滴下終了後10℃で3時間攪拌した。
反応混合物に塩酸を加えて酸性とし、析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ生成した4,6−ジ体の量は5.8gで収率は91%であった。
【0034】
実施例2:
アニリン4.1g、35%塩酸9.8g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム3.04gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
この塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液をNaOH5.5g、水13.8gよりなる溶液に10℃以下で滴下し混合溶液を調製した。
この混合溶液をレゾルシノール2.2g、NaOH2.4g、水11gよりなる混合液に10℃で40分間かけて滴下した。滴下終了後10℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物に塩酸を加え酸性とし、析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ生成した4,6−ジ体の量は5.6gで収率は88%であった。
【0035】
実施例3:
アニリン4.1g、35%塩酸9.8g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム3.04gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
この塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液をNaOH5.5g、水13.8gよりなる溶液に10℃以下で滴下し混合溶液を調製した。
この混合溶液をレゾルシノール2.2g、水11gよりなる混合液に10℃で40分間かけて滴下した。滴下終了後10℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物に塩酸を加え酸性とし、析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は5.8gで収率は91%であった。
【0036】
実施例4:
アニリン4.1g、35%塩酸9.8g及び水5gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム3.04gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
この塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液をNaOH5.5g、水13.8gよりなる溶液に10℃以下で滴下し混合溶液を調製した。
この混合溶液をレゾルシノール2.2g、水5gよりなる混合液に10℃で40分間かけて滴下した。滴下終了後10℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物に塩酸を加え酸性とし、析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は5.7gで収率は90%であった。
【0037】
比較例1:
アニリン3.76g、35%塩酸9.4g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.76gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
レゾルシノール2.2g、NaOH8g、水22gを仕込み10℃で良く攪拌した後、別途合成した上記の塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を10℃を保ちながら30分間かけて滴下した。滴下終了後10℃で2時間攪拌した後、不溶物を濾別し、その濾集物を水30gで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ塩酸により酸性とした。析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は2.22gで収率は35%であった。
【0038】
【発明の効果】
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液を混合し、アルカリ性とした混合液を得、この混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を混合し反応させることにより、レゾルシノールの濃度を低くしなくても、高い収率を維持することができる。
これにより、反応容積を従来法の約1/5ないし1/15に下げること(換言すれば、容積効率を5ないし15倍に上げること)が可能になった。
Claims (7)
- 式[1]
- (置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液の溶媒が水である請求項1に記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法。
- (置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液とを混合する際の該水酸化物の量は、前記(置換)ベンゼンジアゾニウム塩溶液中の酸を中和した後、更にアルカリ性にするための過剰量として、(置換)ベンゼンジアゾニウム塩に対して1.1倍当量から20倍当量である請求項1又は2に記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法。
- (置換)ベンゼンジアゾニウム塩とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の混合液と、レゾルシノール又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩との混合における(置換)ジアゾニウム塩の量が、レゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩の合計量に対して2.05〜2.20倍モルである請求項1乃至3のいずれかに記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法。
- (置換)ベンゼンジアゾニウム塩がベンゼンジアゾニウム塩である請求項1乃至4のいずれかに記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法。
- 水酸化物が水酸化ナトリウムである請求項1乃至5のいずれかに記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法。
- (置換)ベンゼンジアゾニウム塩の溶液とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液又は懸濁液の混合を、該混合液とレゾルシノール及び/又はそのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩との反応を行う反応容器へのラインの中で行う請求項1乃至6のいずれかに記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法。
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