JP3834739B2 - 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法 - Google Patents

4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3834739B2
JP3834739B2 JP30980395A JP30980395A JP3834739B2 JP 3834739 B2 JP3834739 B2 JP 3834739B2 JP 30980395 A JP30980395 A JP 30980395A JP 30980395 A JP30980395 A JP 30980395A JP 3834739 B2 JP3834739 B2 JP 3834739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
resorcinol
water
bis
phenylazoresorcinol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP30980395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09124575A (ja
Inventor
和彦 穐本
健一 徳永
功 橋場
秀雄 鈴木
安雄 勝村
一雄 大崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taoka Chemical Co Ltd
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Taoka Chemical Co Ltd
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP30980395A priority Critical patent/JP3834739B2/ja
Application filed by Taoka Chemical Co Ltd, Nissan Chemical Corp filed Critical Taoka Chemical Co Ltd
Priority to EP96935515A priority patent/EP0974577B1/en
Priority to KR1020047014065A priority patent/KR100633672B1/ko
Priority to CA002236101A priority patent/CA2236101C/en
Priority to DE69637797T priority patent/DE69637797D1/de
Priority to KR1019980703272A priority patent/KR100721220B1/ko
Priority to US09/066,335 priority patent/US5962740A/en
Priority to CN96198665A priority patent/CN1073986C/zh
Priority to PCT/JP1996/003199 priority patent/WO1997016411A1/ja
Priority to TW085113300A priority patent/TW347382B/zh
Publication of JPH09124575A publication Critical patent/JPH09124575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3834739B2 publication Critical patent/JP3834739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゾルシノールと塩化(置換)ベンゼンジアゾニウムから4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法に関する。更に詳しくは、塩化(置換)ベンゼンジアゾニウムをレゾルシノールの15ないし40倍モルの水酸化アルキルの存在下でカップリング反応させることを特徴とする4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法に関する。
【0002】
4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールからは還元することにより容易に4,6−ジアミノレゾルシノールが得られる(参照:Advanced Organic Chemistry,4th Edition,John Wiley and Sons,(1992) page 1224)。
【化3】
Figure 0003834739
4,6−ジアミノレゾルシノール〔DAR〕は、テレフタル酸と縮合させると、種々の優れた特徴を持つポリベンズビスオキサゾール(PBO)となるので、その原料として重要である。
【0003】
PBOは、強度、弾性率、耐熱性、耐薬品性等の諸点に於て、従来のスーパー繊維より優れて居り、超スーパー繊維として開発が待望されている(特表昭61−501452号公報)。
【0004】
【従来の技術】
これまで、4,6−ジアミノレゾルシノール〔DAR〕を製造する方法としては、いくつか知られているが、レゾルシノールと塩化(置換)ベンゼンジアゾニウムからカップリング反応で4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを得る方法としては、Zollingerらが緩衝溶液中、塩基性条件下で好収率で4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを得ている〔参照:Helvetica Chimca Acta, XLI 1816-1823(1958)〕。しかし、このレゾルシノールを原料とする方法は、短工程でDARを得ることができる点で有利であるがレゾルシノールの濃度は、0.1重量%であり、実用的には、生産性上問題がある。
【0005】
また、特開平7−242604号によれば、pH10〜12にコントロールし、レゾルシノールと塩化(置換)ベンゼンジアゾニウムからカップリング反応させ4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを比較的収率良く合成している。
しかしこの方法においても希薄溶液を使用しており、これは大きな反応容積を必要とするので工業経済的に実施が困難である。
(置換)ベンゼンジアゾニウム塩としてアニリンから誘導される塩化ベンゼンジアゾニウムに変えて、p−メトキシアニリンから誘導される塩化p−メトキシベンゼンジアゾニウムを用いると濃度、収率とも改善されるが、レゾルシノールとして2重量%を越えると収率は非常に悪くなっている。アニリンに比較して高価なp−メトキシアニリンを用いるこの濃度では、工業経済的に実施が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、既知の反応は、工業経済的に実施困難な希薄溶液(レゾルシノールの濃度が1重量%以下)でのみ収率が良い。本発明の目的は工業経済的に実施可能な濃度で、収率良く4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを製造できる方法を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、レゾルシノールと式[1]
【化3】
Figure 0003834739
(式中、Rはハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ヒドロキシカルボニル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、nは零又は1〜5のいずれかの整数を表し、nが2以上である場合のRは互いに同一又は異なっていてもよく、XはCl、Br、OSO3 H又はOPO3 2 を表す。)で表される(置換)ベンゼンジアゾニウム塩をアルカリ性にした溶媒中で反応させることによる、式[2]
【化4】
Figure 0003834739
(式中、R及びnは上記式[1]中と同じに定義される。)で表される4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法において;
レゾルシノールと(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を、レゾルシノールの15ないし40倍モルの水酸化アルカリの存在下で、レゾルシノールを反応系全量の2〜10重量%の濃度で、反応させることを特徴とする4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の製造方法は、レゾルシノールとレゾルシノールに対して15ないし40倍モルの水酸化アルカリと水を加えて攪拌している混合物に、別途合成した(置換)ベンゼンジアゾニウム塩をレゾルシノールに対して2倍モル以上滴下し、レゾルシノールを反応系全量の2〜10重量%の濃度で反応させることにより、70〜80%の収率(レゾルシノール基準)で4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールを得る事ができる極めて簡単な製造方法である。反応温度はこの種の反応では予想以上に高くてもよく、20℃でも悪影響がなく、反応制御が容易である。
【0009】
本発明の製造方法の反応は、下記のスキームで進行する:
【化6】
Figure 0003834739
(スキーム中の置換基の定義は、式[1]中と同じである。)。
【0010】
競争反応による異性体である2,4−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール(以下、2,4−ジ体という)の生成と、逐次反応によるモノ体及びトリ体の生成が4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール(以下、4,6−ジ体という)の収率を下げており、4,6−ジ体の収率を上げることが難しい反応である。
【0011】
本発明者等は水酸化アルカリの量を多量に用いれば収率の向上が見られることを見い出した。これは、モノ体のアルカリ塩が反応すると4,6−ジ体が生成し、フリーでは、2, 4ージ体が生成するものと推測される。
また、アルカリを多量使用するとジアゾカップリング反応が遅くなり、レゾルシン塩のフリー化、逐次反応が進行しなくなるので濃い溶液でも収率低下がなくなり、一般的条件で工業的な製造が可能となった。
【0012】
本反応に用いる水酸化アルカリとしては、NaOH、KOH、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、Ba(OH)2 、LiOH等が用いられるが、NaOHとKOHが好ましい。水酸化アルカリの量は、レゾルシノールに対して15倍モル以上40倍モル以下である。好ましくは15〜20倍モルである。20倍モル以上ではアルカリ量増加の効果はあまり向上せずほぼ同じである。
【0013】
反応温度は、−50℃〜50℃の範囲であるが、低温の方が若干の収率向上が認められるが冷却設備の強化には経費が掛かる問題があり、30℃以上では若干の収率低下が見られるので、好ましい反応温度は−10〜20℃である。反応初期は、低温では水酸化アルカリが多いとレゾルシノールのアルカリ塩を含む混合物のスラリーの粘度が高く、攪拌が困難なので、20〜50℃でジアゾニウム塩をレゾルシノールに対して0.1〜1.3倍モルの範囲で加えてスラリー粘度が低下した時点で−10℃〜20℃にして更にジアゾニウム塩を加えて反応させることも有効である。
このことは4,6−ジ体が固体として析出し、反応系外に除去され逐次反応的にも有利である。
【0014】
反応溶媒としては、水又は水と均一に相溶する有機溶媒と水との混合溶媒も使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン,ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)及びジメチルイミダゾリジノン(DMI)等が使用できるが、DMF、DMSO及びアセトン等の強アルカリ性で分解を伴うものは好ましくない。最も好ましいものは水で、経済的にも後工程の容易さにおいても、収率においても最も良い結果を与える。
【0015】
本発明で用いる塩化(置換)ベンゼンジアゾニウム塩は以下のようにして得る。
式[3]
【化7】
Figure 0003834739
(式中、Rとnは式[1]中と同じにに定義される。)で表される(置換)アニリンと5〜10重量倍の水との混合物中に、冷却下、アニリンに対して2.5〜4当量の無機酸を滴下し、この混合液中へ、(置換)アニリンに対し2〜3重量倍の水に溶解した1〜1.5倍モルの亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸カリウムを10℃以下で滴下することにより(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を得る。無機酸としては塩酸、臭化水素酸、硫酸及び燐酸の中から選ばれた少なくとも1種の無機酸が用いられる。これらの無機酸の中で塩酸が工業経済的に好ましい。
【0016】
具体的には、例えばアニリン、2−クロルアニリン、4−クロルアニリン、2,6−ジクロルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、アントラニル酸、o−アニシジン、m−アニシジン及びp−アニシジン等を挙げることができ、これらのアニリンのいずれかを使用することは好ましい。経済性、化合物の安定性などの点からアニリンが最も好ましい。
【0017】
ジアゾニウム塩生成後、過剰使用した亜硝酸ナトリウムにより生成した亜硝酸を、尿素やスルファミン酸で処理して使用しても良い。この処理によりジアゾニウム塩の分解が抑えられる。
【0018】
このようにして得た置換ベンゼンジアゾニウム塩を、レゾルシノールとレゾルシノールに対して15ないし40倍モルの水酸化アルカリと水を加えて攪拌している混合物に、レゾルシノールに対して2倍モル以上滴下し反応させる。この反応系においてレゾルシノールの濃度は2〜10重量%が好ましい。ジアゾニウム塩はレゾルシノールに対して2倍モル以上使用するのが目的物の収率上好ましいが、当然多すぎるとトリ体が生成するので、好ましくは2.05〜2.20倍モルである。
【0019】
反応は比較的速く、0℃ではジアゾニウム塩を加えた後、2時間くらいで反応は完結する。4,6ジ体のアルカリ溶液中での分解を避けるために、反応終了後、後処理を直ぐ行うのが好ましい。
【0020】
反応終了後の後処理では、反応液の濾過によりトリ体の大半が除去される。反応時の水量が少ないと4,6−ジ体も固体として分離されるので、水で固体を洗浄し、4,6ジ体を溶解回収する必要がある。濾液と洗浄液を塩酸、酢酸、硫酸、燐酸等で酸性にすると4−モノ体、4,6−ジ体、2,4−ジ体が析出する。これを濾集して、乾燥し、還元工程に供する。4−モノ体を分離する必要がある場 は、Na2 CO3 水溶液で得られた固体を洗浄すると、4−モノ体だけ溶解し、除去できる。
【0021】
4,6−ジ体の還元は、Pd−Cなどの金属触媒を用いて行う。この際に水溶媒または若干の低級アルコールを加えた水とアルコールの混合溶媒を用い、4,6−ジ体の3〜5倍モルの塩酸、触媒を加えて、水素で常圧又は加圧で還元を行う。
【0022】
還元後、触媒を濾別し、濾液に多量の塩酸を加えると4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩が析出する。これを濾集することにより4,6−ジアミノレゾルシノール塩酸塩を得る事ができる。この濾液は、酸素を断ってアルカリ性にするとアニリンがオイル層として分離してくるので、回収し再使用が可能である。
【0023】
以下に、本発明の製造方法の好ましい実施態様を順次記載する。
溶媒が水又は水と水溶性有機溶媒の混合物であり、使用されるレゾルシノールの量が反応系全量の2〜10重量%である製造方法:
溶媒が水であると、後工程が容易になり、収率は最も高くなる。そして、使用されるレゾルシノールの量を反応系全量の2〜10重量%にすると、70〜80%の収率で目的化合物を得ることができる。
【0024】
塩化(置換)ベンゼンジアゾニウムが塩化ベンゼンジアゾニウムである本発明の製造方法と上記の実施態様の製造方法:
この塩化ベンゼンジアゾニウムを使用する場合に得られる目的化合物が、他の置換ベンゼンジアゾニウムと比較して最も好ましい。
【0025】
反応溶媒が水である本発明の製造方法と上記の実施態様のいずれかの製造方法。
【0026】
水酸化アルカリが水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである本発明の製造方法と上記の実施態様のいずれかの製造方法。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によってさらに具体的に説明するが、これらによって本発明は、なんら限定されるものではない。
【0028】
実施例1
<塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液の合成>
アニリン3.76g、35%塩酸9.4g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.76gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
【0029】
<4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールの合成>
レゾルシノール2.2g(0.02モル)、NaOH16g(0.4モル)、水22gを仕込み10℃で良く攪拌した後、別途合成した上記の塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液全量(ジアゾニウム塩はレゾルシノールの2.0倍モルである。)を反応温度を10℃に保ちながら30分間にわたり滴下した。滴下終了後10℃で2時間攪拌した後、不溶物を濾別し、その濾集物を水30gで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ塩酸により酸性とした。析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は4.64gで収率は73%であった。
【0030】
実施例2
<塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液の合成>
アニリン3.95g、35%塩酸9.4g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.76gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
【0031】
<4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールの合成>
レゾルシノール2.2g(0.02モル)、NaOH16g(0.4モル)、水22gを仕込み10℃で良く攪拌した後、別途合成した上記の塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液全量(ジアゾニウム塩はレゾルシノールの2.1倍モルである。)を反応温度10℃を保ちながら30分間にわたり滴下した。滴下終了後10℃で2時間攪拌した後、不溶物を濾別し、その濾集物を水30gで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ塩酸により酸性とした。析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は4.96gで収率は78%であった。
【0032】
実施例3
<塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液の合成>
アニリン3.76g、35%塩酸9.4g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.76gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
【0033】
<4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールの合成>
レゾルシノール2.2g(0.02モル)、NaOH16g(0.4モル)、及びメタノール22gを仕込み10℃で良く攪拌した後、別途合成した上記の塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液全量(ジアゾニウム塩はレゾルシノールの2.1倍モルである。)を反応温度10℃を保ちながら30分間にわたり滴下した。滴下終了後10℃で2時間攪拌した後、メタノールを減圧留去後、水30gを加え、不溶物を濾別し、その濾集物を水30gで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ塩酸により酸性とした。析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は4.1gで収率は65%であった。
【0034】
実施例4
<塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液の合成>
アニリン3.76g、35%塩酸9.4g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.76gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
【0035】
<4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールの合成>
レゾルシノール2.2g(0.02モル)、NaOH24g(0.6モル)、水22gを仕込み10℃で良く攪拌した後、別途合成した上記の塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液全量(ジアゾニウム塩はレゾルシノールの2.1倍モルである。)を10℃を保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後10℃で2時間攪拌した後、メタノールを減圧留去後、水30gを加え、不溶物を濾別し、その濾集物を水30gで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ塩酸により酸性とした。析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は4.7gで収率は74%であった。
【0036】
比較例1
<塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液の合成>
アニリン3.76g、35%塩酸9.4g及び水10gの混合溶液中に、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム2.76gを水5.5gに溶解させた溶液を滴下し、塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液を合成した。
【0037】
<4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノールの合成>
レゾルシノール2.2g(0.02モル)、NaOH8g(0.2モル)、水22gを仕込み10℃で良く攪拌した後、別途合成した上記の塩化ベンゼンジアゾニウム水溶液全量(ジアゾニウム塩はレゾルシノールの2.0倍モルである。)を10℃を保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後10℃で2時間攪拌した後、不溶物を濾別し、その濾集物を水30gで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ塩酸により酸性とした。析出した固体を濾集し、水洗後、乾燥して暗赤色固体を得た。液体クロマトグラフィーで定量したところ4,6−ジ体の量は2.22gで収率は35%であった。
【0038】
実施例と比較例を対比すると、実施例はレゾルシノールに対するアルカリのモル比は、20倍又は30倍であり、そして4,6−ジ体の収率は65〜74%であった。これに対し比較例ではアルカリのモル比は10倍であり、収率は35%と低かった。
このようにアルカリのモル比を10倍から20〜30倍にすることにより収率が著しく向上した。アルカリのモル比を、大過剰から更にその上の大過剰にすることによるこのような著しい収率改善効果は予想以上のものである。
【0039】
【発明の効果】
レゾルシノールに対するアルカリのモル比を15〜40倍にすることにより、レゾルシノールの濃度を低くしなくても高い収率を維持することができる。
これにより、反応容積を従来法の約1/5ないし1/15に下げること(換言すれば、容積効率を5ないし15倍に上げること)が可能になった。

Claims (5)

  1. レゾルシノールと式[1]
    Figure 0003834739
    (式中、Rはハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ヒドロキシカルボニル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、nは零又は1〜5のいずれかの整数を表し、nが2以上である場合のRは互いに同一又は異なっていてもよく、XはCl、Br、OSO3 H又はOPO3 2 を表す。)で表される(置換)ベンゼンジアゾニウム塩をアルカリ性にした溶媒中で反応させることによる、式[2]
    Figure 0003834739
    (式中、R及びnは上記式[1]中と同じに定義される。)で表される4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法において;
    レゾルシノールと(置換)ベンゼンジアゾニウム塩を、レゾルシノールの15ないし40倍モルの水酸化アルカリの存在下で、レゾルシノールを反応系全量の2〜10重量%の濃度で、反応させることを特徴とする4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法。
  2. 溶媒が水又は水と水溶性有機溶媒の混合物である請求項1に記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法。
  3. 式[1]の(置換)ベンゼンジアゾニウム塩が塩化ベンゼンジアゾニ
    ウムである請求項1又は2に記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法。
  4. 溶媒が水である請求項1乃至3のいずれかに記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法。
  5. 水酸化アルカリが水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである請求項1乃至4のいずれかに記載の4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法。
JP30980395A 1995-11-02 1995-11-02 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法 Expired - Lifetime JP3834739B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30980395A JP3834739B2 (ja) 1995-11-02 1995-11-02 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法
PCT/JP1996/003199 WO1997016411A1 (fr) 1995-11-02 1996-10-31 Procedes de production de 4,6-bisphenyl(substitue)azoresorcinols
CA002236101A CA2236101C (en) 1995-11-02 1996-10-31 Processes for producing 4,6-bis(substituted)phenylazoresorcinols
DE69637797T DE69637797D1 (en) 1995-11-02 1996-10-31 Ten)phenylazoresorcinolen
KR1019980703272A KR100721220B1 (ko) 1995-11-02 1996-10-31 4,6-비스(치환)페닐아조레조르시놀의제조방법
US09/066,335 US5962740A (en) 1995-11-02 1996-10-31 Processes for producing 4,6-bis (substituted)phenylazoresorcinols
EP96935515A EP0974577B1 (en) 1995-11-02 1996-10-31 Processes for producing 4,6-bis(substituted)phenylazoresorcinols
KR1020047014065A KR100633672B1 (ko) 1995-11-02 1996-10-31 4,6-비스(치환) 페닐아조레조르시놀의 제조방법
CN96198665A CN1073986C (zh) 1995-11-02 1996-10-31 4,6-二(取代)苯基偶氮间苯二酚的制造方法
TW085113300A TW347382B (en) 1995-11-02 1996-11-01 Process for producing 4,6-bis(substituted)phenylazoresorcinols

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30980395A JP3834739B2 (ja) 1995-11-02 1995-11-02 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09124575A JPH09124575A (ja) 1997-05-13
JP3834739B2 true JP3834739B2 (ja) 2006-10-18

Family

ID=17997439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30980395A Expired - Lifetime JP3834739B2 (ja) 1995-11-02 1995-11-02 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3834739B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052244B1 (en) * 1998-01-27 2004-03-31 Nissan Chemical Industries, Ltd. Process for producing 4,6-diaminoresorcinol or its salts
JP4849287B2 (ja) * 1999-08-25 2012-01-11 日産化学工業株式会社 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール及び4,6−ジアミノレゾルシノールの製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09124575A (ja) 1997-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2705496A1 (en) Manufacturing method of 2-hydroxy-5-phenylalkylaminobenzoic acid derivatives and their salts
JP3834739B2 (ja) 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造方法
JP3790934B2 (ja) 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノールの製造法
JP4111777B2 (ja) 2−(3−スルホプロポキシ)アニリン類及びその製造法
KR100633672B1 (ko) 4,6-비스(치환) 페닐아조레조르시놀의 제조방법
JP2904038B2 (ja) 4,6−ジアミノレゾルシノールおよびその前駆体の製造方法
JP2006131568A (ja) ヒドロキシナフトエ酸ヒドラジドおよびその誘導体ならびにその製造方法
CN101134734A (zh) 一种苯肼衍生物的制备方法
US20130046109A1 (en) Integrated processes for the preparation of polybenzimidazole precursors
JP3870431B2 (ja) 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール及びその中間体の製造方法
JP3789749B2 (ja) チオサリチル酸の製造方法
JP3817736B2 (ja) 6−置換−2(1h)−キノキサリノンの製法
JP2002519409A (ja) 2−ニトロ−5−(フェニルチオ)−アニリンの製造方法
US20130172621A1 (en) Integrated processes for the preparation of polybenzimidazole precursors
KR950007218B1 (ko) 아릴아미노니트로페닐 하이드록시에틸 설폰의 제조방법
CA2183454A1 (en) Preparation of 4,6-diaminoresorcinol through a bisazoarylresorcinol intermediate
CN118324713A (zh) 一种苯并噻唑化合物
JPH07149741A (ja) 2−ニトロアニリンと2,4−ジ置換フェノールとのアゾカップリング方法
CN109734639B (zh) 一种食用香精香料的制备方法
CN113121447A (zh) 一种制备5-氨基苯并咪唑酮的合成方法
RU1804079C (ru) Способ получения ароматических 2-бромзамещенных диазосоставляющих для синтеза дисперсных моноазокрасителей
JP4849287B2 (ja) 4,6−ビス(置換)フェニルアゾレゾルシノール及び4,6−ジアミノレゾルシノールの製造法
JPS6316378B2 (ja)
CN115536617A (zh) 一种丹曲林中间体的制备方法
JP3020415B2 (ja) アミノベンザンスロン類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130804

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term