JP3790654B2 - 不揮発性半導体メモリの制御方法 - Google Patents

不揮発性半導体メモリの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、制御端子,浮遊ゲート,ドレイン端子,および,ソース端子を有する単数または複数のメモリセルからなる不揮発性半導体メモリを制御する制御方法において、特にプログラムの際のプログラムパルスのアルゴリズムに特徴がある不揮発性半導体メモリの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
浮遊ゲートを有する不揮発性半導体メモリは、例えば、フラッシュメモリとして利用される。そのメモリセルは、制御端子,浮遊ゲート,ドレイン端子,および,ソース端子から成り立っている。図10に、その1例の構成断面を示す。
【0003】
この1例のメモリセルでは、浮遊ゲート2に蓄積される電荷量によって、書き込み状態と消去状態とを取り得る。すなわち、制御端子1に所定の大きさの正の電界を印加した時、浮遊ゲート2の電荷量が平衡もしくはそれに近い場合と浮遊ゲート2に負の電荷(電子)が蓄積された場合とでは、ソース4とドレイン3の間にできるチャネル層を流れる電流に大小の差が生じる。この電流の大小は、制御端子1に適当な電圧を選択することによって、導通,非導通とすることができる。例えば、チャネルが導通している前者の場合のデータを「1」、チャネルが非導通の後者の場合を「0」と定義すると、浮遊ゲート2に蓄積される電荷量に応じて、2値のデータを保持し、読み出すことができる。
【0004】
この場合、浮遊ゲート2に蓄積される電荷量をさらに細かく制御できれば、2値にかぎらず多値のデータを保持し、読み出すことが可能である。
【0005】
メモリセルアレイにはこのようなメモリセルが多数存在している。あらかじめ、メモリセルアレイ全体、もしくは、メモリセルセルアレイの必要な領域にのみ、浮遊ゲート2に過剰な負の電荷を注入することによって、消去状態「0」にしておく。この過程では、例えば、制御端子1に正の電圧を印加し、基板5,ドレイン端子3,および,ソース端子4に負の電圧を印加することで、ソース4とドレイン3の間にできたチャネル層から電子がFowler - Nordhiemトンネル現象を通して、浮遊ゲート2に注入される。
【0006】
このまず消去状態にしたメモリセルアレイにデータを書き込む(プログラムする)には、例えば、図11に示すように、制御端子1が接続されたワード線に負の電圧−Vgを印加し、データ「1」を書き込むメモリセルのドレイン3に接続されたビット線に正の電圧+Vdを印加し、データ「0」を書き込むメモリセルのドレイン3'に接続されたビット線はフローティング状態(図11ではF)にする。この場合、データ「1」を書き込むメモリセルのトンネル酸化膜6には、Fowler - Nordhiemトンネル現象が生じるのに十分な電界が生じて、負の電荷が浮遊ゲート2からドレイン3に移動し、メモリセルの閾値が低下する。一方、データ「0」を書き込むメモリセルのトンネル酸化膜6'には、Fowler - Nordhiemトンネル現象が生じるのに十分な電界が生じず、負の電荷がドレイン3'から浮遊ゲート2'に移動しない。よって、メモリセルの閾値は高い状態を維持する。したがって、データに応じて浮遊ゲートに蓄積される電荷量に差が生じ、メモリセルアレイにデータが書き込まれる。
【0007】
メモリセルアレイには多数のメモリセルが存在し、製造ばらつきなどに起因して、それらのメモリセルの特性は均一ではない。したがって、プログラム動作時に、メモリセルの特性に合わせて、プログラムパルスを制御する必要が生じる。
【0008】
具体的には、例えば、ワード線毎にプログラムを実施する場合、プログラムを行うワード線に複数のパルスを印加し、各プログラムパルスの印加後にメモリセルの閾値を検出(ベリファイ)し、次のプログラムパルスを印加する時に、所定の閾値に達したメモリセルに接続されたビット線をフローティング状態にし、書き込みは行わず、所定の閾値に達していないメモリセルに接続されたビット線には電圧を印加する。これにより、浮遊ゲートに注入される電荷量を制御して、各メモリセルの閾値をあるばらつき範囲にまで揃えるという操作が行われる。なお、この操作はベリファイ操作と一般に呼ばれる。また、上記一連のプログラムパルスの列はある一つのアルゴリズムを形成する。
【0009】
プログラムパルスのアルゴリズムはそれ自体フラッシュメモリの種類にかかわらず本質的なものである。すなわち、電圧の極性等を最適化することで、フラッシュメモリの種類(例えば、NOR型,NAND型,DINOR型,あるいは、バーチャルグランドNOR型など)によらず適用可能である。
【0010】
プログラムパルスのアルゴリズムを形成するパルス列には、T.Kawahara et al.:IEEE J. of Solid - State Circuit30(1995)1554、G,J,Hemink et al.:Symp.on VLSI Technology(1995)129、あるいは、桝岡富士雄:「フラッシュメモリの高集積化技術」第43回半導体専門講習会予稿集(1996)137に記載されているような従来方法がある。これらの文献に記載された従来方法は、図12(A),(B)および、図13(A),(B),(C),(D)に示されているプログラムパルス列を用いたアルゴリズムによる方法である。これらの従来例はワード線電圧およびワード線に印加するプログラムパルス幅を制御する方法である。これらのどの従来例の場合も、図中には示されていないが、各プログラムパルスを印加した直後にベリファイ動作が行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
メモリアレイ内のメモリセルの閾値を必要とされる分布幅に抑えるには、プログラムパルスを印加したときにメモリセルの閾値がシフトする量を、上記必要とされる分布幅に常に等しくする必要がある。もしくは、上記閾値シフト量を、上記閾値分布幅よりも小さくする必要がある。
【0012】
さらに、必要とされるプログラム状態のメモリセルの閾値分布幅は、通常、プログラムパルスを単純に印加したとき(すなわち、ベリファイ動作を伴わずにプログラムパルスを印加したとき)のメモリセルの閾値分布幅よりも小さく設定される。このため、プログラムパルスを単純に印加した時のメモリセルの閾値分布幅が大きくなればなる程、必要なプログラムパルス数はより多くなる。
【0013】
これらの条件を満足するために、図12(A)あるいは図13(B)に示されるような従来方法がある。これらの方法では、ワード線電圧VgmaxもしくはVgを一定に設定して、(図示していないプログラムパルス毎にベリファイ動作を行うような)パルス幅を変えたプログラムパルス列から成るアルゴリズムによりプログラムを行っている。
【0014】
これらの方法では、メモリセルの閾値がシフトする量を正確に制御するために、各プログラムパルス毎にパルス幅を設定する必要が生じる。これには、メモリセルの特性を把握するために、プログラムに関するデータを多数集める、あるいは、正確なシミュレーションを実行するというような、困難な作業を必要とする。
【0015】
さらに、これらの方法では、より正確に閾値を合わせ込むためにプログラムパルス数を増加させた場合、プログラムアルゴリズムが進むにしたがって、印加するプログラムパルスのパルス幅を順に大きくする必要があり、結果としてプログラム時間がほぼ指数関数的に増大するという問題が生じる。
【0016】
このような課題を改善するために、図13(C)に示されるように、ワード線電圧を波形上斜めに上昇させて、プログラムパルス毎にベリファイ動作行うようなアルゴリズムでプログラムする従来方法がある。さらには、図12(B)と図13(D)に示されるように、ワード線電圧を階段状に上昇させて、プログラムパルス毎に、図示していないベリファイ動作を行うようなアルゴリズムでプログラムする従来方法がある。
【0017】
これらの方法では、ベリファイ動作を伴うプログラムパルスのパルス幅を固定した状態で、メモリセルの閾値がシフトする量をほぼ一定に揃えることが可能である。したがって、各プログラムパルス毎にパルス幅を設定する必要がなくなり、この点では改善されている。
【0018】
ところが、これらの方法では、プログラムパルスの電圧の大きさを、逐次大きくしていく必要がある。実際のデバイスでは、設定できるプログラムパルスの電圧の大きさの最大値は、メモリセルのトンネル酸化膜の耐圧、もしくは、プログラム動作に必要な回路の耐圧などによって制限を受けるので、必要とする値に設定できない場合が多い。
【0019】
したがって、プログラム速度が遅いメモリセルをプログラムする場合、これらの耐圧によって、最終パルスとして設定できる電圧は、制限を受ける。メモリセルのプログラム速度が遅くなると、それに応じてプログラムパルスのパルス幅を広げる必要が生じる。メモリセルのプログラム速度が遅い場合、最終プログラムパルス以外のプログラムパルスのパルス幅も広げておく必要があるので、結果としてプログラム時間が長くなるという問題を生じる。
【0020】
プログラム時のメモリセルの閾値をより正確に揃えるため、図12(B)に示されるように、階段状のプログラムパルスの各ステップをさらに分割したようなプログラムパルスからなるアルゴリズムによる従来方法がある。この方法を用いると、所定の閾値になったメモリセルへの書き込みを停止する操作をきめ細かくできることからメモリセルの閾値分布をさらに狭くできるという点では改善されている。
【0021】
しかし、プログラムパルス印加後、ベリファイを行なうためプログラムパルスの数だけベリファイ動作が必要になるので、ベリファイに要する時間が無視できず、結果としてプログラム時間が増加するという問題が生じる。
【0022】
さらに、プログラムパルスの電圧が増加したときのメモリセルの閾値のシフト量と、同じプログラム電圧のパルスを続けて印加した時のメモリセルの閾値のシフト量との間の整合性をとる必要が生じる。不揮発性半導体メモリチップ毎にこのような条件を満足するプログラムパルスを発生させることのできる回路は複雑になるという問題がある。
【0023】
また、図13(C)に示すプログラムパルス波形のように、一つのパルス中でワード線電圧を斜めに上昇させるような電圧発生回路は複雑になるという問題がある。
【0024】
先の設定できる最大電圧が耐圧等により制限を受けるという問題に対して、図13(A)で示されるように、最大電圧Vgmaxのプログラムパルスの数を増加させて、かつ、パルス幅を広げて対応するという従来方法がある。
【0025】
この場合、最大電圧のプログラムパルスのパルス数、および、パルス幅の設定が新たに必要となる。この際、図12(A)あるいは図13(B)で示されるような従来方法に伴う問題(パルス幅設定の困難さ)と同じ問題を再び考慮する必要が生じる。
【0026】
さらに、図13(A)で示されるような従来方法の場合には、図12(B)で示されるような従来方法に伴う問題(プログラム時間が長くなる)と同じ問題も含んでいる。
【0027】
そこで、この発明の目的は、メモリセルアレイの各セルの閾値のばらつきを抑制でき、この閾値分布の制御性を向上でき、プログラム速度も向上できる不揮発性半導体メモリの制御方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の不揮発性半導体メモリの制御方法は、各プログラム電圧が漸次増加するか等しい大きさを有する複数のプログラムパルスからなるパルス列を、単数または複数のメモリセルの制御端子に入力して、このメモリセルをプログラムする不揮発性半導体メモリの制御方法であって、
上記パルス列は、プログラム電圧の大きさが漸次増加する複数のプログラムパルスを有し、
さらに、上記パルス列は、その最終プログラムパルスと同じプログラム電圧を有するプログラムパルスを単数もしくは複数だけ有し、
上記最終プログラムパルスと同じプログラム電圧を有する単数もしくは複数のプログラムパルスのパルス幅の合計を、上記不揮発性半導体メモリを上記最終プログラムパルスのプログラム電圧のプログラムパルスのみでプログラムするのに必要な時間の2分の1以上の時間とすることを特徴としている。
【0029】
この発明の不揮発性半導体メモリの制御方法は、漸次電圧の大きさが増加する複数のプログラムパルスをメモリセルの制御端子に入力し、最大電圧時のプログラムパルス(最終プログラムパルス)のパルス幅の合計を、その最大電圧のみでメモリセルをプログラムするのに必要な時間の2分の1以上にする。これにより、メモリセルアレイの各セルの閾値のばらつきを抑制でき、この閾値分布の制御性を向上でき、プログラム速度も向上できることを実験で確認できた。
【0030】
また、一実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記パルス列の最終プログラムパルスのプログラム電圧に達するまでの各プログラムパルスにおいて、
隣接する2つのプログラムパルス間のプログラム電圧の絶対値の上げ幅と、上記プログラムパルスのパルス幅と比を、
上記不揮発性半導体メモリのメモリセルの閾値の分布幅と、上記メモリセルをプログラムするのに必要な時間との比に、等しくする。
【0031】
この一実施形態では、プログラムパルスの電圧の大きさの上げ幅とプログラムパルス幅との比を所定値(閾値分布幅とプログラム所要時間との比)に保つ。これにより、プログラム時間を不必要に増加させることなく、メモリセルの閾値のシフト量を可能な範囲で自由に制御でき、したがって、メモリセルのプログラム時の閾値の分布幅を可能な範囲で自由に制御できる。
【0032】
また、他の実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、
上記パルス列よりも前に、
上記パルス列の最初のプログラムパルスの電圧に等しいか低い大きさを持つ単数もしくは複数の追加プログラムパルスを有し、この追加プログラムパルスのプログラム電圧の絶対値は漸次増加するか等しい大きさを有していて、
上記追加プログラムパルスと上記パルス列を上記メモリセルに入力して、このメモリセルをプログラムする。
【0033】
この実施形態では、上記パルス列とその前の追加プログラムパルスでもって、メモリセルをプログラムするので、このプログラム時にメモリセルのトンネル酸化膜に印加される電界を緩和することができ、メモリセルの信頼性を向上できる。
【0034】
また、一実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記追加プログラムパルスのパルス幅に対する上記追加プログラムパルスのプログラム電圧の絶対値の上げ幅の比を、上記パルス列のパルス幅に対する上記パルス列のプログラムパルス毎のプログラム電圧の絶対値の上げ幅の比に等しくする。
【0035】
この実施形態では、追加プログラムパルスのパルス幅に対する上げ幅の比を、パルス列のパルス幅に対する上げ幅の比に等しくするから、追加プログラムパルスを存在させても、プログラム時間の増加を最小限に抑制できる。
【0036】
また、他の実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記パルス列の最終プログラム電圧に達するまでの各プログラムパルスにおいて、
上記プログラムパルス毎のプログラム電圧の絶対値の上げ幅と、そのプログラムパルスのパルス幅との比を、
上記メモリセルの閾値の分布幅と、プログラム状態に設定されたメモリセルの閾値とイレース状態に設定されたメモリセルの閾値の間に挟まれたメモリセルの遷移状態の閾値の幅との和に対する上記不揮発性半導体メモリ内をプログラムするのに必要な時間の比に等しくする。
【0037】
この実施形態では、プログラムパルスの電圧の大きさの上げ幅とプログラムパルス幅との比を、所定値((閾値分布幅+遷移状態の閾値幅):プログラム所要時間)に保つ。これにより、プログラム時間を不必要に増加させることなく、メモリセルの閾値のシフト量を可能な範囲で自由に制御でき、したがって、メモリセルのプログラム時の閾値の分布幅を可能な範囲で自由に制御できる。
【0038】
また、一実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくする。
【0039】
この実施形態では、上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくするので、パルス発生回路の構成を簡単にすることができる。
【0040】
また、他の実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくする。
【0041】
この実施形態では、上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくするので、パルス発生回路の構成を簡単にできる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の不揮発性半導体メモリの制御方法を、図示の実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0043】
〔第1の実施形態〕
図1に、この発明の第1実施形態の制御方法によるプログラムアルゴリズムのプログラムパルス列を模式的に示す。このパルス列は、ワード線に印加する電圧を表わしており、図10および図11に示されたメモリセルに適合した一つの例であるため、ワード線電圧は負電圧になっている。また、より詳細な説明のためにベリファイパルスBPをも描写されている。
【0044】
この実施形態の制御方法による各プログラムパルスP1,P2,P3…,Pn−1,Pnの幅tppは、その最終パルスPnにおける電圧(図1,図2(A)における−Vgend)のみでプログラムした場合に必要なプログラム時間tpgmの2分の1の大きさ(tpgm/2)になっている(幅tpp=tpgm/2)。
【0045】
このパルス幅tppは、図2に模式的に表わされているように、メモリセルアレイ内で最もプログラム速度の遅いメモリセルの特性によって決定される。図2において、縦軸はメモリセルのしきい値電圧VTを示し、横軸はプログラム(書き込み)時間tをlog表示したものである。
【0046】
最終的に、電圧(−Vgend)のプログラムパルスPnを、制御端子につながるワード線に印加することによって、メモリセルアレイの中で最もプログラム速度の遅いメモリセルが、所定の消去(Erase)状態から所定の書き込み(Program)状態に達するのに要する時間tpgmを、図2(B)に表している。上記所定の消去状態とは、例えば、しきい値が4V以上の状態であり、上記所定の書き込み状態とは、例えば、しきい値が2V以下の状態である。
【0047】
図1に示すように、この実施形態の制御方法では、一定の電圧Vgstepを増分として、ワード線にステップ状にパルスP1,P2,P3,…,Pn−1,Pnを印加する。ここで、上記各パルスP1〜Pnのパルス幅tppを上記プログラム時間tpgmの2分の1(tpp=tpgm/2)に設定することによって、メモリセルアレイの各セルの閾値のばらつきを抑制でき、この閾値分布の制御性を向上でき、プログラム速度も向上できることを実験で確認できた。
【0048】
また、この実施形態では、上記パルス幅tppを、上記プログラム時間tpgmの2分の1に一義的に設定するので、プログラムアルゴリズムのパルス幅設定を容易化することができる。なお、上記パルス幅tppを上記プログラム時間tpgmの2分の1以上にしてもよい。この場合、プログラム速度が減少するが、しきい値のばらつきはより小さくなる。
【0049】
図3に、上記実施形態によるアルゴリズムでプログラムした場合のメモリセル群の閾値分布を模式的に示す。図3に、E部で示すように、消去状態のメモリセル群の閾値分布幅は、通常、ベリファイ動作を行って揃えようとするメモリセル群の閾値分布幅より広い。
【0050】
このE部のように、消去状態のしきい値分布を持つメモリセル群に、最初のプログラムパルスP1を印加すると、各メモリセルの書き込み特性の違いに起因して、図3のA部に示すように、しきい値分布幅が上記消去状態のメモリセル群のしきい値分布幅よりも大きくなることもありえる。
【0051】
次に、このメモリセル群のしきい値分布幅を狭めるために、ベリファイを行い、メモリセル群のしきい値電圧を検証する。ここで、しきい値が2V以下になっており、所定の書き込み状態になっているメモリセルのドレインはフローティング状態として、さらなる書き込みを行わない。一方、しきい値が2V以上であり、書き込みを行うべきメモリセルには、パルスP1(−Vgstart)よりもVgstepだけ高い電圧である第2のプログラムパルスP2を印加し書き込みを行う。この結果、書き込むべきメモリセルのしきい値分布幅は、図3に示すB部のように狭くなる。
【0052】
同様に、図1に示すプログラムパルス波形にしたがって、順次、ステップ状にVgstepずつ増加するプログラムパルスP3,…と、ベリファイパルスBPとを交互に、メモリセルに印加し、図3のD部に示すように、書き込むべきメモリセルのしきい値が、全て所定の電圧(図3では2V)以下になるまでこの動作を続ける。
【0053】
このように、メモリセル群の閾値の広い分布幅を、目的とする狭い分布幅に揃えるには、しきい値を確認するベリファイ動作が必要である。このベリファイ動作時のメモリセルの閾値分布のシフト量は、最大でも、目的とするプログラム後のしきい値分布幅程度に抑える必要がある。
【0054】
このベリファイ動作時のメモリセルのしきい値のシフト量が大き過ぎると、図3に示す書き込み状態のメモリセルのしきい値分布の下限値(VPL)がさらに下がるので、しきい値分布幅が広がってしまう。
【0055】
本出願人らによるシュミレーション実験では、プログラムパルスの電圧増分Vgstepとこれによるメモリセルのしきい値のシフト量はほぼ一致していた。したがって、プログラムパルスの増加電圧Vgstepを制御することによって、目的とするメモリセルのしきい値分布幅を制御することができる。
【0056】
図3に示すように、この実施形態では、第2パルスP2以降のパルスP3…をメモリセルに印加したとき、メモリセルの閾値は、その直前のパルスの電圧との差Vgstepだけシフトする。したがって、図1の波形に示すように、増分Vgstepを一定にして、メモリセルのプログラムを行うことによって、図3にB→C→Dで示すように、第2パルスP2以降のパルス毎のメモリセルのしきい値のシフト量を一定にすることができる。これによって、目的とするメモリセルの閾値の分布幅を達成できる。
【0057】
上記実施形態の制御方法では、図1に示すアルゴリズムプログラムパルス列において、各プログラムパルスP1,P2…のパルス幅tppを一定値にしている。ただし、このパルス幅tppを変化させることによっても、第2パルスP2以降のパルスP3,…毎のメモリセルのしきい値シフト量をほぼ一定にできる。この実施形態では、プログラムパルス幅を一定に設定するから、プログラムパルスを発生させる制御回路等が簡単な構成により実現可能となる。
【0058】
ただし、上記パルス幅tppを小さくし過ぎると、上記実施形態のような階段状のパルス列の最終パルスPnですべてのメモリセルのプログラムを終了できなくなる。その理由は、プログラムパルスの幅を狭くしてパルス印加回数を増やすと、プログラムパルス印加後に行うメモリセルのしきい値電圧を検証するためのベリファイ回数も同様に増加して、ベリファイに要する時間がプログラム時間の中で無視できなくなるからである。
【0059】
この第1実施形態のように、階段状のパルス列の最終パルスPnですべてのメモリセルのプログラムを終了するのに必要なパルス幅tppは、その電圧(Vgend)のみでプログラムするのに必要なプログラム時間tpgmの半分である。すなわち、
tpp=tpgm/2 (式1)
次に、図4に、この実施形態の制御方法によって、プログラムパルスのパルス幅を決定するためのアルゴリズムを示す。
【0060】
まず、ステップS1に示すように、予め、最も書き込み速度の遅いメモリセルに対して、ワード線に印加する最終プログラム電圧Vgendを求め、ビット線電圧Vdを求める。この最終プログラム電圧Vgendは、例えば、メモリセルのトンネル酸化膜の耐圧と信頼性を考慮して設定する。次に、ステップS2に進み、最も書き込み速度の遅いメモリセルに対して、プログラム時間tpgmを求める。次に、ステップS3に進み、このプログラム時間tpgmの2分の1の時間(tpgm/2)を、パルス幅tppとする。そして、ステップS4で、最終パルス幅を上記パルス幅tppに設定する。
【0061】
そして、この期間tppの間だけ、先の最終プログラム電圧Vgendをワード線に印加し、このときの書き込み状態のメモリセルのしきい値分布幅(ベリファイしない状態のメモリセルのしきい値分布に相当)を求めておく。このしきい値の分布は、図3に符号Aで示す状態に相当する。
【0062】
このメモリセルのしきい値分布幅は、例えば、先述の読み出し動作のように、ワード線に所定の電圧を印加し、このワード線ヘの印加電圧を変えながらドレインとソース間に電流が流れるか否かを測定することで、求めることができる。
【0063】
この実施形態の制御方法では、図4に示すアルゴリズムをまず実施し、プログラム対象とするメモリセル群のうち、最も書き込み速度の遅いメモリセルに対して、ワード線に印加する最終プログラム電圧Vgendとプログラム時間tpgmを求めることから、書き込むべきメモリセルの書き込みを確実に行うことができる。
【0064】
また、従来技術のように、最終プログラム電圧がメモリセルの耐圧により制限を受け、所定の書き込みができなかったり、プログラム時間が不必要に長くなることもない。
【0065】
次に、図5,図6および図7に、この実施形態の制御方法によって、プログラムパルス電圧を決定するためのアルゴリズムを例示する。
【0066】
まず、図5に示すフローチャートを参照しながら、この第1実施形態を具体的な数値を用いて説明する。ここでは、メモリセルの閾値が4V以上であるときに消去状態とし、メモリセルの閾値が2V以下であるときにプログラム状態とする。
【0067】
まず、ステップS11で、メモリセルの制御端子につながるワード線への印加電圧Vgを−12Vとし、ビット線(ドレイン)電圧としてVd=4Vを印加する。
【0068】
このとき、メモリセルアレイ中で最も遅いメモリセルが時間tpgm=2(ミリ秒)でプログラムを終了した場合、プログラムパルス幅tppを1ミリ秒に設定する。
【0069】
次に、ステップS12に進み、ベリファイを実施しない場合のメモリセルアレイ内の閾値分布幅VTrangeを求める。ここでは、図3に符号Aで示すように、この閾値分布幅VTrangeを4Vとする。次に、ステップS13に進み、ベリファイ後のメモリセルの目的とする閾値分布幅VTrange-vを決める。ここでは、図3に符号Dで示すように、目的とする閾値分布幅VTrange-vを0.5Vとする。
【0070】
次に、ステップS14に進み、プログラムパルスの増分Vgstepを、−0.5V(−VTrange-v)に設定する。
【0071】
次に、ステップS15に進み、プログラムパルス数Npulseを、8(VTrange/(Vgstep)=4÷0.5)に設定する。
【0072】
次に、ステップS16に進み、Vgstart=Vgend+(8−1)・(0.5)として、Vgstartを求める。ここでは、Vgendを−12.0Vとしたので、Vgstartは−8.5Vである。
【0073】
すなわち、ステップS17で、上記ワード線に印加するプログラムパルス電圧の開始電圧を、Vg(P1)=−8.5Vとし、ステップS18で、このプログラムパルス電圧の増分を−0.5Vに設定し、ステップS19で、パルス数を8に設定する。
【0074】
これにより、プログラムパルス電圧は、順に、Vg(P1)=−8.5V,Vg(P2)=−9.0V,Vg(P3)=−9.5V,Vg(P4)=−10.0V,Vg(P5)=−10.5V,Vg(P6)=−11.0V,Vg(P7)=−11.5V,Vg(P8)=−12.0Vとなる。
【0075】
そして、ドレイン電圧Vdを4Vに設定し、パルス幅tppを1ミリ秒に設定する。
【0076】
また、必要に応じて、このパルス列P1〜P8の前部に、パルスを追加してもよい。例えば、1パルスを追加する場合、図5のフローチャートに替えて、図6のフローチャートを採用する。この図6のフローチャートは、ステップS25で、Npulseを、(VTrange/Vgstep)よりも1だけ増やした点だけが、前述の図5のフローチャートと異なる。
【0077】
したがって、この図5のフローチャートによれば、パルス数が(8+1)=9である。すなわち、ワード線に印加するプログラムパルス電圧は、順に、Vg(PA)=−8.0V,Vg(P1)=−8.5V,Vg(P2)=−9.0V,Vg(P3)=−9.5V,Vg(P4)=−10.0V,Vg(P5)=−10.5V,Vg(P6)=−11.0V,Vg(P7)=−11.5V,Vg(P8)=−12.0Vとなる。また、ドレイン電圧Vd=4V,パルス幅tpp=1ミリ秒となる。
【0078】
さらにまた、イレース状態からのメモリセルの閾値分布のシフト量をできるだけ均一にしたければ、4パルス追加する。この場合、ワード線に印加するプログラムパルス電圧を、順に、Vg(PB1)=−6.5V,Vg(PB2)=−7.0V,Vg(PB3)=−7.5V,Vg(PB4)=−8.0V,Vg(P1)=−8.5V,Vg(P2)=−9.0V,Vg(P3)=−9.5V,Vg(P4)=−10.0V,Vg(P5)=−10.5V,Vg(P6)=−11.0V,Vg(P7)=−11.5V,Vg(P8)=−12.0Vとする。また、ドレイン電圧Vd=4V,パルス幅tpp=1ミリ秒とする。
【0079】
このように、追加パルスを採用した場合には、プログラムパルスをより低いプログラムパルス電圧から開始することとなるので、メモリセルのトンネル酸化膜に印加される電界をより緩和でき、メモリセルの信頼性を高めたい場合に有効である。
【0080】
なお、前述のプログラムパルスの具体例で挙げた数値は、あくまでも一例であることは勿論である。
【0081】
次に、図7に示すフローチャートを参照して、上記第1実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法において、プログラムパルス電圧を決定するための3例目のアルゴリズムを説明する。
【0082】
このフローチャートでは、まず、ステップS31で、ビット線電圧をVdとする。
【0083】
次に、ステップS32に進み、図3に符号Dで例示するような所望のプログラム状態と図3に符号Eで示すような所望の消去状態との間のメモリセルのしきい値差VTinhibit(2V)を決める。図3では、上記所望のプログラム状態とは、しきい値電圧VTがVp(=2V)以下の状態であり、所望の消去状態とは、しきい値電圧VTがVEL(=4V)以上の状態である。
【0084】
その後は、図5および図6に示したフローチャートと同様に、ステップS33において、ベリファイを実施しない時の閾値分布幅VTrangeを求め、次いで、ステップS34において、ベリファイ後の閾値分布幅VTrange-Vを決定し、次に、ステップS35において、プログラムパルス間の電圧増分Vgstepを、(−VTrange-V)に決める。
【0085】
そして、ステップS36に進み、プログラムパルスの数Npulseは、
Npulse=(VTrange+VTinhibit)/Vgstep …(式2)
で求める。これは、メモリセルのしきい値を、図3に示す消去状態のしきい値分布の上限VEH=6Vから書き込み状態のしきい値分布の上限Vp=2Vにすることに近似するが、実際のVTrangeは、図3のE状態のしきい値分布ではなくA状態でのしきい値分布である。
【0086】
次に、ステップS37に進み、図1に示す第1番目のプログラムパルスP1の電圧Vgstartを、
Vgstat=Vgend+(Npulse−1)・Vgstep …(式3)
とする。
【0087】
次に、ステップS38に進み、ワード線電圧の開始電圧を上記(Vgstart)に設定する。次に、ステップS39に進み、ワード線電圧の変化分(増分)を、上記Vgstepに設定する。次に、ステップS40に進み、プログラムパルスのパルス数を、上記Npulseに設定する。
【0088】
図5,図6,図7に示した上述の3つのフローを見ても分かるように、
▲1▼ ワード線への最終パルス電圧Vgendと、所望の書き込み状態のしきい値分布幅VTrange-Vを決め、
▲2▼ 最も書き込み特性の遅いメモリセルのプログラム時間tpgmおよびベリファイを行わない時での書き込み状態のしきい値分布幅VTrangeを求める。
【0089】
この▲1▼,▲2▼だけで、後は、パルス回数Npulseやワード線への最初のパルス電圧Vgstartを一義的に決めることができ、複雑な手順は不用である。
これら図5,図6,図7に示したフローを実施することで、書き込み状態のメモリセルのしきい値分布幅をプログラムパルス電圧の増加分Vgstepで制御することができ、さらに、書き込み状態のしきい値分布幅を狭く設定できる。このことは、読み出し時の読み出しマージンの確保につながり、読み出し誤りの発生を抑えることができる。このことは、読み出しマージンが少なくなる多値しきい値の場合に、特に有効になる。
【0090】
また、しきい値が2値の場合でも、メモリセルを低消費電力化するために、低電圧で駆動する場合には、読み出し誤りの発生を抑える効果を発揮できる。
【0091】
〔第2の実施の形態〕
次に、図8に、この発明の不揮発性半導体メモリの制御方法の第2実施形態によるプログラムアルゴリズムのプログラムパルス列の波形を示す。このパルス列は、ワード線に印加する電圧波形を表わしており、図10および図11に示されたメモリセルに適合した一例である。したがって、ワード線電圧は負電圧になっている。また、図8に示す波形では、より詳細な説明のためにベリファイパルスBPも描かれている。
【0092】
ベリファイを行ないながらプログラムを行なったときのメモリセルの閾値分布は、前述の通り、少なくとも上げ幅Vgstepの大きさだけ幅を持つ。しかし、実際には、回路マージン、あるいは、メモリセルの特性のばらつきなどが原因で、この値(Vgstep)よりも大きくなる問題がある。この第2実施形態によるプログラムアルゴリズムは、この問題を解決するものである。すなわち、プログラム時間をほとんど増加させることなく、上げ幅Vgstepの大きさを小さくすることによって、メモリセルのしきい値分布幅を更に狭くすることができる。
【0093】
本出願人によるシミュレーション実験によれば、プログラムパルス幅t'ppとパルス間の変化分Vg'stepとの間の比は、プログラムパルスのパルス幅の総和tprgとベリファイしない場合のメモリセルの閾値分幅VTrangeとの比にほぼ等しくなることを確認できた。すなわち、
[Vg'step]/t'pp=VTrange/tprg …(式4)
である。なお、[Vg'step]は、Vg'stepの絶対値を表す。ところで、この発明の第1の実施形態も同様に、
[Vgstep]/tpp=VTrange/tprg …(式5)
が成立する。[Vgstep]は、Vgstepの絶対値を表す。したがって、
[Vg'step]/t'pp=[Vgstep]/tpp …(式6)
を満足すれば、最終パルスPENDまででプログラムが終了する。ただし、最もプログラムの遅いメモリセルのプログラムを終了させるために、最終パルスに限っては広いパルス幅tpp(>t'pp)が必要に成る。しかし、プログラムパルスが実際に印加されている時間の総和tprgは、第1実施形態と変わることがなく一定である。
【0094】
そこで、(式6)の条件を満足しつつ、Vg'stepの大きさをVgstepよりも小さく設定することで、(式4),(式5)を参照すれば分かるように、第1実施形態と同じプログラム時間tprgで、より狭いメモリセルの閾値分布幅を得ることができる。これにより、メモリセルアレイの各セルの閾値のばらつきを抑制でき、この閾値分布の制御性を向上でき、プログラム速度も向上できる。
【0095】
〔第3の実施の形態〕
次に、図9に、この発明の第3実施形態の制御方法によるプログラムアルゴリズムのプログラムパルス列の模式図を示す。このプログラムパルス列は、前述の第2実施形態による図8のプログラムパルス列において、最終パルスPENDを、Pe1,Pe2,…に分割したものである。この分割された最終パルス列Pe1,Pe2,…は、最終電圧(−Vgend)であり、分割された各パルス幅の和は、tppに設定されている。この最終電圧(−Vgend)における各パルスPe1,Pe2,…のパルス幅は例えば、t'ppに設定できる。ここで、(t'pp+t'pp+…+t'pp)=tpp である。この第3実施形態によるプログラムアルゴリズムによれば、メモリセルの閾値分布を、第2実施形態に比べてさらに狭く制御できる。
【0096】
また、この第3実施形態によれば、プログラムパルス列全体にわたってパルス幅t'ppが一定であるので、プログラムパルスを発生させる制御回路等を簡単な構成にすることができる。しかも、最初のパルスから最後のパルスまで、短いパルス幅t'ppでメモリセルのしきい値のシフト量を制御するので、メモリセルのしきい値分布幅を、第2実施形態よりもさらに狭く制御することができる。
【0097】
ところで、上記第2実施形態および第3実施形態では、プログラムパルス幅t'ppを細かく設定し過ぎると、ベリファイ動作に要する時間が大きくなることに起因して、実際のプログラム時間が延びるという問題が生じる。しかし、ベリファイに要する時間がプログラムパルス幅t'ppに比べて十分に短ければ、この実際のプログラム時間の増加分は問題にならない。
【0098】
なお、上記第2,第3の実施形態においても、第1実施形態と同様に、プログラムパルス列の前部に、必要に応じて適当なパルスを追加することによって、プログラム時にメモリセルのトンネル酸化膜に印加される電界を緩和でき、メモリセルの信頼性を向上できる。
【0099】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の不揮発性半導体メモリの制御方法は、漸次電圧の大きさが増加する複数のプログラムパルスをメモリセルの制御端子に入力し、最大電圧時のプログラムパルス(最終プログラムパルス)のパルス幅の合計を、その最大電圧のみでメモリセルをプログラムするのに必要な時間の2分の1以上にする。これにより、メモリセルアレイの各セルの閾値のばらつきを抑制でき、この閾値分布の制御性を向上でき、プログラム速度も向上できることを実験で確認できた。
【0100】
また、一実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、プログラムパルスの電圧の大きさの上げ幅とプログラムパルス幅との比を所定値(閾値分布幅とプログラム所要時間との比)に保つ。これにより、プログラム時間を不必要に増加させることなく、メモリセルの閾値のシフト量を可能な範囲で自由に制御でき、したがって、メモリセルのプログラム時の閾値の分布幅を可能な範囲で自由に制御できる。
【0101】
また、他の実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法において、上記パルス列とその前の追加プログラムパルスでもって、メモリセルをプログラムするので、このプログラム時にメモリセルのトンネル酸化膜に印加される電界を緩和することができ、メモリセルの信頼性を向上できる。
【0102】
また、一実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記追加プログラムパルスのパルス幅に対する上記追加プログラムパルスのプログラム電圧の絶対値の上げ幅の比を、上記パルス列のパルス幅に対する上記パルス列のプログラムパルス毎のプログラム電圧の絶対値の上げ幅の比に等しくする。この実施形態では、追加プログラムパルスのパルス幅に対する上げ幅の比を、パルス列のパルス幅に対する上げ幅の比に等しくするから、追加プログラムパルスを存在させても、プログラム時間の増加を最小限に抑制できる。
【0103】
また、他の実施形態は、プログラムパルスの電圧の大きさの上げ幅とプログラムパルス幅との比を、所定値((閾値分布幅+遷移状態の閾値幅):プログラム所要時間)に保つ。これにより、プログラム時間を不必要に増加させることなく、メモリセルの閾値のシフト量を可能な範囲で自由に制御でき、したがって、メモリセルのプログラム時の閾値の分布幅を可能な範囲で自由に制御できる。
【0104】
また、一実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくするので、パルス発生回路の構成を簡単にすることができる。
【0105】
また、他の実施形態の不揮発性半導体メモリの制御方法は、上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくするので、パルス発生回路の構成を簡単にできる。
【0106】
この発明に係るアルゴリズムにより浮遊ゲートを有する不揮発性半導体メモリのメモリセルをプログラムすることによって、プログラム時間を増大させることなく、メモリセルの閾値分布をある範囲で自由に制御できることができる。この発明は2値のみならず多値の浮遊ゲートを有する不揮発性半導体メモリのメモリセルをプログラムする時にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の不揮発性半導体メモリの制御方法の第1実施形態によるプログラムアルゴリズムのプログラムパルス列の模式図である。
【図2】 図2(A)は、メモリセルアレイのうちで最も遅いメモリセルをプログラムするのに必要なプログラムパルス波形の一例であり、図2(B)はプログラムパルスのパルス幅を横軸に、閾値電圧を縦軸に取り、最も遅いメモリセルの閾値曲線を描いた特性図である。
【図3】 消去状態における閾値分布からプログラム状態における閾値分布へ移行する様子を示すベリファイ動作の説明図である。
【図4】 この発明の第1実施形態によって、パルス幅を決定するためのプログラムアルゴリズムを表すフローチャートである。
【図5】 上記第1実施形態によってプログラムパルスの電圧を決定するための1例目のプログラムアルゴリズムを表すフローチャートである。
【図6】 上記第1実施形態によってプログラムパルスの電圧を決定するための2例目のプログラムアルゴリズムを表すフローチャートである。
【図7】 上記第1実施形態によってプログラムパルスの電圧を決定するための3例目のプログラムアルゴリズムを表すフローチャートである。
【図8】 この発明の第2の実施形態によるプログラムアルゴリズムのプログラムパルス列の模式図である。
【図9】 この発明の第3の実施形態によるプログラムアルゴリズムのプログラムパルス列の模式図である。
【図10】 この発明に関連する浮遊ゲートを有する不揮発性半導体メモリの一例としてのメモリセルの断面構成略図である。
【図11】 この発明に関連する浮遊ゲートを有する不揮発性半導体メモリのメモリセルアレイを部分的に示し、書き込みデータの一例を部分的に示す模式図である。
【図12】 図12(A)は、従来のプログラムパルス列の第1例を示す波形図であり、図12(B)は、従来のプログラムパルス列の第2例を示す波形図である。
【図13】 図13(A)は従来のプログラムパルス列の第3例を示す波形図であり、図13(B)は従来のプログラムパルス列の第4例を示す波形図であり、図13(C)は従来のプログラムパルス列の第5例を示す波形図であり、図13(D)は従来のプログラムパルス列の第5例を示す波形図である。
【符号の説明】
1…制御端子、2…浮遊ゲート、3…ドレイン、4…ソース、5…基板、
6…トンネル酸化膜。

Claims (7)

  1. 各プログラム電圧が漸次増加するか等しい大きさを有する複数のプログラムパルスからなるパルス列を、単数または複数のメモリセルの制御端子に入力して、このメモリセルをプログラムする不揮発性半導体メモリの制御方法であって、
    上記パルス列は、プログラム電圧の大きさが漸次増加する複数のプログラムパルスを有し、
    さらに、上記パルス列は、その最終プログラムパルスと同じプログラム電圧を有するプログラムパルスを単数もしくは複数だけ有し、
    上記最終プログラムパルスと同じプログラム電圧を有する単数もしくは複数のプログラムパルスのパルス幅の合計を、上記不揮発性半導体メモリを上記最終プログラムパルスのプログラム電圧のプログラムパルスのみでプログラムするのに必要な時間の2分の1以上の時間とすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
  2. 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリの制御方法において、
    上記パルス列の最終プログラムパルスのプログラム電圧に達するまでの各プログラムパルスにおいて、
    隣接する2つのプログラムパルス間のプログラム電圧の絶対値の上げ幅と、上記プログラムパルスのパルス幅と比を、
    上記不揮発性半導体メモリのメモリセルの閾値の分布幅と、上記メモリセルをプログラムするのに必要な時間との比に、等しくすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
  3. 請求項2に記載の不揮発性半導体メモリの制御方法において、
    上記パルス列よりも前に、
    上記パルス列の最初のプログラムパルスの電圧に等しいか低い大きさを持つ単数もしくは複数の追加プログラムパルスを有し、この追加プログラムパルスのプログラム電圧の絶対値は漸次増加するか等しい大きさを有していて、
    上記追加プログラムパルスと上記パルス列を上記メモリセルに入力して、このメモリセルをプログラムすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
  4. 請求項3に記載の不揮発性半導体メモリの制御方法において、
    上記追加プログラムパルスのパルス幅に対する上記追加プログラムパルスのプログラム電圧の絶対値の上げ幅の比を、上記パルス列のパルス幅に対する上記パルス列のプログラムパルス毎のプログラム電圧の絶対値の上げ幅の比に等しくすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
  5. 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリの制御方法において、
    上記パルス列の最終プログラム電圧に達するまでの各プログラムパルスにおいて、
    上記プログラムパルス毎のプログラム電圧の絶対値の上げ幅と、そのプログラムパルスのパルス幅との比を、
    上記メモリセルの閾値の分布幅と、プログラム状態に設定されたメモリセルの閾値とイレース状態に設定されたメモリセルの閾値の間に挟まれたメモリセルの遷移状態の閾値の幅との和に対する上記不揮発性半導体メモリ内をプログラムするのに必要な時間の比に等しくすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
  6. 請求項1に記載の不揮発性半導体メモリの制御方法において、
    上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
  7. 請求項5に記載の不揮発性半導体メモリの制御方法において、
    上記パルス列の各プログラムパルスのパルス幅を等しくすることを特徴とする不揮発性半導体メモリの制御方法。
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