JP3790527B2 - 設備診断用集計システムの動作方法、並びに、設備診断用集計システム - Google Patents

設備診断用集計システムの動作方法、並びに、設備診断用集計システム Download PDF

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Description

本発明は設備改善評価用データ構造、設備診断用集計システムの動作方法、並びに、設備診断用集計システムに関する。
従来、蒸気を使用する設備の診断方法として、顧客の診断対象設備における複数の蒸気トラップの作動状態をトラップ診断器により診断して、この診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量(いわゆる、蒸気トラップでの蒸気漏れ量)を対象設備の全蒸気トラップについて集計したトラップ通過蒸気損失総量を演算し、このトラップ通過蒸気損失総量をトラップ交換により解消し得る改善可能な蒸気損失総量として顧客に示すことで、トラップ交換による設備改善の経済効果を顧客に示すようにした診断方法がある(特許文献1参照)。
特開2002−140745
しかし、上記従来の診断方法では、トラップ交換によって解消し得る蒸気損失の総量(トラップ通過蒸気損失総量)は把握し得るものの、そのトラップ交換によって対象設備の蒸気配管系における蒸気損失を率的にどの程度低減し得るかを把握することができず、この為、トラップ交換による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正に評価し難い場合があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、蒸気損失の低減を目的とする設備改善の有効性を適正に評価するのに適した設備改善評価用データ構造、設備診断用集計システムの動作方法、並びに、設備診断用集計システムを提供する点にある。
〔1〕本発明の第1特徴構成は設備改善評価用データ構造に係り、その特徴点は、
評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象蒸気配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との差を不明蒸気総量とするとともに、
評価対象蒸気配管系において所定の設備改善により解消できる蒸気損失の総量を改善可能蒸気損失総量とし、
これら各総量に対し、不明蒸気総量のうちで改善可能蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から改善可能蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量から改善可能蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から改善可能蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として、
改善可能不明蒸気率を表示する、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示することにある。
つまり、蒸気配管系では一般に種々の原因による蒸気損失が存在するが、この第1特徴構成による設備改善評価用データ構造において、受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量は、評価対象蒸気配管系において種々の原因により存在する蒸気損失の総量を意味する。
従って、評価対象蒸気配管系において所定の設備改善を行うことで解消される蒸気損失の総量(先述した背景技術の例で言えば、トラップ交換により解消されるトラップ通過蒸気損失総量が該当)を改善可能蒸気損失総量として、不明蒸気総量のうちで改善可能蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率とすれば、この改善可能不明蒸気率は、所定の設備改善により実現される不明蒸気総量の低減率を示す。
また、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合を不明蒸気率(言わば、現状の不明蒸気率)とし、不明蒸気総量から改善可能蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量(即ち、改善後も残る蒸気損失の総量)とし、さらに、受給蒸気総量から改善可能蒸気損失総量を減じた値(言わば、改善後の新たな受給蒸気総量)のうちで基底不明蒸気総量が占める割合を改善後不明蒸気率とすれば、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率は、所定の設備改善により実現される不明蒸気総量の低減率を両値の対比上において示すものとなる。
そしてまた、受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量(改善後も残る蒸気損失の総量)が占める割合を見かけ上の改善後不明蒸気率とすれば、上記不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率は、所定の設備改善により実現される不明蒸気総量の低減率を同じく両値の対比上において近似的に示すものとなる。
以上のことから、第1特徴構成による設備改善評価用データ構造によれば、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失を所定の設備改善により率的にどの程度低減し得るかを、そのデータ構造が表示する改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率により容易に把握することができ、この点で、蒸気損失の低減を目的とする種々の設備改善策の有効性を適正に評価するのに一層適したものとなる。
なお、第1特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施において、所定の設備改善とは、評価対象蒸気配管系における蒸気トラップの交換や修理に限られるものではなく、その設備改善により解消し得る蒸気損失の総量(改善可能蒸気損失総量)をある程度定量的に把握し得るものであれば、具体的には、どのような内容のものであってもよい。
また、第1特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施にあたり、評価対象蒸気配管系において、高圧蒸気ドレンから発生するフラッシュ蒸気を低圧系で再利用する場合には、その再利用フラッシュ蒸気の量をドレン化前の蒸気量に重複して受給蒸気総量に含める形態で、受給蒸気総量を把握するのが望ましい。
〔2〕本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴点は、
前記評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断を実施し、
このトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を算出し、
このトラップ通過蒸気損失総量を改善可能蒸気損失総量として、前記の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率を求めてあることにある。
つまり、この第2特徴構成による設備改善評価用データ構造によれば、蒸気トラップの交換(又は修理)により評価対象蒸気配管系における蒸気損失の低減を図る場合に、そのトラップ交換(又は修理)による設備改善の有効性を適正かつ容易に評価することができる。
すなわち、第2特徴構成による設備改善評価用データ構造において、トラップ作動診断の診断結果に基づき算出するトラップ通過蒸気損失総量は、評価対象蒸気配管系においてその配管系に装備された評価対象蒸気トラップの交換(又は修理)により解消し得る蒸気損失の総量を意味する。
従って、このトラップ通過蒸気損失総量を改善可能蒸気損失総量として前記の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率を求めれば、その求めた値は、評価対象蒸気トラップの交換(又は修理)により実現される不明蒸気総量の低減率を示すものとなる。
このことから、第2特徴構成による設備改善評価用データ構造によれば、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失をトラップ交換(又は修理)により率的にどの程度低減し得るかを、そのデータ構造が表示する改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率により容易に把握することができ、このことで、トラップ交換(又は修理)による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正かつ容易に評価することができる。
〔3〕本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴点は、
前記評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断を実施するとともに、前記評価対象蒸気配管系について配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を測定するための蒸気漏洩診断を実施し、
前記トラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を算出するとともに、前記蒸気漏洩診断の診断結果に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を評価対象蒸気配管系の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量を算出し、
これらトラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩損失総量との和である合計蒸気損失総量を改善可能蒸気損失総量として、前記の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率を求めてあることにある。
つまり、この第3特徴構成による設備改善評価用データ構造によれば、蒸気トラップの交換(又は修理)並びに配管系各部における蒸気漏洩箇所の修復により評価対象蒸気配管系における蒸気損失の低減を図る場合に、それらトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復による設備改善の有効性を適正かつ容易に評価することができる。
すなわち、第3特徴構成による設備改善評価用データ構造において、トラップ作動診断の診断結果に基づき算出するトラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩診断の診断結果に基づき算出する蒸気漏洩損失総量との和である合計蒸気損失総量は、評価対象蒸気配管系において、その配管系に装備された評価対象蒸気トラップの交換(又は修理)と、その配管系における蒸気漏洩箇所の修復との二者をもって解消し得る蒸気損失の総量を意味する。
従って、この合計蒸気損失総量を改善可能蒸気損失総量として前記の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率を求めれば、その求めた値は、評価対象蒸気トラップの交換(又は修理)及び蒸気漏洩箇所の修復の二者をもって実現される不明蒸気総量の低減率を示すものとなる。
このことから、第3特徴構成による設備改善評価用データ構造によれば、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失をトラップ交換(又は修理)と蒸気漏洩箇所の修復との二者により率的にどの程度低減し得るかを、そのデータ構造が表示する改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率により容易に把握することができ、このことで、トラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正かつ容易に評価することができる。
なお、第2,第3特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施において、トラップ通過による蒸気損失量とは、主に蒸気トラップの作動不良により蒸気トラップを通過して外部に放出されてしまう蒸気の量を言うが、望ましくは、現行の蒸気トラップと交換用として推奨する蒸気トラップとの型式の違いによるトラップ正常作動下でのトラップ通過蒸気量の差もトラップ通過蒸気損失量として扱うようにするのがよい。
第2,第3特徴構成による設備改善評価用データ構造を実施するのに、トラップ通過蒸気損失総量の算出には、評価対象蒸気配管系に装備された評価対象蒸気トラップの全数に対しトラップ作動診断を実施して、その診断結果に基づきトラップ通過蒸気損失総量を算出する形態、あるいは、評価対象蒸気配管系に装備された評価対象蒸気トラップのうちの一部の複数蒸気トラップについてのみトラップ作動診断を実施して、その診断結果、並びに、作動診断を実施した一部の複数蒸気トラップと全評価対象蒸気トラップとについての台数比情報に基づき、トラップ通過蒸気損失総量を類推的に算出する形態のいずれを採用してもよい。
また、第3特徴構成による設備改善評価用データ構造を実施するのに、蒸気漏洩損失総量の算出には、評価対象蒸気配管系の全体に対し蒸気漏洩診断を実施して、その診断結果に基づき蒸気漏洩損失総量を算出する形態、あるいは、評価対象蒸気配管系のうちの一部の配管系部分についてのみ蒸気漏洩診断を実施して、その診断結果、並びに、漏洩診断を実施した一部の配管系部分と全評価対象蒸気配管系とについての評価量比情報(例えば、配管量比やバルブ装備数比の情報など)に基づき、蒸気漏洩損失総量を類推的に算出する形態のいずれを採用してもよい。
そしてまた、第3特徴構成による設備改善評価用データ構造を実施するのに、評価対象蒸気配管系における配管系各部からの蒸気漏洩を診断する蒸気漏洩診断は、配管途中における継手部やバルブからの蒸気漏洩、管材そのものからの蒸気漏洩、並びに、配管の接続先装置からの蒸気漏洩の夫々について行うのが望ましいが、場合によっては、それらのうちの一部(例えば、バルブからの蒸気漏洩)に限った蒸気漏洩診断にしてもよい。
〔4〕本発明の第4特徴構成は設備診断用集計システムの動作方法に係り、その特徴点は、
入力手段と演算手段とを備えるコンピュータシステムからなる設備診断用集計システムの動作方法であって、
前記入力手段が、評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力を受けるとともに、
評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象蒸気配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力ステップと、
前記演算手段が、集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算するとともに、
前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算ステップとを含むことにある。
つまり、この第4特徴構成によるシステム動作方法によれば、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失をトラップ交換(又は修理)により率的にどの程度低減し得るかを容易に把握するのに有用で、トラップ交換(又は修理)による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正かつ容易に評価するのに適した前述の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率の演算を自動化することができる。
そして、この第4特徴構成によるシステム動作方法によれば、トラップ交換(又は修理)による設備改善での改善可能蒸気損失総量であるトラップ通過蒸気損失総量の演算、及び、設備改善の有効性を示す指標値としての上記各値(改善可能不明蒸気率、不明蒸気率、改善後不明蒸気率、見かけ上の改善後不明蒸気率)の演算を、入力手段とともにコンピュータシステムを構成する演算手段が集計プログラムに従い演算ステップにおいて自動的に行うことで、診断後における演算作業の負担を軽減することができ、また、その自動化により、トラップ作動診断の実施後、演算結果を用いた設備改善有効性の検討に至るまでに要する時間も効果的に短縮することができる。
〔5〕本発明の第5特徴構成は設備診断用集計システムの動作方法に係り、その特徴点は、
入力手段と演算手段とを備えるコンピュータシステムからなる設備診断用集計システムの動作方法であって、
前記入力手段が、評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力、及び、評価対象蒸気配管系の各部について漏洩診断器により実施した配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を測定するための蒸気漏洩診断の診断結果の入力を受けるとともに、
評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力ステップと、
前記演算手段が、集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算し、かつ、前記入力手段に入力された蒸気漏洩診断の診断結果に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を評価対象蒸気配管系の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量を演算するとともに、
前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩損失総量との和である合計蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算ステップとを含むことにある。
つまり、この第5特徴構成によるシステム動作方法によれば、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失をトラップ交換(又は修理)及び蒸気漏洩箇所の修復の二者により率的にどの程度低減し得るかを容易に把握するのに有用で、トラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正かつ容易に評価するのに適した前述の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率の演算を自動化することができる。
そして、この第5特徴構成によるシステム動作方法によれば、第4特徴構成によるシステム動作方法と同様、トラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復による設備改善での改善可能蒸気損失総量である合計蒸気損失総量(すなわち、トラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩損失総量との和)の演算、及び、設備改善の有効性を示す指標値としての上記各値(改善可能不明蒸気率、不明蒸気率、改善後不明蒸気率、見かけ上の改善後不明蒸気率)の演算を、入力手段とともにコンピュータシステムを構成する演算手段が集計プログラムに従い演算ステップにおいて自動的に行うことで、診断後における演算作業の負担を軽減することができ、また、その自動化により、トラップ作動診断及び蒸気漏洩診断の実施後、演算結果を用いた設備改善有効性の検討に至るまでに要する時間も効果的に短縮することができる。
〔6〕本発明の第6特徴構成は、第4又は第5特徴構成によるシステム動作方法の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴点は、
前記設備診断用集計システムが備えるデータ作成手段が、集計プログラムに従って、前記演算手段の演算結果に基づき、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データを作成するデータ作成ステップを含むことにある。
つまり、この第6特徴構成によるシステム動作方法によれば、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データがデータ作成手段により作成されることで、その作成された評価用データに基づき、前記したトラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
すなわち、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データでは、評価対象蒸気配管系における蒸気損失の総量である不明蒸気総量が示されるとともに、評価対象蒸気配管系における蒸気損失を率的にどの程度低減し得るかを示す改善可能不明蒸気率が示されることで、量的な面と率的な面との両方から設備改善の有効性を評価することができ、この点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
た、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データでは、改善可能蒸気損失総量としてのトラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量が示されるとともに、評価対象蒸気配管系における蒸気損失を率的にどの程度低減し得るかを示す改善可能不明蒸気率が示されることで、同様に量的な面と率的な面との両方から設備改善の有効性を評価することができ、この点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
た、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データでは、両値の対比上において設備改善の有効性を評価するにあたり、それら両値の対比を容易にし得る点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
た、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データでは、同様に両値の対比上において設備改善の有効性を評価するにあたり、それら両値の対比を容易にし得る点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
そしてまた、第6特徴構成によるシステム動作方法によれば、各値の演算を演算ステップにおいて演算手段により自動的に行うことに加え、評価用データの作成もデータ作成ステップにおいてデータ作成手段が集計プログラムに従い自動的に行うことで、診断後における演算・データ作成作業の負担を一層軽減することができ、また、それら自動化により、診断の実施後、評価用データを用いた設備改善有効性の検討に至るまでに要する時間も一層効果的に短縮することができる。
〔7〕本発明の第7特徴構成は設備診断用集計システムに係り、その特徴点は、
評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力を前記トラップ診断器から受けるとともに、
評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象蒸気配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力手段と、
集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算するとともに、
前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算手段とを備えるコンピュータシステムからなることにある。
つまり、この第7特徴構成による集計システムによれば、前記した第4特徴構成によるシステム動作方法と同様、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失をトラップ交換(又は修理)により率的にどの程度低減し得るかを容易に把握するのに有用で、トラップ交換(又は修理)による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正かつ容易に評価するのに適した前述の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率の演算を自動化することができる。
そして、この第7特徴構成による集計システムによれば、入力手段とともにコンピュータシステムを構成する演算手段が集計プログラムに従って各値の演算を自動的に行うことで診断後における演算作業の負担を軽減し得るとともに、診断結果の入力についても、トラップ診断器からの入力により診断結果を入力手段へ容易に入力することができて、入力作業の負担も軽減することができ、また、それら演算の自動化や入力の効率化により、トラップ作動診断の実施後、演算結果を用いた設備改善有効性の検討に至るまでに要する時間も一層効果的に短縮することができる。
〔8〕本発明の第8特徴構成は設備診断用集計システムに係り、その特徴点は、
評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力、及び、評価対象蒸気配管系の各部について漏洩診断器により実施した配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を測定するための蒸気漏洩診断の診断結果の入力を前記トラップ診断器及び前記漏洩診断器の夫々から受けるとともに、
評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力手段と、
集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算し、かつ、前記入力手段に入力された蒸気漏洩診断の診断結果に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を評価対象蒸気配管系の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量を演算するとともに、
前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩損失総量との和である合計蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算手段とを備えるコンピュータシステムからなることにある。
つまり、この第8特徴構成による集計システムによれば、前記した第5特徴構成によるシステム動作方法と同様、蒸気使用設備における評価対象蒸気配管系の全体について蒸気損失をトラップ交換(又は修理)及び蒸気漏洩箇所の修復により率的にどの程度低減し得るかを容易に把握するのに有用で、トラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を適正かつ容易に評価するのに適した前述の改善可能不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び改善後不明蒸気率、又は、不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率の演算を自動化することができる。
そして、この第8特徴構成による集計システムによれば、第7特徴構成による集計システムと同様、入力手段とともにコンピュータシステムを構成する演算手段が集計プログラムに従って各値の演算を自動的に行うことで診断後における演算作業の負担を軽減し得るとともに、各診断結果の入力についても、トラップ診断器及び漏洩診断器の夫々からの入力により各診断結果を入力手段へ容易に入力することができて、入力作業の負担も軽減することができ、また、それら演算の自動化や入力の効率化により、トラップ作動診断及び蒸気漏洩診断の実施後、演算結果を用いた設備改善有効性の検討に至るまでに要する時間も一層効果的に短縮することができる。
〔9〕本発明の第9特徴構成は、第7又は第8特徴構成による設備診断用集計システムの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴点は、
集計プログラムに従って、前記演算手段の演算結果に基づき、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データを作成するデータ作成手段を備えることにある。
つまり、この第9特徴構成による集計システムによれば、第6特徴構成によるシステム動作方法と同様、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データがデータ作成手段により作成されることで、その作成された評価用データに基づき、前記したトラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
すなわち、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データでは、評価対象蒸気配管系における蒸気損失の総量である不明蒸気総量が示されるとともに、評価対象蒸気配管系における蒸気損失を率的にどの程度低減し得るかを示す改善可能不明蒸気率が示されることで、量的な面と率的な面との両方から設備改善の有効性を評価することができ、この点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
た、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データでは、改善可能蒸気損失総量としてのトラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量が示されるとともに、評価対象蒸気配管系における蒸気損失を率的にどの程度低減し得るかを示す改善可能不明蒸気率が示されることで、同様に量的な面と率的な面との両方から設備改善の有効性を評価することができ、この点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
た、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データでは、両値の対比上において設備改善の有効性を評価するにあたり、それら両値の対比を容易にし得る点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
た、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データでは、同様に両値の対比上において設備改善の有効性を評価するにあたり、それら両値の対比を容易にし得る点で、トラップ交換(又は修理)による設備改善やトラップ交換(又は修理)及び漏洩箇所修復の二者による設備改善の蒸気損失低減上における有効性を一層適正かつ容易に評価することができる。
そしてまた、各値の演算を演算手段により自動的に行うことに加え、評価用データの作成もデータ作成手段が集計プログラムに従い自動的に行うことで、診断後における演算・データ作成作業の負担を一層軽減することができ、また、それら自動化により、診断の実施後、評価用データを用いた設備改善有効性の検討に至るまでに要する時間も一層効果的に短縮することができる。
なお、第4,第5特徴構成によるシステム動作方法の実施、並びに、第7,第8特徴構成による集計システムの実施にあたり、評価対象蒸気配管系において、高圧蒸気ドレンから発生するフラッシュ蒸気を低圧系で再利用する場合には、第1〜第3特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施の場合と同様、その再利用フラッシュ蒸気の量をドレン化前の蒸気量に重複して受給蒸気総量に含めるのが望ましい。
また、第4,第5特徴構成によるシステム動作方法の実施、並びに、第7,第8特徴構成による集計システムの実施において、トラップ通過による蒸気損失量とは、これも第1〜第3特徴構成による設備改善評価用データ構造の実施の場合と同様、主に蒸気トラップの作動不良により蒸気トラップを通過して外部に放出されてしまう蒸気の量を言うが、望ましくは、現行の蒸気トラップと交換用として推奨する蒸気トラップとの型式の違いによるトラップ正常作動下でのトラップ通過蒸気量の差もトラップ通過蒸気損失量として扱うようにするのがよい。
第4,第5特徴構成によるシステム動作方法の実施、並びに、第7,第8特徴構成による集計システムの実施において、演算手段によるトラップ通過蒸気損失総量の演算には、評価対象蒸気配管系に装備された評価対象蒸気トラップの全数に対しトラップ診断器による作動診断を実施して、その診断結果に基づきトラップ通過蒸気損失総量を演算する形態、あるいは、評価対象蒸気配管系に装備された評価対象蒸気トラップのうちの一部の複数蒸気トラップについてのみトラップ診断器による作動診断を実施して、その診断結果、並びに、トラップ作動診断を実施した一部の複数蒸気トラップと全評価対象蒸気トラップとについての台数比情報に基づき、トラップ通過蒸気損失総量を類推的に演算する形態のいずれを採用してもよい。
また、第5特徴構成によるシステム動作方法の実施、並びに、第8特徴構成による集計システムの実施において、演算手段による蒸気漏洩損失総量の演算には、評価対象蒸気配管系の全体に対し漏洩診断器による蒸気漏洩診断を実施して、その診断結果に基づき蒸気漏洩損失総量を演算する形態、あるいは、評価対象蒸気配管系のうちの一部の配管系部分についてのみ漏洩診断器による蒸気漏洩診断を実施して、その診断結果、並びに、蒸気漏洩診断を実施した一部の配管系部分と全評価対象蒸気配管系とについての評価量比情報(例えば、配管量比やバルブ装備数比の情報など)に基づき、蒸気漏洩損失総量を類推的に演算する形態のいずれを採用してもよい。
そしてまた、第5特徴構成によるシステム動作方法の実施、並びに、第8特徴構成による集計システムの実施において、評価対象蒸気配管系の各部からの蒸気漏洩を診断する蒸気漏洩診断は、配管途中における継手部やバルブからの蒸気漏洩、管材そのものからの蒸気漏洩、並びに、配管の接続先装置からの蒸気漏洩の夫々について行うのが望ましいが、場合によっては、それらのうちの一部(例えば、バルブからの蒸気漏洩)に限った蒸気漏洩診断にしてもよい。
第6特徴構成によるシステム動作方法の実施、並びに、第9特徴構成による集計システムの実施において、データ作成手段による評価用データの作成とは、紙面に印刷した形で内容表示するデータの作成に限らず、表示装置で内容表示するデータの作成であってもよく、また、評価用データは、演算手段による演算値や診断結果を示すのに数字や文字の他、グラフや図形を用いるものであってもよい。
図1において、1は多数の蒸気トラップ2を使用する化学プラントなどの大規模設備を示し、3は設備内に施設された蒸気配管系(実線で示す)、4は蒸気配管系3における配管接続先の蒸気使用装置であり、この蒸気配管系3において配管及び蒸気使用装置4に付帯する形態で蒸気トラップ2が各所に装備されている。また、この設備1では蒸気の他に圧縮空気及び窒素ガスを使用し、5は圧縮空気配管系(1点鎖線で示す)、6は窒素ガス配管系(2点鎖線で示す)、7は圧縮空気配管系5及び窒素ガス配管系6の夫々における配管接続先装置であり、各配管系3,5,6には、配管の接続や分岐のための継手及び管路の開閉や切替のためのバルブが多数装備されている。
設備機器の生産・販売や設備の施工・管理を業務とするメーカー側の担当者は、上記設備1の総合的改善の提案を目的として、診断日を1日に限った予備診断的な設備診断を設備側の顧客に提案し、その診断の内容、診断の実施日、及び、対象設備1中のいずれの一部区域1a〜1dを診断の代表区域とするかなどについて顧客と打合せを行う。そして、メーカー側の担当者は、打ち合わせで決定した診断日に所要人数の診断員を対象設備1へ派遣し、打合せで決定した複数種の診断をその診断日に一括に実施する。
なお、本例では顧客との打合せの結果として、対象設備1における複数の評価対象蒸気トラップについて作動状態を診断するトラップ作動診断と、対象設備1における評価対象配管系について配管系各部からの流体漏洩を診断する流体漏洩診断と、対象設備1のシステム構成についてシステム改善余地の有無を診断するシステム改善診断と、対象設備1が採る現行のメンテナンス方式について方式改善余地の有無を診断するメンテナンス改善診断との4種の診断を実施するものとし、トラップ作動診断については対象設備1の蒸気配管系3に装備された全蒸気トラップ2を評価対象蒸気トラップとし、流体漏洩診断については対象設備1における蒸気配管系3、圧縮空気配管系5、窒素ガス配管系6の夫々を評価対象配管系とするものとする。
また、本例では流体漏洩診断を行うのに、配管量の特に多い蒸気配管系3については、蒸気トラップ2に対するバイパス回路に装備されたバイパス用バルブからの蒸気漏洩のみを診断する簡易診断(簡易の蒸気漏洩診断)を行うものとし、圧縮空気配管系5と窒素ガス配管系6とについては、継手部やバルブからの漏洩、管材そのものからの漏洩、配管接続先装置7からの漏洩の夫々を診断するものとする。
図2の(イ)はトラップ作動診断に用いる携帯式のトラップ診断器8を示し、8Aは診断器本体、8Bは診断器本体8Aにケーブル接続する検出器であり、診断器本体8Aには、入力内容や診断結果などを表示する表示部9及び各種キー10を設けてある。
このトラップ診断器8を用いて蒸気トラップ2の作動状態を診断するには、診断員は蒸気トラップ2毎に、その型式、口径、用途などを確認して、それら確認事項をトラップ設置箇所、トラップ番号、診断日などとともにキー10の操作によりトラップ診断器8に入力する。そして、検出器8Bの検出端8aを蒸気トラップ2の所定箇所に当て付けることで、蒸気トラップ2の表面温度と振動(超音波領域の振動強度)を検出する。
この検出操作により、診断器本体8Aに内蔵の演算部は、表面温度の検出値に基づき蒸気トラップ2の使用蒸気圧を演算して、予め入力されている蒸気圧をパラメータとした振動とトラップ通過による蒸気損失量(いわゆる、蒸気トラップの蒸気漏れ量)との関係に、演算した使用蒸気圧及び振動の検出値を照合する形態で、蒸気トラップ2の作動不良によるトラップ通過蒸気損失量qt(本例では、単位時間あたりの重量流量)を演算するとともに、この演算において蒸気トラップ2の作動の良比を判定し、この演算・判定結果を、表面温度及び振動の各検出値、並びに、トラップ設置箇所、トラップ番号、型式、口径、用途などの各入力事項とともに診断器本体8Aの記憶部に格納する。
但し、確認事項や診断日などの入力事項の一部又は全部を予め顧客側の管理用コンピュータシステムやメーカ側の診断用コンピュータシステムから診断器8へダウンロードしてある場合には、それらの再入力は不要であり、各蒸気トラップ2の作動診断時にはそれら予入力事項の確認を行うだけでよい。
診断器本体8Aの記憶部に格納した各蒸気トラップ2についての演算・判定結果、検出値、並びに、型式・用途などの確認事項を含む入力事項は、トラップ作動診断の診断結果として、複数の蒸気トラップ2に対する一連の作動診断の後、図2の(ロ)に示す如く診断器8を診断用コンピュータシステム11に接続(有線接続ないし無線接続)することで、診断用コンピュータシステム11に入力する。
図3の(イ),(ロ)は流体漏洩診断に用いる携帯式の漏洩診断器12を示し、ガン形状の診断器12の先端部には、流体漏洩点での発生超音波を検出するマイクロホン13及び光ビーム光源14を配し、診断器12の後端部には、入力内容や診断結果などを表示する表示部15及び各種キー16を設けてあり、また、この診断器12にはマイクロホン13の検出超音波を可聴化した探知音を出力するイヤホン17を装備してある。
この漏洩診断器12を用いて配管系各部(管材、継手部、バルブ、配管接続先装置など)からの流体漏洩を診断するには、診断員は図3の(ハ)に示す如く、診断器12の先端を探知対象箇所に向けた状態で、光ビーム光源14からの光ビームの照射ポイントpを目視確認しながら診断器12の先端向きを徐々に変化させて、表示部15に表示される各向きでの超音波検出値(音圧)及びイヤホン17から出力される各向きでの探知音に基づき漏洩点を探知する。
そして、この探知操作により漏洩点が発見されると、その漏洩点についての情報の格納をキー16の操作により診断器12の演算部に指示するとともに、距離・タイプ・方向・流体の各項目につき、その漏洩点についての流体漏洩量の演算条件をキー16の操作により入力する。
演算条件の上記項目において、距離は漏洩点と診断器12との間の距離、タイプは管材、バルブ、継手部といった漏洩点箇所の種別、方向は漏洩点に対する超音波検出方向、流体は漏洩流体の種別を意味する。
演算条件が入力されると、診断器12の演算部は、その演算条件と超音波検出値とに基づき、漏洩点での漏洩による流体損失量q(本例では、蒸気の損失量qsについては単位時間あたりの重量流量、圧縮空気及び窒素ガスの損失量qp,qnについては単位時間あたりの容積流量)を演算し、この演算結果を、その漏洩点についての超音波検出値、演算条件、管理番号、並びに、別途診断器12に入力された漏洩点の位置情報や診断日などとともに診断器12の記憶部に格納する。
診断器12の記憶部に格納した各漏洩点についての演算結果、検出値、演算条件などは、トラップ作動診断の場合と同様、流体漏洩診断の診断結果として、配管系各部に対する一連の漏洩診断の後、図3の(ニ)に示す如く診断器12を診断用コンピュータシステム11に接続(有線接続ないし無線接続)することで、診断用コンピュータシステム11に入力する。
なお、本例では、対象設備1の蒸気配管系3に装備された全蒸気トラップ2を評価対象蒸気トラップとするのに対し、トラップ作動診断では評価対象蒸気トラップのうちの一部の複数蒸気トラップ(具体的には顧客との打合せで決定した代表区域1aにある蒸気トラップ2a)についてのみトラップ診断器8による作動診断を実施し、その診断結果に基づき全評価対象蒸気トラップ(本例では対象設備1の蒸気配管系3に装備された全蒸気トラップ2)の作動状態を類推的に評価する形態を採る。
また、対象設備1における蒸気配管系3、圧縮空気配管系5、窒素ガス配管系6の夫々を評価対象配管系とするのに対し、流体漏洩診断では各評価対象配管系3,5,6のうちの一部の配管系部分(具体的には顧客との打合せで決定した代表区域1aにある配管系部分3a,4a,5a)についてのみ漏洩診断器12による漏洩診断を実施し、その診断結果に基づき各評価対象配管系3,4,5の全体(本例では対象設備1における蒸気配管系3、圧縮空気配管系4、窒素ガス配管系6夫々の全体)の流体漏洩状態を類推的に評価する形態を採る。
他方、システム改善診断については、顧客側から提供された現行のシステム構成についての資料を参考にしながら、診断日に対象設備1における各システムを診断員が視察し、現行システム構成の旧式化や現状の設備稼動内容から見た場合の現行システム構成の不適切さを診断する。また、メンテナンス改善診断についても同様に、顧客側から提供された現行のメンテナンス方式についての資料を参考にしながら、診断日に対象設備1を診断員がメンテナンス面で視察し、現行メンテナンス方式の旧式化や現状の設備稼動内容から見た場合の現行メンテナンス方式の不適切さを診断する。
なお、設備によってシステムには種々の相違があるが、システム改善診断の対象となるシステムの例としては、高圧蒸気を低圧蒸気に減圧する蒸気減圧システム、蒸気ドレンや廃蒸気の処理システム、オイルタンクの水抜処理システム等々がある。また、設備によって必要なメンテナンスも種々異なるが、メンテナンス改善診断の対象となるメンテナンスの例としては、配管やタンク脚に対する腐蝕検査、蒸気タービンなどの回転機器の軸芯調整等々がある。
対象設備1の代表区域1aにある蒸気トラップ2a(以下、代表蒸気トラップと称す)についてのトラップ診断器8を用いた作動診断が終了すると、前述の如く、トラップ作動診断の診断結果として、トラップ診断器8の記憶部における各代表蒸気トラップ2aについての格納情報(演算・判定結果、検出値、並びに、型式・用途などの確認事項を含む入力事項)を診断用コンピュータシステム11に入力し、また、対象設備1における蒸気配管系3、圧縮空気配管系5、窒素ガス配管系6の夫々につき代表区域1aにある配管系部分3a,5a,6a(以下、代表配管系部分と称す)についての漏洩診断器12を用いた漏洩診断が終了すると、流体漏洩診断の診断結果として、漏洩診断器12の記憶部における各漏洩点についての格納情報(演算結果、検出値、演算条件など)を診断用コンピュータシステム11に入力するが、これら診断器8,12からの入力に加え、診断用コンピュータシステム11へは、顧客側からの提供資料に基づき、対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ数T(すなわち、本例における全評価対象蒸気トラップ数)、対象設備1における蒸気配管系3の全体についてのバイパス用バルブの装備数Vとそのうちの代表配管系部分3aについてのバイパス用バルブの装備数Va、並びに、圧縮空気配管系5と窒素ガス配管系6との各々についての対象設備1における全配管量X,Yと代表配管系部分5a,6aの配管量Xa,Yaをキーボード操作などにより入力する。
また、同じく顧客側からの提供資料に基づき、対象設備1における蒸気配管系3の全体についての受給蒸気総量Qi及び必要蒸気総量Qoをキーボード操作などにより診断用コンピュータシステム11に入力する。
受給蒸気総量Qiとは(図7参照)、対象設備1におけるボイラ生成蒸気や廃熱利用による生成蒸気として対象設備1の蒸気配管系3に供給される又は他所から管路を通じて対象設備1の蒸気配管系3に供給される蒸気の量qi1と、対象設備1における蒸気配管系3の系中において高圧蒸気ドレンから発生するフラッシュ蒸気のうち低圧系で再利用する蒸気の量qi2,qi3との合計量であり、必要蒸気総量Qoとは、蒸気使用装置4での理論上の蒸気使用量qo1〜qo4の合計量である。すなわち、受給蒸気総量Qiから必要蒸気総量Qoを減じた値Qx(=Qi−Qo)は対象設備1において何らかの原因で失われた蒸気量qx1〜qx4(不明蒸気量)の総量を意味する。なお、qm1〜qm3は夫々、低圧系への供給蒸気量を示す。
一方、システム改善診断については、対象設備1の各システム構成を診断員が視察した後、その視察結果及び顧客側からの提供資料に基づき、システム改善余地のある現行のシステム構成を抽出するとともに、それら改善余地のある現行システム構成の夫々についてのシステム改善案、それらシステム改善案の採用実施により得られる経済効果、並びに、システム改善案の実施費用を纏め、これらシステム改善案、経済効果、実施費用をシステム改善診断の診断結果として、キーボード操作などにより所定の書式形態で診断用コンピュータシステム11に入力する。
また、メンテナンス改善診断についても同様に、診断員がメンテナンス面で対象設備1を視察した後、その視察結果及び顧客側からの提供資料に基づき、方式改善余地のある現行メンテナンス方式を抽出するとともに、それら改善余地のある現行のメンテナンス方式の夫々についての方式改善案、それら方式改善案の採用実施により得られる経済効果、並びに、方式改善案の実施費用を纏め、これら方式改善案、経済効果、実施費用をメンテナンス改善診断の診断結果として、キーボード操作などにより所定の書式形態で診断用コンピュータシステム11に入力する。
診断後における上記の各入力(入力ステップ)に対し、診断用コンピュータシステム11は、集計プログラムPSに従って、メーカー側担当者の指示により次の(イ)〜(ヌ)の演算処理を自動的に行う(演算ステップ)。……図4,図5参照
(イ)トラップ診断器8から入力した診断結果における各代表蒸気トラップ2aについての演算・判定結果に基づき、トラップ診断器8による作動診断を実施した全代表蒸気トラップ数Ta、及び、代表蒸気トラップ2aのうちの不良トラップ数Txを求め、これに基づき、代表蒸気トラップ2aのうち不良トラップが占める台数割合をトラップ不良率Ktとして演算する。
(ロ)トラップ診断器8から入力した診断結果における各代表蒸気トラップ2aについての演算・判定結果に基づき、トラップ不良によるトラップ通過蒸気損失量qtを全代表蒸気トラップ2aについて集計した小計値Σqt(すなわち、全代表蒸気トラップ2aについてのトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失小計)を演算し、また、この小計値Σqtに予め入力されている蒸気単価を乗じる形態で、トラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失小計Σqtの金額換算値MΣqtを演算する。なお、本例では、各金額換算値について一年間あたりの金額換算値を演算する。
(ハ)トラップ診断器8から入力した診断結果における各代表蒸気トラップ2aについての演算・判定結果、及び、各代表蒸気トラップ2aの型式・用途に基づき、代表蒸気トラップ2aの用途別及び型式別の台数Ta1,Ta2……を演算するとともに、用途別及び型式別のトラップ不良率Kt1,Kt2……を演算し、また、上記のトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失小計Σqtの金額換算値MΣqtについて、代表蒸気トラップ2aの用途別及び型式別の内訳値MΣqt1,MΣqt2……を演算する。
(ニ)キーボード操作などにより別途入力された全蒸気トラップ数Tに基づき、対象設備1の蒸気配管系3に装備された全蒸気トラップ2のうち代表蒸気トラップ2aが占める台数割合をシミュレーション台数比率αとして演算し、このシミュレーション台数比率αの逆数を前記のトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失小計Σqtに乗じる形態で、対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ2についてのトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt(すなわち、トラップ不良によるトラップ通過蒸気損失量qtを対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ2について集計した値)の類推値を演算し、また、その金額換算値MQtを演算する。
つまり、トラップ診断器8から入力した代表蒸気トラップ2aについての診断結果と、トラップ台数比情報RTとして別途入力された全蒸気トラップ数Tとに基づき、対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ2(すなわち、本例における全評価対象蒸気トラップ)についてのトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt、及び、その金額換算値MQtを類推的に演算する。
(ホ)トラップ診断器8から入力した診断結果における各代表蒸気トラップ2aの型式、及び、予め入力されているトラップ型式情報に基づき、現行の代表蒸気トラップ2aと推奨する交換用蒸気トラップとのトラップ正常作動状態でのトラップ型式によるトラップ通過蒸気量の差Δqt′を演算するとともに、その差Δqt′を全代表蒸気トラップ2aについて集計した小計値ΣΔqt′(すなわち、トラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失小計)を演算し、この小計値ΣΔqt′にシミュレーション台数比率αの逆数を乗じる形態で、対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ2についてのトラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′(すなわち、トラップ型式による上記差Δqt′を対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ2について集計した値)の類推値を演算し、また、その金額換算値MQt′を演算する。
つまり、トラップ診断器8から入力した代表蒸気トラップ2aについての診断結果と、トラップ台数比情報RTとして別途入力された全蒸気トラップ数Tとに基づき、対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ2(本例における全評価対象蒸気トラップ)についてのトラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′、及び、その金額換算値MQt′を類推的に演算する。
(ヘ)前記のトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qtとトラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′とを合計した合算トラップ通過蒸気損失総量Qt″を演算するとともに、その金額換算値MQt″を演算する。
(ト)漏洩診断器12から入力した診断結果における各漏洩点についての演算条件(特に流体の項目)に基づき、各配管系3,5,6における代表配管系部分3a,5a,6aの各々についての漏洩箇所数Ns,Np,Nn(すなわち、蒸気と圧縮空気と窒素ガスとの流体種別の漏洩箇所数)を求め、また、蒸気についての漏洩箇所数Ns(本例では代表区域1aで蒸気漏れのあったバイパス用バルブの台数に相当)と、キーボード操作などにより別途入力された蒸気配管系3の代表配管系部分3aにおけるバイパス用バルブの装備数Vaとに基づき、蒸気配管系3の代表配管系部分3aにおけるバイパス用バルブのうち蒸気漏れバルブが占める台数割合をバルブ不良率Kvとして演算する。
(チ)漏洩診断器12から入力した診断結果における各漏洩点についての演算結果及び演算条件(特に流体の項目)に基づき、各漏洩点での漏洩による流体損失量q(qs,qp,qn)を各配管系3,5,6における代表配管系部分3a,5a,6aの各々について集計した小計値Σqs,Σqp,Σqn(すなわち、蒸気と圧縮空気と窒素ガスとの流体種別の流体漏洩損失小計)を演算し、また、これら流体種別の流体漏洩損失小計Σqs,Σqp,Σqnの各々に予め入力された各流体の単価を乗じる形態で、それら流体種別の流体漏洩損失小計Σqs,Σqp,Σqn夫々の金額換算値MΣqs,MΣqp,MΣqnを演算する。
(リ)キーボード操作などにより別途入力された対象設備1における蒸気配管系3の全体についてのバイパス用バルブの装備数Vとそのうちの代表配管系部分3aについてのバイパス用バルブの装備数Vaとに基づき、それらバルブ装備数の比値(V/Va)を蒸気についての流体漏洩損失小計Σqsに乗じる形態で、対象設備1における蒸気配管系3の全体についての蒸気漏洩損失総量Qs(すなわち、バイパス用バルブからの漏洩による蒸気損失量qsを蒸気配管系3の全体について集計した値)の類推値を演算し、また、その金額換算値MQsを演算する。
そしてまた、バルブに限らず継手部、管材、配管接続先装置7からの漏洩も診断する圧縮空気配管系5及び窒素ガス配管系6については、同じくキーボード操作などにより別途入力された各配管系5,6についての対象設備1における全配管量X,Yと代表配管系部分5a,6aの配管量Xa,Yaとに基づき、それら配管量の比値(X/Xa),(Y/Ya)を圧縮空気及び窒素ガスについての流体漏洩損失小計Σqp,Σqnに乗じる形態で、対象設備1における圧縮空気配管系5の全体についての圧縮空気漏洩損失総量Qp(すなわち、圧縮空気配管系5の各部からの漏洩による圧縮空気損失量qpを圧縮空気配管系5の全体について集計した値)の類推値、及び、対象設備1における窒素ガス配管系6の全体についての窒素ガス漏洩損失総量Qn(すなわち、窒素ガス配管系6の各部からの漏洩による窒素ガス損失量qnを窒素ガス配管系6の全体について集計した値)の類推値を演算し、また、それらの金額換算値MQp,MQnを演算する。
つまり、漏洩診断器12から入力した各代表配管系部分3a,5a,6aについての診断結果と、配管系毎の評価量比情報RV,RX,RYとして別途入力された蒸気配管系3の全体についてのバイパス用バルブの装備数Vとそのうちの代表配管系部分3aについてのバイパス用バルブの装備数Va、並びに、圧縮空気配管系5及び窒素ガス配管系6夫々についての対象設備1における全配管量X,Yと代表配管系部分5a,6aの配管量Xa,Yaに基づき、対象設備1における各配管系3,5,6の全体についての流体種別の流体漏洩損失総量Qs,Qp,Qnの類推値を演算するとともに、それらの金額換算値MQs,MQp,MQnを演算する。
(ヌ)キーボード操作などにより別途入力された対象設備1における蒸気配管系3についての受給蒸気総量Qiと必要蒸気総量Qoとに基づき、それらの差である不明蒸気総量Qx、及び、その金額換算値MQxを演算するとともに、受給蒸気総量Qiのうちの不明蒸気総量Qxが占める割合を不明蒸気率Kxとして演算する。
また、合算トラップ通過蒸気損失総量Qt″(=Qt+Qt′)と流体種別の流体漏洩損失総量Qs,Qp,Qnのうちの蒸気の漏洩損失総量Qsとを合算した合計蒸気損失総量Qts(=Qt″+Qs)、及び、その金額換算値MQtsを演算するとともに、この合計蒸気損失総量Qtsを蒸気配管系3における改善可能な蒸気損失総量(すなわち、蒸気配管系3における蒸気トラップ2の交換、及び、蒸気配管系3における蒸気漏洩箇所の修復により解消し得る蒸気損失の総量)として、不明蒸気総量Qxのうちの合計蒸気損失総量Qts(改善可能蒸気損失総量)が占める割合を改善可能不明蒸気率Ktsとして演算する。
そしてまた、不明蒸気総量Qxから合計蒸気損失総量Qts(改善可能蒸気損失総量)を減じた量を基底不明蒸気総量Qxxとして演算し、受給蒸気総量Qiから合計蒸気損失量Qtsを減じた量(言わば、改善後の受給蒸気総量)のうちの基底不明蒸気総量Qxx(言わば、改善後も残る蒸気損失の総量)が占める割合を改善後不明蒸気率Kxxとして演算する。
すなわち、合計蒸気損失総量Qtsがトラップ交換及び蒸気漏洩箇所の修復により蒸気配管系3において解消し得る蒸気損失の総量(改善可能蒸気損失総量)であるのに対し、基底不明蒸気総量Qxxは蒸気配管系3において配管や装置からの放熱による蒸気凝縮などで生じる蒸気損失の総量であってトラップ交換や蒸気漏洩箇所の修復によっても解消できない蒸気損失量であり、したがって、上記の改善可能不明蒸気率Ktsは、トラップ交換及び蒸気漏洩箇所の修復の二者により実現される不明蒸気総量Qxの低減率(すなわち、対象設備1における蒸気配管系3の全体について蒸気損失をトラップ交換及び蒸気漏洩箇所の修復の二者により率的にどの程度低減し得るか)を示す。
また、不明蒸気率Kx及び改善後不明蒸気率Kxxは、トラップ交換及び蒸気漏洩箇所の修復の二者により実現される不明蒸気総量Qxの低減率を、それら両値Kx,Kxxの対比上において示すものとなる。
これらの演算処理とともに、診断用コンピュータシステム11はメーカー側担当者の指示により、集計プログラムPSに従って、上記(イ)〜(ヌ)の演算処理の演算結果と先の入力情報とに基づくデータ作成処理を自動的に行い、このデータ作成処理では、プリントアウトした紙面又はコンピュータシステムにおけるディスプレイにおいて図6〜図11に示す如く表示される総合評価用の電子データDを作成する(データ作成ステップ)。
すなわち、この電子データDは、プリントアウト紙面又はディスプレイ画面に表示した状態において、診断日を記載した「報告書表紙」、「蒸気収支」の項、「不明蒸気の詳細」の項、「トラップ作動診断及び流体漏洩診断の診断結果」の項、「システム改善診断の診断結果」の項、「メンテナンス改善診断の診断結果」の項、「診断の結論」の項を有し、これら項は次の(ル)〜(レ)の如き内容のものである。
(ル)蒸気収支の項(図7)には、受給蒸気総量Qi、必要蒸気総量Qo、不明蒸気総量Qxの各詳細と相互の関係を示す蒸気収支図表を表記する。
(ヲ)不明蒸気の詳細の項(図8)には、不明蒸気率Kx、不明蒸気総量Qx及びその金額換算値MQxを表記する欄と、合計蒸気損失総量Qts(改善可能蒸気損失総量)及び改善可能不明蒸気率Ktsを表記するとともに改善による効果金額として合計蒸気損失総量Qtsの金額換算値MQtsを表記する欄と、改善後不明蒸気率Kxxを表記する欄とを、その順に表示する。
(ワ)トラップ作動診断及び流体漏洩診断の診断結果の項(図9)は、トラップ作動診断の項と蒸気配管系漏洩診断の項と他配管系漏洩診断の項とに分け、トラップ作動診断の項には、トラップ不良率Kt、トラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失小計Σqs及びその金額換算値MΣqs、全代表蒸気トラップ数Ta、代表蒸気トラップ2aの用途別及び型式別の台数Ta1,Ta2……、代表蒸気トラップ2aの用途別及び型式別のトラップ不良率Kt1,Kt2……、トラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失小計Σqsの金額換算値MΣqsについての代表蒸気トラップ2aの用途別及び型式別の内訳値MΣqs1,MΣqs2……、並びに、シミュレーション台数比率αを表記する欄と、対象設備1の蒸気配管系3における全蒸気トラップ数T、トラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt及びその金額換算値MQt、トラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′及びその金額換算値MQt′、合算トラップ通過蒸気損失総量Qt″及びその金額換算値MQt″を表記する欄とを表示する。
また、蒸気配管系漏洩診断の項には、蒸気配管系3の代表配管系部分3aについてのバイパス用バルブの装備数Va、バルブ不良率Kv、蒸気配管系3の代表配管系部分3aについての漏洩箇所数Ns(すなわち、蒸気漏れのあったバイパス用バルブの台数)、蒸気についての流体漏洩損失小計Σqs及びその金額換算値MΣqsを表記する欄と、対象設備1における蒸気配管系3の全体についてのバイパス用バルブの装備数V、蒸気漏洩損失総量Qs及びその金額換算値MQsを表記する欄とを表示する。
そしてまた、他配管系漏洩診断の項には、圧縮空気配管系5の代表配管系部分5aについての漏洩箇所数Np、圧縮空気についての流体漏洩損失小計Σqp及びその金額換算値MΣqp、窒素ガス配管系6の代表配管部分6aについての漏洩箇所数Nn、窒素ガスについての流体漏洩損失小計Σqn及びその金額換算値MΣqnを表記する欄と、圧縮空気漏洩損失総量Qp及びその金額換算値MQp、並びに、窒素ガス漏洩損失総量Qn及びその金額換算値MQnを表記する欄とを表示する。
(カ)システム改善診断の診断結果の項(図10)には、システム改善診断の診断結果として診断用コンピュータシステム11に入力されたシステム改善余地のある現行のシステム構成の夫々についてのシステム改善案を箇条書き形態で表記し、また、それら改善案の各表記項には、システム改善案とともに経済効果として診断用コンピュータシステム11に入力された効果金額Ma1,Ma2……(すなわち、システム改善案の採用実施により見込まれる省エネ面や生産性面での経費節減金額)、及び、システム改善案の実施費用Ha1,Ha2……を表記する。
(ヨ)メンテナンス改善診断の診断結果の項(図10)には、メンテナンス改善診断の診断結果として診断用コンピュータシステム11に入力された方式改善余地のある現行のメンテナンス方式の夫々についての方式改善案を箇条書き形態で表記し、また、それら改善案の各表記項には、方式改善案とともに経済効果として診断用コンピュータシステム11に入力された効果金額Mb1,Mb2……(すなわち、方式改善案の採用実施により見込まれるメンテナンス面での経費節減金額)、及び、方式改善の実施費用Hb1,Hb2……を表記する。
(レ)診断の結論の項(図11)は、蒸気の項と他流体の項とシステムの項とメンテナンスの項とに分け、蒸気の項には、トラップ交換と蒸気漏洩箇所の修復とにより得られる経済効果として合計蒸気損失総量Qts(改善可能蒸気損失総量)の金額換算値MQtsを表記するとともに、そのトラップ交換と蒸気漏洩箇所の修復に要する費用Htsを表記する。
また、他流体の項には、圧縮空気漏洩箇所の修復により得られる経済効果として圧縮空気漏洩損失総量Qpの金額換算値MQpを表記するとともに、その修復に要する費用Hpを表記し、かつ、窒素ガス漏洩箇所の修復により得られる経済効果として窒素ガス漏洩損失総量Qnの金額換算値MQnを表記するとともに、その修復に要する費用Hnを表記する。
そしてまた、システムの項には、システム改善による効果金額Ma1,Ma2……の合計ΣMa、及び、システム改善に要する費用Ha1,Ha2……の合計ΣHaを表記し、同様に、メンテナンスの項には、メンテナンス方式の改善による効果金額Mb1,Mb2……の合計ΣMb、及び、メンテナンス方式の改善に要する費用Hb1,Hb2……の合計ΣHbを表記する。
なお、図示は省略するが総合評価用の上記電子データDは、「診断の結論」の項に続き、上記各項で表記する各値についての「計算」の項を有し、診断用コンピュータシステム11は上記各項と同様、集計プログラムPSに従って、前記(イ)〜(ヌ)の演算処理の演算結果と先の入力情報とに基づき、この「計算」の項を作成する。
メーカ側の担当者は、前述の各診断の後、基本的には、その診断日のうちに診断用コンピュータシステム11による上記演算処理及びデータ作成処理を行い、作成した総合評価用の電子データDを紙面にプリントアウトした報告書、又は、作成した総合評価用の電子データDをディスプレイ画面に表示した報告書をもって同日中にトラップ作動診断、流体漏洩診断、システム改善診断、メンテナンス改善診断夫々の診断結果を顧客に対し一括に報告する。
そして、この総合評価用の電子データDを用いた一括報告により、設備の総合的かつ効果的な経費節減が可能なことを顧客に示して設備の総合的な改善(すなわち、トラップ交換、漏洩箇所の修復、システム構成の改善、メンテナンス方式の改善)を顧客に進言し、また、その総合的な改善のための設備全体に対するより詳細な診断を顧客に進言する。
なお、診断用コンピュータシステム11は総合評価用電子データDの作成とは別に、メーカー側担当者の指示により、資料作成プログラムに従って、先の入力情報や演算処理の演算結果に基づきトラップ管理資料、配管系管理資料、システム管理資料、メンテナンス管理資料などを作成する。
以上要するに、本実施形態において上記電子データDは、対象設備1における評価対象蒸気配管系3が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量Qiと、その評価対象蒸気配管系3における蒸気使用装置4が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量Qoとの差を不明蒸気総量Qxとするとともに、評価対象蒸気配管系3において所定の設備改善(評価対象蒸気トラップ2の交換及び蒸気漏洩箇所の修復)により解消できる蒸気損失の総量を改善可能蒸気損失総量Qtsとし、
これら各総量に対し、不明蒸気総量Qxのうちで改善可能蒸気損失総量Qtsが占める割合を改善可能不明蒸気率Ktsとするとともに、
受給蒸気総量Qiのうちで不明蒸気総量Qxが占める割合、及び、不明蒸気総量Qxから改善可能蒸気損失総量Qtsを減じた値を基底不明蒸気総量Qxxとして受給蒸気総量Qiから改善可能蒸気損失総量Qtsを減じた値のうちで基底不明蒸気総量Qxxが占める割合の夫々を不明蒸気率Kx及び改善後不明蒸気率Kxxとして、
それら改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、及び、改善後不明蒸気率Kxxを表示する設備改善評価用データ構造を採る。
そして具体的には、評価対象蒸気配管系3に装備された複数の評価対象蒸気トラップ2についてトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断を実施するとともに、評価対象蒸気配管系3について配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を測定するための蒸気漏洩診断を実施して、トラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量(qt+Δqt)を評価対象蒸気トラップ2の全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量Qt″(合算トラップ通過蒸気損失総量)を算出するとともに、蒸気漏洩診断の診断結果に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量qsを評価対象蒸気配管系3の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量Qsを算出し、
これらトラップ通過蒸気損失総量Qt″と蒸気漏洩損失総量Qsとの和である合計蒸気損失総量Qtsを改善可能蒸気損失総量として、前記の改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、並びに、改善後不明蒸気率Kxxを求めてある。
た、トラップ作動診断では、評価対象蒸気トラップ2のうちの一部の複数蒸気トラップ2a(代表蒸気トラップ)についてトラップ診断器8により作動状態を診断し、この一部の複数蒸気トラップ2aについての診断結果、並びに、この一部の複数蒸気トラップ2aと全評価対象蒸気トラップ2とについての台数比情報RTに基づき、評価対象蒸気トラップ2の全数についてのトラップ通過蒸気損失総量Qt″(合算トラップ通過蒸気損失総量)を類推的に算出する方式を採り、
同様に評価対象蒸気配管系3に対する流体漏洩診断(蒸気漏洩診断)では、評価対象蒸気配管系3のうちの一部の配管系部分3a(代表配管系部分)について漏洩診断器12により配管系各部からの蒸気漏洩を診断し、この一部の配管系部分3aの診断結果、並びに、この一部の配管系部分3aと全評価対象蒸気配管系3とについての評価量比情報RVに基づき、評価対象蒸気配管系3の全体についての蒸気漏洩損失総量Qsを類推的に算出する方式を採る。
一方、本実施形態において、診断用コンピュータシステム11は上記診断の診断結果を集計処理する設備診断用集計システムを構成するものであり(図4、図5参照)、この診断用コンピュータシステム11における各診断器8,12との接続部11a及びキーボード11bは、対象設備1における評価対象蒸気配管系3に装備された複数の評価対象蒸気トラップ2についてトラップ診断器8により実施したトラップ作動診断の診断結果の入力、及び、評価対象蒸気配管系3の各部について漏洩診断器12により実施した蒸気漏洩診断の診断結果の入力をトラップ診断器8及び漏洩診断器12の夫々から受けるとともに、評価対象蒸気配管系3についての受給蒸気総量Qi及び必要蒸気総量Qoの入力を受ける入力手段S1を構成する。
また、診断用コンピュータシステム11におけるコンピュータ部11cは、入力手段S1に入力されたトラップ作動診断の診断結果(具体的には、その診断結果及び台数比情報RT)に基づき、トラップ通過による蒸気損失量(qt+Δqt)を評価対象蒸気トラップ2の全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量Qt″(合算トラップ通過蒸気損失総量)を演算し、かつ、入力手段S1に入力された蒸気漏洩診断の診断結果(具体的には、その診断結果及び評価量比情報RV)に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量qsを評価対象蒸気配管系3の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量Qsを演算するとともに、
入力手段S1に入力された受給蒸気総量Qi及び必要蒸気総量Qoに基づき、受給蒸気総量Qiと必要蒸気総量Qoとの差である不明蒸気総量Qxのうちでトラップ通過蒸気損失総量Qt″(合算トラップ通過蒸気損失総量)と蒸気漏洩損失総量Qsとの和である合計蒸気損失総量Qtsが占める割合を改善可能不明蒸気率Ktsとして演算し、かつ、受給蒸気総量Qiのうちで不明蒸気総量Qxが占める割合、及び、不明蒸気総量Qxから合計蒸気損失総量Qtsを減じた値を基底不明蒸気総量Qxxとして受給蒸気総量Qiから合計蒸気損失総量Qtsを減じた値のうちで基底不明蒸気総量Qxxが占める割合の夫々を不明蒸気率Kx及び改善後不明蒸気率Kxxとして演算する演算手段S2を構成する。
そしてまた、診断用コンピュータシステム11におけるコンピュータ部11cは、演算手段S2の演算結果に基づき、不明蒸気率Kx、不明蒸気総量Qx、合計蒸気損失総量Qts,改善可能不明蒸気率Kts、改善後不明蒸気率Kxxなどを表示する評価用データDを作成するデータ作成手段S3を構成し、さらに、診断用コンピュータシステム11におけるプリンタ11dやディスプイ11eは、データ作成手段S3が作成した評価用データDを人為的な読み取りが可能な状態に出力する出力手段S4を構成する。
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
集計システム11(診断用コンピュータシステム)に対する各診断器8,12からの診断結果の入力については、各診断器8,12を有線式や無線式で集計システム11に対し直接的に接続して入力する方式に限らず、可搬式の記憶媒体を介して入力する方式や、インターネットあるいは電話回線網などを介して入力する方式を採用してもよい。
また、前述の実施形態では、各診断器8,12の側で演算したトラップ通過蒸気損失量qtや流体漏洩損失量qs,qp,qnを診断結果として集計システム11に入力する例を示したが、診断器8,12からは診断結果として種々の検出値のみを集計システム11に入力し、その入力検出値に基づき集計システム11の側で個々の蒸気トラップ2(2a)のトラップ通過蒸気損失量qtや個々の蒸気漏洩点の蒸気漏洩損失量qsを演算する方式を採用してもよい。
評価対象蒸気配管系3は、必ずしも診断対象設備1における全ての蒸気配管系である必要はなく、診断対象設備1中における特定用途などの一部の蒸気配管系であってもよい。また、前述の実施形態では、評価対象蒸気配管系3における全蒸気トラップ2を評価対象蒸気トラップとする例を示したが、これに限らず、評価対象蒸気配管系3における特定用途や特定型式の蒸気トラップを評価対象蒸気トラップとしてもよい。
前述の実施形態では、トラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qtとトラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′とを合計した合算トラップ通過蒸気損失総量Qt″をトラップ作動診断の診断結果に基づき算出する算出対象のトラップ通過蒸気損失総量とする例を示したが、これに代え、トラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′は算出対象から外して、トラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qtのみを算出対象のトラップ通過蒸気損失総量とするようにしてもよい。
なお、この場合は、蒸気漏洩損失総量Qsとトラップ不良に係るトラップ通過蒸気損失総量Qtとの和が合計蒸気損失総量Qtsになる。
また、トラップ型式に係るトラップ通過蒸気損失総量Qt′を算出対象に含める場合、各蒸気トラップ2(2a)のトラップ型式によるトラップ通過蒸気量の差Δqt′を求めるのに要する各トラップの型式は、トラップ診断器8から集計システム11に入力する形態に限らず、どのような入力形態で集計システム11に入力するようにしてもよい。
前述の実施形態では、受給蒸気総量Qiと必要蒸気総量Qoとの2値を集計システム11に入力して集計システム11の側で不明蒸気総量Qxを演算させるようにしたが、これに代え、不明蒸気総量Qxを集計システム11に入力して改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、改善後不明蒸気率Kxxなどの値を集計システム11に演算させるようにしてもよい。
前述の実施形態では、評価対象蒸気配管系3における蒸気損失(不明蒸気総量Qx)を所定の設備改善により率的にどの程度低減し得るかを示す指標値として改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、改善後不明蒸気率Kxxなどを求めるようにしたが、本発明の実施においては、図12に示す如く、前記指標値として改善可能不明蒸気率Ktsを求める形態、前記指標値として不明蒸気率Kx及び改善後不明蒸気率Kxxを求める形態、あるいは、前記指標値として不明蒸気率Kx及び見かけ上の改善後不明蒸気率Kxx′(受給蒸気総量Qのうちで基底不明蒸気総量Qxxが占める割合)を求める形態のいずれを採用してもよい。
前述の実施形態では(同図12参照)、トラップ通過蒸気損失総量Qt″(又はQt)と蒸気漏洩損失総量Qsとの和である合計蒸気損失総量Qtsを改善可能蒸気損失総量として上記指標値(改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、改善後不明蒸気率Kxx、見かけ上の改善後不明蒸気率Kxx′)を求め、これにより、評価対象蒸気配管系3における蒸気損失を評価対象蒸気トラップ2の交換(又は修理)と蒸気漏洩箇所の修復との二者による設備改善で率的にどの程度低減できるかを把握するようにしたが、これに代え、図13に示す如く、漏洩による蒸気損失は評価対象から外す形態で、トラップ通過蒸気損失総量Qt″(又はQt)のみを改善可能蒸気損失総量として上記指標値(改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、改善後不明蒸気率Kxx、見かけ上の改善後不明蒸気率Kxx′)を求め、これにより、評価対象蒸気配管系3における蒸気損失を評価対象蒸気トラップ2の交換(又は修理)による設備改善で率的にどの程度低減できるかを把握するようにしてもよい。
また場合によっては、トラップ通過による蒸気損失は評価対象から外す形態で、蒸気漏洩損失総量Qsのみを改善可能蒸気損失総量として上記指標値(改善可能不明蒸気率Kts、不明蒸気率Kx、改善後不明蒸気率Kxx、見かけ上の改善後不明蒸気率Kxx′)を求め、これにより、評価対象蒸気配管系3における蒸気損失を蒸気漏洩箇所の修復による設備改善で率的にどの程度低減できるかを把握するようにしてもよい。
トラップ作動診断の診断結果に基づいてトラップ通過蒸気損失総量Qt″(又はQt)を求める方式としては(同図12,図13参照)、前述の実施形態の如く評価対象蒸気トラップ2のうちの一部の複数蒸気トラップ2a(代表蒸気トラップ)について実際に実施したトラップ作動診断の診断結果、及び、台数比情報RTに基づきトラップ通過蒸気損失総量Qt″(又はQt)の類推値を求める方式、あるいは、台数比情報RTの入力を省略する形態で、評価対象蒸気トラップ2の全数について実際に実施したトラップ作動診断の診断結果に基づきトラップ通過蒸気損失総量Qt″(又はQt)を非類推的に求める方式のいずれを採用してもよい。
同様に、蒸気漏洩診断の診断結果に基づいて蒸気漏洩損失総量Qsを求める方式としては(同図12,図13参照)、前述の実施形態の如く評価対象蒸気配管系3のうちの一部の配管系部分3a(代表配管系部分)について実際に実施した蒸気漏洩診断の診断結果、及び、評価量比情報RVに基づき蒸気漏洩損失総量Qsの類推値を求める方式、あるいは、評価量比情報RVの入力を省略する形態で、評価対象蒸気配管系3の全体について実際に実施した蒸気漏洩診断の診断結果に基づき蒸気漏洩損失総量Qsを非類推的に求める方式のいずれを採用してもよい。
トラップ診断器8からの診断結果入力とは別に集計システム11に入力する台数比情報RTは、トラップ診断器8からの入力診断結果なども参考にしながら集計システム11が全評価対象蒸気トラップ2とトラップ診断器8による診断を実施した一部の複数蒸気トラップ2a(代表蒸気トラップ)との台数比を把握し得るものであれば、どのような内容の情報であってもよく、また、漏洩診断器12からの診断結果入力とは別に集計システム11に入力する評価量比情報RVも、漏洩診断器12からの入力診断結果なども参考にしながら集計システム11が評価対象蒸気配管系3の全体と漏洩診断器12による診断を実施した一部の配管系部分3aとの評価量(バルブ数や配管量など)の比を把握し得るものであれば、どのような内容の情報であってもよい。
前述の実施形態では、演算手段S2の演算結果に基づき、評価用データD(図8参照)として不明蒸気率Kx、不明蒸気総量Qx,改善可能蒸気損失総量としての合計蒸気損失総量Qts、改善可能不明蒸気率Kts、改善後不明蒸気率Kxxなどを表示するデータをデータ作成手段S3に作成させるようにしたが、このデータ作成については(同図12,図13参照)、不明蒸気総量Qxと改善可能不明蒸気率Ktsとを表示する評価用データD、又は、改善可能蒸気損失総量としての合計蒸気損失総量Qtsないしトラップ通過蒸気損失総量Qt″(又はQt)と改善可能不明蒸気率Ktsとを表示する評価用データD、又は、不明蒸気率Kxと改善後不明蒸気率Kxxとを表示する評価用データD、又は、不明蒸気率Kxと見かけ上の改善後不明蒸気率Kxx′とを表示する評価用データDをデータ作成手段S3に作成させるのが望ましい。
また、評価用データDの内容表示形態(人為的読み取りが可能な状態での内容表示形態)は前述の実施形態で示した如き形態に限られるものではなく、種々の変更が可能であり、さらに、受給蒸気総量Qi,必要蒸気総量Qo,不明蒸気総量Qx,改善可能蒸気損失総量、トラップ通過蒸気損失総量Qt(又はQt″),合計蒸気損失総量Qtsなどの量値は、その演算やデータ表記において物質量(重量や容積)を用いた表現に限らず、金額換算値を用いた表現を採るようにしてもよい。
前述の実施形態では、トラップ診断器8及び漏洩診断器12として互いに異なる診断器を用いる例を示したが、トラップ作動診断用と蒸気漏洩診断用とを兼ねる兼用診断器を用いてトラップ作動診断及び蒸気漏洩診断を行うようにしてもよい。
化学プラントなど蒸気配管系を有する種々の分野の設備の診断に利用できる。
設備の全体構成を模式的に示す図 トラップ診断器及びその使用形態を示す図 漏洩診断器及びその使用形態を示す図 診断用コンピュータシステムのブロック図 診断用コンピュータシステムの演算処理内容を示す図 評価用データを示す図 評価用データを示す図 評価用データを示す図 評価用データを示す図 評価用データを示す図 評価用データを示す図 別実施形態を示す集計システムのブロック図 別実施形態を示す集計システムのブロック図
符号の説明
2 評価対象蒸気トラップ
3 評価対象蒸気配管系
4 蒸気使用装置
8 トラップ診断器
11 集計システム(診断用コンピュータシステム)
12 漏洩診断器
D 評価用データ
Kts 改善可能不明蒸気率
Kx 不明蒸気率
Kxx 改善後不明蒸気率
Kxx′ 見かけ上の改善後不明蒸気率
Qi 受給蒸気総量
Qo 必要蒸気総量
Qs 蒸気漏洩損失総量
Qt″ トラップ通過蒸気損失総量(合算)
Qt トラップ通過蒸気損失総量(トラップ不良)
Qts 合計蒸気損失総量
Qx 不明蒸気総量
Qxx 基底不明蒸気総量
S1 入力手段
S2 演算手段
S3 データ作成手段

Claims (6)

  1. 入力手段と演算手段とを備えるコンピュータシステムからなる設備診断用集計システムの動作方法であって、
    前記入力手段が、評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力を受けるとともに、
    評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象蒸気配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力ステップと、
    前記演算手段が、集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算するとともに、
    前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
    受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算ステップとを含む設備診断用集計システムの動作方法。
  2. 入力手段と演算手段とを備えるコンピュータシステムからなる設備診断用集計システムの動作方法であって、
    前記入力手段が、評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力、及び、評価対象蒸気配管系の各部について漏洩診断器により実施した配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を測定するための蒸気漏洩診断の診断結果の入力を受けるとともに、
    評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力ステップと、
    前記演算手段が、集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算し、かつ、前記入力手段に入力された蒸気漏洩診断の診断結果に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を評価対象蒸気配管系の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量を演算するとともに、
    前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
    受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩損失総量との和である合計蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算ステップとを含む設備診断用集計システムの動作方法。
  3. 前記設備診断用集計システムが備えるデータ作成手段が、集計プログラムに従って、前記演算手段の演算結果に基づき、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データを作成するデータ作成ステップを含む請求項1又は2記載の設備診断用集計システムの動作方法。
  4. 評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力を前記トラップ診断器から受けるとともに、
    評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象蒸気配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力手段と、
    集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算するとともに、
    前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
    受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量からトラップ通過蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算手段とを備えるコンピュータシステムからなる設備診断用集計システム。
  5. 評価対象蒸気配管系に装備された複数の評価対象蒸気トラップについてトラップ診断器により実施したトラップ通過による蒸気損失量を測定するためのトラップ作動診断の診断結果の入力、及び、評価対象蒸気配管系の各部について漏洩診断器により実施した配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を測定するための蒸気漏洩診断の診断結果の入力を前記トラップ診断器及び前記漏洩診断器の夫々から受けるとともに、
    評価対象蒸気配管系が供給を受ける蒸気の総量である受給蒸気総量と、その評価対象配管系における蒸気使用装置が必要とする蒸気の総量である必要蒸気総量との入力、又は、それら受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量の入力を受ける入力手段と、
    集計プログラムに従って、前記入力手段に入力されたトラップ作動診断の診断結果に基づき、トラップ通過による蒸気損失量を評価対象蒸気トラップの全数について集計した量であるトラップ通過蒸気損失総量を演算し、かつ、前記入力手段に入力された蒸気漏洩診断の診断結果に基づき、配管系各部からの漏洩による蒸気損失量を評価対象蒸気配管系の全体について集計した量である蒸気漏洩損失総量を演算するとともに、
    前記入力手段に入力された受給蒸気総量及び必要蒸気総量、又は、不明蒸気総量に基づき、
    受給蒸気総量と必要蒸気総量との差である不明蒸気総量のうちでトラップ通過蒸気損失総量と蒸気漏洩損失総量との和である合計蒸気損失総量が占める割合を改善可能不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び改善後不明蒸気率として演算する、
    又は、受給蒸気総量のうちで不明蒸気総量が占める割合、及び、不明蒸気総量から合計蒸気損失総量を減じた値を基底不明蒸気総量として受給蒸気総量のうちで基底不明蒸気総量が占める割合の夫々を不明蒸気率及び見かけ上の改善後不明蒸気率として演算する演算手段とを備えるコンピュータシステムからなる設備診断用集計システム。
  6. 集計プログラムに従って、前記演算手段の演算結果に基づき、不明蒸気総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、トラップ通過蒸気損失総量ないし合計蒸気損失総量と改善可能不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と改善後不明蒸気率とを表示する評価用データ、又は、不明蒸気率と見かけ上の改善後不明蒸気率とを表示する評価用データを作成するデータ作成手段を備える請求項4又は5記載の設備診断用集計システム。
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