JP3790510B2 - シール材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法によるトンネル覆工に使用されるセグメント、およびセグメントが嵌合されてなるセグメント構造体に関する。さらに詳しくは、嵌合してヒンジ構造を形成するセグメントおよびセグメント構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネルの構成単位であるセグメントを組み合わせてトンネルを構築するシールド工法において、ヒンジ構造で一体化したセグメントリング構造を形成する工法が、小口径トンネルの経済的な構築方法として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−326488号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のセグメントリングを組み立てる場合、ヒンジ接合部を支点にセグメントを回転移動させる目的で、ヒンジ構造の外周部分のセグメント間に間隙を設ける必要があるため、この間隙に掘削した土砂等が入り込んだ場合、ヒンジ部分がスムーズに回転しなくなるなどの問題があった。
また、ヒンジ構造を有するセグメントリングを構成するセグメント同士は、ヒンジ接合部において単に嵌合により接合されているため、上記の間隙に土砂等が入り込んだ場合、一般的なボルトやコッターで締結される他のセグメントリングに比べ施工精度が低下するなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のヒンジ構造を有するセグメントリングの上記問題点を改善することを目的に鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、嵌合してヒンジ構造を形成する、嵌合凸部を有するセグメントと嵌合凹部を有するセグメントとの2つのセグメントの、接合時にセグメント端部の嵌合凸部もしくは凹部よりも外周側となる部分の、一方または双方と接する面を有し、接合部の外周側に形成される断面形状が略V字形の間隙に嵌合しうる形状を有する弾性体からなるシールド工法セグメント用隙間シール材;この隙間シール材が貼付されてなる、嵌合してヒンジ構造を形成する嵌合凸部および/または嵌合凹部を有するシールド工法セグメント;並びにセグメントが嵌合されてなり、上記の隙間シール材がセグメント接合部の外周側の間隙に適用されてなるシールド工法セグメント構造体;である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の隙間シール材の断面形状は、嵌合してヒンジ構造を形成する、嵌合凸部を有するセグメントと嵌合凹部を有するセグメントとの2つのセグメントの、接合部の外周側(地山側)に形成される、間隙側面の断面形状が略V字形の間隙に嵌合しうる略三角形状である。略三角形の場合は、充分にシールすることができる。
本発明において、略三角形とは、三角形(角が丸まったものや、直線がやや凸状、やや凹状のもの、小突起を有する直線からなるものを含む)以外に、三角形の一つの頂点を直線もしくは曲線で切り落とした略台形、三角形の少なくとも一つの辺を括れさせた略Y字形など、ヒンジ接合部の間隙の形状にしたがって変形させたものも含む意味で用いる。
【0008】
以下、本発明の隙間シール材を図面により説明する。なお、ここでは断面図により説明するが、隙間シール材の長さがセグメントの長さとほぼ同じであり、各部分で一定の断面形状を有するものが好ましい。
図1〜4は、本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【0009】
図1は、断面形状が三角形である隙間シール材の一例である。図1において、1および2はそれぞれセグメントと接する側面を示し、3はセグメント接合部の外周側に形成される間隙の開口部側に配置される側面を示す。3は直線であっても、凹状にやや括れていてもよい(以下の各例についても同様)。4は、側面1と側面2がなす角度を示す。この角度は、2つのセグメントの側面同士の成す角度により異なるが、5゜〜90゜が好ましい(以下の各例の角度についても同様)。
【0010】
図2は、断面形状が略台形である隙間シール材の一例である。図2において、1および2はそれぞれセグメントと接する側面を示し、5はヒンジ接合部側に、3は間隙の開口部側にそれぞれ配置される側面を示す。4は、側面1と側面2がなす角度を示す。5は直線でも、直線をやや凸状もしくはやや凹状とした線でも、小突起を有する直線でもよく、3と平行でも多少傾斜(例えば、角度0〜30°)していてもよい(以下の各例の5についても同様)。
【0011】
図3および図4は、断面形状が略Y字形である隙間シール材の一例である。図3は大文字の”Y”に、図4は小文字の”y”にそれぞれ相当する形状の例である。図3において、1a、1b、2aおよび2bはそれぞれセグメントと接する側面を示し、5はヒンジ接合部側に、3は間隙の開口部側にそれぞれ配置される側面を示す。4は、側面1bと側面2bがなす角度を示す。また、図4において、1a、1bおよび2はそれぞれセグメントと接する側面を示し、5はヒンジ接合部側に、3は間隙の開口部側にそれぞれ配置される側面を示す。4は、側面1bと側面2がなす角度を示す。
【0012】
本発明の隙間シール材は、少なくとも1つのシールリップ部を有する断面形状のものであってもよい。シールリップ部を設けることによって、ヒンジ接合部を支点にセグメントが回転移動したときに起こるセグメント接合部の間隙断面形状の変形に隙間シール材が追従しやすくなり、充分にシールすることができ好ましい。
シールリップ部とは隙間シール材の側面に位置し、隙間シール材の長さ方向に連続的に形成されたひれ状の突起であり、通常隙間シール材本体と同様の長さを有する。その断面形状はセグメントの間隙側の側面と接した時に容易に変形し間隙を埋める形状であればよく、例えば、先端部分の形状が鋭角の三角形のもの、半円形のものが挙げられる。シールリップ部を設ける場合の数は、隙間シール材の大きさおよびセグメントの回転移動量により適宜選択すればよいが、1〜5個が好ましい。
シールリップ部は、隙間シール材本体と一体でも、本体とは別に貼付により形成されてもよく、その材質は隙間シール材本体と同じでも異なっていてもよい。
【0013】
図5はシールリップ部を有する断面形状が三角形である隙間シール材の一例である。図5において、1はセグメントと接する側面を示し、2cはシールリップ部を形成する側の側面を示す。6は側面2cに形成されたシールリップ部を示す。4は、側面1と側面2cがなす角度を示す。
図6はシールリップ部を有する断面形状が略台形である隙間シール材の一例である。図6において、1はセグメントと接する側面を示し、2cはシールリップ部を形成する側の側面を示す。6は側面2cに形成されたシールリップ部を示す。4は、側面1と側面2cがなす角度を示す。
図7はシールリップ部を有する断面形状が略Y字形である隙間シール材の一例である。図7において、1aおよび1bはセグメントと接する側面を示し、2cはシールリップ部を形成する側の側面を示す。6は側面2cに形成されたシールリップ部を示す。4は、側面1bと側面2cがなす角度を示す。
シールリップ部の形成位置は、図5〜7のように隙間シール材側面の片側であっても、両側であってもよいが、シールリップ部を有しない側の側面を利用してセグメントに貼付し固定しやすいという点で、片側に設けるのが好ましい。
【0014】
本発明の隙間シール材は、ソリッド状弾性体であっても、フォーム状弾性体であってもよいが、少なくとも一部(好ましくは断面積の10%以上、とくに30%以上)を密度1g/cm3 以下のフォーム状弾性体とした場合は、ヒンジ接合部を支点にセグメントが回転移動したときに起こる、セグメント接合部の外周側の間隙断面形状の変形に隙間シール材が追従しやすくなり、充分にシールすることができるという点て好ましい。フォーム状弾性体の密度は、隙間シール材の大きさおよびセグメントの回転移動量により異なるが、0.2〜0.9g/cm3 が好ましい。
図8は、全体がフォーム状弾性体である隙間シール材の一例である。図9〜12は一部がフォーム状弾性体である隙間シール材の一例である。図8〜12において、7はフォーム状弾性体である部分を示し、8はソリッド状弾性体である部分を示す。
【0015】
本発明の隙間シール材は、長さ方向に連続した少なくとも1つの中空部を設けてもよい。中空部を設けることにより、ヒンジ接合部を支点にセグメントが回転移動したときに起こる、セグメント接合部の外周側の間隙断面形状の変形に隙間シール材が追従しやすくなり、充分にシールすることができるという点で好ましい。中空部の断面形状としてはとくに限定されず、円形のほか、楕円形、三角形、台形等が挙げられる。
中空部を設ける場合の数は、隙間シール材の大きさおよびセグメントの回転移動量により異なるが、1〜6個が好ましい。複数個設ける場合の中空部の大きさは、全て同じでも異なっていてもよい。また、断面積に占める中空部の合計の割合は、好ましくは10〜80%である。
図13は1つの中空部を設けた隙間シール材の一例である。図13において9は中空部を示す。
【0016】
本発明の隙間シール材を形成する弾性体としては、ゴム弾性を有するものであればよく、JIS K6251(1993年版)による引張強さが、0.5〜40MPa、とくに1〜30MPaのものが好ましい。
弾性体の材質としては、発泡(好ましくは発泡倍率が1.05〜2.5倍、とくに1.1〜2倍)もしくは非発泡の、天然ゴム、合成ゴム(スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴムなど)などの非水膨張性ゴムが挙げられ、2種類以上を併用することもできる。
また、弾性体の一部もしくは全部(例えば断面積の5%以上)が水膨張性ゴムであってもよい。水膨張性ゴムを用いる場合、一方のセグメントにシール材が固定されるとき反対のセグメント側の面に用いることが、十分に間隙を満たすことができ、好ましい。
水膨張性ゴムとしては、飽和体積水膨張倍率が1.2〜6倍のものが好ましく、クロロプレンゴムなどの合成ゴムに高吸水性樹脂を練り込んだものやゴム自体が水を吸収して膨張する水膨張性ポリウレタンゴムなどが挙げられる。具体的には、特開平10−34832号公報に記載のものなどが挙げられる。
これらの中で、耐薬品性など耐久性面で好ましいものは、エチレンプロピレンジエンゴムである。
隙間シール材の成形方法としては、注型成形、押出成形などが挙げられる。様々な断面形状のものを成形しやすいという点で押出成形が好ましい。
【0017】
本発明の隙間シール材を、セグメント接合部の外周側の間隙に適用する際、少なくとも一方(好ましくは一方)のセグメントに固定するのが好ましい。固定する方法としては、接着剤でセグメントに貼付して使用することもできるが、貼付作業を簡素化する目的で、隙間シール材表面のセグメントと接する側面の少なくとも一部に粘着材層を設けることができる。粘着材層を設ける方法としては、アクリル樹脂系粘着剤や合成ゴム系粘着剤などの原料を、隙間シール材表面に直接塗布して形成させる方法や、それらの原料を不織布などの支持体に塗布または含浸させて形成される両面粘着テープを貼付する方法などが挙げられる。
【0018】
以下、ヒンジ構造で一体化したセグメントリング構造を構築して得られる小口径トンネルを例に、本発明の隙間シール材を用いた本発明のセグメントおよびセグメント構造体について説明する。
【0019】
小口径トンネルを構築するセグメントリングとしては、例えば円環構造における構造安定性がよい3ヒンジ構造の場合、図14に示すセグメント10a、10bおよび10cから構成される3等分割型のもの、図15に示すセグメント12a、12b、12cおよびキーセグメント12dから構成される4分割型のものなど、様々なセグメント構成のものが例として挙げられる。図14および15において11は、本発明の隙間シール材を示す。
【0020】
また、これらの小口径トンネルの構築に用いられるセグメントは、嵌合することでヒンジ構造を形成する嵌合凸部および/または嵌合凹部を有しており、このセグメントを用いてセグメントリングを組み立てる方法としては、例えば図14に示すセグメントリングの場合、先ず、セグメント10aをセットした後、セグメント10aの嵌合凸部とセグメント10bの嵌合凹部を嵌合させ形成されたヒンジ接合部を支点にセグメント10bを外周側(地山側)に回転移動させ、生じた空間を利用し、セグメント10aの嵌合凹部とセグメント10cの嵌合凸部を嵌合させ、次いでセグメント10bを内側に向かって回転移動させることでセグメント10bの嵌合凸部とセグメント10cの嵌合凹部を嵌合させる方法が挙げられる。
【0021】
また、例えば図15に示すセグメントリングの場合、先ず、セグメント12aをセットした後、セグメント12aの嵌合凹部とセグメント12bの嵌合凸部、およびセグメント12aの嵌合凹部とセグメント12cの嵌合凸部を嵌合させ、形成されたヒンジ接合部を支点にセグメント12cを外周側(地山側)に回転移動させ、生じた空間を利用してキーセグメント12dをトンネル軸方向から挿入し、次いでセグメント12cを内側に向かって回転移動させることでセグメント12cの嵌合凹部とキーセグメント12dの嵌合凸部を嵌合させ、最後にキーセグメント12dおよびセグメント12bの接合面を継手で剛接合し一体化する方法が挙げられる。
【0022】
これらセグメントの分割数および組み立て方法の違いにより、例えば同じ3ヒンジ構造のセグメントリングを構築する場合においても、必要とされるヒンジ接合部の回転移動量が異なり、外周側に設けられる隙間の大きさおよび形状は様々である。
【0023】
図16〜18は、形状の異なるヒンジ接合部の一例を示す断面図である。
図16は、間隙側面の断面形状が略V字形であるヒンジ接合部の一例である。図16において、13はヒンジ接合部の外周側に形成される間隙を示し、14および15はセグメントの側面により形成される間隙側面を示す。16は14と15により形成される角度を示す。この間隙に適用できる本発明の隙間シール材としては、例えば図1に示すような断面形状が三角形のものが挙げられる。隙間シール材の大きさは、角度4の大きさがセグメントの回転移動により変化する角度16の最大角より大きいことが好ましいが、例えば図5に示すように隙間シール材側面にシールリップ部を設ける場合は、シールリップ部の先端が間隙側面から離れない範囲で、角度4の大きさがセグメントの回転移動により変化する角度16の最大角より小さくてもよい。
【0024】
図17は、間隙側面の断面形状が略V字形の頂点を切り取った形であるヒンジ接合部の一例である。図17において、13はヒンジ接合部の外周側に形成される間隙を示し、14および15はセグメントの側面により形成される間隙側面を示す。16は14と15により形成される角度を示す。この間隙に適用できる本発明の隙間シール材としては、例えば図2に示すような断面形状が略台形のもが挙げられる。隙間シール材の大きさは、角度4の大きさがセグメントの回転移動により変化する角度16の最大角より大きいことが好ましいが、例えば図6に示すように隙間シール材側面にシールリップ部を設ける場合は、シールリップ部の先端が間隙側面から離れない範囲で、角度4の大きさがセグメントの回転移動により変化する角度16の最大角より小さくてもよい。
【0025】
図18は、間隙側面の断面形状が略V字形の片方の辺を外側に折り曲げた形であるヒンジ接合部の一例である。図18において、13はヒンジ接合部の外周側に形成される間隙を示し、14および15セグメントの側面により形成される間隙側面を示す。16は14と15により形成される角度を示す。この間隙に適用できる本発明の隙間シール材としては、例えば図4に示すような断面形状が略Y字形のもが挙げられる。隙間シール材の大きさは、角度4の大きさがセグメントの回転移動により変化する角度16の最大角より大きいことが好ましいが、例えば図7に示すように隙間シール材側面にシールリップ部を設ける場合は、シールリップ部の先端が間隙側面から離れない範囲で、角度4の大きさがセグメントの回転移動により変化する角度16の最大角より小さくてもよい。
【0026】
いずれの例においても、ヒンジ接合部の間隙に適用できる本発明の隙間シール材は、セグメントの回転移動によりセグメント接合部の外周側の間隙が広がった時に、隙間シール材と間隙側面の間に隙間が生じない大きさまたは形状であることが好ましい。
【0027】
本発明の隙間シール材のうちでは、シールリップ部を有するもの、少なくとも一部をフォーム状弾性体としたもの、中空部を設けたものが、セグメントの外周側(地山側)への回転移動量が大きくても、弾性体の圧縮限界を超える変形が起こりにくく、再び間隙が広がった時に隙間シール材と間隙側面の間に隙間が生じることがない点で好ましい。
【0028】
本発明の隙間シール材は、前述のように、接着剤を用いセグメントに貼付する、粘着材層を設けるなどの手段によって間隙に固定されるのが好ましいが、貼付する位置としては、セグメントの嵌合凹部側の間隙側面(外周側のセグメントの側面)または嵌合凸部側の間隙側面が挙げられ、間隙の形状により、固定する間隙側面を選ぶことができる。図19〜21に本発明の隙間シール材をセグメントに貼付した状態の一例を示す。図19〜21において17は本発明の隙間シール材、18はセグメントの嵌合凸部、19はセグメントの嵌合凹部を示す。
【0029】
本発明の隙間シール材は、単独でもある程度止水用シール材としての機能を有するが、セグメント構造体形成時に、該隙間シール材とトンネルの内周側との間の少なくとも1箇所(好ましくは1または2箇所)の、好ましくは少なくとも一方(とくに両方)のセグメントがシール溝(凹部)を有する部分に、さらにテープ状の止水材を配置することにより、完全な止水構造を得ることができる。止水材を配置する位置は、隙間シール材より内周側であればよく、とくに限定されないが、少なくとも1箇所が、本発明の隙間シール材と嵌合部の間であることが好ましい。
テープ状止水材の材質としては、水膨張性ゴムでも非水膨張性ゴムでもよいが、ヒンジ接合部の嵌合時に大きな圧縮応力を必要とせず、高い止水性を得られる点で水膨張性ゴムが好ましい。水膨張性ゴムおよび非水膨張性ゴムとしては、前記の弾性体の例として述べたものなどが挙げられる。水質の影響を受けず長期に渡って安定して水膨張するという点で、水膨張性ポリウレタンゴムがさらに好ましい。
テープ状止水材の大きさは、配置される箇所の形状に合うものであればよく、とくに限定されないが、少なくとも一方のセグメントがシール溝を有する場合は、止水材の断面積は、セグメント間の溝の部分の空隙の断面積の0.5〜3倍、とくに0.8〜1.5倍が好ましい。
テープ状止水材をセグメント間に配置する際、少なくとも一方(好ましくは一方)のセグメントに固定するのが好ましい。固定する方法としては、前記の本発明の隙間シール材に適用するのと同様の方法等が挙げられる。なお、1箇所に用いるテープ状止水材の個数は、1個(好ましくは1方のセグメントに固定されている。)でも2個(好ましくは各々が別々のセグメントに固定されている。)でもよい。
【0030】
セグメント構造体形成時に、隙間シール材と共に、セグメント間にテープ状の止水材を配置した形態の一例を図22に示す。図22において、17は本発明の隙間シール材を示し、20はテープ状の止水材を示す。
【0031】
以上、本発明のシール材、セグメント、およびセグメント構造体の実施形態について詳細に説明したが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等も本発明に含まれる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されるため、嵌合してヒンジ構造を形成する、嵌合凸部を有するセグメントと嵌合凹部を有するセグメントとの2つのセグメントの、接合部の外周側に形成される略V字形の間隙を埋めることができ、掘削した土砂等が入り込むことがなく、ヒンジ部分がスムーズに回転し、かつ施工精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 断面形状が三角形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図2】 断面形状が略台形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図3】 断面形状が略Y字形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図4】 断面形状が略Y字形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図5】 シールリップ部を有する断面形状が三角形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図6】 シールリップ部を有する断面形状が略台形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図7】 シールリップ部を有する断面形状が略Y字形である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図8】 全体がフォーム状弾性体である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図9】 一部がフォーム状弾性体である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図10】 一部がフォーム状弾性体である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図11】 一部がフォーム状弾性体である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図12】 一部がフォーム状弾性体である本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図13】 中空部を設けた本発明の隙間シール材の一例を示す断面図である。
【図14】 3ヒンジ構造、3等分割型のセグメントリングの一例を示す側面図である。
【図15】 3ヒンジ構造、4分割型のセグメントリングの一例を示す側面図である。
【図16】 間隙側面の断面形状が略V字形であるヒンジ接合部の一例を示す断面図である。
【図17】 間隙側面の断面形状が略V字形の頂点を切り取った形であるヒンジ接合部の一例を示す断面図である。
【図18】 間隙側面の断面形状が略V字形の片方の辺を外側に折り曲げた形であるヒンジ接合部の一例を示す断面図である。
【図19】 断面形状が三角形である隙間シール材のセグメントへの貼付形態の一例を示す断面図である。
【図20】 断面形状が略台形である隙間シール材のセグメントへの貼付形態の一例を示す断面図である。
【図21】 断面形状が略Y字形である隙間シール材のセグメントへの貼付形態の一例を示す断面図である。
【図22】 隙間シール材とテープ状の止水材を併用した形態の本発明のセグメント構造体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,2,2a,2b セグメントと接する隙間シール材の側面
2c シールリップ部が形成された隙間シール材の側面
3 隙間シール材の間隙の開口部側に配置される面
4 側面1もしくは1bと、側面2、2bもしくは2cがなす角度
5 隙間シール材のヒンジ接合部側に配置される面
6 シールリップ部
7 フォーム状弾性体
8 ソリッド状弾性体
9 中空部
10a,10b,10c,12a,12b,12c セグメント
11 隙間シール材
12d キーセグメント
13 ヒンジ接合部の外周側に設けられる間隙
14,15 間隙側面
16 間隙側面14と間隙側面15がなす角度
17 隙間シール材
18 セグメントの嵌合凸部
19 セグメントの嵌合凹部
20 テープ状の止水材
Claims (9)
- 嵌合してヒンジ構造を形成する、嵌合凸部を有するセグメントと嵌合凹部を有するセグメントとの2つのセグメントの、接合時にセグメント端部の嵌合凸部もしくは凹部よりも外周側となる部分の、一方または双方と接する面を有し、接合部の外周側に形成される断面形状が略V字形の間隙に嵌合しうる、略三角形の断面形状を有する弾性体からなるシールド工法セグメント用隙間シール材。
- 断面形状が少なくとも1つのシールリップ部を有する請求項1記載の隙間シール材。
- 該弾性体の少なくとも一部が、密度1g/cm3以下のフォームからなる請求項1または2記載の隙間シール材。
- 長さ方向に連続した少なくとも1つの中空部を有する請求項1〜3の何れか記載の隙間シール材。
- 該弾性体がエチレンプロピレンジエンゴムである請求項1〜4の何れか記載の隙間シール材。
- セグメントと接する面の少なくとも一部に粘着材層を有する請求項1〜5の何れか記載の隙間シール材。
- 請求項1〜6の何れか記載の隙間シール材が貼付されてなる、嵌合してヒンジ構造を形成する嵌合凸部および/または嵌合凹部を有するシールド工法セグメント。
- セグメントが嵌合されてなり、請求項1〜6の何れか記載の隙間シール材がセグメント接合部の外周側の間隙に適用されてなるシールド工法セグメント構造体。
- さらに該間隙の内周側にテープ状止水材が配置されてなる請求項8記載のセグメント構造体。
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