JP6518377B1 - ゴム製成形止水材及び該ゴム製成形止水材を用いた止水構造 - Google Patents

ゴム製成形止水材及び該ゴム製成形止水材を用いた止水構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、水膨張ゴムの圧縮応力を自身の膨張により補完することにより効果的且つ継続的に弾性反発力を発揮し、高水圧耐性と長期耐久性を両立しつつ止水を図るゴム製成形止水材を提供する。【解決手段】 本発明に係るゴム製成形止水材1は、帯状を呈し、膨張率の異なる二種類の水膨張ゴムでそれぞれ形成した高膨張部分1Aと低膨張部分1Bを一体化して成り、軸直交方向の断面形状における左側部3と右側部4の少なくとも一方を上記低膨張部分1Bの上に上記高膨張部分1Aを積層して形成する一方、その余の部分を上記低膨張部分1Bで形成した構成を有することにより、上記高膨張部分1Aと上記低膨張部分1Bが共働して圧縮応力を補完することができると共に、上記高膨張部分1Aの過膨張を上記低膨張部分1Bが抑制することができる【選択図】 図1

Description

本発明はトンネルセグメントやボックスカルバートの如き複数を隣接配置するコンクリート二次製品の継手部分に生ずる間隙内に介在配置し、これら間隙内に浸入してきた浸入水(雨水・地下水等)を食い止めるゴム製の成形止水材及び該成形止水材を用いた止水構造に関するものである。
従来のゴム製成形止水材として、吸水により膨張する水膨張ゴムを用い、該水膨張ゴムの膨張によって止水対象間隙を塞いで止水を図る成形止水材が既知である。
さらに、膨張率の異なる二種類の水膨張ゴムで高膨張部分と低膨張部分をそれぞれ形成して、該高膨張部分と低膨張部分とを一体化した成形止水材も既知であり、そのような成形止水材として下記特許文献1及び下記特許文献2に記載のゴム製成形止水材が開発されている。
下該特許文献1・2記載のゴム製成形止水材は、帯状を呈し、隣接する一対のトンネルセグメント間の間隙内において該間隙内に浸入した浸入水の浸入方向に直交するように介在配置するものであり、軸直交方向の断面形状における左右の一方側から他方側への浸入水の進行を食い止めるものである。
下記特許文献1に開示されているゴム製成形止水材は、軸直交方向の断面形状における中央部を高膨張部分とし、該高膨張部分の左右両側にそれぞれ低膨張部分を一体化して配する構造を有するものである。
また、下記特許文献2に開示されているゴム製成形止水材は、軸直交方向の断面形状における中央部を低膨張部分とし、該低膨張部分の左右両側にそれぞれ高膨張部分を一体化して配し、さらに該一体化した低膨張部分及び高膨張部分の左右両側に非膨張ゴムから成る非膨張部分を一体化して配する構造を有するものである。
実公平6−26637号公報 実公平6−26635号公報
上記特許文献1のゴム製成形止水材によれば、まず上記低膨張部分が浸入水に触れて膨張し、該膨張により間隙を塞いで一次止水を行い、浸入水がさらに浸入すると、上記高膨張部分が浸入水に触れて膨張し、該膨張により間隙を塞いで二次止水を行うことができる。
また、上記特許文献2のゴム製成形止水材によれば、まず上記非膨張部分により一次止水を行い、浸入水がさらに進行すると、上記低膨張部分と上記高膨張部分が順に膨張し、該膨張により間隙を塞いで二次止水を行うことができる。
要するに、上記特許文献1・2のゴム製成形止水材は、水膨張ゴムから成る低膨張部分や高膨張部分の膨張による高さ方向への変形によって、止水を確実ならしめる技術思想に基づくものである。
したがって、上記特許文献1・2のゴム製成形止水材にあっては、大深度トンネルのトンネルセグメントの継手部分のように水圧が高い浸入水が浸入する箇所においては、膨張による高さ方向への変形だけでは止水できないおそれがあり、膨張による高さ方向への変形が間に合わず、浸入水の進行を許してしまうおそれもある。
また、上記特許文献1・2のゴム製成形止水材を用いた止水構造は、当該ゴム製成形止水材を止水対象間隙の底面と天面に密着させているだけであるので、高さ方向へ変形すると雖も、やはり、水圧が高い浸入水の進行を防ぎきれないおそれがあると共に、幅方向へも変形してしまい、止水対象間隙からはみ出てしまうおそれもある。
特にトンネルにおいては、近年、大深度化していると共に、共用年数が長期化しており、トンネルセグメントの継手部分に配する成形止水材に高水圧耐性と長期耐久性が求められている。
本発明は、従来のゴム製成形止水材の技術思想、すなわち水膨張ゴムの膨張による高さ方向への変形により止水を図る技術思想とは全く異なる技術思想に基づくゴム製成形止水材を提供する。
つまり、本発明に係るゴム製成形止水材は、従来とは異なり、水膨張ゴムの圧縮応力を自身の膨張により補完することにより効果的且つ継続的に弾性反発力を発揮し、高水圧耐性と長期耐久性を両立しつつ止水を図る技術思想に基づくものである。
要述すると、本発明に係るゴム製成形止水材は、帯状を呈し、膨張率の異なる二種類の水膨張ゴムでそれぞれ形成した高膨張部分と低膨張部分を一体化して成り、軸直交方向の断面形状における左側部と右側部の少なくとも一方を上記低膨張部分の上に上記高膨張部分を積層して形成する一方、その余の部分を上記低膨張部分で形成した構成を有することにより、上記高膨張部分と上記低膨張部分が共働して圧縮応力を補完することができると共に、上記高膨張部分の過膨張を上記低膨張部分が抑制することができる。
好ましくは、上面と下面を互いに平行する平坦面とすることにより、適切に圧縮できるようにする。
また、上記低膨張部分の上に積層した上記高膨張部分に側面に向かって下り傾斜する傾斜面を設けることにより、上記高膨張部分の容積を減らして過膨張を抑制すると共に、配設作業の作業性を向上する。
好ましくは、上記低膨張部分の上に積層した上記高膨張部分の高さを全高の1/2以下に設定する。また、上記低膨張部分と上記高膨張部分の積層幅を全幅の1/3以下に設定する。これら積層構造によって、上記低膨張部分による上記高膨張部分の過膨張の抑制を確実ならしめることができ、ひいては、適切に圧縮応力を保持し続けることができる。
本発明に係る止水構造は、既述したゴム製成形止水材を用いた止水構造であって、隣接する一対のコンクリート二次製品の一方のコンクリート二次製品の隣接端面に浸入水の進入方向と直交する方向に伸びる止水用溝を形成し、該止水用溝の底面に上記ゴム製成形止水材の下面を接着し、該止水用溝の底面と上記一対のコンクリート二次製品の他方のコンクリート二次製品の隣接端面で上記ゴム製成形止水材を圧縮する構成を有する。
又は、隣接する一対のコンクリート二次製品の双方のコンクリート二次製品の隣接端面に浸入水の進入方向と直交する方向に伸びる止水用溝をそれぞれ形成し、一対の上記ゴム製成形止水材の一方の上記ゴム製成形止水材の下面を一方の上記止水用溝の底面に接着すると共に他方の上記ゴム製成形止水材の下面を他方の上記止水用溝の底面に接着し、上記一対のゴム製成形止水材の上面同士を突き合わせつつ、当該一対のゴム製成形止水材を一方の上記止水用溝の底面と他方の上記止水用溝の底面で圧縮する構成を有する。
本発明に係るゴム製成形止水材によれば、圧縮によって水膨張ゴムの内部に生ずる圧縮応力により効果的に弾性反発力を発揮し強固に止水対象間隙を塞いで止水を図ることができると共に、当該圧縮応力を上記高膨張部分と上記低膨張部分とが共働して有効に保持して継続的に弾性反発力を発揮して強固な止水を継続することができる。
したがって、高水圧耐性と長期間耐久性を両立した止水を行うことができる。
また、本発明に係る止水構造によれば、圧縮した本発明に係るゴム製成形止水材の下面のみを固定して膨張を規制する一方、その他の部分の膨張は許容することにより、軸方向への変形を防止しつつ高膨張部分と低膨張部分が膨張して圧縮応力を補完でき、弾性反発力による高水圧に耐えうる確実な止水を長期間継続することができる。
本発明に係るゴム製成形止水材を一部切欠して示す斜視図である。 本発明に係るゴム製成形止水材の軸直交方向の断面図であり、(A)は図1に示すゴム製成形止水材の断面図、(B)は傾斜面を設けないゴム製成形止水材の例を示す断面図、(C)は左側部のみを低膨張部分の上に高膨張部分を積層して形成したゴム製成形止水材を示した断面図である。 本発明に係るゴム製成形止水材をトンネルセグメントに取り付けた状態を示す説明図である。 隣接する一対のトンネルセグメント間に配設した一対のゴム製成形止水材の圧縮前の状態を拡大して示す断面図である。 図4の一対のゴム製成形止水材を圧縮した状態を拡大して示す断面図である。 本発明に係るゴム製成形止水材をボックスカルバートに取り付ける様子を示す斜視図である。 隣接する一対のボックスカルバート間に配設したゴム製成形止水材の状態を拡大して示す断面図である。 図7のゴム製成形止水材を圧縮した状態を拡大して示す断面図である。
以下、本発明に係るゴム製成形止水材の実施形態を図1乃至図8に基づき説明する。
〈基本構成〉
本発明に係るゴム製成形止水材(以下、単に「成形止水材」という。)1は、図1・図2(A)に示すように、帯状を呈し、膨張率の異なる二種類の水膨張ゴムでそれぞれ形成した高膨張部分1Aと低膨張部分1Bを一体化して成る基本構成を有している。
〈水膨張ゴム〉
ここで、本発明において使用する水膨張ゴムについて説明する。本発明において使用する水膨張ゴムは、ゴムを基本材料とし、これに吸水性材料を配合したものであり、基本材料のゴムとしては、クロロブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、その他高分子材料等を単独又は複合して使用する。
また、吸水性材料としては、紙おむつや生理用品等に用いられる吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム)等を使用する。
本発明においては、基本材料たるゴムと吸水性材料とを要求性能(膨張率、最大膨張までに要する時間等)に応じて適正割合で配合し、高膨張部分1Aと低膨張部分1Bに適した水膨張ゴムを用いる。
高膨張部分1Aを形成する水膨張ゴムは膨張率5倍以上とすることが好ましく、より好ましくは5倍である。また、低膨張部分1Bを形成する水膨張ゴムは膨張率2〜3倍とすることが好ましく、より好ましくは3倍である。なお、膨張率の高い高膨張部分1Aの方が膨張率の低い低膨張部分1Bよりも当然に吸水性材料を富含有しており、膨張速度(時間あたりの膨張率)は速い。
〈具体的構成〉
本発明に係る成形止水材1の具体的構成としては、図1・図2(A)に示すように、軸直交方向の断面形状における左側部2と右側部3の双方を低膨張部分1Bの上に高膨張部分1Aを積層して形成する一方、その余の部分を低膨張部分1Bで形成する構成となっている。
換言すれば、凸字状の断面形状を有する低膨張部分1Bの左右の入隅部にそれぞれ高膨張部分1Aを配して一体成形し、左側部2及び右側部3を低膨張部分1B上に高膨張部分1Aを積層した積層構造とすると共に、該左側部2と該右側部3に挟まれた中央部を低膨張部分1Bのみから成る構造とする。
好ましくは、成形止水材1の上面4と下面5(1Bb)を互いに平行する平坦面とする構成とし、適切に圧縮できるようにする。すなわち、低膨張部分1Bの上面1Baと該低膨張部分1Bの左右の入隅部にそれぞれ積層された高膨張部分1Aの上面1Aaと面一の平坦面として、適切なる圧縮を可能とする。
また、既述のように低膨張部分1Bの上に積層した高膨張部分1Aの高さh1を全高H、つまり成形止水材1自体の高さHの1/2以下に設定し、該高膨張部分1Aの直下の低膨張部分1Bの高さh2と同じか、それよりも低く設定することが望ましい。また、低膨張部分1Bと高膨張部分1Aの積層幅wを全幅、つまり成形止水材1自体の幅Wの1/3以下に設定することが望ましい。このような積層構成により、後記するように、高膨張部分1Aの膨張による変形に対して低膨張部分1Bが適切に追随すると共に緩衝材として機能し、高膨張部分1Aの過膨張の抑制を確実ならしめることができる。
また、好ましくは、高膨張部分1Aに左側面2a又は右側面3aに向かって下り傾斜する傾斜面6を設ける構成とする。当該構成によって高膨張部分1Aの容積を減らして過膨張を抑制すると共に、配設作業の作業性を向上する。なお、傾斜面6の長さや傾斜角度は必要に応じて適宜調整することができる。また、傾斜面6を平坦面ではなく、凸曲面とすることや凹曲面とすることも実施に応じ任意である。
以上の構成を有する本発明に係るゴム製成形止水材1は、後記するように、圧縮により高膨張部分1Aを形成する水膨張ゴムと低膨張部分1Bを形成する水膨張ゴムの内部に生ずる圧縮応力に基づき効果的に弾性反発力を発揮し、強固に止水対象間隙を塞いで止水を図ることができる。
加えて、当該圧縮応力を高膨張部分1Aと低膨張部分1Bとが共働して有効に補完して、すなわち、応力緩和を抑制して、強固な止水を継続することができる。したがって、高水圧耐性と長期間耐久性を両立した止水を行うことができる。
なお、図1・図2(A)においては、高膨張部分1Aに傾斜面6を設けることについて説明したが、図2(B)に示すように、傾斜面6を設けないことも、本発明は包含する。また、低膨張部分1Bの上に高膨張部分1Aを積層する構成については、左側部2と右側部3の双方に設けることに限らず、図2(C)に示すように、左側部2にのみ設けることや、具体的には図示しないが、右側部3にのみ設けることも、実施に応じ任意である。
≪隣接する一対のトンネルセグメント間の微細間隙への適用例≫
図3乃至図5は、本発明に係る成形止水材1を隣接する一対のトンネルセグメント11・11´間の継手部分に生じる微細間隙へ適用した場合の止水構造を示している。該トンネルセグメント11(11´)は、断面円弧状の板に成形したコンクリート二次製品であり、複数枚を縦横に連結してトンネル壁を構成する部材である。
図3に示すように、トンネルセグメント11の外面11aと内面11b以外の四面(隣接端面11c)に成形止水材1より広幅で環状に延びる止水用溝12を形成し、該止水用溝12内に成形止水材1を取り付け、隣接する他のトンネルセグメントと連結する。隣接するトンネルセグメント11´にも同様に隣接端面11′cに止水用溝12を形成し、該溝12内に成形止水材1を取り付ける。
したがって、それぞれの止水用溝12はトンネルセグメント11(11′)の外面11a(11′a)側から内面11b(11′b)側へと浸入してくる浸入水の進入方向と直交する方向に伸びるように形成され、当該各止水用溝12に沿って成形止水材1が配される。
止水用溝12内に成形止水材1を取り付ける場合には、該止水用溝12の環状に沿って適切な長さに切断した成形止水材1の下面5を該止水用溝12の底面12aにゴム系、アクリル系又はエポキシ系の接着剤を介して接着する。又は適切な長さに切断した成形止水材1を止水用溝12の環状に沿うように成形し端部同士を加硫接着し、当該成形止水材1の下面5を該止水用溝12の底面12aに上記接着剤を介して接着する。
そして、図4に示すように、トンネルセグメント11の止水用溝12に取り付けた成形止水材1と隣接するトンネルセグメント11′の止水用溝12に取り付けた成形止水材1の上面4同士を突き合わせつつ、図5に示すように、トンネルセグメント11の止水用溝12の底面12aと、隣接するトンネルセグメント11′の止水用溝12の底面12aで両方の成形止水材1を圧縮する。なお、図4・図5において、トンネルセグメント11′の止水用溝12に取り付けられた成形止水材1の左側部2が底面5を基準として右側にあるかのように見えるが、これは図2(A)に示す断面形状を裏側から見た状態である。
図4・図5においては、説明の便宜上、一対の成形止水材1の上面4同士を突き合わせた後に当該一対の成形止水材1を圧縮する例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、トンネルセグメント11と共に該トンネルセグメント11の止水用溝12に取り付けられた成形止水材1をスライドさせて、該成形止水材1の上面4を隣接するトンネルセグメント11′の止水用溝12に取り付けられている成形止水材1の上面4に乗り上げるようにして上面4同士を突き合わせ、同時に両方の成形止水材1の圧縮を行うようにしても良い。このように一方の成形止水材1の上面4に他方の成形止水材1の上面4が乗り上げる際に、各成形止水材1の傾斜面6が機能し、作業性を向上する。
なお、上記説明した二つの成形止水材1の上面4同士の突き合わせは各上面4の左右端が一致するのが望ましいが、両方の成形止水材1を圧縮することができれば、多少のズレは許容範囲である。
図5に示す如く圧縮された各成形止水材1は、接着された下面5は定位置のまま、左側部2・右側部3及び上面4が幅方向に広がるように変形し、内部に生じた圧縮応力に基づく弾性反発力を発揮して強固な一次止水を図ることができる。
また、地下水等の浸入水がトンネルセグメント11(11′)の外面11a(11′a)側から浸入してきたときには、両方の成形止水材1の左側部2の高膨張部分1Aが急激に膨張すると共に、該高膨張部分1Aと積層された低膨張部分1Bも緩やかに膨張して、各成形止水材1の圧縮応力を補完し、効果的に弾性反発力を発揮させて二次止水を行い、強固な止水を継続する。また、この際には高膨張部分1Aの膨張による変形に対して、該高膨張部分1Aの周りの低膨張部分1B(高膨張部分1Aと積層している部分に限らず、中央部の低膨張部分1Bも含む)が適切に追随すると共に緩衝材として機能し、高膨張部分1Aの過膨張を抑制する。
次いで、高膨張部分1Aの膨張が終息した後も、低膨張部分1Bが緩やかな膨張を継続して、各成形止水材1の圧縮応力を補完し、効果的に弾性反発力を発揮させて三次止水を行い、強固な止水を継続する。
上記のとおり、本発明に係る止水構造によれば、当初から圧縮応力に基づく弾性反発力を効果的に発揮して強固な止水を行うことができ、この強固な止水を段階的に継続する。特に、圧縮した本発明に係るゴム製成形止水材の下面のみを固定して膨張を規制する一方、その他の部分の膨張は許容することにより、軸方向への変形を防止しつつ高膨張部分1Aと低膨張部分1Bが膨張して圧縮応力を段階的に補完することができる。よって、弾性反発力による高水圧に耐えうる確実な止水を長期間継続することができる。
≪隣接する一対のボックスカルバート間の微細間隙への適用例≫
図6乃至図8は、本実施例に係る成形止水材1を隣接する一対のボックスカルバート13・13´間の継手部分に生じる間隙へ適用した状態を示している。該ボックスカルバート13(13´)は、角筒状に成形したコンクリート二次製品であり、複数個を連結して地中に埋設し、通路、水路、配線路等を形成する部材である。
図6に示すように、ボックスカルバート13の隣接端面13cに成形止水材1より広幅で環状に延びる止水用溝14を形成し、該止水用溝14内に成形止水材1を取り付け、上記隣接端面13cを隣接するボックスカルバート13´の隣接端面13´cと突き合せて、両ボックスカルバート13・13´を連結する。なお、隣接するボックスカルバート13´の隣接端面13´cには止水用溝は形成しない。
したがって、止水用溝14はボックスカルバート13(13′)の外面13a(13′a)側から内面13b(13′b)側へと浸入してくる浸入水の進入方向と直交する方向に伸びるように形成され、当該各止水用溝14に沿って成形止水材1が配される。
止水用溝14内に成形止水材1を取り付ける場合には、該止水用溝14の環状に沿って適切な長さに切断した成形止水材1の下面5を該止水用溝14の底面14aにゴム系、アクリル系又はエポキシ系の接着剤を介して接着する。又は図6に示すように、適切な長さに切断した成形止水材1を止水用溝14の環状に沿うように成形し端部同士を加硫接着し、当該成形止水材1の下面5を該止水用溝14の底面14aに上記接着剤を介して接着する。
そして、図7に示すように、ボックスカルバート13の止水用溝14に取り付けた成形止水材1を、図8に示すように、ボックスカルバート13の止水用溝14の底面14aと、隣接するボックスカルバート13′の隣接端面13′cで圧縮することとなる。
図8に示す如く圧縮された成形止水材1は、接着された下面5は定位置のまま、左側部2・右側部3及び上面4が幅方向に広がるように変形し、内部に生じた圧縮応力に基づく弾性反発力を発揮して強固な一次止水を図ることができる。また、二次止水と三次止水のメカニズムは、隣接する一対のトンネルセグメント11・11′の継手部分における場合と同様であるので、ここでは説明を割愛する。
1…ゴム製成形止水材、1A…高膨張部分、1Aa…高膨張部分の上面、1B…低膨張部分、1Ba…低膨張部分の上面、1Bb…低膨張部分の下面、2…左側部、2a…左側面、3…右側部、3a…右側面、4…上面、5…下面、6…傾斜面、11…トンネルセグメント、11a…外面、11b…内面、11c…隣接端面、11´…隣接するトンネルセグメント、11´a…外面、11´b…内面、11´c…隣接端面、12…止水用溝、12a…止水用溝の底面、13…ボックスカルバート、13a…外面、13b…内面、13c…隣接端面、13´…隣接するボックスカルバート、13´a…外面、13´b…内面、13´c…隣接端面、14…止水用溝、14a…止水用溝の底面。

Claims (7)

  1. 間隙内において該間隙内に浸入した浸入水の浸入方向に直交するように介在配置し該浸入水の止水を図る帯状のゴム製成形止水材であって、膨張率の異なる二種類の水膨張ゴムでそれぞれ形成した高膨張部分と低膨張部分を一体化して成り、軸直交方向の断面形状における左側部と右側部の少なくとも一方を上記低膨張部分の上に上記高膨張部分を積層して形成する一方、その余の部分を上記低膨張部分で形成することを特徴とするゴム製成形止水材。
  2. 上面と下面を互いに平行する平坦面とすることを特徴とする請求項1記載のゴム製成形止水材。
  3. 上記低膨張部分の上に積層した上記高膨張部分に側面に向かって下り傾斜する傾斜面を設けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴム製成形止水材。
  4. 上記低膨張部分の上に積層した上記高膨張部分の高さを全高の1/2以下に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴム製成形止水材。
  5. 積層した上記低膨張部分と上記高膨張部分の積層幅を全幅の1/3以下に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のゴム製成形止水材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のゴム製成形止水材を用いた止水構造であって、隣接する一対のコンクリート二次製品の一方のコンクリート二次製品の隣接端面に浸入水の進入方向と直交する方向に伸びる止水用溝を形成し、該止水用溝の底面に上記ゴム製成形止水材の下面を接着し、該止水用溝の底面と上記一対のコンクリート二次製品の他方のコンクリート二次製品の隣接端面で上記ゴム製成形止水材を圧縮することを特徴とする止水構造。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のゴム製成形止水材を用いた止水構造であって、隣接する一対のコンクリート二次製品の双方のコンクリート二次製品の隣接端面に浸入水の進入方向と直交する方向に伸びる止水用溝をそれぞれ形成し、一対の上記ゴム製成形止水材の一方の上記ゴム製成形止水材の下面を一方の上記止水用溝の底面に接着すると共に他方の上記ゴム製成形止水材の下面を他方の上記止水用溝の底面に接着し、上記一対のゴム製成形止水材の上面同士を突き合わせつつ、当該一対のゴム製成形止水材を一方の上記止水用溝の底面と他方の上記止水用溝の底面で圧縮することを特徴とする止水構造。
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