JP4656773B2 - 可撓シール材の取付け構造および取付け方法 - Google Patents

可撓シール材の取付け構造および取付け方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドトンネルの施工に用いられる可撓シール材の取付け構造と、当該可撓シール材の取付け方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド工法によるトンネルの構築では、鋼製の筒(シールド掘削機)によって切羽を掘削した後、直ちにセグメントと称する覆工材をトンネルの周方向に複数個組み立ててセグメントリングを形成し、このセグメントリングの端面(連結側端面)を油圧ジャッキで押すことにより、シールド掘削機をさらに推進させる方法が採られている。
【0003】
こうして得られるシールドトンネルには、地盤の不同沈下による破損、漏水等を防止するために、一対のセグメントリング間に可撓セグメントと称する部材を設置して、トンネルの変形を吸収させることが行われている。この可撓セグメントとは、一般に、標準のセグメントをシールドトンネルの軸方向に分割して、その分割部分に止水ゴムやゴムガスケットといった、トンネルの軸方向に伸縮可能な可撓シール材を取り付けたものであって、地盤の変位に対応可能な可撓性をセグメントに付与したものである。
【0004】
一般に、可撓セグメントは、その取付け作業に手間がかかるという問題を有するものであるが、特開2000−220392号公報に開示の可撓セグメントによれば、掘進時にシールド掘削機の後方で止水ゴムの取付け作業を行うことができ、止水ゴムの取付けに従来のような函体を必要としないことから、効率よくシールドトンネルを施工することができる。
しかしながら、上記公報に開示の可撓セグメントでは、止水ゴム取付け板がセグメント製作時におけるコンクリート打設の際のつま型枠として兼用されており、止水ゴム取付け板の両側にコンクリートを打設することで可撓部とコンクリートとの一体化を図っている。従って、可撓セグメントは、標準のセグメントと異なる特別な構造のセグメントに可撓部分を設けたものとなり、それゆえ上記公報に開示の可撓セグメントは、一般のセグメントに適用し得るものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、標準のセグメントリング間に直接設けられて、シールドトンネルに可撓性と止水機能とを付与する、いわゆる簡易型の可撓セグメントとしては、図6に示すゴム圧縮タイプ80のものや、図7に示す止水ゴムタイプ90のものが知られている。
これらの簡易型可撓セグメントは、いずれも隣接するセグメントリング83の端面(連結側端面)85に、直接に可撓ゴム部材81や止水ゴム部材91等の可撓シール材を取り付ける構造を採っている。なお、図6および図7中、符号88および符号98は押え板(バックアッププレート)を示す。
【0006】
従って、製造、運搬、組立てなどに多大な手間と労力を要する函体(通常のセグメントを分割したもの)を必要とすることなく、シールドトンネルに可撓性を付与することができる。また、シールドトンネルの掘削現場で可撓セグメントを施工することができる。
しかしながら、前記端面(連結側端面)の不陸が大きいと、当該端面と可撓シール材との間で漏水を生じるおそれがある。また、セグメントリングを構成する各セグメントの接合部位には段差が生じるため、当該部位においても外水圧によって漏水を生じるおそれがある。
【0007】
そこで本発明の目的は、シールドトンネルの掘進に応じて効率よく施工することができ、しかも止水性能を向上させることのできる可撓シール材の取付け構造と、その取付け方法とを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための本発明に係る可撓シール材の取付け構造は、
一定の間隔を隔てて配置された一対のセグメントリングにおける互いに向かい合った端面間に可撓シール材からなるリングが挟持されてなるものであって、
セグメントリングの前記端面に可撓シール材取付け用の鋼板からなるリングが配置されており、当該鋼板からなるリングと前記セグメントリングとの間に水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体が挟装されており、かつ前記鋼板からなるリングの表面に、直接に前記可撓シール材からなるリングが配置されてなることを特徴とする。
【0009】
上記本発明に係る可撓シール材の取付け構造によれば、可撓ゴム部材や止水ゴム部材等の可撓シール材を取り付けるセグメントリング(すなわち、隣接セグメント)の端面(セグメントの連結側端面)に、水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体を介して、表面が平滑な鋼板を配置していることから、前記セグメントリングの端面の不陸を考慮することなく、可撓シール材の設置を行うことができる。なお、本発明において「可撓シール材」とは、図1に示すような可撓ゴム部材11等の、いわば「主材」だけを指すのではなく、当該可撓シール主材に付随させることのあるフィルム(例えば水膨張性フィルム)、コーティング材その他の付帯的材料を含む。
【0010】
鋼板の表面は、一般に、セグメント等のコンクリート体の表面に比べてその平滑性が高く、しかもその表面粗さを小さくすることはコンクリート体の場合に比べて極めて容易である。従って、セグメントリングの端面に、水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体を介して前記鋼板を配置し、さらにその鋼板の表面に可撓シール部材を取り付けるだけで漏水のおそれを除去することができる。なお、この場合、セグメントリングの端面の不陸を厳密に調整する必要はない。
【0011】
また、鋼板とセグメントリングの端面との間には、水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体が介在することから、セグメントリングの端面の不陸に伴って両者の間に生じる間隙に水分が浸入したとしても、水膨張ゴムの作用によって十分な止水を実現することができる。
従って、上記本発明の可撓シール材の取付け構造は、簡易型可撓セグメントの施工や、標準のセグメントからなる可撓セグメントにおける可撓部分の施工に際して、好適に用いられる。
【0012】
本発明の可撓シール材の取付け構造においては、可撓シール材取付け用の鋼板からなるリングが、2以上の可撓シール材取付け用の鋼板をリング状に組み立ててなるものであって、かつ、セグメントリングを構成する各セグメントの接合部位と前記鋼板からなるリングを構成する各鋼板の接合部位とが、互いに重なり合わないように配置されているのが好ましい。
セグメントリングを構成する各セグメントの接合部位においては、各セグメント間の間隙に段差が生じ、この段差が原因となって漏水を引き起こすおそれがある。特に、セグメントリングを構成する各セグメントの接合部位と、可撓シール材取付け用の鋼板からなるリングを構成する各鋼板の接合部位とが、互いに同じ位置で重なり合うと、段差が増幅して漏水を引き起こすおそれが極めて高いものとなる。しかし、上記本発明の好適態様のように、両者の接合部位を互いにずらして配置することにより、各々の接合部位が、必ず水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体と、他方の平面部分(すなわち、隣接するセグメントリングまたは鋼板の平面部分)とに当接することとなる。従って、前記接合部位から漏水が生じるのを確実に防止することができる。
【0013】
さらに、本発明の可撓シール材の取付け構造は、可撓シール材取付け用の鋼板と、当該鋼板を取り付けるセグメントとの、当該セグメントリングの厚さ(すなわち、直径方向における長さ)が実質的に同じであるのが好ましい。
この場合、シールドトンネルの内表面と外表面との双方において、前記鋼板と、これに隣接するセグメントとの厚さ(セグメントリングの直径方向における長さ)が同一となる。例えば、前記鋼板の方が、セグメントリングよりも、当該セグメントリングの直径方向における長さ(厚み)が大きい場合には、トンネルの施工中および施工後において前記鋼板が突起となってセグメントリング内の空間に張り出すため、施工作業の障害になるといった問題があるが、前述のように、双方の厚さを同一とする場合には、かかる問題を生じない。
【0014】
一方、本発明の可撓シール材の取付け方法は、
既設のセグメントリングの切刃側端面に可撓シール材取付け用の鋼板を配置して、当該鋼板の切刃側端面に押え板を取り付け、さらに当該押え板に推力受け材の一方の端部を取り付けた後、
あらかじめその連結側端面に可撓シール材取付け用の鋼板と押え板とをこの順で取り付けてなる新たなセグメントを、その連結側端面と前記既設のセグメントリングの切刃側端面とが向かい合うように配置し、次いで、
当該新たなセグメントの押え板と前記既設のセグメントリングにおける推力受け材の他方の端部とを接合する
工程を含むことを特徴とする。
【0015】
上記本発明に係る可撓シール材の取付け方法によれば、隣接するセグメントリングの端面(連結側端面)に、直接に可撓ゴム部材や止水ゴム部材等の可撓シール材を取り付けることから、可撓セグメントを形成するのに従来のような函体を用いる必要がない。それゆえ、経済的なシールドトンネルの施工を達成することができる。
なお、セグメントリングの端面やセグメントリングを構成する各セグメント(セグメントピース)間の段差やセグメントの端面における不陸は、セグメントの端面と、これに当接する可撓シール材取付け用鋼板の平面部分との間に介在する水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体によって吸収される。これにより、可撓シール材とセグメントリングとの密着性が高まり、止水性能を向上させることができる。従って、セグメントリングの端面について、その不陸の厳密な調整は不要である。
【0016】
また、一対の取付け用鋼板間にはシールド掘削機の推力を受けるための部材が取り付けられることから、シールドトンネルの掘進とともに効率よく可撓シール材の取付け施工を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る可撓シール材の取付け構造および取付け方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
〔可撓シール材の取付け構造〕
本発明に係る可撓シール材の取付け構造の実施形態には、例えば、
一対のセグメントリング13,13’における互いに向かい合った端面15,15’間に、水膨張性フィルム17,17’を介して可撓シール材取付け用の鋼板12,12’を配置し、かつ当該一対の前記鋼板12,12’によって可撓ゴム部材11を挟持させたもの(圧縮タイプ,図1および図2参照)や、
一対のセグメントリング13,13’における互いに向かい合った端面15,15’間に、可撓シール材取付け用の鋼板12を配置し、かつ一対の前記鋼板12,12’によって止水ゴム部材31を挟持させたもの(止水ゴムタイプ,図5参照)が挙げられる。
【0018】
(圧縮タイプの実施形態)
図1〜図3に圧縮タイプの実施形態を示す。
図1〜図3に示す可撓シール材の取付け構造10において、一対のセグメントリング13,13’は一定の間隔を隔てて設置されている。当該セグメントリングの端面15,15’には、水膨張性フィルム17,17’を介在させた上で、可撓ゴム部材(可撓シール材)11取付け用の鋼板12,12’が配置されている。また、シール材(止水材)としての作用を示す可撓ゴム部材11は、一対の鋼板12,12’間に挟持されており、セグメントリングの軸方向xに圧縮されている。ここで、水膨張性フィルム17,17’は、必ずしもフィルム状のものでなくてもよく、セグメントリングの端面15,15’と鋼板12,12’との間の不陸を解消し、かつ十分な止水を実現できるものであれば、フィルム状ではない水膨張性弾性体であってもよい。
【0019】
図1は、可撓ゴム部材(可撓シール材)11の取付け構造10を示す一部欠截斜視図であって、セグメントリング13、可撓ゴム部材取付け用の鋼板12,12’、可撓ゴム部材11およびバックアッププレート18,18’は、いずれもセグメントリングの周方向yに切断した状態で示している。また、セグメントリング13’については、セグメント14の接合部位20aにおいて、周方向yに隣接するセグメントを取り除いた状態で示している。
【0020】
図2は、可撓ゴム部材11の取付け構造10をセグメントリング13,13’を、図1中に符号Iで示す面においてその周方向yから見た部分断面図である。図2では、セグメントリング13’、ボルト21および荷重支持材22以外の部分を断面で示している。
図3は、可撓ゴム部材11の取付け構造10をセグメントリング13,13’を、図1中に符号IIで示す面においてその周方向yから見た部分断面図である。図3では、セグメントリング13’以外の部分を断面で示している。
【0021】
なお、図2および図3に表されているセグメントリング13’は、周方向yにおけるセグメントの接合面14aである。
図1に示す可撓ゴム部材の取付け構造10は、次の手順にて形成される。なお、以下の説明においては、図1に示す一対のセグメントリングのうち符号13が付されたものを既設のセグメントリングとし、符号13’が付されたものを新たに設置するセグメントリングとする。
【0022】
まず、既設のセグメントリング13における端面(切刃側端面)15に可撓ゴム部材(可撓シール材)11取付け用の鋼板12を配置する。この際、セグメントリング13と鋼板12との間に水膨張性フィルム17および/または水膨張性弾性体を挟装させておく。
次に、鋼板12の表面に可撓ゴム部材11のバックアッププレート(または押え板)18を取り付けて、さらに、推力受け材19の一方の端部をバックアッププレート18aに固定する。
【0023】
ここで、推力受け材19とは、シールド掘削機の掘進時にセグメントリング13,13’にかかるジャッキ推力に対応させるためのものであって、例えば図3に示すように、ボルト用の孔を有しない部位においてのバックアッププレート18a,18a’間に挟装されて、ジャッキ推力がかかる際にセグメントリング間の間隔を維持するためのものである。
一方、新たに設置するセグメントリング13’については、これを構成するセグメント14の端面(連結側端面)15’に、あらかじめ水膨張性フィルム17および/または水膨張性弾性体と、可撓ゴム部材取付け用の鋼板12’とを、この順で取り付けておく。
【0024】
次いで、新設分のセグメントリング13’を構成するセグメント14を、その連結側端面15’と、既設のセグメントリング13における切刃側端面15とが互いに向かい合うように設置し、可撓ゴム部材11を圧縮した状態でセグメント14の設置位置を固定する。その後、鋼板12’の表面に可撓ゴム部材11のバックアッププレート18’,18a’を取り付けて、ボルト用の孔を有しない部位においてのバックアッププレート18a’に、推力受け材19の他方の端部を固定する。
【0025】
このようにしてセグメント14を周方向yに順次設置し、セグメントリング13’を構築した後、新たに設置されたセグメントリング13’の切刃側端面(図示せず)を起点として、新たにシールド掘削機を掘進させる。
さらに、可撓ゴム部材11の取付け個所にジャッキの推力がかからない状態になった後で、一対のバックアッププレート18a,18a’間に取り付けられていた推力受け材を取り除くことにより、図1に示す可撓ゴム部材11の取付け構造10が完成する。
【0026】
ここで、可撓ゴム部材11を一対のセグメントリング13,13’間で十分に圧縮させておくことにより、可撓ゴム部材11とセグメント14の端面15,15’との間の止水を確実なものとすることができる。また、可撓ゴム部材取付け用鋼板12をセグメントリングの端面15,15’にボルト21で固定する際に、バックアッププレート18,18’を介在させることにより、外水圧によって可撓ゴム部材11が移動するのを未然に防止することができる。
【0027】
図1に示す実施形態において、セグメントリング13,13’を構成する各セグメント14と、可撓ゴム部材取付け用鋼板12からなるリングを構成する各鋼板12とは、それぞれの接合部位20a,20bが互いに重なり合うことのないように、互いの位置をずらして配置されている。具体的には、セグメントリングを構成するセグメント14の接合部位20a〔すなわち、セグメント14の接合面14aの部位(図1参照)〕と、可撓シール材取付け用鋼板からなるリングを構成する各鋼板12の接合部位20bとは、図4(a),(b) に例示されるようにして配置される。
【0028】
セグメント14同士の接合部位20aや鋼板12同士の接合部位20bにおいては、当該接合部位に水膨張性フィルムが介在していることで、十分な止水が実現されている。一方、セグメントリング13,13’や鋼板12からなるリングの端面において、前記接合部位に起因して生じる段差部分では、止水が不十分になるおそれがあり、特に、前記両接合部位20a,20bが互いに重なり合うと、段差に伴う空隙が大きくなりすぎて、止水が不完全になってしまう。しかしながら、セグメントリング13,13’と鋼板12からなるリングとを図4に示すように配置することで、前記段差部分がセグメントリング13,13’または鋼板12からなるリングの端面と必ず当接することとなり、しかも当該端面との当接個所に水膨張性フィルムが介装されていることから、接合部位20a,20bにおける止水を維持することができる。
【0029】
(止水ゴムタイプの実施形態)
図5に止水ゴムタイプの実施形態を示す。
図5に示す可撓シール材の取付け構造30において、一対のセグメントリング13,13’は一定の間隔を隔てて設置されている。当該セグメントリングの端面15,15’には、水膨張性フィルム17を介在させた上で、止水ゴム部材(可撓シール材)31取付け用の鋼板12,12’が配置されている。また、シール材(止水材)としての作用を示す止水ゴム部材31は、押え板38,38’によって一対の鋼板12,12’のそれぞれに固定されている。この止水ゴム部材31は、セグメントリングの軸方向xに伸縮可能な撓み部31aを備えている。
【0030】
図5は止水ゴム部材31の取付け構造30をセグメントリング13,13’の周方向yから見た部分断面図であって、セグメントリング13’、ボルト41およびナット42以外の部分を断面で示している。
なお、図5に表されているセグメントリング13’は、周方向yにおけるセグメントの接合面14aである。
図5に示す止水ゴム部材の取付け構造30は、次の手順にて形成される。なお、以下の説明においては、「圧縮タイプの実施形態」の場合と同様に、一対のセグメントリングのうち符号13が付されたものを既設のセグメントリングとし、符号13’が付されたものを新たに設置するセグメントとする。
【0031】
まず、既設のセグメントリング13における端面(切刃側端面)15に止水ゴム部材(可撓シール材)31取付け用の鋼板12を配置する。この際、セグメントリング13と鋼板12との間に水膨張性フィルム17および/または水膨張性弾性体を挟装させておく。
次に、鋼板12の表面に止水ゴム部材31の一方のフランジ部31bを当接して、押え板(またはバックアッププレート)38にて固定する。さらに、押え板のうちボルト用の孔を有しない部位(図示せず)に、推力受け材(図示せず)の一方の端部を固定する。この推力受け材は、「圧縮タイプの実施形態」において用いられるものと同様である。
【0032】
一方、新たに設置するセグメントリング13’については、これを構成するセグメント14の端面(連結側端面)15’に、あらかじめ水膨張性フィルム17と止水ゴム部材取付け用の鋼板12’とを、この順で取り付けておく。
次いで、新設分のセグメントリング13’を構成するセグメント14を、その連結側端面15’と、既設のセグメントリング13における切刃側端面15とが互いに向かい合うように設置する。続いて、止水ゴム部材31の一対のフランジ部31bのうち、先に既設のセグメントリング13側に固定されている方とは逆のフランジ部31bを、セグメント14の連結側端面15’に当接して、押え板38’にて固定する。その後、鋼板12’の表面に止水ゴム部材31の押え板38’を取り付けて、ボルト用の孔を有しない部位におけるバックアッププレート(図示せず)に推力受け材(図示せず)の他方の端部を固定する。
【0033】
このようにしてセグメント14を周方向yに順次設置し、セグメントリング13’を構築した後、新たに設置されたセグメントリング13’の切刃側端面(図示せず)を起点として、新たにシールド掘削機を掘進させる。
さらに、止水ゴム部材31の取付け個所にジャッキの推力がかからない状態になった後で、一対の押え板間に取り付けられていた推力受け材を取り除くことにより、図5に示す止水ゴム部材31の取付け構造30が完成する。
【0034】
ここで、止水ゴム部材31の一対のフランジ部31bを、一対の押え板によって鋼板12,12’に十分に圧接させておくことにより、止水ゴム部材31とセグメント14の端面15,15’との間の止水を確実なものとすることができ、外水圧によって可撓ゴム部材11が移動するのを未然に防止することができる。
図5に示す実施形態において、セグメントリング13,13’を構成する各セグメント14と、止水ゴム部材取付け用鋼板32からなるリングを構成する各鋼板12とは、それぞれの接合部位20a,20bが互いに重なり合うことのないように、互いの位置をずらして配置されている。これにより得られる効果は、図1および図4に示す場合と同様である。
【0035】
(可撓シール材)
本発明に用いられる可撓シール材には、圧縮タイプの実施形態に用いられる可撓ゴム部材11(図1および図2参照)や、止水ゴムタイプの実施形態に用いられる止水ゴム部材31(図5参照)等が挙げられる。
可撓シール材は、上記いずれのタイプに用いられるものにおいても、共通して可撓性を有するゴム等からなることを特徴とする。
【0036】
可撓シール材は、これに限定されるものではないが、シールドトンネルの周方向全体にわたって継ぎ目を有しない円環状の部材であるのが、止水性をより一層確実なものとする上で好ましい。この場合、複数の可撓シール材をセグメントリングの周方向yに設置した後、その継ぎ目部分を現場にて加硫接着することにより、円環状の部材とすればよい。
可撓シール材の表面のうち、可撓シール材取付け用鋼板12,12’と直接に接触する面には、1本または複数本の凸条11aを設けるのが好ましい(図1参照)。この凸条は、可撓シール材をセグメントリング間(鋼板間)に挟持させることによって圧縮を受けて押し潰されるが、その結果、可撓シール材と鋼板間との間での止水性をより一層高めることができる。
【0037】
(可撓シール材取付け用鋼板)
本発明に用いられる可撓シール材取付け用の鋼板としては、セグメントリングの端面に当接し、その周方向yに並べることによってセグメントリングと同様のリング状の部材を形成し得るものであって、かつ、その表面の平滑性が高く、可撓シール材(図1に示す可撓ゴム部材11の場合のその側面、図5に示す止水ゴム部材31の場合はそのフランジ部31bの取付け面)を当接させたときにこれを十分な密着させ得るものであればよい。
【0038】
従って、特に限定されるものではないが、前記鋼板の厚さ(シールドトンネルの軸方向xにおける長さ)は9〜32mmであるのが好ましく、9〜19mmであるのがより好ましい。鋼板の厚さが前記範囲を外れると、セグメントリングへの取付けに際して作業性が極めて低くなるおそれがある。また、前記鋼板の、セグメントリングの直径方向(厚さ方向)における長さは、セグメント自体の厚さ(直径方向における長さ)と同じ程度に設定するのが好ましい。前述の止水ゴムタイプの実施形態の場合、鋼板の前記直径方向(厚さ方向)における長さは、押え板38,38’(図5参照)の長さ(セグメントリングの直径方向)よりも長いことが求められる。押え板の長さを下回ると、止水ゴムを安定して固定させることができなくなるおそれがある。鋼板の前記直径方向(厚さ方向)における長さは、具体的には、隣接するセグメントの厚さ(ケタ高さ)と同程度にするのが好ましい。
【0039】
本発明に用いられる鋼板の材質については特に限定されるものではなく、SS400等の、従来公知の種々のものを用いることができる。
本発明に用いられる鋼板の表面粗さについては特に限定されるものではなく、表面に傷や凹凸がないという、市販の鋼板に求められる基準をクリアしているものであれば本発明に使用することができる。なお、表面の平滑性は、十点平均粗さで200z〜400z以上のグレードであればよい。
【0040】
(セグメント)
本発明に用いられるセグメントとしては、コンクリートセグメント、スチールセグメント、ダクタイルセグメント等の、従来公知の種々のセグメントを用いることができる。
(水膨張性フィルムおよび水膨張性弾性体)
本発明において、水膨張性フィルムおよび水膨張性弾性体としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の水膨張ゴムを用いることができる。
【0041】
水膨張性フィルム17および/または水膨張性弾性体は、例えば図1に示すように、セグメントリング13と鋼板12からなるリングとの間に挟持されるものである。
水膨張性フィルムまたは水膨張性弾性体の、セグメントリング13,13’の直径方向における長さ等については特に限定されるものではないが、通常20mm程度に設定される。水膨張性フィルムまたは水膨張性弾性体をセグメントリング13,13’の周方向yに沿って連続的に設けることにより、セグメントリングの端面15,15’においてある程度の不陸があっても、当該端面と可撓シール材との間に漏水が生じるのを確実に防止することができる。
【0042】
また、止水性の観点から、水膨張性フィルムまたは水膨張性弾性体の厚さは4mm程度で十分であり、通常2〜5mm程度に設定される。
セグメントリング13の連結部分における止水性をより一層向上させるには、例えば、図1に示すように、可撓シール材取付け用の鋼板12からなるリングの接合部位20bにも水膨張性フィルムを介在させるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓シール材の取付け構造の一実施形態を示す一部欠截斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態の面Iにおける部分断面図である。
【図3】図1に示す実施形態の面IIにおける部分断面図である。
【図4】 (a) は図2のA−A断面図であって、(b) は図2のB−B断面図である。
【図5】本発明に係る可撓シール材の取付け構造の他の実施形態を示す部分断面図である。
【図6】従来の簡易型可撓セグメントの一例を示す部分断面図である。
【図7】従来の簡易型可撓セグメントの他の例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10 可撓シール材の取付け構造, 11 可撓ゴム部材, 12(12’)可撓シール材取付け用鋼板, 13(13’) セグメントリング, 14 セグメント, 15 端面(切刃側端面), 15’ 端面(連結側端面), 14a セグメントの接合面, 17 水膨張性フィルム, 20a 接合部位, 20b 接合部位, 30 可撓シール材(止水ゴム部材)の取付け構造,31 止水ゴム部材, 40a 接合部位, 40b 接合部位.

Claims (4)

  1. 一定の間隔を隔てて配置された一対のセグメントリングにおける互いに向かい合った端面間に可撓シール材からなるリングが挟持されてなる可撓シール材の取付け構造において、
    セグメントリングの前記端面に可撓シール材取付け用の鋼板からなるリングが配置されており、当該鋼板からなるリングと前記セグメントリングとの間に水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体が挟装されており、かつ前記鋼板からなるリングの表面に、直接に前記可撓シール材からなるリングが配置されてなる可撓シール材の取付け構造。
  2. 前記鋼板からなるリングが、2以上の可撓シール材取付け用の鋼板をリング状に組み立ててなるものであって、かつ、セグメントリングを構成する各セグメントの接合部位と前記鋼板からなるリングを構成する各鋼板の接合部位とが、互いに重なり合わないように配置されている請求項1記載の可撓シール材の取付け構造。
  3. 前記可撓シール材取付け用の鋼板と、当該鋼板を取り付けるセグメントとの、当該セグメントリングの厚さが実質的に同じである請求項1または2記載の可撓シール材の取付け構造。
  4. 既設のセグメントリングの切刃側端面に水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体を配置し、次いでその表面に可撓シール材取付け用の鋼板を配置し、さらに当該鋼板の切刃側端面に押え板を取り付けて、当該押え板に推力受け材の一方の端部を取り付けた後、
    あらかじめその連結側端面に水膨張性フィルムおよび/または水膨張性弾性体と、可撓シール材取付け用の鋼板と、押え板と、をこの順で取り付けてなる新たなセグメントを、その連結側端面と前記既設のセグメントリングの切刃側端面とが向かい合うように配置し、次いで、
    当該新たなセグメントの押え板と、前記既設のセグメントリングにおける推力受け材の他方の端部と、を接合する
    工程を含む可撓シール材の取付け方法。
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