JP3789790B2 - 遊技機及び遊技機の遊技演出制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の出力レベル許容範囲を有し、遊技の進行に伴って随時変化する各遊技状態を演出するために、少なくとも視覚的或いは聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作を、予め前記出力レベル許容範囲内で設定された出力レベルで実行する遊技演出装置を備え、当該遊技演出装置の出力レベルを前記遊技状態の変化に応じて可変に設定することにより前記遊技状態の変化を演出する遊技機及びその遊技演出制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、遊技機、特にパチンコ機は、その遊技盤面上に設けられた始動入賞口に入賞したパチンコ球を検出することで抽選がなされ、この抽選の結果、当たりとなると(当たり状態)、同じく遊技盤面上に設けられた大入賞口が所定時間(例えば、30秒)、所定回数(例えば、16回)開放され、パチンコ球の入賞率が高い状態、すなわち遊技者に有利な状態とする機能を有している。
【0003】
このようなパチンコ機では、一般に、上記の抽選結果等に応じて随時変化する遊技状態を多様に演出するための遊技演出装置が各種設けられている。
【0004】
この遊技演出装置としては、例えば、遊技盤面上に設けられ、上記の抽選結果の当たり/はずれに対応させて予め定めた複数の図柄の組み合わせを所定の変動パターン(例えば、抽選結果が当たりであることを予告するリーチ変動パターン等)を含ませて表示することにより上記抽選結果を遊技者に報知する特別図柄変動表示装置が主のものとして知られているが、さらに、遊技機本体を形成する筐体の周縁部に設けられ、遊技状態に応じて点消灯制御がなされるLED等の各種表示灯(ランプ)や、同じく遊技状態に応じて所定の効果音等の音声出力制御がなされるスピーカ等がよく知られている。
【0005】
上記のスピーカ及びランプによる遊技演出としては、例えば、遊技状態が通常(通常遊技状態)である場合には、スピーカによる所定の音量での効果音出力動作及びランプによる所定の光量での点消灯動作を行うことによって遊技機自体を遊技者にアピールするデモンストレーション演出等を実行し、また、遊技状態が上記のリーチ変動パターンの表示時や当たり状態(以下、まとめて、強調演出状態という)である場合には、通常遊技状態における音量/光量を基準値として、その基準値よりも音量/光量を増大させることによって通常遊技状態よりも華やかに遊技演出することで遊技性を向上させたり、遊技者に対して大当たりの期待度を高めることが一般に行われている。
【0006】
すなわち、具体的には、スピーカ及びランプの出力レベル(音量/光量)は、例えば、図7に示すように、通常遊技状態における遊技演出では、通常レベル値P1(上記基準値に対応する。)に設定され、強調演出状態における遊技演出では、通常レベル値P1よりもΔP0分大きい値である特別レベル値P2に設定される。このことにより、スピーカ及びランプの出力レベルは、遊技状態が通常遊技状態から強調演出状態へ移行する際には、通常レベル値P1から特別レベル値P2へΔP0分増大し、一方、遊技状態が強調演出状態から通常遊技状態へ移行する際には、特別レベル値P2から通常レベル値P1へΔP0分減少することになる。これによって、強調演出状態では、通常遊技状態よりも遊技者に与える印象が強い遊技演出を行うことができ、さらに、通常レベル値P1と特別レベル値P2とのレベル差(ΔP0)が大きいほど、遊技状態の変化をより強調することができる。また、より効果的な演出によって従来機種との差別化を図るために、通常遊技状態における出力レベルである通常レベル値P1を従来機種の場合よりも大きい値に設定可能であることが好ましい。
【0007】
しかしながら、上述の従来技術において、スピーカ及びランプにおける設定可能な出力レベルは、各ハードウェア上の出力レベル許容レンジ内に限られるために、特別レベル値P2としては、図7に示すように、出力レベル許容レンジ上限値(L)未満の値を設定しなければならず、また、設定されている通常レベル値P1が大きい値であるほど、特別レベル値P2として設定可能な値は限定されることになる。このことにより、通常遊技状態と強調演出状態との違いを強調するために、通常レベル値P1と特別レベル値P2とのレベル差(ΔP0)として十分な値を設定することが困難であることがある。また、他方で、特別レベル値P2を基準値として、レベル差(ΔP0)を十分に確保するように通常レベル値P1を設定する場合に、通常遊技状態において十分な演出効果を有する程度の出力レベル値を設定することが困難であることがある。
【0008】
また、一方で、通常レベル値P1と特別レベル値P2とのレベル差(ΔP0)として十分な値を確保可能である高性能ハードウェアを採用することも可能であるが、この場合には製造コスト高を招くことになる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決すべく成されたもので、特別な高性能ハードウェアを用いずに、遊技状態の変化を明確に強調演出することができる遊技機及び遊技機の遊技演出制御方法を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定の出力レベル許容範囲を有し、遊技の進行に伴って随時変化する各遊技状態を演出するために、少なくとも視覚的或いは聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作を、予め前記出力レベル許容範囲内で設定された出力レベルで実行する遊技演出装置を備え、当該遊技演出装置の出力レベルを前記遊技状態の変化に応じて可変に設定することにより前記遊技状態の変化を演出する遊技機であって、通常遊技状態を演出する遊技演出動作の実行時には、前記出力レベル許容範囲内で予め定めた通常レベル値を前記遊技演出装置の出力レベルに設定すると共に、前記通常遊技状態とは異なる特別遊技状態を演出する遊技演出動作の実行時には、前記出力レベル許容範囲内でありかつ前記通常レベル値よりも大きい特別レベル値を前記遊技演出装置の出力レベルに設定する出力レベル設定手段と、前記通常遊技状態と前記特別遊技状態との間で遊技状態が変化する際に、前記特別遊技状態の開始直前及び終了直前の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記出力レベル設定手段で設定する前記遊技演出装置の出力レベルを、所定時間の間、前記特別レベル値に対して最大限の落差であるゼロレベルに設定する出力レベル制御手段と、を有している。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、所定の出力レベル許容範囲を有する遊技演出装置の出力レベル設定において、出力レベル設定手段は、通常遊技状態を演出する遊技演出動作の実行時には、前記出力レベル許容範囲内で予め定めた通常レベル値を遊技演出装置の出力レベルに設定すると共に、通常遊技状態とは異なる特別遊技状態(例えば、リーチ演出状態や当たり状態)を演出する遊技演出動作の実行時には、前記出力レベル許容範囲内でありかつ通常レベル値よりも大きい特別レベル値を遊技演出装置の出力レベルに設定する。このことにより、通常遊技状態と特別遊技状態とを明確に区別して認識できる遊技演出を行うことができる。また、この場合、通常レベル値と特別レベル値との差が大きいほど好ましい。そこで、出力レベル制御手段は、通常遊技状態と特別遊技状態との間で遊技状態が変化する際に、特別遊技状態の開始直前及び終了直前の少なくとも一方のタイミングにおいて、出力レベル設定手段で設定する遊技演出装置の出力レベルを、所定時間の間、ゼロにする。これにより、特別遊技状態の出力レベルに対して最大限の落差となり、遊技状態の変化を明確に強調した演出を行うことができる。
より具体的には、出力レベル制御手段は、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態へ変化する際に、既に通常レベル値に設定されている遊技演出装置の出力レベルを、特別遊技状態の開始直前のタイミングにおいて、所定時間の間、ゼロに設定する(すなわち、遊技演出装置から出力はオフとなる。)。そして、所定時間経過後、遊技演出装置の出力レベルを上げて特別レベル値に設定する。このことにより、遊技演出装置の出力レベルの変化を、遊技演出装置が有する出力レベル許容範囲内で可能な最大限の落差で設定することができ、出力レベル許容範囲の制約にあまり影響されずに、出力レベル許容範囲内で所望の出力レベル値を有効に利用することができる。さらに、出力レベル値を一旦ゼロにすることで、消費電力量を抑制する効果も得ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記出力レベル設定手段は、少なくとも、視覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルを設定する第1の設定手段と、聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルを設定する第2の設定手段と、からなることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、出力レベル設定手段において、少なくとも、第1の設定手段は、視覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における遊技演出装置の出力レベルを設定し、第2の設定手段は、聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルを設定する。このように、視覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルと、聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルとが個別に設定されることで、視覚的効果及び聴覚的効果を所望に組み合わせた演出効果をもたらす遊技演出動作を実行でき、趣向性の高い遊技演出を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1には、本実施の形態に係るパチンコ機110が示されている。このパチンコ機110は、矩形の枠体113でその外形が構成されており、店側のベース面115に支持されている。また、枠体113には、装飾版113A、スピーカ162、キーシリンダ113B等が配設されている。
【0024】
枠体113の内側正面には、透明ガラス板110Aがガラス枠110Bに嵌め込まれた状態で配設されている。この透明ガラス板110Aで仕切られた内側領域には、遊技盤111が配設されている。また、この遊技盤111における円弧状のレール112で囲まれた領域が遊技領域であるゲージ部114とされている。
【0025】
図2に示される如く、ゲージ部114には、全面に渡って複数の釘116が打ち込まれ、レール112を通って打ち出されたパチンコ球がこの釘116に当たって跳ねたり、釘116によって形成される案内路に案内されながら、落下していくようになっている。また、釘116の他、ゲージ部114に向かって左右対称の位置には、風車118が取り付けられており、パチンコ球を予期しない方向へ方向転換させるようになっている。
【0026】
さらに、ゲージ部114には複数の位置に入賞口120が設けられ、この入賞口120にパチンコ球が入ることにより、所定数のパチンコ球が遊技者に払い出されるようになっている。
【0027】
このようなゲージ部114は、ほぼ左右対称系とされており、この中央部には特別図柄変動装置としての電動役物ユニット122が配置され、その表示部124が露出されている。この表示部124の下方には電動役物ユニット122を始動するための特別図柄始動入賞口126が設けられている。
【0028】
特別図柄始動入賞口126のさらに下方には、大入賞口128が配置され、この大入賞口128を開閉する開閉部材129は、前記電動役物ユニット122での所謂当たりの表示状態で所定時間開放され、大量のパチンコ球を入賞させることができる構成となっている。
【0029】
なお、この特別図柄始動入賞口126に入賞したパチンコ球は、最大4球分保留され、電動役物ユニット122による抽選結果の案内が終了した時点で、保留された分が消化されるようになっている。
【0030】
また、ゲージ部114には、普通図柄始動入賞口130が設けられており、この普通図柄始動入賞口130にパチンコ球が入賞すると、図示しない普通図柄表示部の表示が変動し、所定の当たり数字になると、前記特別図柄始動入賞口126に設けられた可動部としての電動チューリップ134が所定時間開放するようになっている。この電動チューリップ134の開放により、特別図柄始動入賞口126への入賞の確率が物理的に高まることになる。
【0031】
図1に示されるが如く、上記ゲージ部114の下部、すなわち、透明ガラス板110Aの下部は、パネル140とされ、その上部パネル140Aには上皿141が設けられ、下部パネル140Bには、発射装置の操作部としてのハンドル136と、上皿141から落下するパチンコ球を受ける下皿138とが設けられている。なお、下部パネル140Bには、灰皿143も設けられている。
【0032】
ハンドル136は、前記パネル140の内部から突出された回転軸に取付けられており、この回転軸を中心に回転可能とされている。すなわち、遊技者がこのハンドル136を把持して回転することで、発射装置が稼動すると共に、前記ハンドル136の回転角度に基づいて発射強度が設定されるようになっている。なお、この回転には、復帰付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと自動的にもとの回転位置に戻る構造となっている。
【0033】
図3には、パチンコ機110を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、図柄表示制御基板160等、機能毎に分類され(なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という。)、相互に接続されている。
【0034】
なお、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板206を介してパチンコ店側のホールコンピュータ208に接続することにより、パチンコ機の稼動状況を管理することも可能となっている。
【0035】
払出制御基板152は、パチンコ球の払出し数を制御するものであり、発射制御基板158は、遊技者によるパチンコ球の発射を制御するものである。
【0036】
音声制御基板154は、パチンコ機110に設けられたスピーカ162からの効果音等の出力を制御するものであり、主制御基板150から伝達される、スピーカ162の音量を設定するための音量設定情報等の各種設定情報を含む所定の音声制御信号に基づいて、音声出力がなされるようになっている。
【0037】
ランプ制御基板156は、パチンコ機110に取り付けられた電飾部材(遊技盤状態表示灯)164の点消灯動作を制御するものであり、主制御基板150から伝達される、遊技盤状態表示灯164の点灯時の光量を設定する光量設定情報等の各種設定情報を含む所定のランプ制御信号に基づいて、点灯制御がなされるようになっている。また、ランプ制御基板156では、図示しない特別図柄保留ランプ及び普通図柄保留ランプ等の点灯・消灯制御が行われるようになっている。
【0038】
なお、本実施の形態では、通常遊技状態の遊技演出動作時におけるスピーカ162の音量レベル値(通常音量レベル値)と遊技盤状態表示灯164の点灯時の光量レベル値(通常光量レベル値)、及び上述したリーチ変動パターン表示演出時や当たり状態等の強調演出時におけるスピーカ162の音量レベル値(強調音量レベル値)と遊技盤状態表示灯164の点灯時の光量レベル値(強調光量レベル値)を、音声制御基板154及びランプ制御基板156を構成する各種IC等のハードウェアが有する許容信号レベル範囲内の値に予め定めている。また、通常演出時と強調演出時との差を明確にするために、強調音量レベル値及び強調光量レベル値は、それぞれ通常音量レベル値及び通常光量レベル値よりも大きい値に定めている。
【0039】
主制御基板150は、通常演出時には、音声制御基板154に対して、スピーカ162の音量を通常音量レベル値に設定する音量設定情報を含む音声制御信号を伝達すると共に、ランプ制御基板156に対して、遊技盤状態表示灯164の点灯時の光量を通常光量レベル値に設定する光量設定情報を含むランプ制御信号を伝達するようになっている。また、強調演出時についても同様に、主制御基板150は、音声制御基板154に対して、スピーカ162の音量を強調音量レベル値に設定する音量設定情報を含む音声制御信号を伝達すると共に、ランプ制御基板156に対して、遊技盤状態表示灯164の点灯時の光量を強調光量レベル値に設定する光量設定情報を含むランプ制御信号を伝達するようになっている。
【0040】
また、前記音声制御基板154は、遊技状態が通常遊技状態と強調演出状態との間で移行する際に、上記の音声制御信号に含まれる音量設定情報を設定変更するための音量出力レベル制御部154Aを含んで構成されている。
【0041】
この音量出力レベル制御部154Aは、例えば、通常遊技状態から強調演出状態へ移行する際に、強調演出状態が開始されるタイミング直前の所定時間の間、音声制御信号に含まれる音量設定情報として設定されている通常音量レベル値をレベル値ゼロに設定変更し、さらに所定時間経過後、音声制御信号に含まれる音量設定情報として、上記強調音量レベル値を再設定するようになっており、同様に、強調演出状態から通常遊技状態へ移行する際にも、強調演出状態が終了されるタイミング直前の所定時間の間、音声制御信号に含まれる音量設定情報として設定されている強調音量レベル値をレベル値ゼロに設定変更し、さらに所定時間経過後、音声制御信号に含まれる音量設定情報として、上記通常音量レベル値を再設定可能とされている。
【0042】
また、前記ランプ制御基板156は、遊技状態が通常遊技状態と強調演出状態との間で移行する際に、上記のランプ制御信号に含まれる光量設定情報を設定変更するための光量出力レベル制御部156Aを含んで構成されている。
【0043】
この光量出力レベル制御部156Aは、例えば、通常遊技状態から強調演出状態へ移行する際に、強調演出状態が開始されるタイミング直前の所定時間の間、ランプ制御信号に含まれる光量設定情報として設定されている通常光量レベル値をレベル値ゼロに設定変更し、さらに所定時間経過後、ランプ制御信号に含まれる光量設定情報として、上記強調光量レベル値を再設定するようになっており、同様に、強調演出状態から通常遊技状態へ移行する際にも、強調演出状態が終了されるタイミング直前の所定時間の間、ランプ制御信号に含まれる光量設定情報として設定されている強調光量レベル値をレベル値ゼロに設定変更し、さらに所定時間経過後、ランプ制御信号に含まれる光量設定情報として、上記通常光量レベル値を再設定可能とされている。
【0044】
このように、音声制御基板154の音量出力レベル制御部154A及びランプ制御基板156の光量出力レベル制御部156Aによって、各遊技状態毎にスピーカ162の音量/遊技盤状態表示灯164の光量を随時変更することで、遊技者が遊技状態を明確に認識しやすい遊技演出を行うことできると共に、遊技状態が変化(移行)する際に、スピーカ162の音量/遊技盤状態表示灯164の光量について、通常演出時と強調演出時との差よりも大きい落差をつけることで、遊技状態の変化を明確に認識できる遊技演出を行うことができる。
【0045】
図柄表示制御基板160は、前記表示部124が表示ドライバ166を介して接続されており、主制御基板150からの命令信号に基づいて、所定の演出効果をもたらす、後述する図柄演出表示を実行する。なお、この図柄表示制御基板160は、普通図柄表示部132も制御する。
【0046】
前記主制御基板150には、特別図柄始動入賞口126に設けられた特別図柄入賞センサ168及び普通図柄始動入賞口130に設けられた普通図柄入賞センサ170、各入賞口120に設けられた入賞センサ172、並びに大入賞口128に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口128には、大入賞口128の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ171が設けられている。
【0047】
また、この主制御基板150には、電動チューリップ134を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口128の開閉部材129を開閉させるためのソレノイド175、特別図柄保留ランプ(図示省略)が接続されている。
【0048】
また、主制御基板150では、特別図柄や普通図柄の抽選がなされ、この抽選結果に基づく表示部124での表示内容を選択し、図柄表示制御基板160への命令信号を出力する。すなわち、図柄表示制御基板160には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。
【0049】
ここで、本実施の形態のゲーム内容として、特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞し、内部で抽選が行われた結果、大当たりとなると、主制御基板150では、パチンコ機110の遊技状態を、遊技者に有利な状態(当たり状態)に切り換える。すなわち、この当たり状態となった時点で、大入賞口128の開閉部材129を所定時間開放状態とする。開閉部材129が開放状態となると、アウト球となっていた多くのパチンコ球を入賞させることが可能となり、短時間で大量の出球が保証される。なお、大入賞口128の開放時間は通常30秒と定められており、この30秒を限度とすると共に、例えば、パチンコ球が10球入賞した時点で閉止されるようになっている。
【0050】
主制御基板150では、上記大入賞口128の開放から閉止までを1ラウンドとして、所定のラウンド数(例えば、10〜16ラウンド)繰り返すようにしている。
【0051】
また、本実施の形態では、前記特別図柄始動入賞口126に遊技球が入賞することで(抽選が行われ、抽選結果が決定することで)、表示部124にて上記の図柄演出表示が開始されるようになっており、表示内容としては、抽選結果に対応する組み合わせで複数の図柄が変動表示されたのち、各図柄が確定表示されるようになっている。この最終的に確定表示された図柄の組み合わせをもって、遊技者に抽選結果を報知するようになっている。また、この抽選結果は、大当たりか否かの報知であり、通常は、全て同一の図柄による組み合わせであると大当たりであり、上記の当たり状態へ移行する。また、この図柄演出表示では、リーチを経由した当たり、はずれリーチ、リーチを経由しないはずれ等、様々な演出があり、加えて、スピーカ162からの効果音出力動作や遊技盤状態表示灯164の点消灯動作が連動して実行される。これにより、リーチ演出や大当たり演出等の強調演出のタイミングを明確に遊技者に報知することができ、趣向性の高い遊技演出を行うことができる。
【0052】
次に本実施の形態の作用について説明する。
【0053】
本実施の形態に係るパチンコ機110は、電源が投入されて稼動状態となると、主制御基板150はパチンコ機110各部の稼動制御と共に、遊技の進行制御を開始する。
【0054】
この稼動状態において、通常の遊技状態では、パチンコ機110自体をアピールする通常演出として、表示部124における図柄演出表示等に加え、スピーカ162からの効果音出力や遊技盤状態表示灯164の点消灯動作を実行する。このとき、主制御基板150から音声制御基板154及びランプ制御基板156に対してそれぞれ伝達される上記の音量設定情報を含む音声制御信号及び上記の光量設定情報を含むランプ制御信号によって、スピーカ162及び遊技盤状態表示灯164の出力レベル(音量/光量)を、図4に示すように、通常レベル値P1(上記の通常音量レベル値/通常光量レベル値に対応する。)に設定する。
【0055】
この通常の遊技状態において、遊技者がハンドル136を操作することによりパチンコ球が発射されると、レール112に案内されてゲージ部114の釘116や風車118等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、入賞口120に入賞すると、予め定められた数のパチンコ球が払い出される(賞球)。また、普通図柄始動入賞口130に入賞するとこれを普通図柄入賞センサ170で検出する。
【0056】
この検出により、主制御基板150では、普通図柄の抽選が開始される。すなわち、主制御基板150に含まれる乱数カウンタ(図示せず)を用いて、所定の確率で0〜9までの数字を抽選する。抽選の結果、はずれの場合には、特に遊技状態に変化はない。一方、抽選の結果、当たりの場合には、主制御基板150は、特別図柄始動入賞口126に設けられた電動チューリップ134を開放状態とするべく、ソレノイド174へ通電する。これにより、特別始動入賞口126にパチンコ球が入り易い、高確率状態とすることができる。
【0057】
前記特別図柄始動入賞口160へパチンコ球が入賞すると、特別図柄入賞センサ168によって入賞検出がなされ、大当たり抽選が実行されると共に、その抽選結果に応じた命令信号に基づいて、表示ドライバ166を介し表示部124にて上記の図柄演出表示を実行する。
【0058】
また、上記大当たり抽選で、当たりとなった場合には、大入賞口128の開閉部材129が所定時間、所定回数開放する。これによって、パチンコ球の入賞の確率が極めて大きくなる、遊技者の有利な状態とすることができる。なお、上記図柄変動表示中に、特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞すると、抽選はその時点でなされるが、現在進行中の図柄変動表示中が終了するまで図柄変動表示を待機する。これは、保留ランプが点灯することで、遊技者に報知される。
【0059】
上述のように大当たり抽選の結果が当たりとなると、遊技状態は遊技者に有利な状態(特別遊技状態)に移行するが、その際に、パチンコ機110は、特別遊技状態を通常遊技状態より強調して演出する強調演出動作を行う。
【0060】
この強調演出動作では、表示部124における所定の図柄演出表示に加え、上記の通常演出とは異なる、スピーカ162からの効果音出力や遊技盤状態表示灯164の点消灯動作を実行する。このとき、主制御基板150から音声制御基板154及びランプ制御基板156に対してそれぞれ伝達される上記の音量設定情報を含む音声制御信号及び上記の光量設定情報を含むランプ制御信号によって、スピーカ162及び遊技盤状態表示灯164の出力レベル(音量/光量)を、図4に示すように、通常レベル値P1よりもΔP分大きい値である特別レベル値P2(上記の強調音量レベル値/強調光量レベル値に対応する。)に設定する。
【0061】
また、本実施の形態では、通常遊技状態から強調演出状態へ移行するタイミング(図4のT1)の直前のタイミング(図4のt1)で、通常レベル値P1に設定されている出力レベルを所定時間の間(図4のΔt)ゼロに設定した後、特別レベル値P2に設定する。従って、遊技状態が通常遊技状態から強調演出状態へ移行する際に、スピーカ162及び遊技盤状態表示灯164の出力レベルは、通常レベル値P1と特別レベル値P2とのレベル差(図7のΔP0)よりも大きいΔP分の落差で増大することになる。
【0062】
同様に、強調演出状態から通常遊技状態へ移行するタイミング(図4のT2)の直前のタイミング(図4のt2)で、特別レベル値P2に設定されている出力レベルを所定時間の間(図4のΔt)ゼロに設定した後、通常レベル値P1に設定する。従って、遊技状態が強調演出状態から通常遊技状態へ移行する際に、スピーカ162及び遊技盤状態表示灯164の出力レベルは、特別レベル値P2と通常レベル値P1とのレベル差(図7のΔP0)よりも大きいΔP分の落差で減少することになる。これによって、通常遊技状態と強調演出状態との間での遊技状態の変化をより明確に強調した遊技演出効果を得ることができる。
【0063】
なお、本実施の形態において、上述した、音量出力レベル制御部154A及び光量出力レベル制御部156Aによるスピーカ162及び遊技盤状態表示灯164の出力レベル(音量/光量)の制御は、図5に示すように通常遊技状態から強調演出状態へ移行するタイミングにおいてのみ実行するようにしてもよく、一方で、図6に示すように強調演出状態から通常遊技状態へ移行するタイミングにおいてのみ実行するようにしてもよい。
【0064】
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ機によれば、スピーカ162及び遊技盤状態表示灯164の出力レベル(音量/光量)について、スピーカ162、遊技盤状態表示灯164、及びそれらのドライバ回路等のハードウェアが有する許容信号レベル範囲に依存する出力レベル許容範囲内でかつ通常遊技時と強調演出時との間で最大限の落差を設けることができるので、遊技者に対して遊技状態の変化を明確に報知することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、本発明をパチンコ機に適用した例について説明したが、同様に、遊技状態に応じて所定の演出動作を行うパチスロ機等の他の遊技機に適用することも可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、通常遊技状態及び特別遊技状態の各遊技状態に対応させて、出力レベル許容範囲内で予め定めた通常レベル値及び特別レベル値を、遊技状態に応じて遊技演出装置の出力レベルに設定すると共に、通常遊技状態と特別遊技状態との間で遊技状態が変化する際に、特別遊技状態の開始直前及び終了直後の少なくとも一方のタイミングにおいて、遊技演出装置の出力レベルを、所定時間の間、通常レベル値未満まで低下させることにより、遊技演出装置の出力レベルを、出力レベル許容範囲内でかつ通常レベル値と特別レベル値とのレベル差よりも大きい落差で変化させるようにしたので、特別な高性能ハードウェアを用いずに、遊技状態の変化を明確に強調演出することができる遊技機及び遊技機の遊技演出制御方法を得ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るパチンコ機の概略正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るゲージ部の概略正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るパチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るスピーカ及び遊技盤状態表示灯における出力レベル(音量/光量)の変化の様子を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るスピーカ及び遊技盤状態表示灯における出力レベル(音量/光量)の、他の第1例における変化の様子を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るスピーカ及び遊技盤状態表示灯における出力レベル(音量/光量)の、他の第2例における変化の様子を説明するための図である。
【図7】従来技術におけるスピーカ及び遊技盤状態表示灯の出力レベル(音量/光量)の変化の様子を説明するための図である。
【符号の説明】
110 パチンコ機(遊技機)
114 ゲージ部
124 表示部
126 特別図柄始動入賞口
150 主制御基板
154 音声制御基板
154A 音量出力レベル制御部
156 ランプ制御基板
156A 光量出力レベル制御部
160 図柄表示制御基板
162 スピーカ
164 遊技盤状態表示灯
Claims (2)
- 所定の出力レベル許容範囲を有し、遊技の進行に伴って随時変化する各遊技状態を演出するために、少なくとも視覚的或いは聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作を、予め前記出力レベル許容範囲内で設定された出力レベルで実行する遊技演出装置を備え、当該遊技演出装置の出力レベルを前記遊技状態の変化に応じて可変に設定することにより前記遊技状態の変化を演出する遊技機であって、
通常遊技状態を演出する遊技演出動作の実行時には、前記出力レベル許容範囲内で予め定めた通常レベル値を前記遊技演出装置の出力レベルに設定すると共に、前記通常遊技状態とは異なる特別遊技状態を演出する遊技演出動作の実行時には、前記出力レベル許容範囲内でありかつ前記通常レベル値よりも大きい特別レベル値を前記遊技演出装置の出力レベルに設定する出力レベル設定手段と、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態との間で遊技状態が変化する際に、前記特別遊技状態の開始直前及び終了直前の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記出力レベル設定手段で設定する前記遊技演出装置の出力レベルを、所定時間の間、前記特別レベル値に対して最大限の落差であるゼロレベルに設定する出力レベル制御手段と、
を有する遊技機。 - 前記出力レベル設定手段は、少なくとも、視覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルを設定する第1の設定手段と、聴覚的な演出効果をもたらす遊技演出動作の実行時における前記遊技演出装置の出力レベルを設定する第2の設定手段と、からなることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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