JP3788880B2 - 半導体スタック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、IGBT等のスイッチング素子で構成される半導体スタックの低インダクタンス配線構造の改良に関するものであり、特に信頼度が高く保守性の良好な低インダクタンス配線構造を有する半導体スタックを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スイッチング素子を接続して構成されるインバータスタックにおいては、スイッチング素子にかかる過電圧を抑制するために、DC電源回路の電解コンデンサやスナバ回路とスイッチング素子とからなる閉回路のインダクタンスを極力小さくすることが配線上極めて重要な課題となっている。これによって、素子の過電圧抑制のため接続されるスナバ回路の省略やスナバ容量の低減が可能となり、インバータ装置の小型化やコストが可能となる大きな利点があるからである。
【0003】
図6は、スイッチング素子1,2,23及び24を接続して構成された一般的な単相インバータ回路の電気的構成を表わしている(尚、図6は本発明の実施の形態1においても援用される)。ここでは、スイッチング素子1,2,23,24がIGBTより成る例が示されており、各スイッチング素子1,2,23,24はそれぞれ記号G1,G2,G3,G4で表わされる。尚、記号Cはコレクタ、Eはエミッタである。又、P,Nはそれぞれ直流入力のプラス端子(P端子),マイナス端子(N端子)であり、L1及びL2は出力端子(交流端子)である。また、25はスナバコンデンサCs、26は電解コンデンサCeである。
【0004】
このようなインバータ回路を構成するインバータスタックにおいては、例えばCs→G1→G2→Cs,Cs→G3→G4→Csに至る閉回路や、Ce→G1→G2→Ce及びCe→G3→G4→Ceに至る閉回路の、インダクタンス低減が重要となる。
【0005】
これを達成するためには、例えば特開平8−19245号公報に示されるように、スタック内各部の配線導体として平板導体を使用し、これらを絶縁層を介して至近距離で対抗させて往復線路を形成するのが一般的である。
【0006】
図7は、図6に示された単相インバータ回路の中で、IGBT(第1スイッチング素子に該当)G1,IGBT(第2スイッチング素子に該当)G2を含む一点鎖線内(以降、ハーフブリッジと称す)を構成する従来の低インダクタンス配線構造スタックの実施の形態を示す図であり、その内、(a)は上面図であり、(B)は上面図(a)に示されたA−A部断面図である。
【0007】
図7において、1及び2はそれぞれIGBT素子G1及びG2であり、両素子G1,G2は共にヒートシンク20上に取付け固定されている。又、31,33,35及び37は絶縁板、32は交流導体、34はP側導体、36はN側導体、32a,32bは交流導体32に接続された円筒状導体、34a,36aもそれぞれP側導体34,N側導体36に接続された円筒状導体である。12は、円筒状導体32a,36a,34a,32bをスイッチング素子G1,G2のエミッタ端子E及びコレクタ端子Cへ接続するための締め付けネジである。絶縁板31,33,35,37及び導体32,34,36は積層されて接着等により固着一体化されるので、積層導体と呼ばれる。
【0008】
なお、ここでP,N側端子及び交流端子34,36及び32が図7の(a)の上下方向に突出しているが、これは、図7の(a)の左右方向には制御端子G1及びG2がつくため、この上のスペースが使用できないからである。
【0009】
図7において、ハーフブリッジを構成する閉回路は、P側導体34→円筒状導体34a→スイッチング素子1(G1)のコレクタ端子C→スイッチング素子G1の内部→スイッチング素子G1のエミッタ端子E→円筒導体32a→交流導体32→円筒状導体32b→スイッチング素子2(G2)のコレクタ端子C→スイッチング素子G2の内部→スイッチング素子G2のエミッタ端子E→円筒状導体36a→N側導体36の経路で形成される。
【0010】
このように、平板導体を絶縁層を介して積層することにより、配線の低インダクタンス化が達成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のように構成された従来の積層導体による配線構造においては、次のような問題点があった。
【0012】
(1) 積層部が全面において導体部3層、絶縁部4層となっているので、各積層部材の加工が複雑となり、部材コストが上昇する。
【0013】
(2) スイッチング素子のエミッタ・コレクタ間(すなわち、積層導体の円筒状導体32a−32b間)に存在する絶縁体の外部沿面距離が近年の高耐圧素子に対しては短く、絶縁性能上問題がある。
【0014】
(3) 全面積層導体構造においては、入出力端子(P,N側端子及び交流端子)の取り出し位置が積層導体の端面からでるため、ハーフブリッジスタックを2台あるいは3台接続して、単相ブリッジあるいは3相ブリッジ回路を構成しようとする場合、P側及びN側導体の外部接続が容易でない。そのため、単相ブリッジは単相ブリッジ用の、3相ブリッジでは3相ブリッジ用の、すなわち回路毎に一括して積層導体を製作する必要があった。
【0015】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、積層数が少なく、絶縁性に優れ、組立が容易で、且つ外部での接続が容易な半導体スタックを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、第1及び第2スイッチング素子をヒートシンク上に取り付けた上で前記第1及び第2スイッチング素子を互いに直列接続してハーフブリッジを構成する半導体スタックであって、前記第1スイッチング素子の第1電極端子面及び第2電極端子面上と、前記第1スイッチング素子の前記第1電極端子面に隣り合った前記第2スイッチング素子の第1電極端子面上とに、底部絶縁体、交流導体及び内部絶縁体が順次に積層され、前記内部絶縁体の表面中で前記第1スイッチング素子側の部分上に第1フレクシブル絶縁体及びP側導体が順次に積層され、前記内部絶縁体の前記表面中で前記第2スイッチング素子側の部分上に第2フレクシブル絶縁体及びN側導体が順次に積層されており、前記第1フレクシブル絶縁体と、その下の前記内部絶縁体、前記交流導体及び前記底部絶縁体とを貫通して前記第1スイッチング素子の前記第1電極端子面と接触し、且つ前記交流導体とは絶縁された導体スペーサを介して、前記P側導体の一方の端部は前記第1スイッチング素子の第1電極端子に接続され、前記交流導体の一方の端部側の部分に設けられた第1凸部はその下の前記底部絶縁体を貫通して前記第1スイッチング素子の前記第2電極端子面と接触しており、前記交流導体の他方の端部に設けられた第2凸部はその下の前記底部絶縁体を貫通して前記第2スイッチング素子の前記第1電極端子面と接触しており、前記N側導体の一方の端部は前記内部絶縁体の端面を越えて前記第2スイッチング素子の第2電極端子面へ向けて延びており、前記第2スイッチング素子の前記第2電極端子面に接触したN側導体用導電スペーサを介して、前記N側導体の前記一方の端部は前記第2スイッチング素子の第2電極端子に接続されていると共に、前記P側導体と前記N側導体との間は、前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面に対して垂直方向に延びた前記第1フレクシブル絶縁体の一方の端部と、前記第2スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面に対して垂直方向に且つ前記第1フレクシブル絶縁体の前記一方の端部と平行に延びた前記第2フレクシブル絶縁体の一方の端部とによって、絶縁されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の半導体スタックであって、前記底部絶縁体の周辺端部は、その断面がL字型である側壁として構成されており、前記側壁で囲まれた前記底部絶縁体の表面上に前記交流導体が搭載されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の半導体スタックであって、前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面間の溝部に嵌合するリブが前記底部絶縁体に形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の半導体スタックであって、前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面間の溝部上方に位置する前記内部絶縁体の表面上に、前記内部絶縁体と一体的に、上方に突出したリブが形成されており、前記第1フレクシブル絶縁体及び前記P側導体は、前記内部絶縁体の前記リブの内側の前記内部絶縁体の前記表面上に順次に積層されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の半導体スタックであって、前記第2スイッチング素子の前記第2電極端子面側の前記第2フレクシブル絶縁体の他方の端部は、前記内部絶縁体の前記端面を越えて前記N側導体の前記一方の端部と分離しつつ、前記第2スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面間の溝部に嵌め込まれていることを特徴とする。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の半導体スタックであって、少なくとも前記底部絶縁体、前記交流導体及び前記内部絶縁体は一体的に形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の半導体スタックであって、前記交流導体の前記一方の端部は、前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面に対して垂直方向に折り曲げられて交流端子を形成しており、前記P側導体及び前記N側導体はそれぞれ、前記第1スイッチング素子の前記第1電極端子面と前記第2スイッチング素子の前記第1電極端子面間の略中央部より、前記第1フレクシブル絶縁体の前記一方の端部と前記第2フレクシブル絶縁体の前記一方の端部とを介して互いに平行となる様に垂直方向に折り曲げられ、更に前記第1フレクシブル絶縁体の前記一方の端部及び前記第2フレクシブル絶縁体の前記一方の端部から離れて断面形状がコの字型となる様に水平方向に向けて折り曲げられて、前記P側導体の他方の端部及び前記N側導体の他方の端部はそれぞれP及びN端子を形成していることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、この発明の実施の形態1を図1〜図4に従って説明する。図1の(a)及び(b)は、図6の回路図に一点鎖線で示されたハーフブリッジスタックの実施の形態であり、図1の(a)は上面図であり、図1の(b)は(a)のA−A線に関する縦断面図である。
【0024】
図1において、1は例えば第1IGBTG1より成る第1スイッチング素子、2は例えば第2IGBTG2より成る第2スイッチング素子であり、両素子1,2はヒートシンク20上に取り付けられた上で互いに直列接続されてハーフブリッジを成す。又、S1及びS2はそれぞれ第1,第2スイッチング素子1,2の第1及び第2主電極面であり、両面S1,S2は同一寸法(同一高さ)・同一形状を有する。即ち、第1主電極面S1は、第1スイッチング素子1のエミッタ端子(第2電極端子)Eに接続された凸状のエミッタ端子面(第2電極端子面)S1Eと、コレクタ端子(第1電極端子)Cに接続された、同一高さの凸状のコレクタ端子面(第1電極端子面)S1Cとを有する。同時に、第2主電極面S2は、上記面S1Cに隣り合って対面した、第2スイッチング素子2のコレクタ端子(第1電極端子)Cに接続されたコレクタ端子面(第1電極端子面)S2Cと、エミッタ端子(第2電極端子)Eに接続されたエミッタ端子面(第2電極端子面)S2Eとを有する。
【0025】
又、3は上記端子面S1E,S1C,S2C上に搭載された底部絶縁体であり、4は底部絶縁体3の周辺端部を垂直方向に折り曲げて形成された側壁3aによって囲まれた同部3の表面上に積層された交流導体であり、交流導体4の一方の端部は垂直方向に折り曲げられて外部に突出した交流端子Lを成しており、当該一方の端部側の近傍部分には、その下の底部絶縁体3を貫通してエミッタ端子面S1Eに接触した第1凸部4aが形成されている。これに対して、交流導体4の他方の端部には、同じくその下の底部絶縁体3を貫通してコレクタ端子面S2Cに接触した第2凸部4bが形成されている。又、5は、側壁3aで囲まれた交流導体4の表面上に積層された、且つ、その一方の端部(エミッタ端子面S1Eとコレクタ端子面S1C間の溝部上方に該当)には凸状のリブ5aが設けられた、内部絶縁体である。
【0026】
更に、6及び7は各々、断面形状がL字型になるように形成された第1及び第2フレクシブル絶縁体であり、それぞれは、両コレクタ端子面S1C,S2C間の略中央部から第1及び第2スイッチング素子1,2側に該当する、内部絶縁体5の表面内のそれぞれの部分上に積層されており、しかも、両絶縁体6,7の一方の端部は共に、上記中央部から上記端子面S1E,S1C,S2C,S2Eに対して垂直な方向に折り曲げられて重ね合わされている。しかも、第2フレクシブル絶縁体7の他方の端部7bは、内部絶縁体5の端面ないしは側壁3aを超えて両端子面S2C,S2E間の溝部に嵌め込まれている。更に、8は第1フレクシブル絶縁体6の表面上に積層されたP側導体であり、その一方の端部はリブ5aに近接しており、その他方の端部側は上記中央部付近で上記垂直方向に折り曲げられ、更に水平方向に折り曲げられて、その断面形状がコの字型になっており、その他方の端部はP端子を成す。又、9は第2フレクシブル絶縁体7の表面上に積層されたN側導体であり、その一方の端部は内部絶縁体5の端面を超えて、導電スペーサ9aを介してエミッタ端子面S2Eに接触し、その他方の端部側は、上記中央部付近で上記垂直方向に折り曲げられ、更に水平方向に折り曲げられて、その断面形状がコの字型になっており、その他方の端部はN端子を成す。
【0027】
又、10は絶縁スペ−サであり、11は導体スペーサであり、12は締め付けネジであり、20はヒートシンクである。
【0028】
ここで、図2の(a)は図1の底部絶縁体3の上面図を、図2の(b)は(a)のA−A線に関する断面図を示している。図2中、3aはこの発明の特徴となる、上述した側壁の部分を示しており、3bは両端子面S1E,S1C間の溝部に嵌合しうるように凸状に形成されたリブを示し、3C1〜3C3は、それぞれ第1凸部4a、導電スペーサ11及び第2凸部4bと同一径の貫通穴を示している。
【0029】
更に、図3は、図1に示された構成部材中、底部絶縁体3上に順次に積層組み立てられる各部材4〜12の分解断面図である。図3において、交流導体4の一方の端部側近傍部4a及び他方の端部4bには、第1,第2スイッチング素子1,2のエミッタ及びコレクタ端子E,Cに接続される接触面を有する第1,第2凸部が形成されている。また、交流導体4は、第1凸部4aに隣接する一方の端部において、上記垂直方向に折り曲げられて交流端子Lを形成している。加えて、図3においては内部絶縁体5の右側端にあたる一方の端部にも、上記のリブ5aが形成されていると共に、各スペーサ10,11と略同一径の貫通穴5C1,5C2も形成されている。又、第1,第2フレクシブル絶縁体6及び7は例えば柔軟性に富む絶縁シートであり、平板導体(3,4,5)に沿って折り曲げ可能なものを両絶縁体6,7用に使用することができる。更に、P側導体8及びN側導体9は、図3に示すように、縦断面形状がコの字形状になるように加工されており、上面にあたる他方の端部にP及びN端子を形成している。そして、N側導体9の一方の端部に形成された部分9aは、第2スイッチング素子2のエミッタ端子Eに接続されるN側導体用の導電スペーサである。
【0030】
図1の半導体スタックは上記の各部材2〜11を順次積層して組立ることができるが、底部絶縁体3、交流導体4、内部絶縁体5、絶縁スペーサ10、及び導電スペーサ11の5部材(少なくとも底部絶縁体3、交流導体4、内部絶縁体5の3部材)を予め固着により、あるいはモールド成形により、一体化しておくことが望ましい。図4は、これらの部材3,4,5,10,11を固着により一体化した例を示している。ここで、13は絶縁性の優れた接着剤であり、例えば樹脂やゴム系材料が用いられる。この接着剤13は、▲1▼上記各部材の固着とともに、▲2▼交流導体4と直流導体(P側導体8)に接続される導電スペーサ11との間隙をも充填して絶縁性の強化を図るという、重要な役割を果たす。
【0031】
図1の半導体スタックを組み立てるには、まず第1に、図4に示された上記の一体化された組立体を第1及び第2スイッチング素子1(G1)及び2(G2)の端子面S1E,S1C,S2Cの位置にあわせて両素子1,2の主端子面S1,S2上に搭載し、第1スイッチング素子1のエミッタ端子Eと第2スイッチング素子2のコレクタ端子Cとを共にネジ12で締め付け固定する。
【0032】
次に、第1フレクシブル絶縁体6を導体スペーサ11に嵌め込んで置き、その上にP側導体8を載せて、両部材6,8を第2スイッチング素子2のコレクタ端子Cにネジ12により固定する。
【0033】
更に、第2フレクシブル絶縁体7を絶縁スペーサ10に嵌め込んで置き、他方の端部7bを第2スイッチング素子2のコレクタ端子面S2Cとエミッタ端子面S2E間の溝部に嵌め込む。この部分7bは、後述するように、絶縁対策上重要な部分となる。次に、N側端子9を絶縁スペーサ10に嵌め込んで第2フレクシブル絶縁体7の表面上に載せ、両部分7,9を第2スイッチング素子2のエミッタ端子Eにネジ12により固定する。これにより、P側及びN側導体8,9の他方の端部側部分は、その途中に形成される垂直部によって第1,第2フレクシブル絶縁体6及び7を挟んで対向し、また、第1,第2フレクシブル絶縁体6,7の上部6a及び7aは、絶縁を確保するために、P側及びN側端子面(P側及びN側導体8,9の他方の端部に該当)よりも上に突出した形状となる。
【0034】
この発明による図1の半導体スタックにおいては、ハーフブリッジを構成する閉回路は、P側導体8→導電スペーサ11→第1スイッチング素子1(G1)のコレクタ端子C→同素子1(G1)の内部→同素子1(G1)のエミッタ端子E→第1凸部4a→交流導体4の本体→第2凸部4b→第2スイッチング素子2(G2)のコレクタ端子C→同素子2(G2)の内部→同素子2(G2)のエミッタ端子E→導電スペーサ9b→N側導体9という経路で構成される。
【0035】
ここで、図1の半導体スタックと従来例の図7のそれとを比較すれば、本スタックでは平板導体と絶縁体の積層総数は4層で済み、積層構造が従来例よりも著しく簡易化されており、従って、積層構造の部材コストを格段に低減できることは明らかである。特に、両スイッチング素子1,2のエミッタ端子面S1E,S2Eの上方部分が従来に比べて格段に簡素化されていることがわかる。
【0036】
この発明では、スタックの組立性を改善するために、図4に示す様に、底部絶縁体3、交流導体4、内部絶縁体5、絶縁スペーサ10及び導体スペーサ11の5部材を予め固着又はモールド成形により一体化することを、提案している。これによって、スタックの組立は極めて容易になるのである。
【0037】
また装置全体の絶縁性能を改善するために、本スタックでは、底部絶縁体3に側壁3aとリブ3bとを形成している。ここで、側壁3aは、▲1▼図4に示す5部材3〜5,10,11の組立を一体化するために極めて重要であり、接着剤13の流れ止めとして作用するほか、▲2▼積層導体の端面ないしは交流導体4の端面の絶縁性を確実に確保せしめる作用を奏する。又、リブ3bは、第1スイッチング素子1のコレクタ端子面S1Cとエミッタ端子面S1E間の溝部に嵌合し、この間の沿面距離を広げる役割がある。高耐圧のスイッチング素子では耐圧が3kV〜4kVのものも出現しているので、このような高耐圧のスイッチング素子のコレクタ・エミッタ間に従来の図7のような平坦面が存在するときには、スイッチング素子の端子間溝部の沿面距離が損なわれ、絶縁性が著しく劣化する場合も生じるが、本スタックによれば上記部材3a,3bの存在によって、このような問題点の発生を未然に防ぐことが可能である。以上の通り、内部絶縁体5に形成されたリブ5aも同様に沿面距離を広げるという効果を奏する。
【0038】
更に、この発明の特徴点は、独自の端子形状と端子配置とを設けた点にもある。即ち、交流導体4は第1スイッチング素子1のエミッタ端子面S1Eの近傍より垂直に折れ曲がって交流端子Lを形成しており、P側導体8及びN側導体9は、両スイッチング素子1,2のほぼ中央部から、第1,第2フレクシブル絶縁体6,7の一方の端部(垂直部分)を介して互いに対向するように垂直方向に折り曲げられ、更に水平方向に曲げられて断面形状がコの字型となって、それぞれの他方の端部がP及びN端子を形成しているのである。以上のように構成されているので、半導体スタックを2台あるいは3台組み合わせて容易に単相ブリッジ(単相インバータ)や3相ブリッジ(3相インバータ)の接続(複合化という応用面)を実現することが可能である。図5は3相ブリッジの例であり、図1に示したハーフブリッジユニット3台を並べて、L字状断面を有する外部直流導体27,28により、3台のユニットの各P側端子8を互いに接続すると共に各N側端子9を互いに接続している。尚、両導体27,28間には、絶縁体29が挿入されている。
【0039】
又、同様に図1の半導体スタックを複数台並べてそれぞれのP側,N側,交流端子をブスバで接続して並列接続することも容易にできる。これに対して、図7に例示した様な従来の構造では、このように複数台を組み合わせ接続することが困難であることは明白である。
【0040】
この発明においては、第1,第2フレクシブル絶縁体6及び7も極めて有効に作用する。というのは、これらの部材6,7は、▲1▼P側、N側導体8,9に沿って折り曲げが可能である他、▲2▼第2スイッチング素子2のエミッタ・コレクタ間に溝部に第2フレクシブル絶縁体7の他方の端部7bが嵌め込まれることにより、第2スイッチング素子2のコレクタ端子CとN側導体9間の絶縁を強化できるからである。
【0041】
(変形例)
(1) 以上、実施の形態1においては、ハーフブリッジ構成のスタックについて述べたが、単相ブリッジや3相ブリッジ構成を一括した配線構造にも適用できることは言うまでもない。
【0042】
(2) また、実施の形態1に示した各スイッチング素子の端子配置に限定されるものでもなく、各種形状のスイッチング素子に適用できるものである。
【0043】
(3) 又、第1,第2スイッチング素子としては、IGBTG1,G2の他に、MOSFETやバイポーラトランジスタ等の他のトランジスタを用いても良い。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各導体と各絶縁体との積層総数を4層とすることができるので、従来技術と較べて積層構造を簡素化して積層部分の部材のコストを格段に低減することができる。特に、第1及び第2スイッチング素子の各第2電極端子面上の構造を著しく簡素化することができる。
【0045】
請求項2記載の発明によれば、底部絶縁体の側壁によって交流導体の端面の絶縁性を確実に確保することができるので、従来技術と較べて装置全体の絶縁性能を向上させることができる。
【0046】
請求項3記載の発明によれば、底部絶縁体のリブによって第1スイッチング素子の第1電極端子と第2電極端子間の沿面距離を広げることができるので、従来技術と較べて装置全体の絶縁性能を向上させることができる。
【0047】
請求項4記載の発明によれば、内部絶縁体のリブによって第1スイッチング素子の第1電極端子と第2電極端子間の沿面距離を広げることができるので、従来技術と較べて装置全体の絶縁性能を向上させることができる。
【0048】
請求項5記載の発明によれば、第2スイッチング素子の第1電極端子と第2電極端子間の絶縁性を強化することができるので、従来技術と較べて装置全体の絶縁性能を向上させることができる。
【0049】
請求項6記載の発明によれば、一体化により半導体スタックの組み立てを極めて容易にすることができる。
【0050】
請求項7記載の発明によれば、半導体スタックの外部に同一構造の別の半導体スタックを組み合わせて、単相ブリッジや3相ブリッジ等の複合化(応用性の向上)を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体スタックの配線構造を示す図である。
【図2】 この発明の構成部品となる底部絶縁体を示す図である。
【図3】 図1に示された底部絶縁体を除く構成部材の分解断面図である。
【図4】 図1に示された配線構造の部分組立断面図である。
【図5】 この発明の応用例である3相ブリッジの接続例を示す図である。
【図6】 この発明の説明に関連する単相インバータの主回路を示す図である。
【図7】 従来の半導体装置の配線構造を示す図である。
【符号の説明】
1 第1スイッチング素子、2 第2スイッチング素子、3 底部絶縁体、3a 側壁、3b,5a リブ、4 交流導体、4a 第1凸部、4b 第2凸部、5 内部絶縁体、6 第1フレクシブル絶縁体、7 第2フレクシブル絶縁体、7b 他方の端部、8 P側導体、9 N側導体、L 交流端子、9a,11
導電スペーサ、10 絶縁スペーサ、20 ヒートシンク。

Claims (7)

  1. 第1及び第2スイッチング素子をヒートシンク上に取り付けた上で前記第1及び第2スイッチング素子を互いに直列接続してハーフブリッジを構成する半導体スタックであって、
    前記第1スイッチング素子の第1電極端子面及び第2電極端子面上と、前記第1スイッチング素子の前記第1電極端子面に隣り合った前記第2スイッチング素子の第1電極端子面上とに、底部絶縁体、交流導体及び内部絶縁体が順次に積層され、
    前記内部絶縁体の表面中で前記第1スイッチング素子側の部分上に第1フレクシブル絶縁体及びP側導体が順次に積層され、
    前記内部絶縁体の前記表面中で前記第2スイッチング素子側の部分上に第2フレクシブル絶縁体及びN側導体が順次に積層されており、
    前記第1フレクシブル絶縁体と、その下の前記内部絶縁体、前記交流導体及び前記底部絶縁体とを貫通して前記第1スイッチング素子の前記第1電極端子面と接触し、且つ前記交流導体とは絶縁された導体スペーサを介して、前記P側導体の一方の端部は前記第1スイッチング素子の第1電極端子に接続され、
    前記交流導体の一方の端部側の部分に設けられた第1凸部はその下の前記底部絶縁体を貫通して前記第1スイッチング素子の前記第2電極端子面と接触しており、
    前記交流導体の他方の端部に設けられた第2凸部はその下の前記底部絶縁体を貫通して前記第2スイッチング素子の前記第1電極端子面と接触しており、
    前記N側導体の一方の端部は前記内部絶縁体の端面を越えて前記第2スイッチング素子の第2電極端子面へ向けて延びており、
    前記第2スイッチング素子の前記第2電極端子面に接触したN側導体用導電スペーサを介して、前記N側導体の前記一方の端部は前記第2スイッチング素子の第2電極端子に接続されていると共に、
    前記P側導体と前記N側導体との間は、前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面に対して垂直方向に延びた前記第1フレクシブル絶縁体の一方の端部と、前記第2スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面に対して垂直方向に且つ前記第1フレクシブル絶縁体の前記一方の端部と平行に延びた前記第2フレクシブル絶縁体の一方の端部とによって、絶縁されていることを特徴とする、
    半導体スタック。
  2. 請求項1記載の半導体スタックであって、
    前記底部絶縁体の周辺端部は、その断面がL字型である側壁として構成されており、
    前記側壁で囲まれた前記底部絶縁体の表面上に前記交流導体が搭載されていることを特徴とする、
    半導体スタック。
  3. 請求項1又は2記載の半導体スタックであって、
    前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面間の溝部に嵌合するリブが前記底部絶縁体に形成されていることを特徴とする、
    半導体スタック。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の半導体スタックであって、
    前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面間の溝部上方に位置する前記内部絶縁体の表面上に、前記内部絶縁体と一体的に、上方に突出したリブが形成されており、
    前記第1フレクシブル絶縁体及び前記P側導体は、前記内部絶縁体の前記リブの内側の前記内部絶縁体の前記表面上に順次に積層されていることを特徴とする、
    半導体スタック。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の半導体スタックであって、
    前記第2スイッチング素子の前記第2電極端子面側の前記第2フレクシブル絶縁体の他方の端部は、前記内部絶縁体の前記端面を越えて前記N側導体の前記一方の端部と分離しつつ、前記第2スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面間の溝部に嵌め込まれていることを特徴とする、
    半導体スタック。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の半導体スタックであって、
    少なくとも前記底部絶縁体、前記交流導体及び前記内部絶縁体は一体的に形成されていることを特徴とする、
    半導体スタック。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の半導体スタックであって、
    前記交流導体の前記一方の端部は、前記第1スイッチング素子の前記第1及び第2電極端子面に対して垂直方向に折り曲げられて交流端子を形成しており、
    前記P側導体及び前記N側導体はそれぞれ、前記第1スイッチング素子の前記第1電極端子面と前記第2スイッチング素子の前記第1電極端子面間の略中央部より、前記第1フレクシブル絶縁体の前記一方の端部と前記第2フレクシブル絶縁体の前記一方の端部とを介して互いに平行となる様に垂直方向に折り曲げられ、
    更に前記第1フレクシブル絶縁体の前記一方の端部及び前記第2フレクシブル絶縁体の前記一方の端部から離れて断面形状がコの字型となる様に水平方向に向けて折り曲げられて、前記P側導体の他方の端部及び前記N側導体の他方の端部はそれぞれP及びN端子を形成していることを特徴とする、
    半導体スタック。
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