JP3788757B2 - サブマージアーク溶接用ボンドフラックス - Google Patents

サブマージアーク溶接用ボンドフラックス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サブマージアーク溶接用ボンドフラックスに関し、特に、鉄骨ボックスの角継手溶接及び造船等の厚板の継手溶接に適し、優れた作業性を有し、拡散性水素量が低く、しかも高能率施工が可能な鉄粉系サブマージアーク溶接用ボンドフラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄骨・橋梁及び造船の溶接では、溶融型フラックス又はボンドフラックスを用いたサブマージアーク溶接が幅広く使用されている。サブマージアーク溶接で生成されるスラグの利用方法は乏しく、これまでは産業廃棄物として廃却されることが多かった。溶接施工業者は工場で発生する溶接スラグを所定の容器又は場所に一定期間保管したり、費用を支払って業者に廃却を依頼する等、溶接スラグの処置に手間と費用をかけているのが現状である。また、環境保全の点から廃却できる場所及び方法が限定される等、処置自体も制約を受けていて、溶接スラグを活用できる技術の開発が望まれていた。
【0003】
ボンドフラックスの溶接スラグは溶融過程を経て生成されたもので、その均質性は高い。また、高温下で溶融されたことから水分含有量は低く、化学組成は特定の成分を除き、溶接前のフラックスに類似している。このような特長を備えたスラグはフラックス原料の一部として適用できる可能性があり、これまでにもいくつかの溶接スラグの再生利用方法が提案されている。
【0004】
例えば、特開昭57−181796号公報には、溶接スラグと未使用のフラックスを混合して新たなフラックスを作製する方法が開示されている。しかし、この技術は混合比率又は粒度を規定した混合型フラックスに関するものであり、ボンドフラックスに関するものではない。
【0005】
また、特開昭63−188493号公報には、溶接スラグに対して予め成分調整した溶解原料を添加し、新製品と同様の品質を有する溶融型フラックスを提供する方法が開示されているが、この方法もボンドフラックスのスラグを再利用してボンドフラックスを得ようとするものではない。
【0006】
一方、特開昭51−21537号公報及び特開平11−188496号公報には、ボンドフラックスのスラグを原料の一部として活用し、新しいボンドフラックスを得る方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭51−21537号公報には、スラグを利用して新しいボンドフラックスを製造する条件が具体的に記載されておらず、炭酸塩を含有する鉄粉系ボンドフラックスの製造を可能にするものではない。
【0008】
また、特開平11−188496号公報に記載の発明は、原料中に10乃至90質量%のスラグを含有し、比表面積を0.3m/cm以下に規定することで、拡散性水素量及び溶接金属のポックマークの低減を図ったフラックスに関するものである。しかし、この公報には、「フラックス中の炭酸塩を増加させる方法では、炭酸塩が分解して発生するCOガスにより溶接ビードの表面が粗くなり、高速溶接を行った場合に作業性が劣化する等の問題を残していた」と記載されているように、特開平11−188496号公報に記載の発明は、炭酸塩の使用を回避するものであり、しかもこの発明の実施例を見ると、乾燥温度を高くすることで拡散性水素量の低減を図っていることがわかる。しかしながら、この方法では以下に示すとおり、厚板溶接に適したボンドフラックスを得ることが極めて困難である。
【0009】
即ち、鉄骨・橋梁・造船等で使用されている厚板の溶接では、鉄粉を含有して溶着速度を高めたボンドフラックスを大入熱で溶接する高能率施工法が幅広く適用されている。この鉄粉系ボンドフラックスには、良好な作業性に加えて、溶接金属中に拡散性水素に起因する遅れ割れ発生の危険性を極力小さくすると共に、良好な衝撃性能を有する溶接金属が得られることが求められている。而して、大入熱溶接では、溶接金属の結晶粒が大きくなるため、衝撃性能が劣化しやすい。結晶粒の粗大化による衝撃性能の劣化を補うには、溶接金属の窒素量をできるだけ低く抑制することが好ましい。しかしながら、大入熱溶接では溶融池が大きいため、空気の巻き込みが起こりやすい。フラックス中に含有される炭酸塩はアーク下で分解し、COガスを発生してアーク雰囲気をシールドすることにより、空気を侵入しにくくし、溶接金属の窒素量の増加を起こりにくくするが、前述の特開平11−188496号に記載された発明では、炭酸塩の使用を回避しているので、このような効果が得られない。
【0010】
更に、前記公報に記載の実施例での乾燥温度は550乃至850℃の場合でしかも鉄粉又は他の金属原料は一切含有されていないことから、いわゆる非鉄系ボンドフラックス又は非鉄粉系焼結フラックスを想定したものであり、本発明の目的を達成できるものではないし、鉄粉を大量に含有するボンドフラックスの乾燥温度を高くすると、鉄粉及び金属マンガン等の酸化が起こる可能性があり、溶接時にこれらの性能が発揮できない。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、スラグを原料の一部に利用することにより、溶接スラグの再利用を可能とし、資源の有効利用を図ることができるボンドフラックスであって、鉄粉を多量に含有していて大入熱溶接に適用可能な拡散性水素量が少なく、大入熱溶接でも窒素の侵入を防ぐことができ、これにより衝撃性能が良好で、しかも遅れ割れの発生が防止された溶接金属を形成することができるサブマージアーク溶接用ボンドフラックスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサブマージアーク溶接用ボンドフラックスは、ボンドフラックス又は焼結フラックスのスラグ:10乃至70質量%と原料からなるボンドフラックスであり、フラックス中の総Fe量が10乃至40質量%、総CO量が2乃至10質量%で、総MgO量が9.7乃至30質量%、SiO 量が9.2乃至25.4質量%、CaF 量が1.8乃至10.5質量%、TiO 量が2.8乃至15.4質量%、Al 量が4.8乃至20.2質量%であると共に、示差熱分析で測定される質量変化開始温度が550℃以上であり、乾燥温度が400乃至700℃であって前記質量変化開始温度よりも低いことを特徴とする。
【0013】
このサブマージアーク溶接用ボンドフラックスは、更に、総MgO量が10乃至30質量%、SiO量が10乃至25質量%、CaF量が2乃至10質量%、TiO量が3乃至15質量%、更にAl量が5乃至20質量%であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のボンドフラックスは、原料として、ボンドフラックスが一旦溶融して固化したスラグを10乃至70質量%含有し、残部は予め成分調整した原料からなるボンドフラックスを含有する。本発明のボンドフラックスは、フラックス中に、総Fe量を10乃至40質量%、総CO量を2乃至10質量%含有し、示差熱分析で測定される質量変化の開始温度が550℃以上である。好ましくは、更に、総MgOを10乃至30質量%、SiOを10乃至25質量%、CaFを2乃至10質量%、TiOを3乃至15質量%、Alを5乃至20質量%含有する。
【0015】
以下、本発明の各成分添加理由及び組成限定理由について説明する。
【0016】
▲1▼ボンドフラックス又は焼結フラックスのスラグを10乃至70質量%含有し、残部がフラックス原料からなるボンドフラックスであること
溶接スラグは成分組成が元々のフラックス組成に類似していると共に、しかも高温で一旦溶融しているため、水分量が低く、耐吸湿性が優れている。このため、溶接スラグは新たなフラックスの原料に適用しやすく、特に元々のフラックスと類似した成分系の原料に最適である。しかし、この原料としてのスラグが10質量%未満では、水分量が低いことによる効果が得られない。また、スラグが70質量%を超えると、本発明の目的であるボンドフラックスに必要な鉄粉及びその他の合金原料、更にはフラックス全体の成分調整を行う余裕がなくなり、フラックスの製造が困難になる。更に、ビード外観不良及びビードの蛇行等の悪影響も生じる。
【0017】
▲2▼総Fe量:10乃至40質量%
フラックス中にFeを一定量含有すると、このFeは溶接過程で溶融池に移行し、溶着速度は増加する。このため、高能率施工が可能になると共に、鉄粉を含まない場合に比べ、溶接入熱を下げることができる。総Fe量が10質量%未満の場合はこのような効果が少なく、逆に総Fe量が40質量%を超えるとビードの広がりが悪くなったり、スラグ巻き込みが発生しやすくなる。なお、本発明では総Fe量はフラックス中の鉄粉及び鉄合金中のFeの合計量を表す。
【0018】
▲3▼総CO 量:2乃至10質量%
フラックス中のCOは炭酸ガス及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩として含有され、溶接中に分解されてCOガスとなって溶接雰囲気をシールドすることにより空気の巻き込みを防止したり、水素分圧の低減による拡散性水素の低減に効果を示す。このような効果は総CO量が2質量%未満では不十分であり、10質量%を超えるとポックマークが溶接金属表面に発生したり、溶接中に吹き上げが激しくなる等の悪影響が生じる。なお、本発明において、炭酸塩の種類は問わない。
【0019】
▲4▼示差熱分析における質量変化開始温度:550℃以上
フラックスの乾燥工程で炭酸塩の分解又は他の化学反応が起こると、本発明の目的とするフラックスの品質が損なわれる可能性が高い。この観点から、本発明者等はスラグ原料を用いたフラックスの安定性、特に炭酸塩の分解について鋭意、実験研究を行った。
【0020】
図1は横軸に温度をとり、縦軸にフラックス質量をとって、示差熱分析結果を示す模式図である。図1に示すように、温度が上昇すると、水分の減少が生じるが、一定の温度を超えると、炭酸塩の分解が開始され、更に温度が上昇すると、炭酸塩の急激な分解が開始される。このため、温度が更に上昇すると、水分の減量分(破線にて示す)に加えて、炭酸塩の分解によりフラックス質量が大きく減量する。炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩原料の質量が急激に変化する温度を示差熱分析によって求めたところ、炭酸カルシウムは755℃、炭酸マグネシウムは760℃、炭酸ナトリウムは1081℃、炭酸リチウムは943℃といずれも高温であった。
【0021】
次に、下記表1に示すボンドフラックスのスラグ原料A及びBを50質量%使用し、残りは成分調整原料からなるフラックスA、Bを520℃と600℃で乾燥してフラックスのCO量と拡散性水素量を調べた。また、予備乾燥後に採取したフラックスを示差熱分析し、フラックス自体の質量変化が始まる温度も求めた。
【0022】
【表1】
Figure 0003788757
【0023】
下記表2は乾燥前の全フラックス原料中に占める炭酸塩とCOの量を示す。また、表2には、乾燥温度が520℃の場合と、600℃の場合とで、乾燥後のフラックス成分の組成も示す。更に、表2に、拡散性水素量と示差熱分析結果を併せて示す。フラックスAとフラックスBとの大きな差異は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの量であり、他の成分はほぼ同一である。炭酸カルシウムの量が多いフラックスAでは乾燥温度によらず総CO量は乾燥前の量とほぼ同じであった。また、拡散性水素量も低い値であった。一方、フラックスBの総CO量は乾燥温度が520℃では乾燥前と同じであったが、乾燥温度が600℃では3.0質量%と0.9質量%低下していた。600℃で乾燥したフラックスBを使用して測定した拡散性水素量は10.6ミリリットル/100gと極めて高く、実用性がないことが確認された。
【0024】
【表2】
Figure 0003788757
【0025】
両フラックスの示差熱分析結果によれば、フラックスAは643℃、フラックスBは570℃で急激な質量変化が起こった。従って、図1に示すように、フラックスBを600℃で乾燥した場合に、総CO量が約1%変化したのは炭酸塩が分解したためと考えられる。図1において、減量線を炭酸塩の分解開始点から延長して引いた延長線(破線)が水分の減量分である。フラックスAとフラックスBは炭酸塩の種類が異なっていてフラックスBは炭酸マグネシウムが多い組成であることから、フラックスBを600℃で乾燥した場合は、炭酸マグネシウムの一部が分解したために総CO量が低下したと考えられる。また、フラックスBを450℃で1時間再乾燥して拡散性水素量を測定したが、その値は10.5ミリリットル/100gと殆ど変化がなかった。このことから、フラックスBでは炭酸塩の分解だけでなく、水分源となる安定した化合物が同時に形成されたものと考えられる。
【0026】
以上のような検討を経て本発明者等は、フラックスの急激な質量変化が始まる温度が一定温度以上になるようにフラックス組成を制御することにより、乾燥工程での炭酸塩の分解を防止し、更に品質劣化につながる化合物等の形成を防止することが必要であるという結論に至った。一方、拡散性水素量を左右するフラックス中の水分を低減するには、一般に乾燥温度を高くするほうが好ましい。両特性を考慮すると、示差熱分析によって測定したフラックスの急激な質量変化の開始温度は少なくとも550℃以上であることが必要である。質量変化開始温度が550℃未満の場合でも、更に低い温度で長時間の乾燥を行えば本発明と同様の効果を得ることも可能ではあるが、このような低温での乾燥はフラックス水分を低減するために長時間が必要であり、製造コストの上昇をもたらす。このため、低温の乾燥は、工業的な生産条件とは言い難く、実用性がない。なお、本発明においては、株式会社マック・サイエンス社製TG−DTA2010Sを使用し、Arガス流量が200ミリリットル/分、フラックスの粒度が20×32メッシュ、試料質量が20乃至30mg,昇温速度が20℃/分の条件で、示差熱分析を実施した。
【0027】
▲5▼総MgO量:10乃至30質量%
MgOはスラグの粘性を適切に保持する効果を有し、MgOの適量の添加によってビードの蛇行及びアンダーカットを防止できる。また、MgOは塩基性成分であることから、溶接金属の酸素量を低減して靭性の確保に有効である。総MgO量が10質量%未満ではこのような効果がなく、30質量%を超えるとスラグ焼付き及びポックマークが発生しやすくなる。なお、総MgO量は炭酸マグネシウム等のMgO化合物中のMgO量も加算したものである。
【0028】
▲6▼SiO 量:10乃至25質量%
SiOは酸性成分でスラグの粘性調整に有効であるが、SiO量が10質量%未満では粘性が不足し、ビード形状が不安定になる。一方、SiO量が25質量%を超えると、スラグの粘性が過剰になり、ビード形状が凸になり、なじみが劣化すると共に、スラグ剥離性も悪くなり、更に塩基度の低下による靭性劣化が起こりやすくなる。
【0029】
▲7▼CaF 量:2乃至10質量%
CaFはスラグの流動性及び剥離性を調整し、更に塩基性成分であることから、溶接金属の酸素量を低くする効果がある。CaF量が2質量%未満ではその効果が得られない。一方、CaF量が10質量%を超えると、スラグの流動性が過大になり、ビードの蛇行又はアンダーカットが発生する。
【0030】
▲8▼TiO 量:3乃至15質量%
TiOはスラグの融点及び粘性調整に効果があると共に、溶接中に還元反応によって溶接金属中にTiとして侵入し、溶接金属の靭性を向上させる効果がある。TiOが3質量%未満では、アンダーカットが発生しやすくなる。一方、TiOが15質量%を超えると、スラグ剥離性が急激に劣化し、スラグ生成量も増大する。
【0031】
▲9▼Al 量:5乃至20質量%
Alはスラグの粘性及び凝固温度を調整すると共に、中性成分であることから、添加しても靭性を損なうことがない。Al量が5質量%未満では、粘性及び凝固温度が低くてスラグが流動しやすくなり、ビード幅が不均一になると共に、部分的に凸形状になりやすい。一方、Alが20質量%を超えると、スラグの凝固温度が高くなりすぎ、ビード幅が過剰に狭くなり、蛇行しやすくなる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の範囲に入る実施例のサブマージアーク溶接用ボンドフラックスについて、その特性を比較例と比較して具体的に説明する。
【0033】
表1に示すスラグ原料Bを、下記表3乃至表6に示す割合で使用して、表3乃至表6に示すフラックスを作製した。各フラックスは540乃至545℃で乾燥した。なお、フラックスの製造工程の予備乾燥後にサンプルを採取し、示差熱分析に供した。また、下記表7に示す条件で、図2(a)に示す開先形状の母材を溶接して、溶接作業性を評価した。
【0034】
拡散性水素量はJIS Z 3118−1992に基づき測定した。下記表9は溶接作業性の評価結果と拡散性水素量の測定結果を示す。溶接作業性は下記表8に示す基準に従って評価し、拡散性水素量は7.5ミリリットル/100g以下を合格とした。なお、下記表3乃至表6に示す「−」はその成分を含有していないことを示す。また、表8に示すビード形状の凹凸及び蛇行は、図3及び図4に示すようにしてビード形状を測定したものである。即ち、図3はビードの縦断面図であり、ビードが上下方向に波打っている場合の高低差を凹凸としている。図4はビードの平面形状をみた場合に、ビードが水平方向に波打っているときの水平方向の曲がり具合を蛇行としている。
【0035】
【表3】
Figure 0003788757
【0036】
【表4】
Figure 0003788757
【0037】
【表5】
Figure 0003788757
【0038】
【表6】
Figure 0003788757
【0039】
【表7】
Figure 0003788757
【0040】
【表8】
Figure 0003788757
【0041】
【表9】
Figure 0003788757
【0042】
表9に示すように、実施例No.1乃至17は、スラグ剥離性、スラグ焼き付き、ビード外観、ビード形状、アンダーカット等の溶接作業性がいずれも良好であると共に、拡散性水素量が低かった。中でも実施例No.2乃至8は、本発明の請求項2も満足するため、上記各特性が極めて良好なものであった。
【0043】
比較例No.18はスラグの割合が多すぎると共に、総Fe量が少ないため、ビード外観が不要で余盛が不足し、アンダーカットが発生した。比較例No.19は総Fe量が過大なために、ビードの幅が不揃いで全般に狭い形状となった。比較例No.20は総Fe量が少ないために、余盛が不足気味であった。比較例No.21はスラグの割合が少ないと共に、CaFが多く、また総CO量が多すぎるために、ビード表面にポックマークが発生し、拡散性水素量も高かった。比較例No.22は総CO量が少なすぎるため、拡散性水素量が過大であった。比較例No.23はスラグ量が過剰なため、ビード外観が不良でビードが蛇行し、形状が不良であった。比較例No.24はスラグ量が少なく、拡散性水素が過大になった。比較例No.25は総CO量が多いため、ポックマークが発生し、ビード外観が不良であった。比較例No.26は示差熱分析での温度が521℃と低く、拡散性水素量が9.2ミリリットル/100gと非常に高い値であった。比較例No.21と比較例No.26の総CO量を測定したところ、比較例No.21は8.7%、比較例No.26は5.9%と総CO量は低下していた。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るサブマージアーク溶接用ボンドフラックスによれば、鉄粉を多量に含有していて厚板での突合せ溶接のような大入熱溶接に適用することができ、拡散性水素量が少なく、窒素の侵入を防止することができ、衝撃性能が優れていると共に遅れ割れの発生が防止された溶接金属を形成することができる。本発明によれば、このような優れたボンドフラックスを、ボンドフラックスのスラグを10乃至70%使用して得ることができるので、溶接スラグの再利用が可能となり、資源の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸に温度をとり、縦軸にフラックス質量をとって、示差熱分析結果を示す模式図である。
【図2】(a)は開先形状を示す模式図、(b)は電極配置を示す模式図である。
【図3】ビード形状(凹凸の測定)を示す模式図である。
【図4】ビード形状(蛇行の測定)を示す模式図である。

Claims (1)

  1. ボンドフラックス又は焼結フラックスのスラグ:10乃至70質量%と原料からなるボンドフラックスであり、フラックス中の総Fe量が10乃至40質量%、総CO量が2乃至10質量%で、総MgO量が9.7乃至30質量%、SiO 量が9.2乃至25.4質量%、CaF 量が1.8乃至10.5質量%、TiO 量が2.8乃至15.4質量%、Al 量が4.8乃至20.2質量%であると共に、示差熱分析で測定される質量変化開始温度が550℃以上であり、乾燥温度が400乃至700℃であって前記質量変化開始温度よりも低いことを特徴とするサブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
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