JP3788357B2 - 汚染土壌の浄化装置及び汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化装置及び汚染土壌の浄化方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染物質が付着した土壌を浄化する汚染土壌の浄化装置及び浄化方法に係り、特に洗浄水を循環再利用し、その洗浄効果を向上させる浄化装置及び浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、六価クロム・水銀・カドミニウム等の重金属類による土壌汚染や、タンカー事故等により海上に流出した原油や重油が海岸に漂着して引き起こされる土壌汚染は、深刻な環境問題となっている。そして、この汚染土壌の浄化、除去処理作業は、環境整備事業の最も重要な課題の一つとなっており、経済的で効率の良い浄化手段の開発が望まれている。
【0003】
このような問題を解決する方法として、例えば、特開昭52−72368号公報や特開昭54−13659号公報には、次のような汚染土壌の処理方法が記載されている。
この方法は、洗浄槽に投入された汚染土壌に、水あるいはアルカリ、無機酸、有機酸及びそれらの塩、あるいはキレート剤を含む洗浄液を加え、混合、攪拌及び脱水して土壌から汚染物質を除去するものである。
【0004】
また、特開2000−202423号公報には、石油系化合物に汚染された土壌と、珪酸ナトリウム等の水ガラスを含む洗浄液とを分離槽内で混合攪拌し、土壌から汚染物質を除去する装置が記載されている。さらに、特開2000−197878号公報には、加水しながら汚染土壌を粉砕するとともに、土壌粒どうしを摺り合わせることによって、土壌に付着した汚染物質を剥離し、土壌から汚染物質を除去する装置が記載されている。
【0005】
このような汚染土壌の浄化処理では、電力の使用量、騒音・振動の防止等に配慮するとともに、水の使用量を少なく抑えることを考える必要がある。特に汚染土壌が広い地域に数多く分布する場合、浄化に用いた水を循環して再使用し、新たに加水する水量を最小限にすることが求められている。このため、次のような装置が提案されている。
特開2000−210651号に示される処理方法では、汚染物質が付着した粒状体に加水して解砕、分級した後、汚染物質を含む処理液と粒状体とに分離する。そして、該処理液に浮遊する重金属類をキレート剤等で不溶化塩とした後、活性炭等で吸着濾過して浄化された処理済の水を再利用する。また、特開2001−149913号には、分級後の汚染物質を含むスラリーを沈降処理し、沈殿物に含まれる水分と、上澄み液とを無害化処理した後、再利用する処理方法が示されている。
【0006】
一方、汚染土壌の浄化処理、特に重油等で汚染された土壌を洗浄処理する際には、洗浄に用いる水を高pH及び高温にすることによって、高い洗浄効果が得られることが知られている。
特開平9−299924号には、オイル等により汚染された土壌と、温水と、アルカリ剤とを分離槽に投入してpHを調整するとともに、該分離槽内をヒーターによって洗浄に適する温度に加熱する浄化処理装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−299924号に記載の浄化処理装置では、上記分離槽内のオイル等の汚染物質を含む上澄み液を、油水分離槽においてオイルを除去し、中和処理槽において中和処理した後、放水する。このため、新たに大量の水と、アルカリ剤とが必要となるとともに、この水を加熱するために大きな熱源の確保が必要となり、安価な浄化処理が難しくなってしまう。また、電気を昇温の熱源として実規模でこの方式を実現する場合、特に辺地のサイトでの汚染土壌の処理は受電の制約が予測され、代替発電機の採用は騒音の問題が懸念される。さらに、この装置では処理水が河川等に放流されるため、温排水の環境への影響を考慮するとともに、放流の際にpH値の調整、すなわち中和処理を行う必要がある。
【0008】
また、土壌浄化に用いた処理水を循環して再利用することによって、新たな水の供給量を最小限にすることが可能となるが、新たに供給された水を浄化処理に適する適当な温度まで加熱しなければらない。そして、ヒーター等の電力を用いる熱源によって、この新たな水と、既に加熱されて循環している処理水とを所定の温度まで加熱すると、やはり大きな電力が必要となってしまう。
【0009】
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、汚染物質が付着した土壌を浄化する洗浄水を循環再利用するとともに、浄化サイトの状況や環境の維持に対応しながら良好な洗浄効果を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 汚染物質が付着した汚染土壌と洗浄水とを混合して、流動性のあるスラリーとし、これを攪拌する洗浄装置と、 該スラリーから粗粒部を除去する分級装置と、 粗粒部が除去された前記スラリーに、該スラリーに含まれる細粒部を凝集させる凝集剤と、該スラリーのpHを調節するpH操作液とを加え、該細粒部を凝集させる凝集装置と、 凝集させた前記細粒部を沈降させ、該細粒部と処理水とに分離する沈降脱水装置と、 前記処理水を貯留し、前記洗浄装置又は前記分級装置に供給する循環水受け槽と、 前記循環水受け槽内で、前記処理水を加熱する加熱手段とを有し、 前記加熱手段は、前記循環水受け槽に蒸気を供給する蒸気供給装置であることを特徴とする汚染土壌の浄化装置を提供する。
【0011】
上記汚染土壌は、洗浄装置によってスラリー化し、混合攪拌されるので、土壌粒子が互いに接触し、擦り合わされることによって汚染物質が土壌粒子から剥離される。該洗浄装置には、循環水受け槽から加熱され、pH調整された処理水が供給されるため、洗浄効果が向上して汚染物質が効率良く除去される。スラリー化した土壌は、分級装置によって、土壌の粗粒部と、汚染物質を含む細粒分と洗浄水とからなるスラリーとに分離される。スラリーに含まれる細粒部は、沈降脱水装置において処理水中に沈降しやすいように凝集装置で凝集される。このとき、凝集装置内のスラリーはpH値が調節されているため、高pH用凝集剤が効果的に作用し、細粒部は良好に凝集されて、沈降脱水装置内で処理水中に効率良く沈降する。
【0012】
汚染物質が除去された処理水は上記循環水受け槽内に導かれ、該循環水受け槽内には加熱された状態の処理水が貯留されている。このため、該処理水を洗浄装置又は分級装置に安定供給することができる。また、循環水受け槽に送り込まれた処理水は、処理のために加熱された熱が残存し、pH操作液が加えられているため、加熱に要する熱量と、pH操作液の供給量とを低減することができる。さらに、処理水を循環使用することによって、新たに供給する洗浄水を減量することができる。
【0013】
循環水受け槽に貯留された処理水は、上記蒸気供給装置から供給された蒸気の潜熱によって、非常に効率良く加熱される。この循環水受け槽に供給された蒸気は、処理水を加熱すると同時に凝縮して液化するため、循環水受け槽内の水量が増加する。これにより、浄化工程において失われた処理水の一部又は全部を蒸気によって補給することができる。また、この蒸気供給装置は、ボイラー等の燃焼熱を利用して蒸気を得ることができ、効率の良い加熱が可能となるとともに、スラリーから粗粒部及び細粒部を除去した後の処理水を循環させて利用すると、加熱に多量の電力を用いる必要がなくなる。
【0014】
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の汚染土壌の浄化装置において、前記蒸気供給装置は、前記循環水受け槽に投入された前記処理水の量と、前記洗浄装置又は前記分級装置に供給された処理水の量とを比較し、該水量の差の一部又は全部を蒸気によって補給するものとする。
【0015】
循環水受け槽に投入された処理水の量と、洗浄装置又は分級装置に供給された処理水の量との水量の差は、粗粒部及び細粒部に付着して分級装置又は沈降脱水装置の外部に排出されたり、浄化装置内で漏洩する処理水の損失量とほぼ等しい。したがって、この水量の差を蒸気で供給することによって、該循環水受け槽にほぼ一定の水量を貯留し、洗浄装置又は分級装置に安定供給することができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、 請求項1に記載の汚染土壌の浄化装置において、前記循環水受け槽は、該循環水受け槽の液面高さを検出する液面計を有し、 前記蒸気供給装置は、前記液面計によって検出された液面高さによって、蒸気の供給量を制御するものとする。
【0017】
汚染土壌の浄化工程において失われる処理水の量は、循環水受け槽内の液面高さの低下量にほぼ等しい。このため、上記液面計によって、循環水受け槽の液面高さの変化を検出し、液面高さが一定となるように蒸気を供給することによって、該循環水受け槽内の水量をほぼ一定に保つことができる。また、簡単な構成で蒸気供給量を制御することができ、装置を簡略化することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、 請求項1に記載の汚染土壌の浄化装置において、前記凝集装置は、前記スラリーのpHが10以上となるように、前記pH操作液を加えるものとする。
【0019】
上記凝集装置では、スラリーのpHが10以上に調節されているため、スラリーに加えられた高pH用凝集剤が効果的に作用し、該スラリーに含まれる細粒部を良好に凝集させることができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、 汚染物質が付着した汚染土壌の浄化方法であって、
汚染物質が付着した汚染土壌に水を加え、流動性のあるスラリーとして混合攪拌し、 前記スラリーに含まれる粗粒部を除去し、 前記粗粒部が除去された前記スラリーに、該スラリーに含まれる細粒部を凝集させる凝集剤と、該スラリーのpHを調節するpH操作液とを加え、処理水中に該細粒部を凝集沈降させ、 凝集した前記細粒部を分離した後の前記処理水に、蒸気を供給することによって水量を補充するとともに、前記蒸気の潜熱によって加熱し、該処理水を、粗粒部を除去する前の前記汚染土壌又はスラリーに供給することを特徴とする汚染土壌の浄化方法を提供する。
【0021】
上記浄化方法では、加熱された処理水を用いて汚染土壌をスラリーとし、混合攪拌することによって、スラリーに含まれる土壌の粗粒部から汚染物質を良好に剥離することができ、この粗粒部をスラリーから除去する。また、細粒部を含むスラリーに高pH用凝集剤及びpH調整剤を加えることによって、細粒部を良好に処理水中に凝集沈降させることができる。そして、処理水は蒸気の潜熱によって効率的に加熱することができ、これと同時に蒸気は凝縮して処理水の一部となる。したがって、汚染土壌の浄化工程において失われた処理水を補給することができる。
【0022】
請求項6に係る発明は、 請求項5に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記蒸気は、前記スラリーに含まれる粗粒部及び細粒部を分離した後の水量と、前記汚染土壌又はスラリーに加水する水量とを比較し、該水量の差の一部又は全部を補充するものとする。
【0023】
上記浄化方法では、スラリーに含まれる粗粒部及び細粒部を分離した後の水量と、汚染土壌又はスラリーに加水する水量との差を、汚染土壌の浄化工程における処理水の損失量とみなす。そして、この水量の差の一部又は全部を蒸気で供給することによって、処理水を効率良く加熱することができるとともに、浄化に用いる水量を安定して供給することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係る汚染土壌の浄化装置の一実施形態を示す概略構成図である。
この汚染土壌の浄化装置は、汚染土壌1と洗浄水ライン26から供給された洗浄水とを混合及び攪拌して、汚染土壌1をスラリーにする洗浄装置2と、該スラリーから土壌に含まれた粗大なれき等4を除去する湿式篩装置3と、湿式篩装置3で篩目を通過したスラリーを、粗粒部6と、細粒部14を含むスラリーとに分級する分級装置5と、スラリーに含まれる細粒部14を凝集させる凝集装置12と、凝集された細粒部14を処理水中に沈降後脱水させる沈降脱水装置13と、沈降脱水装置13から排出された処理水を貯留する循環水受け槽15と、循環水受け槽内の処理水を蒸気によって加熱する蒸気供給装置34とで主要部が構成されている。
【0025】
上記洗浄装置2は、例えばドラムウォッシャーを用いることができる。このドラムウォッシャーは、ドラム状の容器を、軸線が水平又はやや傾斜するように支持したものであり、軸線回りに回転駆動することによって収容する土壌と洗浄水とを混合攪拌するものである。汚染土壌は軸線方向の一端から投入され、回転にともなって軸線方向にゆっくりと搬送され、他端から排出されるようになっている。
【0026】
上記湿式篩装置3は、例えば振動篩装置を用いることができ、篩目を適切に選択して土壌の粗粒部の一部を除去する。一般に粒径の大きいれき等には、汚染物質はほとんど付着しておらず、汚染濃度が低い場合には、そのまま埋め戻すことができる。
【0027】
上記分級装置5は、例えばドラムスクリーン又は湿式サイクロンを単体で、もしくはこれらを複数組み合わせて用いることができる。このような分級装置によって粗粒部を除去した液状物に、汚染物質として油分等が含まれている場合には、この油分が液状物に浮遊する。したがって、粗粒部を除去した液状物を一旦受槽(図示しない)に導き、油分を浮上させて除去してもよい。
【0028】
上記凝集装置12は、凝集槽35と、凝集剤投入部7と、pH操作液投入部8とからなり、該pH操作液投入部8は、凝集槽内のスラリーのpH値を測定するpH測定器9と、pH操作液の投入量を調節するpH調節バルブ11と、該pH調節バルブ11を制御するpH調節計10とを備えている。該pH調節計10は、高pH用凝集剤が有効に作用するpH値が設定されており、この設定値とpH測定器9の測定値とを比較・演算し、スラリーのpH値が適切となるようにpH調節バルブ11を制御して、pH操作液の供給量を調節する。
【0029】
上記沈降脱水装置13は、凝集槽35で凝集した細粒部を沈降させ、脱水して処理水と分離するものである。この沈降脱水装置13と上記循環水受け槽15との間には、処理水ライン27が設けられており、該処理水ライン27には、処理水の流量を測定する処理水流量測定器18が設けられている。また、循環水受け槽15には、該循環水受け内の処理水の液面高さを測定する液面測定器25が備えられている。
【0030】
上記洗浄水ライン26は、洗浄装置2、湿式篩装置3又は分級装置5に処理水を供給するものであり、循環水受け槽15から洗浄水を送り出す循環ポンプ17と、洗浄水の流量を測定する洗浄水流量測定器20と、洗浄水流量調節計23によって制御され、洗浄水の流量を調節する洗浄水流量調節弁24と、洗浄水温度指示計21と、洗浄水pH測定器28と、洗浄水pH指示計29とが設けられている。
【0031】
上記蒸気供給装置34は、新水ライン33からの給水によって蒸気を発生するボイラー16と、該ボイラー16と循環水受け槽15との間に設けられた蒸気ライン32と、蒸気ライン32を流れる蒸気量を測定する蒸気流量測定器30と、循環水受け槽への蒸気供給量を調節する蒸気流量調節弁22とで構成されている。該蒸気流量調節弁22は、蒸気流量調節計31からの出力信号によって制御され、循環水受け槽15への蒸気の供給量が調節される。この蒸気供給量の制御方法について、後で詳しく説明する。
【0032】
次に、この浄化装置の動作について説明する。
洗浄装置2に汚染土壌1と、洗浄水ライン26から加熱された洗浄水とが投入され、混合攪拌される。汚染土壌は高温のスラリーとなり、土壌から汚染物質が剥離され、湿式篩装置3に送り込まれる。湿式篩装置3では、このスラリーを、洗浄水ライン26から供給される補給水を使用して、土壌の粗粒部とスラリーとに篩分けする。汚染物質が除去された粗粒土壌4は付着水を含んで系外に搬出され、スラリーは分級装置5に送られる。分級装置5では、洗浄ライン26から洗浄水を加え、最適の水分率に調整して分級する。分級後の汚染物質が除去された粗粒土壌6は、少量の水分を含んで系外に搬出され、分級後の細粒部を含むスラリーは凝集装置12に送られる。
【0033】
凝集装置12では、スラリーに凝集剤投入部7から高pH用凝集剤が加えられ、また、高pH用凝集剤が有効に作用して効率的に懸濁物質が凝集するように、pH操作液投入部8からpH操作液が供給され、スラリーに含まれる細粒部が良好に凝集する。凝集した懸濁物は沈降脱水装置13で処理水中に効率良く沈降し、脱水される。そして、沈降細粒土壌14は少量の水分を含んだケーキとして系外に搬出される。一方、処理水は処理水ライン27を通過して循環水受け槽15に投入され、蒸気供給装置34から供給された蒸気の潜熱によって加熱される。これと同時に蒸気が凝縮して循環水受け槽15内の液量が増加し、循環水受け槽15内の処理水は、循環ポンプ17によって、洗浄装置2、湿式篩装置3又は分級装置5へ洗浄水として送水される。
【0034】
次に、蒸気供給装置34からの蒸気供給量の制御方法について説明する。
洗浄装置2における必要水量及び循環水受け槽15の液面の情報が洗浄水流量調節計23に入力され、これに基づいて、洗浄水流量調節弁24が調整される。そして、洗浄水流量測定器20によって洗浄水流量F1=aと、処理水流量測定器18によって処理水流量F2=bとが測定され、減算器19に入力されて水量差F3=a−bが求められる。この水量差F3は、湿式篩装置3から除去された粗粒土壌4の付着水量と、分級装置5から除去された粗粒土壌6の付着水量と、沈降脱水装置13から搬出された沈降細粒土壌14の含水量との合計水量、つまり汚染土壌の浄化工程における損失水分量とほぼ等しくなっている。
【0035】
しかし、処理水流量測定器18と洗浄水流量測定器20との測定誤差によって損失水分量の誤差が累積されるおそれがある。これを補正するために、演算器25'において循環水受け槽15の水量の変動量Xが求められる。水量の変動量Xは循環水受け槽15の液面高さLの変動として現れるため、該液面高さLが液面測定器25によって測定され、演算器25'に入力される。演算器25'では、循環水受け槽15の断面積をA、目標制御液面をL0とすると、X=A(L0−L)として変動量Xが算出される。この変動量X及び水量差F3は加算器19'に入力され、F4=F3+Xとして補正された損失水分量F4が算出される。
【0036】
一方、蒸気流量測定器30によって蒸気流量F5が測定され、F4及びF5が蒸気流量調節計31に入力される。該蒸気流量調節計31は、F4とF5とを比較し、F4=F5となるように蒸気流量調節弁22に信号を出力する。この信号によって蒸気流量調節弁22が制御され、蒸気の供給量が調節される。このように、蒸気の供給量が損失水分量F4と等しくなるように制御することによって、循環水受け槽15の水量をほぼ一定に保つことができる。
【0037】
次に、蒸気供給装置から循環水受け槽に供給する蒸気量の他の制御方法を図2に基づいて説明する。
この蒸気供給装置50は、図1に示す浄化装置における蒸気供給装置に代えて用いることができ、ボイラー48と、このボイラーから循環水受け槽に蒸気を導く蒸気ライン51と、蒸気ライン51を通じて循環水受け槽42に供給される蒸気量を調節する蒸気流量調節弁44とを備えている。そして、蒸気流量調節弁44は、循環水受け槽42に設けられた液面測定器41の出力に基づき、液面調節計43によって制御されるものとなっている。
【0038】
このような蒸気供給装置50が用いられるときには、液面測定器41によって循環水受け槽42の液面高さH1が測定され、液面調節計43に入力される。この液面調節計43は、液面高さH1と基準となる液面高さH2との差に基づいて、H1=H2となるように蒸気流量調節弁44を調節し、蒸気の供給量を制御する。一方、洗浄水ライン52では、循環水受け槽42からの洗浄水の供給量が洗浄水流量測定器46によって測定され、この値が一定となるように、洗浄水流量調節弁47が洗浄水流量調節計45によって制御される。
【0039】
この浄化装置では、循環水受け槽42の液面高さの変動を測定することによって蒸気供給量を制御することができ、装置を簡素化することができる。また、測定項目の点数が少ないため、測定誤差による蒸気供給量の誤差が生じにくい。
【0040】
次に、図1に示す浄化装置において汚染土壌の浄化実験を行った結果について説明する。
C重油で重量比5%に汚染した土壌投入スピード14t/hに対し、洗浄工程で洗浄水供給スピード6t/hで供給し、同じく8t/hを湿式篩工程、分級工程の循環水に付加して使用した。凝集工程では、高pH用凝集剤に35%の硫酸第二鉄70ppmを加え、pH操作液に25%苛性ソーダを使用して、凝集工程をpH=11に保持して運転した。篩上粗粒土壌、分級粗粒土壌、沈降細粒土壌とともに系外に持ち出された水量は1t/hとなり、ボイラーから不足分の蒸気1t/hを補給した結果、洗浄水は20℃から60℃に上昇した。この洗浄処理の結果、汚染土壌のC重油の除去率は82%となった。この値は、凝集工程でのpH=7、液温20℃で洗浄したC重油の除去率10%、pH=11、20℃で洗浄した時のC重油除去率38%に対して大幅に除去率が向上した。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明の汚染土壌の浄化装置によれば、洗浄装置において加熱された処理水を用いて土壌をスラリーとし、混合攪拌することによって、スラリーに含まれる土壌の粗粒部から汚染物質を良好に剥離することができる。そして、スラリーからほとんど汚染物質を含まない土壌の粗粒部を分離することができる。また、凝集装置では、凝集剤が効果的に作用するようにスラリーのpH値が調整されているため、スラリーに含まれる細粒部は良好に処理水中に凝集沈降する。そして、この処理水の加熱手段として蒸気を用いることによって、処理水を効率良く加熱するとともに、損失した処理水を補給することができ、再び洗浄装置等に洗浄水を安定供給することができる。したがって、電力又は水の使用量を過大とすることなく、効率の良い処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る汚染土壌の浄化装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示す浄化装置で用いることのできる、蒸気供給装置から循環水受け槽に供給する蒸気量の他の制御方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 汚染土壌 2 洗浄装置
3 湿式篩装置 4 粗大なれき等
5 分級装置 6 粗粒部
7 凝集剤投入部 8 pH操作液投入部
9 pH測定器 10 pH調節計
11 pH調節バルブ 12 凝集装置
13 沈降脱水装置 14 細粒部
15 循環水受け槽 16、48 ボイラー
17、49 循環ポンプ 18 処理水流量測定器
19 減算器 20、46 洗浄水流量測定器
21 洗浄水温度指示計 22、44 蒸気流量調節弁
23、45 洗浄水流量調節計 24、47 洗浄水流量調節弁
25、41 液面測定器 26、52 洗浄水ライン
27 処理水ライン 28 洗浄水pH測定器
29 洗浄水pH指示計 30 蒸気流量測定器
31 蒸気流量調節計 32、51 蒸気ライン
33 新水ライン 34、50 蒸気供給装置
35 凝集槽 43 液面調節計

Claims (6)

  1. 汚染物質が付着した汚染土壌と洗浄水とを混合して、流動性のあるスラリーとし、これを攪拌する洗浄装置と、
    該スラリーから粗粒部を除去する分級装置と、
    粗粒部が除去された前記スラリーに、該スラリーに含まれる細粒部を凝集させる凝集剤と、該スラリーのpHを調節するpH操作液とを加え、該細粒部を凝集させる凝集装置と、
    凝集させた前記細粒部を沈降させ、該細粒部と処理水とに分離する沈降脱水装置と、
    前記処理水を貯留し、前記洗浄装置又は前記分級装置に供給する循環水受け槽と、
    前記循環水受け槽内で、前記処理水を加熱する加熱手段とを有し、
    前記加熱手段は、前記循環水受け槽に蒸気を供給する蒸気供給装置であることを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  2. 前記蒸気供給装置は、前記循環水受け槽に投入された前記処理水の量と、前記洗浄装置又は前記分級装置に供給された処理水の量とを比較し、該水量の差の一部又は全部を蒸気によって補給するものであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化装置。
  3. 前記循環水受け槽は、該循環水受け槽の液面高さを検出する液面計を有し、
    前記蒸気供給装置は、前記液面計によって検出された液面高さによって、蒸気の供給量を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化装置。
  4. 前記凝集装置は、前記スラリーのpHが10以上となるように、前記pH操作液を加えることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化装置。
  5. 汚染物質が付着した汚染土壌の浄化方法であって、
    汚染物質が付着した汚染土壌に水を加え、流動性のあるスラリーとして混合攪拌し、
    前記スラリーに含まれる粗粒部を除去し、
    前記粗粒部が除去された前記スラリーに、該スラリーに含まれる細粒部を凝集させる凝集剤と、該スラリーのpHを調節するpH操作液とを加え、処理水中に該細粒部を凝集沈降させ、
    凝集した前記細粒部を分離した後の前記処理水に、蒸気を供給することによって水量を補充するとともに、前記蒸気の潜熱によって加熱し、該処理水を、粗粒部を除去する前の前記汚染土壌又はスラリーに供給することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記蒸気は、前記スラリーに含まれる粗粒部及び細粒部を分離した後の水量と、前記汚染土壌又はスラリーに加水する水量とを比較し、該水量の差の一部又は全部を補充するものであることを特徴とする請求項5に記載の汚染土壌の浄化方法。
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