JP3788197B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用または業務用で使用され、複数の加熱部を備えた加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の加熱調理器について図面を参照しながら説明する。図2は従来の加熱調理器の構成を示すブロック図である。図2において、1は商用電源、2は第1の加熱部、3は第2の加熱部、4は第1の加熱部2を駆動する第1の駆動部、5は第2の加熱部3を駆動する第2の駆動部、6は第1の加熱部2の動作状態を設定する第1の操作部、7は第2の加熱部3の動作状態を設定する第2の操作部である。
【0003】
また、本従来例では、第1の操作部6および第2の操作部7は、同一の印刷配線板上に載置して使用者が容易に操作できる位置に配置され、第1の駆動部4は第1の操作部6と第2の操作部7とは別の印刷配線板上に載置し、第1の加熱部2と電気的接続部品、コネクタ、およびリード線を介して接続されている。第2の駆動部5も第1の操作部6と第2の操作部7とは別の印刷配線板上に載置し、第2の加熱部3と電気的接続部品、コネクタ、およびリード線を介して接続されている。第1の駆動部4と第1の操作部6、第2の駆動部5と第2の操作部7は、それぞれコネクタ、およびリード線で電気的に接続されている。
【0004】
上記構成における動作について説明する。第1の駆動部4は、商用電源1から生成した直流電源により動作電源を得て、商用電源1から検知した零点を基準にして動作している。第1の操作部6は、第1の駆動部4から動作電源と商用電源1の零点のタイミングとを供給されて動作している。また、第1の操作部6と第1の駆動部4は、商用電源1の零点に基づく同期タイミングにより相互にデータを送受信している。
【0005】
たとえば、第1の操作部6は、設定した第1の加熱部2の動作状態をコード化した2値のシリアルデータを商用電源1の零点のタイミングで第1の駆動部4に出力し、これを受けた第1の駆動部4は、このシリアルデータをデコードして第1の操作部6で設定された第1の加熱部2の動作状態を得て第1の加熱部2に制御信号を出力し、第1の加熱部2の火力などを制御する。また、第1の加熱部2または第1の駆動部4で異常が発生した場合は、第1の駆動部4がその異常を検知し、異常状態に対応したシリアルデータを作成して第1の操作部6に商用電源1の零点を同期タイミングとして出力し、これを受けた第1の操作部6は、このシリアルデータをデコードして第1の加熱部2または第1の駆動部4の異常状態を得て使用者にこの異常状態を報知すると言うような動作を行う。このとき、第1の操作部6と第1の駆動部4とを結ぶ信号リード線数は、商用電源1の零点用に1本、動作電源用に2本、データ往信用に1本、データ復信用に1本の計5本である。
【0006】
これと同様に、第2の駆動部5は、商用電源1から生成した直流電源により動作電源を得て、商用電源1から検知した零点を基準にして動作している。第2の操作部7は、第2の駆動部5から動作電源と商用電源1の零点のタイミングとを供給されて動作している。また、第2の操作部7と第2の駆動部5は、商用電源1の零点を同期タイミングとして相互にデータを送受信している。
【0007】
たとえば、第2の操作部7は設定した第2の加熱部3の動作状態をコード化した2値のシリアルデータを商用電源1の零点のタイミングで第2の駆動部5に出力し、これを受けた第2の駆動部5は、このシリアルデータをデコードして第2の操作部7で設定された第2の加熱部3の動作状態を得て第2の加熱部3に制御信号を出力し、第2の加熱部3の火力などを制御する。また、第2の加熱部3または第2の駆動部5で異常が発生した場合は、第2の駆動部5がその異常を検知し、異常状態に対応したシリアルデータを作成し、第2の操作部7に商用電源1の零点を同期タイミングとして出力し、これを受けた第2の操作部7は、このシリアルデータをデコードして第2の加熱部3または第2の駆動部5の異常状態を得て使用者に報知すると言うような動作を行う。このとき、第2の操作部7と第2の駆動部5とを結ぶ信号リード線数は、商用電源1の零点用に1本、動作電源用に2本、データ往信用に1本、データ復信用に1本の計5本である。
【0008】
また、第1の操作部6と第2の操作部7は、互いの動作状態、たとえば、加熱動作中であるか否かを知るために、静的なデータ、たとえば、第1の加熱部2が加熱動作中であれば第1の操作部6は第2の操作部7にHigh信号を出力するなどのやり取りを行っている。この第1の操作部6と第2の操作部7の動作状態のやり取りにより、第1の加熱部2と第2の加熱部3とによる総火力の一定化を図り、電気調理器であれば、負荷電流量をブレーカ容量以下に抑えて、頻繁にブレーカ断となることを防止している。このときのデータのやり取りは、第1の操作部6と第2の操作部7の動作電源が別系統であること、および動作基準となる商用電源1の零点のタイミングも別系統より得ているため、フォトカップラなどの絶縁信号伝達素子を用いて静的(スタティック)に行っている。
【0009】
以上のように、商用電源1の零点を同期信号として操作部と駆動部と加熱部とからなる組内および組間でシリアルデータないし静的データを相互にやり取りすることで、膨大な動作状態や異常状態を最小限度の信号リード線数、ここでは5本ずつ、と絶縁信号伝達素子とにより複数の加熱部を制御できる構成であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の加熱調理器では、第1の操作部6、第2の操作部7、第1の駆動部4、および第2の駆動部5にそれぞれ1つのマイクロコンピュータを使用している。すなわち、第1の操作部6と第1の駆動部4との組、および第2の操作部7と第2の駆動部5との組でそれぞれ2個のマイクロコンピュータを用い、その組の操作部と駆動部のそれぞれのマイクロコンピュータ間で相互に通信を行うことで、対応する加熱部の制御がその組内で完結されている。
【0011】
このような構成は、第1の加熱部2ないし第2の加熱部3が、それぞれ誘導加熱式などの高速度で緻密な制御を要するものである場合に、それぞれのマイクロコンピュータの処理負担を軽減するとともに、信号リード線数を削減するための構成であるが、制御すべき加熱部の数が増えた場合には、操作部と加熱部との組でマイクロコンピュータの数を増やさなくてはならず、また、これに伴って信号リード線も比例的に増大し、本従来例では5本の倍数となると言う問題がある。
【0012】
また、各操作部が各加熱部の動作状態を把握する必要がある場合には、各操作部間の絶縁信号伝達素子を介した静的データの交換数も増大するため、前記絶縁信号伝達素子などの部品数が増加すると言う問題がある。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するもので、制御すべき加熱部数が増加しても、マイクロコンピュータなどの制御に関わる電子部品数の増加や信号リード線の比例的増加がなく、信頼性が高く、安全で、より安価な加熱調理器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる本発明は、加熱部と、動作電源の片側電位が接続される動作基準電位を有し前記加熱部を駆動する駆動部との組を複数組と、前記各組の駆動部と相互にデータを送受信する1つの操作部とを備え、前記各組の駆動部は、それぞれ自己が検知した商用電源の零点を自己の動作基準としかつそれぞれ自己の動作基準電位を他の組の駆動部の前記動作基準電位と異なる電位として動作するとともに、前記自己の動作基準を同期タイミングとして前記操作部との信号を入出力し、前記操作部は、前記複数組のうちの1つの特定組の駆動部の動作基準を得て自己の動作基準としかつ自己の動作電源の片側電位が接続される自己の動作基準電位を前記複数組のうちの1つの特定組の駆動部の前記動作基準電位と同電位として動作し、その動作基準を同期タイミングとして前記各組の駆動部に対して前記各組の駆動部に対応する前記加熱部の動作設定の信号を出力するとともに前記各組の駆動部から対応する前記加熱部の動作状態の信号を入力するようにした加熱調理器である。
【0015】
本発明により、操作部を1つのマイクロコンピュータで構成して簡素化できるとともに、加熱部当りの信号リード線数を削減することができる。
【0016】
請求項2に係わる本発明は、特定組において、加熱部をインバータで構成するとともに、その加熱部の動作基準電位である前記インバータのスイッチング素子のエミッタを操作部の動作基準電位と同電位とした請求項1に係わる加熱調理器である。
【0017】
本発明により、操作部は、特定組の駆動部のみならず加熱部とも絶縁信号伝達手段を必要とせずに通信でき、構成を簡素化できるとともに、インバータで構成された加熱部を駆動部を介さずに制御することも可能とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
請求項1に係わる本発明は、加熱部と、動作電源の片側電位が接続される動作基準電位を有し前記加熱部を駆動する駆動部との組を複数組と、前記各組の駆動部と相互にデータを送受信する1つの操作部とを備え、前記各組の駆動部は、それぞれ自己が検知した商用電源の零点を自己の動作基準としかつそれぞれ自己の前記動作基準電位を他の組の駆動部の前記動作基準電位と異なる電位として動作するとともに、前記自己の動作基準を同期タイミングとして前記操作部との信号を入出力し、前記操作部は、前記複数組のうちの1つの特定組の駆動部の動作基準を得て自己の動作基準としかつ自己の動作電源の片側電位が接続される自己の動作基準電位を前記複数組のうちの1つの特定組の駆動部の前記動作基準電位と同電位として動作し、その動作基準を同期タイミングとして前記各組の駆動部に対して前記各組の駆動部に対応する前記加熱部の動作設定の信号を出力するとともに前記各組の駆動部から対応する前記加熱部の動作状態の信号を入力するようにした加熱調理器である。
【0019】
本発明において、加熱部とそれを駆動する駆動部との組を複数組備え、調理物または調理物の入った容器を加熱して調理を行う。また、使用者が操作部を操作することにより各組の加熱部の加熱火力などの動作設定を行う。操作部は、設定された動作状態に対応した2値のデータ群(シリアルデータ)を作成し、商用電源の零点を同期タイミングとして対応する駆動部に送信する。このデータ群を受け取った駆動部は、即座にデコードし、デコードしたデータに基づいて加熱部を駆動制御する。また、加熱部または駆動部で発生した異常や、他の加熱部の制御に必要なデータについては、該当する駆動部が、発生している状態に対応したコード化した2値のデータ群を作成し、商用電源の零点の動作基準を同期タイミングとして操作部に送信する。このデータ群を受け取った操作部は、即座にデコードし、デコードしたデータに基づいて該当する加熱部または駆動部の異常状態を使用者に報知したり、他の駆動部に必要なデータを送信する。
【0020】
このとき、各組の駆動部は、それぞれ自己が検知した商用電源の零点を動作基準とし、それぞれの動作基準を同期タイミングとして操作部にデータを入出力し、一方、操作部は、複数組のうちの1つの特定組の駆動部から供給される動作基準を自己の動作基準とし、その動作基準を同期タイミングとしてデータを入出力する。したがって、動作基準を供給されない他の組の駆動部の同期タイミングと操作部の同期タイミングとは必ずしも一致しないが、その間のずれを考慮したタイミングで読み込むことにより、その間の信号リード線を1本低減しながら相互の通信を確立している。また、操作部は、前記特定組から電源を供給されて、動作基準電位も同一にしている。
【0021】
このように、信号リード線数を低減しながら、すべての組の駆動部と相互に通信して各組の加熱部および駆動部の動作状態を把握でき、各加熱部の加熱火力などを総合的に制御し、また、操作部を1つとすることにより、1つのマイクロコンピュータなどの集積回路で容易に構成できるとともに、従来例に見られた操作部間における電位の異なる信号のやり取りを削減している。
【0022】
請求項2に係わる本発明は、特定組において、加熱部をインバータで構成するとともに、その加熱部の動作基準電位である前記インバータのスイッチング素子のエミッタを操作部の動作基準電位と同電位とした請求項1に係わる加熱調理器である。
【0023】
本発明において、特定組では、スイッチング素子などを含むインバータを用いた加熱部とし、それを駆動制御する駆動部と動作基準電位を同電位とする。したがって、駆動部は、フォトカップラなどの絶縁信号伝達素子の使用数の少ない構成でインバータを駆動できるとともに、操作部は、比較的に時間がかかる商用電源の零点の動作基準を同期タイミングとする駆動部との通信を用いることなく、かつ絶縁信号伝達手段を用いずに加熱部の動作状態をモニタしたり、駆動部が故障などで加熱部を制御できなくなった場合に、直接、加熱部に対して所望の処理を施すことを可能にする。
【0024】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の加熱調理器の実施例1について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1および請求項2に係わる。
【0026】
図1は、本実施例の構成を示すブロック図である。なお、従来例と同じ構成要素には同一符号を付与している。図1において、1は商用電源、2は第1の加熱部、3は第2の加熱部、4は第1の加熱部2を駆動する第1の駆動部、5は第2の加熱部3を駆動する第2の駆動部、8は第1の加熱部2および第2の加熱部3の動作状態を設定する操作部である。
【0027】
また、本実施例では、操作部8は、第1の加熱部2および第1の駆動部4、第2の加熱部3および第2の駆動部5とは別の印刷配線板上に載置されて使用者が容易に操作できる位置に配置され、第1の駆動部4は、操作部8、第2の加熱部3、および第2の駆動部5とは別の印刷配線板上に載置され、第1の加熱部2と電気的接続部品、コネクタ、およびリード線を介して接続されている。また、第2の駆動部5は、操作部8、第1の加熱部2および第1の駆動部4とは別の印刷配線板上に載置され、第2の加熱部3と電気的接続部品、コネクタ、およびリード線を介して接続されている。また、第1の駆動部4と操作部8、第2の駆動部5と操作部8とは、それぞれコネクタ、および信号リード線で電気的に接続されている。
【0028】
また、本実施例では、第1の加熱部2は、IGBTなどのスイッチング素子を含むインバータ2aを用いた誘導加熱方式とし、インバータ2a、第1の駆動部4、および操作部8のそれぞれの動作基準電位は同電位である。そして、第1の加熱部2の所定の動作状態、たとえば、動作停止や異常電圧印加や雰囲気温度などを、第1の駆動部4を介さずに、操作部8に出力するための信号リード線と、この出力に対する操作部8の処理出力を第1の加熱部2に出力するための信号リード線とが設けられている。
【0029】
また、操作部8は、樹脂などでモールドされた1チップのマイクロコンピュータ8aと、スイッチなどで構成された動作設定手段8bと、LEDやLCDなどで構成された表示手段8cと、第2の駆動部5とデータ通信するためのフォトカップラなどで構成された絶縁信号伝達手段8dとを備えている。ここで、第2の駆動部5とのデータ通信に絶縁信号伝達手段8dを設けているのは、第1の駆動部4と第2の駆動部5の動作電源が共通でない、すなわち動作基準電位が異なるためである。
【0030】
上記構成における動作について説明する。第1の駆動部4は、商用電源1から生成した直流電源により動作電源を得るとともに、商用電源1から検知した零点を動作基準として動作している。操作部8は、第1の駆動部4から動作電源と商用電源1の動作基準とを供給されて動作している。これにより、操作部8と第1の駆動部4とは、両者に共通の前記動作基準を同期タイミングとして相互にデータを送受信している。
【0031】
たとえば、使用者が動作設定手段8bのスイッチを操作することにより第1の加熱部2を動作させようとすると、操作部8のマイクロコンピュータ8aは、表示手段8cにその設定状態を表示するとともに、設定された第1の加熱部2の設定状態をコード化した2値のシリアルデータを、第1の駆動部4から供給されている動作基準を同期タイミングとして第1の駆動部4に信号リード線を介して出力し、これを受けた第1の駆動部4は、そのシリアルデータをデコードして操作部8で設定された第1の加熱部2の設定状態を得て、第1の加熱部2に制御信号を出力し、第1の加熱部2の動作開始や火力などを制御する。
【0032】
また、第1の加熱部2または第1の駆動部4で異常が発生した場合や第2の加熱部3の制御に必要な状態が発生した場合は、第1の駆動部4がその状態を検知し、その状態に対応したシリアルデータを作成して、操作部8のマイクロコンピュータ8aに前記動作基準を同期タイミングとして信号リード線を介して出力し、これを受けたマイクロコンピュータ8aは、前記シリアルデータをデコードして第1の加熱部2または第1の駆動部4の動作状態を得て、使用者に異常状態などの動作状態を表示手段8cに表示して報知したり、第2の加熱部3の制御に必要な情報を第2の駆動部5に送信すると言うような動作を行う。このとき、操作部8と第1の駆動部4とを結ぶ信号リード線数は、商用電源1の零点用に1本、動作電源用に2本、データ往信用に1本、データ復信用に1本の合計5本である。
【0033】
一方、第2の駆動部5は、商用電源1から生成した直流電源により動作電源を得るとともに、商用電源1から検知した零点を動作基準として動作している。また、操作部8と第2の駆動部5とのデータの送受信については、操作部8は、第1の駆動部4から得た動作基準を同期タイミングとし、第2の駆動部5は、自らが検知した商用電源1の零点の動作基準を同期タイミングとして、相互にデータを送受信している。このとき、操作部8の同期タイミングと第2の駆動部5の同期タイミングとは、その検知ばらつきなどにより多少のずれ、本実施例では約数百μs、が生じるが、各データの読み込みタイミングを商用電源1の零点を得てから充分な時間後、本実施例では商用電源1の零点を検知してから約2ms後、としてあるので、各駆動部における同期タイミングのずれは無視できる。
【0034】
たとえば、使用者が動作設定手段8bのスイッチを操作することにより第2の加熱部3を動作させようとすると、操作部8のマイクロコンピュータ8aは、表示手段8cにその設定状態を表示するとともに、設定された第2の加熱部3の設定状態をコード化した2値のシリアルデータを、第1の駆動部4から供給された動作基準を同期タイミングとして、フォトカップラなどで構成される絶縁信号伝達手段8dと信号リード線とを介して第2の駆動部5に出力し、第2の駆動部5は、そのデータを自らが検知した商用電源1の零点の動作基準を同期タイミングとして受信し、そのシリアルデータをデコードして設定状態を得て、第2の加熱部3に制御信号を出力し、第2の加熱部3の動作開始や火力などを制御する。
【0035】
また、第2の加熱部3または第2の駆動部5で異常が発生した場合や第1の加熱部2の制御に必要な状態が発生した場合は、第2の駆動部5がその状態を検知し、その状態に対応したシリアルデータを作成し、自己の動作基準を同期タイミングとして信号リード線と絶縁信号伝達手段8dとを介して操作部8のマイクロコンピュータ8aに出力し、マイクロコンピュータ8aは、第1の駆動部4から供給されている動作基準を同期タイミングとしてシリアルデータを受信し、そのシリアルデータをデコードして第2の加熱部3または第2の駆動部5の動作状態を得、使用者に異常状態などの動作状態を表示手段8cに表示して報知したり、第1の加熱部2の制御に必要な情報を第1の駆動部4に送信すると言うような動作を行う。このとき、操作部8と第2の駆動部5とを結ぶ信号リード線数は、データ通信基準電位用に2本、データ往信用に1本、データ復信用に1本の合計4本である。
【0036】
以上の動作により、操作部8は、第1の駆動部4および第2の駆動部5とそれぞれ相互に通信しているので、第1の加熱部2、第1の駆動部4、第2の加熱部3、および第2の駆動部5の動作状態をすべて把握して制御することができる。また、加熱部が電気ヒータのような単純な加熱部である場合には、操作部内でフォトカップラのような絶縁信号伝達素子などを用いたシリアルデータの入出力を行う必要もなく、各加熱部が消費している総電力を即座に電源ブレーカが遮断しないような設定に制御することなどが可能となる。
【0037】
さらに、加熱部がIGBTなどのスイッチング素子を含むインバータを用いた誘導加熱方式などである場合には、組となっている加熱部と駆動部とで動作基準電位を同電位にし、その中の1つの組と操作部とで動作基準電位を同電位とすることで、全体構成としても簡素化を図ることができる。
【0038】
たとえば、第1の加熱部2がIGBTなどのスイッチング素子を含むインバータ2aを用いた誘導加熱方式である場合には、第1の駆動部4の動作基準電位と操作部8の動作基準電位とを同電位とするとともに、インバータ2aの動作基準電位であるIGBTのエミッタを第1の駆動部4の動作基準電位と同電位とすることにより、第1の駆動部4がIGBTに駆動タイミングを伝達するためや、第1の駆動部4や操作部8がインバータ2aの動作状態などをモニタするための絶縁信号伝達素子数を削減でき、第1の駆動部4を構成するIGBT駆動回路や各種の検知回路を簡素化できる。さらに、操作部8は、第1の加熱部2の動作状態を絶縁信号伝達手段を介さずに直接にモニタすることも可能となるので、第1の駆動部4の故障や暴走などで第1の加熱部2を制御できなくなったりしても操作部8が補助的に第1の加熱部2の動作を制御することも可能となる。
【0039】
以上のように本実施例によれば、各駆動部は、それぞれが検知した商用電源1の零点の動作基準を同期タイミングとして操作部8とデータを入出力するので、操作部8と動作電源を共用していない駆動部と接続する信号リード線数を1系統削減できるとともに、操作部8を1つのマイクロコンピュータ8aを用いて簡素な構成とすることができる。また、加熱部と駆動部との特定の組の動作基準電位と操作部8の動作基準電位とを同電位にしているので、その加熱部の動作状態をモニタするための検知回路の構成を簡素化することができる。
【0040】
なお、本実施例では、加熱部が2つである場合について説明したが、3つ以上である場合でも同様の効果を得られることは言うまでもない。また、駆動部が検知した状態は加熱部や駆動部の異常状態のみならず、被加熱物の近傍に設置した温度検知素子から得る温度情報や、駆動部が載置される印刷配線板などの周囲温度情報などのデータを操作部8に送信する場合でも同様の効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に係わる本発明によれば、操作部を1つのマイクロコンピュータで構成して簡素化できるとともに、動作電源を共用していない組の駆動部と接続する信号リード線数を1系統削減することができる。
【0042】
請求項2に係わる本発明によれば、操作部は、特定組の駆動部のみならず加熱部とも絶縁信号伝達手段を必要とせずに通信でき、構成を簡素化できるとともに、インバータで構成された加熱部を駆動部を介さずに制御でき、たとえば、その駆動部が故障した場合でも前記インバータの停止などの制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱調理器の実施例1の構成を示すブロック図
【図2】従来の加熱調理器の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 商用電源
2 第1の加熱部(加熱部)
2a インバータ
3 第2の加熱部(加熱部)
4 第1の駆動部(駆動部)
5 第2の駆動部(駆動部)
6 第1の操作部
7 第2の操作部
8 操作部
8a マイクロコンピュータ
8b 動作設定手段
8c 表示手段
8d 絶縁信号伝達手段
Claims (2)
- 加熱部と、動作電源の片側電位が接続される動作基準電位を有し前記加熱部を駆動する駆動部との組を複数組と、前記各組の駆動部と相互にデータを送受信する1つの操作部とを備え、前記各組の駆動部は、それぞれ自己が検知した商用電源の零点を自己の動作基準としかつそれぞれ自己の前記動作基準電位を他の組の駆動部の前記動作基準電位と異なる電位として動作するとともに、前記自己の動作基準を同期タイミングとして前記操作部との信号を入出力し、前記操作部は、前記複数組のうちの1つの特定組の駆動部の動作基準を得て自己の動作基準としかつ自己の動作電源の片側電位が接続される自己の動作基準電位を前記複数組のうちの1つの特定組の駆動部の前記動作基準電位と同電位として動作し、その動作基準を同期タイミングとして前記各組の駆動部に対して前記各組の駆動部に対応する前記加熱部の動作設定の信号を出力するとともに前記各組の駆動部から対応する前記加熱部の動作状態の信号を入力するようにした加熱調理器。
- 特定組において、加熱部をインバータで構成するとともに、その加熱部の動作基準電位である前記インバータのスイッチング素子のエミッタを操作部の動作基準電位と同電位とした請求項1記載の加熱調理器。
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