JP3787803B2 - 永久磁石式同期モータの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型強力な永久磁石を界磁に利用した永久磁石式同期モータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型強力な永久磁石を界磁に利用した同期モータは、小型化が可能であり、また、モータを含む駆動装置が小型化でき、効率が向上するメリットがある。
このようなモータの制御装置としては、直流電圧を入力し可変電圧・可変周波数の交流に変換する電圧形のインバータが用いられ、さらに、インバータに入力する直流電圧を供給する装置には、回路構成が簡単かつ経済的であるという理由からダイオードと平滑コンデンサを用いたコンデンサインプット形のコンバータがよく用いられる。このような構成の電圧形のインバータにより同期モータを駆動する場合、モータをある程度の期間で減速する用途では、モータからの回生電力によりインバータ入力側の平滑コンデンサが充電され、直流電圧が上昇し、インバータのスイッチング素子等が破壊する恐れがあるため、モータからの回生電力を処理し、平滑コンデンサが充電されないようにする必要がある。この技術は、上山著「ニュードライブエレクトロニクス」(電機書院,1984年2月改定第1版発行)87〜88頁に記載されている。その主な技術としては、インバータ側と全く同様なスイッチング素子のチョッパブリッジによりコンバータを構成し、これを交流リアクトルを介して交流電源に接続し、交流電源と直流電源間の電力を制御するものと、抵抗とスイッチング素子を平滑コンデンサと並列に構成し、チョッパ動作により回生電力を抵抗に消費させるものである。
このように、上記技術では、回生電力を処理するための回路を新たに設ける必要がある。この回生電力処理回路を不要にする技術として、平滑コンデンサの直流電圧の値が一定値以上になったら、モータに印加する電圧の位相を一定角度だけ遅らせる技術がある。この技術は、例えば特開昭63-35190号公報に記載されている。
しかし、上記の電圧位相を一定角度だけ遅らせる技術では、モータのトルク管理の概念がなく、モータの誘起電圧と電流との力率のみに着目して回生電力を低減するため、制動時に所望の制動トルクを得ることができない問題がある。特に、エレベータのように、乗り心地が優先される用途では、乗り心地を考慮して作成した速度指令パターンに追従するように、巻上機用モータのトルクを力行や回生運転状態に関わらず、高精度に管理する必要がある。上記技術では、回生時のトルクを高精度に制御できず、そのため、回生電力を処理するための回路を設ける以外に方法がなかった。この結果、永久磁石式同期モータの高精度なトルク制御が必要な用途では、回生電力処理回路が必要となり、駆動装置の小型化を妨げる要因の一つになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記事情に鑑み、モータのトルクを力行や回生などの運転状態に関わらず、精度よく管理した上で、モータからの回生電力をモータ内部で消費させることにより、回生電力処理の回路を不要もしくは回路容量を削減し、制御システム全体を小型かつ経済的に構築するに好適な永久磁石式同期モータの制御装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、永久磁石式同期モータの制御装置において、d軸電流指令装置おけるd軸電流成分の指令値を、モータの力行運転状態と回生運転状態とに応じて切替え、モータが回生運転状態のとき、インバータの直流電圧の上昇を所定値内に抑制するために、モータから発生する回生電力をモータの内部で消費するように、モータの回生電力に応じてd軸電流成分の指令値を発生する。
ここで、トルク指令とモータの回転速度から演算したモータの出力電力に基づいて、力行運転状態及び回生運転状態を判別する。
ここで、d軸電流成分の指令値は、トルク指令とモータの回転速度から演算したモータの回生電力と、q軸電流成分の指令値に基づいて演算する。
ここで、モータが力行運転状態のとき、d軸電流指令装置におけるモータのd軸電流成分の指令値をモータが発生する損失を最小化する値とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による永久磁石式同期モータの制御装置を示す。図1において、交流電源51の交流電圧はダイオードにより構成したコンバータ52によって直流に変換され、この直流電圧は平滑コンデンサ53によって平滑され、更にインバータ54によって可変電圧・可変周波数の交流に変換される。インバータ54の出力は永久磁石式同期モータ56に供給され、これにより同期モータ56を可変速駆動する。永久磁石式同期モータ56の回転軸は負荷59に接続され、さらに、位置検出器57、速度検出器58に接続される。位置検出器57は、レゾルバやエンコーダなどが用いられ、同期モータ56の電機子と永久磁石界磁の相対的位置、すなわち、回転角を検出する。速度検出器58は、エンコーダなどが用いられ、同期モータ56の回転速度を検出する。なお、図示の例では、位置検出器57、速度検出器58を機能に分け、別記したが、実際にはレゾルバやエンコーダなど同一の機器により構成してもよい。
【0006】
今、速度指令装置61から速度指令ω*が出力されると、速度検出器58の出力信号ωとの偏差Δωが速度制御装置62に入力される。速度制御装置62は、この偏差に応じて働き、その出力信号は同期モータ56のトルク指令信号T*になる。速度制御装置62の出力信号T*は、q軸電流指令装置63に入力され、q軸電流指令装置63ではトルク指令信号T*に応じたq軸電流指令Iq*が演算される。q軸電流指令Iq*は、同期モータ56の電機子電流ベクトルの磁界方向と直交する成分の指令であり、電流制御装置65に入力される。一方、d軸電流指令装置64は、後述するような方法により、d軸電流指令Id*を演算する。d軸電流指令Id*は同期モータ56の電機子電流ベクトルの磁界と同方向成分の指令であり、その指令信号の主たる目的は、同期モータ56のトルクだけでなく、運転状態に応じて同期モータ56の損失の最小化や平滑コンデンサの直流電圧の上昇を抑制することにある。このd軸電流指令信号Id*も電流制御装置65に入力される。電流制御装置65は、位置検出器57からの信号θをもとに、電流検出器55によって検出した実際の電流iが指令通りに流れるように制御する。その出力はd軸及びq軸の直流電圧指令Vd*,Vq*になる。電流制御装置65の出力信号Vd*,Vq*はPWMパルス発生装置66に入力され、PWMパルス発生装置66では位相検出器57からの信号θと直流の電圧指令信号Vd*,Vq*とをもとに、インバータ54を駆動するPWMパルス信号をインバータ54に出力する。インバータ54ではPWMパルス発生装置66からのPWMパルス信号により、PWM制御が実行され、インバータ54の出力電圧、出力周波数が制御される。
このようにして、同期モータ56に流れる電流が制御され、結果として、力行運転時にはモータの損失を最小化できるとともに、回生運転時には平滑コンデンサ53の直流電圧を抑制することができる。
【0007】
図2は、図1の制御の原理を示す電流、電圧のベクトル図である。図2において、 Ia:電機子電流、 Id,Iq:Iaのd,q軸成分
Ea:無負荷誘起電圧、 Va:端子電圧
Ra:電機子抵抗、 xd,xq:d,q軸のリアクタンス(xd=xad+xl,xq=xaq+xlで、xad,xaq,xlは、d,q軸電機子反作用リアクタンス及び漏れリアクタンスである。)
φ:力率角、 γ:電流位相角、 δ:負荷角
である。
【0008】
図2より、力行時においてインバータ54から同期モータ56へ出力される電力Pinvは、数式(1)となる。
同期モータ56が円筒機の場合、xd=xqであるから、数式(1)は、
Pinv=3・Ea・Iq+3・(Ra・Iq2+Ra・Id2)…(1’)
と書き直せる。数式(1’)の右辺第1項が同期モータの出力Pmotとしてモータ軸に伝達され、残る右辺第2項がモータの内部損失Plossとなる。
従って、数式(1’)は、
Pinv=Pmot+Ploss …(2)
Pmot:モータ軸出力,Pmot=3・Ea・Iq
Ploss:モータ内部損失,
Ploss=3・(Ra・Iq2+Ra・Id2)
で表せる。
モータが回生運転状態では、モータは発電機として働くため(インバータからモータへ向う電力を正極性に定めたため、回生時のPmotは負極性になる。)、数式(2)は、
Pinv=−Pmot+Ploss …(2’)
となる。数式(2’)の回生時において、モータ軸からの発電電力(|−Pmot|)がモータの内部損失(|Ploss|)より大きくなると、インバータ出力電力Pinvの極性は負極性を示し、モータからインバータに電力が流入する。この流入した電力がインバータ入力の平滑コンデンサを充電し、直流電圧を上昇させる。
一方、モータのトルクTは、
と表わされる。ここで、
ω:モータ軸の回転角速度,ω=ω1/(p/2)
ω1:電気回転角周波数,p:モータの極数
Φa:磁束
Ld,Lq:d,q軸のインダクタンス
であり、
Ea=ω1・Φa …(4)
xd=ω1・Ld,xq=ω1・Lq …(5)
である。このとき、同期モータ56が円筒機の場合、Ld=Lqであるから、トルクTは、
T=3・p/2・Φa・Iq …(6)
のように表わされる。
この結果、トルクTは、電流のq軸成分Iqのみに比例する。従って、力行や回生などの運転状態に関わらず、電流のq軸成分Iqを必要なトルクに応じて制御すれば、精度の良いトルク制御が行われることが分かる。
このように、電流のd軸成分Idは、トルクの発生に寄与しないため、トルク制御系において独立変数として扱える。これを利用して、力行運転状態では、d軸成分Idを零に設定して制御することにより、数式(2)のモータの内部損失Plossを最小化でき、インバータの出力電力Pinvをモータ軸出力Pmotへ有効に変えることができる。
【0009】
他方、回生運転状態では、d軸成分Idの制御目的をカ行時とは違う目的にする。その目的とは、モータからインバータに流入される電力をモータの内部損失で調整し、インバータ入力段の平滑コンデンサの直流電圧の上昇を抑制することである。この目的を達成する原理について次に述べる。
回生時におけるインバータの出力電力Pinvの式を数式(2’)で説明したように、モータ軸からの発電電力Pmotがモータの内部損失Plossより大きくなると、インバータ出力電力Pinvが負極性となり、モータからインバータに電流が流入し、インバータ入力段の直流電圧が上昇する。ここで、モータ軸からの発電電力Pmotは、トルク制御上で一意に決まるため、調整することはできないが、モータの内部損失Plossは、d軸成分Idの項を含むため、調節することができる。従って、d軸成分電流を適当な値に制御すれば、モータの内部損失Plossを調整でき、その結果、インバータの出力電力Pinvを調整できることが分かる。
インバータ入力段の直流電圧の上昇を抑制するためには、平滑コンデンサ53への充電電力、すなわち、インバータ出力電力Pinvを零にすればよい。以上のことから、数式(2’)において、Pinv=0を代入して得られる条件、Pmot=Plossに基づいて、d軸電流成分の値を決定し、これがモータに流れるように制御すれば、前記目的は達成できることが分かる。
このように、回生運転状態では、モータ軸からの発電電力をd軸電流成分によって調整されたモータの内部損失で相殺するため、インバータ入力段の直流電圧の上昇を抑制できる。
【0010】
図3は、上記の原理を応用したd軸電流指令装置64の構成例である。図3では円筒機の場合(Ld=Lq)であり、q軸電流指令信号Iq*はq軸電流指令装置63で速度制御装置62からのトルク指令T*を数式(6)の原理により変換したものである。
d軸電流指令装置64は、モータ出力電力演算器641、判定器642、d軸電流演算器643、切替器644からなる。モータ出力電力演算器641は、速度制御装置62からのトルク指令T*と速度検出器58からの回転速度ωから、数式(7)により、モータの出力電力Pmotを演算する。
Pmot=ω・T* …(7)
判定器642は、モータ出力電力演算器641で演算したモータ出力電力Pmotの極性を判定し、切替器644に指令切替信号を出力する。d軸電流演算器643では、q軸電流指令装置63からのq軸電流指令Iq*とモータ出力電力演算器641からのモータ出力電力Pmotから、数式(8)に基づいて演算を行い、d軸電流Idrefを演算する。
|Pmot|=Ploss
|Pmot|=3・(Ra・Iq2+Ra・Id2)
Idref=√{(|Pmot/3|−Ra・Iq2)/Ra}…(8)
切替器644は、判定器642からの指令切替信号に応じてd軸電流指令Id*に設定する電流値を切替える。すなわち、Pmot≧0(モータ力行運転状態)ならば、Id*=0、Pmot<0ならば、Id*=Idref(モータ回生運転状態)とする。
このように、d軸電流指令Id*を制御することにより、モータ軸からの発電電力を内部損失で相殺できるため、インバータ入力側の直流電圧の上昇を抑制することができる。
【0011】
こうして得られた電流指令Iq*、Id*は電流指令装置65に入力される。図4は、電流制御装置65の具体的な構成例を示す。本例の基本構成は周知であり、例えば、電気学会論文誌D,117巻,5号(1997年7月),589頁,図5に記載されている。図4の構成は、図2のベクトル図からd,q軸の電圧成分を演算し、さらにd,q軸の電流の指令と実際値との偏差に応じて働くACR−d,qを備えている。Id/Iq演算器651は位置検出器57からの界磁磁極位置(電気的回転角)θに応じた正弦または余弦信号を基準に、電流検出器55からの3相の瞬時電流検出値iu,iv,iwを用いて各電流の成分Id,Iqを演算する。電流制御装置65の出力はd,q軸の電圧指令信号Vd*,Vq*であり、PWMパルス発生装置66では、このId/Iq演算651の逆演算を行ってPWMパルス作成に用いる正弦波状の変調波信号を作成する。この演算は周知なので、省略する。
【0012】
図5は、このような制御の有無による特性を示す図である。(a)は本発明の制御を行ったときの特性例、(b)は本発明の制御を行わず、d軸分の電流は零とし、q軸分の電流制御のみをトルクに応じて行う場合の特性例を示す。(a)の例では、トルクTが正で力行運転状態、負で回生運転状態にあり、モータが回生運転状態になる速度ωの減速点から、d軸電流Idをモータ軸からの発電電力に応じたモータ内部損失を発生させるために必要な値だけ、負の方向に増加させる。また、q軸電流は数式(6)から分かるようにトルクに比例させる。d軸電流をこのように制御すると、d,q軸電流成分のベクトル和である電機子電流Iaは増加するものの、インバータの直流電圧Vdcの上昇を抑制する。このため、回生電力消費用の回路を省くことができる。また、モータが回生運転状態になる上記減速付近以外では、d軸電流Idが零に制御され、モータの損失を最小化する高効率運転が行われていることが分かる。
一方、(b)のようにd軸分を常に零にすると、モータ軸からの発電電力からモータの内部損失を差し引いた分の電力が平滑コンデンサ53に充電され続け、インバータの直流電圧Vdcは上昇する。このような現象を防ぐために、抵抗とスイッチング素子を平滑コンデンサと並列に構成する回生電力消費用回路が必要になり、その結果、制御システムの小型化が妨げられてしまう。
以上のように、本実施形態によれば、抵抗とスイッチング素子等で構成される回生電力消費用の回路を用いることなく、回生電力による直流電圧の増加を抑制することができるので、小型かつ経済的なシステムを構築することができる。
【0013】
図6は、図3に示したd軸電流指令装置64の他の構成例を示す。図6において図3と同一番号は同一のものを示す。図6の構成例は、インバータの直流電圧の指令値とその検出値にしたがってd軸電流指令信号Id*を出力する点に特徴がある。
直流電圧検出器67は、インバータ入力段の平滑コンデンサ53の電圧Vdcを検出する。直流電圧上限設定器645は、平滑コンデンサ53の直流電圧の上限値Vlimを設定する。d軸電流調節器646は、直流電圧上限設定器645と直流電圧検出器67との出力信号に応じて働く。d軸電流調節器646の出力はd軸電流指令信号Id*となる。
d軸電流調節器646は、直流電圧上限設定器645からの指令信号Vlimと直流電圧検出器67からの直流電圧信号Vdcとの偏差に応じてd軸電流指令信号Id*を出力するようにフィードバック系を構成する。また、平滑コンデンサ53の直流電圧が所定値を越えようとするときのみ(VlimとVdcの偏差が負)、このフィードバック系は動作を行う。
このように構成すると、図3の構成例に比較して、直流電圧検出器67を新たに必要とするものの、d軸電流指令信号Id*の作成にモータ定数が不必要になるため、モータ定数の誤差の影響を受けずに、安定した制御が可能となる利点がある。
【0014】
図7は、本発明をエレベータに応用した実施形態を示す。図7において図1と同一番号は同一のものを示す。同期モータ56の軸端にシーブ2を接続し、シーブ2に巻付けられたロープ4を介して乗りかご1とカウンタウエイト3が接続される。同期モータ56、すなわちシーブ2の回転にしたがって乗りかご1は昇降する。本発明による制御装置は、エレベータのように加減速を必ず行う図5のような負荷特性をもつ駆動系に適用すると、その効果が顕著である。
【0015】
以上の説明において、抵抗とスイッチング素子等で構成される回生電力消費用の回路と、本発明による制御装置とを併用した場合の例については、図示しなかったが、併用した場合についても、本発明による制御装置により回生電力消費用の回路の部品(抵抗やスイッチング素子)の定格容量を低減することができるので、回路部品を小型化できることは明らかであり、その結果、制御システム全体を小型かつ経済的に構築することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、永久磁石式同期モータからの発電電力がインバータの直流電圧側に回生しないように、モータの磁界と同方向の電流成分(d軸電流成分)を制御するため、抵抗とスイッチング素子等で構成される回生電力消費用の回路を用いることなく、回生電力による直流電圧の増加を抑制することができる。この結果、制御システム全体を小型かつ経済的に構築することができる。
また、永久磁石式同期モータの運転状態が回生になる領域において、モータから発生する回生電力がモータの内部で消費するように、モータの磁界と同方向の電流成分(d軸電流成分)をモータの発電電力に応じて発生させることによって、または、インバータに入力する直流電圧に応じて発生させることによって、インバータの入力側の直流電圧の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による永久磁石同期モータの制御装置
【図2】制御原理を説明するためのベクトル図
【図3】本発明のd軸電流指令装置の構成例
【図4】電流制御装置の構成例
【図5】本発明による特性を示す図
【図6】本発明の他のd軸電流指令装置の構成例
【図7】本発明の応用例
【符号の説明】
1…乗りかご,2…シーブ,3…カウンタウエイト,4…ロープ,51…交流電源,52…コンバータ,53…平滑コンデンサ,54…インバータ,55…電流検出器,56…同期モータ,57…位置検出器,58…速度検出器,59…負荷,61…速度指令装置,62…速度制御装置,63…q軸電流指令装置,64…d軸電流指令装置,65…電流制御装置,66…PWMパルス発生装置,641…モータ出力電力演算器,642…判定器,643…d軸電流演算器,644…切替器,645…直流電圧上限設定器,646…d軸電流調整器,651…Id/Iq演算器
Claims (4)
- 直流電圧を入力し、可変電圧・可変周波数の交流に変換するインバータと、前記インバータから給電される永久磁石式同期モータと、前記モータの速度指令を発生する速度指令装置と、前記速度指令に前記モータの速度が追従するようにトルク指令を発生する速度制御装置と、前記トルク指令に基づいて前記モータの磁界と直角方向の電流成分(q軸電流成分)の指令を発生するq軸電流指令装置と、前記モータの磁界と同方向の電流成分(d軸電流成分)の指令を発生するd軸電流指令装置と、前記q軸電流成分及びd軸電流成分の各指令値に応じた電流が前記モータに流れるように前記インバータを制御する装置を備えた永久磁石式同期モータの制御装置において、
前記d軸電流指令装置おける前記d軸電流成分の指令値を、前記モータの力行運転状態と回生運転状態とに応じて切替え、前記モータが回生運転状態のとき、前記インバータの直流電圧の上昇を所定値内に抑制するために、前記モータから発生する回生電力を前記モータの内部で消費するように、前記モータの回生電力に応じて前記d軸電流成分の指令値を発生することを特徴とする永久磁石式同期モータの制御装置。 - 請求項1において、前記トルク指令と前記モータの回転速度から演算したモータの出力電力に基づいて、前記力行運転状態及び前記回生運転状態を判別することを特徴とする永久磁石式同期モータの制御装置。
- 請求項1において、前記d軸電流成分の指令値は、前記トルク指令と前記モータの回転速度から演算したモータの回生電力と、前記q軸電流成分の指令値に基づいて演算することを特徴とする永久磁石式同期モータの制御装置。
- 請求項1において、前記モータが力行運転状態のとき、前記d軸電流指令装置における前記モータのd軸電流成分の指令値を前記モータが発生する損失を最小化する値とすることを特徴とする永久磁石式同期モータの制御装置。
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