JP3787388B2 - ライン状ライトガイド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光をライン状に出射させるための光ファイバケーブルによるライン状ライトガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバによるライトガイドの製造方法として、光ファイバをドラム等に並列に巻き付けてシート化し、シート端面を口金に接着してシート端面の光ファイバ端面を適宜研磨してライン部を形成し、ライン部以外の光ファイバを集束して口金に接着して光ファイバ端面を適宜研磨して集束部を形成した後、ライン部及び集束部以外の光ファイバをチューブや樹脂等で被覆する方法が知られている。
【0003】
しかしながら、このような従来法では、ライン部の長さ、ライン部と集束部との長さに制約がある、出射光の平均化のため光ファイバをランダムにして集束する作業に時間がかかる、光ファイバが裸ファイバであるためこれを保護する必要がある等の問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光ファイバがジャケット材で被覆されてなる光ファイバケーブルを用い、任意の長さのライン長で、しかも出射光が平均化されたライン状ライトガイドを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1本の光ファイバがジャケット材で被覆されてなる単芯光ファイバケーブルの複数本のケーブルの各々の両端部のジャケット材が剥離され、一方の剥離端部がライン状に配置の口金(a)で固定され、他方の剥離端部が集束口金(b)で固定されたライン状ライトガイドであって、ライン状に配置の口金(a)に固定されたケーブルを口金(a)の一端から他端に向かって順次複数本のケーブルからなるケーブル群に分割され、さらに各ケーブル群から1本または2本ずつ取り出されて構成される複数個のケーブル束の集合体が集束口金(b)に固定されてなるライン状ライトガイド、
【0006】
及び、複数本の光ファイバがジャケット材で被覆されてなる多芯光ファイバケーブルの3本以上のケーブルの各々の両端部のジャケット材が剥離され、一方の剥離端部がライン状に配置の口金(a)で固定され、他方の剥離端部が集束口金(b)で固定されたライン状ライトガイドであって、集束口金(b)に固定された各ケーブルから1本または2本ずつ取り出された光ファイバがライン状に配置の口金(a)の一端から他端に向かって順次固定されてなるライン状ライトガイド、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては、光ファイバケーブルとして、1本の光ファイバがジャケット材で被覆されてなる単芯光ファイバケーブル、或いは複数本の光ファイバがジャケット材で被覆されてなる多芯光ファイバケーブルが用いられる。また、光ファイバ自身は、石英系光ファイバであってもよいし、プラスチック光ファイバであってもよい。
【0008】
本発明のライン状ライトガイドは、用いる光ファイバケーブルにより、即ち、単芯光ファイバケーブルを用いたライン状ライトガイドと多芯光ファイバケーブルを用いたライン状ライトガイドとがある。以下、それぞれのケーブルを用いたライン状ライトガイドにつき、その製造方法と共に具体的に説明する。
【0009】
単芯光ファイバケーブルを用いたライン状ライトガイドにおいては、複数本の単芯光ファイバケーブルを用い、各々の単芯光ファイバケーブルの両端部をそのジャケット材を剥離して光ファイバを露出させ、ケーブルの一方の剥離端部を任意の長さのライン状に配置の口金(a)の一端からそれぞれ順次等ピッチで孔に挿入し、接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げすることにより、光出射ライン部が形成される。
【0010】
ライン状に配置の口金(a)に固定されたケーブルは、口金(a)の一端から他端に向かって順次複数本のケーブルからなるケーブル群に分割し、さらに各ケーブル群から1本または2本ずつ順に取り出されて構成される複数個のケーブル束をランダムに集合し、それらの剥離端部を集束口金(b)に挿入し、接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げすることにより、光入射集束部が形成される。
【0011】
また、多芯光ファイバケーブルを用いたライン状ライトガイドにおいては、3本以上の複数本の多芯光ファイバケーブルを用い、各々の多芯光ファイバケーブルの両端部をそのジャケット材を剥離して光ファイバ束を露出させ、ケーブルの一方の剥離端部を集合して集束口金(b)に挿入し、接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げすることにより、光入射集束部が形成される。
【0012】
集束口金(b)に固定された3本以上の複数本のケーブルの各々から光ファイバを1本または2本ずつ任意に取り出し、それらの剥離端部をライン状に配置の口金(a)の一端から他端に向かって順次孔に挿入し、接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げすることにより、光出射ライン部が形成される。
【0013】
単芯または多芯光ファイバケーブルを被覆するジャケット材の剥離は、カッター等の工具を用い物理的な剥離手段によってもよいし、溶剤で溶解する等の化学的な剥離手段によってもよく、被覆材料、光ファイバ構成素材に応じて任意の剥離手段が用いられる。
【0014】
光出射ライン部に用いられる口金(a)は、多数の孔がライン状に配列されて形成される口金であり、各孔は、1本または複数本の光ファイバを把持しうる形状であればよいが、単芯光ファイバケーブルを用いた場合は円形、多芯光ファイバケーブルを用いる場合は長方形であることが好ましく、また、口金(a)の孔の配置間隔は、ライン状に配置されて出射光がラインをなすのであれば、特に制限されない。また、光入射集束部に用いられる口金(b)は、複数本の光ファイバを把持しうる形状であればよいが、円形または正方形であることが好ましく、また、口金(b)の長さは、特に制限されない。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0016】
(実施例1)
単芯光ファイバケーブルとして三菱レイヨン(株)製SH6001(ファイバ径1.5mm、ジャケットを含むケーブル径3mm)を用い、長さ10mにカットし、119本の単芯光ファイバケーブルを準備した。このケーブルの一方の端部を15mmの長さにわたってジャケット材を剥離して光ファイバを露出させた。次に、先端孔径が1.6mm、長さ20mmの円形の孔を8.5mmの等間隔で119個配置したライン口金の各孔にそれぞれ光ファイバの剥離端部を挿入し、根元部のジャケットとともに接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げして光出射ライン部を形成した。
【0017】
次に、光出射ライン部に結合された119本のケーブルを口金の一方の端から順に7本ずつに分けて17の群とし、各群の中から1本ずつ順にケーブルを取り出して17本とした束を7個作り、この7個の束をランダムに集合した。集合した各ケーブルの端部を300mmの長さにわたってジャケット材を剥離して光ファイバを露出させ、合計119本の光ファイバの剥離端部を口径が16.3mmの円形である外径50mmの集束口金に挿入し、根元部のジャケットとともに接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げして光入射集束部を形成し、図1に示すような、ライン長1011.5mm、ケーブル部の長さ8mのライトガイドを製作した。
【0018】
(実施例2)
多芯光ファイバケーブルとして三菱レイヨン(株)製GHV30196(ファイバ径0.75mm×196本、ジャケットを含むケーブル径17.5mm)を用い、長さ11mにカットし、3本の多芯光ファイバケーブルを準備した。このケーブルの一方の端部を1500mmの長さにわたってジャケット材を剥離して光ファイバ束を露出させた。次に、タテ0.8mm、ヨコ4.7mm、長さ20mmの長方形の孔を12mmの等間隔で98個配置したライン口金に、3本の多芯光ファイバケーブルの各光ファイバ束から光ファイバを2本ずつランダムに取り出し、剥離端部をライン口金の一端から他端に向けそれぞれ順次孔に挿入し、光ファイバとライン口金とを接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げして光出射ライン部を形成した。
【0019】
次に、出射ライン部に結合された3本のケーブルの端部を300mmの長さにわたってジャケット材を剥離して光ファイバ束を露出させ、光ファイバ束の剥離端部を口径が20mmの円形である外径50mmの集束口金に挿入し、根元部のジャケットとともに接着剤で固定し、口金面の光ファイバ端面を適宜研磨仕上げして光入射集束部を形成し、ライン長1170mm、ケーブル部の長さ9mのライトガイドを製作した。
【0020】
【発明の効果】
本発明のライン状ライトガイドは、出射光が平均化されて光出射斑のないライトガイドであり、また、光出射ライン部のラインの長さ、光出射ライン部と光入射集束部との長さに制約がなく、また、本発明のライン状ライトガイドを製造する際、出射光の平均化作業も簡単で、光ファイバ保護工程の必要もなく、合理化された工程で任意の長さのライトガイドを得ることができる。本発明のライン状ライトガイドは、大型の透明面状体の側面からの照射が可能であり、高速道路等の交通標識、看板等に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による単芯光ファイバケーブルによるライトガイドの一例の斜視図である。
【符号の説明】
1 単芯光ファイバケーブル
2 光出射ライン部
3 光入射集束部

Claims (2)

  1. 1本の光ファイバがジャケット材で被覆されてなる単芯光ファイバケーブルの複数本のケーブルの各々の両端部のジャケット材が剥離され、一方の剥離端部がライン状に配置の口金(a)で固定され、他方の剥離端部が集束口金(b)で固定されたライン状ライトガイドであって、ライン状に配置の口金(a)に固定されたケーブルを口金(a)の一端から他端に向かって順次複数本のケーブルからなるケーブル群に分割され、さらに各ケーブル群から1本または2本ずつ取り出されて構成される複数個のケーブル束の集合体が集束口金(b)に固定されてなるライン状ライトガイド。
  2. 複数本の光ファイバがジャケット材で被覆されてなる多芯光ファイバケーブルの3本以上のケーブルの各々の両端部のジャケット材が剥離され、一方の剥離端部がライン状に配置の口金(a)で固定され、他方の剥離端部が集束口金(b)で固定されたライン状ライトガイドであって、集束口金(b)に固定された各ケーブルから1本または2本ずつ取り出された光ファイバがライン状に配置の口金(a)の一端から他端に向かって順次固定されてなるライン状ライトガイド。
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