JP3786005B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器洗い機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、食器洗い機の送風装置自体の送風出口に、シャッターを配置させた製品は見当たらない。開放のままの使用が一般的である。この食器洗い機は、洗浄あるいは加熱すすぎ時に水を温めたとき、蒸気、いわゆる湯気が通風路を通って、送風装置の方に上がってくるのを防止するものである。従来は、この防止策として送風装置を本体の下部に配置させ配管を上方までもっていき、そこから下方にさげてから洗浄槽内に送風するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法においては、管路抵抗が大きくなり、風量が落ちたり、また風量維持のため、送風装置が大きくなるという欠点があった。そして、省スペース部に送風装置を入れる必要があり、大型な送風装置を配置させることが困難であつた。
【0004】
従って、
▲1▼管路を長くできない。
▲2▼省スペース化により、小型送風ファンで風量を確保する必要がある。
▲3▼蒸気の逆流による水滴付着防止は必須である。
図8により、説明する。洗い、及び加熱すすぎの後半、洗浄槽101内の温度が60〜80℃になると蒸気が出る。即ち、蒸気が洗浄槽101部の風の出口から逆に侵入し、外気温により冷やされ、管路部や送風装置117の内部で水滴310となる。この水滴310が、水漏れや基板の破壊、送風モータ308シャフトへの錆発生の原因となるのである。よって、上記より、管路を短くしても蒸気の流入を防止するのは安全上も必要条件なのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の食器洗い機は、食器収納槽と、該食器収納槽を引き出し可能に収納し、前記食器収納槽を外方より覆い外郭を構成した本体と、食器洗浄用の加圧水供給手段と、水を温水へ変え、前記食器収納槽内の温度を上昇させるためのヒータと、前記食器収納槽内の洗浄水を機外へ排出する排水ポンプを有し、食器の洗浄、水すすぎ、温水すすぎ及び、乾燥の各行程を実行する制御装置を備えた食器洗い機において、前記食器洗浄槽の壁の外側に設けられ前記食器収納槽へ空気を送風する送風装置と、この送風装置と前記食器収納槽とを接続する管路と、前記送風装置の空気出口に、樹脂の薄板からなり自重で前記送風装置の空気出口を閉じるシャッターと、前記管路と前記食器収納槽との間に洗浄液の侵入を防止する洗浄液シャッターと、前記ヒータの上側に前記洗浄槽内を仕切る仕切り板とを有し、前記管路から前記食器収納槽の下部に送風された空気を前記ヒータにより温風とし、前記仕切り板に設けた複数の穴から温風を供給して前記洗浄槽内の食器を乾燥させるものである。また、シャッターは薄板に軟質部材を貼り合わせた構造としてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図1〜図7の一実施例について説明する。図1は、システムキッチンに組み込んだ食器洗い機の斜視図である。この実施の形態における食器洗い機は、2つの食器洗浄槽ユニット100,200を上下2段に積み重ねるように組み合わせた状態にシステムキッチン300に組み込んだ構成である。
【0007】
2つの食器洗浄槽ユニット100,200は、そのほとんどを同一構成にしているので、共通する構成については上段に位置する食器洗浄槽ユニット100を例示して構成を説明する。
【0008】
食器洗浄槽ユニット100は、引き出し式の洗浄槽101をケース102内に進退可能に収容し、引き出した状態で食器の出し入れや洗剤投入を行い、押し込んだ状態で洗浄(洗い,すすぎ,乾燥)を行う。洗浄槽101の前側面に取り付けた前面パネル103は、この前面パネル103の前縁面に設けた104と上端面に設けた操作パネル105を備える。
【0009】
この食器洗浄槽ユニット100の具体的な組み立て構造を図2,図3を参照して説明する。
【0010】
食器を収納する洗浄槽101は、樹脂成型によって上側を開放した箱型形状に形成する。この洗浄槽101の底壁の外側には偏平なブラシレスモータ106を取り付け、このブラシレスモータ106の回転軸の内端部は、洗浄槽101の底壁を貫通させて洗浄槽101内に突出させ、洗浄ポンプ羽根107を嵌着する。洗浄槽101の底壁のブラシレスモータ取り付け部の周囲は、低くして水溜部108を形成し、底壁との間に前記洗浄ポンプ羽根107の吸い込み通路を構成する隙間を介在させて取り付けた洗浄液吸込ガイド109を設け、洗浄ポンプ羽根107の吸引力を水溜部108内の洗浄液に効率良く作用させることができるように構成する。ノズルアーム110は、その中央部に形成した受水口110aが前記洗浄ポンプ羽根107の吐出口を包囲して該洗浄ポンプ羽根107からト吐出する洗浄液を受け入れるように、前記洗浄吸込ガイド109に回転自在に嵌着する。ノズルアーム110は、洗浄ポンプ羽根107から受け入れた洗浄液をノズルアーム110の上面に設けた複数の洗浄噴射穴110bから直交あるいは斜め上向きに噴射し、食器に当て洗浄する。また、ノズルアーム110は、洗浄ポンプ羽根107から吐き出された水をガイド110cによってノズルアーム110の側壁に水を当てる力で回転させる。また、ノズルアーム110の側壁底部に穴110dを複数個配設させ仕切り板111の上面に向けて斜めに噴射させるこの噴射によって仕切り板111についた残菜を流し、仕切り板に残菜が付着しないようにしている。洗浄液吸込ガイド109とノズルアーム110の間には、洗浄槽101の底部を上下に仕切る濾過網目付きの仕切り板111を設置し、この仕切り板111の裏側(下側)に概略環状のシーズヒータ112を配置する。
【0011】
ブラシレスモータ106の回転軸の外端部には、排水ポンプ羽根113を嵌着し、この排水ポンプ羽根113を包囲する排水ポンプケース114を取り付ける。この排水ポンプケース114には、前記洗浄槽101の底部に接続する吸水口114aと、排水ホース115に接続する排水口114bと、洗浄槽101内に開口するように空気抜ホース116を接続する空気抜口114cを設ける。
【0012】
前記排水ポンプ羽根113は、ブラシレスモータ106を正回転(洗浄モード)させたときには排水ポンプ機能を発揮せず、逆回転(排水モード)させたときに排水ポンプ機能を発揮するように構成する。
【0013】
洗浄槽101の前側壁の外側には、乾燥用の空気を洗浄槽101の下部に吹き込んで循環させる送風装置117を設置する。洗浄槽101内の湿潤空気は、側壁に形成した排気口101aから機外に排気する。
【0014】
また、洗浄槽101内には、ノズルアーム110の上方に位置するように食器載置かご118を設置する。この食器載置かご118は、下段に位置する食器洗浄ユニット200では、食器載置かごと調理器具載置かごを選択的に設置することができるように構成する。食器載置かごは、図4に示すように、茶碗や皿やコップ等の食器を載置するのに好適な形態に構成し、調理器具載置かごは、図5に示すように、フライパンや鍋やボール等の調理器具と食器を並べて載置するのに好適な形態に構成する。
【0015】
また、洗浄槽101の上縁の全周には、中空パッキング119を当接してシールするためパッキング当接101bを形成する。
【0016】
このように構成した洗浄槽101の両外側面には、カース102内に進退可能に設置するためのスライドレール120とローラ121を取り付ける。
【0017】
ケース102は、前後方向と上方向を開放するように略U字形状に鋼板を折り曲げて形成し、両上端開放縁を内面に折り曲げて庇102aを形成する。そして、上側開放面は、庇102aの内面(庇102aの下面)のシール天面122の端縁部の上面を当接してねじ止めすることにより閉じる。また、後側の開放辺の上部は、上端縁を内側に折り曲げた鋼板製の補助板(図示省略)を外側から押し当てて押え込むようにケース102およびシール天板122にねじ止めして補強する。
【0018】
そして、両側内面には、洗浄槽101のスライドレール120とローラ121と組み合わせる固定レール123とローラを取り付ける。
【0019】
洗浄槽101から漏水防止用シールは、図6〜図8に示すように、ケース102の上端開放縁を内側に折り曲げて形成した庇102aで押えられたシール天板122の外周縁部の内側(下面)に洗浄糟101の上端全周に形成したパッキン当接鍔1bに対向するように環状の中空パッキング119を設け、エアーポンプによって中空パッキング119に加圧空気を送って膨らませることにより膨らんだパッキング119を洗浄槽101のパッキング当接鍔1bとシール天板122の間に弾性的に当接(弾着)させて安定したシールを実現する。
【0020】
シール天板122は、樹脂成型によって形成、外周縁部の内側には、環状のパッキング収納溝122aを下向きに開放するように形成し、このパッキング収納溝122aの底には、中空パッキング119の上側壁に突設して弾着部119aを嵌着して取り付ける取り付け溝122bと、中空パッキング119の上側壁に形成した給排気口119cを露出させる給排気口窓122cを設ける。この給排気口窓122cの上側部には、シール天板122の端面に開放する横向きの継ぎ手溝122bを連設する。中空パッキング119の給排気口119cに対する給排気パイプ124の接続は、L字状の継手125の一辺を前記給排気口119cに差し込んで中空パッキン119に接続し、他辺を給排気口パイプ124に差し込んで実現する。この接続は、継ぎ手125,給排気パイプ124を給排気口窓122cと継ぎ手溝122d内収納するように配置して実現し、シール天板122の上面に継ぎ手125と給排気パイプ124が突出しないように構成する。
【0021】
本実施例では、洗浄槽部入り口と送風装置出口の2箇所に小型薄方送風装置の風量でも開閉するシャッターを設け、送風装置部のシャッターにおいては、パッキンにより蒸気を遮断する構造を有することとした。図9において、本考案の内容を詳細に説明する。図9は、送風装置117全体の斜視図である。洗浄槽側に配置された下シャッター320と送風ファン316側に配置された上シャッター318により、蒸気の送風ファン316内への侵入は完全に防止される。下シャッターは主に洗浄液、噴射による洗浄液侵入防止である。下シャッターを侵入してきた少量の温度の高い温水、蒸気が外気温で冷やされて発生する水滴、これら上シャッター318で完全に遮断する構成である。上シャッターはマイラ等の超薄板の樹脂318aに軟質部材318bを貼りあわせた軽量シャッターを配設している。送風モータ308が駆動するとファン314が回転し風が管路内を通り洗浄槽に流入する。322は、送風ファン316押えガイドで洗浄槽側からの爪324によって洗浄槽と一体化になる。312は、粉塵防止用の網である。ここで、本実施例における食器洗い機の洗浄及び乾燥工程について、標準コースを図2、図3より概略説明する。汚れた食器を食器載置かごに配置させ、洗剤を洗浄槽内に投入後、操作パネル104のスイッチを押すことにより、制御基板301により洗い、乾燥までの工程で運転が行われる。まず、エアーポンプ162から空気を中空パッキング119内に送り、膨らましシール天板122と洗浄槽101の隙間をなくし水封する。次にブラシレスモータ106に通電し、排水ポンプ羽根113を逆回転させて洗浄槽101内に水が入っている時、排水させる。次に、給水弁302に通電、給水する。水は洗浄槽101の下方部、吐き出し口304より洗浄槽内に流入する。流入した水は、温度差により水位位置を設定する水位センサ306によりノズルアーム110の下面まで流入させる。約3.2リットルの水量である。流入後、ブラシレスモータ106に通電し、洗浄ポンプ羽根107を正回転させ洗浄槽内の水を洗浄液吸込ガイド109の下よりノズルアーム110の内部を流し、洗浄噴射穴110bから噴射させ食器を洗う。水温は洗浄時65℃程度までシーズヒータ112によって加熱させる。洗い終了後、排水、給水、洗い2〜3分程度行う工程を3回繰り返し、水すすぎ工程としている。その後、温水(加熱)すすぎを行う。温水すすぎの温度は、70℃以上で制御している。念入りコーでは80℃程度まで加熱している。そして、排水後、乾燥工程に入る。乾燥時は、シーズヒータ112を間欠的にON、OFFし、温度のコトロールを行いながら、送風装置117を駆動させ、風を仕切り板111の下からシーズヒータに当てながら仕切り板111の多数の穴から洗浄槽110内の食器に温風として当て、排気窓101aを介して外に出す。標準コースの工程時間は、約90分(洗い25分、水すすぎ12分、温水すすぎ22分、乾燥30分)である。
【0022】
【発明の効果】
以上のことより、前記構成よりなる本発明によれば、送風装置の通風経路内に複数個のシャッターを設けることにより、薄方の送風ファンを使用できコスト低減を図ることができ、さらに蒸気の侵入を完全に防止できることより、モータ基板への水滴侵入、モータシャフトへの水滴侵入を防止でき、安全面においても信頼性の高いものを提供できる。さらに、管路の長さを1/3程度まで短くでき管路抵抗を大幅低減でき、排気風量も1.5倍程度UPでき、良好な乾燥性能を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる食器洗い機を組み込んだシステムキッチンの斜視図である。
【図2】本発明になる食器洗浄槽ユニットの横断正面図である。
【図3】本発明になる食器洗浄槽ユニットの縦断正面図である。
【図4】図1に示した食器洗い機の上段の食器洗浄槽ユニットを引き出した状態を示す平面図である。
【図5】図1に示した食器洗い機の下段の食器洗浄槽ユニットを引き出した状態を示す平面図である。
【図6】洗浄槽からの漏水防止用シール部を拡大して示す縦断正面図である。
【図7】洗浄槽からの漏水防止用シール部の給排気接続部を拡大して示す縦断正面図である。
【図8】操作パネルをはずした状態での送風装置の配置構成を示す斜視図である。
【図9】本発明のシャッターを配設した送風装置を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
300…システムキッチン,200…食器洗洗浄槽ユニット,100…食器洗洗浄槽ユニット,101…洗浄槽,101a…排気窓,101b…パッキング当接鍔,101d…排気口,102…ケース,102a…庇,103…前面パネル,104…操作パネル,105…操作パネル,106…ブラシレスモータ,107…洗浄ポンプ羽根,108…水溜部,109…洗浄液吸込ガイド,110…ノズルアーム,110a…受水口,110b…洗浄噴射穴,110c…ガイド,110d…穴,111…仕切り板,112…シーズヒータ,113…排水ポンプ羽根,114…排水ポンプケース,114c…空気抜口,114b…排水口,114a…吸水口,115…排水ホース,116…空気抜ホース,117…送風装置,118…食器載置かご,119…中空パッキング,119a…弾着部,120…スライドレール,121…ローラー,122…シール天板,122a…パッキング収納溝,122b…取り付け溝,122c…給排気窓,123…固定レール,124…給排気パイプ,125…継ぎ手,162…エアーポンプ,310…水滴,308…送風モータ,312…網,314…ファン,316…送風ファン,318…上シャッター,318a…樹脂,318b…軟質部材,320…下シャッター,322…押えガイド,324…爪。

Claims (2)

  1. 食器収納槽と、該食器収納槽を引き出し可能に収納し、前記食器収納槽を外方より覆い外郭を構成した本体と、食器洗浄用の加圧水供給手段と、水を温水へ変え、前記食器収納槽内の温度を上昇させるためのヒータと、前記食器収納槽内の洗浄水を機外へ排出する排水ポンプを有し、食器の洗浄、水すすぎ、温水すすぎ及び、乾燥の各行程を実行する制御装置を備えた食器洗い機において、前記食器洗浄槽の壁の外側に設けられ前記食器収納槽へ空気を送風する送風装置と、この送風装置と前記食器収納槽とを接続する管路と、前記送風装置の空気出口に、樹脂の薄板からなり自重で前記送風装置の空気出口を閉じるシャッターと、前記管路と前記食器収納槽との間に洗浄液の侵入を防止する洗浄液シャッターと、前記ヒータの上側に前記洗浄槽内を仕切る仕切り板とを有し、前記管路から前記食器収納槽の下部に送風された空気を前記ヒータにより温風とし、前記仕切り板に設けた複数の穴から温風を供給して前記洗浄槽内の食器を乾燥させる食器洗い機。
  2. 請求項1において、前記シャッターは前記薄板に軟質部材を貼り合わせた構造としたことを特徴とする食器洗い機。
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